JP4417618B2 - ストーカ炉及びストーカ炉による焼却方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、都市ゴミや産業廃棄物等の被焼却物の焼却に用いられるストーカ炉及びストーカ炉による焼却方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、都市ゴミや産業廃棄物等の被焼却物を焼却処理する廃棄物焼却炉としては、ゴミ供給口から燃焼室内に供給される被焼却物を、燃焼室内にて、下方に風箱を有する複数のストーカ段である乾燥段、燃焼段及び後燃焼段の上を順次移動させながら、乾燥、燃焼及び後燃焼させるストーカ炉が用いられている。
【0003】
ストーカ炉は、乾燥段では主として被焼却物中の水分を蒸発させ、燃焼段では下方の風箱から供給される空気により被焼却物に着火させることで被焼却物中の揮発分及び固定炭素分を燃焼させる。最後に、後燃焼段では、燃焼されずに通過してきた未燃分を更に燃焼させる。後燃焼段から排出される焼却灰は、後燃焼段の下流側に設けられた灰出口から排出される。
【0004】
このようにストーカ炉にて焼却処理された焼却灰中には、多くの重金属類(Cd,Pb, Cr6+,As,T-Hg,Se等)が含まれており、国が定める「土壌の汚染にかかわる環境基準(平成3年環境庁告示46号)」記載の溶出基準を満たしていなければ、土壌として廃棄することはできない。
また、焼却灰を各種の資材源として再利用する場合にも、可能な限り前記重金属類の溶出量を減らして安全性を高める必要があり、そのために焼却灰を溶融処理すること等が行われている。
【0005】
また、廃棄物の焼却時や焼却灰の溶融処理時に発生する飛灰や焼却灰中の重金属溶出を低減するために、飛灰や焼却灰に還元剤や塩基度調整剤を添加する方法(特開平11−192468号公報参照、特開平11−188331号公報参照)等が提案されている。
【0006】
なお、焼却時に発生するダイオキシンを低減するため、ストーカ炉における乾燥段に窒素化合物を添加する方法(特願平12−145240号公報参照)も提案されているが、本発明と目的が異なる。
【0007】
【特許文献1】
特開平11−192468号公報
【特許文献2】
特開平11−188331号公報
【特許文献3】
特願平12−145240号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、焼却灰を溶融処理するには、溶融炉や溶融のためのエネルギー源が別に必要となるため、廃棄物処理コストが上昇するという問題があった。
また、焼却灰の段階で処理を行うとその際にも重金属を含む飛灰が発生するという問題点もあった。
【0009】
本発明は、上記問題を鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、ストーカ炉内部で、焼却灰中に含まれる重金属類の溶出量を大幅に低減させるとともに、溶融処理をしなくても所定の溶出基準を満足できるような焼却灰を作り出すことを可能としたストーカ炉及びそれによる焼却方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するための本発明の請求項1に記載のストーカ炉は、ゴミ供給口から燃焼室内に供給される被焼却物を、前記燃焼室内にて複数のストーカ段の上を順次移動させながら乾燥、燃焼、後燃焼させるストーカ炉において、前記複数のストーカ段は、乾燥段、燃焼段、及び後燃焼段を備え、この各ストーカ段は階段状に設けられる複数の火格子であって、前後に相対移動して前記被焼却物を移送する複数の火格子と、この火格子の下方に設けられ、移送される前記被焼却物の燃焼用の空気が供給される風箱を有し、前記後燃焼段にのみ、灰の成分調整剤を供給する成分調整剤供給手段を設けたことを特徴とする。
【0011】
この構成によると、前記後燃焼段に、前記成分調整剤を供給することで、前記成分調整剤が被焼却物に到達する。前記被焼却物と前記成分調整剤は火格子により攪拌されつつ移送され、更に前記後燃焼段において成分調整剤の反応に適度な温度と前記風箱から供給される空気を与えられる。前記後燃焼段における前記風箱からの風量は前記成分調整剤を飛散することなく攪拌するに適量であり、前記成分調整剤の効率を高める。
【0012】
本発明の請求項2に記載のストーカ炉は、請求項1において、前記成分調整剤の直径が1mm以上3mm以下で造粒されたものであることを特徴とする。
【0013】
本発明者は、前記成分調整剤は、被焼却物中に可能な限り均一に混合されることが望ましく、直径1mm未満の場合は添加方法によっては被焼却物中に入らずに燃焼空気あるいは燃焼排ガスによって炉外へ排気されてしまう可能性があること、また、直径3mm以上の場合は、被焼却物に接触する面積が小さくなるため成分調整を損なうことを知見した。したがってこの構成によると前記成分調整剤は、被焼却物中に可能な限り均一に混合され、前記成分調整剤の効率を高める。
【0014】
本発明の請求項3に記載のストーカ炉は、請求項1または2において、前記成分調整剤供給手段は、前記成分調整剤を不活性ガスの気流に同伴して前記後燃焼段にのみ供給する手段を備えることを特徴とする。
【0015】
この構成によると、前記成分調整剤が被焼却物への供給に際して、前記不活性ガスの気流によって前記成分調整剤が保護され、化学変化を起こしにくい状態で、被焼却物に到達することができ、前記成分調整剤の効率を高める。
【0016】
本発明の請求項4に記載のストーカ炉は、請求項1乃至3において、前記成分調整剤が塩基度調整剤であることを特徴とする。使用される塩基度調整剤は、SiO2、あるいはCaO、あるいはCa(OH)2、あるいはCaCO3を含有する物質である。
【0017】
一般に焼却灰の塩基度は高く、このために焼却灰中の重金属類が溶出しやすいことが知られている。この構成によると、前記燃焼段、前記後燃焼段または前記燃焼段と前記後燃焼段双方において、被焼却物に、塩基度調整剤を供給することで塩基度が調整され、焼却灰中の重金属類の溶出を全体的に抑制する。
【0018】
本発明の請求項5に記載のストーカ炉は、請求項1乃至3において、前記成分調整剤が還元剤であることを特徴とする。使用される還元剤は2価の鉄あるいは高炉から排出されるスラグセメントあるいはアルミニウムあるいはマグネシウムである。
【0019】
この構成によると、前記燃焼段、前記後燃焼段または前記燃焼段と前記後燃焼段双方に、還元剤を供給することで、焼却灰中のCr3+からCr6+になる反応を抑制し、またはCr6+をCr3+に還元させることができるため、焼却灰中のCr6+の溶出を抑制する。なお、アルミニウムまたはマグネシウムを使用した場合、ダイオキシンの合成を抑制する。
【0020】
本発明の請求項6に記載のストーカ炉による焼却方法は、ゴミ供給口から燃焼室内に供給される被焼却物を、前記燃焼室内にて複数のストーカ段の上を順次移動させながら乾燥、燃焼、後燃焼させるストーカ炉による焼却方法において、前記各ストーカ段は、階段状に設けられた複数の火格子が、前後に相対移動して、前記被焼却物を移送しながら、この火格子の下方に設けられた風箱から移送される前記被焼却物に空気を供給するように構成された、乾燥段、燃焼段、後燃焼段を有し、燃焼室内において、前記各ストーカ段へと前記被焼却物を移送する工程と、前記後燃焼段のみに向けて、前記被焼却物に灰の成分調整剤を供給する成分調整剤を供給する工程と、前記後燃焼段で前記被焼却物と前記成分調整剤とを混合する工程とを備えることを特徴とする。
【0021】
この構成によると、前記後燃焼段に、前記成分調整剤を供給することで、前記成分調整剤が被焼却物に到達する。前記被焼却物と前記成分調整剤は火格子により攪拌されつつ移送され、更に前記後燃焼段において成分調整剤の反応に適度な温度と前記風箱から供給される空気を与えられる。前記後燃焼段における前記風箱からの風量は前記成分調整剤を飛散することなく攪拌するに適量となり、前記成分調整剤の効率を高める。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1は、本発明の実施形態であるストーカ炉1の断面図を示したものである。
【0023】
本発明のストーカ炉1は、ゴミを投入するゴミ供給口2と、被焼却物を焼却する主燃焼室7および2次燃焼室8と、被焼却物を順次移送しながら焼却するストーカ段である乾燥段3および燃焼段4および後燃焼段5と、前記各ストーカ段に設けられ、燃焼用空気を供給する風箱6と、被燃焼物に成分調整剤12を供給する成分調整剤供給装置14とから構成される。
【0024】
ゴミ供給口2は、ゴミ供給口2と主燃焼室7とを連通する通路を有し、前記通路はゴミ供給口2から主燃焼室7内の乾燥段3に向かって下方向に延びている。
【0025】
主燃焼室7は、乾燥段3、燃焼段4、後燃焼段5の上方を覆う炉壁によって区画されている。この炉壁は、乾燥段3側の上方でゴミ供給口2と連通し、後乾燥段5側の下方に図示しない焼却灰の排出部と連通している。燃焼段4の上方の炉壁は上方に筒状に延びており、この筒状に区画された2次燃焼室8と連通している。2次燃焼室8はさらにその上方で図示しない排気口と連通している。
【0026】
ストーカ段は階段状に設けられる複数の火格子と、火格子の下に設置される風箱6を有する。火格子は下流側に向かって前後移動する可動火格子と移動しない固定火格子とが交互に階段状に配置されており、その上には、被焼却物が載置されている。風箱6は、空気を供給するストーカ段ごとに区画され、火格子の下方に設けられている。各ストーカ段はゴミ供給口2を上流側、焼却灰の排出部を下流側として、上流側から順に乾燥段3、燃焼段4、後燃焼段5の順に配置されている。乾燥段3と燃焼段4とは上流側から下流側に向かって傾斜した状態で連続するように配置されている。後燃焼段5は燃焼段4から下方向に段差を有する位置で燃焼段3と隣接して水平方向に配置されている。また、乾燥段3の上流側上方にはストーカ上の被焼却物の移送速度を制御する被焼却物輸送装置が乾燥段3に向かって水平方向に配置されている。後燃焼段5の下流側は図示しない焼却灰の排出部が隣接して配置されている。各風箱6には、図示しない空気供給経路を介して図示しない燃焼用空気供給装置が配置されている。
【0027】
成分調整剤供給装置14は、成分調整剤貯蔵装置10と、不活性ガス貯蔵装置13と、成分調整剤供給口11と、供給口角度調整装置15とから構成される。成分調整剤貯蔵装置10に貯蔵される成分調整剤12は直径1mmから3mmに造粒されており、その内容は、塩基度調整剤であるSiO2、あるいはCaO、あるいはCa(OH)2、あるいはCaCO3を含有する物質と、還元剤である2価の鉄あるいは高炉から排出されるスラグセメントあるいはアルミニウムあるいはマグネシウムである。不活性ガス貯蔵装置13に貯蔵される不活性ガスは窒素である。成分調整剤貯蔵装置10と、不活性ガス貯蔵装置13とはそれぞれ成分調整剤供給口11に接続される。また成分調整剤供給口11は供給口角度調整装置15により成分調整剤供給口11の供給口がストーカ段の被焼却物の移送方向に沿うように、回転自在に支持されている。
【0028】
成分調整剤貯蔵装置10と不活性ガス貯蔵装置13は主燃焼室8を区画する炉壁の外部に、供給口角度調整装置15は炉壁上に配置され、成分調整剤供給口11の少なくとも一部が主燃焼室8の内部に位置するように配置されている。成分調整剤供給口11の先端方向は、供給口角度調整装置15により燃焼段4から後燃焼段5の全域に調整可能となっており、後燃焼段5の上流側である燃焼段4と後燃焼段5の隣接部分の段差中央部に向かうように調整されている。成分調整剤供給口11は成分調整剤12および不活性ガスを適当な割合で供給できるような二重管になっている。内部の管は成分調整剤貯蔵装置10と接続され、外部の管は不活性ガス貯蔵装置13と接続される。
【0029】
次に本発明の作動について順次説明する。まず、ゴミ供給口2から供給された被焼却物は主燃焼室2の下方上流側に位置する乾燥段3に到着する。乾燥段3をはじめとするストーカ段に設けられる火格子は、下流側に向かって前後移動する可動火格子と移動しない固定火格子とが交互に配置されている。可動火格子と固定火格子とは、階段状に設けられており、その上には、被焼却物が載置された状態になっている。可動火格子が後退すると、当該火格子上に載置されている被焼却物は、その下段に位置する固定火格子上に落下する。また、可動火格子が前進すると、その下段の固定火格子上に載置されている被焼却物は、前進してきた可動火格子によって前方に押し出され、更に下段に位置する可動火格子上に落下する。こうして、火格子表面に載置された被焼却物は、下流側へと移送されていく。
【0030】
乾燥段3では、移送の際に乾燥段3の下方に設置されている風箱から供給される空気の量で燃焼状態を調整しながら被焼却物を焼却する前に乾燥させる。乾燥段3に到着した被焼却物は被焼却物輸送装置9に押され順次乾燥段3の複数の火格子上に移動される。火格子上の被焼却物は、火格子により攪拌されると供に順次下流側に移送される。
【0031】
乾燥段3から移送された被焼却物はそのまま燃焼段4に到着する。燃焼段4では、移送の際に燃焼段4の下方に設置されている風箱から供給される空気の量で燃焼状態を調整しながら被焼却物を燃焼していく。燃焼段4も乾燥段3と同様に、火格子上の被焼却物は、火格子により攪拌されると供に順次下流側に移送される。
【0032】
燃焼段4から移送された被焼却物はそのまま後燃焼段5に到着する。後燃焼段5では、燃焼段4で燃焼しきらなかった被焼却物を、後燃焼段5の下方に設置されている風箱から供給される空気の量で燃焼状態を調整しながら燃焼していく。
【0033】
後燃焼段5では、火格子上の被焼却物に後燃焼段5の上流側で成分調整剤供給装置14により成分調整剤12が供給される。成分調整剤供給口11の先端は、後燃焼段5の上流側である燃焼段4と後燃焼段5の隣接部分の段差直後であって、幅方向中央部に向かって配置されている。そのため、不活性ガスにより保護された成分調整剤12が、成分調整剤供給口11から、段差の直後であって幅方向中央部付近にちらばりながら供給される。成分徴税剤供給口11は、二重管になっており、成分調整剤を供給する供給口の周囲に不活性ガスを供給する供給口が設置されているため、成分調整剤の周囲を不活性ガスで包囲した状態で供給することができる。成分調整剤12は不活性ガスにより保護されることにより不要な化学反応することなく被焼却物に到達する。被焼却物に到達した成分調整剤12は、火格子により焼却物と攪拌されると供に順次下流側に移送される。その際に成分調整剤12が直径1mmから3mmに造粒されていることで、成分調整剤12が風箱6からの風に舞い上がって飛散することがないと供に、成分調整剤12が被焼却物と接するための表面積を維持し、効率よく反応しながら移送される。また、後燃焼段5では反応を促進する適度な温度を確保することができる。
【0034】
成分調整剤12のひとつの塩基度調整剤であるSiO2、あるいはCaO、あるいはCa(OH)2、あるいはCaCO3を含有する物質により、後燃焼段6上の被焼却物は燃焼しながら重金属が溶出しにくい塩基度に調整される。
【0035】
成分調整剤12のひとつの還元剤である2価の鉄あるいは高炉から排出されるスラグセメントあるいはアルミニウムあるいはマグネシウムにより、後燃焼段6上の被焼却物中のCr3+からCr6+になる反応を抑制し、またはCr6+をCr3+に還元させる。なお、アルミニウムまたはマグネシウムを使用した場合は、ダイオキシンの合成が抑制される。
【0036】
以上の実施形態において、成分調整剤供給装置14の供給位置については後燃焼段の上流側が好ましいがこれに限定されるものではなく、例えば燃焼段でもよいし、供給口角度調整手段15を使用して燃焼段と後燃焼段全域にわたってもよい。調整剤供給装置14の供給方法についても放射状に供給することに限定されるものではなく、例えば一点供給するようなノズルを付加し、供給口角度調整手段15による前後の振りに加え左右の振りを行う手段を設けて前後左右に振りながら燃焼段と後燃焼段全域にわたって供給する方法でもよい。さらに成分調整剤供給装置14に相当する装置を複数台配置して、各々の装置が指定された位置に供給するようにしてもよい。
【0037】
また、成分調整剤供給口11の形状を二重管としたが、とくにこの形状に限定されるものではなく、例えば並列に配置された管でもよい。また、後燃焼段5の設置角度も水平に限られるものではなく、傾斜していてもよい。また、ストーカ段は3段に限られるものではなく、例えば燃焼段が2段あるようなストーカ炉でもよい。
【0038】
本発明は以上のように構成されており、燃焼段、後燃焼段または燃焼段と後燃焼段の双方において、成分調整剤である塩基度調整剤を供給することで焼却灰中の重金属類の溶出を全体的に抑制することができ、また、成分調整剤である還元剤を添加することで焼却灰中の、Cr6+が還元反応によりCr3+に変化させ、あるいはCr6+の生成を抑制することができ、結果的に焼却灰中のCr6+の溶出を抑制するという効果を得ることができる。また、還元剤として使用したアルミニウムまたはマグネシウムはダイオキシンの合成を抑制する。これにより、焼却灰を溶融処理することなく、焼却灰を直接埋め立て処理したり、資源として再利用したりすることが可能となる。
【0039】
【発明の効果】
請求項1によると、前記燃焼段、前記後燃焼段または前記燃焼段と前記後燃焼段双方に、前記成分調整剤を供給することで、前記成分調整剤が被焼却物に到達する。前記被焼却物と前記成分調整剤は火格子により攪拌されつつ移送され、更に前記後燃焼段において成分調整剤の反応に適度な温度と前記風箱から供給される空気を与えられる。前記後燃焼段における前記風箱からの風量は前記成分調整剤を飛散することなく攪拌するに適量となり、前記成分調整剤の効率を高める効果を得る事が出来る。
【0040】
請求項2によると前記成分調整剤は、被焼却物中に可能な限り均一に混合され、前記成分調整剤の効率を高める効果を得る事が出来る。
【0041】
請求項3によると、前記成分調整剤が被焼却物への供給に際して、前記不活性ガスの気流によって前記成分調整剤が保護され、化学変化を起こしにくい状態で、被焼却物に到達することができ、前記成分調整剤の効率を高める効果を得る事が出来る。
【0042】
請求項4によると、前記燃焼段、前記後燃焼段または前記燃焼段と前記後燃焼段双方に塩基度調整剤を供給することで塩基度が調整され、焼却灰中の重金属類の溶出を全体的に抑制するという効果を得ることができる。
【0043】
請求項5によると、前記燃焼段、前記後燃焼段または前記燃焼段と前記後燃焼段双方に還元剤を供給することで、焼却灰中のCr3+からCr6+になる反応を抑制し、またはCr6+をCr3+に還元させることができるため、焼却灰中のCr6+の溶出を抑制するという効果を得ることができる。なお、アルミニウムまたはマグネシウムを使用した場合、ダイオキシンの合成を抑制する効果を得ることもできる。
【0044】
請求項6によると、前記燃焼段、前記後燃焼段または前記燃焼段と前記後燃焼段双方に、前記成分調整剤を供給することで、前記成分調整剤が被焼却物に到達する。前記被焼却物と前記成分調整剤は火格子により攪拌されつつ移送され、更に前記後燃焼段において成分調整剤の反応に適度な温度と前記風箱から供給される空気を与えられる。前記後燃焼段における前記風箱からの風量は前記成分調整剤を飛散することなく攪拌するに適量となり、前記成分調整剤の効率を高める効果を得る事が出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態であるストーカ式炉の断面図である。
【符号の説明】
1 ストーカ炉
2 ゴミ供給口
3 乾燥段
4 燃焼段
5 後燃焼段
6 風箱
7 主燃焼室
8 2次燃焼室
9 被燃焼物輸送装置
10 成分調整剤貯蔵装置
11 成分調整剤供給口
12 成分調整剤
13 不活性ガス貯蔵装置
14 成分調整剤供給装置
15 供給口角度調整装置
Claims (6)
- ゴミ供給口から燃焼室内に供給される被焼却物を、前記燃焼室内にて複数のストーカ段の上を順次移動させながら乾燥、燃焼、後燃焼させるストーカ炉において、
前記複数のストーカ段は、乾燥段、燃焼段、及び後燃焼段を備え、この各ストーカ段は階段状に設けられる複数の火格子であって、前後に相対移動して前記被焼却物を移送する複数の火格子と、この火格子の下方に設けられ、移送される前記被焼却物の燃焼用の空気が供給される風箱を有し、
前記後燃焼段にのみ、灰の成分調整剤を供給する成分調整剤供給手段を設けたことを特徴とするストーカ炉。 - 前記成分調整剤は直径が1mm以上3mm以下で造粒されたものであることを特徴とする請求項1記載のストーカ炉。
- 前記成分調整剤供給手段は、前記成分調整剤を不活性ガスの気流に同伴して前記後燃焼段にのみ供給する手段を備える請求項1または2記載のストーカ炉。
- 前記成分調整剤が塩基度調整剤である請求項1乃至3記載のストーカ炉。
- 前記成分調整剤が還元剤である請求項1乃至3記載のストーカ炉。
- ゴミ供給口から燃焼室内に供給される被焼却物を、前記燃焼室内にて複数のストーカ段の上を順次移動させながら乾燥、燃焼、後燃焼させるストーカ炉による焼却方法において、
前記各ストーカ段は、階段状に設けられた複数の火格子が、前後に相対移動して、前記被焼却物を移送しながら、この火格子の下方に設けられた風箱から移送される前記被焼却物に空気を供給するように構成された、乾燥段、燃焼段、後燃焼段を有し、
燃焼室内において、前記各ストーカ段へと前記被焼却物を移送する工程と、
前記後燃焼段のみに向けて、前記被焼却物に灰の成分調整剤を供給する成分調整剤を供給する工程と、
前記後燃焼段で前記被焼却物と前記成分調整剤とを混合する工程とを備えることを特徴とするストーカ炉による焼却方法。
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