JP4414039B2 - 船外機 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、上下に延びるクランクシャフトを回転自在に支承すると共にシリンダボアの軸線を前後方向に配置したエンジンブロックと、燃焼室に通じる吸気ポートを燃焼室の左右方向中央部よりも左右一方側に有してエンジンブロックに結合されるシリンダヘッドと、前記吸気ポート側で前記エンジンブロックの左右一側に配置されて吸気道を形成する気化器本体ならびに該気化器本体に取付けられるバイパス式始動装置を有する気化器と、前記吸気道および吸気ポート間を連結する吸気管手段とを備える4サイクルエンジンの少なくとも前記気化器を含む上半部が、エンジンカバーで覆われる船外機の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、かかる船外機は、例えば特開平4−252870号公報等で既に知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、このような船外機の気化器は、固定ベンチュリ型に構成されるのが一般的であり、低速トローリング性能および高速巡航性能の両立を図らねばならないが、特に低速域からのスロットル弁の開弁時の吸気流速が低下することから霧化が不足しがちであり、その結果、燃費の増大や排気性状の低下を招く要因となっていた。しかも上記従来のものでは、エンジンブロックの一側に配置される気化器本体に、該気化器本体に関してエンジンブロックとは反対側でバイパス式始動装置が取付けられており、気化器本体から外側にはみだすようにバイパス式始動装置が配置されている。このためエンジンカバーがバイパス式始動装置との干渉を回避するために大型化してしまう可能性がある。
【0004】
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、低速および高速性能の両立を図るとともに空燃比の精度を高め、燃費の低減および排気性状の向上を図った上で、エンジンカバーの大型化を回避し得るようにした船外機を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は、上下に延びるクランクシャフトを回転自在に支承すると共にシリンダボアの軸線を前後方向に配置したエンジンブロックと、燃焼室に通じる吸気ポートを燃焼室の左右方向中央部よりも左右一方側に有して前記エンジンブロックに結合されるシリンダヘッドと、前記吸気ポート側で前記エンジンブロックの左右一側に配置されて吸気道を形成する気化器本体ならびに該気化器本体に取付けられるバイパス式始動装置を有する気化器と、前記吸気道および吸気ポート間を連結する吸気管手段とを備える4サイクルエンジンの少なくとも前記気化器を含む上半部が、エンジンカバーで覆われる船外機において、可変ベンチュリ型に構成される前記気化器のバイパス式始動装置が、前記気化器本体と前記エンジンブロックとの間で前記気化器本体に取付けられることを特徴とする。尚、本発明において、「前後方向」とは、船外機の前後方向(即ち船外機を船体に取付けた状態での船体の前後方向に相当する方向)をいい、また「左右方向」とは、船外機の左右方向(即ち前記船体の左右方向に相当する方向)をいう。
【0006】
このような構成によれば、気化器が可変ベンチュリ型に構成されるので、エンジンの運転状態に応じて吸気道のベンチュリ面積を変化させることにより、空燃比の精度を高め、燃費の低減および排気性状の向上を図ることができる。しかもバイパス式始動装置が、気化器本体とエンジンブロックとの間で気化器本体に取付けられるので、バイパス式始動装置が気化器本体から外側にはみだすことがなく、バイパス式始動装置との干渉を回避するためにエンジンカバーが大型化することを回避することができる。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を、添付図面に示した本発明の一実施例に基づいて説明する。
【0008】
図1〜図14は本発明の一実施例を示すものであり、図1は船外機の全体側面図、図2は図1の要部拡大縦断面図、図3はエンジンカバーを省略した状態での図2の3−3線拡大断面図、図4はエンジンカバーを省略した状態での図2の4−4線拡大断面図、図5は図2の要部拡大図、図6は図4の6−6線拡大断面図、図7は図4の7−7線拡大断面図、図8は図6の8−8線断面図、図9は図6の9−9線断面図、図10はオイルケースの横断面図であって図11の10−10線に沿う断面図、図11は図10の11矢視方向からみたオイルケースの後面図、図12はオイルケースの後面に取付けられる蓋部材の前面図、図13は排気ガス採取管の取付け構造を示す拡大縦断面図、図14はアンダーカバーの下端部のケーシングへの固定構造を説明するための図2の14−14線に沿う断面図である。
【0009】
先ず図1および図2において、船体15の船尾板15aには、上下に延びるケーシング16が取付けられており、該ケーシング16の上端部には、たとえば2気筒4サイクルのエンジンEが搭載される。エンジンEの少なくとも上部(この実施例では上半部)は合成樹脂製のエンジンカバー13で覆われ、前記エンジンEの少なくとも下部、この実施例ではエンジンEの下半部およびケーシング16の上部は合成樹脂製のアンダーカバー14で覆われる。またケーシング16の下端部にはプロペラ17が回転自在に支承されており、ケーシング16に内蔵される駆動力伝達手段18を介して前記エンジンEからの動力がプロペラ17に伝達される。
【0010】
ケーシング16は、オイルケース19と、該オイルケース19の下端部に結合されるエクステンションケース20と、エクステンションケース20の下端部に結合されるギヤケース21とから成るものである。而してエンジンEのエンジン本体22は、クランクシャフト23が上下方向に延びるようにしてオイルケース19上に結合され、プロペラ17はギヤケース21に回転自在に支承される。
【0011】
駆動力伝達手段18は、前記クランクシャフト23に連結されてケーシング16内を上下に延びる駆動軸24の下端部と、プロペラ17に連なるプロペラ軸25の後端との間に前後進切換機構26が設けられて成るものである。
【0012】
ケーシング16の前方側すなわち船体15側には上下に延びるパイプ状のスイベルケース27が配置されており、該スイベルケース27の上部には、船体15側に延びる揺動アーム28が設けられる。一方、船体15の船尾板15aには、該船尾板15aに上方から挿脱可能である逆J字状の取付けブラケット29が、該取付けブラケット29に螺合された押しねじ30を締付けることにより着脱可能に固定されており、前記揺動アーム28の前端部が、水平な軸線を有する枢軸31を介して前記取付けブラケット29に枢支される。
【0013】
また取付けブラケット29には複数のピン孔32…が設けられており、スイベルケース27に固着された係止板33に設けられるピン孔(図示せず)と、前記取付けブラケット29のいずれかのピン孔32とにピン34を挿通することにより、枢軸31の軸線まわりのケーシング16すなわち船外機のチルト角を調節することができる。
【0014】
スイベルケース27内には、該スイベルケース27で回動可能に支持されるスイベル軸35が挿通されており、スイベル軸35の上端にはマウントアーム36が設けられ、スイベル軸35の下端にはマウントブロック37が設けられる。
【0015】
図3を併せて参照して、ケーシング16におけるオイルケース19の前部上端には、前記マウントアーム36の上方に配置される支持腕部19aが一体に設けられており、マウントアーム36は左右一対のアッパーマウント38,38を介して支持腕部19aに弾性的に連結され、マウントブロック37は、ロアマウント39を介してエクステンションケース20に弾性的に連結される。またマウントアーム36には、船体15側に延びる操舵ハンドル40が固定されており、該操舵ハンドル40を左右に操作することにより、ケーシング16をスイベル軸35の軸線まわりに左右に回動させて船外機を操舵することができる。
【0016】
図4および図5を併せて参照して、エンジン本体22は、クランクケース43aを一体に備えてオイルケース19の上面に結合されるエンジンブロック43と、該エンジンブロック43に結合されるシリンダヘッド44と、シリンダヘッド44に結合される合成樹脂製のヘッドカバー45とを備え、シリンダヘッド44およびヘッドカバー45間には動弁室46が形成される。
【0017】
前記エンジンブロック43には、船外機の前後方向に延びるシリンダ軸線を有する上下一対のシリンダボア47,47が設けられており、それらのシリンダボア47,47にピストン48,48がそれぞれ摺動可能に嵌合される。一方、クランクケース43a内を上下に延びるクランクシャフト23は、クランクケース43aの上部に結合された支持部材50と、クランクケース43aの下部とで回転自在に支承されており、前記ピストン48,48が該クランクシャフト23にコネクティングロッド49,49を介してそれぞれ連接される。
【0018】
前記支持部材50から上方に突出したクランクシャフト23の上端部には、発電機51およびリコイルスタータ52が同軸に連結され、発電機51およびリコイルスタータ52は共通のカバー53で覆われる。
【0019】
動弁室46内には、クランクシャフト23と平行な軸線を有するカムシャフト54を含む動弁機構55が収容されるものであり、カムシャフト54は、シリンダヘッド44で回転自在に支承される。このカムシャフト54には、ベルト伝達手段56を介して動力が伝達されるものであり、該ベルト伝達手段56は、支持部材50の上方でクランクシャフト23に固定された駆動プーリ57と、シリンダヘッド44の上方でカムシャフト54の上端部に固定された被動プーリ58とに、無端状のタイミングベルト59が巻掛けられて成る。
【0020】
前記ベルト伝達手段56のうち前記被動プーリ58に対応する部分はベルトカバー60で覆われる。すなわちベルト伝達手段56のうち駆動プーリ57に対応する側はカバー53で覆われており、該カバー53でカバーしきれない部分を覆うようにベルトカバー60が配置される。ベルトカバー60の後部には一対の腕部60a,60aが後方側に突出するようにして一体に設けられており、上方に突出するようにしてヘッドカバー45に一体に設けられるピン45a,45aがそれらの腕部60a,60aに弾性材を介して嵌合されることで、ベルトカバー60の後部がヘッドカバー45に位置決め支持される。また支持部材50には、ベルトカバー60側に延びる支持腕部50aが一体に設けられており、その支持腕部50aに締結されることでベルトカバー60の前部が支持部材50に支持される。
【0021】
図3に注目して、各ピストン48,48を臨ませてエンジンブロック43およびシリンダヘッド44間にそれぞれ形成される燃焼室61…にそれぞれ通じ得る一対の吸気ポート62…が、船外機の後方側を向いた姿勢でシリンダヘッド44の左側(即ち燃焼室61の左右方向中央部よりも左側)に設けられ、前記船外機の後方側を向いた姿勢でシリンダヘッド44の右側には、前記各燃焼室61…に通じ得る一対の排気ポート63…が設けられる。
【0022】
前記動弁機構55は、燃焼室61…および吸気ポート62…間の連通・遮断を切換える一対の吸気弁64…と、燃焼室61…および排気ポート63…間の連通・遮断を切換える一対の排気弁65…とを開閉駆動するものであり、前記カムシャフト54と、該カムシャフト54と平行な軸線を有してシリンダヘッド44で支持されるロッカシャフト66と、各吸気弁64…に連動、連結されてロッカシャフト66で揺動可能に支承される一対の吸気ロッカアーム67…と、各排気弁65…に連動、連結されてロッカシャフト66で揺動可能に支承される一対の排気ロッカアーム68…とを備える。
【0023】
図5に注目して、カムシャフト54には、各吸気ロッカアーム67…に対応した吸気側カム69…と、各排気ロッカアーム68…に対応した排気側カム70…とが設けられており、吸気ロッカアーム67…および排気ロッカアーム68…を各カム69…,70…に従動して揺動させることにより、吸気弁64…および排気弁65…が、各カム69…,70…のカムプロフィルに応じた作動特性で開閉作動する。
【0024】
シリンダヘッド44の各吸気ポート62…には吸気装置73が接続されており、該吸気装置73は、前記吸気ポート62…が配置されている側でエンジンブロック43の左右一側(すなわち船外機の後方側を向いた姿勢で左側)に配置される気化器74と、該気化器74の上流端に接続される吸気消音箱75と、気化器74の上流端および各吸気ポート62…間を連結する吸気管手段としての吸気マニホールド76とを備える。吸気マニホールド76は、各吸気ポート62…に個別に通じるとともに気化器74に共通に連なる一対の吸気通路76a,76bを有してシリンダヘッド44と一体に形成される。また気化器74は、バイパス式始動装置77を有して可変ベンチュリ型、特に負圧を利用した所謂コンスタントバキューム型に構成される。
【0025】
図6において、気化器74の気化器本体78には、下流端を吸気マニホールド76に連通させた吸気道79が設けられており、この吸気道79の下流側にはスロットル弁80が配設され、該スロットル弁80よりも上流側で吸気道79の中間部にはベンチュリ部81が配設される。
【0026】
吸気道79の直下で気化器本体78にはフロート室体82が結合されており、気化器本体78およびフロート室体82間に形成されるフロート室83にはフロート84が収容される。またフロート室83には、シリンダヘッド44に取付けられた燃料ポンプ72から燃料油を供給可能である。
【0027】
気化器本体78の下部には、ベンチュリ部81に開口する燃料ノズル85が、燃料ジェット86を介してフロート室83内の燃料油面よりも下方に通じるようにして設けられ、燃料ノズル85には、その有効開口面積を調節するようにして上方から針弁87が挿入される。該針弁87は、ベンチュリ部81の開口面積を可変とすべく気化器本体78の上部に昇降可能に支持されるピストン弁88の下端に取付けられるものであり、気化器本体78の上端に取付けられるキャップ89と、気化器本体78との間に周縁部が挟まれるダイヤフラム90の中央部にピストン弁88の上端部が連結される。
【0028】
ダイヤフラム90およびキャップ89間にはベンチュリ圧力室91が形成され、ダイヤフラム90および気化器本体78間には上流側圧力室92が形成される。ベンチュリ圧力室91は、ピストン弁88の下端に設けられた連通孔(図示せず)を介してベンチュリ部81に通じており、このベンチュリ圧力室91にはピストン弁88を下方に付勢する戻しばね93が収容される。また上流側圧力室92は気化器74よりも上流側の吸気消音箱75内に連通する。
【0029】
燃料ノズル85の下部には多数の噴気孔を備えるエアブリード管94が連設されており、このエアブリード管94および気化器本体78間には、上流側圧力室92に通じる環状室95が形成される。而してベンチュリ部81および環状室95の圧力差に応じた空気が多数の噴気孔からエアブリード管94内に噴出してエアブリード管94内の燃料をエマルジョン化し、これにより針弁87で有効開口面積が調節された燃料ノズル85から噴出される燃料の霧化が促進される。
【0030】
このような気化器74では、吸気道79の吸入空気量が或る値以上に増加すると、ベンチュリ部81の圧力とともにベンチュリ圧力室91の圧力が低下し、ベンチュリ圧力室91および上流側圧力室92間に圧力差が生じ、その圧力差によるダイヤフラム90の引上げ力と、戻しばね93による押下げ力とがバランスする位置までピストン弁88が引上げられ、ベンチュリ部81の開口面積が増加する。そうすると、ベンチュリ部81の圧力は元に戻ろうとするので、ベンチュリ部81の圧力は吸入空気量が或る値以上となった後には、ほぼ一定に制御されることになる。
【0031】
図7において、気化器本体78には、スロットル弁80およびベンチュリ部81を迂回して吸気道79の上流端部および下端部間を結ぶ始動通路96が設けられており、バイパス式始動装置77は、エンジンEの始動時および暖機運転時にスロットル弁80およびベンチュリ部81を迂回して始動通路96を流通する混合気の燃料濃度を調節すべく気化器本体78に取付けられる。
【0032】
このバイパス式始動装置77は、始動通路96の中間部に開口して気化器本体78に設けられる始動燃料ノズル97と、該始動燃料ノズル97の有効開口面積を調節するようにして上方から挿入される針弁98と、気化器本体78およびフロート室体82間にに形成される始動用燃料室100に挿入されて前記始動燃料ノズル97に通じる始動エアブリード管99とを備え、始動用燃料室100の下端部はフロート室83に連通され、始動用燃料室100の上部は上流側空気室92に連通され、また始動エアブリード管99には多数の透孔101…が設けられる。
【0033】
バイパス式始動装置77は、気化器本体78に締結されて上方に延びるケース102を備えるものであり、このケース102内には、図示しないPTCヒータおよびワックスが収納され、PTCヒータによってワックスを加熱、膨張せしめることにより前記針弁98が始動燃料ノズル97の有効開口面積を調節すべく昇降する。また前記ケース102の上端にはPTCヒータとの電気的接続を果すためのカプラ103が設けられる。
【0034】
このようなバイパス式始動装置77は、気化器74の気化器本体7と、エンジンブロック43との間で気化器本体78に取付けられ、カプラ103の上面は気化器74におけるキャップ89の上面とほぼ同一レベルに配置される。
【0035】
さらに気化器本体78には、前記バイパス式始動装置77のPTCヒータとは別のPTCヒータ等のヒータ104が、図3および図4で示すように、埋め込まれており、このヒータ104により気化器74のアイシングが防止される。
【0036】
図8および図9を併せて参照して、吸気消音箱75は、気化器74の上流端に接続される合成樹脂製の第1ケース部材105と、第1ケース部材105に着脱可能に連結される合成樹脂製の第2ケース部材106と、第2ケース部材106に着脱可能に連結される合成樹脂製の第3ケース部材107とで構成される。
【0037】
第1ケース部材105には、気化器74における吸気道79の上流端に連なる接続筒部105aが第1ケース部材105内に延びるようにして一体に設けられており、この接続筒部105aの内端部すなわち上流端部には、多数の透孔を有するフレームトラップ108が装着される。
【0038】
第1および第2ケース部材105,106間には、エンジンブロック43におけるシリンダ軸線に沿う方向、すなわち船外機の前後方向にほぼ沿う方向に空気を導く第1空気通路109が形成されており、この第1空気通路109の下流端は、前記フレームトラップ108および接続筒部105aを介して気化器74に接続される。
【0039】
第3ケース部材107は、船外機の前後方向に沿う前方側で第2ケース部材106の端部に着脱可能に連結されるものであり、この第3ケース部材107内には、上下に延びるとともに上流端部である下端部を外部に開口した第2空気通路110が形成される。しかも第2空気通路110での空気流通方向は、図8および図9の矢印で示すように、少なくとも下流端すなわち上端部では、第1空気通路109での空気流通方向にほぼ直交させるように設定されており、この実施例では船外機の左右方向に設定される。
【0040】
また吸気消音箱75内には、第1空気通路109での空気流通方向にほぼ平行にして船外機の上下方向に沿う平面上に配置されるクリーナエレメント112が、第1空気通路109の上流端および第2空気通路110の下流端間に介在するようにして収納、固定される。
【0041】
クリーナエレメント112は、第2および第3ケース部材106,107間に挟持されるものであり、第3ケース部材107との連結部分で第2ケース部材106には、横断面正四角形状の支持筒部106aが一体に設けられ、該支持筒部106aの第1空気通路109側の端部には格子部111が一体に形成される。また第3ケース部材107の下流端には、船外機の前後方向に延びる複数の押え部114…が一体に設けられており、多数の透孔を有するフレームトラップ113が格子部111に当接するようにして支持筒部106aに挿入され、該フレームトラップ113および押え部114…間に挟まれるようにしてクリーナエレメント112が支持筒部106aに挿入される。
【0042】
かかる吸気消音箱75にあっては、第2空気通路110の下流端での空気流通方向が船外機の左右方向に設定されており、船外機のほぼ上下方向に沿う平面に配置されるクリーナエレメント112と、エンジンブロック43との間に第2空気通路110が配置されることになる。なお吸気消音箱75内に収納されるフレームトラップ108,113の一方、たとえばフレームトラップ108は省略可能である。
【0043】
図5に特に注目して、動弁室46内でヘッドカバー45には、動弁室46とは隔てられたブリーザ室118を該ヘッドカバー45との間に形成する隔板117が固定されており、隔板117のブリーザ室118に臨む部分には動弁室46からブリーザ室118へのブリーザガスの流通を許容するリード弁119が取付けられる。
【0044】
船外機の左右方向に沿うヘッドカバー45のほぼ中央部でベルトカバー60から後方にずれた部分には、ブリーザ室118に通じる接続管120が上方に立上がるようにして一体に設けられており、この接続管120に一端が接続されるブリーザ管121の他端が、吸気装置73における吸気消音箱75の第1空気通路109に通じるようにして、吸気消音箱75の第1ケース部材105に接続される。
【0045】
しかもブリーザ管121は、ベルトカバー60の外側面に沿って延びて吸気マニホールド76および気化器74の上方に配置されるものであり、該ブリーザ管121の中間部は、ベルトカバー60の外側面に締結される固定部材122によりベルトカバー60の外側面に固定される。
【0046】
図2に特に注目して、オイルケース19は、上方すなわちエンジンW側に開放したオイルパン123を一体に備えており、該オイルパン123内に挿入されるサクションパイプ125の下端にオイルストレーナ124が設けられる。
【0047】
サクションパイプ125の上端は、エンジンブロック43およびシリンダヘッド44に設けられたオイル吸入通路126に接続されており、カムシャフト54で駆動されるようにしてシリンダヘッド44に設けられたオイルポンプ127に前記オイル吸入通路126が接続される。而して該オイルポンプ127から吐出されるオイルは、クランクケース43aの下部におけるクランクシャフト支持部に供給されるとともに、支持部材50におけるクランクシャフト支持部に、エンジンブロック43および支持部材50に設けられたオイル供給通路128(図7参照)を介して供給される。
【0048】
図10を併せて参照して、前記オイルパン123の前部中央は後方側に彎曲した隔壁部123aとして形成されており、その隔壁部123aによりオイルパン123内と隔絶された上部駆動軸室130が、上下に延びるようにしてオイルケース19の前部に形成され、該上部駆動軸室130内には、クランクシャフト23に連結されて下方に延びる駆動軸24が挿入される。
【0049】
また前記オイルパン123の後部は船外機の左右方向に延びる隔壁部123bとして形成されており、その隔壁部123bによりオイルパン123内と隔絶された第1冷却水通路131が、前記オイルパン123よりも後方側で上下に延びるようにしてオイルケース19に形成される。さらに第1冷却水通路131よりも後方側には、第1冷却水通路131との間を隔てる隔壁部132aを有する通路壁132が、該通路壁132の後部でオイルケース19の後部外壁の一部を構成するようにしてオイルパン123と一体に設けられ、上下に延びる第1排気ガス通路133が通路壁132内に形成される。
【0050】
前記オイルケース19の下端に結合されるエクステンションケース20内は、前記第1排気ガス通路133の下端に通じる排気膨張室134と、前記第1冷却水通路131および駆動軸室130の下端に通じて排気膨張室134の前方側に配置される下部駆動軸室135とに、隔壁136によって区画される。
【0051】
図11を併せて参照して、オイルケース19の後部外壁には、前記第1排気ガス通路133を構成する通路壁132の後部中間部を臨ませる矩形の凹部137が設けられており、該凹部137は平板状の板部材138で覆われ、凹部137内でオイルケース19および板部材138間には第2冷却水通路139が形成される。
【0052】
またオイルケース19の後部外壁には、前記板部材138をオイルケース19との間に挟むようにして蓋部材140が締結されており、該蓋部材140および板部材138間には、前記第2冷却水通路139とは隔絶した第2排気ガス通路141が形成される。しかも板部材138は、弾性を有する材料により形成されるものであり、前記凹部137を囲むようにしてオイルケース19に設けられたシール面159に密接し、シール機能を果す。
【0053】
而してシリンダヘッド44の排気ポート63…から排出される排気ガスは、エンジンブロック44内に設けられる主排気ガス通路142から前記第1排気ガス通路133を経て排気膨張室134に流入され、プロペラ軸25まわりの中空部を経て外部の水中に排出される。
【0054】
一方、排気膨張室134の上部から排気ガスの一部を第2排気ガス通路141側に反転して導く通路143がオイルケース19に設けられており、この通路143が第2排気ガス通路141に連通される。
【0055】
図12において、第2排気ガス通路141は、前記通路143に通じる流入室144、上部膨張室145および下部膨張室146を有するものであり、各室144,145,146は、蓋部材140の内面に設けられた壁部140aで区画される。流入室144は蓋部材140内の下部に形成されるものであり、この流入室144と、該流入室144の上方に配置される上部膨張室145との間は、前記壁部140aに設けられた流通溝147…を介して連通される。また上部膨張室145と、該上部膨張室145の下方に配置される下部膨張室146との間は前記壁部140aに設けられた流通溝148…を介して連通される。しかも蓋部材140には、下部膨張室146内の上部に通じる排出路149を形成して後方側に突出する排気管150が一体に設けられており、排気膨張室134の上部から第2排気ガス通路141側に導かれた一部の排気ガスは、図12の破線矢印で示すように第2排気ガス通路141内を流通し、排気管150から外部に排出される。
【0056】
前記流入室144の下方で蓋部材140内には戻し室151が形成される。しかも壁部140aには下部膨張室146内の下端を戻し室151に連通させる戻し溝152が設けられており、下部膨張室146内で排気ガスから分離して下部膨張室146内に溜まる水が戻し溝152から戻し室151に流通する。さらにオイルケース19には、前記戻し室151を排気膨張室134に通じさせる戻し通路153が設けられており、下部膨張室146内で排気ガスから分離した水は排気膨張室134に戻される。
【0057】
一方、図示しない冷却水ポンプで汲上げられた冷却水は、オイルケース19に設けられた冷却水流入口154から第2冷却水通路139内の下部に供給されて第2冷却水通路139内を上方に流通し、冷却水流入口154の上方位置でオイルケース19に設けられた第3冷却水通路155に流れる。この際、第2冷却水通路139内で冷却水流入口154から第3冷却水通路155に向けて冷却水が直接流れてしまわないように、図11の矢印で示すように冷却水の流れを蛇行させるための邪魔板156がオイルケース19に設けられる。これにより第1排気ガス通路133を構成する通路壁132のうち第2冷却水通路139に臨む部分で冷却水を満遍なく流通させることができる。しかも邪魔板156の下端には連通溝156aが設けられており、前記冷却水ポンプが作動しているときには、冷却水流入口154からの冷却水の一部が図11の矢印で示すように連通溝156aから第2冷却水通路139内に向けて上方に流通するが、前記冷却水ポンプの停止時には、第2冷却水通路139から連通溝156aを経て冷却水流入口154に冷却水を戻すことが可能であり、それにより邪魔板156の上方側に水が溜まってしまうことが回避される。
【0058】
第3冷却水通路155に流れた冷却水は、エンジンブロック43およびシリンダヘッド44に設けられたウォータージャケット157(図3,図5参照)に導かれ、ウォータージャケット157から排出される冷却水は第1冷却水通路131内を降下して下部駆動軸室135に流下する。またオイルケース19には、第3冷却水通路155の中間部に通じる検水用取出管158が取付けられる。
【0059】
図13を併せて参照して、オイルケース19の外壁には、前記凹部137を囲むシール面159の上部に外端を開口するとともに内端を第1排気ガス通路133に開口した挿入孔161が設けられ、排気ガスを採取するための排気ガス採取管162の内端が前記挿入孔161から第1排気ガス通路133に挿入される。排気ガス採取管162は、蓋部材140を貫通して該蓋部材140に固定されるものであり、前記挿入孔161に対応して蓋部材140に設けられたねじ孔163に、排気ガス採取管162の中間部外面に設けられる雄ねじ部164が螺合されることにより、排気ガス採取管162が蓋部材140に気密に固定される。
【0060】
前記雄ねじ部164の一部は蓋部材140から外方に突出しており、蓋部材140からの突出部分で雄ねじ部164には、排気ガス採取管162の外端部を覆う有底円筒状のプラグ165が螺合され、該プラグ165の閉塞端外面にはドライバ等の回転工具を係合するための係合溝166が設けられ、プラグ165の開口端部と蓋部材140の外面との間にはワッシャ167が挟まれる。
【0061】
また板部材138には、前記挿入孔161の外端に対応した透孔168が設けられており、平板部材138で挿入孔161の外端の周囲がシールされる。
【0062】
図14を併せて参照して、アンダーカバー14は、エンジンEの下半部ならびにケーシング16の上部を両側から覆って相互に連結される一対の合成樹脂製のカバー半体170,171から成るものであり、一方のカバー半体170のカバー半体171への接合面には嵌合溝170aが設けられ、他方のカバー半体171のカバー半体170への接合面には前記嵌合溝170aに嵌合する嵌合突部171aが設けられる。
【0063】
このアンダーカバー14の前部上端には図3で示すように切欠き172が設けられており、オイルケース19が備える支持腕部19aが、該支持腕部19aの前端を外部に露出するようにして切欠き172に配置される。
【0064】
またアンダーカバー14の後部において、排気管150に対応する部分には、該排気管150の排出路149からの排気ガスをアンダーカバー14の後方側に排出すべく、排気管150の後端部を突出させる貫通孔173が設けられる。
【0065】
アンダーカバー14は、ケーシング16の上部に固定されるものであり、ケーシング16の上部であるオイルケース19の後部外壁における下部に突設される一対の取付けボス19b,19bに、両カバー半体170,171の後部がねじ部材174,174でそれぞれ締結される。またオイルケース19の前部における上部には、両カバー半体170,171の前部がねじ部材175…でそれぞれ締結され、エクステンションケース20の前部上端には、両カバー半体170,171の前部がねじ部材176…でそれぞれ締結される。すなわちアンダーカバー14は、ケーシング16の上部であるオイルケース19ならびにエクステンションケース20の上端部に固定される。
【0066】
エンジン本体22の一部を構成するヘッドカバー45の後部中央には後方側に突出する支持突部45bが突設されており、該支持突部45bの後端部には両端を開放したねじ孔を有する金具177が埋設される。一方、アンダーカバー14を構成する両カバー半体170,171の上部には前記支持突部45bを両側から挟む被取付け部170b,171bが一体に設けられており、それらの被取付け部170b,171bが前記金具177に螺合するねじ部材178,178で支持突部45bに締結される。すなわちアンダーカバー14の上部がエンジン本体22の一部であるヘッドカバー45に着脱可能に固定されることになる。
【0067】
また支持突部45bの後端には、該支持突部45bから上方側に延びる逆J字状の腕部45cが一体に連設されており、支持突部45bおよび腕部45c間には、気化器74のスロットル弁80を操作するためのスロットルケーブル179の中間部が保持される。
【0068】
エンジンカバー13は、エンジンEの上半部を覆う皿形をなして合成樹脂により形成されており、船外機の前部でエンジンカバー13に固定されたフック180が、オイルケース19における支持腕部19aの前端の設けられる係合孔181に後方側から係合される。また船外機の後部でアンダーカバー14の上部にはフックレバー182が水平な軸線まわりに回動可能に支承されており、該フックレバー182に装着されたフック183が、エンジンカバー13の後部に設けられる係止部184に係合される。すなわちエンジンカバー13の下端にアンダーカバー14の上端が着脱可能に連結される。
【0069】
船外機の後側でエンジンカバー13の上部にはチルトアップ操作用の把持部13aが前方側に凹むようにして設けられており、この把持部13aの内端に通じる空気導入管185が、エンジンカバー13内に空気を導入すべくエンジンカバー13に一体に設けられる。しかも空気導入管185は、下端を開放してベルトカバー60の直上で上下に延びるものであり、空気導入管185から浸入した水がベルトカバー60の上面にあたって飛散することを避けるために、ベルトカバー60の上部には、空気導入管185の下端を囲むようにして上方を開放した皿状部186が一体に設けられる。
【0070】
次にこの実施例の作用について説明すると、ケーシング16の上部に固定されるアンダーカバー14の上部がエンジン本体22のヘッドカバー45に着脱可能に固定され、エンジンカバー13の下端部はアンダーカバー14の上端部に着脱可能に連結されるので、アンダーカバー14の上部がエンジン本体22に強固に支持されるとともに、エンジンカバー13の下部がアンダーカバー14の上部を介してエンジン本体22に強固に支持されることになる。このためエンジンカバー13の上部に設けられた把持部13aを握ってチルトアップ操作をしたときに、エンジンカバー13の下部およびアンダーカバー14の上部での変形を小さく抑えることができ、エンジンカバー13およびアンダーカバー14の剛性感を得ることができる。
【0071】
またエンジンEにおけるヘッドカバー45内のブリーザ室118に連なってヘッドカバー45の上部に一端が接続されるブリーザ管121の他端が、エンジンブロック43の一側に配置される吸気装置73の吸気消音箱75に接続されるのであるが、カムシャフト54およびクランクシャフト23間を連結するベルト伝達手段56のうち少なくとも被動プーリ58に対応する部分を覆ってシリンダヘッド44の上方に配置されるベルトカバー60の外側面に沿って前記ブリーザ管121が配置されており、ブリーザ管121の中間部は固定部材122によりベルトカバー60に固定されている。したがってブリーザ管121をベルトカバー60に接触するまで近接させるとともに吸気装置73から側方にはみ出すことがないように配管することができ、エンジンEの上半部を覆うエンジンカバー13が比較的小さなものであっても、該エンジンカバー13内にブリーザ管121をコンパクトに配管することができる。
【0072】
前記吸気装置73のうち気化器74は、可変ベンチュリ型、特に負圧を利用した所謂コンスタントバキューム型に構成されており、エンジンEの運転状態に応じて吸気道79におけるベンチュリ部81の開口面積を変化させることにより、低速および高速性能の両立を図るととともに空燃比の精度を高め、燃費の低減および排気性状の向上を図ることができる。
【0073】
しかも気化器74の気化器本体78にはバイパス式始動装置77が取付けられるのであるが、バイパス式始動装置77が、気化器本体78とエンジンブロック43との間で気化器本体78に取付けられるので、バイパス式始動装置77が気化器本体78から外側にはみだすことがなく、バイパス式始動装置77との干渉を回避するためにエンジンカバー13が大型化することを回避することができる。
【0074】
さらに吸気装置73の上流端に配設される吸気消音箱75内には、船外機の前後方向に沿うエンジンブロック43のシリンダ軸線にほぼ沿う方向に空気を導くとともに下流端が気化器74に接続される第1空気通路109と、少なくとも下流端の空気流通方向を第1空気通路109での空気流通方向にほぼ直交させるとともに上流端を外部に開口した第2空気通路110とが形成されており、第1空気通路109での空気流通方向にほぼ平行な平面に配置されて第1空気通路109の上流端および第2空気通路110の下流端間に介在するクリーナエレメント112が吸気消音箱75内に収納、固定される。
【0075】
したがって第2空気通路110から第1空気通路109に空気が流通する間にクリーナエレメント112で空気が浄化されることになる。しかも第1空気通路109はエンジンブロック43のシリンダ軸線にほぼ沿う方向すなわち船外機のほぼ前後方向に空気を流通させるものであり、クリーナエレメント112は、第1空気通路109での空気流通方向にほぼ平行な平面に配置されるので、クリーナエレメント112を配置することによって吸気消音箱75が船外機の左右方向で大型化することはなく、吸気装置73に、その大型化を回避しつつ空気浄化機能を持たせることができる。
【0076】
また第2空気通路110の下流端での空気流通方向が船外機の左右方向に設定され、船外機のほぼ上下方向に沿う平面に配置されるクリーナエレメント112と、エンジンブロック43との間に第2空気通路110が配置されることにより、吸気消音箱75の上流端開口部を、吸気消音箱75自体で覆う位置に配置することができ、エンジンEを覆うエンジンカバー13およびアンダーカバー14内に浸入してきた水が吸気装置73内に吸入されるのを極力防止することができる。
【0077】
ところでエンジンEからの排気ガスを導く第1排気ガス通路133を形成する通路壁132を一体に備えるオイルケース19の外壁には、凹部137と、該凹部137を囲むシール面159とが設けられ、シール面159との間に板部材138を介してオイルケース19の外壁に取付けられる蓋部材140と前記凹部137との間には、第1排気ガス通路133とは隔絶した第2冷却水通路139および第2排気ガス通路141が形成されており、シール面159に開口してオイルケース19に設けられている挿入孔161から第1排気ガス通路133に排気ガス採取管162が挿入される。しかもシール機能を果す板部材138は、挿入孔161の外端開口部を囲むように形成され、排気ガス採取管162は蓋部材140を貫通して該蓋部材140に気密に固定されている。
【0078】
したがって蓋部材140は排気ガス採取管162を貫通させるだけのスペースを有すればよく、蓋部材140の大型化を回避して排気ガス採取管162を第1排気ガス通路133に挿入することがき、排気ガス採取管162の周囲でオイルケース19および蓋部材140間を確実にシールすることができる。
【0079】
さらにオイルケース19の外壁の一部は前記通路壁132で構成されており、通路壁132の一部を臨ませてオイルケース19の外壁に設けられる凹部137が板部材138で覆われ、第2冷却水通路139が板部材138および前記凹部137間に形成されるので、第2冷却水通路137を流通する冷却水で通路壁132を効果的に冷却して通路壁132と一体であるオイルパン123の温度上昇を防止することができ、第2冷却水通路137を形成するための型成形による抜き勾配を考慮する必要がなく、オイルケース19の大型化および重量増大を回避することができる。
【0080】
以上、本発明の実施例を説明したが、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明を逸脱することなく種々の設計変更を行うことが可能である。
【0081】
たとえば上記実施例ではエンジンEが2気筒であったが単気筒であってもよく、その場合、吸気管手段は吸気マニホールドではなく単純な吸気管であればよい。
【0082】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、気化器が可変ベンチュリ型に構成されるので、低速および高速性能の両立を図るとともに、空燃比の精度を高め、燃費の低減および排気性状の向上を図ることができる。しかもバイパス式始動装置が気化器本体から外側にはみだすことがないようにして、エンジンカバーが大型化することを回避することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 船外機の全体側面図である。
【図2】 図1の要部拡大縦断面図である。
【図3】 エンジンカバーを省略した状態での図2の3−3線拡大断面図である。
【図4】 エンジンカバーを省略した状態での図2の4−4線拡大断面図である。
【図5】 図2の要部拡大図である。
【図6】 図4の6−6線拡大断面図である。
【図7】 図4の7−7線拡大断面図である。
【図8】 図6の8−8線断面図である。
【図9】 図6の9−9線断面図である。
【図10】 オイルケースの横断面図であって図11の10−10線に沿う断面図である。
【図11】 図10の11矢視方向からみたオイルケースの後面図である。
【図12】 オイルケースの後面に取付けられる蓋部材の前面図である。
【図13】 排気ガス採取管の取付け構造を示す拡大縦断面図である。
【図14】 アンダーカバーの下端部のケーシングへの固定構造を説明するための図2の14−14線に沿う断面図である。
【符号の説明】
13・・・エンジンカバー
23・・・クランクシャフト
43・・・エンジンブロック
44・・・シリンダヘッド
47・・・シリンダボア
61・・・燃焼室
62・・・吸気ポート
74・・・気化器
76・・・吸気管手段としての吸気マニホールド
77・・・バイパス式始動装置
78・・・気化器本体
79・・・吸気道
E・・・・エンジン

Claims (1)

  1. 上下に延びるクランクシャフト(23)を回転自在に支承すると共にシリンダボア(47)の軸線を前後方向に配置したエンジンブロック(43)と、燃焼室(61)に通じる吸気ポート(62)を燃焼室(61)の左右方向中央部よりも左右一方側に有して前記エンジンブロック(43)に結合されるシリンダヘッド(44)と、前記吸気ポート(62)側で前記エンジンブロック(43)の左右一側に配置されて吸気道(79)を形成する気化器本体(78)ならびに該気化器本体(78)に取付けられるバイパス式始動装置(77)を有する気化器(74)と、前記吸気道(79)および吸気ポート(62)間を連結する吸気管手段(76)とを備える4サイクルエンジン(E)の少なくとも前記気化器(74)を含む上半部が、エンジンカバー(13)で覆われる船外機において、
    可変ベンチュリ型に構成される前記気化器(74)のバイパス式始動装置(77)が、前記気化器本体(78)と前記エンジンブロック(43)との間で前記気化器本体(78)に取付けられることを特徴とする船外機。
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