JP2004232567A - エンジン冷却装置 - Google Patents

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JP2004232567A
JP2004232567A JP2003022793A JP2003022793A JP2004232567A JP 2004232567 A JP2004232567 A JP 2004232567A JP 2003022793 A JP2003022793 A JP 2003022793A JP 2003022793 A JP2003022793 A JP 2003022793A JP 2004232567 A JP2004232567 A JP 2004232567A
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Yukio Kawasaki
幸夫 川崎
Toshitaka Suzuki
利隆 鈴木
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Nippon Thermostat Co Ltd
Aisin Corp
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Aisin Seiki Co Ltd
Nippon Thermostat Co Ltd
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Abstract

【課題】冷却水の水温を精密に制御することができるエンジン冷却装置を提供する。
【解決手段】サーモスタット3には、ラジエータ出口からの冷却水とエンジン出口からの冷却水との流量配分をバルブ開度に応じて制御するメインバルブ29が設けられている。サーモスタット3は、エンジンからの冷却水の一部が流れる感温流路部21を備えている。感温流路部21には、感温流路部21を流れる冷却水の温度に応じてバルブ開度を変化させるサーモエレメント24が配置されている。ラジエータ出口からの冷却水と感温流路部21を流れる冷却水とが合流する合流部23aにおいて、開口端面21aの外側開口端21cは、メインバルブ29のシール面29aよりも下流側にある。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、エンジン冷却装置に係り、詳しくは、エンジン冷却装置が備えるサーモスタットに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、ラジエータで冷却した冷却水を、ウォータポンプを駆動してエンジンに供給させるエンジン冷却装置が提案されている。詳述すると、例えばエンジン始動時等においては、エンジンの暖機を行うためにエンジン出口からの冷却水をラジエータとは別の流路に供給する。そして、エンジンが十分に暖まると、エンジンを冷やすためにエンジン出口からの冷却水をラジエータに供給させて冷却水を冷やす。
【0003】
図6に示すように、エンジン冷却装置51を構成するラジエータ52は、ラジエータ導入口52a及びラジエータ導出口52bを備えている。ラジエータ導入口52aはエンジン53のエンジン導出口53aに接続され、ラジエータ導出口52bはサーモスタット装置54及びウォータポンプ(W/P)55を介してエンジン53のエンジン導入口53bに接続されている。エンジン53にて暖まった冷却水は、エンジン53のエンジン導出口53aからラジエータ52のラジエータ導入口52aに導入され、ラジエータ52のラジエータ導出口52bから導出される。
【0004】
エンジン53の暖機を行うとき、ウォータポンプ55が駆動すると、エンジン53を通過した冷却水は、第2流路59、感温流路60及びヒータ流路66を循環する。この場合、サーモスタット装置54の後記するメイン弁体64は閉状態にあるため、冷却水がラジエータ52を通過することにより冷却されることはない。そして、エンジン53が十分に暖まると、メイン弁体64が開状態になり、エンジン53を通過した冷却水は、第2流路59、感温流路60及びヒータ流路66に加え、第1流路57を循環する。その結果、冷却水がラジエータ52に流れ、ラジエータ52を通過する冷却水が車速による送風及び冷却ファンの送風によって冷却される。この場合、メイン弁体64のバルブ開度が大きくなるのに伴い、第1流路57及びラジエータ52を通過する冷却水の流量が徐々に増加する。そして、メイン弁体64のバルブ開度が最大値近傍になると、後記するバイパス弁体65が閉状態になり、第2流路59が遮断される。
【0005】
図7に示すように、前記サーモスタット装置54のハウジング56内には、第1流路57及びサブ流路58が形成されている(特許文献1参照)。また、サーモスタット装置54には第2流路59が接続されている。第1流路57にはラジエータ52のラジエータ導出口52bからの冷却水が流れ、第2流路59にはエンジン53のエンジン導出口53aからの冷却水が流れる。サブ流路58は、第2流路59から分岐した図6に示す感温流路60に接続されており、エンジン53のエンジン導出口53aからの冷却水の一部が流れる。図7に示すように、サブ流路58内にはエレメント61の水温感温部61aが収容されている。エレメント61のピストン62に連結されたメインシャフト63にはメイン弁体64及びバイパス弁体65が取り付けられており、メイン弁体64及びバイパス弁体65は第1流路57及び第2流路59の開閉を制御する。
【0006】
このような構成のサーモスタット装置54は、冷却水をラジエータ52から第1流路57を介してエンジン53へ供給するようになっている。エンジン始動時には冷却水が低温であるため、冷却水が第2流路59、感温流路60、ヒータ流路66及びウォータポンプ55を介してエンジン53に戻される。暖気運転後に冷却水が所定の温度に到達すると、ハウジング56内のワックスが膨張してエレメント61のピストン62が温度に応じて突出する。このピストン62の突出量によって、メイン弁体64のバルブ開度が増加して第1流路57が開放状態になるとともに、バイパス弁体65のバルブ開度が減少する。従って、ラジエータ52にて冷却された冷却水が第1流路57、第2流路59、感温流路60、ヒータ流路66及びウォータポンプ55を介してエンジン53のエンジン導入口53bへ導出される。そして、ピストン62の突出量が設定値以上になると、第2流路59が遮断される。
【0007】
【特許文献1】
特開2001−317355号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、第1流路57が開放状態になると、冷却水は、感温流路60だけでなくラジエータ52側にも導出されるため、各流路の通水抵抗のバランスにより、第2流路59、感温流路60及びヒータ流路66を流れる流量が少なくなる。
それに伴い、サブ流路58を流れる冷却水の流量も少なくなるため、水温感温部61aがエンジン53から導出される冷却水の温度変化を検出し難くなる。その結果、エンジン53から導出される冷却水の温度に対応してメイン弁体64が制御されなくなる、即ちエンジン冷却装置51によって冷却水の水温を精密に制御することができなくなるという問題がある。
【0009】
本発明は、このような従来の技術に存在する問題点に着目してなされたものであり、その目的は、冷却水の水温を精密に制御することができるエンジン冷却装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために、請求項1に記載の発明では、ラジエータ出口からの冷却水が流れるラジエータ流路と、エンジン出口からの冷却水の一部が流れる感温流路とを備え、前記ラジエータ流路及び前記感温流路の合流部において、前記感温流路は前記ラジエータ流路の外側に配置され、前記合流部に対応して前記ラジエータ流路に設けられ同ラジエータ流路を流れる冷却水と前記エンジン出口からの冷却水が流れる各流路の冷却水との流量配分をバルブ開度に応じて制御するメインバルブと、前記感温流路に連通する感温流路部に配置され同感温流路部を流れる冷却水の温度に応じてバルブ開度を変化させるサーモエレメントとを有するサーモスタットを備えたエンジン冷却装置において、前記合流部において、前記感温流路部の開口端面の外側開口端が前記メインバルブのシール面よりも下流側にあることを要旨とする。
【0011】
この発明においては、感温流路部の開口端面の外側開口端はメインバルブのシール面よりも下流側にあるため、ラジエータ流路からメインバルブを介して感温流路部との合流部に流れ込んだ冷却水は、淀むことなく流れる。それにより、ラジエータ流路から流れ込んだ冷却水の流速が高くなるのに伴い合流部の圧力が低くなるため、感温流路部を流れる冷却水は圧力の低い合流部へと流れる。そのため、感温流路部から冷却水が強制的に吸い出され、冷却水の流量の低下が抑えられる。従って、水温感温部はエンジンから導出される冷却水の温度変化を確実に検出するため、エンジン冷却装置によって冷却水の水温を精密に制御することができる。
【0012】
請求項2に記載の発明では、請求項1に記載の発明において、前記感温流路部は、前記外側開口端とメインバルブ側開口端とを結ぶ前記開口端面がアール面となるように形成されていることを要旨とする。
【0013】
この発明においては、感温流路部の開口端面が、ラジエータ流路から感温流路部との合流部に流れ込む冷却水の流線に沿うようになるため、合流部に生じる淀みがより一層小さくなる。それにより、ラジエータ流路から流れ込んだ冷却水の流速がより一層高くなるのに伴い、合流部と感温流路部との圧力差がより一層大きくなるため、感温流路部を流れる冷却水の流量を確保するのがより一層容易になる。
【0014】
請求項3に記載の発明では、請求項1または請求項2に記載の発明において、前記感温流路部の開口端の少なくとも前記メインバルブ側開口端は、前記メインバルブと同心円上に周方向に延びていることを要旨とする。
【0015】
この発明においては、感温流路部の開口端の少なくともメインバルブ側開口端がメインバルブの形状に沿って延びているため、少なくともメインバルブ側開口端とメインバルブの外周部との距離が開口端の周方向において均等になる。よって、冷却水を吸い出す力が感温流路部の開口端の周方向において均等になるため、感温流路部の開口端全体において冷却水を均等に吸い出すことができる。従って、感温流路部を流れる冷却水の流量を確保するのがより一層容易になる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を具体化した一実施形態を図1〜図4に従って説明する。
図1に示すように、エンジン冷却装置1は、ラジエータ2、サーモスタット3、エンジン4に駆動される機械駆動式のウォータポンプ(W/P)5及び車室内の暖房を行うヒータ6を備えている。ラジエータ2には、図示しない冷却ファン、ラジエータキャップ7及びリザーブタンク8が設けられている。冷却ファンは、ラジエータ2への送風により、ラジエータ2内の冷却水を冷却するためのものである。ラジエータキャップ7は、エンジン冷却装置1内を流れる冷却水の圧力を一定に保持するためのものである。リザーブタンク8は、水温変化によって冷却水の体積が大きくなった場合に、冷却水の一部を貯蔵するためのものである。
【0017】
ラジエータ2は、ラジエータ冷却水導入口9及びラジエータ出口としてのラジエータ冷却水導出口10を備えている。ラジエータ冷却水導入口9は、接続流路11を介してエンジン4に設けられたエンジン出口としてのエンジン冷却水導出口12に接続されている。ラジエータ冷却水導出口10は、ラジエータ流路としての第1流路13を介してサーモスタット3に接続されている。第1流路13にはラジエータ冷却水導出口10側からの冷却水が流れるようになっている。サーモスタット3は、ウォータポンプ5を介してエンジン冷却水導入口14に接続されている。エンジン4にて暖まった冷却水は、エンジン4のエンジン冷却水導出口12から接続流路11を介してラジエータ2のラジエータ冷却水導入口9に導入され、ラジエータ2のラジエータ冷却水導出口10から導出される。
【0018】
サーモスタット3は、接続流路11から分岐した第2流路15及び接続流路11を介してエンジン4のエンジン冷却水導出口12に接続されている。第2流路15にはエンジン冷却水導出口12側からの冷却水が流れるようになっている。
また、サーモスタット3は、接続流路11から分岐した感温流路16、第2流路15及び接続流路11を介してエンジン4のエンジン冷却水導出口12に接続されている。感温流路16にはエンジン冷却水導出口12側からの冷却水の一部が流れるようになっている。
【0019】
前記ウォータポンプ5は、サーモスタット3及び前記ヒータ6の下流側とエンジン4のエンジン冷却水導入口14との間に配置されている。ウォータポンプ5は、エンジン冷却装置1内の冷却水を循環させるための装置となっている。ヒータ6は、接続流路11から分岐したヒータ流路17及びウォータポンプ5を介してエンジン4のエンジン冷却水導出口12に接続されている。従って、エンジン4が稼働しているとき、ヒータ6には常時冷却水が流れ、冷却水がヒータ6を通過するときに、熱交換によって車室内の暖房が行われる。
【0020】
エンジン冷却水温が低温のとき、ウォータポンプ5が駆動すると、エンジン4を通過した冷却水は、第2流路15、感温流路16及びヒータ流路17を循環する。この場合、サーモスタット3の後記するメインバルブ29は閉状態にあるため、第1流路13及びラジエータ2に冷却水が流れることはない。
【0021】
そして、エンジン冷却水温が上昇し、冷却水制御温度近傍になると、サーモスタット3のメインバルブ29が開状態になり、エンジン4を通過した冷却水は、第2流路、感温流路16及びヒータ流路17に加え、第1流路13を循環する。
その結果、冷却水がラジエータ2に流れ、ラジエータ2を通過する冷却水が車速による送風及び前記冷却ファンの送風によって冷却される。この場合、メインバルブ29のバルブ開度によって、第1流路13を流れる冷却水の流量と、第2流路15、感温流路16及びヒータ流路17を流れる冷却水の流量との分配比率が変化する。具体的には、メインバルブ29のバルブ開度が大きくなるのに伴い、第1流路13の通水抵抗が小さくなるため、第1流路13及びラジエータ2を通過する冷却水の流量は徐々に増加する。そして、メインバルブ29のバルブ開度が最大値近傍になると、後記するバイパスバルブ30が閉状態になり、第2流路15が遮断される。よって、サーモスタット3は、エンジン冷却水の温度に応じて流量配分を制御する。本実施形態において、エンジン冷却装置1はエンジン出口水温感温して冷却水を分配制御するように構成されている。
【0022】
図2に示すように、サーモスタット3はハウジング18及びバルブ駆動部19を備えている。ハウジング18は、エンジン4によって高温化した冷却水の温度よりも融点が高い耐熱プラスチック等の合成樹脂によって形成されている。なお、ハウジング18は金属によって形成されていてもよい。ハウジング18の外側部にはコネクタ接続部20が形成されている。コネクタ接続部20は、後記するサーモエレメント24のワックスを強制的に加熱するヒータ24aに電源供給を行うのに用いられている。
【0023】
また、ハウジング18内には感温流路部21及びメイン流路22が形成されている。メイン流路22はハウジング18内において内側に配置されており、感温流路部21はハウジング18内においてメイン流路22の外側に配置されている。感温流路部21とメイン流路22との合流部23aに導入された冷却水は、ウォータポンプ5を介してエンジン4側へ導出されるようになっている。メイン流路22にはラジエータ2のラジエータ冷却水導出口10側からの冷却水が流れ、第2流路15にはエンジン4のエンジン冷却水導出口12側からの冷却水が流れるようになっている。
【0024】
感温流路部21は前記感温流路16に連通されており、感温流路部21には冷却水、即ちエンジン4のエンジン冷却水導出口12からの冷却水の一部が流れる。そして、エンジン4が稼働している間、感温流路部21には冷却水が流れ続けるようになっている。感温流路部21は、後記する水温感温部25に冷却水を供給するためのものである。メイン流路22は、ラジエータ2から導入される冷却水をメインバルブ下流室23に導入するためのものである。
【0025】
前記バルブ駆動部19を構成するサーモエレメント24には、略円筒状をなす水温感温部25が設けられている。水温感温部25は感温流路部21内に配置されている。水温感温部25内には図示しないワックスが収容されている。ワックスは、水温感温部25に接触する冷却水の温度に応じて膨張または収縮するようになっている。
【0026】
サーモエレメント24には、棒状をなすピストン26が円筒状をなすガイド部27から出没可能に設けられている。ピストン26は、ワックスの膨張によってガイド部27から突出し、ワックスの収縮によってガイド部27内に没入するようになっている。ピストン26の先端部には、棒状をなすメインシャフト28が、ピストン26の出没方向に沿って移動可能に配設されている。メインシャフト28の基端側にはピストン26の出没方向から見て円形状をなすメインバルブ29が設けられ、メインシャフト28の先端側には略円板状のバイパスバルブ30が設けられている。メインバルブ29は、前記合流部23aと前記メイン流路22との連通部分に設けられており、メインシャフト28に対して一体的に固定されている。
【0027】
メインバルブ29は、閉状態においてメイン流路22を遮断し、開状態においてメイン流路22からの冷却水をメインバルブ下流室23に導出させるようになっている。前記バイパスバルブ30の外径は、前記第2流路15の内径よりも大きくなっている。バイパスバルブ30は、閉状態において第2流路15を遮断し、開状態において第2流路15からの冷却水をエンジン4側に導出させるようになっている。ピストン26の突出時において、開状態になったメインバルブ29のバルブ開度が最大値近傍になると、バイパスバルブ30が閉状態になる。ピストン26の没入時において、バイパスバルブ30のバルブ開度が最大値近傍になると、メインバルブ29が閉状態になる。
【0028】
メインシャフト28においてメインバルブ29とバイパスバルブ30との間にはフレーム33が設けられている。フレーム33及びメインバルブ29は、リターンスプリング34によって互いに離間する方向に付勢されている。よって、ピストン26は、ワックスの収縮時にリターンスプリング34に付勢されて前記ガイド部27内に没入する。メインシャフト28の先端部には、バイパスバルブ30を付勢するバイパススプリング35が設けられている。バイパススプリング35は、バイパスバルブ30が閉状態にあるときに、バイパスバルブ30を第2流路15の開口端側に付勢するようになっている。第2流路15は、ピストン26の突出方向、換言するとメイン流路22及びメインバルブ下流室23の下流側(図2においてサーモエレメント24の下側)に配置されている。即ち、本実施形態においては、ボトムバイパス型のサーモスタット3が用いられている。
【0029】
図3に示すように、メインバルブ29は、同メインバルブ29のシール面29aが外周部において冷却水の流線に沿うように形成されている。冷却水の流線は、前記メイン流路22からメインバルブ29を介して前記合流部23aに流れている。
【0030】
合流部23aには前記感温流路部21の開口端が位置している。図4に示すように、感温流路部21の開口端は略長円状をなしている。感温流路部21の開口端は、メインバルブ29と同心円上に配置されている。感温流路部21のメインバルブ側開口端21b及び外側開口端21cは、メインバルブ29の周方向に延びている。メインバルブ側開口端21b及び外側開口端21cは、メインバルブ29の外周形状に沿って延びている。
【0031】
図3に示すように、感温流路部21の開口端面21aにおけるメインバルブ側開口端21b近傍には、メインバルブ29の閉状態において、同メインバルブ29のシール面29aが当接している。また、感温流路部21の開口端面21aは、外側開口端21cがメインバルブ側開口端21bよりもメイン流路22から合流部23aを介してエンジン4へ流れる冷却水における下流側にある。開口端面21aは、外側開口端21cがメインバルブ側開口端21bよりも感温流路部21を流れる冷却水における下流側にある。外側開口端21cはハウジング18の下端近傍まで延びている。開口端面21aは、外側開口端21cとメインバルブ側開口端21bとを結ぶアール面となっている。開口端面21aは、外側開口端21cとメインバルブ側開口端21bとを結ぶ線が曲線となるように形成されている。開口端21b,21cを結ぶ開口端面21aは、感温流路部21に向かって凸状をなしている。メインバルブ29が閉状態にあるときに、感温流路部21は、開口端面21aがメインバルブ29のシール面29aに連続するように形成されている。開口端21b,21cを結ぶ開口端面21aは、第1流路13からメインバルブ29を介して流れる冷却水の流線に沿うようになっている。
【0032】
この開口端面21aの形状は、前記従来技術の問題点を解決するための構成である。よって、サーモスタット3は、感温流路部21を流れる冷却水の流量の減少を防止しながら流量配分を制御することにより、冷却水の温度を最適化するようになっている。エンジン4の始動時には冷却水が低温であるため、ウォータポンプ5が駆動すると、エンジン4を通過した冷却水は、第2流路15、感温流路16及びヒータ流路17を循環する。冷却水が所定の温度に到達すると、ハウジング18内のワックスが膨張することにより、サーモエレメント24のピストン26が温度に応じて突出する。このピストン26の突出量によって、メインバルブ29のバルブ開度が大きくなるのに伴い、第1流路13及びラジエータ2を通過する冷却水の流量は徐々に増加する。そして、メインバルブ29のバルブ開度が最大値近傍になると、バイパスバルブ30が閉状態になり、第2流路15が遮断状態になる。よって、エンジン4を通過した冷却水は、第2流路15、感温流路16及びヒータ流路17に加え、第1流路13を循環する。
【0033】
このとき、メイン流路22からメインバルブ29を介してメインバルブ下流室23に流れ込んだ冷却水は、淀むことなくウォータポンプ5を介してエンジン冷却水導入口14側に流れる。それにより、メインバルブ29が開くのに従ってメイン流路22から流れ込んだ冷却水の流速が高くなるのに伴い、合流部23aの圧力が低くなるため、感温流路部21を流れる冷却水はジェット効果により圧力の低い合流部23aへと流れる。その結果、各流路の通水抵抗のバランスにより、第2流路15、感温流路16及びヒータ流路17を流れる流量が少なくなった場合でも、冷却水は感温流路部21から強制的に吸い出される。よって、感温流路部21を流れる冷却水の流量を確保することができるため、水温感温部25はエンジン冷却水導出口12から導出される冷却水の温度変化を確実に検出でき、エンジン冷却装置1によって冷却水の水温を精密に制御することができる。
【0034】
上記実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)感温流路部21の開口端面21aにおける外側開口端21cはメインバルブ29のシール面29aよりも下流側にあるため、メイン流路22からの冷却水は、淀むことなくエンジン冷却水導入口14側に流れる。それにより、メイン流路22からの冷却水の流速が高くなり、感温流路部21内の冷却水は圧力の低い合流部23aへと流れるため、感温流路部21内を流れる冷却水の流量の低下が抑えられる。従って、冷却水の温度に従ってピストン26が出没してメインバルブ29及びバイパスバルブ30が開閉制御され、冷却水の水温を精密に制御することができる。
【0035】
(2)メインバルブ29の開状態において水温感温部25に十分な冷却水を供給できるようになるため、感温流路16を流れる冷却水の流量を確保するためにウォータポンプ5の循環流量を増加させる必要がなくなり、それに伴うウォータポンプ5の駆動力増加を防止することができる。
【0036】
(3)感温流路部21の外側開口端21cとメインバルブ側開口端21bとを結ぶ開口端面21aは、第1流路13からメインバルブ29を介して流れる冷却水の流線に沿うようになっている。そのため、合流部23aに生じる淀みがより一層小さくなる。それにより、第1流路13から流れ込んだ冷却水の流速がより一層高くなるのに伴い、合流部23aと感温流路部21との圧力差がより一層大きくなるため、感温流路部21を流れる冷却水の流量を確保するのがより一層容易になる。
【0037】
(4)感温流路部21のメインバルブ側開口端21b及び外側開口端21cがメインバルブ29の形状に沿って延びているため、メインバルブ29の外周部とメインバルブ側開口端21b及び外側開口端21cとの距離が開口端の周方向において均等になる。よって、冷却水を吸い出す力が感温流路部21の開口端の周方向において均等になるため、感温流路部21の開口端全体において冷却水を均等に吸い出すことができる。従って、感温流路部21を流れる冷却水の流量を確保するのがより一層容易になる。
【0038】
(5)メインバルブ29のシール面29aは、外周部において冷却水の流線に沿うようになっている。そのため、冷却水がメイン流路22から合流部23aに流れ易くなる。それにより、第1流路13から流れ込んだ冷却水の流速がより一層高くなるのに伴い、合流部23aと感温流路部21との圧力差がより一層大きくなるため、感温流路部21を流れる冷却水の流量を確保するのがより一層容易になる。
【0039】
なお、前記実施形態は以下のように変更してもよい。
・前記実施形態では、感温流路部21は、外側開口端21cとメインバルブ側開口端21bとを結ぶ線が曲線となるように形成されていた。しかし、感温流路部21を、開口端面21aの開口端21b,21cを結ぶ線が直線となるように形成してもよい。
【0040】
・外側開口端21cとメインバルブ側開口端21bとを結ぶ開口端面21aは、合流部23a側に向かって凸状をなしていてもよい。
・感温流路部21のメインバルブ側開口端21bだけがメインバルブ29の周方向に延びていてもよい。つまり、外側開口端21cはメインバルブ29の周方向に延びていなくてもよい。
【0041】
・前記実施形態において、メインシャフト28を省略するとともに、ピストン26の基端側にメインバルブ29を設け、ピストン26の先端側にバイパスバルブ30を設けるようにしてもよい。また、一つのバルブに、メインバルブ29及びバイパスバルブ30の両方の機能を持たせてもよい。
【0042】
・図5に示すように、第2流路15を感温流路16と一体化させてもよい。このように構成すれば、エンジン4のエンジン冷却水導出口12から導出された冷却水は、エンジン4の暖機を行うときに接続流路11から感温流路16及びヒータ流路17に流れる。
【0043】
・前記実施形態では、ウォータポンプ5には、エンジン4に駆動される機械駆動式のものが用いられていたが、モータに駆動される電動式のものを用いてもよい。
【0044】
次に、前記実施形態から把握できる技術的思想を以下に記載する。
(1)請求項1〜3のいずれか一項において、前記感温流路部は、前記外側開口端とメインバルブ側開口端とを結ぶ開口端面が前記ラジエータ流路から前記メインバルブを介して流れる冷却水の流線に沿っていることを特徴とするエンジン冷却装置。
【0045】
(2)ラジエータ出口からの冷却水が流れるラジエータ流路及びエンジン出口からの冷却水の一部が流れる感温流路の合流部において、前記感温流路は前記ラジエータ流路の外側に配置され、前記合流部に対応して前記ラジエータ流路に設けられ同ラジエータ流路を流れる冷却水と前記エンジン出口からの冷却水が流れる各流路を流れる冷却水との流量配分をバルブ開度に応じて制御するメインバルブと、前記感温流路に連通する感温流路部に配置され同感温流路部を流れる冷却水の温度に応じてバルブ開度を変化させるサーモエレメントとを有するサーモスタットにおいて、前記合流部において、前記感温流路部の開口端面の外側開口端が前記メインバルブのシール面よりも下流側にあることを特徴とするサーモスタット。
【0046】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明によれば、冷却水の水温を精密に制御することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態におけるエンジン冷却装置の概略図。
【図2】サーモスタットの正断面図。
【図3】サーモスタットの要部断面図。
【図4】サーモスタットの要部斜視図。
【図5】他の実施形態におけるエンジン冷却装置の概略図。
【図6】従来技術におけるエンジン冷却装置の概略図。
【図7】従来技術におけるサーモスタットの正断面図。
【符号の説明】
1…エンジン冷却装置、3…サーモスタット、10…ラジエータ出口としてのラジエータ冷却水導出口、12…エンジン出口としてのエンジン冷却水導出口、13…ラジエータ流路としての第1流路、16…感温流路、21…感温流路部、21a…開口端面、21b…メインバルブ側開口端、21c…外側開口端、23a…合流部、24…サーモエレメント、29…メインバルブ、29a…シール面。

Claims (3)

  1. ラジエータ出口からの冷却水が流れるラジエータ流路と、エンジン出口からの冷却水の一部が流れる感温流路とを備え、
    前記ラジエータ流路及び前記感温流路の合流部において、前記感温流路は前記ラジエータ流路の外側に配置され、
    前記合流部に対応して前記ラジエータ流路に設けられ同ラジエータ流路を流れる冷却水と前記エンジン出口からの冷却水が流れる各流路の冷却水との流量配分をバルブ開度に応じて制御するメインバルブと、前記感温流路に連通する感温流路部に配置され同感温流路部を流れる冷却水の温度に応じてバルブ開度を変化させるサーモエレメントとを有するサーモスタットを備えたエンジン冷却装置において、
    前記合流部において、前記感温流路部の開口端面の外側開口端が前記メインバルブのシール面よりも下流側にあることを特徴とするエンジン冷却装置。
  2. 前記感温流路部は、前記外側開口端とメインバルブ側開口端とを結ぶ前記開口端面がアール面となるように形成されていることを特徴とする請求項1に記載のエンジン冷却装置。
  3. 前記感温流路部の開口端の少なくとも前記メインバルブ側開口端は、前記メインバルブと同心円上に周方向に延びていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のエンジン冷却装置。
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