JP2001200766A - 船外機用エンジンの吸気装置 - Google Patents

船外機用エンジンの吸気装置

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JP2001200766A
JP2001200766A JP2000010384A JP2000010384A JP2001200766A JP 2001200766 A JP2001200766 A JP 2001200766A JP 2000010384 A JP2000010384 A JP 2000010384A JP 2000010384 A JP2000010384 A JP 2000010384A JP 2001200766 A JP2001200766 A JP 2001200766A
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air
passage
intake
air passage
engine
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JP2000010384A
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Tomonori Ikuma
智典 井熊
Hiroki Tawa
寛基 田和
Toyokazu Kawasaki
豊和 河崎
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Honda Motor Co Ltd
Original Assignee
Honda Motor Co Ltd
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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F02COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
    • F02BINTERNAL-COMBUSTION PISTON ENGINES; COMBUSTION ENGINES IN GENERAL
    • F02B61/00Adaptations of engines for driving vehicles or for driving propellers; Combinations of engines with gearing
    • F02B61/04Adaptations of engines for driving vehicles or for driving propellers; Combinations of engines with gearing for driving propellers
    • F02B61/045Adaptations of engines for driving vehicles or for driving propellers; Combinations of engines with gearing for driving propellers for marine engines

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  • Ocean & Marine Engineering (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
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  • Mechanical Engineering (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Lubrication Details And Ventilation Of Internal Combustion Engines (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】シリンダ軸線を船外機の前後方向に沿わせたエ
ンジンブロックの一側に、気化器と、該気化器の上流端
に接続される吸気消音箱とが配置される船外機用エンジ
ンの吸気装置において、大型化を回避しつつ空気浄化機
能を持たせる。 【解決手段】吸気消音箱75内には、シリンダ軸線にほ
ぼ沿う方向に空気を導くとともに下流端が気化器74に
接続される第1空気通路109と、少なくとも下流端の
空気流通方向を第1空気通路109での空気流通方向に
ほぼ直交させるとともに上流端を外部に開口した第2空
気通路110とが形成され、第1空気通路109での空
気流通方向にほぼ平行な平面に配置されて第1空気通路
109の上流端および第2空気通路110の下流端間に
介在するクリーナエレメント112が、吸気消音箱75
内に収納、固定される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、シリンダ軸線を船
外機の前後方向に沿わせたエンジンブロックの一側に、
気化器と、該気化器の上流端に接続される吸気消音箱と
が配置される船外機用エンジンの吸気装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、かかる装置は、たとえば特開平4
−1661号公報等で既に知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、船外機用エ
ンジンの吸気装置には、エアクリーナが含まれないのが
一般的であったが、船体に付着した塵埃等が吸気装置に
吸引されてしまうおそれがあるので、吸気装置には空気
浄化機能を持たせたいと言う要望がある。しかるに従来
のエアクリーナを付加するだけでは、吸気装置の大型化
を招くことになり、吸気装置を含むエンジンを覆うカバ
ーの大型化をも招くことになる。
【0004】本発明は、かかる事情に鑑みてなされたも
のであり、大型化を回避しつつ空気浄化機能を持たせた
船外機用エンジンの吸気装置を提供することを目的とす
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1記載の発明は、シリンダ軸線を船外機の前
後方向に沿わせたエンジンブロックの一側に、気化器
と、該気化器の上流端に接続される吸気消音箱とが配置
される船外機用エンジンの吸気装置において、前記吸気
消音箱内には、前記シリンダ軸線にほぼ沿う方向に空気
を導くとともに下流端が前記気化器に接続される第1空
気通路と、少なくとも下流端の空気流通方向を前記第1
空気通路での空気流通方向にほぼ直交させるとともに上
流端を外部に開口した第2空気通路とが形成され、第1
空気通路での空気流通方向にほぼ平行な平面に配置され
て第1空気通路の上流端および第2空気通路の下流端間
に介在するクリーナエレメントが、前記吸気消音箱内に
収納、固定されることを特徴とする。
【0006】このような構成によれば、吸気消音箱内に
クリーナエレメントが収納、固定され、第2空気通路か
ら第1空気通路に空気が流通する間にクリーナエレメン
トで空気が浄化される。しかも第1空気通路はエンジン
ブロックのシリンダ軸線にほぼ沿う方向すなわち船外機
のほぼ前後方向に空気を流通させるものであり、クリー
ナエレメントは、第1空気通路での空気流通方向にほぼ
平行な平面に配置されるので、クリーナエレメントを配
置することによって吸気消音箱が、船外機の左右方向で
大型化することはなく、吸気装置に、その大型化を回避
しつつ空気浄化機能を持たせることができる。
【0007】また請求項2記載の発明は、上記請求項1
記載の発明の構成に加えて、前記第2空気通路の下流端
での空気流通方向が船外機の左右方向に設定され、船外
機のほぼ上下方向に沿う平面に配置される前記クリーナ
エレメントと、前記エンジンブロックとの間に前記第2
空気通路が配置されることを特徴とし、かかる構成によ
れば、吸気消音箱の上流端開口部を、吸気消音箱自体で
覆う位置に配置することができ、エンジンを覆うカバー
内に浸入してきた水が吸気装置内に吸入されるのを極力
防止することができる。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を、添
付の図面に示した本発明の一実施例に基づいて説明す
る。
【0009】図1〜図14は本発明の一実施例を示すも
のであり、図1は船外機の全体側面図、図2は図1の要
部拡大縦断面図、図3はエンジンカバーを省略した状態
での図2の3−3線拡大断面図、図4はエンジンカバー
を省略した状態での図2の4−4線拡大断面図、図5は
図2の要部拡大図、図6は図4の6−6線拡大断面図、
図7は図4の7−7線拡大断面図、図8は図6の8−8
線断面図、図9は図6の9−9線断面図、図10はオイ
ルケースの横断面図であって図11の10−10線に沿
う断面図、図11は図10の11矢視方向からみたオイ
ルケースの後面図、図12はオイルケースの後面に取付
けられる蓋部材の前面図、図13は排気ガス採取管の取
付け構造を示す拡大縦断面図、図14はアンダーカバー
の下端部のケーシングへの固定構造を説明するための図
2の14−14線に沿う断面図である。
【0010】先ず図1および図2において、船体15の
船尾板15aには、上下に延びるケーシング16が取付
けられており、該ケーシング16の上端部には、たとえ
ば2気筒4サイクルのエンジンEが搭載される。エンジ
ンEの少なくとも上部(この実施例では上半部)は合成
樹脂製のエンジンカバー13で覆われ、前記エンジンE
の少なくとも下部、この実施例ではエンジンEの下半部
およびケーシング16の上部は合成樹脂製のアンダーカ
バー14で覆われる。またケーシング16の下端部には
プロペラ17が回転自在に支承されており、ケーシング
16に内蔵される駆動力伝達手段18を介して前記エン
ジンEからの動力がプロペラ17に伝達される。
【0011】ケーシング16は、オイルケース19と、
該オイルケース19の下端部に結合されるエクステンシ
ョンケース20と、エクステンションケース20の下端
部に結合されるギヤケース21とから成るものである。
而してエンジンEのエンジン本体22は、クランクシャ
フト23が上下方向に延びるようにしてオイルケース1
9上に結合され、プロペラ17はギヤケース21に回転
自在に支承される。
【0012】駆動力伝達手段18は、前記クランクシャ
フト23に連結されてケーシング16内を上下に延びる
駆動軸24の下端部と、プロペラ17に連なるプロペラ
軸25の後端との間に前後進切換機構26が設けられて
成るものである。
【0013】ケーシング16の前方側すなわち船体15
側には上下に延びるパイプ状のスイベルケース27が配
置されており、該スイベルケース27の上部には、船体
15側に延びる揺動アーム28が設けられる。一方、船
体15の船尾板15aには、該船尾板15aに上方から
挿脱可能である逆J字状の取付けブラケット29が、該
取付けブラケット29に螺合された押しねじ30を締付
けることにより着脱可能に固定されており、前記揺動ア
ーム28の前端部が、水平な軸線を有する枢軸31を介
して前記取付けブラケット29に枢支される。
【0014】また取付けブラケット29には複数のピン
孔32…が設けられており、スイベルケース27に固着
された係止板33に設けられるピン孔(図示せず)と、
前記取付けブラケット29のいずれかのピン孔32とに
ピン34を挿通することにより、枢軸31の軸線まわり
のケーシング16すなわち船外機のチルト角を調節する
ことができる。
【0015】スイベルケース27内には、該スイベルケ
ース27で回動可能に支持されるスイベル軸35が挿通
されており、スイベル軸35の上端にはマウントアーム
36が設けられ、スイベル軸35の下端にはマウントブ
ロック37が設けられる。
【0016】図3を併せて参照して、ケーシング16に
おけるオイルケース19の前部上端には、前記マウント
アーム36の上方に配置される支持腕部19aが一体に
設けられており、マウントアーム36は左右一対のアッ
パーマウント38,38を介して支持腕部19aに弾性
的に連結され、マウントブロック37は、ロアマウント
39を介してエクステンションケース20に弾性的に連
結される。またマウントアーム36には、船体15側に
延びる操舵ハンドル40が固定されており、該操舵ハン
ドル40を左右に操作することにより、ケーシング16
をスイベル軸35の軸線まわりに左右に回動させて船外
機を操舵することができる。
【0017】図4および図5を併せて参照して、エンジ
ン本体22は、クランクケース43aを一体に備えてオ
イルケース19の上面に結合されるエンジンブロック4
3と、該エンジンブロック43に結合されるシリンダヘ
ッド44と、シリンダヘッド44に結合される合成樹脂
製のヘッドカバー45とを備え、シリンダヘッド44お
よびヘッドカバー45間には動弁室46が形成される。
【0018】前記エンジンブロック43には、船外機の
前後方向に延びるシリンダ軸線を有する上下一対のシリ
ンダボア47,47が設けられており、それらのシリン
ダボア47,47にピストン48,48がそれぞれ摺動
可能に嵌合される。一方、クランクケース43a内を上
下に延びるクランクシャフト23は、クランクケース4
3aの上部に結合された支持部材50と、クランクケー
ス43aの下部とで回転自在に支承されており、前記ピ
ストン48,48が該クランクシャフト23にコネクテ
ィングロッド49,49を介してそれぞれ連接される。
【0019】前記支持部材50から上方に突出したクラ
ンクシャフト23の上端部には、発電機51およびリコ
イルスタータ52が同軸に連結され、発電機51および
リコイルスタータ52は共通のカバー53で覆われる。
【0020】動弁室46内には、クランクシャフト23
と平行な軸線を有するカムシャフト54を含む動弁機構
55が収容されるものであり、カムシャフト54は、シ
リンダヘッド44で回転自在に支承される。このカムシ
ャフト54には、ベルト伝達手段56を介して動力が伝
達されるものであり、該ベルト伝達手段56は、支持部
材50の上方でクランクシャフト23に固定された駆動
プーリ57と、シリンダヘッド44の上方でカムシャフ
ト54の上端部に固定された被動プーリ58とに、無端
状のタイミングベルト59が巻掛けられて成る。
【0021】前記ベルト伝達手段56のうち前記被動プ
ーリ58に対応する部分はベルトカバー60で覆われ
る。すなわちベルト伝達手段56のうち駆動プーリ57
に対応する側はカバー53で覆われており、該カバー5
3でカバーしきれない部分を覆うようにベルトカバー6
0が配置される。ベルトカバー60の後部には一対の腕
部60a,60aが後方側に突出するようにして一体に
設けられており、上方に突出するようにしてヘッドカバ
ー45に一体に設けられるピン45a,45aがそれら
の腕部60a,60aに弾性材を介して嵌合されること
で、ベルトカバー60の後部がヘッドカバー45に位置
決め支持される。また支持部材50には、ベルトカバー
60側に延びる支持腕部50aが一体に設けられてお
り、その支持腕部50aに締結されることでベルトカバ
ー60の前部が支持部材50に支持される。
【0022】図3に注目して、各ピストン48,48を
臨ませてエンジンブロック43およびシリンダヘッド4
4間にそれぞれ形成される燃焼室61…にそれぞれ通じ
得る一対の吸気ポート62…が、船外機の後方側を向い
た姿勢でシリンダヘッド44の左側面に設けられ、前記
船外機の後方側を向いた姿勢でシリンダヘッド44の右
側には、前記各燃焼室61…に通じ得る一対の排気ポー
ト63…が設けられる。
【0023】前記動弁機構55は、燃焼室61…および
吸気ポート62…間の連通・遮断を切換える一対の吸気
弁64…と、燃焼室61…および排気ポート63…間の
連通・遮断を切換える一対の排気弁65…とを開閉駆動
するものであり、前記カムシャフト54と、該カムシャ
フト54と平行な軸線を有してシリンダヘッド44で支
持されるロッカシャフト66と、各吸気弁64…に連
動、連結されてロッカシャフト66で揺動可能に支承さ
れる一対の吸気ロッカアーム67…と、各排気弁65…
に連動、連結されてロッカシャフト66で揺動可能に支
承される一対の排気ロッカアーム68…とを備える。
【0024】図5に注目して、カムシャフト54には、
各吸気ロッカアーム67…に対応した吸気側カム69…
と、各排気ロッカアーム68…に対応した排気側カム7
0…とが設けられており、吸気ロッカアーム67…およ
び排気ロッカアーム68…を各カム69…,70…に従
動して揺動させることにより、吸気弁64…および排気
弁65…が、各カム69…,70…のカムプロフィルに
応じた作動特性で開閉作動する。
【0025】シリンダヘッド44の各吸気ポート62…
には吸気装置73が接続されており、該吸気装置73
は、前記吸気ポート62…が配置されている側でエンジ
ンブロック43の一側(すなわち船外機の後方側を向い
た姿勢で左側)に配置される気化器74と、該気化器7
4の上流端に接続される吸気消音箱75と、気化器74
の上流端および各吸気ポート62…間を連結する吸気マ
ニホールド76とを備える。吸気マニホールド76は、
各吸気ポート62…に個別に通じるとともに気化器74
に共通に連なる一対の吸気通路76a,76bを有して
シリンダヘッド44と一体に形成される。また気化器7
4は、バイパス式始動装置77を有して可変ベンチュリ
型、特に負圧を利用した所謂コンスタントバキューム型
に構成される。
【0026】図6において、気化器74の気化器本体7
8には、下流端を吸気マニホールド76に連通させた吸
気道79が設けられており、この吸気道79の下流側に
はスロットル弁80が配設され、該スロットル弁80よ
りも上流側で吸気道79の中間部にはベンチュリ部81
が配設される。
【0027】吸気道79の直下で気化器本体78にはフ
ロート室体82が結合されており、気化器本体78およ
びフロート室体82間に形成されるフロート室83には
フロート84が収容される。またフロート室83には、
シリンダヘッド44に取付けられた燃料ポンプ72から
燃料油を供給可能である。
【0028】気化器本体78の下部には、ベンチュリ部
81に開口する燃料ノズル85が、燃料ジェット86を
介してフロート室83内の燃料油面よりも下方に通じる
ようにして設けられ、燃料ノズル85には、その有効開
口面積を調節するようにして上方から針弁87が挿入さ
れる。該針弁87は、ベンチュリ部81の開口面積を可
変とすべく気化器本体78の上部に昇降可能に支持され
るピストン弁88の下端に取付けられるものであり、気
化器本体78の上端に取付けられるキャップ89と、気
化器本体78との間に周縁部が挟まれるダイヤフラム9
0の中央部にピストン弁88の上端部が連結される。
【0029】ダイヤフラム90およびキャップ89間に
はベンチュリ圧力室91が形成され、ダイヤフラム90
および気化器本体78間には上流側圧力室92が形成さ
れる。ベンチュリ圧力室91は、ピストン弁88の下端
に設けられた連通孔(図示せず)を介してベンチュリ部
81に通じており、このベンチュリ圧力室91にはピス
トン弁88を下方に付勢する戻しばね93が収容され
る。また上流側圧力室92は気化器74よりも上流側の
吸気消音箱75内に連通する。
【0030】燃料ノズル85の下部には多数の噴気孔を
備えるエアブリード管94が連設されており、このエア
ブリード管94および気化器本体78間には、上流側圧
力室92に通じる環状室95が形成される。而してベン
チュリ部81および環状室95の圧力差に応じた空気が
多数の噴気孔からエアブリード管94内に噴出してエア
ブリード管94内の燃料をエマルジョン化し、これによ
り針弁87で有効開口面積が調節された燃料ノズル85
から噴出される燃料の霧化が促進される。
【0031】このような気化器74では、吸気道79の
吸入空気量が或る値以上に増加すると、ベンチュリ部8
1の圧力とともにベンチュリ圧力室91の圧力が低下
し、ベンチュリ圧力室91および上流側圧力室92間に
圧力差が生じ、その圧力差によるダイヤフラム90の引
上げ力と、戻しばね93による押下げ力とがバランスす
る位置までピストン弁88が引上げられ、ベンチュリ部
81の開口面積が増加する。そうすると、ベンチュリ部
81の圧力は元に戻ろうとするので、ベンチュリ部81
の圧力は吸入空気量が或る値以上となった後には、ほぼ
一定に制御されることになる。
【0032】図7において、気化器本体78には、スロ
ットル弁80およびベンチュリ部81を迂回して吸気道
79の上流端部および下端部間を結ぶ始動通路96が設
けられており、バイパス式始動装置77は、エンジンE
の始動時および暖機運転時にスロットル弁80およびベ
ンチュリ部81を迂回して始動通路96を流通する混合
気の燃料濃度を調節すべく気化器本体78に取付けられ
る。
【0033】このバイパス式始動装置77は、始動通路
96の中間部に開口して気化器本体78に設けられる始
動燃料ノズル97と、該始動燃料ノズル97の有効開口
面積を調節するようにして上方から挿入される針弁98
と、気化器本体78およびフロート室体82間にに形成
される始動用燃料室100に挿入されて前記始動燃料ノ
ズル97に通じる始動エアブリード管99とを備え、始
動用燃料室100の下端部はフロート室83に連通さ
れ、始動用燃料室100の上部は上流側空気室92に連
通され、また始動エアブリード管99には多数の透孔1
01…が設けられる。
【0034】バイパス式始動装置77は、気化器本体7
8に締結されて上方に延びるケース102を備えるもの
であり、このケース102内には、図示しないPTCヒ
ータおよびワックスが収納され、PTCヒータによって
ワックスを加熱、膨張せしめることにより前記針弁98
が始動燃料ノズル97の有効開口面積を調節すべく昇降
する。また前記ケース102の上端にはPTCヒータと
の電気的接続を果すためのカプラ103が設けられる。
【0035】このようなバイパス式始動装置77は、気
化器74の気化器本体78における吸気道79と、エン
ジンブロック43との間で気化器本体78に取付けら
れ、カプラ103の上面は気化器74におけるキャップ
89の上面とほぼ同一レベルに配置される。
【0036】さらに気化器本体78には、前記バイパス
式始動装置77のPTCヒータとは別のPTCヒータ等
のヒータ104が、図3および図4で示すように、埋め
込まれており、このヒータ104により気化器74のア
イシングが防止される。
【0037】図8および図9を併せて参照して、吸気消
音箱75は、気化器74の上流端に接続される合成樹脂
製の第1ケース部材105と、第1ケース部材105に
着脱可能に連結される合成樹脂製の第2ケース部材10
6と、第2ケース部材106に着脱可能に連結される合
成樹脂製の第3ケース部材107とで構成される。
【0038】第1ケース部材105には、気化器74に
おける吸気道79の上流端に連なる接続筒部105aが
第1ケース部材105内に延びるようにして一体に設け
られており、この接続筒部105aの内端部すなわち上
流端部には、多数の透孔を有するフレームトラップ10
8が装着される。
【0039】第1および第2ケース部材105,106
間には、エンジンブロック43におけるシリンダ軸線に
沿う方向、すなわち船外機の前後方向にほぼ沿う方向に
空気を導く第1空気通路109が形成されており、この
第1空気通路109の下流端は、前記フレームトラップ
108および接続筒部105aを介して気化器74に接
続される。
【0040】第3ケース部材107は、船外機の前後方
向に沿う前方側で第2ケース部材106の端部に着脱可
能に連結されるものであり、この第3ケース部材107
内には、上下に延びるとともに上流端部である下端部を
外部に開口した第2空気通路110が形成される。しか
も第2空気通路110での空気流通方向は、図8および
図9の矢印で示すように、少なくとも下流端すなわち上
端部では、第1空気通路109での空気流通方向にほぼ
直交させるように設定されており、この実施例では船外
機の左右方向に設定される。
【0041】また吸気消音箱75内には、第1空気通路
109での空気流通方向にほぼ平行にして船外機の上下
方向に沿う平面上に配置されるクリーナエレメント11
2が、第1空気通路109の上流端および第2空気通路
110の下流端間に介在するようにして収納、固定され
る。
【0042】クリーナエレメント112は、第2および
第3ケース部材106,107間に挟持されるものであ
り、第3ケース部材107との連結部分で第2ケース部
材106には、横断面正四角形状の支持筒部106aが
一体に設けられ、該支持筒部106aの第1空気通路1
09側の端部には格子部111が一体に形成される。ま
た第3ケース部材107の下流端には、船外機の前後方
向に延びる複数の押え部114…が一体に設けられてお
り、多数の透孔を有するフレームトラップ113が格子
部111に当接するようにして支持筒部106aに挿入
され、該フレームトラップ113および押え部114…
間に挟まれるようにしてクリーナエレメント112が支
持筒部106aに挿入される。
【0043】かかる吸気消音箱75にあっては、第2空
気通路110の下流端での空気流通方向が船外機の左右
方向に設定されており、船外機のほぼ上下方向に沿う平
面に配置されるクリーナエレメント112と、エンジン
ブロック43との間に第2空気通路110が配置される
ことになる。なお吸気消音箱75内に収納されるフレー
ムトラップ108,113の一方、たとえばフレームト
ラップ108は省略可能である。
【0044】図5に特に注目して、動弁室46内でヘッ
ドカバー45には、動弁室46とは隔てられたブリーザ
室118を該ヘッドカバー45との間に形成する隔板1
17が固定されており、隔板117のブリーザ室118
に臨む部分には動弁室46からブリーザ室118へのブ
リーザガスの流通を許容するリード弁119が取付けら
れる。
【0045】船外機の左右方向に沿うヘッドカバー45
のほぼ中央部でベルトカバー60から後方にずれた部分
には、ブリーザ室118に通じる接続管120が上方に
立上がるようにして一体に設けられており、この接続管
120に一端が接続されるブリーザ管121の他端が、
吸気装置73における吸気消音箱75の第1空気通路1
09に通じるようにして、吸気消音箱75の第1ケース
部材105に接続される。
【0046】しかもブリーザ管121は、ベルトカバー
60の外側面に沿って延びて吸気マニホールド76およ
び気化器74の上方に配置されるものであり、該ブリー
ザ管121の中間部は、ベルトカバー60の外側面に締
結される固定部材122によりベルトカバー60の外側
面に固定される。
【0047】図2に特に注目して、オイルケース19
は、上方すなわちエンジンW側に開放したオイルパン1
23を一体に備えており、該オイルパン123内に挿入
されるサクションパイプ125の下端にオイルストレー
ナ124が設けられる。
【0048】サクションパイプ125の上端は、エンジ
ンブロック43およびシリンダヘッド44に設けられた
オイル吸入通路126に接続されており、カムシャフト
54で駆動されるようにしてシリンダヘッド44に設け
られたオイルポンプ127に前記オイル吸入通路126
が接続される。而して該オイルポンプ127から吐出さ
れるオイルは、クランクケース43aの下部におけるク
ランクシャフト支持部に供給されるとともに、支持部材
50におけるクランクシャフト支持部に、エンジンブロ
ック43および支持部材50に設けられたオイル供給通
路128(図7参照)を介して供給される。
【0049】図10を併せて参照して、前記オイルパン
123の前部中央は後方側に彎曲した隔壁部123aと
して形成されており、その隔壁部123aによりオイル
パン123内と隔絶された上部駆動軸室130が、上下
に延びるようにしてオイルケース19の前部に形成さ
れ、該上部駆動軸室130内には、クランクシャフト2
3に連結されて下方に延びる駆動軸24が挿入される。
【0050】また前記オイルパン123の後部は船外機
の左右方向に延びる隔壁部123bとして形成されてお
り、その隔壁部123bによりオイルパン123内と隔
絶された第1冷却水通路131が、前記オイルパン12
3よりも後方側で上下に延びるようにしてオイルケース
19に形成される。さらに第1冷却水通路131よりも
後方側には、第1冷却水通路131との間を隔てる隔壁
部132aを有する通路壁132が、該通路壁132の
後部でオイルケース19の後部外壁の一部を構成するよ
うにしてオイルパン123と一体に設けられ、上下に延
びる第1排気ガス通路133が通路壁132内に形成さ
れる。
【0051】前記オイルケース19の下端に結合される
エクステンションケース20内は、前記第1排気ガス通
路133の下端に通じる排気膨張室134と、前記第1
冷却水通路131および駆動軸室130の下端に通じて
排気膨張室134の前方側に配置される下部駆動軸室1
35とに、隔壁136によって区画される。
【0052】図11を併せて参照して、オイルケース1
9の後部外壁には、前記第1排気ガス通路133を構成
する通路壁132の後部中間部を臨ませる矩形の凹部1
37が設けられており、該凹部137は平板状の板部材
138で覆われ、凹部137内でオイルケース19およ
び板部材138間には第2冷却水通路139が形成され
る。
【0053】またオイルケース19の後部外壁には、前
記板部材138をオイルケース19との間に挟むように
して蓋部材140が締結されており、該蓋部材140お
よび板部材138間には、前記第2冷却水通路139と
は隔絶した第2排気ガス通路141が形成される。しか
も板部材138は、弾性を有する材料により形成される
ものであり、前記凹部137を囲むようにしてオイルケ
ース19に設けられたシール面159に密接し、シール
機能を果す。
【0054】而してシリンダヘッド44の排気ポート6
3…から排出される排気ガスは、エンジンブロック44
内に設けられる主排気ガス通路142から前記第1排気
ガス通路133を経て排気膨張室134に流入され、プ
ロペラ軸25まわりの中空部を経て外部の水中に排出さ
れる。
【0055】一方、排気膨張室134の上部から排気ガ
スの一部を第2排気ガス通路141側に反転して導く通
路143がオイルケース19に設けられており、この通
路143が第2排気ガス通路141に連通される。
【0056】図12において、第2排気ガス通路141
は、前記通路143に通じる流入室144、上部膨張室
145および下部膨張室146を有するものであり、各
室144,145,146は、蓋部材140の内面に設
けられた壁部140aで区画される。流入室144は蓋
部材140内の下部に形成されるものであり、この流入
室144と、該流入室144の上方に配置される上部膨
張室145との間は、前記壁部140aに設けられた流
通溝147…を介して連通される。また上部膨張室14
5と、該上部膨張室145の下方に配置される下部膨張
室146との間は前記壁部140aに設けられた流通溝
148…を介して連通される。しかも蓋部材140に
は、下部膨張室146内の上部に通じる排出路149を
形成して後方側に突出する排気管150が一体に設けら
れており、排気膨張室134の上部から第2排気ガス通
路141側に導かれた一部の排気ガスは、図12の破線
矢印で示すように第2排気ガス通路141内を流通し、
排気管150から外部に排出される。
【0057】前記流入室144の下方で蓋部材140内
には戻し室151が形成される。しかも壁部140aに
は下部膨張室146内の下端を戻し室151に連通させ
る戻し溝152が設けられており、下部膨張室146内
で排気ガスから分離して下部膨張室146内に溜まる水
が戻し溝152から戻し室151に流通する。さらにオ
イルケース19には、前記戻し室151を排気膨張室1
34に通じさせる戻し通路153が設けられており、下
部膨張室146内で排気ガスから分離した水は排気膨張
室134に戻される。
【0058】一方、図示しない冷却水ポンプで汲上げら
れた冷却水は、オイルケース19に設けられた冷却水流
入口154から第2冷却水通路139内の下部に供給さ
れて第2冷却水通路139内を上方に流通し、冷却水流
入口154の上方位置でオイルケース19に設けられた
第3冷却水通路155に流れる。この際、第2冷却水通
路139内で冷却水流入口154から第3冷却水通路1
55に向けて冷却水が直接流れてしまわないように、図
11の矢印で示すように冷却水の流れを蛇行させるため
の邪魔板156がオイルケース19に設けられる。これ
により第1排気ガス通路133を構成する通路壁132
のうち第2冷却水通路139に臨む部分で冷却水を満遍
なく流通させることができる。しかも邪魔板156の下
端には連通溝156aが設けられており、前記冷却水ポ
ンプが作動しているときには、冷却水流入口154から
の冷却水の一部が図11の矢印で示すように連通溝15
6aから第2冷却水通路139内に向けて上方に流通す
るが、前記冷却水ポンプの停止時には、第2冷却水通路
139から連通溝156aを経て冷却水流入口154に
冷却水を戻すことが可能であり、それにより邪魔板15
6の上方側に水が溜まってしまうことが回避される。
【0059】第3冷却水通路155に流れた冷却水は、
エンジンブロック43およびシリンダヘッド44に設け
られたウォータージャケット157(図3,図5参照)
に導かれ、ウォータージャケット157から排出される
冷却水は第1冷却水通路131内を降下して下部駆動軸
室135に流下する。またオイルケース19には、第3
冷却水通路155の中間部に通じる検水用取出管158
が取付けられる。
【0060】図13を併せて参照して、オイルケース1
9の外壁には、前記凹部137を囲むシール面159の
上部に外端を開口するとともに内端を第1排気ガス通路
133に開口した挿入孔161が設けられ、排気ガスを
採取するための排気ガス採取管162の内端が前記挿入
孔161から第1排気ガス通路133に挿入される。排
気ガス採取管162は、蓋部材140を貫通して該蓋部
材140に固定されるものであり、前記挿入孔161に
対応して蓋部材140に設けられたねじ孔163に、排
気ガス採取管162の中間部外面に設けられる雄ねじ部
164が螺合されることにより、排気ガス採取管162
が蓋部材140に気密に固定される。
【0061】前記雄ねじ部164の一部は蓋部材140
から外方に突出しており、蓋部材140からの突出部分
で雄ねじ部164には、排気ガス採取管162の外端部
を覆う有底円筒状のプラグ165が螺合され、該プラグ
165の閉塞端外面にはドライバ等の回転工具を係合す
るための係合溝166が設けられ、プラグ165の開口
端部と蓋部材140の外面との間にはワッシャ167が
挟まれる。
【0062】また板部材138には、前記挿入孔161
の外端に対応した透孔168が設けられており、平板部
材138で挿入孔161の外端の周囲がシールされる。
【0063】図14を併せて参照して、アンダーカバー
14は、エンジンEの下半部ならびにケーシング16の
上部を両側から覆って相互に連結される一対の合成樹脂
製のカバー半体170,171から成るものであり、一
方のカバー半体170のカバー半体171への接合面に
は嵌合溝170aが設けられ、他方のカバー半体171
のカバー半体170への接合面には前記嵌合溝170a
に嵌合する嵌合突部171aが設けられる。
【0064】このアンダーカバー14の前部上端には図
3で示すように切欠き172が設けられており、オイル
ケース19が備える支持腕部19aが、該支持腕部19
aの前端を外部に露出するようにして切欠き172に配
置される。
【0065】またアンダーカバー14の後部において、
排気管150に対応する部分には、該排気管150の排
出路149からの排気ガスをアンダーカバー14の後方
側に排出すべく、排気管150の後端部を突出させる貫
通孔173が設けられる。
【0066】アンダーカバー14は、ケーシング16の
上部に固定されるものであり、ケーシング16の上部で
あるオイルケース19の後部外壁における下部に突設さ
れる一対の取付けボス19b,19bに、両カバー半体
170,171の後部がねじ部材174,174でそれ
ぞれ締結される。またオイルケース19の前部における
上部には、両カバー半体170,171の前部がねじ部
材175…でそれぞれ締結され、エクステンションケー
ス20の前部上端には、両カバー半体170,171の
前部がねじ部材176…でそれぞれ締結される。すなわ
ちアンダーカバー14は、ケーシング16の上部である
オイルケース19ならびにエクステンションケース20
の上端部に固定される。
【0067】エンジン本体22の一部を構成するヘッド
カバー45の後部中央には後方側に突出する支持突部4
5bが突設されており、該支持突部45bの後端部には
両端を開放したねじ孔を有する金具177が埋設され
る。一方、アンダーカバー14を構成する両カバー半体
170,171の上部には前記支持突部45bを両側か
ら挟む被取付け部170b,171bが一体に設けられ
ており、それらの被取付け部170b,171bが前記
金具177に螺合するねじ部材178,178で支持突
部45bに締結される。すなわちアンダーカバー14の
上部がエンジン本体22の一部であるヘッドカバー45
に着脱可能に固定されることになる。
【0068】また支持突部45bの後端には、該支持突
部45bから上方側に延びる逆J字状の腕部45cが一
体に連設されており、支持突部45bおよび腕部45c
間には、気化器74のスロットル弁80を操作するため
のスロットルケーブル179の中間部が保持される。
【0069】エンジンカバー13は、エンジンEの上半
部を覆う皿形をなして合成樹脂により形成されており、
船外機の前部でエンジンカバー13に固定されたフック
180が、オイルケース19における支持腕部19aの
前端の設けられる係合孔181に後方側から係合され
る。また船外機の後部でアンダーカバー14の上部には
フックレバー182が水平な軸線まわりに回動可能に支
承されており、該フックレバー182に装着されたフッ
ク183が、エンジンカバー13の後部に設けられる係
止部184に係合される。すなわちエンジンカバー13
の下端にアンダーカバー14の上端が着脱可能に連結さ
れる。
【0070】船外機の後側でエンジンカバー13の上部
にはチルトアップ操作用の把持部13aが前方側に凹む
ようにして設けられており、この把持部13aの内端に
通じる空気導入管185が、エンジンカバー13内に空
気を導入すべくエンジンカバー13に一体に設けられ
る。しかも空気導入管185は、下端を開放してベルト
カバー60の直上で上下に延びるものであり、空気導入
管185から浸入した水がベルトカバー60の上面にあ
たって飛散することを避けるために、ベルトカバー60
の上部には、空気導入管185の下端を囲むようにして
上方を開放した皿状部186が一体に設けられる。
【0071】次にこの実施例の作用について説明する
と、ケーシング16の上部に固定されるアンダーカバー
14の上部がエンジン本体22のヘッドカバー45に着
脱可能に固定され、エンジンカバー13の下端部はアン
ダーカバー14の上端部に着脱可能に連結されるので、
アンダーカバー14の上部がエンジン本体22に強固に
支持されるとともに、エンジンカバー13の下部がアン
ダーカバー14の上部を介してエンジン本体22に強固
に支持されることになる。このためエンジンカバー13
の上部に設けられた把持部13aを握ってチルトアップ
操作をしたときに、エンジンカバー13の下部およびア
ンダーカバー14の上部での変形を小さく抑えることが
でき、エンジンカバー13およびアンダーカバー14の
剛性感を得ることができる。
【0072】またエンジンEにおけるヘッドカバー45
内のブリーザ室118に連なってヘッドカバー45の上
部に一端が接続されるブリーザ管121の他端が、エン
ジンブロック43の一側に配置される吸気装置73の吸
気消音箱75に接続されるのであるが、カムシャフト5
4およびクランクシャフト23間を連結するベルト伝達
手段56のうち少なくとも被動プーリ58に対応する部
分を覆ってシリンダヘッド44の上方に配置されるベル
トカバー60の外側面に沿って前記ブリーザ管121が
配置されており、ブリーザ管121の中間部は固定部材
122によりベルトカバー60に固定されている。した
がってブリーザ管121をベルトカバー60に接触する
まで近接させるとともに吸気装置73から側方にはみ出
すことがないように配管することができ、エンジンEの
上半部を覆うエンジンカバー13が比較的小さなもので
あっても、該エンジンカバー13内にブリーザ管121
をコンパクトに配管することができる。
【0073】前記吸気装置73のうち気化器74は、可
変ベンチュリ型、特に負圧を利用した所謂コンスタント
バキューム型に構成されており、エンジンEの運転状態
に応じて吸気道79におけるベンチュリ部81の開口面
積を変化させることにより、低速および高速性能の両立
を図るととともに空燃比の精度を高め、燃費の低減およ
び排気性状の向上を図ることができる。
【0074】しかも気化器74の気化器本体78にはバ
イパス式始動装置77が取付けられるのであるが、バイ
パス式始動装置77が、吸気道79およびエンジンブロ
ック43間で気化器本体78に取付けられるので、バイ
パス式始動装置77が気化器本体78から外側にはみだ
すことがなく、バイパス式始動装置77との干渉を回避
するためにエンジンカバー13が大型化することを回避
することができる。
【0075】さらに吸気装置73の上流端に配設される
吸気消音箱75内には、船外機の前後方向に沿うエンジ
ンブロック43のシリンダ軸線にほぼ沿う方向に空気を
導くとともに下流端が気化器74に接続される第1空気
通路109と、少なくとも下流端の空気流通方向を第1
空気通路109での空気流通方向にほぼ直交させるとと
もに上流端を外部に開口した第2空気通路110とが形
成されており、第1空気通路109での空気流通方向に
ほぼ平行な平面に配置されて第1空気通路109の上流
端および第2空気通路110の下流端間に介在するクリ
ーナエレメント112が吸気消音箱75内に収納、固定
される。
【0076】したがって第2空気通路110から第1空
気通路109に空気が流通する間にクリーナエレメント
112で空気が浄化されることになる。しかも第1空気
通路109はエンジンブロック43のシリンダ軸線にほ
ぼ沿う方向すなわち船外機のほぼ前後方向に空気を流通
させるものであり、クリーナエレメント112は、第1
空気通路109での空気流通方向にほぼ平行な平面に配
置されるので、クリーナエレメント112を配置するこ
とによって吸気消音箱75が船外機の左右方向で大型化
することはなく、吸気装置73に、その大型化を回避し
つつ空気浄化機能を持たせることができる。
【0077】また第2空気通路110の下流端での空気
流通方向が船外機の左右方向に設定され、船外機のほぼ
上下方向に沿う平面に配置されるクリーナエレメント1
12と、エンジンブロック43との間に第2空気通路1
10が配置されることにより、吸気消音箱75の上流端
開口部を、吸気消音箱75自体で覆う位置に配置するこ
とができ、エンジンEを覆うエンジンカバー13および
アンダーカバー14内に浸入してきた水が吸気装置73
内に吸入されるのを極力防止することができる。
【0078】ところでエンジンEからの排気ガスを導く
第1排気ガス通路133を形成する通路壁132を一体
に備えるオイルケース19の外壁には、凹部137と、
該凹部137を囲むシール面159とが設けられ、シー
ル面159との間に板部材138を介してオイルケース
19の外壁に取付けられる蓋部材140と前記凹部13
7との間には、第1排気ガス通路133とは隔絶した第
2冷却水通路139および第2排気ガス通路141が形
成されており、シール面159に開口してオイルケース
19に設けられている挿入孔161から第1排気ガス通
路133に排気ガス採取管162が挿入される。しかも
シール機能を果す板部材138は、挿入孔161の外端
開口部を囲むように形成され、排気ガス採取管162は
蓋部材140を貫通して該蓋部材140に気密に固定さ
れている。
【0079】したがって蓋部材140は排気ガス採取管
162を貫通させるだけのスペースを有すればよく、蓋
部材140の大型化を回避して排気ガス採取管162を
第1排気ガス通路133に挿入することがき、排気ガス
採取管162の周囲でオイルケース19および蓋部材1
40間を確実にシールすることができる。
【0080】さらにオイルケース19の外壁の一部は前
記通路壁132で構成されており、通路壁132の一部
を臨ませてオイルケース19の外壁に設けられる凹部1
37が板部材138で覆われ、第2冷却水通路139が
板部材138および前記凹部137間に形成されるの
で、第2冷却水通路137を流通する冷却水で通路壁1
32を効果的に冷却して通路壁132と一体であるオイ
ルパン123の温度上昇を防止することができ、第2冷
却水通路137を形成するための型成形による抜き勾配
を考慮する必要がなく、オイルケース19の大型化およ
び重量増大を回避することができる。
【0081】以上、本発明の実施例を説明したが、本発
明は上記実施例に限定されるものではなく、特許請求の
範囲に記載された本発明を逸脱することなく種々の設計
変更を行うことが可能である。
【0082】
【発明の効果】以上のように請求項1記載の発明によれ
ば、吸気装置に、その大型化を回避しつつ空気浄化機能
を持たせることができる。
【0083】また請求項2記載の発明によれば、エンジ
ンを覆うカバー内に浸入してきた水が吸気装置内に吸入
されるのを極力防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】船外機の全体側面図である。
【図2】図1の要部拡大縦断面図である。
【図3】エンジンカバーを省略した状態での図2の3−
3線拡大断面図である。
【図4】エンジンカバーを省略した状態での図2の4−
4線拡大断面図である。
【図5】図2の要部拡大図である。
【図6】図4の6−6線拡大断面図である。
【図7】図4の7−7線拡大断面図である。
【図8】図6の8−8線断面図である。
【図9】図6の9−9線断面図である。
【図10】オイルケースの横断面図であって図11の1
0−10線に沿う断面図である。
【図11】図10の11矢視方向からみたオイルケース
の後面図である。
【図12】オイルケースの後面に取付けられる蓋部材の
前面図である。
【図13】排気ガス採取管の取付け構造を示す拡大縦断
面図である。
【図14】アンダーカバーの下端部のケーシングへの固
定構造を説明するための図2の14−14線に沿う断面
図である。
【符号の説明】
43・・・エンジンブロック 73・・・吸気装置 74・・・気化器 75・・・吸気消音箱 109・・・第1空気通路 110・・・第2空気通路 112・・・クリーナエレメント
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成12年12月21日(2000.12.
21)
【手続補正1】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図2
【補正方法】変更
【補正内容】
【図2】

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シリンダ軸線を船外機の前後方向に沿わ
    せたエンジンブロック(43)の一側に、気化器(7
    4)と、該気化器(74)の上流端に接続される吸気消
    音箱(75)とが配置される船外機用エンジンの吸気装
    置において、前記吸気消音箱(75)内には、前記シリ
    ンダ軸線にほぼ沿う方向に空気を導くとともに下流端が
    前記気化器(74)に接続される第1空気通路(10
    9)と、少なくとも下流端の空気流通方向を前記第1空
    気通路(109)での空気流通方向にほぼ直交させると
    ともに上流端を外部に開口した第2空気通路(110)
    とが形成され、第1空気通路(109)での空気流通方
    向にほぼ平行な平面に配置されて第1空気通路(10
    9)の上流端および第2空気通路(110)の下流端間
    に介在するクリーナエレメント(112)が、前記吸気
    消音箱(75)内に収納、固定されることを特徴とする
    船外機用エンジンの吸気装置。
  2. 【請求項2】 前記第2空気通路(110)の下流端で
    の空気流通方向が船外機の左右方向に設定され、船外機
    のほぼ上下方向に沿う平面に配置される前記クリーナエ
    レメント(112)と、前記エンジンブロック(43)
    との間に前記第2空気通路(110)が配置されること
    を特徴とする請求項1記載の船外機用エンジンの吸気装
    置。
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