JP4410369B2 - 管の補修方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、地中に埋設され老朽化した管の補修方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、特公昭63−72985号公報には、老朽化した地下埋設管を鞘管とし、その中へ新管を挿入することにより該老朽埋設管を更生する工法が記載されている。
【0003】
上記公報では、取付管が分岐された老朽管の内部に更正新管を挿入し、裏込め剤を老朽管と更生新管との間隙に充填する老朽管更生工法において、取付管内径とほぼ同じ外径を有する可撓性のライニングチューブをその内部に圧搾空気を送風することにより複形させて前記取付管内面に接触させる工程と前記ライニングチューブ内に挿入したゴム製エアープラグを前記丸穴及び前記取付管の分岐根元近傍にてその内部に圧搾空気を送り込むことにより膨らませ、ライニングチューブの先端部近傍を更生新管の丸穴周辺の内面、丸穴の開口端面及び取付管の分岐根元内面に圧着させる工程を含み、ライニングチューブを膨らませてライニングチューブの先端部近傍を更生新管の丸穴周辺の内面、丸穴の開口端面及び取付け管の分岐根元内面に圧着できるようになされている。
【0004】
又、管の補修方法として、特開昭63−152794号公報の記載がある。
上記公報記載では、管の口径に応じて円周方向に複数枚に分割された熱可塑性樹脂製にして矩形状の補修板をマンホール内に搬入し、管内において、管の内周面と間隙を存して前記各補修板の長手方向の縁辺を連結して補修円周を組立て、該補修円筒を直列接続して管の全長に亘り配設し、前記間隙に時間経過により硬化する充填材を注入する。
【0005】
このように、補修する管の口径に応じて円周方向に複数枚に分割した補修板を管内で組み立てる方法であるので、従来方法の如く開剤工事をすることなく、中口径以上の管の補修が可能であり、又、従来方法の如くスパイラル製管機の設置を要せず、補修施工を簡単容易に行うことができるようになされている。
【0006】
上記にように老朽化した管の内部に筒状になったライナー(帯状体)を挿入して管内壁に付着する方法では、図8に示す様に、既設管30の内壁にライナー25を事前にライナー30の先端部251をライナー30の内部に裏返しておいて既設管30に挿入設置して、ライナー25の内部252を空気圧で膨らませながら既設管30の内側に貼り付けていく反転工法が用いられている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上記のような反転工法では、図9に示す様に、既設管30の曲線部分では、曲線部の曲面のライナー25の外周面253と内周面254ではライナー25の当接長さが相違して、外周面254ではライナーは延伸されて平滑な補修仕上げ面となるが、内周面254では反対にライナー25は圧縮されてライナー表面にシワが生じ平滑に補修できないといった問題があった。
【0008】
本発明は、上記のこのような問題点に着眼してなされたものであり、その目的は、曲がりを有する管内面を平滑に補修できる管の補修方法を提供するものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の管の補修方法は、長尺の熱可塑性樹脂のシートからなり、一方向に配列した湾曲部と、該湾曲部の折り曲げた角部の一方に接続したヒレ部とが設けられ、該ヒレ部は対向する他方の角部に重なるようにした帯状体を既設管の管内面に挿入して管内面を補修する管の補修方法であって、
前記帯状体を湾曲部の突出した面を管内面に当接させ、且つ湾曲部の配列を管軸と直交するようにして、前記帯状体を渦巻き状にして管に挿入して、管内面で拡径させた後、重なったヒレ部を加熱融着させて、管内面に付着させるものである。
【0010】
【作用】
本発明の管の補修方法は、前記帯状体を湾曲部の突出した面を管内面に当接させ、且つ湾曲部の配列を管軸と直交するようにして、前記帯状体を渦巻き状にして管に挿入して、管内面で拡径させた後、重なったヒレ部を加熱融着させて、管内面に付着させるので、曲がり部のある管内面でも湾曲部で当接長さが調整され、且つヒレ部で帯状体が折り重なるようになされ、平滑な管内面に補修することができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
図1は、本発明の管の補修方法を示す断面図、図2は、本発明の管の補修方法に用いる帯状体を示す断面図、図3は、帯状体を渦巻き状にして管に挿入する状態を示す断面図、図4は、帯状体が管内で拡径された状態を示す断面図、図5は、融着具を帯状体に当接した状態を示す説明図、 図6は、融着具を示す斜視図、図7は融着具の動作を示すに説明図である。
【0012】
図1に示すように、本発明の管の補修方法は、老朽化した既設管15の管内面151に挿入する帯状体10を前記管内面151に付着させて既設管15の内面を平滑に補修する既設管15の補修方法である。管内面151は、直管部と分岐部の曲がり部等が形成されている。又、既設管15の内面には老朽化の為に亀裂等により表面は、凹凸な面となっている。
【0013】
既設管15は、管軸方向に曲がった部分を示している。既設管15の内面には帯状体10を当接させて、帯状体10を既設管15の内面151に張って付着させるようになされている。
【0014】
図2に示すように、管内面151に当接される帯状体10は、熱可塑性樹脂を長尺のシート状にして形成されている。帯状体10の表面には、一方向に配列した湾曲部101と、湾曲部101の直線のシートが折れ曲がった一方の屈曲部102に延伸したヒレ部103が設けられている。
【0015】
湾曲部101は、帯状体10を形成するシートの一方向に配列するように設けられている。帯状体10は、管内面151に突起した湾曲部101を向けて当接するようになされている。湾曲部101の配列は挿入する既設管15の管軸方向と直交するように配列されている。
【0016】
湾曲部101は、折れ曲がった一方の角部102と対向する他方の角部102とは隙間が設けられている。このため帯状体10は、湾曲部101によって、湾曲部」101と直交する方向に伸縮自在になされている。
【0017】
湾曲部101の折れ曲った角部102の一方には、延伸したヒレ部103が設けられている。ヒレ部103は、一方の角部102から延伸して、他方の角部102に重なるように伸ばされている。
【0018】
ヒレ部103は、一方の角部102を延伸して他方の角部に重なるようになされている。そのためヒレ部103によって、角部と角部に隙間空間が遮蔽されるようになされている。
【0019】
図3に示すように、帯状体10は、渦巻き状に折り曲げて既設管15に挿入される。
帯状体10は、挿入して付着する既設管15の管内面151の円周の長さよりやや長めに裁断されて、渦巻き状に巻かれている。
【0020】
図4に示すように、渦巻き状にして挿入された帯状体は既設管15の管内面151で拡径される。拡径された帯状体の接合部104は重なるようになされて接合されている。端部を重ねあわせた接合部104は、予め湾曲部101は切り落とし、シワにならないようになされている。
【0021】
図5に示すように、管内面151に当接された帯状体10は、融着具20で熱融着される。融着具20には、帯状体を加熱して熱融着できる融着ヘッド201が帯状体10の内面106に当接するように取り付けられている。
【0022】
図6、図7に示すように、融着具20は、軸203にバネ202を介して融着ヘッド201が取り付けられている。融着具20は、軸203を搬送装置(不図示)に取り付けられて管内面151を移動できるようになされている。
【0023】
融着具20の先端に設けられた融着ヘッド201は、帯状体10を管内面151に6当接できるように、湾曲した形状になされている。融着ヘッド201は、バネ202で管内面151の方向に伸縮できるようになされている。融着ヘッド210は4個仕様でも1個仕様でも適宜選択すればよい。
【0024】
融着ヘッド201には、ヒーター(不図示)が内蔵されている。融着ヘッド201に内蔵されたヒーターによって、帯状体10を管内面151に押し付けるようにして帯状体10を溶かして付着することができる。
【0025】
又、本発明の管の補修方法は、前記帯状体10が熱融着可能な熱可塑性樹脂、例えばポリエチレン等のポリオレフィン系の熱可塑性樹脂を押し出し型材で成形して制作することができる。このように、押し出し型材で形成できるので、廉価で均一な帯状体10にすることができる。
【0026】
この様に、本発明の管の補修方法においては、既設管15に挿入される前記帯状体10が、管軸と直交する方向に配列した湾曲部101が設けられているので、湾曲されたことによって、伸縮自在の帯状体10とすることができ、管内面151が曲がっても、曲がりによって相違する管内面151の当接長さが相違してもシワが生じることはない。
【0027】
更に、帯状体10の湾曲部101の折り曲げた角部102の一方を延伸したヒレ部103が設けられているので、湾曲部101の角部102と角部102に隙間を覆うようになされ、帯状体10に切れ目なく張って付着することができる。
【0028】
このようにして、前記帯状体10の湾曲部101の突起した面を管内面151に当接させ、且つ湾曲部101の配列を管軸と直交するようにして、前記帯状体10を渦巻き状にして既設管15に挿入して、管内面151で拡径させた後、管内面151に張って付着させるので、曲がり部のある管内面151でも湾曲部101で当接長さが調整され、且つヒレ部で帯状体10が折り重なるようになされ、平滑な管内面151に補修することができる。
【0029】
【発明の効果】
本発明の管の補修方法は、前記帯状体を湾曲部の突出した面を管内面に当接させ、且つ湾曲部の配列を管軸と直交するようにして、前記帯状体を渦巻き状にして管に挿入して、管内面で拡径させた後、重なったヒレ部を加熱融着させて、管内面に付着させるので、曲がり部のある管内面でも湾曲部で当接長さが調整され、且つヒレ部で帯状体が折り重なるようになされ、平滑な管内面に補修することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の管の補修方法を示す断面図である。
【図2】本発明の管の補修方法に用いる帯状体を示す断面図である。
【図3】帯状体を渦巻き状にして管に挿入する状態を示す断面図である。
【図4】帯状体が管内で拡径された状態を示す断面図である。
【図5】融着具を帯状体に当接した状態を示す説明図である。
【図6】融着具を示す斜視図である。
【図7】融着具の動作を示す説明図である。
【図8】従来のライナー(帯状体)の管内面の付着方法を示す断面図である。
【図9】従来のライナー(帯状体)が管の曲がり部に付着した状態を示す断面図である。
【符号の説明】
10 帯状体
101 湾曲部
102 付け根
103 ヒレ部
104 接合部
105 外面
106 内面
15 既設管
151 管内面
20 融着具
201 融着ヘッド
202 バネ
203 軸

Claims (1)

  1. 長尺の熱可塑性樹脂のシートからなり、一方向に配列した湾曲部と、該湾曲部の折り曲げた角部の一方に接続したヒレ部とが設けられ、
    該ヒレ部は対向する他方の角部に重なるようにした帯状体を既設管の管内面に挿入して管内面を補修する管の補修方法であって、
    前記帯状体を湾曲部の突出した面を管内面に当接させ、且つ湾曲部の配列を管軸と直交するようにして、前記帯状体を渦巻き状にして管に挿入して、管内面で拡径させた後、重なったヒレ部を加熱融着させて、管内面に付着させることを特徴とする管の補修方法。
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