JP4409351B2 - 導電性ローラの製造方法 - Google Patents

導電性ローラの製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP4409351B2
JP4409351B2 JP2004133836A JP2004133836A JP4409351B2 JP 4409351 B2 JP4409351 B2 JP 4409351B2 JP 2004133836 A JP2004133836 A JP 2004133836A JP 2004133836 A JP2004133836 A JP 2004133836A JP 4409351 B2 JP4409351 B2 JP 4409351B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
conductive support
coating
elastic layer
roller
conductive
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2004133836A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2005316123A (ja
Inventor
圭太郎 山口
隆信 渡邊
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Canon Chemicals Inc
Original Assignee
Canon Chemicals Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Canon Chemicals Inc filed Critical Canon Chemicals Inc
Priority to JP2004133836A priority Critical patent/JP4409351B2/ja
Publication of JP2005316123A publication Critical patent/JP2005316123A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4409351B2 publication Critical patent/JP4409351B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Discharging, Photosensitive Material Shape In Electrophotography (AREA)
  • Dry Development In Electrophotography (AREA)
  • Cleaning In Electrography (AREA)
  • Electrophotography Configuration And Component (AREA)
  • Electrostatic Charge, Transfer And Separation In Electrography (AREA)
  • Rolls And Other Rotary Bodies (AREA)
  • Fixing For Electrophotography (AREA)

Description

本発明は、電子写真、複写機などの画像形成装置に用いる現像、帯電、転写、定着、加圧、クリーニング、除電等に用いる導電性ローラの製造方法に関する。
複写機、プリンタ等のOA機器は近年高速化が進んでおり、それに伴い感光体上の静電潜像をトナーにより可視化する現像プロセスにおいては、現像剤担持部材として弾性体を用い、感光体に均一に圧接して現像を行う接触現像方式が提案されている。この接触現像方式においては、現像剤担持部材は感光体への均一な圧接幅を確保するために、弾性材料により構成されると共に、電圧を印加してトナー像を感光体上に形成するために、均一な導電性や耐リーク性が求められる。そこで、例えば導電性支持体上に電子導電剤やイオン導電剤を分散し、所望の抵抗値に調整した弾性層を形成し、その外周に耐磨耗性やトナー帯電性、トナー搬送性を得るためにナイロン、ウレタン等の樹脂に、適宣表面粗さを確保するための粗し粒子や、導電性を確保するための導電剤を添加した表面層を設ける場合が多い。また現像剤担持部材の抵抗安定化のために弾性層と表面層の間に抵抗調整層(中間層)を設ける場合もある。
接触現像方式の場合、現像剤担持部材の最外層表面はトナーや感光体と接触するため、均一な面であることが要求される。例えば、表面層に膜厚ムラ(塗工ムラ)や気泡、スジが見られる場合、この跡が画像不良として現れてしまう。
一般に、耐磨耗性やトナー帯電性、トナー搬送性を得るために設けられる表面層を作製する方法としては塗工(コーティング)が用いられる。具体的にはディップ塗工やロールコート、スプレー塗布等の方法が用いられ数ミクロン〜数十ミクロンの膜が形成されるが、中でも均一な被覆層を形成することに優れているディップ塗工が用いられることが多い。
その際、塗料を付着させたくない場所にはマスキングを行うのが一般的である。通常マスキングの方法といえば、塗工対象物が板金のようなものであればシートを貼って防汚し、またローラのようなものは軸端部等にチューブやキャップを被せて塗工を行う方法がとられる。
従来、塗工液を用いてローラに被覆層を形成する場合は被覆層表面欠陥、ローラ端部の塗工ムラ、導電性支持体への塗工液付着等を防止するため、導電性支持体にチューブ形状やキャップ形状のマスキング部材を装着するのが一般的な方法となっている。
例えば特許文献1では、前記問題を解決するため、導電性支持体にマスキングチューブを被着する。これによると、塗布中或いは乾燥中に、マスキングチューブと導電性支持体の間、或いはマスキングチューブと弾性体端部の間に僅かに存在する空気が、ローラ端部部分の被覆に染み出して泡を生じ、この部分にピンホールを発生し易く、また被覆層が切れ易いという問題も解決すると記載されている。
しかしローラを垂直状態で塗工液中に浸漬するディップ塗工で、チューブ形状のマスキング用キャップを用いると、被覆層表面に欠陥を生じさせてしまう。詳しくはチューブ形状のマスキング用キャップが装着されたローラを垂直状態で塗工液中に降下していくとき、最初はチューブ中央の空洞部分に塗工液が入らず空気が溜まる。そしてローラが降下していき時間が経過すると、チューブ中央に溜まった空気に塗料中の揮発性のガスも加わる。更にローラが上昇に転じた場合、この空洞部のガスにかかっていた液圧がローラ上昇と共に小さくなるため、ガスが体積膨張し最終的に気泡が発生する。また別な気泡の発生の仕方としては、マスキングチューブと導電性支持体の間、或いはマスキングチューブとローラ端部との間に隙間があると、ローラを垂直状態で塗工液中に降下していくとき、隙間にわずかに存在する空気が、液圧によって染み出して気泡を発生する。
上記のようなかたちで発生した気泡は、塗工液面まで上昇するが、ローラと液面の表面張力の関係でローラ側に付着することもある。更に、ローラは降下、上昇するため、気泡は液面でローラ表面を擦るようなかたちになり、この跡が乾燥後もローラの長手方向にスジ状の凹欠陥となって残ってしまう。
気泡起因の欠陥に対する防止策として、ローラの液面浸入速度を遅くする方法や、塗工液中にシリコーンオイル等の消泡剤を添加する方法等が考えられるが、液面浸入速度に関しては塗布時間が長くなり、添加剤に関しては塗工液さらには製品に対する弊害もあり満足する結果は得られない。
特開平10−177290号公報(5頁)
以上のように、通常は、浸漬塗工時に塗工液中に空気を持ち込んでしまうということは、ローラの表面欠陥さらには画像不良に直結してしまう。よって塗工時に塗工液中に空気を持ち込まないようにすることが均一な被覆層を得るための有効な方法となる。しかしながら塗工前のローラ形状によっては塗工液中に空気を持ち込まずに塗工することが難しいローラもある。このような場合、マスキング用キャップの形状を工夫し、無理に塗工液中に空気を持ち込まないようにしようとしても、ローラ及びマスキングの精度ならびに個体差により塗工液中への空気の巻き込みを完全に無くすことは難しい。
本発明の目的は、表面欠陥のない被覆層を有する導電性ローラの製造方法を提供することである。
本発明は、以下によりその目的を達成するものである。
[1]ローラ軸としての導電性支持体と、該導電性支持体の外周に形成された弾性層と、該弾性層の外周面を被覆した被覆層と、を有し、該導電性支持体のローラ軸方向における両端が前記弾性層の端面から突出して導電性支持体露出部をなす導電性ローラの製造方法において、
(A)前記導電性支持体の外周に、
少なくとも一方の端面が、該導電性支持体が中央に位置しかつ該導電性支持体の外周を内周面としたリング状の空洞を含む凹構造を有する弾性層を形成する工程と、
(B)前記凹構造を有する側の導電性支持体露出部に、
該導電性支持体露出部を着脱自在に挿入し得る空洞部を有する筒状の形状を為し、該空洞部の入口となる端部の外径が前記凹構造の外周径よりも小さいマスキング用キャップを略嵌合状態で装着する工程と、
(C)前記被覆層を形成するための塗工液中に、前記マスキング用キャップを装着した側を下にして前記弾性体を浸漬し、前記弾性層外周面を前記塗工液で被覆する工程と、
(D)前記弾性層外周面の塗工液を乾燥して、被覆層とする工程と
有することを特徴とする導電性ローラの製造方法
本発明によれば、表面欠陥のない被覆層を有する導電性ローラの製造方法を提供できる。
(1)導電性ローラ及びその製造方法
本発明は、ローラ軸としての導電性支持体と、該導電性支持体の外周に形成された弾性層と、該弾性層の外周面を被覆した被覆層と、を有し、該導電性支持体のローラ軸方向における両端が前記弾性層の端面から突出して導電性支持体露出部をなす導電性ローラの製造方法において、
(A)前記導電性支持体の外周に、
少なくとも一方の端面が、該導電性支持体が中央に位置しかつ該導電性支持体の外周を内周面としたリング状の空洞を含む凹構造を有する弾性層を形成する工程と、
(B)前記凹構造を有する側の導電性支持体露出部に、
該導電性支持体露出部を着脱自在に挿入し得る空洞部を有する筒状の形状を為し、該空洞部の入口となる端部の外径が前記凹構造の外周径よりも小さいマスキング用キャップを略嵌合状態で装着する工程と、
(C)前記被覆層を形成するための塗工液中に、前記マスキング用キャップを装着した側を下にして前記弾性体を浸漬し、前記弾性層外周面を前記塗工液で被覆する工程と、
(D)前記弾性層外周面の塗工液を乾燥して、被覆層とする工程と
有することを特徴とする導電性ローラの製造方法である。
また、この方法により好適に製造可能な導電性ローラである。すなわち、ローラ軸としての導電性支持体と、該導電性支持体の外周に形成された弾性層と、該弾性層の外周面を被覆した被覆層と、有し、該導電性支持体のローラ軸方向における両端が前記弾性層の端面から突出して導電性支持体露出部をなす導電性ローラにおいて、
前記弾性層の少なくとも一方の端面が、該導電性支持体が中央に位置しかつ該導電性支持体の外周を内周面としたリング状の空洞を含む凹構造を有することを特徴とする導電性ローラである。
まず、(A)前記導電性支持体の外周に、少なくとも一方の端面が、該導電性支持体が中央に位置しかつ該導電性支持体の外周を内周面としたリング状の空洞を含む凹構造を有する弾性層を形成する。
図1及び図2には、本発明の実施形態の1つとして、導電性支持体の外周に弾性層を形成したものの断面図(図1:導電性支持体の軸方向に垂直な断面図、図1:導電性支持体の軸方向に平行な断面図)を示す。本例では、弾性層の両方の端面に、導電性支持体を取り囲むようにリング状の窪みが存在している。このように、本発明では、弾性層の少なくとも一方の端面において、導電性支持体が中央に位置しかつ導電性支持体の外周を内周面としたリング状の空洞を含む凹構造を有することが特徴である。
ローラ軸としての導電性支持体aとしては、鉄、銅、ステンレス等の金属材料の丸棒を用いることができる。さらにこれらの金属表面に防錆や耐傷性付与を目的としてメッキ処理を施しても構わない。導電性支持体の外径には特に制限はないが、通常4〜20mmのものを用いる。
弾性層bを形成する樹脂材料としては、例えば、天然ゴム、エチレンプロピレンゴム(EPDM)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、シリコーンゴム、ウレタンゴム、エピクロルヒドリンゴム、イソプレンゴム(IR)、ブタジエンゴム(BR)、ニトリルブタジエンゴム(NBR)、及びクロロプレンゴム(CR)等の合成ゴム、更にはポリアミド樹脂、ポリウレタン樹脂及びシリコーン樹脂等が挙げられる。好ましくは、シリコーンゴム、ウレタンゴムである。これら材料中にカーボンブラック、グラファイト及び導電性金属酸化物等の電子伝導機構を有する導電剤及びアルカリ金属塩や四級アンモニウム塩等のイオン伝導機構を有する導電剤を適宣添加し、所望の抵抗に調整して使用することができる。弾性層は1層でも良く、2層以上の多層構造とすることもできる。
弾性層bの形成方法としては、特に制限はない。例えば注型法の場合、金型の形状を対応する形状とすることにより、上記のような凹構造を、少なくとも一方の端面に形成することができる。この凹構造部分に、後述するマスキング用キャップを装着することになる。
凹構造を形成するリングの幅は、1〜5mmとすることが好ましく、凹構造の深さは2〜6mmとすることが好ましい。
次に、(B)前記凹構造を有する側の導電性支持体露出部に、該導電性支持体露出部を着脱自在に挿入し得る空洞部を有する筒状の形状を為し、該空洞部の入口となる端部の外径が前記凹構造の外周径よりも小さいマスキング用キャップを略嵌合状態で装着する。すなわち、次工程で塗工液に浸漬する際に、導電性支持体に塗工液が付着しないように、凹構造を有する側の導電性支持体露出部にマスキング用キャップを装着する。このマスキング用キャップの構造については別途詳細に説明するが、マスキング用キャップを装着した状態で、未だ弾性層の端面にはリング状の凹構造が存在することが重要である(図3〜図6参照)。
そして、(C)前記被覆層を形成するための塗工液中に、前記マスキング用キャップを装着した側を下にして前記弾性体を浸漬して、前記弾性層外周面を前記塗工液で被覆し、その後、(D)前記弾性層外周面の塗工液を乾燥して、被覆層とする。
被覆層(表面層)を形成する樹脂材料としては、例えば、フッ素樹脂、ポリアミド樹脂、アクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコーン樹脂、ブチラール樹脂、スチレン−エチレン・ブチレン−オレフィン共重合体(SEBC)及びオレフィン−エチレン・ブチレン−オレフィン共重合体(CEBC)等が挙げられる。好ましくは、ポリウレタン樹脂である。これらの樹脂材料に、静摩擦係数を小さくする目的でグラファイト、雲母、二硫化モリブデン及びフッ素樹脂粉末等の固体潤滑材、或いはフッ素系界面活性剤、ワックスまたはシリコーンオイル等を添加することもできる。また、被覆層に導電性を持たせるためには、各種導電剤(導電性カーボン、グラファイト、銅、アルミニウム、ニッケル、鉄粉及び金属酸化物である導電性酸化錫や導電性チタン等)を添加することもできる。さらに、耐磨耗性やトナー搬送性を得るために粗し粒子が加えられることが多く、この粗し粒子はポリメチルメタクリレート、ポリスチレン、ポリウレタン等の材質によって構成された球形状樹脂粒子を好適に使用することができる。
以上のような被覆層を形成するための成分を溶媒に溶解した塗工液を調製する。溶媒としては特に制限はなく、水及び/又は各種有機溶媒を使用することができる。有機溶媒としては、例えば、トルエン、キシレン、ヘキサン、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール等が挙げられる。このとき、粗し粒子を添加している場合は、使用する溶剤により粗し粒子の膨潤や溶解が起こらないように適宜選択すれば良い。溶媒の使用量は、弾性体表面に塗工可能な粘度となるように適宜調整することができる。通常、塗工液の粘度を1〜250mPa・sの範囲にすることが好ましいが、粘度は膜厚に大きく影響するため、特には5〜25mPa・sの範囲に調整することが好ましい。
この塗工液中に、前記マスキング用キャップを装着した側を下にして前記弾性体を浸漬し、前記弾性層外周面を前記塗工液で被覆する。その状態の一例を図9に示す。このとき、未だ弾性層の端面にはリング状の凹構造が存在している。
通常、この塗工工程において塗工液中に気泡が発生すると、その気泡の影響で被覆層にスジ状の凹欠陥が発生してしまう。したがって、従来の技術では、浸漬時に塗工液中に空気を持ち込まないようにのが良いとされる。しかしながら、塗工液中に空気を持ち込ませないというのは大変困難である。仮に弾性層端面の窪みを埋めるようなキャップ形状としても、大抵の場合は弾性層とキャップの僅かな隙間の影響で、浸漬時に微細な泡を噛むことになる。それに対し、本発明では、マスキング用キャップを装着した状態においても、未だ弾性層の端面にはリング状の凹構造が存在している。したがって、塗工液中に浸漬した時に、弾性層端面の凹構造部分にリング状となる空気が存在する。この空気は、マスキング用キャップの周りにリング状となって存在することで、前記の微細な泡と違い塗工液中でも安定して存在することができる。すなわち、被覆層にスジ状の凹欠陥が発生しなくなる。
弾性層の塗工液への進入速度は2〜50mm/sが望ましく、更には2〜30mm/sが望ましい。特に液面への進入速度が速すぎると、前記リング状の空気が流失し易く、また、マスキング用キャップや弾性層端部が液面突入の際、泡を巻き込み易くなる。
浸漬の際、塗工液は流れを持たない状態であることが好ましい。しかしながら、塗工液に導電剤や粗し粒子などの不溶解成分が含まれる場合には、塗工液を静止して塗工した場合には、弾性層上に形成された塗工面に、スジやムラ等の欠陥が発生することがあるため、上記のリング状の空気が安定して存在する条件であれば、適度な流速で流れていても構わない。ただし、乱流が発生するとリング状の空気が安定して存在することが難しくなるため、層流状態の流れであることが好ましい。
なお、上側となる導電性支持体露出部にもマスキング用キャップを装着して、全体を浸漬することも可能である。このとき、上側となる導電性支持体露出部に装着するマスキング用キャップには制限はなく、下側となる導電性支持体露出部に装着したマスキング用キャップと同じものを使用しても良く、従来公知のマスキング用キャップを使用しても構わない。
上記浸漬によって塗工液を被覆した後に行う乾燥条件は、用いた塗工液組成に応じて適宜設定することができる。樹脂材料の種類に応じて、乾燥後、または乾燥と同時に、硬化処理を適切な条件にて行うこともできる。被覆層は1層でも良く、2層以上の多層構造とすることもでき、多層構造となる被覆層は、上記工程(C)及び(D)を繰り返し実施することで形成できる。
以上のような本発明の方法によれば、表面欠陥がなく、画像不良が発生しない均一な被覆層を有する導電ローラを製造できる。
(2)マスキング用キャップ
本発明のマスキング用キャップは、
ローラ軸としての導電性支持体と、該導電性支持体の外周に形成された弾性層と、該弾性層の外周面を被覆した被覆層と、有し、該導電性支持体のローラ軸方向における両端が前記弾性層の端面から突出して導電性支持体露出部をなす導電性ローラであって、前記弾性層の少なくとも一方の端面が、該導電性支持体が中央に位置しかつ該導電性支持体の外周を内周面としたリング状の空洞を含む凹構造を有する導電性ローラの、該凹構造を有する側の導電性支持体露出部に略嵌合状態で装着するためのマスキング用キャップにおいて、
前記導電性支持体露出部を着脱自在に挿入し得る空洞部を有する筒状の形状を為し、該空洞部の入口となる端部の外径が前記弾性層の端面の凹構造の外周径よりも小さいことを特徴とするマスキング用キャップである。このようなマスキング用キャップを、被覆層を形成するための塗工液に弾性層を浸漬する際に用いることで、浸漬時に被覆層にスジ状の凹欠陥が発生しなくなる。
マスキング用キャップの材質としては、塗工液を汚染しないもの、塗工液によって腐食されないものであれば特に限定されない。例を挙げるとすれば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアミド、弗素樹脂、メチルペンテン樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂及びポリアセタール樹脂等が挙げられる。好ましくは、ポリエチレン、ポリプロピレン、弗素樹脂、ポリアセタール樹脂である。また、マスキング用キャップの材料を決定する条件として、マスキング用キャップの形成時に高い寸法精度が得られる材料を選定することが好ましい。
本発明のマスキング用キャップは、導電性支持体露出部を挿入する空洞部の入口となる端部の外径が、弾性層の端面の凹構造の外周径よりも小さいものである。したがって、このマスキング用キャップを導電性支持体露出部に略嵌合状態で装着した状態においても、未だ弾性層の端面には凹構造が存在するようになる。マスキング用キャップを導電性支持体露出部に略嵌合状態で装着した状態における、弾性層の端面に存在するリング状の凹構造の幅は、1〜5mmであることが好ましい。なお、上記のマスキング用キャップの外径は、少なくとも弾性層の端面に形成された凹構造の深さ以上の部分で満たしていれば良く、例えば、マスキング用キャップの、導電性支持体露出部を挿入する空洞部の入口と反対側の端部付近では、マスキング用キャップの外径は特に制限はない。
従来公知のマスキング用キャップの、導電性支持体露出部を挿入する空洞部の入口と反対側の端部は、導電性支持体の軸方向に対して垂直(すなわち浸漬する塗工液の液面に対して平行)であるため、マスキング用キャップを取り付けた状態で降下した際、液面突入時の液面の乱れが大きく、気泡が発生することが多い。また、チューブ形状のマスキング用キャップが装着された場合においても、チューブ中央の空洞部分に塗工液が溜まらず空気が溜まり、そこに溶剤ガスも加わり体積膨張し気泡が発生する。この空気及び溶剤ガスは、塗工液中ではマスキング用チューブの先端から球状に飛び出して存在するため、液中では非常に不安定であり、ローラの下降・上昇中に液面へ浮上し易く、この泡のためにピンホールやローラ長手方向のスジ状の凹欠陥が発生する可能性が高くなる。
したがって、本発明のマスキング用キャップは、導電性支持体露出部を挿入する空洞部の入口と反対側の端面が孔を持たず、かつ、流線形状であることが好ましい。流線形状としては、例えば、円錐形(図3及び4参照)、半球形(図5及び図6)が挙げられる。こうすることで、液面突入時の液面の乱れが小さく気泡を発生させなくなり、また、孔が無いためローラ浸漬中にも気泡を発生させなくなる。
本発明のマスキング用キャップは、導電性支持体露出部に略嵌合状態で装着するために、導電性支持体露出部を着脱自在に挿入し得る空洞部を有する筒状の形状を為している。その空洞部の内径は導電性支持体露出部に対して略嵌合状態となる径であることが好ましい。具体的には、導電性支持体の外径に対し、±0.05mmの範囲内であることが好ましく、更には±0.02mmの範囲内であることが好ましい。
さらに、マスキング用キャップの空洞部の内部には、前記導電性支持体を保持可能な、該空洞部の長手方向と平行な突起構造を3ヶ所以上有する突起構造(ゲート)を3ヶ所以上有することが好ましい。例えば、図10に断面図及び平面図を示すように、導電性支持体露出部を着脱可能な空洞部10を形成する内筒部100と、その内筒部の外径よりも大きい内径を持つ外筒部101で構成されるを有するマスキング用キャップ1とすることが好ましい。内筒部100は、外筒部101の底部から開口方向に向かって設けられており、外筒部101の底部からその開口方向に伸びた3つのスリット103により3分割された形状になっている。これによって、導電性支持体露出部にマスキング用キャップを取り付ける際、導電性支持体露出部とマスキング用キャップの空洞部の入口に隙間が出来るため、空気の逃げ道が確保され、マスキング用キャップをスムーズに導電性支持体露出部に装着することが出来る。この突起構造の先端をマスキング用キャップの空洞部の内径とした場合、導電性支持体の外径に対して±0.05mmの範囲内であることが好ましく、更には±0.02mmの範囲内であることが好ましい。
以上のような本発明のマスキング用キャップは、表面欠陥がなく、画像不良が発生しない均一な被覆層を有する導電ローラを製造に好適に使用できる。
以下に具体的な実施例を用いて本発明をさらに詳細に説明する。
(実施例1)
下記の要領で現像ローラを作製した。
・弾性層の形成
外径φ8mmの鉄製軸(導電性支持体)を内径φ16mmの円筒状金型内に同心となるように設置し、弾性層を形成する材料として液状導電性シリコーンゴム(東レダウコーニング社製、体積固有抵抗107Ωcm品)を注型後、130℃のオーブンに入れ20分加熱成型し、脱型後、200℃のオーブンで4時間二次加硫を行い、厚み4mm、長さ240mmの弾性層を形成した。このとき、弾性体の両端面には、内径φ12mm、深さ2mmの窪み(凹み)が鉄製軸の外周を内周面となるリング状に形成されるような金型を用い、上記のサイズの窪みを有する弾性層を形成した。
・被覆層用塗工液の調製
ウレタン塗料(商品名:ニッポランN5033、日本ポリウレタン社製)を固形分濃度10質量%となるようにメチルエチルケトンで希釈し、導電剤としてカーボンブラック(商品名:#7360SB、東海カーボン製、平均粒子径28nm)をウレタン塗料固形分100質量部に対し50質量部、絶縁性粒子として平均粒径14μmのウレタン粒子(商品名:アートパールC400、根上工業製)をウレタン塗料固形分100質量部に対し6質量部添加した後、十分に分散したものに硬化剤(商品名:コロネートL、日本ポリウレタン社製)をウレタン塗料固形分100質量部に対し10質量部添加し、さらに攪拌し被覆層用塗工液を得た。このときの被覆層用塗工液の粘度は15mPa・sであった。
・被覆層の形成(被覆層用塗工液の塗工)
鉄製軸(導電性支持体)の一方に、外径φ9mmの筒状を為し、内径φ8.02mmの空洞部を有したポリアセタール製のマスキング用キャップcを被せた。このマスキング用キャップは、空洞部の入口と反対側が円錐形を為している(図3参照)。次に、このマスキング用キャップを装着したほうが下側になるようにして、被覆層用塗工液の入った槽に対して垂直に保持しつつその液面に向かって真っ直ぐ降下、浸漬させた後、引き上げた。降下の速度は20mm/s、浸漬時間は5s、引き上げの速度は3mm/sとした。その後、マスキング用キャップを外し風乾、熱硬化(150℃、1h)の工程を経て被覆層を形成し現像ローラを得た。
上記の方法で10本の現像ローラを作製し、得られた現像ローラの表面(すなわち弾性層上に形成された被覆層上)の欠陥の有無を調べた。結果を表1に示す。
(実施例2)
マスキング用キャップとして、空洞部の入口と反対側の外径がローラ径と同じφ16mmであり、その先端部は円錐形を為しているもの(図4参照)を用いた以外は、実施例1と同様に現像ローラを作製し、同様に欠陥の有無を調べた。結果を表1に示す。
(実施例3)
マスキング用キャップとして、空洞部の入口と反対側の先端が半球形をなしているもの(図5参照)を用いた以外は、実施例1と同様に現像ローラを作製し、同様に欠陥の有無を調べた。結果を表1に示す。
(実施例4)
マスキング用キャップとして、空洞部の入口と反対側の外径がローラ径と同じφ16mmであり、その先端が半球形をなしているもの(図6参照)を用いた以外は、実施例1と同様に現像ローラを作製し、同様に欠陥の有無を調べた。結果を表1に示す。
(比較例1)
マスキング用キャップとして、空洞部の入口となる端部の外径をφ12mmであり、その反対側の先端が円錐状をなしているもの(図7参照)を用いた以外は、実施例1と同様に現像ローラを作製し、同様に欠陥の有無を調べた。結果を表1に示す。
(比較例2)
マスキング用キャップとして、空洞部の入口となる端部の形状を、弾性層の端面を完全に覆うことが可能な形状となっており、その反対側の先端が円錐状をなしているもの(図8参照)を用いた以外は、実施例1と同様に現像ローラを作製し、同様に欠陥の有無を調べた。結果を表1に示す。
Figure 0004409351
実施例1から実施例4は本発明に従った状態であり、弾性体端面の凹部とマスキング用キャップとの間にリング状の空気が含まれる構成となっている。予備実験として、粘度が本実施例と同様15mPa・sの透明な液でローラ浸漬中におけるマスキング用キャップ近傍の気泡の状態を観察し、リング状の空気がマスキング用キャップの周りに存在していることを確認した。この条件では液面への気泡の浮上もなく、欠陥のない均一な面を得ることができた。また、弾性層表面の被覆層とマスキング用キャップ上の被覆層は不連続面となるため、マスキング用キャップを取り外す際に、被覆層の乾燥時間によらず、弾性層端部の被覆層を引っ張ってしまい弾性層端部の被覆層を剥がしてしまうといった現象も発生しなかった。
対して、比較例1、2においては、弾性体とマスキング用キャップの界面が塗工液中に沈んだ瞬間、さらにはローラの昇降動作のときに液面に気泡が浮上してくるのが確認され、この気泡が弾性層上の塗工液部分に付着し、その表面を擦るようなかたちになり、この跡が乾燥後も長手方向にスジ状の凹欠陥となって残ってしまった。さらに比較例2においては、マスキング用キャップを取り外したときに弾性層端部の塗料を引っ張ってしまい、塗料バリと弾性層の露出が見られた。
導電性支持体の外周に弾性層を形成したものの、導電性支持体の軸方向に垂直な断面図である。 導電性支持体の外周に弾性層を形成したものの、導電性支持体の軸方向に平行な断面図である。 実施例1でマスキング用キャップを装着したときの部分拡大断面図である。 実施例2でマスキング用キャップを装着したときの部分拡大断面図である。 実施例3でマスキング用キャップを装着したときの部分拡大断面図である。 実施例4でマスキング用キャップを装着したときの部分拡大断面図である。 比較例1でマスキング用キャップを装着したときの部分拡大断面図である。 比較例2でマスキング用キャップを装着したときの部分拡大断面図である。 被覆層を形成するための塗工液中に、マスキング用キャップを装着した側を下にして弾性体を浸漬している状態を示す図である。 好ましいマスキング用キャップの構造を示す図であり、(a)は軸方向に沿った断面図、(b)は開口側から見た平面図である。
符号の説明
a:導電性支持体
b:弾性層
c:マスキング用キャップ
d:被覆層用塗工液
1:マスキング用キャップ
10:空洞部
100:内筒部
101:外筒部
103:スリット

Claims (1)

  1. ローラ軸としての導電性支持体と、該導電性支持体の外周に形成された弾性層と、該弾性層の外周面を被覆した被覆層と、を有し、該導電性支持体のローラ軸方向における両端が前記弾性層の端面から突出して導電性支持体露出部をなす導電性ローラの製造方法において、
    (A)前記導電性支持体の外周に、
    少なくとも一方の端面が、該導電性支持体が中央に位置しかつ該導電性支持体の外周を内周面としたリング状の空洞を含む凹構造を有する弾性層を形成する工程と、
    (B)前記凹構造を有する側の導電性支持体露出部に、
    該導電性支持体露出部を着脱自在に挿入し得る空洞部を有する筒状の形状を為し、該空洞部の入口となる端部の外径が前記凹構造の外周径よりも小さいマスキング用キャップを略嵌合状態で装着する工程と、
    (C)前記被覆層を形成するための塗工液中に、前記マスキング用キャップを装着した側を下にして前記弾性体を浸漬し、前記弾性層外周面を前記塗工液で被覆する工程と、
    (D)前記弾性層外周面の塗工液を乾燥して、被覆層とする工程と
    有することを特徴とする導電性ローラの製造方法。
JP2004133836A 2004-04-28 2004-04-28 導電性ローラの製造方法 Expired - Fee Related JP4409351B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004133836A JP4409351B2 (ja) 2004-04-28 2004-04-28 導電性ローラの製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004133836A JP4409351B2 (ja) 2004-04-28 2004-04-28 導電性ローラの製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2005316123A JP2005316123A (ja) 2005-11-10
JP4409351B2 true JP4409351B2 (ja) 2010-02-03

Family

ID=35443637

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004133836A Expired - Fee Related JP4409351B2 (ja) 2004-04-28 2004-04-28 導電性ローラの製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4409351B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2008140020A1 (ja) * 2007-05-11 2008-11-20 Bridgestone Corporation 導電性ローラ

Also Published As

Publication number Publication date
JP2005316123A (ja) 2005-11-10

Similar Documents

Publication Publication Date Title
WO2015045359A1 (ja) 電子写真用の導電性部材、プロセスカートリッジおよび電子写真装置
JP4721940B2 (ja) 帯電ロール
JP5730051B2 (ja) 帯電部材
JP6136862B2 (ja) 帯電部材、帯電装置、プロセスカートリッジおよび画像形成装置
JP2006243374A (ja) Oa機器用ロール
JP4409351B2 (ja) 導電性ローラの製造方法
JP6691645B2 (ja) 帯電部材
JP2007225708A (ja) 導電性ロール及びその製造方法、帯電ロール、転写ロール、クリーニングロール並びに画像形成装置
JP4629444B2 (ja) マスキングキャップおよびローラの製造方法
JP4277520B2 (ja) 無端ベルト、及びその製造方法
JP4509957B2 (ja) 塗布装置および塗布方法
JP2006068939A (ja) 電子写真用ローラの製造方法及び電子写真用ローラ
JP2009294354A (ja) 電子写真装置用ローラおよびその製造方法
JP2007010764A (ja) 現像ローラ及び現像ローラの製造方法
JP2000075667A (ja) 画像形成装置
JPS61193157A (ja) 静電印刷装置
JP2006195360A (ja) 導電性ローラおよび導電性ローラの製造方法
JP4765549B2 (ja) 転写ロール、及び画像形成装置
JP2009183833A (ja) ローラ及びその製造方法
JP2020160276A (ja) 帯電装置、プロセスカートリッジ、画像形成装置、及び組立体
JP2004358418A (ja) 導電性部材及び導電性部材の製造方法
JP2009139924A (ja) 電子写真機器用転写ロール
JP4543995B2 (ja) 転写ロールの製造方法
JP2009288463A (ja) 金型の製造方法および金型ならびに電子写真機器用現像ロール
JP2007047386A (ja) 導電性ローラ及び導電性ローラの製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20070222

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090624

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20090729

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20091028

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20091111

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4409351

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121120

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121120

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131120

Year of fee payment: 4

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313113

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees