JP4411364B1 - シャトルコック - Google Patents

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Abstract

【課題】温湿度変化に対する耐久性能が高く、水鳥球と同等の性能を有していながら耐久性も高いシャトルコック合成球を提供すること。
【解決手段】シャトルコックのスカート部をスチレン系エラストマーまたはアイオノマー樹脂で構成する。
【選択図】図1

Description

本発明は、新しい材料で構成されるスカート部を有するシャトルコックに関する。特に、天然材料から構成されるシャトルコック(水鳥球)に匹敵する特性を有し、耐久性が高いシャトルコックとその製造方法に関する。
現在用いられている合成樹脂製シャトルコックのスカート部は、通常ナイロン6、ナイロン6−6、無可塑または可塑化ナイロン11、ナイロン12で構成されている。これらの合成球は、水鳥の羽毛から作られたスカート部を有する公式のシャトルコック(水鳥球)とは特性が異なる。このため、一線級のバドミントンプレーヤーは、ラケットで合成球を打撃したときの打球音や打球感を好ましくないと感じている。また、打撃した後の合成球の飛行曲線が水鳥球とは異なるため、練習球として不十分であるという問題もある。
そこで、打球音、打球感及び飛行曲線をより水鳥球に近づけるために、ポリアミド系エラストマーであるポリエーテルエステルアミドでスカート部を構成した合成球が開発されている(特許文献1参照)。
特開昭57−20280号公報
しかしながら、ポリエーテルエステルアミドでスカート部を構成した合成球には、温湿度変化に対する耐久性能が低いという問題がある。すなわち、高温多湿な夏場になると水分を吸って硬度が柔らかくなり、打球音、打球感、飛行曲線が悪化し、低温で乾燥する冬場になると強度が落ち込み破損してしまうという問題がある。このような問題に対処して水鳥球に近い性能を実現するために、重量を増して弾性回復性能を向上させようとすると、シャトルコックに求められている重量制限値を超えてしまうため実際には対処することができない。
そこで本発明者らは、このような従来技術の課題を解決するために、温湿度変化に対する耐久性能が高く、水鳥球と同等の性能を有していながら耐久性も高いシャトルコック合成球を提供することを本発明の目的として検討を進めた。
上記の目的を達成するために鋭意検討を行なった結果、本発明者らは、スカート部に特定の物性を有するスチレン系エラストマーを用いることにより従来技術の課題を解決しうることを見いだし、以下に記載の本発明を提供するに至った。
[1] 比重が0.89〜0.93の範囲内にあってJISタイプA硬度が80〜100の範囲内にあるスチレン系エラストマーからなるスカート部と該スカート部を固定する台からなることを特徴とするシャトルコック。
] 前記スチレン系エラストマーのスチレン含有量が25〜36%の範囲内にあることを特徴とする[]に記載のシャトルコック。
] 前記シャトルコックが、複数の第1羽根部材と複数の第2羽根部材を有するスカート部と該スカート部を固定する台からなるシャトルコックであって、
前記第1羽根部材は、1本の羽根軸と、該羽根軸の左方向に伸長する開孔率50〜90%の左羽根と、該羽根軸の先方から右方向に伸長する開孔率0〜10%の右羽根から構成され、
前記第2羽根部材は、1本の羽根軸と、該羽根軸の左方向に伸長する開孔率50〜90%の左羽根と、該羽根軸の先方から右方向に伸長する開孔率15〜40%の右羽根から構成され、
前記スカート部を構成する前記第1羽根部材と前記第2羽根部材の数は同じであり、前記第1羽根部材と前記第2羽根部材が交互に環状に配置されており、各第1羽根部材の左羽根の左辺がその左隣の第2羽根部材の右羽根の右辺とそれぞれ接続し、各第1羽根部材の右羽根の右辺がその右隣の第2羽根部材の左羽根の左辺とそれぞれ接続していることを特徴とする[1]または[2]に記載のシャトルコック(ここにおいて左右の方向は、台を下にしてシャトルコックの中心軸から羽根軸を見たときの方向である)。
] 前記シャトルコックが、複数の同一形状の羽根部材から構成されるスカート部と該スカート部を固定する台からなるシャトルコックであって、
各羽根部材は、1本の羽根軸と、該羽根軸の左方向に伸長し開孔を有する左羽根と、該羽根軸の右方向に伸長し左羽根よりも開孔率が小さい右羽根から構成されており、
前記複数の羽根部材は前記台の上に環状に配置されており、各羽根部材の左羽根の左辺が該羽根部材の左隣に配置された羽根部材の右羽根の右辺とそれぞれ接続して、該接続部が羽根先端部から接続部全長の90%以上にわたって谷線を形成しており(ここにおいて左右の方向は、台を下にしてシャトルコックの中心軸から羽根軸を見たときの左右の方向である)、
各羽根部材の羽根軸は、その全長にわたってシャトルコックの中心軸方向に突出する高さ0.3mm以上のリブを備えていることを特徴とする[1]または[2]に記載のシャトルコック。
] 前記シャトルコックが、複数の羽根部材を有する樹脂製のスカート部と該スカート部を固定する台からなるシャトルコックであって、
前記羽根部材は、1本の羽根軸と、該羽根軸の先方から左方向に伸長する左羽根と、該羽根軸の先方から右方向に伸長する右羽根から構成され、
前記複数の羽根部材は台上に環状に配置されており、各羽根部材の左羽根の左辺がその左隣の羽根部材の右羽根の右辺とそれぞれ接続しており、各左羽根と各右羽根の接続部先端から台方向に向かってそれぞれ4〜8mmの切れ込みが形成されていることを特徴とする[1]または[2]に記載のシャトルコック(ここにおいて左右の方向は、台を下にしてシャトルコックの中心軸から羽根軸を見たときの方向である)。
本発明のシャトルコックは、樹脂製の合成球でありながら、温湿度変化に対する耐久性能が高く、水鳥球と同等の性能を有しているとともに耐久性も高いという特徴を有する。また、本発明の製造方法によれば、このような特徴的を有するシャトルコックを簡便かつ安価に製造することができる。
本発明のシャトルコックの一態様を示す斜視図である。 本発明のシャトルコックの別の一態様を示す斜視図である。 本発明のシャトルコックのさらに別の一態様を示す斜視図である。 本発明のシャトルコックのさらに別の一態様を示す拡大斜視図である。 本発明のシャトルコックのなおさらに別の一態様を示す斜視図である。 本発明のシャトルコックの羽根軸を説明するための上面図である。 本発明のシャトルコックのリブを説明するための拡大斜視図である。
以下において、本発明のシャトルコックについて詳細に説明する。以下に記載する構成要件の説明は、本発明の代表的な実施態様に基づいてなされることがあるが、本発明はそのような実施態様に限定されるものではない。なお、本明細書において「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値を下限値および上限値として含む範囲を意味する。
(シャトルコックの基本構造)
本発明のシャトルコックは、スチレン系エラストマーからなるスカート部と該スカート部を固定する台からなる。
(スカート部を構成する材料)
本発明のシャトルコックは、スチレン系エラストマーからなるスカート部を有する。
スチレン系エラストマーは、スチレン系ゴムをベースポリマーとしたエラストマーである。典型的なスチレン系エラストマーはスチレンブロック共重合体(SBC)であり、具体的にはスチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体(SBS)、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体(SIS)、スチレン−エチレン−ブチレン−スチレンブロック共重合体(SEBS)、スチレン−エチレン−プロピレン−スチレンブロック共重合体(SEPS)などを挙げることができる。なかでも好ましいのは、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体(SIS)である。これらのスチレン系エラストマーは1種のみを単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
スチレン系エラストマーの市販品としては、例えば、三菱化学(株)製のラバロン[商品名]、三菱化学(株)製のスミフレックス[商品名]、日油(株)製ノフアロイKA832[商品名]、旭化成(株)製タフテック[商品名]、クラレ(株)製セプトン[商品名]、クラレ(株)製ハイプラー[商品名]、JSR(株)製JSR SIS[商品名]、JSR(株)製JSR TR[商品名]、JSR(株)製ダイナフレックス[商品名]、リケンテクノス(株)製アクティマー[商品名]、リケンテクノス(株)製トリニティー[商品名]、リケンテクノス(株)製レオストマー[商品名]、アロン化成製アレキサールG[商品名]、アロン化成製エラストマーAR[商品名]、シェルジャパン(株)製クレイトン[商品名]、新興化成製トリブレン[商品名]、新興化成製スーパートリブレン[商品名]、住友化学製エスポレックス[商品名]などが挙げられる。これらの中では、例えばクラレ(株)製セプトン[商品名]を好ましく用いることができる。
本発明では、例えば比重が0.85〜0.99の範囲内にあるスチレン系エラストマーや、比重が0.85〜0.97の範囲内にあるスチレン系エラストマーを使用することによって、他の従来から用いられている樹脂を使用した場合に比べて良好な効果を示すシャトルコックを製造することができる。なかでも、比重が0.89〜0.93の範囲内にあるものを選択して用いれば、それ以外の比重のものを用いた場合よりも、さらに一段と飛行曲線が水鳥球に近くて、十分な強度を有するシャトルコックを製造することができるため好ましい。
また本発明では、例えば硬度(JISタイプA)が40〜100の範囲内にあるスチレン系エラストマーや、さらには硬度が55〜100の範囲内にあるスチレン系エラストマーを使用することによって、他の従来から用いられている樹脂を使用した場合に比べて良好な効果を示すシャトルコックを製造することができる。なかでも、硬度が80〜100の範囲内にあるものを選択して用いれば、それ以外の硬度のものを用いた場合よりも、さらに一段と打球音、打球感、飛行曲線が優れたシャトルコックを製造することができるため好ましい。
さらに本発明では、例えばスチレンの含有量が20〜50重量%の範囲内にあるスチレン系エラストマーや、さらにはスチレンの含有量が23〜45重量%の範囲内にあるスチレン系エラストマーを使用することによって、他の従来から用いられている樹脂を使用した場合に比べて良好な効果を示すシャトルコックを製造することができる。なかでも、スチレンの含有量が27〜38重量%の範囲内にあるものを選択して用いれば、それ以外の含有量のものを用いた場合よりも、さらに一段と打球音、打球感、飛行曲線が優れたシャトルコックを製造することができるため好ましい。なお、本明細書における「スチレンの含有量」は、スチレン系エラストマーを重合させる前のモノマー混合物におけるスチレンの含有量(重量割合)を意味するものである。
特に、比重が0.89〜0.93の範囲内にあり、かつ、硬度が80〜100の範囲内にあるスチレン系エラストマーを使用すれば、打球音、打球感、飛行曲線、回転性能、弾性回復性能、曲げ弾性性能などの多様な性能で水鳥球に一段と近い性能を有するシャトルコックを製造することができるため極めて好ましい。これにさらにスチレンの含有量が27〜38重量%の範囲内にあるという条件も加われば、さらに好ましいシャトルコックを製造することができる。
スチレン系エラストマーは、他の樹脂に比べて比較的環境負荷が小さい。このため、スチレン系エラストマーを用いた本発明のシャトルコックは、材料面において環境に対する影響が抑えられている。
本発明のシャトルコックのスカート部には、上記のスチレン系エラストマーの他にさらに別の樹脂を混合して用いてもよい。そのような別の樹脂として、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネートを挙げることができる。これらの樹脂は1種のみを単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。例えば、ポリプロピレンを好ましく用いることができる。このような別の樹脂を使用する場合は、例えばスカート部の全重量の0.1〜40%、なかでも0.1〜20%、さらには0.1〜10%の量で用いることができる。
本発明のシャトルコックのスカート部には、生分解性樹脂を含ませることもできる。そのような生分解性樹脂として、例えば、ポリ乳酸やポリブチレンサクシネートなどを挙げることができる。これらのなかでは、例えばポリ乳酸を好ましく用いることができる。このような生分解性樹脂を使用する場合は、例えばスカート部の全重量の0.1〜40%、なかでも0.1〜20%、さらには0.1〜10%の量で用いることができる。
また、本発明のシャトルコックのスカート部には、添加剤を含ませることもできる。添加剤を用いる場合の含有量は、スカート部の全重量の0.001〜10%が好ましく、0.01〜5%がより好ましく、0.1〜3%がさらに好ましい。添加剤としては、例えば、紫外線吸収剤、可塑剤、顔料などを挙げることができる。これらの添加剤は、1種のみを単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。本発明では、例えば顔料を好ましく用いることができる。
(スカート部の構造)
本発明のシャトルコックのスカート部は、バドミントンの試合用または練習用としてシャトルコックを使うことができるような形状を有する。具体的には、財団法人日本バドミントン協会が採択しているバドミントン協議規則(昭和24年4月1日施行、平成18年10月11日一部改正)第2条に規定される合成素材でできたシャトルの条件を満たすものであることが好ましい。
具体的には、スカート部は、複数の羽根軸と、該複数の羽根軸の先方に形成された羽根と、該複数の羽根軸を羽根が形成されていない部位で連結するリングとからなることが好ましい。羽根軸は軽量化を図るために中空になっていてもよい。各羽根軸の先方に形成された羽根は、通常は羽根軸の左右に広がるように形成され、特にシャトルコックの内側に角度をつけて広がるように形成されていることが好ましい。羽根には、羽根の内側面から外側面へ貫通する貫通孔が設けられていることが好ましく、羽根軸の左右に設けられた羽根の貫通孔の数と孔面積が左右で異なっていることがより好ましい。例えば、中心軸からみて羽根軸の左側に右側よりも孔径が大きな貫通孔が設けられている態様や、左側の空孔率が好ましくは50〜90%、より好ましくは55〜80%、さらに好ましくは60〜75%であって、右側の空孔率が好ましくは0〜50%、より好ましくは0〜40%、さらに好ましくは0〜30%である態様を好ましい例として挙げることができる。スカート部の厚さは、0.15〜0.30mmであることが好ましく、0.18〜0.20mmであることがより好ましい。
また、各羽根軸の先端に形成された羽根の左端片と、当該羽根軸の左隣にある羽根軸の先端に形成された羽根の右端片はそれぞれ連接して一体化していることが好ましい。このように各羽根が円周方向に連接することによりスカート状の連続形状を構成していることが好ましい。
羽根が形成されていない羽根軸部分は、円周方向にリングで固定されていることが好ましい。このとき、リングは異なる高さに複数個形成されていることが好ましい。具体的には、2〜4本形成されていることが好ましく、2〜3本形成されていることがより好ましい。
このようなスカート部を有するシャトルコックの典型例を図1に図示する。シャトルコックの構造は、適宜改変することができる。また、本発明は、従来のシャトルコックにはない特徴的な機能を備えた新しいスカート構造を有するシャトルコックに適用することもできる。例えば、図2に示すシャトルコックにも適用することが可能である。さらに、図3に示すように羽根部材に設けられた貫通孔の配置に特徴を有するシャトルコックにも適用することができる。
(新しいスカート構造)
図2のシャトルコックは、スカート部2と該スカート部2を固定する台1からなる。スカート部2は、複数の第1羽根部材3と複数の第2羽根部材4を有している。スカート部2を構成する第1羽根部材3の数と第2羽根部材4の数は同数であり、通常は8本ずつである。第1羽根部材3と第2羽根部材4は交互に環状に配置されている。第1羽根部材3は、1本の羽根軸5aと、該羽根軸5aの左方向に伸長する開孔率50〜90%の左羽根6aと、該羽根軸の先方から右方向に伸長する開孔率0〜10%の右羽根7aから構成されている。また、第2羽根部材4は、1本の羽根軸5bと、該羽根軸の左方向に伸長する開孔率50〜90%の左羽根6bと、該羽根軸の先方から右方向に伸長する開孔率15〜40%の右羽根7bから構成されている。第1羽根部材3の左羽根6aの左辺はその左隣の第2羽根部材4の右羽根7bの右辺とそれぞれ接続している。同様に、各第1羽根部材の右羽根の右辺がその右隣の第2羽根部材の左羽根の左辺とそれぞれ接続している。これによって、羽根が環状に接続した羽根環状体8が形成されている。
図2のシャトルコックは、各羽根の開孔率に1つの特徴がある。開孔率とは、開孔を含めた羽根の全面積に対する開孔の面積割合を%で表示したものである。
第1羽根部材の右羽根の開孔率は0〜10%であり、0〜5%であることが好ましく、0〜3%であることがより好ましく、0〜1%であることがさらに好ましく、0%であることが特に好ましい。第2羽根部材の右羽根の開孔率は15〜40%であり、15〜35%であることが好ましく、15〜30%であることがより好ましく、15〜25%であることがさらに好ましい。第1羽根部材の左羽根と第2羽根部材の左羽根は、ともに50〜90%であり、55〜85%であることが好ましく、55〜80%であることがより好ましく、60〜75%であることがさらに好ましい。
スカート部を構成する複数の第1羽根部材はすべてが同一形状であることが好ましく、また、スカート部を構成する複数の第2羽根部材もすべてが同一形状であることが好ましい。また、第1羽根部材の左羽根は第2羽根部材の左羽根と同一形状であることが好ましい。ここでいう形状は、開孔の形状やサイズ、開孔位置を含めた形状を意味する。
第2羽根部材の右羽根に形成された個々の開孔の孔面積は、第2羽根部材の左羽根に形成された個々の開孔の孔面積よりも小さいことが好ましい。また、第1羽根部材の開孔率が0%ではないとき、第1羽根部材の右羽根に形成された個々の開孔の孔面積は、第1羽根部材の左羽根に形成された個々の開孔の孔面積よりも小さいことが好ましい。第2羽根部材の右羽根に形成された開孔の孔面積の合計(総孔面積)は35〜50mm2であることが好ましく、35〜45mm2であることがより好ましく、第1羽根部材の開孔率が0%ではないとき、第1羽根部材の右羽根に形成された開孔の総孔面積は0.5〜2mm2であることが好ましく、0.5〜0.8mm2であることがより好ましい。また、第1羽根部材の左羽根と前記第2羽根部材の左羽根に形成された開孔の総孔面積は、いずれも80〜95mm2であることが好ましく、85〜95mm2であることがより好ましい。
各羽根には、サイズや形が異なる複数種の開孔が形成されていてもよい。例えば、羽根の上方と下方で開孔のサイズや数を変えることが好ましい。一般に、下方の開孔の孔面積は、上方の開孔の孔面積よりも小さくすることが好ましい。また、開孔率も下方よりも上方を大きくすることが好ましい。上方に形成される開孔は例えば横長の矩形にすることができ、下方に形成される開孔は例えばやや縦長の矩形にすることができる。なお、ここでいう上方とは、台を下にしスカート部を上にしたときの上方を意味する。各羽根の上端には羽根軸の先端を頂点とする三角形の頂部が設けられていてもよく、そのような頂部にも開孔が形成されていてもよい。頂部の開孔は、頂部の三角形状に相似する三角開孔であってもよいし、例えば縦長の開孔であってもよい。
いかなる理論にも拘泥するものではないが、上記のように左羽根と右羽根の開孔率を制御することによって、台からスカート部に向けて流れる空気流の一部が羽根の開孔を通して適度にスカート部の内側に流れ込み、それによって望ましい回転数と飛行経路を実現することができたものと考えられる。すなわち、台からスカート部に向けて空気を送ると左羽根と右羽根に揚力が作用するが、これと同時に左羽根に送られた空気はシャトルコックを右方向に回転させるように作用し、右羽根に送られた空気はシャトルコックを左方向に回転させるように作用する。右羽根の開孔率は左羽根よりも小さいため、右羽根はより強く左方向の回転力を受け、シャトルコックは左方向に回転する。ここで説明している新しい構造のシャトルコックでは、開孔率が異なる2種類の右羽根を交互に設置しているため、微妙な空気の流れを程よく制御することができ、結果として水鳥球に極めて近い回転数と飛行経路を実現することができたものである。
本発明のスチレン系エラストマー(すなわち実施例1〜のスカート部に用いた材料)を用いて、このような構造を有するシャトルコックを製造すれば、同じ材料を用いて製造した従来品よりも、水鳥球に近い回転数が得られ、飛行曲線、打球音、打球感、弾性回復性能、曲げ弾性性能、温湿度変動耐性能(耐候性)のすべてにおいて良好な結果が得られる。例えば、同じ材料を用いてすべてが第1羽根部材からなるスカート部を形成したシャトルコックや、同じ材料を用いてすべてが第2羽根部材からなるスカート部を形成したシャトルコックに比べて、回転数、飛行曲線、打球音、打球感がいずれも明らかに水鳥球に近くなる。
本発明は、また図3に示すように羽根部材に設けられた貫通孔の配置に特徴があるスカート部を有するシャトルコックにも好ましく適用することができる。
図3のシャトルコックは、すべてが同一形状の16本の羽根部材から構成されている。各羽根軸の先方から右方向に伸長する右羽根には、図4に示すように、三角形の貫通孔非形成領域13と逆三角形の貫通孔形成領域14が設けられている。三角形の貫通孔非形成領域13と逆三角形の貫通孔形成領域14の面積は、ほぼ等しくなるように設計されている。このような貫通孔の配置に特徴があるシャトルコックを用いれば、回転数を水鳥球に一段と近づけることができる。
本発明は、さらに図5に示すように、各左羽根と各右羽根の接続部先端から台方向に向かってそれぞれ切れ込み15が形成されているシャトルコックにも好ましく適用することができる。
切れ込みの長さは、4〜8mmであることが好ましく、5〜7mmであることがより好ましく、5.5〜6.7mmであることがさらに好ましい。切れ込みの長さが4mm以上であれば、シャトルコックをラケットによって繰り返して打撃したときに、飛行距離が長くなりにくい傾向がある。また、切れ込みの長さが8mm以下であれば、シャトルコックのスカート部の裾が広がりにくくて、飛行曲線が安定しやすく、耐久性も良くなる傾向がある。
切れ込みの長さは、スカート部を構成する複数の接続部ごとに異なっていてもよいし、同じであってもよい。長さが異なっている場合は、一定の規則性をもっていることが好ましい。例えば、1つおきに長い切れ込みと短い切れ込みが交互に形成されている態様を挙げることができる。最も好ましいのは、スカート部を構成するすべての接続部に一定の長さの切れ込みが形成されている態様である。
切れ込みの幅は0.4〜0.8mmであることが好ましく、0.5〜0.7mmであることがより好ましく、0.55〜0.65mmであることがさらに好ましい。切れ込みの幅は、接続部先端から台方向に向かうにつれて変化していてもよい。例えば、台方向に向かうにつれて幅が狭くなっている態様を例示することができる。最も好ましいのは、切れ込みの全長にわたって幅が一定である態様である。
切れ込みの幅も、スカート部を構成する複数の接続部ごとに異なっていてもよいし、同じであってもよい。幅が異なっている場合は、一定の規則性をもっていることが好ましい。例えば、1つおきに幅が広い切れ込みと狭い切れ込みが交互に形成されている態様を挙げることができる。最も好ましいのは、スカート部を構成するすべての接続部に一定の幅の切れ込みが形成されている態様である。
スカート部に切れ込みを形成することによって、繰り返してラケットで打撃した場合であってもシャトルコックの飛行距離の変動をより小さくすることができる。すなわち、切れ込みを有しない通常のシャトルコックは、繰り返してラケットで打撃すると飛行距離が長くなりやすいが、図5に示すような切れ込みを有するシャトルコックはこのような長距離化を大幅に抑えることができる。このような効果は、例えば、ラケットを用いて同じ力で下からシャトルコックを打ったときの飛行距離を、シャトルコックをクリア打法で100回打撃する前と後で測定して比較することによって確認することができる。
(羽根軸)
本発明のシャトルコックの羽根軸の断面は断面が多角形をしていることが好ましく、四角形をしていることがより好ましい。シャトルコックを組み立てたときに最も外側に位置する稜線は、羽根軸の中心軸とシャトルコックの中心軸を結ぶ仮想線よりも左羽根方向に位置していることが好ましい。この好ましい態様を図6を参照しつつ説明する。
図6は、本発明のシャトルコックの上面図である。シャトルコックを構成する16本の羽根軸はすべて同一形状を有しており、その断面は図6中の拡大図に示すようにa面、b面、c面、d面の4つの面からなる。a面とb面は稜線1aを形成しており、この稜線1aがシャトルコックの最も外側に突出している。a面とc面により形成される稜線からは右羽根が伸長しており、b面とd面により形成される稜線からは左羽根が伸長している。c面とd面により形成される稜線は、シャトルコックの内側に突出しておりリブを形成している。
稜線1aは、シャトルコックの中心軸と羽根軸の中心軸を結ぶ破線で示す仮想線よりもdだけ左羽根方向に離れた場所に位置している。本発明において、dは0.5〜0.8mmであることが好ましく、0.6〜0.7mmであることがより好ましい。このとき、稜線1aの左右に存在するa面とb面は非対称となっており、a面はb面よりも面積が大きくなっている。台からスカート部に向けて空気を送ると羽根軸に揚力が作用するが、これと同時にa面に送られた空気は羽根軸を左方向に回転させるように作用し、b面に送られた空気は羽根軸を右方向に回転させるように作用する。a面の面積はb面よりも大きいため、左方向への回転力がより強く作用し、結果としてシャトルコックを矢印で示すように左方向へ回転させることとなる。これによって、一段と水鳥球に近い回転数と性能を実現することができる。
なお図6では、シャトルコックの中心軸と羽根軸の中心軸を結ぶ破線で示す仮想線上に存在するが、より回転数を上げるために仮想線よりも左羽根方向に稜線が位置するように構成してもよい。
左羽根と右羽根は、それぞれ羽根軸の先端から台までの長さの40〜60%にわたって形成されていることが好ましく、45〜55%にわたって形成されていることが好ましい。羽根軸は軽量化を図るために中空になっていてもよい。各羽根軸に形成された左羽根と右羽根は、通常は羽根軸の左右に広がるように形成されるが、特にシャトルコックの内側に角度をつけて広がるように形成されていることが好ましい。
(リング)
図7に例示するように、スカート部2は、スカート部を構成するすべての羽根軸と結合しているリング9をさらに有していることが好ましい。リング9は、羽根軸5と同等の太さを有していることが好ましい。具体的には、断面径が0.8〜2.0mmであることが好ましく、1.5〜2.0mmであることがより好ましい。スカート部2に形成されるリングは、2本以上であることが好ましく、2〜4本であることがより好ましく、2〜3本であることがさらに好ましい。リング9はスカート部の内側に突出するように形成されていることが好ましい。
リングの設置位置は、羽根環状体8が形成されていない箇所であることが好ましい。すなわち、左羽根6や右羽根7が形成されていない羽根軸5の部分を連結するように形成されていることが好ましい。スカート部2に形成されているリングのうちの1本は、羽根環状体8の下端に接するように設けられていることが好ましい。また、スカート部2に形成されているリングのうちの他の1本は、羽根環状体8の下端と台1表面との略中点において羽根軸5と連結するように形成されていることが好ましい。なお、リング9の外側には図1〜3に示すように斜め上方に向かう外板片10が取り付けられていてもよい。
(リブ)
本発明のシャトルコックは、シャトルコックを構成する羽根軸がその全長にわたってシャトルコックの中心軸方向に突出する高さ0.3mm以上のリブを備えていることが好ましい。リブの高さは、その全長にわたって0.3〜6.0mmの範囲内であることが好ましく、0.4〜5.7mmの範囲内であることがより好ましく、0.5〜5.0mmの範囲内であることがさらに好ましい。また、リブの高さは、羽根の先端部では低く、台側に向かうにしたがって徐々に高くなっていることが好ましい。このとき、高さは一定の割合で高くなっていることが好ましい。羽根の先端部におけるリブの高さは、0.3〜1.0mmの範囲内であることが好ましく、0.4〜0.9mmの範囲内であることがより好ましく、0.5〜0.8mmの範囲内であることがさらに好ましい。また、台側の端部におけるリブの高さは、3.5〜6.0mmの範囲内であることが好ましく、3.8〜5.7mmの範囲内であることがより好ましく、4.0〜5.0mmの範囲内であることがさらに好ましい。また、羽根軸に形成するリブの幅(底面幅)は、羽根の先端部において0.3〜0.6mmの範囲内であることが好ましく、0.35〜0.55mmの範囲内であることがより好ましく、0.4〜0.5mmの範囲内であることがさらに好ましい。台側の端部におけるリブの幅は0.3〜0.6mmの範囲内であることが好ましく、0.35〜0.55mmの範囲内であることがより好ましく、0.4〜0.5mmの範囲内であることがさらに好ましい。本発明のシャトルコックを構成する複数の羽根軸には、図7に示すように1本おきに羽根軸に高さ0.3mm以上のリブが形成されていてもよいし、すべての羽根軸に高さ0.3mm以上のリブが形成されていてもよい。すべての羽根軸にリブを形成されていれば、シャトルコックの高い回転数と優れた直進性を維持しながら、弾性反発性能を飛躍的に向上させることが可能になるため好ましい。このとき、羽根軸に形成されているリブはすべて同一形状であることが好ましい。
リブ11は羽根軸5の下端まで形成されていることが好ましい。羽根軸5の下端部においてリブ11は、シャトルコックの中心軸12から図7のrで示す距離だけ離れている。rは通常0〜6mmであり、好ましくは2〜6mmであり、より好ましくは4〜6mmであり、さらに好ましくは4.5〜5.5mmである。なお、図7とは異なり、羽根軸5の下端部におけるリブがシャトルコックの中心軸を横切るように形成されていてもよい。このとき、複数の羽根軸に形成されたリブが中心軸で交差していてもよい。
なお、図7のhで表される長さ(羽根が伸長していない羽根軸部分の長さ)は、通常は10〜40mmであり、15〜35mmが好ましく、20〜30mmがより好ましく、22〜28mmがさらに好ましい。
(シャトルコックの製造方法)
本発明のスカート部は、スチレン系エラストマーを含む熱可塑性樹脂組成物を用いて成形する工程を経て製造することが好ましい。具体的には、スチレン系エラストマーを含む樹脂組成物を溶融して型枠中に注入し、注入後に冷却することにより成形することが好ましい。このとき、スカート部は一体成形することが特に好ましい。一体成形をする際には、射出成型することが好ましい。
なお、製造方法の如何にかかわらず、特許請求の範囲に記載されるシャトルコックの要件を満たすものは、本発明のシャトルコックに含まれる。
製造されたスカート部は台に固定する。台はコルク、発砲樹脂などの材料で構成され、中でもコルクで構成されるものが好ましい。台は、少なくとも一部が半球状であることが好ましい。スカート部を固定する台表面には、例えばドーナツ状の孔が設けられており、その孔の中に羽根軸を挿入して固定することができる。
以下に実施例と比較例を挙げて本発明の特徴をさらに具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り適宜変更することができる。したがって、本発明の範囲は以下に示す具体例により限定的に解釈されるべきものではない。
(実施例1)
図1に示すシャトルコックを製造した。
スチレン系エラストマー(クラレ(株)製、セプトンFY55N)を溶融して型枠の中に流し込み、冷却することにより図1のスカート部1を一体成形した。成形したスカート部1の底部を図1に示すようにコルクでできた台2に対して圧入機を用いて固定した。
(実施例2)
スカート部1の材料としてスチレン系エラストマー(クラレ(株)製、セプトンFY60N)を用いたこと以外は実施例1と同様にしてシャトルコックを製造した。
(実施例3)
スカート部1の材料としてスチレン系エラストマー(クラレ(株)製、セプトンKC−627H)を用いたこと以外は実施例1と同様にしてシャトルコックを製造した。
参考例1
スカート部1の材料としてアイオノマー樹脂(三井・デュポン ポリケミカル(株)製、ハイミラン1702)を用いたこと以外は実施例1と同様にしてシャトルコックを製造した。
(比較例1)
スカート部1の材料としてポリアミド系エラストマー(ダイセル化学工業(株)製、ダイアミドX1988)を用いたこと以外は実施例1と同様にしてシャトルコックを製造した。
(比較例2)
スカート部1の材料としてポリアミド系エラストマー(ダイセル化学工業(株)製、ダイアミドL1724K)を用いたこと以外は実施例1と同様にしてシャトルコックを製造した。
(比較例3)
スカート部1の材料としてポリプロピレン((株)プライムポリマー製、プライムポリプロJ226E)を用いたこと以外は実施例1と同様にしてシャトルコックを製造した。
(比較例4)
スカート部1の材料として高密度ポリエチレン(三井化学(株)製、ハイゼックス2200J)を用いたこと以外は実施例1と同様にしてシャトルコックを製造した。
(比較例5)
スカート部1の材料としてポリウレタン系エラストマー(日本ミラクトラン(株)製、ミラクトランE198)を用いたこと以外は実施例1と同様にしてシャトルコックを製造しようとしたが、樹脂を型枠の中に首尾良く流し込むことができず、シャトルコックを製造することができなかった。
(比較例6)
スカート部1の材料としてポリウレタン系エラストマー(日本ミラクトラン(株)製、ミラクトランE398)を用いたこと以外は実施例1と同様にしてシャトルコックを製造しようとしたが、樹脂を型枠の中に首尾良く流し込むことができず、シャトルコックを製造することができなかった。
(評価1)
実施例1〜3、参考例1および比較例1〜4の各シャトルコックの製造時の成形性を以下の4段階で評価した。結果を表1に示す。
成形性:
◎ 極めて良好
○ 溶融樹脂の流動性がやや悪いものの問題なし
△ 溶融樹脂の流動性が悪く、成形可能であるが問題がある
× 成形不能
(評価2)
実施例1〜3、参考例1および比較例1〜4で製造した各シャトルコックについて、バドミントンの一線級のプレーヤーによる試打試験を行った。また、日本バドミントン協会認定の公式水鳥球を用いて同様の試打試験を行った。試打時の打球音、打球感、飛行状態を以下の4段階で評価した。結果を表1に示す。
(評価3)
実施例1〜3、参考例1および比較例1〜4で製造した各シャトルコックの台表面に反射片を取り付け、鉛直方向に立てた円筒中にシャトルコックを入れて底部から送風することによりシャトルコックを回転させた。回転数を非接触型デジタル回転計測器により光学的に計測し、回転性能を以下の4段階で評価した。
回転性能:
◎ 水鳥球と同等で優れている
○ 水鳥球に劣るが良好
△ 水鳥球よりも明らかに劣る
× 破損し評価不能
打球感:
◎ 水鳥球と同等で優れている
○ 水鳥球に劣るが良好
△ 水鳥球とは明らかに異なる
× 不良
飛行状態:
◎ 水鳥球と同等で優れている
○ 水鳥球に劣るが良好
△ 水鳥球とは明らかに異なる
× 1〜2回の打撃で破損し評価不能
(評価3)
実施例1〜4および比較例1〜4で製造した各シャトルコックの台表面に反射片を取り付け、鉛直方向に立てた円筒中にシャトルコックを入れて底部から送風することによりシャトルコックを回転させた。回転数を非接触型デジタル回転計測器により光学的に計測し、回転性能を以下の4段階で評価した。
回転性能:
◎ 水鳥球と同等で優れている
○ 水鳥球に劣るが良好
△ 水鳥球よりも明らかに劣る
× 破損し評価不能
(評価4)
実施例1〜3、参考例1および比較例1〜4で製造した各シャトルコックについて、一線級プレーヤーによる試打をすることにより弾性回復性能を以下の4段階で評価した。
弾性回復性能:
◎ 水鳥球と同等であり優れている
○ 水鳥球に劣るが良好
△ 水鳥球とは明らかに異なり悪い
× 破損し評価不能
(評価5)
実施例1〜3、参考例1および比較例1〜4で製造した各シャトルコックのスカート部と同じ材料を縦52.6mm、横35mm、厚さ2.5mmに成形した試験片を作製し、25℃・相対湿度40%で曲げ弾性率を曲げ試験することにより測定し、曲げ弾性性能を以下の4段階で評価した。
曲げ弾性性能:
◎ 400MPa以下であり優れている
○ 400MPa超、800MPaで良好
△ 800MPa超、1200MPaで不良
× 1200MPa超で悪い
(評価6)
実施例1〜3、参考例1および比較例1〜4で製造した各シャトルコックのスカート部と同じ材料を縦52.6mm、横35mm、厚さ2.5mmに成形した試験片を3部ずつ作製し、0℃・相対湿度30%、25℃・相対湿度40%、40℃・相対湿度80%の各環境下にそれぞれを静置した。各環境下で試験片の表面硬度と引張破壊応力と引張破壊歪みを測定した。表面硬度はDショア・デュロに従って測定した。また、引張破壊応力はJIS K 6251にしたがって測定した。さらに、引張破壊歪みはJIS K 6251にしたがって測定した。0℃・相対湿度30%、25℃・相対湿度40%、40℃・相対湿度80%の各環境下における表面硬度と引張破壊応力と引張破壊歪みの変動を以下の4段階で評価した。
温湿度変動耐性能:
◎ 表面硬度の変動が0.5MPa以内、引張破断応力の変動が0.5MPa以
内、引張破壊歪みの変動が1%以内であり、優れている
○ 表面硬度の変動が3MPa以内、引張破断応力の変動が3MPa以内、引張
破壊歪みの変動が10%以内であり、良好である
△ 表面硬度の変動が5MPa以内、引張破断応力の変動が5MPa以内、引張
破壊歪みの変動が30%以内であり、不良
× 表面硬度の変動が5MPa超、引張破断応力の変動が5MPa超、または、
引張破壊歪みの変動が30%超であり、悪い
表1から明らかなように、スカート部1としてスチレン系エラストマーを用いた本発明のシャトルコックは、成形性、打球音、打球感、飛行状態、回転性能、弾性回復性能、曲げ弾性性能、温湿度変動耐性能のいずれも極めて良好であった。また、実施例1〜の各シャトルコックは、吸水性が低く、スカート部の樹脂の比重が0.89〜0.93で低いため、シャトルコック全体の軽量化を図りやすいというメリットもあった。これに比べて比較例1〜4のシャトルコックは、実施例1〜4のシャトルコックに比べて性能がかなり劣っていた。なお、実施例1〜3と参考例1を比較したところ、実施例1〜3の方が硬度が水鳥球に近く、一段と好ましい状態であった。
また、実施例1〜3、参考例1および比較例1〜6以外の材料として、さらにポリカーボネート、ポリプロピレンと高密度ポリエチレンの配合比率を種々変えた混合材料、ポリプロピレン・高密度ポリエチレンアロイを用いて同様にシャトルコックの製造および評価を行った。その結果、いずれも比較例1〜4と同等以下の評価結果であり、満足の行くものではなかった。
また、スカート部1に用いたスチレン系エラストマーの比重を0.87や0.95にした場合は比較例よりも有意に良い結果が得られるが、実施例1〜の方が飛行曲線が水鳥球に近くて、かつ、十分な強度を示す点で明らかに優れている。
また、硬度が75や105であるスチレン系エラストマーを用いた場合も比較例よりも有意に良い結果が得られるが、硬度が80〜100であるスチレン系エラストマーを用いた場合の方が、打球音、打球感、飛行曲線、回転性能、弾性回復性能、曲げ弾性性能が総合的に明らかに優れている。
さらに、スチレンの含有量が20重量%や40重量%のスチレン系エラストマーを用いた場合も比較例よりも有意に良い結果が得られるが、スチレンの含有量が25〜36であるスチレン系エラストマーを用いた場合の方が、打球音、打球感、飛行曲線、回転性能、弾性回復性能、曲げ弾性性能が総合的に明らかに優れている。
本発明のシャトルコックは、水鳥球と同等の性能を有しており軽量で耐久性もあることから、水鳥球に代わるシャトルコックとして大きな需要が見込まれる。また、本発明のシャトルコックは耐久性が高いため、廃棄物を減らし環境問題に対処することをめざす国際社会の要請に応えるものである。さらに、本発明の製造方法によれば、このような特徴を有するシャトルコックを効率よく安価に製造することができる。したがって、本発明は産業上の利用可能性が高い。
1 スカート部
2 台
3 第1羽根部材
4 第2羽根部材
5,5a,5b 羽根軸
6,6a,6b 左羽根
7,7a,7b 右羽根
8 羽根環状体
9 リング
10 外板片
11 リブ
12 中心軸
13 貫通孔非形成領域
14 貫通孔形成領域
15 切れ込み

Claims (2)

  1. 比重が0.89〜0.93の範囲内にあってJISタイプA硬度が80〜100の範囲内にあるスチレン系エラストマーからなるスカート部と該スカート部を固定する台からなることを特徴とするシャトルコック。
  2. 前記スチレン系エラストマーのスチレン含有量が25〜36%の範囲内にあることを特徴とする請求項に記載のシャトルコック。
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