本発明は、矩形データ転送装置に関し、特に、記憶してある部分画像データを拡張し合成して、アイコンなどの表示画像データを生成する矩形データ転送装置に関する。
一方のデータ記憶装置から他方のデータ記憶装置に、指定されたデータを指定された方法で変換して転送するデータ転送装置がある。例えば、データ記憶装置から取り出した画像データを、拡張したり、繰り返したり、置換したり、削除したりして、様々な編集を行って、目的のデータ記憶装置に転送する。このように、データ記憶装置から取り出した画像を編集して転送を行う際に、容易に編集できて、迅速に目的の画像データを表示できるようにするための方法が、種々提案されている。以下に、これに関連する従来技術の例をいくつかあげる。
特許文献1に開示された「矩形領域画像データ転送方式」は、転送元メモリに格納された矩形領域画像データを、転送先メモリへ転送する際に、BitBLT回路に特別な転送指令を与えて、転送方法を制御する方式である。BitBLT回路に、画像メモリを設け、転送する矩形領域画像データが、前回転送したものと同一であるか否かの情報を、転送指令に含める。転送指示が「同一」を示すとき、その矩形領域画像データを、BitBLT回路の画像メモリから読み出して、転送先メモリヘ転送する。同一の矩形領域画像データが繰り返し使用される場合、転送元メモリからの再読出しが不要となるので、転送速度が向上する。
特許文献2に開示された「デイジタル入出力信号発生装置」は、画像出力時、最終アドレスの次には先頭アドレスに戻って画像データを出力する反復出力手段と、ビット拡長出力手段を有する画像形成装置である。画像転送を行う際に、転送先画像データアドレスを計算し、画像データ終了アドレスまで転送し終わったら、画像データ開始アドレスに戻って転送する。転送元の画像データをビット拡張して、転送先に画像データを転送する。格納する画像データを削減できる。
特許文献3に開示された「メモリ制御装置」は、フォントデータのような一次元配列のデータを、効率よく矩形領域に転送できる装置である。フォントデータは、フォントROMに一次元配列形式で格納されている。CPUからの要求により、RAM制御部はRAMから通常の書込み読出しを行う。矩形領域のビット単位のデータ転送を行うために、転送元の先頭アドレスと、転送元のライン毎のオフセットと、水平方向の幅と、垂直方向のライン数と、転送先の先頭アドレスと、転送先のライン毎のオフセットを、レジスタに保持する。転送元と転送先の夫々の先頭アドレスに、オフセットアドレスを加算する。転送先のメモリへの書込みにおけるデータ転送単位幅内のビットシフト機能も有る。
特許文献4に開示された「画像形成装置」は、画像メモリと画像回転処理部との間で画像転送を行いながら画像回転処理を行う場合において、画像回転処理を高速に行うことができる画像形成装置である。RAMから画像を転送する際には、高速なバースト転送を行う。回転後の所定ブロックサイズの画像データを、シングル転送で行う。これにより、システムバスと画像バスを介して、高速に画像回転処理を行う。
特許文献5に開示された「デ−タ転送制御装置」は、データ記憶装置からデータ記憶装置へ、何らかの処理を施してデータ転送を行う装置である。第1メモリアレイから第2メモリアレイへデータ転送を行う際に、第1メモリアレイのデータ開始アドレスとデータ転送終了アドレス、第2メモリアレイデータ転送終了アドレス、または第2メモリアレイの転送開始アドレスと転送終了アドレスを記憶し、それらから必要なアドレスを計算し、データ転送を行う。転送元画像データ開始アドレスと画像データ終了アドレス、転送先の画像データ開始アドレスと画像データ終了アドレスから、アドレスの指定をせずに自動でカウント処理を行い、データ転送を行う。
特許文献6に開示された「画像処理装置」は、回転処理が高速で行え、追加バッファが必要ない回転処理装置である。転送元の矩形領域の画像を、正方ブロックに分割する。正方ブロック単位でメモリから順に読み出して、転送する。正方ブロック単位でメモリから転送されてきた画像を、バッファへ書き込む。バッファからの読出方法を制御することにより、正方ブロック単位で回転させる。正方ブロック単位で回転された画像を、メモリに転送する。転送元の矩形領域の画像を読み出した方向に対して、回転する方向となる順番で、転送先の矩形領域に書き込む。こうすることで、画像の回転処理が行える。このような画像の回転処理を、BitBLT装置で実現する。また、正方ブロックは、その一辺のデータ長が、メモリからのデータの転送単位のデータ長に対応するようにすることで、正方ブロックでの回転処理を実現する。
特許文献7に開示された「画像形成装置」は、画像記憶部から画像記憶部へ画像データを転送する際に、データ形式を変えてデータ転送を行うデータ形式変換手段と、転送先に画像形成可能か否かを判断する手段を有する画像形成装置である。
特開平03-144692号公報
特開平08-237695号公報
特開平09-114730号公報
特開2000-079723号公報
特開2003-015948号公報
特開2003-338922号公報
特開2004-343157号公報
しかし、従来のデータ転送装置による画像処理方法では、1つの画像データの各部分画像データに、それぞれ異なる変換処理をして、編集して転送して、1つの目的画像データに合成することが、簡単な操作ではできない。そのため、元となる画像を記憶するメモリの容量を大幅に削減することができないという問題がある。
本発明の目的は、上記従来の問題を解決して、複数の画像データを処理して1つの画像データに合成する場合に、合成画像データを作成するための設定が簡単にできるようにして、操作性を向上させるとともに、データ保存のためのメモリ容量を削減することである。
上記の課題を解決するために、本発明では、矩形データ転送装置に、元の矩形データと目的の矩形データのサイズに基づいてデータ転送の繰返回数を計算するデータ繰返し手段と、元の矩形データのアドレスとサイズに基づいて、目的の矩形データの生成に必要なアドレスとサイズを計算するアドレス計算手段と、転送先メモリの指定アドレス範囲に目的の矩形データを作成するようにデータ転送手段に指示する矩形データ転送指示手段とを備えた。
また、データ繰返し手段に、元の矩形データより目的の矩形データのサイズが大きい場合に、元の矩形データの一部を繰り返して目的の矩形データのサイズと同一になるように転送することを、データ転送手段に対して指示する手段と、元の矩形データより目的の矩形データのサイズが小さい場合に、元の矩形データの一部を削除して目的の矩形データのサイズと同一になるように転送することを、データ転送手段に対して指示する手段とを備えた。
また、アドレス計算手段に、目的の矩形データのうちの4辺と中央の矩形データのアドレスとサイズを計算する手段を設け、矩形データ転送指示手段に、4隅の矩形データをそのまま転送させる手段と、4辺と中央の矩形データを繰り返して転送させる手段とを設けた。
また、アドレス計算手段に、目的の矩形データのうちの4辺と中央の矩形データのアドレスとサイズを計算する手段を設け、矩形データ転送指示手段に、4隅の矩形データをそのまま転送させる手段と、4辺の矩形データを繰り返して転送させる手段とを設け、データ編集手段に、中央の矩形データを生成するように4隅の矩形データの一部により塗りつぶす手段を設けた。
また、データ編集手段に、元の矩形データを90度ずつ回転させて4隅の矩形データを生成する回転手段と、中央の矩形データを生成するよう元の矩形データの一部により塗りつぶす手段とを設け、アドレス計算手段に、目的の矩形データのうちの4辺と中央の矩形データのアドレスとサイズを計算する手段を設け、矩形データ転送指示手段に、4隅の矩形データを転送させる手段と、4辺の矩形データを生成するように4隅の矩形データの一部を繰り返して転送させる手段とを設けた。
また、内部キャッシュ用メモリを備え、矩形データ転送指示手段に、内部キャッシュ用メモリからデータを繰り返して読み出すように、データ転送手段に指示する手段を設けた。
上記のように構成したことにより、操作表示装置などにおいて、アイコンなどの矩形データの作成と転送が簡単に効率的に行えて、記憶容量が削減でき、データ転送速度も向上する。また、キャッシュメモリを用いることで、元の矩形データよりも大きな表示用画像データを高速に作成できる。
以下、本発明を実施するための最良の形態について、図1〜図12を参照しながら詳細に説明する。
本発明の実施例1は、タッチパネル操作部にアイコン図形を表示するために、元の矩形データを延長して表示図形を生成する矩形データ転送装置である。
図1は、本発明の実施例1における矩形データ転送装置のシステム構成を示す機能ブロック図である。図1において、データ転送部1は、ダイレクトメモリアクセス機能を備えたデータ転送手段である。読取先データ記憶部2は、元の矩形データを記憶するメモリである。転送先データ記憶部3は、目的の矩形データである表示図形データを記憶するメモリである。システム制御部4は、全体の動作を制御する手段である。読取先アドレス指定部5は、元の矩形データの先頭アドレスを指定する手段である。読取先サイズ指定部6は、元の矩形データのサイズを指定する手段である。転送先アドレス指定部7は、目的の矩形データの先頭アドレスを指定する手段である。転送先サイズ指定部8は、目的の矩形データのサイズを指定する手段である。
データ繰返し部9は、目的の矩形データのサイズに合わせて、元の矩形データの繰り返し部分の先頭アドレスを、データ転送部1に繰り返し設定する手段である。データ切落し部10は、目的の矩形データのサイズに合わせて、元の矩形データのサイズを短縮してデータ転送部1に設定する手段である。アドレス計算部11は、元の矩形データのアドレスとサイズに基づいて、目的の矩形データの生成に必要なアドレスとサイズを計算する手段である。データ編集部12は、ビット変換など、矩形データの一部を変更する手段である。内部キャッシュ用メモリ13は、元の矩形データを一時的に記憶するメモリである。矩形データ転送指示部14は、目的の矩形データを生成するように転送を指示する手段である。
図2は、矩形データ転送装置を、タッチパネルを備える操作表示部のアイコン図形生成手段として用いた画像形成装置の概念図である。画像形成装置は、操作表示部と、原稿画像を読み取るスキャナと、印刷用紙を搬送するシート搬送部と、原稿画像を印刷用紙に印刷するプロッタと、プロッタを制御するエンジン制御部と、装置全体を制御するシステム制御部と、画像データを格納する画像メモリなどを備えている。タッチパネルを備える操作表示部は、元の矩形データを格納したメモリから、矩形データ転送装置により元の矩形データをタッチパネルに転送することにより、操作表示用のアイコンを生成させる。
図3は、キャッシュメモリの機能を説明する図である。図4は、元の矩形データを右方向に拡張して目的の矩形データを作成する方法を示す図である。図5は、元の矩形データを下方向に拡張して目的の矩形データを作成する方法を示す図である。
上記のように構成された本発明の実施例1における矩形データ転送装置の動作を説明する。最初に、図1を参照しながら、矩形データ転送装置の機能の概要を説明する。読取先アドレス指定部5と読取先サイズ指定部6で、読取先データ記憶部2から読み取るデータの範囲(先頭アドレスと転送データ量)を、データ転送部1に指示する。転送先アドレス指定部7と転送先サイズ指定部8で、転送先データ記憶部3へ転送するデータの範囲(先頭アドレスと転送データ量)を、データ転送部1に指示する。読取先データ記憶部2から転送先データ記憶部3へ、データ転送部1によりデータ転送を行う。元の矩形データと目的の矩形データのサイズが一致していない場合、データ繰返し部9とデータ切り取り部10にて、目的の矩形データのサイズが指定の値になるように、転送データサイズを変更して転送する。転送データサイズの計算は、アドレス計算部11で行う。読取先データ記憶部2から転送先データ記憶部3への転送の際、必要であれば、ビット拡張などのデータ編集作業を、データ編集部12にて行う。
読取先データ記憶部2から転送先データ記憶部3への繰返し転送を効率的に行うために、内部キャッシュ用メモリ13を備えている。繰返し分のデータを一時的に内部キャッシュ用メモリ13に記憶して、転送先データ記憶部3に、内部キャッシュ用メモリ13から転送することで、繰返し分の読取操作を一度で終らせる。矩形データ転送指示部14では、元の矩形データから、任意のサイズの目的の矩形データを作成するための制御を行う。読取先データ記憶部2に格納された元の矩形データを用いて、転送先データ記憶部3に、任意のサイズの目的の矩形データを作成できる。矩形データ転送指示部14には、読取先データ記憶部2の読取先を指定する専用の設定部と、転送先データ記憶部3の転送先を指定する専用の設定部がある。このような矩形データの変形方法は、多値画像データや二値画像などの種々の画像データに適用可能である。
データ転送部1を用いて、読取先データ記憶部2から転送先データ記憶部3へ、矩形データの転送を行う場合は、読取先アドレス指定部5にて、元の矩形データの先頭アドレスを、データ転送部1に設定し、読取先サイズ指定部6にて、元の矩形データのサイズを指定する。すなわち、読取先アドレス指定部5で設定した先頭アドレスから、右へ何ドットで、下へ何ドットであるかを設定する。転送先アドレス指定部7にて、目的の矩形データの先頭アドレスを設定する。この先頭アドレスは、目的の矩形データの左上のアドレスである。転送先サイズ指定部8にて、転送先アドレス指定部7で設定した先頭アドレスから、右へ何ドットで、下へ何ドットであるかを設定して、目的の矩形データのサイズを指定する。あるいは、転送先データ記憶部3内の転送したい範囲の先頭アドレスである左上のアドレスと、末尾アドレスである右下のアドレスから、先頭アドレスとデータサイズを、アドレス計算部11で計算して、転送先アドレス指定部7と転送先サイズ指定部8に、矩形状のデータ範囲を設定してもよい。
次に、図3を参照しながら、キャッシュメモリの動作を説明する。データ転送部1を用いて、読取先データ記憶部2から転送先データ記憶部3へデータ転送を行う際に、内部キャッシュ用メモリ13を用いて転送を行う。読取先アドレス指定部5と読取先サイズ指定部6で指定した範囲のデータを、読取先データ記憶部2から読み取って、内部キャッシュ用メモリ13に格納する。繰り返し転送時には、内部キャッシュ用メモリ13から繰り返し読み取って、転送先アドレス指定部7で指定する転送先データ記憶部3へ転送する。内部キャッシュ用メモリ13を用いないように、データ転送部1を設定することも可能である。
図4と図5を参照しながら、元の矩形データを延長または短縮する転送方法を説明する。元の矩形データのサイズが、目的の矩形データのサイズより小さい場合、データ繰返し部9にて、不足分を繰り返して転送するように指示する。図4に示すように、転送先データ(目的の矩形データ)のサイズが、右方向に大きくなるように転送する場合は、行毎に繰返し転送を行う。図5に示すように、転送先データサイズが、下方向に大きくなるように転送する場合は、列毎に繰り返し転送を行う。
元の矩形データを短縮して目的の矩形データとする場合は、次のように行う。転送先データのサイズが右方向に短い場合は、指定された行まで転送を行って打ち切る。転送先データのサイズが下方向に短い場合は、設定された列まで転送を行って打ち切る。それらのデータの過不足分の計算は、アドレス計算部11で行う。この動作の制御はすべて、システム制御部4で行う。
上記のように、本発明の実施例1では、矩形データ転送装置を、タッチパネル操作部にアイコン図形を表示するために、元の矩形データを延長して、表示図形を生成する構成としたので、小さい矩形データを簡単に延長して、大きい矩形データを生成できる。
本発明の実施例2は、タッチパネル操作部にアイコン図形を表示するために、元の矩形データを繰返しにより拡大して、表示図形を生成する矩形データ転送装置である。
本発明の実施例2における矩形データ転送装置の基本的な構成は、実施例1と同じである。実施例2における矩形データ転送装置が実施例1と異なるところは、4隅の矩形データは特徴的であるためそのまま転送し、4隅の間の4辺と中央の矩形データは、繰り返して転送することで、少ない矩形データからサイズの大きな表示用の矩形画像データを作成する点である。図6は、元の矩形データの構成を示す図である。図7は、元の矩形データを繰返しにより拡大する方法を示す図である。図8は、転送設定手順を示す流れ図である。図9は、ビット拡張を行う場合の転送設定手順を示す流れ図である。
上記のように構成された本発明の実施例2における矩形データ転送装置の動作を説明する。図6を参照しながら、元の矩形データについて説明する。元の矩形データを、左上、上、右上、左、中央、右、左下、下、右下の9つの矩形データとする。9つの矩形データを、矩形データ転送指示部14で、1回または複数回転送するように指示して、1つの目的の矩形データを作成する。
次に、図7を参照しながら、目的の矩形データの生成方法を説明する。9つの矩形データを作成して、読取先データ記憶部2に格納しておく。9つの矩形データは、左上、上、右上、左、中央、右、左下、下、右下の矩形データである。入力手段により、元の各矩形データの先頭アドレスとデータサイズを入力して、読取先アドレス指定部と読取先サイズ指定部に設定しておく。目的の矩形データの左上、右上、左下、右下の4隅のアドレスを、入力手段により入力して、転送先アドレス指定部と転送先サイズ指定部に設定しておく。4辺の矩形データ(上、左、中央、右、下の矩形データ)のアドレスとサイズは、4隅(左上、右上、左下、右下)の矩形データのアドレスとサイズと、目的の矩形データの4隅のアドレスから、アドレス計算部11を用いて計算して、転送先アドレス指定部と転送先サイズ指定部に設定しておく。
矩形データ転送指示部14で、読取先データ記憶部2から、9つの元の矩形データを読み取るように、データ転送部に指示する。すなわち、読取先アドレス指定部5と読取先サイズ指定部6でアドレスとサイズを指定して、読取先データ記憶部2から元の矩形データを読み取る。転送先アドレス指定部7と転送先サイズ指定部8でアドレスとサイズを指定して、転送先データ記憶部3へ書き込む。4隅の矩形データはそのまま転送させる。4辺と中央の矩形データは、矩形データ転送指示部14とデータ繰返し部9の指示により、繰り返して転送させる。このようにして、転送先データ記憶部3に目的の矩形データを作成する。
矩形データ転送指示部14では、目的の矩形データのアドレスとサイズを保持している。すなわち、矩形データ作成のための転送先データとして、転送先データ記憶部3における矩形データの左上、右上、左下、右下の4隅のアドレスを保持している。目的の矩形データの9分割された各領域に対する転送アドレスは、4隅のアドレスからアドレス計算部11を用いて計算して設定する。読取先データ記憶部2からの読み取りと、転送先データ記憶部3への書込みは、読取先アドレス指定部5と転送先アドレス指定部7を用いて、データ転送部1にアドレス設定し、転送を行う。元の矩形データ(例えば上の矩形データ)と目的の矩形データ(例えば上の矩形データの最も右側)のサイズに不一致がある場合は、実施例1の方法により、延長または短縮すればよい。
次に、図8を参照しながら、矩形データの転送パラメータの設定手順を説明する。アイコンの図形を作成して、元の矩形データとして読取先データ記憶部2に格納しておく。アイコン作成者は、キーボードなどの入力手段を介して、設定データを入力し、矩形データ転送指示部14にて作成する矩形データの4隅(左上、右上、左下、右下)のアドレスを設定する。ステップ1において、各矩形データの読取アドレスを設定する。ステップ2において、各矩形データの読取サイズを設定する。ステップ3において、各矩形データの書込アドレスを設定する。ステップ4において、各矩形データの転送サイズを設定する。ステップ5において、すべての矩形データについて設定が完了したか否か検査する。完了していなければ、ステップ1に戻る。設定が完了していれば、ステップ6において、設定データの正常性を検査する。アドレス計算部11にて、上、左、中央、右、下の矩形データ範囲を計算して設定する。その際に、例えば、左上と右上の高さが異なっていたり、左上と左下の位置がずれていたりして、矩形データとならなかった場合、ステップ7において、設定エラーであることを知らせ、ステップ1に戻る。
次に、図9を参照しながら、ビット拡張を行う場合の転送設定手順を説明する。データ転送部1を用いて、読取先データ記憶部2から転送先データ記憶部3へデータ転送を行う際に、データのビット拡張を行うことができる。データ編集部12に、ビット変換の指示を、データ転送部1の設定部より行う。ステップ11において、各矩形データの読取アドレスを設定する。ステップ12において、各矩形データの読取サイズを設定する。ステップ13において、各矩形データの書込アドレスを設定する。ステップ14において、各矩形データの転送サイズを設定する。ステップ15において、すべての矩形データについて設定が完了したか否か検査する。完了していなければ、ステップ11に戻る。アドレスの設定が完了していれば、ステップ16において、矩形データの各ドットデータの書込サイズを指定する。ステップ17において、ビット拡張の設定が必要か否か検査する。ビット拡張の設定が必要であれば、ステップ18において、データビット拡張有りの設定をする。ビット拡張の設定が必要でなければ、ステップ19において、データビット拡張無しの設定をする。
データ転送の際に、読取先データ記憶部2から、読取先アドレス指定部5と読取先サイズ指定部6の指定に従って読み取ったデータを、ビット拡張する。データ編集部12内に設定した指定に従って、4ビットデータに対応する8ビットデータに、ビット拡張を行う。転送先アドレス指定部7と転送先サイズ指定部8の指定に従って、転送先データ記憶部3へ転送する。
次に、転送終了の割込みについて説明する。矩形データ転送指示部14を用いて、左上、上、右上、左、中央、右、左下、下、右下の9つの矩形データから合成した矩形データの作成終了を、システム制御部4に割込みで知らせる。読取先データ記憶部2から読取先アドレス指定部5と読取先サイズ指定部6の指定に従って読み取ったデータを、転送先アドレス指定部7と転送先サイズ指定部8の指定に従って、転送先データ記憶部3へすべて転送した後に、転送終了の割込み信号を出力する。9つのデータ転送は、システム制御部4で管理する。転送終了のタイミングは、最後のデータ転送終了後に、データ転送部1に転送完了信号を送信することで判断する。
上記のように、本発明の実施例2では、矩形データ転送装置を、タッチパネル操作部にアイコン図形を表示するために、元の矩形データを繰返しにより拡大して、表示図形を生成する構成としたので、小さい矩形データを拡大して、操作入力用のボタンデータのような略矩形の大きな表示画像データを簡単に生成できる。
本発明の実施例3は、タッチパネル操作部のアイコン図形を表示するために、元図形データを、塗りつぶしを利用して拡大して、表示図形を生成する矩形データ転送装置である。
本発明の実施例3における矩形データ転送装置の基本的な構成は、実施例2と同じである。実施例3における矩形データ転送装置が実施例2と異なるところは、目的の矩形データの中央部の矩形データを、塗りつぶしにより生成する点である。図10は、元の矩形データを拡大する方法を示す図である。
上記のように構成された本発明の実施例3における矩形データ転送装置の動作を説明する。図10を参照しながら、塗りつぶし方法を説明する。読取先データ記憶部2から、左上、上、右上、左、右、左下、下、右下の矩形データを読み取る。中央部の元の矩形データはない。データ編集部12のデータ塗りつぶし機能を用いて、同一データで中央部全範囲を塗りつぶす。塗りつぶしに使うデータは、任意に設定可能である。設定の指示がない場合は、元の左上の矩形データの末尾のドットを使う。
転送先として、目的の矩形データの左上、右上、左下、右下の4隅のアドレスを設定する。他の上、左、中央、右、下の矩形データのアドレスは、アドレス計算部11で計算する。読取先アドレス指定部5と、読取先サイズ指定部6で、アドレスとサイズを指定して、読取先データ記憶部2から読み取る。転送先アドレス指定部7と、転送先サイズ指定部8で、アドレスとサイズを指定して、転送先データ記憶部3へ書き込む。
上記のように、本発明の実施例3では、矩形データ転送装置を、タッチパネル操作部にアイコン図形を表示するために、元の矩形データを、塗りつぶしを利用して拡大して、表示図形を生成する構成としたので、小さい矩形データを拡大して、操作入力用のボタンデータのような略矩形の大きな表示画像データを簡単に生成できる。
本発明の実施例4は、タッチパネル操作部にアイコン図形を表示するために、元の矩形データを、回転と塗りつぶしを利用して拡大して、表示図形を生成する矩形データ転送装置である。
本発明の実施例4における矩形データ転送装置の基本的な構成は、実施例3と同じである。実施例4における矩形データ転送装置が実施例3と異なるところは、元の4隅の矩形データを回転して利用する点である。図11は、元の矩形データを回転して目的の矩形データを生成する方法を示す図である。図12は、元の矩形データを回転して目的の矩形データを生成する手順を示す図である。
上記のように構成された本発明の実施例4における矩形データ転送装置の動作を説明する。操作入力用のボタンデータのような略矩形の表示画像データの特徴として、上下左右が対象である点に考慮して、4隅の元の矩形データを全て個別に持つのではなく、隅の1個の元の矩形データを用意するだけで、それを90度ずつ回転させて、他の3隅の矩形データを作成するようにして、更に元の矩形データの量を減らす。矩形データ転送指示部14は、読取先アドレスで指定した範囲の1つの元の矩形データを基に、図11に示すように、転送先アドレスで指定した範囲に、連続的にデータを繰り返し転送する。4隅に位置する部分に対しては、元の矩形データをそのまま、あるいは回転させて転送する。具体的には、左上には元の矩形データを転送し、右上には元の矩形データを時計回りに90度回転させた矩形データを転送、左下には元の矩形データを反時計回りに90度回転させたデータを転送し、右下には元の矩形データを180度回転させたデータを転送する。
また、上辺、左辺、右辺、下辺に位置する範囲への転送は、次のようにする。元の矩形データの右側1ラインを繰り返し転送して、上辺の矩形データを生成する。元の矩形データの下側1ラインを繰り返し転送して、左辺の矩形データを生成する。元の矩形データの下側1ラインを左右反転して繰り返し転送して、右辺の矩形データを生成する。元の矩形データの右側1ラインを上下反転して繰り返し転送して、下辺の矩形データを生成する。更に、元の矩形データの右下に位置する1ドットを使って、中央部の矩形データを塗りつぶしにより生成する。なお、ここでは説明のために1ラインと1ドットずつを利用する例を示したが、何ラインあるいは何ドット使用するかを任意に設定できる構成としてもよい。
図12を参照しながら、転送動作の流れを説明する。ステップ21において、読取先データアドレス範囲を指定する。ステップ22において、目的の矩形データの書込アドレス範囲を指定する。ステップ23において、目的の矩形データの転送を行う。左上隅の矩形データを回転して、4隅の矩形データとする。4辺の矩形データについて、繰り返し転送により生成する。中央部の矩形データは、塗りつぶしにより生成する。すべての矩形データの転送が終了したら、割込み信号を発生して、システム制御部に通知する。
上記のように、本発明の実施例4では、矩形データ転送装置を、タッチパネル操作部にアイコン図形を表示するために、元の矩形データを、回転と塗りつぶしを利用して拡大して、表示図形を生成する構成としたので、小さい矩形データを拡大して、操作入力用のボタンデータのような略矩形の大きな表示画像データを簡単に生成できる。
本発明の矩形データ転送装置は、少ないデータでアイコン画像などを生成して表示する操作表示装置用の転送装置として最適である。また、データ記憶装置内に記憶された多値画像データや二値画像データなど、様々な画像データを生成する装置にも適用可能である。
本発明の実施例1における矩形データ転送装置のシステム構成を示す機能ブロック図である。
本発明の実施例1における矩形データ転送装置を、タッチパネルを備える操作表示部のアイコン図形生成手段として用いた画像形成装置の概念図である。
本発明の実施例1における矩形データ転送装置のキャッシュメモリの機能を説明する図である。
本発明の実施例1における矩形データ転送装置で、元の矩形データを右方向に拡張して表示図形を作成する方法を示す図である。
本発明の実施例1における矩形データ転送装置で、元の矩形データを下方向に拡張して表示図形を作成する方法を示す図である。
本発明の実施例2における矩形データ転送装置で用いる元の矩形データの構成を示す図である。
本発明の実施例2における矩形データ転送装置で元の矩形データを拡大する方法を示す図である。
本発明の実施例2における矩形データ転送装置の転送設定手順を示す流れ図である。
本発明の実施例2における矩形データ転送装置でビット拡張を行う場合の転送設定手順を示す流れ図である。
本発明の実施例3における矩形データ転送装置で元の矩形データを拡大する方法を示す図である。
本発明の実施例4における矩形データ転送装置で矩形データを回転して表示図形を生成する方法を示す図である。
本発明の実施例4における矩形データ転送装置で矩形データを回転して表示図形を生成する手順を示す図である。
符号の説明
1・・・データ転送部、2・・・読取先データ記憶部、3・・・転送先データ記憶部、4・・・システム制御部、5・・・読取先アドレス指定部、6・・・読取先サイズ指定部、7・・・転送先アドレス指定部、8・・・転送先サイズ指定部、9・・・データ繰返し部、10・・・データ切落し部、11・・・アドレス計算部、12・・・データ編集部、13・・・内部キャッシュ用メモリ、14・・・矩形データ転送指示部。