JP4410398B2 - ポリプロピレン系樹脂発泡シート積層体及び容器 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、ポリプロピレン系樹脂発泡シート積層体及び容器に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、ポリスチレン系樹脂発泡シートを熱成形することにより得られる食品包装用容器等が広く使用されてきた。これらの容器は軽量性、外観、剛性、断熱性に優れ、包装材料として好適なものであるが、近年の電子レンジの普及により、耐熱性等が更に要求されるようになってきた。
【0003】
一方、ポリスチレン系樹脂発泡シートに替わる熱成形用発泡シートの素材として、最近、ポリプロピレン系樹脂発泡シートが注目されている。この発泡シートは、長鎖分岐を有する高溶融張力タイプのポリプロピレン系樹脂が米国モンテル社により開発されたことを期に、該樹脂を原料として押出発泡法により製造されたものである。
【0004】
しかしながら、このポリプロピレン系樹脂発泡シートは、耐熱性においては従来のポリスチレン系樹脂発泡シートに優れるものの、軽量性、剛性、断熱性が不充分で、これらについては未だ改良の余地を残すものであった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
前記不都合を解消し、軽量性及び断熱性に富むと共に高い剛性を有するポリプロピレン系樹脂発泡シートを得る手段として、発泡倍率が高いポリプロピレン系樹脂発泡シートに非発泡樹脂層を熱ラミネートにより積層する方法(特開平6−906号公報)が試みられた。しかし、この方法では積層可能なフィルム厚みに限界があって、充分な剛性を得ることができなかった。ホットメルト等の接着剤を介しフィルムをラミネートすれば、高厚みのフィルムを積層することはできるが、耐熱性の低下を避けることができないという弊害が生じる方法であった。
【0006】
また、共押出によりポリプロピレン系樹脂発泡シートと非発泡樹脂層を積層する方法(特開平1−166942号公報、特開平5−288442号公報)も試みられた。
しかしながら、共押出法においては非発泡樹脂層と発泡層をダイ内で積層するので、非発泡樹脂層の厚みを厚くすると、発泡層が非発泡樹脂層の熱におかされて得られる発泡シートが連続気泡になるので、発泡シートの表面が熱成形の際に凹凸状になるという不都合が発生した。
【0007】
一方、従来から樹脂発泡シートに非発泡樹脂層を介して樹脂フィルムを積層する押出ラミネート技術が知られている。しかしながら、かかる技術をポリプロピレン系樹脂発泡シートとポリプロピレン系樹脂フィルムとの積層に応用すると、該方法により得られた積層シートは電子レンジ等による加熱時にフィルムの一部に剥離が生ずる虞があった。又、意匠性を向上させることを目的として印刷層が形成されたポリプロピレン系樹脂フィルムを非発泡樹脂層を介してポリプロピレン系樹脂発泡シートに積層すると、該積層シートから得られた容器の電子レンジによる加熱時に、印刷層とポリプロピレン系樹脂フィルムとが剥離するという問題があった。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、軽量性、耐熱性に優れると共に剛性にも優れ、更に印刷層を有する外観が美麗なポリプロピレン系樹脂発泡シート積層体、及び該積層体から得られた容器であって、電子レンジで加熱された場合であっても表面のポリプロピレン系樹脂フィルムと印刷層とが剥離することがない容器を提供することを目的とする。
【0009】
本発明のポリプロピレン系樹脂発泡シート積層体は、表面からポリプロピレン系樹脂フィルム、印刷層、ポリプロピレン系樹脂層、ポリプロピレン系樹脂発泡シートが順に積層されている発泡シート積層体であって、該積層体のポリプロピレン系樹脂フィルム面側の中心線平均粗さが1〜20μmの範囲内であり、ポリプロピレン系樹脂フィルムと印刷層との剥離強度が4.3N/25mm以上であり、
ポリプロピレン系樹脂層が、温度230℃、荷重21.18Nの条件下におけるメルトフローレイトが0.8g/10分以上、且つ270℃における溶融張力が0.6cN以上のポリプロピレン系樹脂を押出ラミネートして形成されたものである、ことを特徴とする。
【0011】
前記ポリプロピレン系樹脂発泡シート積層体の坪量は、450g/m2以下であることが好ましく、前記ポリプロピレン系樹脂発泡シートの見かけ密度は、0.1〜0.2g/cm3であることが好ましい。
【0012】
前記ポリプロピレン系樹脂フィルムの引張強度は、23℃において2MPa以上であることが好ましく、その縦方向及び横方向の引張伸び率は、23℃において300%以上であることが好ましい。
【0015】
本発明の容器は、前記ポリプロピレン系樹脂発泡シート積層体を熱成形してなる容器であって、該積層体のポリプロピレン系樹脂フィルム面が容器収納部の内面に位置していることを特徴とする。該容器は、電子レンジ加熱食品用容器として使用することが好ましい。
【0016】
【発明の実施の形態】
本発明のポリプロピレン系樹脂発泡シート積層体(以下、「発泡シート積層体」という。)は、表面からポリプロピレン系樹脂フィルム(以下、「樹脂フィルム」という。)、印刷層、ポリプロピレン系樹脂層(以下、「非発泡樹脂層」という。)、ポリプロピレン系樹脂発泡シート(以下、「発泡シート」という。)が順に積層されている。即ち、本発明の発泡シート積層体は、基材としての発泡シートに非発泡樹脂層、印刷層、樹脂フィルムが順に積層されている多重構造を含む。
【0017】
本発明における発泡シートは、ポリプロピレン系樹脂を主成分とする。該ポリプロピレン系樹脂としては、プロピレンホモポリマーやプロピレンと他のモノマー成分との共重合体が挙げられる。共重合体の場合は、ブロック共重合体、ランダム共重合体、グラフト共重合体のいずれも用いることができ、更に二元系共重合体のみならず三元系共重合体を用いることもできる。これらのうち、本発明の発泡シートに用いるポリプロピレン系樹脂としては、剛性、耐熱性に優れるポリプロピレンホモポリマーや、耐熱性及び低温での耐衝撃性に優れるブロック共重合体、特にプロピレン−エチレンブロック共重合体が好ましい。
【0018】
上記ブロック共重合体の場合には、プロピレン以外の他のモノマー成分は20.0重量%以下で含有されていることが好ましく、ランダム共重合体の場合には5.0重量%以下の割合で含有されていることが好ましい。共重合体中に含有される他のモノマー成分がこれよりも多いと、ポリプロピレン本来の剛性、耐熱性等の特性が損なわれる虞れがある。
【0019】
プロピレンと共重合可能な他のモノマー成分としては、エチレン、1−ブテン、イソブチレン、1−ペンテン、3−メチル−1−ブテン、1−ヘキセン、3,4−ジメチル−1−ブテン、1−ヘプテン、3−メチル−1−ヘキセン等が挙げられる。
また、本発明の発泡シートにおいては、ポリプロピレン系樹脂は単独で用いるだけでなく、2種以上を混合して用いることもできる。更に、本発明のポリプロピレン系樹脂には、前記したようなポリプロピレン本来の特性が損なわれない範囲(好ましくは30重量%以下の範囲)で、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、直鎖状超低密度ポリエチレン、エチレン−ブテン共重合体、エチレン−無水マレイン酸共重合体等のエチレン系樹脂、ブテン系樹脂、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体等の塩化ビニル系樹脂、スチレン系樹脂等を混合することもできる。
【0020】
本発明の発泡シートは、上記ポリプロピレン系樹脂を主成分とし、210℃の動的粘弾性測定における平衡コンプライアンス(J0)が、好ましくは1.2×10-3〜20.0×10-3Pa-1、更に好ましくは2.0×10-3〜15.0×10-3Pa-1の基材樹脂を押出発泡することによって得られる。
【0021】
基材樹脂の平衡コンプライアンス(J0)が1.2×10-3Pa-1未満の場合は、発泡シートを得ることができなくなる虞がある。
一方、平衡コンプライアンス(J0)が20.0×103Pa-1を超える場合は、得られた発泡シートの熱成形性が低下する可能性がある。
【0022】
上記平衡コンプライアンス(J0)は、動的粘弾性測定機(レオメトリックス・サイエンティフィック・エフ・イー社製のダイナミックアナライザーSR200型)により測定する。
【0023】
平衡コンプライアンス(J0)の測定は、具体的には次の様に求める。
まず、ヒートプレスにより温度260℃、圧力8000kPaの条件下で5分間プレス成形することにより得た厚さ2mmの測定用サンプル樹脂板から直径25mmの円盤サンプルを調製する。次に、このサンプルを動的粘弾性測定機の直径25mmのパラレルプレート間に挟んで210℃に昇温し、窒素雰囲気下において約10分間放置した後、パラレルプレートの間隔を1.4mmに調整し、パラレルプレートからはみ出した、溶融樹脂を取除く。次いで、窒素雰囲気下において溶融したサンプルに100Paの一定応力σcが加わるように上方のパラレルプレートを回転させて、一定応力σcを加え始めた時間t=0を基準に歪量γ(t)の経時変化を測定する。該歪量γ(t)は最初は急激に増加するが経時と共になだらかに増加するようになり、充分な時間が経過すると時間に対して直線的に変化する。
【0024】
尚、ダイナミックアナライザーSR200型の装置設定は、装置を制御するコンピューターのCRTに表示された画面に従って行うものとし、平衡コンプライアンス(J0)は装置上のオート機能により算出する。尚、図1にコンピューターのCRTに表示された装置設定の画面を示す。
【0025】
上記歪量γ(t)を一定応力σcで割って得られた値をクリープコンプライアンスJ(t)といい、下記(1)式で定義される。
【0026】
【数1】
J(t)=γ(t)/σc (1)
【0027】
クリープコンプライアンスJ(t)は、歪量γ(t)と同様に最初は急激に増加するが経時と共になだらかに増加し、充分な時間が経過すると時間に対して直線的に変化するようになる(図2に示す)。該直線状に変化するようになったクリープコンプライアンスJ(t)は、下記(2)式で表すことができる。
【0028】
【数2】
J(t)=J0+t/η (2)
【0029】
本明細書における平衡コンプライアンス(J0)は、(2)式におけるJ0として与えられる。即ちクリープコンプライアンスJ(t)を縦軸に、時間tを横軸にプロットした図において、クリープコンプライアンスJ(t)の直線部分を時間t=0に外挿したときの時間t=0における切片として与えられる。
【0030】
本明細書において使用するポリプロピレン系樹脂を主成分とし、特定の平衡コンプライアンス(J0)を有する基材樹脂としては、例えば、触媒技術によりポリプロピレン樹脂中に超高分子量のポリプロピレンやポリエチレン等のポリオレフィン成分を遍在することなく分散させ、特定の平衡コンプライアンス(J0)を満足する分子鎖の絡み合いを実現させたもの、ポリプロピレン系樹脂をイソプレンモノマー等により特定の平衡コンプライアンス(J0)を満足するように改質したもの等を使用することができる。具体的には、モンテル社製のポリプロピレン系樹脂「PF−814」や「SD−632」を選択することができる。
但し、本発明で使用する基材樹脂はポリプロピレン系樹脂を主成分とし、特定の平衡コンプライアンス(J0)を有するものが好ましいが、基材樹脂の合成方法、改質方法、調整方法は限定されない。
【0031】
本発明の発泡シートは、上記基材樹脂を押出発泡することによって得られる。該押出発泡としては、例えば上記基材樹脂を押出機内で加熱溶融、混練し、更に高温高圧下で発泡剤を注入、混練して発泡性溶融樹脂組成物とした後、押出機先端に設けられた環状ダイを通して大気圧下に押出して筒状に発泡させ、この筒状発泡体を押出方向に沿って切り開いて発泡シートとする等の方法が挙げられる。
【0032】
上記発泡剤としては、物理発泡剤、化学発泡剤が用いられる。物理発泡剤の中で、無機系のものとしては二酸化炭素、空気、窒素等が挙げられる。
物理発泡剤の中で有機系のものとしては、プロパン、n−ブタン、i−ブタン、ペンタン、ヘキサン等の脂肪族炭化水素、シクロブタン、シクロペンタン等の環式脂肪族炭化水素、クロロフロロメタン、トリフロロメタン、1,1−ジフロロエタン、1−クロロ−1,1−ジフロロエタン、1,1,1,2−テトラフロロエタン、1−クロロ−1,2,2,2−テトラフロロエタン、メチルクロライド、エチルクロライド、メチレンクロライド等のハロゲン化炭化水素等を用いることができる。また、化学発泡剤としては、アゾジカルボンアミド、ジニトロソペンタメチレンテトラミン、アゾビスイソブチロニトリル、重炭酸ナトリウム等を用いることができる。
【0033】
これらの発泡剤は適宜混合して用いることもできる。発泡剤の使用量は、発泡剤の種類、所望する発泡シートの発泡倍率等によっても異なるが、本発明の発泡シートを得るための発泡剤の使用量の目安は、基材樹脂100重量部当たり、物理発泡剤の場合、0.5〜25重量部(ブタン換算)程度である。
【0034】
本発明の発泡シートの製造においては、基材樹脂中に必要に応じて気泡調整剤を添加することができる。気泡調整剤としては、タルク、シリカ等の無機粉末や多価カルボン酸の酸性塩、多価カルボン酸と炭酸ナトリウム或いは重炭酸ナトリウムとの反応混合物等が挙げられる。気泡調整剤の添加量は基材樹脂100重量部当たり一般に3重量部程度以下が好ましい。
【0035】
更に必要に応じて基材樹脂に、帯電防止剤、流動性向上剤等や、所期の目的を妨げない範囲の量の着色剤等の各種添加剤を配合することもできる。更に、タルク、シリカ、炭酸カルシウム、クレー、ゼオライト、アルミナ、硫酸バリウム等を無機充填剤として添加することもできる。これら無機充填剤の添加量は樹脂と他の添加剤等を合計した総重量の40重量%を上限とすることが好ましい。上記無機粉末や無機充填剤は平均粒径が1〜70μmのものが好ましい。無機充填剤を添加すると得られた発泡シートの耐熱性、剛性が向上するとともに、発泡シートを焼却する際の燃焼カロリーを低下させることができる。
【0036】
本発明の発泡シートの見かけ密度は、通常、0.09〜0.4g/cm3であり、特に軽量性、剛性、断熱性、成形性の点で、見かけ密度が0.1〜0.2g/cm3であることが好ましい。見かけ密度が0.09g/cm3未満の場合は、熱成形によって得られる成形品の剛性が弱くなる虞や、成形品の角部や凹凸模様が明瞭に成形すること(以下、「金型再現性」という。)ができない等の熱成形性が悪化する虞がある。一方、見かけ密度が0.4g/cm3を超える場合は、発泡シート積層体の軽量性や、断熱性や、緩衝性が悪くなる虞がある。
【0037】
本明細書における見かけ密度の測定は、JIS K 6767に準拠して行なうものとする。
【0038】
本発明の発泡シートは、厚みが0.5〜4.0mmであり、0.5〜2.5mmであることが好ましく、0.8〜2.3mmであることが特に好ましい。
厚みが0.5mm未満の場合は、断熱性が悪くなる虞があり、4.0mmを超える場合は、熱成形の際の成形サイクルの低下、金型再現性の低下、軽量性の低下等の虞がある。
【0039】
次に、本発明における非発泡樹脂層について説明する。
本発明における非発泡樹脂層の厚みは、好ましくは20〜130μmであり、接着性、軽量性の点から、更に好ましくは30μm超、95μm未満、特に好ましくは35〜70μmである。
非発泡樹脂層の厚みが20μm未満の場合は、該非発泡樹脂層により発泡シートの剛性を補強するという効果が得られない虞があり、非発泡樹脂層の厚みが薄すぎる場合は、高温下での使用に耐え得るに十分な発泡シートとの接着強度が得られない。非発泡樹脂層の厚みが薄く、接着強度が弱いと、発泡シート積層体から熱成形によって得られた容器に食品を入れて電子レンジで加熱するような場合に、発泡シートからの剥離等が発生する。
非発泡樹脂層の厚みが130μmを超えると、容器等の種類によっては剛性は向上するが発泡シート積層体の軽量性が不充分となる。
【0040】
本発明の非発泡樹脂層は、押出ラミネートによって発泡シート上に形成される。押出ラミネートによれば、後述する構成の樹脂をフィルム状に押出加工することにより、発泡シートを損傷することなく目的とする厚みの非発泡樹脂層を形成することができる。
【0041】
非発泡樹脂層を構成するポリプロピレン系樹脂のメルトフローレイトは、温度230℃、荷重21.18Nの条件下において0.8g/10分以上であり、且つ270℃における溶融張力が0.6cN以上(好ましくは0.8cN以上、更に好ましくは1.0cN以上)のポリプロピレン系樹脂である。メルトフローレイトと溶融張力がこの範囲内であれば、必要な接着性が確保されると同時に黒点を発生させずに非発泡樹脂層を形成することができる。
【0042】
上記メルトフローレイトが0.8g/10分未満の場合は、樹脂の流れが悪いので押出ラミネートの温度設定を高くしなければならず、樹脂温度が高い状態で発泡シート積層体の製造を継続すると、押出機の中で発生した樹脂の劣化による黒点が非発泡樹脂層に混入し、非発泡樹脂層の外観を悪くする虞があるので黒点を除去するための考慮が必要である。
尚、メルトフローレイトの上限値は、加工性の面からおおむね20g/10分である。また、黒点は押出樹脂温度が300℃を超えると発生する虞があり、黒点を発生させないためには押出樹脂温度は300℃未満が好ましく、更に290℃以下が好ましく、特に280℃以下が好ましい。
【0043】
また、溶融張力が0.6cN未満の場合は、上記条件下におけるメルトフローレイトが0.8g/10分以上であっても樹脂の溶融状態における粘度が小さすぎて、厚みが均一で、発泡シートとの接着性が良い非発泡樹脂層を形成できなくなる虞がある。尚、該溶融張力の上限値は加工性、得られた発泡シート積層体の成形性の点から、おおむね30cNである。
【0044】
発泡シートと非発泡樹脂層との接着性が不充分な場合は、発泡シート積層体から熱成形によって得られた容器を用いて食品を包装し電子レンジで加熱すると、発泡シートと非発泡樹脂層との界面において、大きな剥離が発生したり、小さな剥離が現れたりする。
【0045】
本明細書におけるポリプロピレン系樹脂のメルトフローレイトは、JIS K 7210の表3の条件14により測定するものとする。
【0046】
本明細書における溶融張力(メルトテンション:MT)は、ASTM D1238に準拠して製作してある株式会社東洋精機製作所製のメルトテンションテスターII型を使用して、孔の直径2.095mm、長さ8mmのまっすぐな孔を有する円筒状のオリフィスを用い、樹脂温度270℃、ピストン速度10mm/分の押出条件で樹脂を紐状に押出し、この紐状物を直径45mmの張力検出用プーリーに掛けた後、5rpm/秒(紐状物の捲取り加速度:1.3×10-2m/秒2 )程度の割合で捲取り速度を徐々に増加させていきながら直径50mmの捲取りローラーで捲取ることによって測定する。
【0047】
メルトテンション(MT)を求めるには、次に、張力検出用プーリーに掛けた紐状物が切れるまで捲取り速度を増加させ、紐状物が切れた時の捲取り速度:R(rpm)を求める。次いで、R×0.7(rpm)の一定の捲取り速度において紐状物の捲取りを再度行い、張力検出用プーリーと連結する検出器により検出される紐状物のメルトテンションを経時的に測定し、縦軸にメルトテンションを、横軸に時間を取ったグラフに示すと、図3のような振幅をもったグラフが得られる。
【0048】
本明細書におけるメルトテンションとしては、図3において振幅の安定した部分の振幅の中央値(X)を採用する。但し、捲取り速度が500rpmに達しても紐状物が切れない場合には、捲取り速度を500rpmとして紐状物を捲き取って求めたグラフより紐状物のメルトテンションを求める。
【0049】
尚、メルトテンションの経時的測定の際に、まれに特異な振幅値が検出されることがあるが、このような特異な振幅値は無視するものとする。
【0050】
非発泡樹脂層を構成するポリプロピレン系樹脂の前記好ましい構成を満たすポリプロピレン系樹脂としては、プロピレンホモポリマーやプロピレンと他のモノマー成分との共重合体の中から前記構成を満たすことを基準に選択された樹脂が挙げられるが、剛性、耐熱性に優れるポリプロピレンホモポリマーの中から選択することが好ましい。
【0051】
共重合体の場合は、ブロック共重合体、ランダム共重合体、グラフト共重合体のいずれも用いることができ、更に二元系共重合体のみならず三元系共重合体を用いることもできる。
【0052】
上記ブロック共重合体の場合には、プロピレン以外の他のモノマー成分は20.0重量%以下で含有されていることが好ましく、ランダム共重合体の場合には5.0重量%以下の割合で含有されていることが好ましい。共重合体中に含有される他のモノマー成分がこれよりも多いと、ポリプロピレン本来の剛性、耐熱性等の特性が損なわれる虞れがある。
プロピレンと共重合可能な他のモノマー成分としては、エチレン、1−ブテン、イソブチレン、1−ペンテン、3−メチル−1−ブテン、1−ヘキセン、3,4−ジメチル−1−ブテン、1−ヘプテン、3−メチル−1−ヘキセン等が挙げられる。
【0053】
また、本発明の非発泡樹脂層においては、ポリプロピレン系樹脂は単独で用いるだけでなく、2種以上を混合して用いることもできる。更に、本発明の非発泡樹脂層には、前記メルトフローレイトと溶融張力の範囲内で、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、直鎖状超低密度ポリエチレン、エチレン−ブテン共重合体、エチレン−無水マレイン酸共重合体等のエチレン系樹脂、ブテン系樹脂、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体等の塩化ビニル系樹脂、スチレン系樹脂等(好ましくは30重量%以下の範囲)を混合したものも使用できる。
【0054】
また、本発明の非発泡樹脂層は、メルトフローレイトと溶融張力が前記の範囲に入るように、後述する発泡シートの回収原料と一般的な原料を混合することによっても構成することができる。かかる構成を採用すると、安価な発泡シート積層体を得ることができる。
【0055】
次に、本発明の発泡シート積層体における印刷層について説明する。該印刷層は、発泡シート積層体の外観を美麗なものとし高い商品価値を付与するために設けられる。印刷層は、着色された模様又はベタ印刷等からなり、好ましい態様としては、塩素化ポリプロピレン等のバインダーと有機顔料又は染料との混合物を主要成分とするインキにて形成されるものが挙げられる。
但し、インキの種類は本発明の目的を達成できるものであれば良く、上記のものに限定されるものではない。又、印刷層の模様の態様には制限はなく、幾何学図形、文字、記号等であっても良い。又、印刷層は発泡シート積層体の全面に設けることもできれば、部分的に設けることもできる。
【0056】
本発明における印刷層は、例えば、グラビア印刷、オフセット印刷等の公知の印刷法を用いて、予め後述する樹脂フィルムに形成し、該印刷層が形成された樹脂フィルムを印刷層が前記非発泡樹脂層と接するように積層することにより、本発明の発泡シート積層体が容易に形成される。
【0057】
次に、本発明の発泡シート積層体における樹脂フィルムについて説明する。樹脂フィルムが設けられていると、発泡シート積層体の外観がより美麗になる。又、印刷層が形成された樹脂フィルムを積層すると、発泡シート積層体の印刷層を容易に形成することができる。
【0058】
本発明の樹脂フィルムは、ポリプロピレンホモポリマー、ポリプロピレン共重合体等のポリプロピレン系樹脂を主成分(好ましくはポリプロピレン成分が50重量%以上のもの)とする無延伸、又は一方向若しくは二方向に延伸されたフィルムである。また、該樹脂フィルムは多層フィルムであってもよい。該フィルムは、厚みが好ましくは20〜50μm、更に好ましくは30μm超、45μm以下のものが使用される。このようなフィルムが積層された発泡シート積層体は、外観、成形性、剛性が更に向上したものとなる。樹脂フィルムの引張強度が、23℃において2MPa以上のものを使用すると、得られる発泡シート積層体の剛性が更に向上する。尚、該引張強度の上限は特に限定されないが、おおむね3MPa程度である。
【0059】
また、樹脂フィルムの縦方向及び横方向の引張伸び率は、23℃において300%以上であることが好ましい。樹脂フィルムの該引張伸び率が300%以上のものを使用することにより、得られる発泡シート積層体の熱成形性が更に向上し、均一な厚みの成形体を得ることができる上に、成形体の剛性等の機械的物性も向上する。尚、該引張伸び率の上限は特に限定されないが、おおむね2000%程度である。
【0060】
樹脂フィルムの引張強度及び引張伸び率は、JIS K 6767に準拠し、該樹脂フィルムからダンベル状1号形を切り出して使用し、チャック間距離70mm、引張速度500mm/分て行なうものとする。
【0061】
本発明の発泡シート積層体においては、樹脂フィルム面側の中心線平均粗さは1〜20μm、好ましくは1〜15μm、更に好ましくは1〜10μmの範囲内である。該中心線平均粗さは、発泡シート積層体の樹脂フィルム面の凹凸を数値化して示した値であり、印刷層と樹脂フィルムとが後述する加熱押圧手段により、混在して一体化された層の状態を示す指標である。
【0062】
上記中心線平均粗さが1μm未満の場合は、得られた容器を電子レンジで加熱すると、印刷層と樹脂フィルムとの間において直径数mmの火ぶくれ状の剥離(以下、「フクレ」という。)が発生する。一方、中心線平均粗さが20μmを超える場合は、樹脂フィルム表面の凹凸が大きくなりすぎて、該発泡シート積層体を熱成形することにより得られる容器の美感が損なわれる。
【0063】
本明細書における樹脂フィルム面側の中心線平均粗さは、株式会社小坂研究所製表面粗さ測定装置サーフコーダーSE−30Dを使用し、JIS B0601により、縦倍率500、横倍率10、基準長さ8.00mm、カットオフ値0.8mm、触針先端半径2μm、送り速さ0.1mm/secの条件で測定するものとする。
尚、中心線平均粗さの測定は、積層体幅方向の中心部及び両端部付近の計3ヶ所において行い、本発明の発泡シート積層体はそれら各部分の樹脂フィルム面側の中心線平均粗さが1〜20μmの範囲内のものである。
【0064】
本発明の発泡シート積層体においては、樹脂フィルムと印刷層との剥離強度が4.3N/25mm以上、好ましくは4.7N/25mm以上、更に好ましくは6.0N/25mm以上である。該剥離強度が4.3N/25mm未満の場合は樹脂フィルムと印刷層との接着が不充分なため、該発泡シート積層体を熱成形することによって得られた容器を電子レンジで加熱すると、印刷層と樹脂フィルムとの間において大きなフクレが発生する虞がある。
尚、樹脂フィルムと印刷層とが良好に接着し、両者を意図的に剥離しようとしても樹脂フィルムが材料破壊を起こして剥離強度を測定できない場合は、本発明にて特定される上記剥離強度が4.3N/25mm以上の場合に含まれるものとする。
【0065】
樹脂フィルムと印刷層との剥離強度の測定は、幅25mmの試験片を切り出し、JIS Z0237に準拠して、剥離速度200mm/分で90°剥離を行うものとする。尚、剥離強度は上記測定により縦軸に剥離強度、横軸に時間を取ってグラフを得るとほぼ一定した振幅を持ったグラフが得られる。そこで、本明細書における剥離強度は振幅の中央値を採用することとする。
【0066】
本発明の発泡シート積層体の坪量は、450g/m2以下、更に坪量が380g/m2以下であることが好ましく、坪量が350g/m2以下であることよりが好ましく、坪量が300g/m2以下であることが特に好ましい。坪量が大きいと軽量性がなくなると共に、高価なものとなる。尚、発泡シート積層体の坪量の下限は特に限定されないが、おおむね200g/m2程度である。
【0067】
本発明の発泡シート積層体においては、樹脂フィルム等が積層されていない発泡シートの表面にも、非発泡樹脂層、印刷層、樹脂フィルムを積層でき、樹脂フィルムのみや、非発泡樹脂層のみを積層することもできる。又、ポリスチレン系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリエステル系樹脂等のポリプロピレン系樹脂以外の樹脂層、樹脂発泡層、不織布層、織布層、金属箔層等を一層又は二層以上積層することもできる。
【0068】
本発明の発泡シート積層体の製造方法は、発泡シートの片面にポリプロピレン系樹脂を押出ラミネートすることにより非発泡樹脂層を形成すると共に、該樹脂層を介して、印刷層を該樹脂層側に有する樹脂フィルムを該発泡シートに積層して発泡シート積層体を得る行程と、得られた発泡シート積層体の樹脂フィルム面側を加熱押圧手段により加熱する行程とを含む。
【0069】
本発明の発泡シート積層体の製造方法においては、まず発泡シートの片面にポリプロピレン系樹脂を押出ラミネートすることにより非発泡樹脂層が形成されると同時に、印刷層が形成された樹脂フィルムが印刷層を発泡シート側に向けて供給されて、発泡シートと印刷層が形成された樹脂フィルムとが積層される。かかる工程によれば、樹脂フィルム、印刷層、非発泡樹脂層、発泡シートが順に積層された発泡シート積層体を容易に製造することができる。
【0070】
上記工程の具体的な一例を、図4に基づいて説明する。
図4において、1はラミネート装置を、2は発泡シートを、3,4はロールを、5はラミロールを、6はロール4とラミロール5とで形成される間隙を、7は非発泡樹脂層を、8はTダイを、9は印刷層が形成された樹脂フィルムを、10は長尺の該樹脂フィルムの供給ロールを、11はロールを、12はシワ取りロールを、13は発泡シート1と非発泡樹脂層7と印刷層と樹脂フィルムとの積層体をそれぞれ示す。
【0071】
まず、発泡シート2がラミネート装置1のロール3に導入され、次にロール4に沿わせながらロール4とラミロール5との間の間隙6に導入され、次に、ラミロール5に沿わせながら引取られる。このとき、ロール4とラミロール5とで形成される間隙6の上方に設けられたTダイ8からフィルム状に押出された非発泡樹脂層7が発泡シート2上に垂流される。同時に、印刷層が形成された樹脂フィルム9が樹脂フィルム供給ロール10からロール11、シワ取りロール12を通してロール4とラミロール5との間の間隙6に印刷層を発泡シート2側を向くように供給され、ロール4とラミロール5とで樹脂フィルム7と非発泡樹脂層7と発泡シート2とが圧着されると、積層体13が得られる。
【0072】
尚、ラミネート装置1は発泡シート2の製造ライン内に設け、発泡シート2の製造直後直ちに発泡シート積層体を製造することもできれば、別ラインで製造された発泡シート2をラミネート装置1に供給することによって積層体を製造することもできる。
【0073】
次に、このようにして得られた積層体の樹脂フィルム面側が、次工程において加熱押圧手段により加熱処理されると(図示はしない。)、本発明の発泡シート積層体が得られる。
【0074】
上記加熱押圧手段は、熱ロール又は加熱ベルトであることが好ましいが、装置の製作が容易で操作が簡便であることから、熱ロールによる手段がより好ましい。
尚、加熱押圧手段における押圧圧力は、ロールの包絡角、ロール、ベルト、板の押圧圧力により調整することができる。例えば、押圧圧力がシートに対して10〜20kgf/cm2になるように調整することが好ましい。
【0075】
又、加熱温度は発泡シート積層体の樹脂フィルム面側の表面温度が170〜230℃となるように調整することが好ましい。発泡シートを押し潰すことがない程度に押圧圧力を高め、発泡シートが二次発泡しない程度に充分樹脂フィルム面側の表面温度を高めることにより、本発明の所期の目的をより確実に達成することができる。
【0076】
発泡シート積層体は樹脂フィルム面側が熱ロール、加熱ベルト、熱板等に接触することにより押圧されて、樹脂フィルムを構成する樹脂の一部と印刷層を構成する樹脂の一部が混在する混在層が形成されることにより、両者の剥離強度が増大し、その結果、電子レンジ等で加熱された場合に問題となる樹脂フィルムのフクレの発生が防止されると考えられる。
尚、上記加熱押圧手段は熱ロールや加熱ベルトを使用すると、加熱と押圧を同時に行うことができるので好ましいが、本発明においてはこれらに限定されず、事前に近赤外線等で加熱を行い、遅滞なくロール、ベルト、板等で押圧する方法も採用できる。又、加熱押圧工程による加熱処理は、発泡シート積層体の製造ライン内に設け、該積層体の製造直後直ちに加熱処理を行なうこともできれば、別ラインで製造された発泡シート積層体を加熱押圧装置に供給することによって加熱処理を行なうこともできる。
【0077】
本発明の容器は、前記発泡シート積層体を熱成形してなる容器であって、容器収納部の内面に本発明発泡シート積層体の樹脂フィルム面が位置している。従って、該容器がトレイ等として使用されると、印刷層が設けられた表面が消費者の視覚の対象となるので、消費者の美感に訴えて高級な印象を与えることとなる。又、樹脂フィルムが内面側に位置しているので、油分の多い食品を加熱する場合でも樹脂フィルムのフクレがなく、耐熱性の点からも好ましい。
【0078】
本発明の容器は、真空成形、圧空成形や、これらの応用としてのフリードローイング成形、プラグ・アンド・リッジ成形、リッジ成形、マッチド・モールド成形、ストレート成形、ドレープ成形、リバースドロー成形、エアスリップ成形、プラグアシスト成形、プラグアシストリバースドロー成形等、あるいはこれらを組み合わせた方法により、前記本発明の発泡シート積層体を所望の形状に成形することによって得られる。
【0079】
このようにして得られた本発明の容器は、外観が美麗で、耐熱性、耐水性、耐油性、断熱性、保形性、剛性等に優れ、激しく加熱しても印刷層と樹脂フィルムが剥離することがないので、食品容器として食品を収納したまま電子レンジ内で調理したり再加熱する電子レンジ加熱食品用容器として好適である。
【0080】
【実施例】
以下、実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明する。
【0081】
実施例1〜5、比較例1において使用した発泡シートの基材樹脂の主原料はモンテル社製ホモポリプロピレン系樹脂「PF−814」を用い、発泡剤はノルマルブタン70重量%とイソブタン30重量%との混合発泡剤を用いた。
【0082】
実施例1〜5、比較例1における非発泡樹脂層は、発泡シートの回収原料と樹脂フィルムの回収原料との混合物を用い、発泡シートの回収原料と樹脂フィルムの回収原料との配合比を調節することにより、メルトフローレイトが10g/10分、溶融張力が1.4cNの非発泡樹脂層とした。
【0083】
実施例1,3〜5、比較例1における樹脂フィルムは、大阪樹脂加工株式会社製の厚み40μmの無延伸ポリプロピレンフィルム「40AT」を使用した。該樹脂フィルムの前記条件下における引張強度は押出方向(MD)2.3MPa、幅方向(TD)2.2MPa、引張伸びは押出方向(MD)670%、幅方向(TD)1200%であった。
【0084】
実施例2における樹脂フィルムは、大阪樹脂加工株式会社製の厚み30μmの無延伸ポリプロピレンフィルム「30AT」を使用した。該フィルムの前記条件における引張強度は押出方向(MD)2.3MPa、幅方向(TD)2.2MPa、引張伸びは押出方向(MD)670%、幅方向(TD)1200%であった。
【0085】
実施例1〜5
図4に示すラミネート装置1を使用して、表1に示す厚み、見かけ密度の発泡シート2をラミネート装置1に導入し、メルトフローレイト10g/10分、溶融張力1.4cNの非発泡樹脂層をTダイ8から押出樹脂温度270℃でフィルム状に押出して、ロール4とラミロール5との間の間隙6の上方から発泡シート2に垂流した。同時に、塩素化ポリプロピレンをバインダーとする印刷層が全面に設けられている前記無延伸ポリプロピレンフィルム「40AT」又は「30AT」を樹脂フィルムとして、間隙6の上方から印刷層を発泡シート2側に向けて非発泡樹脂層7に接触するように導入し、ラミロール5とロール4との間で圧着し、発泡シートと非発泡樹脂層と印刷層と樹脂フィルムとからなる積層体を製造した。
【0086】
次に、230℃に設定された直径400mmの回転する加熱ロールと、直径 300mmの回転するニップロールとの間を、積層体に対する加熱ロールの押圧圧力が面圧で15kgf/cm2になるように調整して、表1に示すライン速度で通過させて加熱押圧することにより、本発明の発泡シート積層体を製造した。
【0087】
比較例1
実施例1と同様に発泡シートと非発泡樹脂層と印刷層と樹脂フィルムとからなる積層体を製造した。但し、加熱押圧処理は施さなかった。
【0088】
実施例1〜5、比較例1において得られた発泡シート積層体を使用して、熱成形により、縦200mm、横200mmの略正方形の周縁部に、開口部直径170mm、深さ30mmの円形収納部を有するトレイを製造した。尚、熱成形に際して、発泡シート積層体の樹脂フィルム面が容器収納部の内面に位置するように成形を行った。
【0089】
実施例1〜5、比較例1において得られた発泡シート積層体の坪量(g/m2)、樹脂フィルム面側の中心線平均粗さ、樹脂フィルムと印刷層との剥離強度、得られた容器についての電子レンジ試験を行った際の印刷層と樹脂フィルムとの間における剥離状態の評価を表1に併せて示す。
尚、表1中の樹脂フィルム面側の中心線平均粗さは各発泡シート積層体の幅方向中心部分(表1中にて中心部と表す)、押出方向に向かって右側端から幅方向に10cm内側の部分(表1中にて右端部付近と表す)及び押出方向に向かって左側端から幅方向に10cm内側の部分(表1中にて左端部付近と表す)を中心として3カ所から測定試料を切り出し、該測定試料の樹脂フィルム面側において発泡シート積層体の幅方向と対応する方向の中心線平均粗さを前述の条件にて測定した。
又、表1中の樹脂フィルム面側の表面温度は、熱ロールにより樹脂フィルム面が加熱押圧された直後の該フィルム面温度を非接触式の赤外線温度計により測定した値である。
【0090】
【表1】
【0091】
電子レンジ試験
得られた容器についての印刷層と樹脂フィルムとの間における剥離状態の評価は次のように行った。
前記容器について、下記の電子レンジ試験を行ない容器収納部の内面を観察した。
▲1▼ ご飯120gと醤油2gとサラダ油2gを混ぜる。
▲2▼ ▲1▼の混合物を容器に入れ、ポリエチレンフィルムにて全体に3重のラップをかける。
▲3▼ 1600wの電子レンジで60秒加熱する。
▲4▼ 内容物を取り除き、容器の状態を観察し、次の基準にて評価した。
A:印刷層と樹脂フィルムとの間におけるフクレが全く発生しない。
B:印刷層と樹脂フィルムとの間に面積2mm2未満のフクレが発生している。
C:印刷層と樹脂フィルムとの間に面積2mm2以上、4mm2未満のフクレが発生している。
D:印刷層と樹脂フィルムとの間に面積4mm2超のフクレが発生している。
【0092】
樹脂フィルム面側の中心線平均粗さ、樹脂フィルムと印刷層との剥離強度が本発明の範囲内であれば、電子レンジ試験においてフクレは殆ど発生しないが、これらが本発明の範囲以下の場合は、大きなフクレが発生することが表1により示される。
【0093】
実施例1〜4において得られた発泡シート積層体の樹脂フィルム面の外観は、極わずかな表面凹凸が確認されるが該積層体を熱成形して得られた容器の収納部内面側の外観は、比較例1のものを熱成形して得られた容器の収納部内面側の外観と比較して殆ど遜色がないものであった。又、実施例5において得られた発泡シート積層体の樹脂フィルム面の外観は、多少の表面凹凸が見られるが該積層体を熱成形して得られた容器の収納部内面側の外観は、熱成形前と比較して表面凹凸は小さくなり、しぼ模様のようなつや消し表面であった。
【0094】
実施例1〜5、比較例1において得られた容器の剛性は、いずれも62N・m2/kg以上であり、食品収納容器として充分な剛性を有していた。
尚、該剛性は、株式会社エー・アンド・デイ製テンシロンRTM−500を用いて、容器周縁部を縦方向に圧縮速度500mm/分で圧縮し、元の寸法200mmに対して60%変形させた時の荷重を測定し、その荷重から次式により求めたものである。
【0095】
【数3】
[測定荷重(N)/発泡シート積層体の坪量(g/m2)]×1000=容器の剛性(N・m2/kg)
【0096】
【発明の効果】
本発明のポリプロピレン系樹脂発泡シート積層体は、表面からポリプロピレン系樹脂フィルム、印刷層、ポリプロピレン系樹脂層、ポリプロピレン系樹脂発泡シートが順に積層されている発泡シート積層体である。ポリプロピレン系樹脂発泡シートを基材とするので、断熱性、耐熱性に優れる。又、ポリプロピレン系樹脂層が設けられているので、強度、剛性が補強されると共に、発泡シートと印刷層との接着強度も補強される。更に、印刷層及びポリプロピレン系樹脂フィルムが設けられているので、優れた意匠性を有し外観が美麗である。
【0097】
本発明のポリプロピレン系樹脂発泡シート積層体は、ポリプロピレン系樹脂フィルム面側の中心線平均粗さが1〜20μmであり、ポリプロピレン系樹脂フィルムと印刷層との剥離強度が4.3N/25mm以上である。中心線平均粗さ及び剥離強度がこの範囲内であると、印刷層と樹脂フィルムとの間で剥離が発生することを防ぐことができ、該積層体を熱成形して得られた容器を電子レンジで加熱した場合であっても、印刷層と樹脂フィルムとの間におけるフクレの発生を防ぐことができる。
【0098】
又、ポリプロピレン系樹脂フィルム面側の中心線平均粗さが1〜20μmであることにより、ポリプロピレン系樹脂フィルムが艶消し調のしっとりとして落ち着いた外観となる。
【0099】
本発明のポリプロピレン系樹脂発泡シート積層体においては、ポリプロピレン系樹脂層が、温度230℃、荷重21.18Nの条件下におけるメルトフローレイトが0.8g/10分以上、且つ270℃における溶融張力が0.6cN以上のポリプロピレン系樹脂を押出ラミネートして形成されたものであるという構成を採用すると、ポリプロピレン系樹脂発泡シートとポリプロピレン系樹脂層との特に良好な接着性を保ちながら、容易にポリプロピレン系樹脂層を形成することができる。
【0100】
本発明のポリプロピレン系樹脂発泡シート積層体は、ポリプロピレン系樹脂発泡シート積層体の坪量が450g/m2以下であるという構成を採用すると、優れた軽量性を保持しながら高い剛性を有するものとなり、且つ安価なものとなる。
【0101】
本発明のポリプロピレン系樹脂発泡シート積層体は、ポリプロピレン系樹脂発泡シートの見かけ密度が0.1〜0.2g/cm3であるという構成を採用すると、軽量性、断熱性、緩衝性が特に優れたものとなる。
【0102】
本発明のポリプロピレン系樹脂発泡シート積層体においては、ポリプロピレン系樹脂フィルムの引張強度が、23℃において2MPa以上であるという構成や、縦方向及び横方向の引張伸び率が、23℃において300%以上であるという構成を採用すると、得られる発泡シート積層体の剛性や熱成形性を向上させることができる。
【0103】
ポリプロピレン系樹脂発泡シート積層体の製造方法は、ポリプロピレン系樹脂発泡シートの片面にポリプロピレン系樹脂を押出ラミネートすることによりポリプロピレン系樹脂層を形成すると共に、該樹脂層を介して、印刷層を該樹脂層側に有するポリプロピレン系樹脂フィルムを該発泡シートに積層して発泡シート積層体を得る行程と、得られた発泡シート積層体のポリプロピレン系樹脂フィルム面側を加熱押圧手段により加熱する行程とを含む。前者の工程によれば、樹脂フィルムと、印刷層と、非発泡樹脂層と、発泡シートとが順に積層された発泡シート積層体を容易に製造することができる。後者の工程によれば、印刷層と樹脂フィルムとの間で接着強度が高い良好な発泡シート積層体を製造することができる。よって、この方法によって得られた発泡シート積層体は該積層体を熱成形して得られた容器を電子レンジで加熱した場合であっても、印刷層と樹脂フィルムとの間におけるフクレの発生を防ぐことができるものとなる。
【0104】
加熱押圧手段として熱ロール又は加熱ベルトを使用すると、加熱と押圧とを同時に行うことができるため容易にポリプロピレン系樹脂発泡シート積層体を加熱押圧できる。
【0105】
本発明の容器は、上記ポリプロピレン系樹脂発泡シート積層体を熱成形してなる容器であって、容器収納部の内面にポリプロピレン系樹脂フィルムが位置している。かかる構成をトレイ等の容器において採用すると、印刷層が設けられた表面が消費者の視覚の対象となるので、消費者の美感に訴えて高級な印象を与えることとなる。又、樹脂フィルムが内面側に位置しているので、耐熱性等の点からも好ましいものとなる。
【0106】
上記容器は、外観が美麗で、耐熱性、耐水性、耐油性、断熱性、保形性、剛性等に優れ、電子レンジにて加熱しても印刷層と樹脂フィルムとが剥離することがないので、食品を収納したまま電子レンジ内で調理したり再加熱する電子レンジ加熱食品用容器として好適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】コンピューターのCRTに表示されたダイナミックアナライザーSR200型の装置設定画面である。
【図2】クリープコンプライアンスJ(t)と時間との関係の一例を示すグラフである。
【図3】メルトテンションテスターのノズルから樹脂を紐状に押出して、捲取り速度一定として紐状の樹脂を捲取りローラーで捲取ったときのメルトテンション(MT)の経時変化を示すグラフである。
【図4】本発明のプロピレン系樹脂発泡シート積層体の製造に使用する押出ミネート装置の一例を示す図面である。
【符号の説明】
1 押出ミネート装置
2 発泡シート
7 非発泡樹脂層
9 樹脂フィルム
Claims (7)
- 表面からポリプロピレン系樹脂フィルム、印刷層、ポリプロピレン系樹脂層、ポリプロピレン系樹脂発泡シートが順に積層されている発泡シート積層体であって、
該積層体のポリプロピレン系樹脂フィルム面側の中心線平均粗さが1〜20μmの範囲内であり、
ポリプロピレン系樹脂フィルムと印刷層との剥離強度が4.3N/25mm以上であり、
ポリプロピレン系樹脂層が、温度230℃、荷重21.18Nの条件下におけるメルトフローレイトが0.8g/10分以上、且つ270℃における溶融張力が0.6cN以上のポリプロピレン系樹脂を押出ラミネートして形成されたものである、
ことを特徴とするポリプロピレン系樹脂発泡シート積層体。 - ポリプロピレン系樹脂発泡シート積層体の坪量が450g/m2以下であることを特徴とする請求項1記載のポリプロピレン系樹脂発泡シート積層体。
- ポリプロピレン系樹脂発泡シートの見かけ密度が0.1〜0.2g/cm3であることを特徴とする請求項1、又は2記載のポリプロピレン系樹脂発泡シート積層体。
- ポリプロピレン系樹脂フィルムの引張強度が、23℃において2MPa以上であることを特徴とする請求項1記載のポリプロピレン系樹脂発泡シート積層体。
- ポリプロピレン系樹脂フィルムの縦方向及び横方向の引張伸び率が、23℃において300%以上であることを特徴とする請求項1又は4記載のポリプロピレン系樹脂発泡シート積層体。
- 請求項1〜5のいずれかに記載のポリプロピレン系樹脂発泡シート積層体を熱成形してなる容器であって、該積層体のポリプロピレン系樹脂フィルム面が容器収納部の内面に位置していることを特徴とする容器。
- 電子レンジ加熱食品用容器であることを特徴とする請求項6記載の容器。
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