JP4415157B2 - 乾電池 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はマンガン乾電池に関し、さらに詳しくは従来と同等の機能を有しながら廃棄処理後に環境を悪化させる恐れのない上記乾電池に関する。
【0002】
【従来の技術】
マンガン乾電池の亜鉛缶外周部を収縮被覆する熱収縮性樹脂チューブとしては浸食力の強い電解液を高温・高湿の悪条件下においても長時間安定的に腐食されないことが要求されており、マンガン乾電池の熱収縮性チューブ材料に要求される特性としては、
1電解液の成分である塩化亜鉛に溶解しない。(耐酸性)
2成形が容易でコストが安価。(成形加工性)
が挙げられ、さらに耐候性・柔軟性・絶縁性・収縮性・被覆加工性などが挙げられる。そしてこれらの特性を満足させるものとして、従来、ポリ塩化ビニル(以下「PVC」)からなるチューブが広く使用されている。
【0003】
また、マンガン乾電池においては、亜鉛缶の開口部は封口部材であるガスケットを介して密封口されており、この封口ガスケット材としては、浸蝕力の強い電解液を高温・高湿の悪条件においても長時間腐食しないことが要求されており、さらに機械的強度、耐熱性、耐寒性、耐クリープ性、成形加工性等が要求されている。そしてこれらの特性を満足させるものとして、従来、ポリエチレン樹脂やナイロン66からなる樹脂が広く使用されている。
【0004】
一方アルカリ乾電池において開口部の封口材として用いる封口ガスケット材も、浸蝕力の強いアルカリ電解液を高温・高湿の悪条件においても長時間腐食しないこと、さらに機械的強度、耐熱性、耐寒性、耐クリープ性、成形加工性等が要求されており、従来はこれらを満足するものとしてナイロン66からなる樹脂が広く使用されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら近年、環境問題や資源問題などがクローズアップされ、例えば廃プラスチック類は産業廃棄物の安定5品目の中の1つとして安定型で処分されている。このような廃棄物処理問題に絡み電池部品に用いられる材料の特性の1つとして、環境に優しいことが要求されている。ところがPVCチューブは優れた実用特性とコスト性を有しているものの廃棄後焼却すると塩素を含んだ有毒ガスを発生するという問題があり、近年PVC以外の材料が要望されるようになってきた。
【0006】
また、ナイロン樹脂は優れた実用特性とコスト性を有しているものの、廃棄後焼却すると炭酸ガスが発生するという問題があり、近年ナイロン樹脂以外の材料としてポリエチレン樹脂が使用されるようになってきたが、環境規制がさらに厳しくなることが予想され、新たな材料が要望されるようになってきた。
【0007】
本発明はかかる問題に対処してなされたもので、耐酸性、耐アルカリ性、成形加工性等が良好で、しかも廃棄処分後も環境を悪化させる恐れがない熱収縮性樹脂チューブまたは封口ガスケットを有するマンガン乾電池を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
すなわち本発明は、亜鉛缶の外周部を被覆する熱収縮性チューブ材が生分解性ポリマーから構成されているマンガン乾電池において、該生分解性ポリマーが直接重合法により合成されたポリ乳酸であることを特徴とする
【0009】
かかる生分解性ポリマーとしてはポリ乳酸が適している。ポリ乳酸は安全性・安定性等が優れており、さらに廃棄処理が容易で例えばコンポストによる堆肥化や低燃焼型での焼却ができる。
【0010】
ポリ乳酸(PLA)の原材料である乳酸は澱粉や糖分を発酵して得られ、例えばコーンやポテトから得られる澱粉を分解して得たグルコースやビートやサトウキビから得たシュクロースなどを発酵して得られる。もともと自然界や動物内に存在する物質であるから、従来から安全性が認められている。ポリ乳酸は従来から抜糸の必要のない吸収性縫合糸、骨接材料、薬剤徐放性のマイクロカプセルとして使用されており、生体内で分解吸収可能な特性を有する材料である。
【0011】
次にポリ乳酸の特性を示す。
安全性…医療用途ですでに実績がある。また、原材料乳酸の安全性も高い。
分解性…コンポスト中で分解できる。
燃焼性…燃焼熱が小さい(約16800KJ/kg、紙と同程度)。有害ガスの発生がない。
【0012】
ポリ乳酸は直接重合法で得られたものが好ましい。直接重合法、すなわち直接脱水縮合する方法では実用的な強度をもつ高分子のポリマーが得られる。直接重合法以外の方法、例えばラクタイド法では、重合が進行して高粘度になった反応液から生成した水を除くことが難しいということや、高温ではポリマーがラクタイドを生成しながら分解するために実用的な強度をもつポリマーは得にくいということなどから好ましくない。
以下、表1に直接重合法の特徴をラクタイド法と比較して示す。
【0013】
【表1】
Figure 0004415157
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
(実施例1)
図1は本実施例のマンガン乾電池(単1型)の一例を示す断面図である。図1において、1は金属外装缶、2は熱収縮性樹脂チューブ、3は亜鉛缶、4はセパレータ、5は炭素棒、6は正極合剤、7は絶縁リング、8は負極端子板、9は底紙、10はつば紙、11はプラスチック封口体、12は封口剤、13は正極端子板、14は絶縁リングである。
金属外装缶1と亜鉛缶3の間にあり、亜鉛缶の外周部を収縮被覆する熱収縮性樹脂チューブ2はポリ乳酸から構成されている。
【0015】
(比較例1)
熱収縮性樹脂チューブの材料をポリ塩化ビニル製にしたこと以外は実施例と同様にして同形のマンガン乾電池を製造した。
【0016】
上記実施例1および比較例1の各電池を、−10℃で23時間貯蔵後、1時間で30℃へ上昇させ、その後30℃で23時間貯蔵し、再び1時間で−10℃へ降下させる。この温度サイクル試験を3ヶ月間行い、試験前と試験後の開路電圧(0V)値を測定した。測定結果(平均値)を表2に示す。
【0017】
【表2】
Figure 0004415157
【0018】
表2から明らかなように、実施例1の電池と比較例1の電池は貯蔵前および貯蔵後の開路電圧はいずれも同等の値を示し、熱収縮性樹脂チューブの材料としてポリ乳酸を用いても電池の封口上の品質に影響を与えていないことが分かる。
【0019】
また、表3は上記実施例1と比較例1の電池に10Ωの抵抗を取り付け、過放電による経過日数と累積漏液発生数を20℃で120日間調査した結果を示すものである。
【0020】
【表3】
Figure 0004415157
【0021】
表3から明らかなように、実施例1と比較例1とでは過放電時の漏液発生数がほぼ同等であり、この結果から熱収縮性樹脂チューブに要求される耐酸性についてもポリ乳酸はポリ塩化ビニルと同等の特性を得られることが判明した。
【0022】
(実施例2)
図1のマンガン乾電池において、11の封口体がポリ乳酸から構成されており、2の熱収縮性樹脂チューブは従来の材料であるPVCから構成されている。
【0023】
(実施例3)
図1のマンガン乾電池において、11の封口体と2の熱収縮性樹脂チューブの両方がポリ乳酸から構成されている。
【0024】
(比較例2)
図1のマンガン乾電池において、11の封口体がポリエチレン樹脂製であり、2の熱収縮性樹脂チューブがPVCから構成されている。
【0025】
上記実施例2、実施例3および比較例2の各電池を、−10℃で23時間貯蔵後、1時間で30℃へ上昇させ、その後30℃で23時間貯蔵し、再び1時間で−10℃へ降下させる。この温度サイクル試験を3ヶ月間行い、試験前と試験後の開路電圧(0V)値を測定した。測定結果(平均値)を表4に示す。
【0026】
【表4】
Figure 0004415157
【0027】
表4から明らかなように、実施例2,3の電池と比較例2の電池は貯蔵前および貯蔵後の開路電圧はいずれも同等の値を示し、封口体の材料としてポリ乳酸を用いても電池の封口上の品質に影響を与えていないことが分かる。
【0028】
さらに、表5は上記実施例2,3と比較例2の電池に10Ωの抵抗を取り付け、過放電による経過日数と累積漏液発生数を20℃で120日間調査した結果を示すものである。
【0029】
【表5】
Figure 0004415157
【0030】
表5から明らかなように、実施例2,3と比較例2とでは過放電時の漏液発生数がほぼ同等であり、この結果から封口ガスケットの材料に要求される耐酸性についてもポリ乳酸はポリエチレン樹脂と同等の特性を得られることが判明した。
なお、成形加工性もポリエチレン樹脂と同等であり、良好な結果が得られた。
【0031】
参考例
図2は本発明の参考例であるアルカリ乾電池の一例を示すものである。図2に示されるように、21は正極端子を兼ねる有底円筒型の正極缶であり、この正極缶21内には円筒状に加圧成形した正極合剤22が充填されている。正極合剤22は,二酸化マンガン粉末と黒鉛粉末を混合し、これを正極缶21内に収納し、所定の圧力で中空円筒状に加圧成形したものである。また、正極合剤22の中空部には有底円筒状のセパレータ23を介してゲル負極24が充填されている。ゲル状負極24内には真鍮製の負極集電棒25がその上端部をゲル状負極より突出するように装着されている。負極集電棒25の突出部外周面および正極缶21の上部内周面には二重環状の封口ガスケット26が配設されており、この封口ガスケット26はポリ乳酸から構成されている。また、封口ガスケット26の二重環状部の間にはリング状金属板27が配設され、かつこの金属板27には負極端子を兼ねる帽子状金属封口板28が集電棒25の頭部に当接するように配設されている。そして、正極缶21の開口部を内側に屈折させることにより封口ガスケット26およびリング状金属板27で正極缶21内を密封口している。
【0032】
(比較例3)
封口ガスケット26の材料をナイロン66とした以外は上記実施例4と同様にして同形のアルカリ電池を製造した。
【0033】
上記実施例4および比較例3の各電池を温度60℃、湿度90%の雰囲気下に120日間放置し、30日、60日、90日、120日の各期間経過後に漏液した電池の個数を調査し、漏液発生数を求めた。結果を表6に示す。
【0034】
【表6】
Figure 0004415157
【0035】
表6から明らかなように、実施例4の電池と比較例3の電池とでは温度60℃、湿度90%貯蔵時の漏液発生数がほぼ同数であり、この結果から封口ガスケット材料に要求される耐アルカリ性について、ポリ乳酸はナイロン66と同等の特性を持つことが確認された。なお、成形性についてもナイロン66と同様であり、良好な結果が得られた。
【0036】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のマンガン乾電池およびアルカリ乾電池は、亜鉛缶の外周部を収縮被覆する熱収縮性樹脂チューブ材料または封口ガスケット材料に生分解性ポリマーを使用しているので、電池廃棄処理後において容易に生分解可能であり、環境問題に対して満足な結果を得ることができる。特に生分解性ポリマーとしてポリ乳酸を使用した場合は、封口特性や耐漏液特性等の電池性能においても従来の電池と遜色ないものが得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例であるマンガン乾電池の断面図である。
【図2】 本発明の参考例であるアルカリ乾電池の断面図である。
【符号の説明】
1…金属外装缶、2…熱収縮性樹脂チューブ、3…亜鉛缶、4…セパレータ、5…炭素棒、6…正極合剤、7…絶縁リング、8…負極端子板、9…底紙、10…つば紙、11…プラスチック封口体、12…封口剤、13…正極端子板、14…絶縁リング、21…正極缶、22…正極合剤、23…セパレータ、24…ゲル状負極、25…負極集電棒、26…封口ガスケット、27…リング状金属板、28…帽子状金属封口板、29…ラベルジャケット。

Claims (1)

  1. 亜鉛缶の外周部を被覆する熱収縮性チューブ材が生分解性ポリマーから構成されているマンガン乾電池において、
    該生分解性ポリマーが直接重合法により合成されたポリ乳酸であることを特徴とするマンガン乾電池。
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