JP4392454B1 - シャトルコック - Google Patents

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Abstract

【課題】水鳥球と同等の性能を有していながら耐久性が高いシャトルコック合成球を提供すること。
【解決手段】シャトルコックのスカート部を構成する各羽根軸に、開孔率0〜10%の右羽根と開孔率15〜40%の右羽根を交互に形成する。
【選択図】図1

Description

本発明は、新しい構造をもったスカート部を有するシャトルコックに関する。特に、天然材料から構成されるシャトルコック(水鳥球)に匹敵する特性を有し、耐久性が高いシャトルコックに関する。
公式のバドミントン競技には、水鳥の羽毛から作られたスカート部を有するシャトルコック(水鳥球)が用いられている。しかしながら、水鳥球は耐久性が低いため、すぐに使用することができなくなってしまうという問題がある。また、動物愛護の観点から大量生産や大量消費には向かないという問題もある。
このような問題に鑑みて、スカート部を合成樹脂で形成したシャトルコック(合成球)が開発されている。シャトルコックのスカート部には、例えば、ポリエーテルエステルアミドを用いたり、さらにそれにポリアミド樹脂やポリエステル樹脂を混合して用いたりすることが提案されている(特許文献1参照)。そして、現在用いられている合成球のスカート部は、一般にナイロン6、ナイロン6−6、無可塑または可塑化ナイロン11、ナイロン12で構成されている。
このような合成球の構造は、水鳥球と異なり、羽根軸から伸長する羽根どおしが互いに結合して環状の連続体を形成している点に特徴がある(特許文献1第1図参照)。一方、合成球のスカート部の開孔やその構造の詳細について検討した文献は見あたらない。
特開昭57−20280号公報特許請求の範囲、第1図
従来提供されている合成球は、水鳥球とは特性がかなり異なっている。このため、ラケットで打撃したときに合成球がたどる飛行曲線は、水鳥球とはかなり違うものになっている。また、本発明者らが試験したところ、従来提供されている合成球の回転数は、水鳥球よりもかなり低いことが確認されている。このような違いがあるために、一線級のバドミントンプレーヤーは、合成球を用いたときに水鳥球にはない違和感を感じてしまう。
そこで本発明者らは、このような従来技術の課題を解決するために、水鳥球に近い特性を有し、水鳥球の代替品となりうるシャトルコック合成球を提供することを本発明の目的として検討を進めた。
上記の目的を達成するために鋭意検討を行なった結果、本発明者らは、スカート部の羽根に形成する開孔を工夫することにより劇的に従来技術の課題を解決しうることを見いだし、以下に記載の本発明を提供するに至った。
[1] 複数の第1羽根部材と複数の第2羽根部材を有するスカート部と該スカート部を固定する台からなるシャトルコックであって、
前記第1羽根部材は、1本の羽根軸と、該羽根軸の左方向に伸長する開孔率50〜90%の左羽根と、該羽根軸の先方から右方向に伸長する開孔率0〜10%の右羽根から構成され、
前記第2羽根部材は、1本の羽根軸と、該羽根軸の左方向に伸長する開孔率50〜90%の左羽根と、該羽根軸の先方から右方向に伸長する開孔率15〜40%の右羽根から構成され、
前記スカート部を構成する前記第1羽根部材と前記第2羽根部材の数は同じであり、前記第1羽根部材と前記第2羽根部材が交互に環状に配置されており、各第1羽根部材の左羽根の左辺がその左隣の第2羽根部材の右羽根の右辺とそれぞれ接続し、各第1羽根部材の右羽根の右辺がその右隣の第2羽根部材の左羽根の左辺とそれぞれ接続しているシャトルコック(ここにおいて左右の方向は、台を下にしてシャトルコックの中心軸から羽根軸を見たときの方向である)。
[2] 前記第1羽根部材の右羽根の開孔率が0〜3%であることを特徴とする[1]に記載のシャトルコック。
[3] 前記第1羽根部材の右羽根の開孔率が0%であることを特徴とする[1]に記載のシャトルコック。
[4] 前記第1羽根部材の左羽根と前記第2羽根部材の左羽根の形状が同一であることを特徴とする[1]〜[3]のいずれか一項に記載のシャトルコック。
[5] 前記第2羽根部材の右羽根に形成された各開孔の孔面積が、前記第2羽根部材の左羽根に形成された各開孔の孔面積よりも小さいことを特徴とする[1]〜[4]のいずれか一項に記載のシャトルコック。
[6] 前記第2羽根部材の右羽根に形成された開孔の総孔面積が40〜50mm2であることを特徴とする[1]〜[5]のいずれか一項に記載のシャトルコック。
[7] 前記第1羽根部材の左羽根に形成された開孔の総孔面積と前記第2羽根部材の左羽根に形成された開孔の総孔面積が、いずれも80〜90mm2であることを特徴とする[1]〜[6]のいずれか一項に記載のシャトルコック。
[8] 前記スカート部の最も外側に位置する前記羽根軸の稜線が、前記羽根軸の中心軸とシャトルコックの中心軸を結ぶ仮想線よりも左羽根方向に位置していることを特徴とする[1]〜[7]のいずれか一項に記載のシャトルコック。
[9] 複数の第1羽根部材と複数の第2羽根部材を有するスカート部と該スカート部を固定する台からなるシャトルコックであって、
前記第1羽根部材は、1本の羽根軸と、該羽根軸の右方向に伸長する開孔率50〜90%の右羽根と、該羽根軸の先方から左方向に伸長する開孔率0〜10%の左羽根から構成され、
前記第2羽根部材は、1本の羽根軸と、該羽根軸の右方向に伸長する開孔率50〜90%の右羽根と、該羽根軸の先方から左方向に伸長する開孔率15〜40%の左羽根から構成され、
前記スカート部を構成する前記第1羽根部材と前記第2羽根部材の数は同じであり、前記第1羽根部材と前記第2羽根部材が交互に環状に配置されており、各第1羽根部材の左羽根の左辺がその左隣の第2羽根部材の右羽根の右辺とそれぞれ接続し、各第1羽根部材の右羽根の右辺がその右隣の第2羽根部材の左羽根の左辺とそれぞれ接続しているシャトルコック(ここにおいて左右の方向は、台を下にしてシャトルコックの中心軸から羽根軸を見たときの方向である)。
[10] 前記第1羽根部材の左羽根の開孔率が0〜3%であることを特徴とする[9]に記載のシャトルコック。
[11] 前記第1羽根部材の左羽根の開孔率が0%であることを特徴とする[9]に記載のシャトルコック。
[12] 前記第1羽根部材の右羽根と前記第2羽根部材の右羽根の形状が同一であることを特徴とする[9]〜[11]のいずれか一項に記載のシャトルコック。
[13] 前記第2羽根部材の左羽根に形成された各開孔の孔面積が、前記第2羽根部材の右羽根に形成された各開孔の孔面積よりも小さいことを特徴とする[9]〜[12]のいずれか一項に記載のシャトルコック。
[14] 前記第2羽根部材の左羽根に形成された開孔の総孔面積が40〜50mm2であることを特徴とする[9]〜[13]のいずれか一項に記載のシャトルコック。
[15] 前記第1羽根部材の右羽根に形成された開孔の総孔面積と前記第2羽根部材の右羽根に形成された開孔の総孔面積が、いずれも80〜90mm2であることを特徴とする[9]〜[14]のいずれか一項に記載のシャトルコック。
[16] 前記スカート部の最も外側に位置する前記羽根軸の稜線が、前記羽根軸の中心軸とシャトルコックの中心軸を結ぶ仮想線よりも右羽根方向に位置していることを特徴とする[9]〜[15]のいずれか一項に記載のシャトルコック。
[17] 前記羽根軸の先端から台までの長さの40〜60%にわたって前記左羽根と前記右羽根がそれぞれ形成されていることを特徴とする[1]〜[16]のいずれか一項に記載のシャトルコック。
[18] 前記スカート部が、断面径が0.8〜2.0mmのリングを有しており、該リングが前記スカート部を構成するすべての羽根軸と結合していることを特徴とする[1]〜[17]のいずれか一項に記載のシャトルコック。
[19] 前記スカート部が前記リングを2本以上有することを特徴とする[18]に記載のシャトルコック。
[20] 前記羽根軸にリブが形成されていることを特徴とする[1]〜[19]のいずれか一項に記載のシャトルコック。
[21] 前記リブが、前記第1羽根部材を構成する羽根軸のみに形成されているか、あるいは、前記第2羽根部材を構成する羽根軸のみに形成されていることを特徴とする[20]に記載のシャトルコック。
[22] 前記スカート部が一体に形成されていることを特徴とする[1]〜[21]のいずれか一項に記載のシャトルコック。
本発明のシャトルコックは、樹脂製の合成球でありながら、水鳥球と同等の性能を有しているとともに耐久性も高いという特徴を有する。特に、水鳥球と同等の回転数を実現することができ、またラケットで打撃したときに水鳥球と同等の飛行曲線をたどることができる。
以下において、本発明のシャトルコックについて詳細に説明する。以下に記載する構成要件の説明は、本発明の代表的な実施態様に基づいてなされることがあるが、本発明はそのような実施態様に限定されるものではない。なお、本明細書において「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値を下限値および上限値として含む範囲を意味する。
(シャトルコックの基本構造)
本発明のシャトルコックの構造を図1を参照しながら説明する。
本発明のシャトルコックは、スカート部2と該スカート部2を固定する台1からなる。スカート部2は、複数の第1羽根部材3と複数の第2羽根部材4を有している。スカート部2を構成する第1羽根部材3の数と第2羽根部材4の数は同数であり、通常は8本ずつである。第1羽根部材3と第2羽根部材4は交互に環状に配置されている。第1羽根部材3は、1本の羽根軸5aと、該羽根軸5aの左方向に伸長する開孔率50〜90%の左羽根6aと、該羽根軸の先方から右方向に伸長する開孔率0〜10%の右羽根7aから構成されている。また、第2羽根部材4は、1本の羽根軸5bと、該羽根軸の左方向に伸長する開孔率50〜90%の左羽根6bと、該羽根軸の先方から右方向に伸長する開孔率15〜40%の右羽根7bから構成されている。第1羽根部材3の左羽根6aの左辺はその左隣の第2羽根部材4の右羽根7bの右辺とそれぞれ接続している。同様に、各第1羽根部材の右羽根の右辺がその右隣の第2羽根部材の左羽根の左辺とそれぞれ接続している。これによって、羽根が環状に接続した羽根環状体8が形成されている。
本発明のシャトルコックの細かな構造や材料については特に制限されないが、本発明のシャトルコックは、財団法人日本バドミントン協会が採択しているバドミントン協議規則(昭和24年4月1日施行、平成18年10月11日一部改正)第2条に規定される合成素材でできたシャトルの条件を満たすものであることが好ましい。また、本発明のシャトルコックの総重量は4.27〜6.05gであることが好ましく、4.50〜5.78gであることがより好ましく、4.74〜5.50gであることがさらに好ましい。
(開孔)
本発明のシャトルコックは、各羽根の開孔率に1つの特徴がある。開孔率とは、開孔を含めた羽根の全面積に対する開孔の面積割合を%で表示したものである。
第1羽根部材の右羽根の開孔率は0〜10%であり、0〜5%であることが好ましく、0〜3%であることがより好ましく、0〜1%であることがさらに好ましく、0%であることが特に好ましい。第2羽根部材の右羽根の開孔率は15〜40%であり、15〜35%であることが好ましく、15〜30%であることがより好ましく、15〜25%であることがさらに好ましい。第1羽根部材の左羽根と第2羽根部材の左羽根は、ともに50〜90%であり、55〜85%であることが好ましく、55〜80%であることがより好ましく、60〜75%であることがさらに好ましい。
スカート部を構成する複数の第1羽根部材はすべてが同一形状であることが好ましく、また、スカート部を構成する複数の第2羽根部材もすべてが同一形状であることが好ましい。また、第1羽根部材の左羽根は第2羽根部材の左羽根と同一形状であることが好ましい。ここでいう形状は、開孔の形状やサイズ、開孔位置を含めた形状を意味する。
第2羽根部材の右羽根に形成された個々の開孔の孔面積は、第2羽根部材の左羽根に形成された個々の開孔の孔面積よりも小さいことが好ましい。また、第1羽根部材の開孔率が0%ではないとき、第1羽根部材の右羽根に形成された個々の開孔の孔面積は、第1羽根部材の左羽根に形成された個々の開孔の孔面積よりも小さいことが好ましい。第2羽根部材の右羽根に形成された開孔の孔面積の合計(総孔面積)は35〜50mm2であることが好ましく、35〜45mm2であることがより好ましく、第1羽根部材の開孔率が0%ではないとき、第1羽根部材の右羽根に形成された開孔の総孔面積は0.5〜2mm2であることが好ましく、0.5〜0.8mm2であることがより好ましい。また、第1羽根部材の左羽根と前記第2羽根部材の左羽根に形成された開孔の総孔面積は、いずれも80〜95mm2であることが好ましく、85〜95mm2であることがより好ましい。
各羽根には、サイズや形が異なる複数種の開孔が形成されていてもよい。例えば、羽根の上方と下方で開孔のサイズや数を変えることが好ましい。一般に、下方の開孔の孔面積は、上方の開孔の孔面積よりも小さくすることが好ましい。また、開孔率も下方よりも上方を大きくすることが好ましい。上方に形成される開孔は例えば横長の矩形にすることができ、下方に形成される開孔は例えばやや縦長の矩形にすることができる。なお、ここでいう上方とは、台を下にしスカート部を上にしたときの上方を意味する。各羽根の上端には羽根軸の先端を頂点とする三角形の頂部が設けられていてもよく、そのような頂部にも開孔が形成されていてもよい。頂部の開孔は、頂部の三角形状に相似する三角開孔であってもよいし、例えば縦長の開孔であってもよい。
いかなる理論にも拘泥するものではないが、本発明にしたがって左羽根と右羽根の開孔率を制御することによって、台からスカート部に向けて流れる空気流の一部が羽根の開孔を通して適度にスカート部の内側に流れ込み、それによって望ましい回転数と飛行経路を実現することができたものと考えられる。すなわち、台からスカート部に向けて空気を送ると左羽根と右羽根に揚力が作用するが、これと同時に左羽根に送られた空気はシャトルコックを右方向に回転させるように作用し、右羽根に送られた空気はシャトルコックを左方向に回転させるように作用する。右羽根の開孔率は左羽根よりも小さいため、右羽根はより強く左方向の回転力を受け、シャトルコックは左方向に回転する。本発明では、開孔率が異なる2種類の右羽根を交互に設置しているため、微妙な空気の流れを程よく制御することができ、結果として水鳥球に極めて近い回転数と飛行経路を実現することができたものである。
(羽根軸)
本発明のシャトルコックを構成する各羽根軸は、断面が多角形をしていることが好ましく、四角形をしていることがより好ましい。特にシャトルコックを組み立てたときに最も外側に位置する稜線が、羽根軸の中心軸とシャトルコックの中心軸を結ぶ仮想線よりも左羽根方向に位置していることが好ましい。この好ましい態様を図2を参照しつつ説明する。
図2は、本発明のシャトルコックの上面図である。シャトルコックを構成する16本の羽根軸はすべて同一形状を有しており、その断面は図2中の拡大図に示すようにa面、b面、c面、d面の4つの面からなる。a面とb面は稜線1aを形成しており、この稜線1aがシャトルコックの最も外側に突出している。a面とc面により形成される稜線からは右羽根が伸長しており、b面とd面により形成される稜線からは左羽根が伸長している。c面とd面により形成される稜線は、シャトルコックの内側に突出している。
稜線1aは、シャトルコックの中心軸と羽根軸の中心軸を結ぶ破線で示す仮想線よりもdだけ左羽根方向に離れた場所に位置している。本発明において、dは0.5〜0.8mmであることが好ましく、0.6〜0.7mmであることがより好ましい。このとき、稜線1aの左右に存在するa面とb面は非対称となっており、a面はb面よりも面積が大きくなっている。台からスカート部に向けて空気を送ると羽根軸に揚力が作用するが、これと同時にa面に送られた空気は羽根軸を左方向に回転させるように作用し、b面に送られた空気は羽根軸を右方向に回転させるように作用する。a面の面積はb面よりも大きいため、左方向への回転力がより強く作用し、結果としてシャトルコックを矢印で示すように左方向へ回転させることとなる。このような羽根軸を、本発明の特徴的な空孔率を有する左羽根および右羽根と組み合わせることにより、一段と水鳥球に近い回転数と性能を実現することができる。
なお図2では、シャトルコックの中心軸と羽根軸の中心軸を結ぶ破線で示す仮想線上に存在するが、より回転数を上げるために仮想線よりも左羽根方向に稜線が位置するように構成してもよい。
左羽根と右羽根は、それぞれ羽根軸の先端から台までの長さの40〜60%にわたって形成されていることが好ましく、45〜55%にわたって形成されていることが好ましい。羽根軸は軽量化を図るために中空になっていてもよい。各羽根軸に形成された左羽根と右羽根は、通常は羽根軸の左右に広がるように形成されるが、特にシャトルコックの内側に角度をつけて広がるように形成されていることが好ましい。
(リング)
スカート部2は、スカート部を構成するすべての羽根軸と結合しているリング9をさらに有していることが好ましい。リング9は、羽根軸5と同等の太さを有していることが好ましい。具体的には、断面径が0.8〜2.0mmであることが好ましく、1.5〜2.0mmであることがより好ましい。スカート部2に形成されるリングは、2本以上であることが好ましく、2〜4本であることがより好ましく、2〜3本であることがさらに好ましい。リング9はスカート部の内側に突出するように形成されていることが好ましい。
リングの設置位置は、羽根環状体8が形成されていない箇所であることが好ましい。すなわち、左羽根6や右羽根7が形成されていない羽根軸5の部分を連結するように形成されていることが好ましい。スカート部2に形成されているリングのうちの1本は、羽根環状体8の下端に接するように設けられていることが好ましい。また、スカート部2に形成されているリングのうちの他の1本は、羽根環状体8の下端と台1表面との略中点において羽根軸5と連結するように形成されていることが好ましい。なお、リング9の外側には図1に示すように斜め上方に向かう外板片10が取り付けられていてもよい。
(リブ)
スカート部2を構成する羽根軸5の内側には、リブが形成されていることが好ましい。羽根軸に形成されているリブは、羽根軸の先端から台方向に向かって徐々に厚みが増す筋状構造であることが好ましい。リブの最大厚みは0.2〜1.0mmであることが好ましく、0.3〜0.8mmであることがより好ましく、0.4〜0.5mmであることがさらに好ましい。そのような厚みの増加は、図3に示すように、羽根環状体の下端またはその近傍から台方向に向かって施されていることが望ましい。図3では、リブ11は長さhに渡って形成されている。リブの長さhは通常は10〜40mmであり、15〜35mmが好ましく、20〜30mmがより好ましく、22〜28mmがさらに好ましい。リブの断面は台形または三角形であることが好ましく、三角形であることがより好ましい。
リブ11は羽根軸5の下端まで形成されていることが好ましい。羽根軸5の下端部においてリブ11は、シャトルコックの中心軸12から図3のrで示す距離だけ離れている。rは通常0〜6mmであり、好ましくは2〜6mmであり、より好ましくは4〜6mmであり、さらに好ましくは4.5〜5.5mmである。なお、図3とは異なり、羽根軸5の下端部におけるリブがシャトルコックの中心軸を横切るように形成されていてもよい。このとき、複数の羽根軸に形成されたリブが中心軸で交差していてもよい。
本発明では、スカート部2を構成する羽根軸5のすべてにリブ11が形成されていてもよいし、一部に形成されていてもよい。複数の羽根軸にリブが形成されている場合は、すべてのリブが同一形状であることが好ましい。特に好ましいのは、図3に示すように、1つおきに羽根軸にリブが形成されている態様である。例えば、スカート部2が16本の羽根軸を有する場合、リブが形成されている8本の羽根軸と、リブが形成されていない8本の羽根軸が交互に設置されていることが好ましい。このような態様を採用することにより、シャトルコックの全重量を過度に増やすことなく、シャトルコックの反発弾性力を効率よく高めることができる。この結果、シャトルコックの回転数を落とさずに、水鳥球と同等の打球音、打球感、飛行曲線、反発力を実現することができる。本発明では、特に第1羽根部材を構成する羽根軸のみにリブが形成されている態様が好ましい。
(スカート部を構成する材料)
本発明のシャトルコックは、スカート部に樹脂を用いる。特に熱可塑性樹脂を用いることが好ましい。熱可塑性樹脂の種類は特に制限されないが、スチレン系エラストマーまたはアイオノマー樹脂を含むものを用いることが特に好ましい。スチレン系エラストマーまたはアイオノマー樹脂の含有量は、スカート部の全重量の5〜100%であることが好ましく、10〜95%であることがより好ましく、60〜90%であることがさらに好ましい。スチレン系エラストマーまたはアイオノマー樹脂は、スカート部に均等に含まれていることが好ましい。
スチレン系エラストマーは、スチレン系ゴムをベースポリマーとしたエラストマーである。典型的なスチレン系エラストマーはスチレンブロック共重合体(SBC)であり、具体的にはスチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体(SBS)、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体(SIS)、スチレン−エチレン−ブチレン−スチレンブロック共重合体(SEBS)、スチレン−エチレン−プロピレン−スチレンブロック共重合体(SEPS)などを挙げることができる。なかでも好ましいのは、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体(SIS)である。これらのスチレン系エラストマーは1種のみを単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
スチレン含有量は、スチレン系エラストマーの硬度(JIAタイプA)が40〜100の範囲内である量に調整することが好ましく、55〜100の範囲内である量に調整することがより好ましく、80〜100の範囲内である量に調整することがさらに好ましい。
本発明で用いるスチレン系エラストマーは市販品であってもよい。例えば、三菱化学(株)製のラバロン[商品名]、三菱化学(株)製のスミフレックス[商品名]、日油(株)製ノフアロイKA832[商品名]、旭化成(株)製タフテック[商品名]、クラレ(株)製セプトン[商品名]、クラレ(株)製ハイプラー[商品名]、JSR(株)製JSR SIS[商品名]、JSR(株)製JSR TR[商品名]、JSR(株)製ダイナフレックス[商品名]、リケンテクノス(株)製アクティマー[商品名]、リケンテクノス(株)製トリニティー[商品名]、リケンテクノス(株)製レオストマー[商品名]、アロン化成製アレキサールG[商品名]、アロン化成製エラストマーAR[商品名]、シェルジャパン(株)製クレイトン[商品名]、新興化成製トリブレン[商品名]、新興化成製スーパートリブレン[商品名]、住友化学製エスポレックス[商品名]などが挙げられる。これらの中では、例えばクラレ(株)製セプトン[商品名]を好ましく用いることができる。
スチレン系エラストマーは、他の樹脂に比べて比較的環境負荷が小さいとされている。このため、スチレン系エラストマーを用いた本発明のシャトルコックは、材料面において環境に対する影響が抑えられている。
アイオノマー樹脂は、金属イオンによる凝集力を利用してポリマーを凝集体とした樹脂である。エチレンとアクリル酸またはメタクリル酸とのコポリマーを金属イオンによって架橋したものを典型例として挙げることができる。アイオノマー樹脂は、低温ではイオン結合しているため硬いが、加熱すると結合がゆるむため流動性を生じ、冷却すると元に戻る性質を有する。
本発明で用いるアイオノマー樹脂は市販品であってもよい。例えば、三井化学(株)製ハイミラン[商品名]、デュポン(社)製サーリン[商品名]などが挙げられる。これらの中では、例えば三井化学(株)製ハイミラン[商品名]を好ましく用いることができる。
本発明のシャトルコックのスカート部には、上記のスチレン系エラストマーやアイオノマー樹脂の他にさらに別の樹脂を混合して用いることができる。そのような別の樹脂として、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネートを挙げることができる。これらの樹脂は1種のみを単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。本発明では、例えばポリプロピレンを好ましく用いることができる。
本発明のシャトルコックのスカート部には、生分解性樹脂を含ませることが好ましい。生分解性樹脂の含有量は、スカート部の全重量に対して0.5〜25%が好ましく、1〜20%がより好ましく、3〜15%がさらに好ましい。生分解性樹脂としては、ポリ乳酸、ポリブチレンサクシネートなどを挙げることができる。本発明では、例えばポリ乳酸を好ましく用いることができる。
また、本発明のシャトルコックのスカート部には、添加剤を含ませることもできる。添加剤を用いる場合の含有量は、スカート部の全重量に対して0.001〜10%が好ましく、0.01〜5%がより好ましく、0.1〜3%がさらに好ましい。添加剤としては、例えば、紫外線吸収剤、可塑剤、顔料などを挙げることができる。これらの添加剤は、1種のみを単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。本発明では、例えば顔料を好ましく用いることができる。
(シャトルコックの製造方法)
本発明のスカート部は、樹脂組成物を用いて成形する工程を経て製造することが好ましい。具体的には、樹脂組成物を溶融して型枠中に注入し、注入後に冷却することにより成形することが好ましい。このとき、スカート部は一体成形することが特に好ましい。一体成形をする際には、射出成型することが好ましい。
なお、製造方法の如何にかかわらず、特許請求の範囲に記載されるシャトルコックの要件を満たすものは、本発明のシャトルコックに含まれる。
製造されたスカート部は台に固定する。台はコルク、発砲樹脂などの材料で構成され、中でもコルクで構成されるものが好ましい。台は、少なくとも一部が半球状であることが好ましい。スカート部を固定する台表面には、例えばドーナツ状の孔が設けられており、その孔の中に羽根軸を挿入して固定することができる。
(右方向に回転するシャトルコック)
以上、本発明について、左方向に回転するのシャトルコックを念頭において説明してきたが、本発明の原理を用いて右方向に回転するシャトルコックも同様に提供することが可能である。すなわち、第1羽根部材から伸長する右羽根と左羽根を入れ替えると同時に、第2羽根部材から伸長する右羽根と左羽根を入れ替えることにより、右方向に回転するシャトルコックを提供することができる。
このようなシャトルコックは、複数の第1羽根部材と複数の第2羽根部材を有するスカート部と該スカート部を固定する台からなるシャトルコックであって、前記第1羽根部材は、1本の羽根軸と、該羽根軸の右方向に伸長する開孔率50〜90%の右羽根と、該羽根軸の先方から左方向に伸長する開孔率0〜10%の左羽根から構成され、前記第2羽根部材は、1本の羽根軸と、該羽根軸の右方向に伸長する開孔率50〜90%の右羽根と、該羽根軸の先方から左方向に伸長する開孔率15〜40%の左羽根から構成され、前記スカート部を構成する前記第1羽根部材と前記第2羽根部材の数は同じであり、前記第1羽根部材と前記第2羽根部材が交互に環状に配置されており、各第1羽根部材の左羽根の左辺がその左隣の第2羽根部材の右羽根の右辺とそれぞれ接続し、各第1羽根部材の右羽根の右辺がその右隣の第2羽根部材の左羽根の左辺とそれぞれ接続しているシャトルコック(ここにおいて左右の方向は、台を下にしてシャトルコックの中心軸から羽根軸を見たときの方向である)である。好ましい態様や数値範囲については、左方向に回転するシャトルコックの上記説明を参照することができる。ただし、右羽根の記載と左羽根の記載は左右を逆にして参照する必要がある。また、右方向に回転するシャトルコックの場合は、スカート部の最も外側に位置する羽根軸の稜線が、羽根軸の中心軸とシャトルコックの中心軸を結ぶ仮想線よりも左羽根方向に位置していることが好ましい。
以下に実施例と比較例を挙げて本発明の特徴をさらに具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り適宜変更することができる。したがって、本発明の範囲は以下に示す具体例により限定的に解釈されるべきものではない。
(実施例1)
図1〜図3に示すシャトルコックを製造した。
スチレン系エラストマー(クラレ(株)製、セプトンKC627H)を溶融して型枠の中に流し込み、冷却することにより図1のスカート部2を一体成形した。成形したスカート部2の底部を図1に示すようにコルクでできた台1に対して圧入機を用いて固定した。
製造したシャトルコックは、8本の第1羽根部材と8本の第2羽根部材が交互に環状に配置されている。各第1羽根部材の左羽根の左辺はその左隣の第2羽根部材の右羽根の右辺とそれぞれ接続し、各第1羽根部材の右羽根の右辺はその右隣の第2羽根部材の左羽根の左辺とそれぞれ接続して環状構造を形成している。第1羽根部材は、1本の羽根軸と、該羽根軸の左方向に伸長する開孔率60%の左羽根と、該羽根軸の先方から右方向に伸長する開孔率0%の右羽根から構成されている。また、第2羽根部材は、1本の羽根軸と、該羽根軸の左方向に伸長する開孔率60%の左羽根と、該羽根軸の先方から右方向に伸長する開孔率30%の右羽根から構成されている。第1羽根部材の左羽根と第2羽根部材の左羽根は同一形状である。第2羽根部材の右羽根に形成された開孔の総孔面積は45mm2であり、第1羽根部材の左羽根と前記第2羽根部材の左羽根に形成された開孔の総孔面積は、いずれも85mm2である。各左羽根と各右羽根は、それぞれ羽根軸の先端から台までの長さの55%にわたって形成されている。羽根軸の稜線1aは、シャトルコックの中心軸と羽根軸の中心軸を結ぶ図2の破線で示す仮想線よりも0.65mmだけ左羽根方向に離れた場所に位置している(図2のd)。また、スカート部は、スカート部を構成するすべての羽根軸と結合しているリングを2本有している。そのうちの1本は羽根環状体の下端に連続して設置されている。右羽根および左羽根の厚みはそれぞれ0.2mmであり、羽根軸とリングの断面径はそれぞれ2.0mmである。8本の第1羽根部材の各羽根軸には、図3に示すように、羽根環状体の下端から台方向に向けて徐々に厚みが増している断面が三角形のリブが形成されている。図3のhは25mm、rは5mmである。また、全体の重量は5.05gである。
(実施例2)
スカート部1の材料としてスチレン系エラストマー(クラレ(株)製、セプトンFY60N)を用いたこと以外は実施例1と同様にしてシャトルコックを製造した。
(実施例3)
スカート部1の材料としてスチレン系エラストマー(クラレ(株)製、セプトンFY55N)を用いたこと以外は実施例1と同様にしてシャトルコックを製造した。
(実施例4)
スカート部1の材料としてアイオノマー樹脂(三井・デュポン ポリケミカル(株)製、ハイミラン1702)を用いたこと以外は実施例1と同様にしてシャトルコックを製造した。
(比較例1)
市販の合成球としてヨネックス社製メービス370を用意した。
(比較例2)
実施例1のシャトルコックにおいて、8本の第2羽根部材の下方に形成されている12の開孔をすべて塞いだシャトルコックを製造した。すなわち、8本の第2羽根部材には、それぞれ上方に13の開孔だけが設けられている。
(比較例3)
実施例1のシャトルコックにおいて、第2羽根部材を8本とも第1羽根部材に置き換えたシャトルコックを製造した。すなわち、スカート部を構成する16本の羽根部材がすべて実施例1に記載される第1羽根部材であるシャトルコックを製造した。
(評価1)
実施例1〜4および比較例1〜3で製造した各シャトルコックと水鳥球の台表面に反射片を取り付け、鉛直方向に立てた円筒中にシャトルコックを入れて底部から送風することによりシャトルコックを回転させた。回転数を非接触型デジタル回転計測器により光学的に計測し、回転数を3回測定してその平均値を取得した。結果を表1に示す。
(評価2)
実施例1〜4および比較例1〜3で製造した各シャトルコックと水鳥球をバドミントンラケットで水平方向から45°上向きに同じ強さで打撃し、シャトルコックの飛行曲線を記録した。各シャトルコックは、図4のA、B、Cのいずれかの飛行経路をたどった。結果を表1に示す。
(評価3)
実施例1〜4および比較例1〜3で製造した各シャトルコックと水鳥球について、一線級のプレーヤーによる試打試験を行った。試打時の打球音と打球感を以下の4段階で評価した。結果を表1に示す。
打球音:
◎ 水鳥球と同等で優れている
○ 水鳥球に劣るが良好
△ 水鳥球とは明らかに異なる
× 不良
打球感:
◎ 水鳥球と同等で優れている
○ 水鳥球に劣るが良好
△ 水鳥球とは明らかに異なる
× 不良
(評価4)
実施例1〜3および比較例1〜4で製造した各シャトルコックと水鳥球について、一線級プレーヤーによる試打をすることにより弾性回復性能を以下の4段階で評価した。
弾性回復性能:
◎ 水鳥球と同等であり優れている
○ 水鳥球に劣るが良好
△ 水鳥球とは明らかに異なり悪い
× 破損し評価不能
(評価5)
実施例1〜4および比較例1〜4で製造した各シャトルコックのスカート部と同じ材料を縦52.6mm、横35mm、厚さ2.5mmに成形した試験片を作製し、25℃・相対湿度40%で曲げ弾性率を曲げ試験することにより測定し、曲げ弾性性能を以下の4段階で評価した。
曲げ弾性性能:
◎ 400MPa以下であり優れている
○ 400MPa超、800MPaで良好
△ 800MPa超、1200MPaで不良
× 1200MPa超で悪い
(評価6)
実施例1〜4および比較例1〜4で製造した各シャトルコックのスカート部と同じ材料を縦52.6mm、横35mm、厚さ2.5mmに成形した試験片を3部ずつ作製し、0℃・相対湿度30%、25℃・相対湿度40%、40℃・相対湿度80%の各環境下にそれぞれを静置した。各環境下で試験片の表面硬度と引張破壊応力と引張破壊歪みを測定した。表面硬度はDショア・デュロに従って測定した。また、引張破壊応力はJIS K 6251にしたがって測定した。さらに、引張破壊歪みはJIS K 6251にしたがって測定した。0℃・相対湿度30%、25℃・相対湿度40%、40℃・相対湿度80%の各環境下における表面硬度と引張破壊応力と引張破壊歪みの変動を以下の4段階で評価した。
温湿度変動耐性能:
◎ 表面硬度の変動が0.5MPa以内、引張破断応力の変動が0.5MPa以
内、引張破壊歪みの変動が1%以内であり、優れている
○ 表面硬度の変動が3MPa以内、引張破断応力の変動が3MPa以内、引張
破壊歪みの変動が10%以内であり、良好である
△ 表面硬度の変動が5MPa以内、引張破断応力の変動が5MPa以内、引張
破壊歪みの変動が30%以内であり、不良
× 表面硬度の変動が5MPa超、引張破断応力の変動が5MPa超、または、
引張破壊歪みの変動が30%超であり、悪い
Figure 0004392454
また、実施例1〜4のシャトルコックの製造時の成形性は極めて良好であった。
さらに、実施例1〜4のシャトルコックの羽根環状体の下端を押して、スカート部の先端が中心軸と対称の位置にあるスカート部内側面に接するまでに要する押圧力を測定したところ、いずれも約1.85kgであった。水鳥球が2.0kgで破断することから、実施例1〜4のシャトルコックは好ましい反発弾性力を有することが確認された。
表1から明らかなように、本発明のシャトルコックは、回転数、飛行経路、打球音、打球感、弾性回復性能、曲げ弾性性能、温湿度変動耐性能、成形性のいずれも極めて良好であった。また、実施例1〜4の各シャトルコックは、吸水性が低く、スカート部の樹脂の比重が0.9〜0.95で軽量であるため、シャトルコック全体の軽量化を図りやすいというメリットもあった。これに比べて比較例1〜3のシャトルコックは、実施例1〜4のシャトルコックに比べて性能がかなり劣っていた。
また、実施例1〜4の開孔率を本発明の範囲内で変更したシャトルコックについても、回転数、飛行経路、打球音、打球感、弾性回復性能、曲げ弾性性能、温湿度変動耐性能、成形性のいずれも極めて良好である。
本発明のシャトルコックは、水鳥球と同等の性能を有している。特に、水鳥球と同等の回転数を実現することができ、またラケットで打撃したときに水鳥球と同等の飛行曲線をたどることができる。また、本発明のシャトルコックは耐久性もあることから、水鳥球に代わるシャトルコックとして大きな需要が見込まれる。また、本発明のシャトルコックは耐久性が高いため、廃棄物を減らし環境問題に対処することをめざす国際社会の要請に応えるものである。したがって、本発明は産業上の利用可能性が高い。
本発明のシャトルコックの一態様を示す斜視図である。 本発明のシャトルコックの一態様を示す上面図である。 本発明のシャトルコックの一態様を示す拡大斜視図である。 飛行曲線のパターンを説明するための図である。
符号の説明
1 スカート部
2 台
3 第1羽根部材
4 第2羽根部材
5,5a,5b 羽根軸
6a,6b 左羽根
7a,7b 右羽根
8 羽根環状体
9 リング
10 外板片
11 リブ
12 中心軸

Claims (16)

  1. 複数の第1羽根部材と複数の第2羽根部材を有するスカート部と該スカート部を固定する台からなるシャトルコックであって、
    前記第1羽根部材は、1本の羽根軸と、該羽根軸の左方向に伸長する開孔率50〜90%の左羽根と、該羽根軸の先方から右方向に伸長する開孔率0〜10%の右羽根から構成され、
    前記第2羽根部材は、1本の羽根軸と、該羽根軸の左方向に伸長する開孔率50〜90%の左羽根と、該羽根軸の先方から右方向に伸長する開孔率15〜40%の右羽根から構成され、
    前記スカート部を構成する前記第1羽根部材と前記第2羽根部材の数は同じであり、前記第1羽根部材と前記第2羽根部材が交互に環状に配置されており、各第1羽根部材の左羽根の左辺がその左隣の第2羽根部材の右羽根の右辺とそれぞれ接続し、各第1羽根部材の右羽根の右辺がその右隣の第2羽根部材の左羽根の左辺とそれぞれ接続しているシャトルコック(ここにおいて左右の方向は、台を下にしてシャトルコックの中心軸から羽根軸を見たときの方向である)。
  2. 前記第1羽根部材の右羽根の開孔率が0〜3%であることを特徴とする請求項1に記載のシャトルコック。
  3. 前記第1羽根部材の右羽根の開孔率が0%であることを特徴とする請求項1に記載のシャトルコック。
  4. 前記第1羽根部材の左羽根と前記第2羽根部材の左羽根の形状が同一であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のシャトルコック。
  5. 前記第2羽根部材の右羽根に形成された各開孔の孔面積が、前記第2羽根部材の左羽根に形成された各開孔の孔面積よりも小さいことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載のシャトルコック。
  6. 前記第2羽根部材の右羽根に形成された開孔の総孔面積が40〜50mm2であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載のシャトルコック。
  7. 前記第1羽根部材の左羽根に形成された開孔の総孔面積と前記第2羽根部材の左羽根に形成された開孔の総孔面積が、いずれも80〜90mm2であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載のシャトルコック。
  8. 前記スカート部の最も外側に位置する前記羽根軸の稜線が、前記羽根軸の中心軸とシャトルコックの中心軸を結ぶ仮想線よりも左羽根方向に位置していることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載のシャトルコック。
  9. 複数の第1羽根部材と複数の第2羽根部材を有するスカート部と該スカート部を固定する台からなるシャトルコックであって、
    前記第1羽根部材は、1本の羽根軸と、該羽根軸の右方向に伸長する開孔率50〜90%の右羽根と、該羽根軸の先方から左方向に伸長する開孔率0〜10%の左羽根から構成され、
    前記第2羽根部材は、1本の羽根軸と、該羽根軸の右方向に伸長する開孔率50〜90%の右羽根と、該羽根軸の先方から左方向に伸長する開孔率15〜40%の左羽根から構成され、
    前記スカート部を構成する前記第1羽根部材と前記第2羽根部材の数は同じであり、前記第1羽根部材と前記第2羽根部材が交互に環状に配置されており、各第1羽根部材の左羽根の左辺がその左隣の第2羽根部材の右羽根の右辺とそれぞれ接続し、各第1羽根部材の右羽根の右辺がその右隣の第2羽根部材の左羽根の左辺とそれぞれ接続しているシャトルコック(ここにおいて左右の方向は、台を下にしてシャトルコックの中心軸から羽根軸を見たときの方向である)。
  10. 前記スカート部の最も外側に位置する前記羽根軸の稜線が、前記羽根軸の中心軸とシャトルコックの中心軸を結ぶ仮想線よりも右羽根方向に位置していることを特徴とする請求項9に記載のシャトルコック。
  11. 前記羽根軸の先端から台までの長さの40〜60%にわたって前記左羽根と前記右羽根がそれぞれ形成されていることを特徴とする請求項1〜10のいずれか一項に記載のシャトルコック。
  12. 前記スカート部が、断面径が0.8〜2.0mmのリングを有しており、該リングが前記スカート部を構成するすべての羽根軸と結合していることを特徴とする請求項1〜11のいずれか一項に記載のシャトルコック。
  13. 前記スカート部が前記リングを2本以上有することを特徴とする請求項12に記載のシャトルコック。
  14. 前記羽根軸にリブが形成されていることを特徴とする請求項1〜13のいずれか一項に記載のシャトルコック。
  15. 前記リブが、前記第1羽根部材を構成する羽根軸のみに形成されているか、あるいは、前記第2羽根部材を構成する羽根軸のみに形成されていることを特徴とする請求項14に記載のシャトルコック。
  16. 前記スカート部が一体に形成されていることを特徴とする請求項1〜15のいずれか一項に記載のシャトルコック。
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