JP4410558B2 - ロールスタンドにおいてロールの周面に潤滑剤を塗布するための装置 - Google Patents

ロールスタンドにおいてロールの周面に潤滑剤を塗布するための装置 Download PDF

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Description

本発明は、ストリップを圧延するためのバックアップロール及びワークロールを有する多ロールスタンドにおいてロールの周面に潤滑剤を塗布するための装置であって、この装置によって、潤滑剤が、それぞれ、圧延ストリップに作用するワークロールの周面に塗布され、この潤滑剤の塗布が、ワークロールの周面に押付け可能な塗布ロール又は回動する無端ベルトを介して行なわれ、その周面に、潤滑剤が、中間ロール装置介して又は直接、浸漬ロール装置、スプレー装置又はブラシ放擲装置によって塗布される、装置に関する。
この様式の装置は、多数の形成形式において認められている。従って、特許文献1は、2水平ロールスタンドを示し、この2水平ロールスタンドの場合、両方のロールに、ロールの外面に押付け可能な弾性材料から成るそれぞれ1つの塗布ロールが設けられており、この塗布ロールの表面は、多数のスプレーノズルから潤滑剤の作用を受け、この潤滑剤は、引き続きこの塗布ロールの表面によって水平ロールの表面に伝達される。特許文献2は、ワークロールの表面に対して半径方向に摺動可能なオイル伝達ロールの担体を示し、また特許文献3は、4ロールスタンドのワークロールの前後に配設されたスプレーノズルを、このスプレーノズルによってワークロールの表面に塗布される潤滑剤を分配する押付けロールと共に、そしてロールに冷却空気の作用を与える空冷送風機を示す。特許文献4からは、ワークロールと開放した潤滑剤容器内に位置する浸漬ロールとの間に、潤滑剤をこの浸漬ロールの表面から引き継ぐ伝達ロールが配設されていることによって、潤滑剤を4ロールスタンドのワークロールの周面に塗布するという提案が公知になっている。最後に、特許文献5からは、無端ベルトを、潤滑剤容器を経る操縦及び転向ローラを介して、引き続き潤滑剤で濡れた側をロールスタンドのワークロールを介して案内するという思想が公知になっている。
これらの装置によって、それぞれ常に、ワークロールの周面の全幅は、潤滑剤の作用を受け、圧延ストリップの上下のワークロールの周面上の潤滑剤の塗布領域をロールスタンドの冷却装置からの漂遊水作用から解放の維持をするために、特別な予防措置を講じなければならない。このため、特に、その配設及び運転が特に通過する圧延ストリップの下でしばしば困難を必然的に伴い、常に行なわれる整備を必要とする制御されたスクレーパを必要とする。
米国特許第1,634,258号明細書 特開昭60−227906号公報 米国特許第4,272,976号明細書 特開昭57−137010号公報 旧ソ連邦特許第532417号明細書
本発明の基本にある課題は、これらの欠点を排除し、言及した困難を回避する、ロールスタンドのワークロールの周面に潤滑剤を塗布するための装置を提供することである。
この課題は、担体対に、それぞれ、塗布ロールが、中間ロール装置と、浸漬ロール装置、スプレー装置又はブラシ放擲装置と共に配設され、担体対に、それぞれ、無端ベルトが、スプレー装置と共に配設され、対の担体が、圧延ストリップのそれぞれの幅方向縁部の上のワークロールの両方の端部の領域の位置から相対するように圧延ストリップの幅方向中央の領域に及びその逆に摺動可能であり、これにより、ワークロールの周面の選択された部分領域に対する潤滑剤の塗布が、ワークロールの軸に対して平行塗布ロール又は無端ベルトの調節可能な摺動によって行なわれること、担体及び/又はロールの1つ又は複数が、回転軸に平行な振動機構を備えることによって解決される。この場合、ブラシ放擲装置は、本発明によれば、浸漬ロールに軸平行に付設された、この浸漬ロールの周面に作用するブラシロールから構成することもでき、このブラシロールのブラシ要素は、潤滑剤を、浸漬ロールの周面から中間ロール装置及びワークロールの方向に放擲する。回動する無端ベルトを使用する場合、その外面は、潤滑剤のスプレー作用を受け、外面及び内面に、圧力調節可能に作用する配量ローラ対が付設されていてもよい。更に、スプレー装置もしくは移送装置の後には、その回転軸に対して平行に摺動可能なカバーブラインドが配設されてもよい。塗布ロールは、本発明が提案するように、液体又はペースト状の物質を収容する弾性材料によって被覆されてもよい。中間ロール装置と、浸漬ロール装置、スプレー装置又はブラシ放擲装置と塗布ロール又はもしくはスプレー装置と無端ベルトは、それぞれ対応する担体によって、圧延ストリップのそれぞれの幅方向縁部の上のワークロールの両方の端部の領域の位置から相対するように圧延ストリップの幅方向中央の領域に及びこれとは逆に摺動可能に配設されているこの場合、1つ又は複数の担体は、ロールスタンドと結合可能な独立した交換可能なカセットとして形成されてもよい。更に、塗布ロール及び中間ロールは、異なった軸長さを備えてもよい。
本発明による装置形態の説明した形成形式によって、非常に一様な、場合によっては場所的に一定に制限されたワークロールの周面に対する潤滑剤の分配を、またこれにより均質な摩擦値分布を得ることができる。潤滑剤は、より的確に配量することができ、従って、潤滑剤の使用量を著しく僅かにする。伝達ロールと塗布ロールとの間の中間伝達ロールは、この効果をさらに増強することができる。液体又はペースト状の物質を収容する弾性材料によるロール、特にワークロール、の被覆は、ワークロールの周面を押圧する際に、例えば、この周面に存在する水膜が押し込まれ、これにより潤滑剤を確実に周面に塗布することができることに導く。この場合、ロールの駆動によってワークロールの表面に万が一生じる異例事態は、橋渡し及びこれにより相殺することができる。部分的な塗布によって、ワークロールの周面に塗布される潤滑剤層の周方向幅は、及びこの潤滑剤層の強度も、要求に応じて配量されるように調節することができる。
ワークロールの回転軸に対して平行に摺動可能な担体上での塗布ロール及び伝達ロールの配設は、ワークロールの周面での潤滑剤の分布を改善するばかりでなく、圧延ストリップの縁部摩耗及びプロフィルを改善するために、圧延ストリップの縁部潤滑をするためにも使用することができる。
時々回避することができないワークロールの周面の一定の部分での潤滑剤の濃縮に、本発明による塗布ロール及び/又は伝達ロールの担体の振動運動が対処する。本発明による装置の形成の更なる利点は、いかなる潤滑剤の損失も、反動もしくはスプレーの効果によって生じない点にある。逆作動で圧延ストリップを圧延する場合、ロールスタンドの片側での装置の配設だけが必要であるのに対して、冒頭で述べた公知のスプレー技術の場合は、相応のスプレーノズルが、ロールスタンドの両側に設けられなければならない。この場合とは違って、噴水ノズルによって働くワークロールのための付加的な冷却装置並びにアンチピーリング装置も、配設及び作動させることができる。
本発明を、以下で図面に図示された実施例を基にして詳細に説明する。
図1から分かるように、詳細には図示されてない多ロールスタンドは、2つのバックアップロールSW1及びSW2を備え、これらのバックアップロールには、それぞれ1つのワークロールAW1もしくはAW2が付設されている。両方のワークロールAW1及びAW2は、バックアップロールSW1及びSW2によって矢印の方向に摩擦駆動され、圧延方向WRに運動させられる圧延ストリップWBに作用し、その際、ワークロールの周面は、冷却もしくはアンチピーリング装置KEによって作用を受ける。
圧延方向WRとは逆に面したワークロールAW1の周面は、塗布ロールATWによって作用を受け、この塗布ロールの後には、中間伝達ロールZUW及び伝達ロールUWが配設されている。これらのロールは、互いに摩擦結合しており、伝達ロールUWは、その周囲でもって浸漬槽TW内に浸漬され、この浸漬槽は潤滑剤を包含する。浸漬槽TWの位置には、ここでは図示されてない潤滑剤のためのスプレー装置も立ち入ることができる。中間伝達ロールZUW、伝達ロールUW並びに浸漬槽TW含めた塗布ロールATWの上下には、ワークロールAW1の周面に作用するスクレーパASが配設されている。図示されてない方法でワークロールAW1の回転軸に対して平行に摺動可能な別のスクレーパASUは、伝達ロールUWの周囲に当接する。
圧延ストリップWBの下の他方のワークロールAW2の周面は、無端ベルトEBによって作用を受け、この無端ベルトは、潤滑剤を収容する弾性材料から成り、図示されてない方法で駆動されるリターンプーリ対URを有する。上及び下に指向するこの無端ベルトEBの面は、スプレー噴射ノズルSDによって潤滑剤の作用を受け、ベルトの上部車間部分
は、圧搾ローラ対QRの圧搾間隙を通過する。この配設部の上下には、同様にワークロールAW2の周面に作用するスクレーパASが配設されている。
図2による塗布ロールATW、中間伝達ロールZUW及び伝達ロールUWの配設は、伝達ロールUWにここでスプレーノズルSPDが付設されており、このスプレーノズルのスプレー噴射流内に、伝達ロールUWの回転軸に対して平行に摺動可能なディスクブラインドSBが配設され、このディスクブラインドによって、伝達ロールUWの周面のスプレーノズルSPDに面した部分上の潤滑剤の作用領域が設定され、また場合によっては変更することができるという条件付きで、図1に図示されかつ説明された図に相当する。伝達ロールUWの周面に当接可能なスクレーパASUによって、このことは、同様に達成することができ、その際、更に潤滑剤の塗布強さは調節することができる。
図3による配設の場合、塗布ロールATW、中間伝達ロールZUW、伝達ロールUW及びスプレーノズルSPDは、共通で、それぞれ1つの詳細には図示されてない担体上に配設されており、この担体は、二重矢印PFの方向にワークロールAWの回転軸x−xに対して平行に摺動することができる。ロール及びそれぞれのスプレーノズルを有する担体は、圧延ストリップWBのそれぞれの縁部WBRの上の図示された位置からワークロールAWの回転軸x−xに対して平行に互いに向かって及び互いに離間するように摺動することができ、その際、特に縁部の領域に、しかしながらまた圧延ストリップの他の領域にも、潤滑剤を作用させることを可能にする。
運転上の理由からロールの領域において塗布すべき潤滑剤が濃縮する場合、これは、これにより引き起こされる不均一な潤滑剤の分布によって、ストリップの走行問題へと導いてしまう。一様な層もしくは膜の厚みをロール上で達成するため、ロールは、その回転軸の方向に振動するように駆動することができる。これは、1つ又は複数のロールのために行なうことができる。重なり合うように調整されるロールUW、ZUW及びATWの長さは、塗布すべき潤滑剤の一様な分布を支援する。
図5による伝達ロールUWの配設の場合、このロール及びその浸漬槽TWの上に、ブラシロールBWが回転駆動可能に配設されており、このブラシロールの弾性的なブラシ要素BEは、潤滑剤を伝達ロールUWの表面から中間伝達ロールZUWの表面に放擲する。この中間伝達ロールから、潤滑剤は、図1による形成の場合のように、塗布ロールATWに伝達され、この塗布ロールから、刻印するようにワークロールAWの表面に押し付けられる。ブラシロールBWと中間伝達ロールZUWとの間には、図2による形成の場合のように、摺動可能なディスクブラインドSBが配設されており、このディスクブラインドによって、潤滑剤は、中間伝達ロールZUWの表面の作用領域及びこの中間伝達ロールを介して塗布ロールATWの表面の作用領域に対して、幅に依存して、例えば圧延ストリップWBの縁部潤滑のためにも、作用させることができる。
異なった2つの装置の形成形式を有する多ロールスタンドのロールを経る半径方向断面の図を、概略図に示す。 他の装置の形成形式を有する図1の部分図を拡大したスケールで示す。 更に他の装置の形成形式に対する平面図を概略図に示す。 更に他の装置の形成形式に対する平面図を図3による図に対応するように示す。 更なる装置の形成形式を概略図に示す。
符号の説明
SW1 バックアップロール
SW2 バックアップロール
AW ワークロール
AW1 ワークロール
AW2 ワークロール
KE 冷却装置/アンチピーリング装置
WR 圧延方向
WB 圧延ストリップ
ATW 塗布ロール
UW 伝達ロール
ZUW 中間伝達ロール
AS スクレーパ
ASU スクレーパ
SD スプレー噴射ノズル
QR 圧搾ローラ
EB 無端ベルト
UR リターンプーリ
TW 浸漬槽
SPD スプレーノズル
SB ディスクブラインド
WBR 圧延ストリップ縁部
PF 二重矢印
BW ブラシロール
BE ブラシ要素
QR 圧搾ローラ

Claims (7)

  1. ストリップを圧延するためのバックアップロール及びワークロール(SW;AW)を有する多ロールスタンドにおいてロールの周面に潤滑剤を塗布するための装置であって、この装置によって、潤滑剤が、それぞれ、圧延ストリップ(WB)に作用するワークロール(AW)の周面に塗布され、この潤滑剤の塗布が、ワークロール(AW)の周面に押付け可能な塗布ロール(ATW)又は回動する無端ベルト(EB)を介して行なわれ、その周面に、潤滑剤が、中間ロール装置介して又は直接、浸漬ロール装置、スプレー装置又はブラシ放擲装置によって塗布される、装置において、
    担体対に、それぞれ、塗布ロール(ATW)が、中間ロール装置と、浸漬ロール装置、スプレー装置又はブラシ放擲装置と共に配設され、担体対に、それぞれ、無端ベルト(EB)が、スプレー装置と共に配設され、対の担体が、圧延ストリップ(WB)のそれぞれの幅方向縁部(WBR)の上のワークロール(AW)の両方の端部の領域の位置から相対するように圧延ストリップ(WB)の幅方向中央の領域に及びその逆に摺動可能であり、これにより、ワークロール(AW)の周面の選択された部分領域に対する潤滑剤の塗布が、ワークロールの軸に対して平行塗布ロール(ATW)又は無端ベルト(EB)の調節可能な摺動によって行なわれること、担体及び/又はロールの1つ又は複数が、回転軸に平行な振動機構を備えることを特徴とする装置。
  2. ブラシ放擲装置が、浸漬ロールに軸平行に付設された、この浸漬ロールの周面に作用するブラシロール(BW)から成り、このブラシロールのブラシ要素(BE)が、潤滑剤を、その周面から中間ロール装置及びワークロールの方向に放擲することを特徴とする請求項1に記載の装置。
  3. その押付け面が、潤滑剤のスプレー作用を受け、その外面及び内面に、圧力調節可能に作用可能な配量ローラ対(QR)が付設されていることを特徴とする回動する無端ベルトを有する請求項1に記載の装置。
  4. スプレー装置もしくはブラシ放擲装置の後に配設された、その回転軸に対して平行に摺動可能なカバーブラインドが設けられていることを特徴とする請求項1に記載の装置。
  5. 塗布ロール(ATW)が、液体又はペースト状の物質を収容する弾性材料によって被覆されていることを特徴とする請求項1に記載の装置。
  6. 1つ又は複数の担体が、ロールスタンドと結合可能な独立した交換可能なカセットとして形成されていることを特徴とする請求項に記載の装置。
  7. 伝達ロール(UW)及び中間ロール(ZUW)が、異なった軸長さを備えることを特徴とする請求項に記載の装置。
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