JP4407875B2 - 文字表示装置および文字表示方法、その文字表示方法を制御するための制御プログラムおよびその制御プログラムが記録された記録媒体 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、カラー表示が可能な表示部を備え、文字を高精細に表示することが可能な文字表示装置、文字表示方法、その文字表示方法を制御するための制御プログラムおよびその制御プログラムが記録された記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】
パーソナルコンピュータ、ワードプロセッサ、携帯電話機等には、カラー表示が可能な表示部を備えているものがある。このような機器において文字を高精細に表示するための技術として、例えば特開2001−100725号公報には、以下のような文字表示装置が開示されている。
【0003】
この文字表示装置は、表示装置の表示面に複数のピクセルが設けられており、各ピクセルには、所定の方向に配列され、例えばR:赤、G:緑、B:青のような複数の色要素のうちの対応する1つがそれぞれ割り当てられている複数のサブピクセルがそれぞれ含まれている。各サブピクセルにおける色要素の強さは、例えば0〜7のように複数段階設定された色要素レベルで表されるようになっており、そのうちの1つの色要素レベルが文字の骨格に対応するサブピクセルに割り当てられると、その周囲のサブピクセルに対して、そのサブピクセルを中心として色要素レベルが段階的に変化するように色要素レベルが割り当てられ、所定の色要素レベルのパターンが設定される。それぞれの色要素レベルは、所定の対応関係に基づいて、輝度レベルに変換される。
【0004】
なお、色要素レベルは、文字の色に寄与する度合いに相当しているため、文字の色に寄与するサブピクセルほど色要素レベルが高くなり、背景の色に寄与するサブピクセルほど色要素レベルが低くなる。また、輝度レベルは、各サブピクセルの発光度合いに相当しており、輝度レベルが高いほどサブピクセルの発光度合いが強く、輝度レベルが低いほど発光度合いが弱くなっている。このようにサブピクセル単位で色要素レベルを制御して文字の形状を表すことによって、ピクセル単位で輝度レベルを制御する場合に比べて高精細な文字表示を行うことができる。また、文字の骨格に対応するサブピクセルを中心として段階的に変化する色要素レベルのパターンを形成することによって、カラーノイズを抑えることができる。
【0005】
また、特開2001−184051号公報には、上記色要素レベルと輝度レベルとの所定の対応関係を、表示すべき文字色と背景色とに応じて適切に変更することによって、任意の文字色および任意の背景色において、高精細な文字表示が可能な文字表示装置が開示されている。
【0006】
図12は、上記特開2001−100725号公報および特開2001−184051号公報に開示されている文字表示装置の代表的な構成を示すブロック図である。
【0007】
この文字表示装置1aとしては、カラー表示が可能な表示デバイスを備えている電子機器、情報機器等、任意の情報表示装置を用いることができ、例えばデスクトップ型、ラップトップ型等といった任意のタイプのパーソナルコンピュータ、ワードプロセッサ等が挙げられる。さらに、カラー液晶表示デバイスを備えた電子機器であってもよく、携帯情報端末、PHSを含む携帯電話機、一般的な固定式電話機、FAX等の通信機器であってもよい。
【0008】
この文字表示装置1aは、表示デバイス3を有している。この表示デバイス3は、カラー表示が可能であり、例えば液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ等が挙げられる。
【0009】
表示デバイス3は、制御部20に接続されている。制御部20は、CPU2と主メモリ4とを有しており、表示デバイス3に含まれる複数のサブピクセルに対応する複数の色要素を、それぞれ独立して制御することができるようになっている。制御部20には、入力デバイス7および補助記憶装置40が接続されている。
【0010】
入力デバイス7は、表示デバイス3に表示される文字、操作者の指示等を入力するための装置であり、例えばキーボード、タッチパネル、マウス等を用いることができる。
【0011】
補助記憶装置40には、文字表示を行うための表示プログラム41aと、文字形状データ5b、補正テーブル5cおよび輝度テーブル5dとを含むデータ5が格納されている。文字形状データ5bとしては、例えば文字の輪郭形状を表すアウトラインデータ、文字の骨格形状を表すスケルトンデータ、文字を表すビットマップデータ等が挙げられる。但し、この文字形状データ5bの種類によって、表示プログラム41aによる処理は若干異なる。表示される文字は、絵文字等の簡単な図形を含んでいてもよいが、以下の説明では文字の場合について説明を行う。
【0012】
補正テーブル5cは、基本部分に対応するサブピクセルに隣接するサブピクセルの色要素レベルを設定するために用いられ、例えば基本部分に対応するサブピクセルの色要素レベルが7である場合には、隣接するサブピクセルの色要素レベルが、基本部分に近い側から順に5、2、1等となるように設定されている。また、輝度テーブル5dは、色要素レベルと輝度レベルとの対応関係が設定されている。
【0013】
図13(a)および図13(b)は、それぞれ、表示デバイス3の表示面の構成を説明するための図である。表示デバイス3の表示面には、図13(a)に示すように、表示される文字、図形等を表す複数のピクセル10が設けられており、1つのピクセル10には、所定の方向(図では横方向)に配列されて、複数の色要素、例えばR(赤)、G(緑)、B(青)といった3つの色要素のうちの対応する1つの色要素がそれぞれ割り当てられている3つのサブピクセル11が含まれている。
【0014】
表示面において文字を表示する場合には、文字形状データ5bに基づいて、表示に係る各ピクセル10に含まれるサブピクセル11に、文字の骨格を表す基本部分が対応付けられる。例えば「忙」という文字では、図9に示す斜線部が文字の骨格を表す基本部分としてサブピクセル11に対応付けられる。
【0015】
文字の骨格を表す基本部分とサブピクセル11とを対応付ける際には、文字形状データ5bの種類によって異なる処理が行われる。例えば、アウトラインデータには、文字の種類を区別するための文字コード、1つの文字を構成するストロークの数(1文字の画数)、1つのストロークを構成する輪郭点の数、1つのストロークを構成する輪郭点の座標等が含まれている。この場合、各ストロークは文字の輪郭形状を表すために、曲線、直線、円弧、それらの組み合わせ等によって近似される輪郭線で囲まれた形状であり、所定の厚みを有している。文字の輪郭形状を表す輪郭線は、輪郭点の座標データを用いて、直線、曲線、円弧、それらの組み合わせ等として近似することができる。そして、輪郭線の内部とサブピクセルとが重なり合う面積が所定の面積以上である場合に、そのサブピクセルが文字の骨格を表す基本部分として決定される。
【0016】
また、スケルトンデータには、文字の種類を区別するための文字コード、1つの文字を構成するストロークの数、1つのストロークを構成する点の数、ストロークの線タイプ(曲線、直線等)、1つのストロークを構成する点の座標等が含まれている。この場合、各ストロークは文字の骨格形状を表すために、各線タイプに応じた線状であり、厚みを有していない。各ストロークは、ストロークの線タイプが直線である場合には、各ストロークを構成する複数の点の座標データを用いて、それらの点を通る直線として近似することができ、ストロークの線タイプが曲線である場合には、各ストロークを構成する複数の点の座標データを用いて、それらの点を通る曲線として近似することができる。そして、各ストローク上に配置されるサブピクセル11が文字の骨格を表す基本部分に対応するサブピクセル12として決定される。
【0017】
文字の骨格を表す基本部分に対応するサブピクセル12が決定されると、そのサブピクセル12とそれに隣接するサブピクセル13とに対して色要素レベルが設定される。例えば、図13(a)に示すように、ピクセル10を構成する3つのサブピクセル11のうち、斜線で示す中央に配置されたサブピクセル12が基本部分に対応すると決定された場合、図13(b)に示すように、その基本部分に対応するサブピクセル12の色要素レベルは例えば最大のレベルとして「7」に設定される。また、基本部分に対応するサブピクセル12に隣接し、基本部分に対応しないと判断されたサブピクセル13の色要素レベルは、図10に一例を示す補正テーブル5cに基づいて設定される。例えば補正パターン1が選択されている場合には、基本部分に対応するサブピクセル12に隣接するサブピクセル13の色要素レベルは、基本部分に対応するサブピクセル12から遠くなるにつれて順番に「5」、「2」、「1」というように段階的に小さくなるように設定される。また、補正パターン2が選択されている場合には、基本部分に対応するサブピクセル12に隣接するサブピクセル13の色要素レベルは、基本部分に対応するサブピクセルから遠くなるにつれて順番に「4」、「2」、「1」というように段階的に小さくなるように設定される。さらに、基本部分に対応するサブピクセル12から4つ以上離れたサブピクセル14の色要素レベルは、背景に相当するものとして「0」に設定される。
【0018】
なお、基本部分に対応するサブピクセル12に隣接し、基本部分ではないと決定されたサブピクセル13において、そのサブピクセル13が複数の基本部分に対応するサブピクセル12と隣接している場合、基本部分に対応する複数のサブピクセル12からの距離によって複数の色要素レベルが設定されることもあるが、そのような場合には、値が大きい方の色要素レベルが優先される。
【0019】
各サブピクセルの色要素レベルは、図11に一例を示す輝度テーブル5dに設定されている色要素レベルと輝度レベルとの対応関係に基づいて、輝度レベルに変換される。図13(b)の例では、基本部分に対応するサブピクセル12の輝度レベルは「0」に設定される。また、そのサブピクセル12に隣接する色要素レベルが「5」のサブピクセルの輝度レベルは「73」に設定され、色要素レベルが「2」のサブピクセルの輝度レベルは「182」に設定され、色要素レベルが「1」のサブピクセルの輝度レベルは「219」に設定される。また、背景に相当するものとして色要素レベルが「0」に設定されたサブピクセル14の輝度レベルは「255」に設定される。
【0020】
図14は、文字形状データ5bがスケルトンデータである場合について、表示プログラム41aによる処理の流れを示すフローチャートである。
【0021】
ステップS1では、入力デバイス7から文字コード、文字サイズが入力される。例えば、漢字の「木」を表示デバイス10に表示する場合には、文字コードとして4458番(JIS区点コード、44区58点)が入力される。文字サイズは、例えば表示される文字の横方向のドット数と縦方向のドット数とによって、例えば20ドット×20ドット等のように表現される。
【0022】
ステップS2では、入力された文字コードに対応するスケルトンデータが、補助記憶装置40の文字形状データ5bから読み出され、制御装置20の主メモリ4に格納される。このスケルトンデータには、文字の種類を区別するための文字コード、1つの文字を構成するストロークの数、1つのストロークを構成する点の数、ストロークの線タイプ、1つのストロークを構成する点の座標等が含まれている。
【0023】
ステップS3では、入力デバイス7から入力された文字サイズに応じて、スケルトンデータに含まれる各ストロークを構成する点の座標データがスケーリングされる。このスケーリングによって、スケルトンデータに含まれる座標データのために予め定められた座標系から、表示デバイス10のために定められた実ピクセル座標系に変換される。このときのスケーリングは、サブピクセルの配列を考慮して行われる。例えば、1つのピクセル10が図13(a)に示すようにX方向に配列された3個のサブピクセル11を有し、文字サイズが20ドット×20ドットである場合には、スケルトンデータの座標データは60(=20×3)ピクセル×20ピクセルのデータとなるようにスケーリングされる。
【0024】
ステップS4では、1つのストロークを構成する点の座標データが取り出され、ステップS5では、スケルトンデータに含まれるストロークの線タイプからストロークの種類が直線であるか、または曲線であるかが判定される。そして、ストロークの種類が直線である場合にはステップS6に進み、ストロークの種類が直線ではなく、曲線である場合にはステップS7に進む。
【0025】
ステップS6では、ストロークを構成する点の座標データが直線で結ばれ、その直線上に配置されるサブピクセルが、文字の骨格を表す基本部分として定義される。また、ステップS7では、ストロークを構成する点の座標データが曲線で近似され、その曲線上に配置されるサブピクセルが、文字の骨格を表す基本部分として定義される。
【0026】
ステップS8では、上記ステップS6またはステップS7で定義された、文字の骨格を表す基本部分に対応するサブピクセルの色要素が最大の色要素レベル、例えば「7」として設定される。次に、ステップS9では、補正テーブル5cを参照して、基本部分に対応するサブピクセルの近傍のサブピクセルの色要素レベルが設定される。
【0027】
ステップS10では、1文字に含まれるストロークの全てに対して処理が終了したか否かが判定され、「Yes」の場合にはステップS11に進み、「No」の場合にはステップS3に戻って処理を続ける。ステップS11では、色要素レベルと輝度レベルとの対応関係を表す輝度テーブル5dを参照して、設定されたサブピクセルの色要素レベルが、それぞれの輝度レベルに変換される。ステップS12では、ステップS11で設定されたサブピクセルの輝度レベルを示す輝度データが、表示デバイス3に転送される。
【0028】
このようにして、サブピクセル単位で輝度レベルを調節して、表示デバイス3に文字を表示することができる。ここでは、文字の骨格を表す基本部分に対応するサブピクセルは、スケルトンデータから導出しているが、アウトラインデータ、ビットマップデータ等から所定の処理によって導出してもよく、また、基本部分のパターンを文字形状データとして予め補助記憶装置40に格納しておいたものを読み出して用いることもできる。
【0029】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した従来技術では、文字の形状を構成するサブピクセルの色要素レベルのパターンを設定してから、実際に表示部において表示すべき輝度レベルに変換を行うため、処理が複雑になり、また、処理を行うために必要な作業メモリ領域が多くなる。このため、文字表示のための処理が遅くなり、ハードウェアのコストが高くなる等の問題がある。
【0030】
また、上記従来技術では、所定の幅を有する2以上のストロークが接近または交差することによって文字の空間部分が狭くなり、文字の形状が認識しづらくなるという「文字のつぶれ」を防ぐために、サブピクセルの色要素レベルのパターンを変更することが行われている。しかしながら、実際にストローク同士の位置関係を認識して色要素レベルのパターンを変更するためには、複雑な処理が必要になるという問題がある。
【0031】
さらに、表示すべき文字および背景に任意の色が設定される場合、文字の色と背景の色との組み合わせによっては、サブピクセルの色要素レベルのパターンが、設定された文字および背景の色を表現するために適切ではなく、文字の形状を損ねて視認性が著しく低下するという問題がある。
【0032】
本発明は、このような従来技術の課題を解決するためになされたものであり、簡単な処理により高精細かつ高品位な文字を表示して、文字表示処理の高速化およびハードウェアの低コスト化を図ることができる文字表示装置および文字表示方法、その文字表示方法を制御するための制御プログラムおよびその制御プログラムが記録された記録媒体を提供することを目的とする。
【0033】
【課題を解決するための手段】
本発明の文字表示装置は、所定の方向に配列されて複数の色要素のうちの対応する少なくとも1つの色要素がそれぞれ割り当てられた複数のサブピクセルをそれぞれ含む、複数のピクセルを有し、文字が表示される表示部と、該表示部を制御する制御部とを備え、該各ピクセル毎にそのサブピクセルの輝度レベルを決定して該表示部の表示面に文字を表示する文字表示装置において、該制御部は、文字の形状を表す文字形状データに基づいて、該複数のサブピクセルの中から、文字の骨格を表す基本部分に対応する対応サブピクセルを決定し、そのサブピクセルの輝度レベルが決定されるべき注目ピクセルに含まれるサブピクセルと該注目ピクセルの両側の近傍ピクセルに含まれるサブピクセルとからなる1群の複数のサブピクセルの配列における、該基本部分に対応する対応サブピクセルの位置を数値配列で示す配列パターンを抽出し、該抽出された、該1群の複数のサブピクセルの少なくとも1つのサブピクセルが該対応サブピクセルであることを示す配列パターンに対して、該配列パターンをこれが示す対応サブピクセルの位置と、これに隣接する該基本部分に対応しない非対応サブピクセルの位置とを入れ替えたものとする置換、あるいは該配列パターンをこれが示す対応サブピクセルの位置に隣接する非対応サブピクセルの位置をも対応サブピクセルの位置として示すものに変える複製を含む所定の変更を加え、変更後の配列パターンに基づいて、該注目ピクセルに含まれるサブピクセルの輝度レベルを決定するものであり、そのことにより上記目的が達成される。
【0034】
前記制御部は、前記配列パターンに対する変更として、前記基本部分に対応する対応サブピクセルの位置と、それに隣接する、前記基本部分に対応していない非対応サブピクセルの位置とを入れ替える置換を加えた配列パターンに基づいて、前記注目ピクセルに含まれるサブピクセルの輝度レベルを決定するものである。
【0035】
前記制御部は、前記配列パターンに対する変更として、前記基本部分に対応する対応サブピクセルの位置に隣接する、前記基本部分に対応していない非対応サブピクセルの位置をも対応サブピクセルの位置として示すようにする複製を加えた配列パターンに基づいて、前記注目ピクセルに含まれるサブピクセルの輝度レベルを決定するものである。
【0036】
前記制御部は、表示されるべき文字の色と背景の色との組み合わせに応じて、前記配列パターンから決まる、前記注目ピクセルにおける各サブピクセルとその輝度レベルとの対応関係を変更するものである。
【0037】
前記制御部は、予め登録された文字の色および背景の色と、表示されるべき文字の色および背景の色との差の大小によって、前記配列パターンから決まる、前記注目ピクセルにおける各サブピクセルと、その輝度レベルとの対応関係を変更するものである。
【0038】
本発明の文字表示方法は、所定の方向に配列されて複数の色要素のうちの対応する少なくとも1つの色要素がそれぞれ割り当てられた複数のサブピクセルをそれぞれ含む、複数のピクセルを有し、文字が表示される表示部と、該表示部を制御する制御部とを有する文字表示装置において、該各ピクセル毎にそのサブピクセルの輝度レベルを決定して該表示部の表示面に文字を表示する方法であって、文字の形状を表す文字形状データに基づいて、該複数のサブピクセルの中から、文字の骨格を表す基本部分に対応する対応サブピクセルを決定するステップと、そのサブピクセルの輝度レベルが決定されるべき注目ピクセルに含まれるサブピクセルと該注目ピクセルの両側の近傍ピクセルに含まれるサブピクセルとからなる1群の複数のサブピクセルの配列における、該基本部分に対応する対応サブピクセルの位置を数値配列で示す配列パターンを抽出するステップと、抽出された、該1群の複数のサブピクセルの少なくとも1つのサブピクセルが該対応サブピクセルであることを示す配列パターンに対して、該配列パターンをこれが示す対応サブピクセルの位置と、これに隣接する該基本部分に対応しない非対応サブピクセルの位置とを入れ替えたものとする置換、あるいは該配列パターンをこれが示す対応サブピクセルの位置に隣接する非対応サブピクセルの位置をも対応サブピクセルの位置として示すものに変える複製を含む所定の変更を加え、変更後の配列パターンに基づいて、該注目ピクセルに含まれるサブピクセルの輝度レベルを決定するステップと
を含み、そのことにより上記目的が達成される。
【0039】
本発明の制御プログラムは、所定の方向に配列されて複数の色要素のうちの対応する少なくとも1つの色要素がそれぞれ割り当てられた複数のサブピクセルをそれぞれ含む、複数のピクセルを有し、文字が表示される表示部と、該表示部を制御する制御部とを有する文字表示装置に、該各ピクセル毎にそのサブピクセルの輝度レベルを決定して該表示部の表示面に文字を表示する文字表示処理を実行させるための制御プログラムであって、該文字表示処理は、文字の形状を表す文字形状データに基づいて、該複数のサブピクセルの中から、文字の骨格を表す基本部分に対応する対応サブピクセルを決定するステップと、そのサブピクセルの輝度レベルが決定されるべき注目ピクセルに含まれるサブピクセルと該注目ピクセルの両側の近傍ピクセルに含まれるサブピクセルとからなる1群の複数のサブピクセルの配列における、該基本部分に対応する対応サブピクセルの位置を数値配列で示す配列パターンを抽出するステップと、抽出された、該1群の複数のサブピクセルの少なくとも1つのサブピクセルが該対応サブピクセルであることを示す配列パターンに対して、該配列パターンをこれが示す対応サブピクセルの位置と、これに隣接する該基本部分に対応しない非対応サブピクセルの位置とを入れ替えたものとする置換、あるいは該配列パターンをこれが示す対応サブピクセルの位置に隣接する非対応サブピクセルの位置をも対応サブピクセルの位置として示すものに変える複製を含む所定の変更を加え、変更後の配列パターンに基づいて、該注目ピクセルに含まれるサブピクセルの輝度レベルを決定するステップとを含むものであり、そのことにより上記目的が達成される。
【0040】
本発明の記録媒体は、所定の方向に配列されて複数の色要素のうちの対応する少なくとも1つの色要素がそれぞれ割り当てられた複数のサブピクセルをそれぞれ含む、複数のピクセルを有し、文字が表示される表示部と、該表示部を制御する制御部とを有する文字表示装置に、各ピクセル毎にそのサブピクセルの輝度レベルを決定して該表示部の表示面に文字を表示する文字表示処理を実行させるための制御プログラムが記録された、該文字表示装置によって該制御プログラムの読み取りが可能な記録媒体であって、該文字表示処理は、文字の形状を表す文字形状データに基づいて、該複数のサブピクセルの中から、文字の骨格を表す基本部分に対応する対応サブピクセルを決定するステップと、そのサブピクセルの輝度レベルが決定されるべき注目ピクセルに含まれるサブピクセルと該注目ピクセルの両側の近傍ピクセルに含まれるサブピクセルとからなる1群の複数のサブピクセルの配列における、該基本部分に対応する対応サブピクセルの位置を数値配列で示す配列パターンを抽出するステップと、抽出された、該1群の複数のサブピクセルの少なくとも1つのサブピクセルが該対応サブピクセルであることを示す配列パターンに対して、該配列パターンをこれが示す対応サブピクセルの位置と、これに隣接する該基本部分に対応しない非対応サブピクセルの位置とを入れ替えたものとする置換(段落0074〜0076、図5)、あるいは該配列パターンをこれが示す対応サブピクセルの位置に隣接する非対応サブピクセルの位置をも対応サブピクセルの位置として示すものに変える複製を含む所定の変更を加え、変更後の配列パターンに基づいて、該注目ピクセルに含まれるサブピクセルの輝度レベルを決定するステップとを含むものであり、そのことにより上記目的が達成される。
【0041】
以下に、本発明の作用について説明する。
【0042】
本発明にあっては、表示部の表示面に、所定の方向に配列されて複数の色要素のうちの対応する少なくとも1つの色要素がそれぞれ割り当てられた複数のサブピクセルをそれぞれ含む、複数のピクセルが設けられている。その表示部の表示面に文字を表示させる際には、例えば文字の骨格形状を表すスケルトンデータ、文字の輪郭形状を表すアウトラインデータ、文字の形状を表すビットマップデータ等のような、文字の形状を表す文字形状データに基づいて、複数のサブピクセルの中から、文字の骨格を表す基本部分に対応するサブピクセルが決定される。そして、輝度レベルが決定されるピクセルに含まれるサブピクセルと、その近傍のサブピクセルとの中から、基本部分に対応するサブピクセルの配列が抽出され、抽出されたサブピクセルの配列に基づいて、サブピクセルの輝度レベルが決定され、表示部に文字が表示される。
【0043】
これにより、文字を高精細かつ高品位に表示する際に、基本部分に対応するサブピクセルの色要素レベルおよび基本部分に対応するサブピクセルに隣接するサブピクセルの色要素レベルをそれぞれ決定してから輝度レベルに変換する従来技術に比べて、基本部分に対応するサブピクセルの配列を抽出するだけて輝度レベルを決定することができるため、処理が簡略化され、処理速度の遅いCPUであっても実用的な速度で処理を行うことが可能となる。また、処理手順が記述される制御プログラムのサイズを小さくすることができるため、補助記憶装置の規模を小さく抑えることができる。さらに、処理が簡略化されることによって、処理途中で必要とされる作業メモリ領域についても小さく抑えることができる。その結果、文字表示装置のコストを抑えて高精細かつ高品位な文字表示を実現することができる。
【0044】
また、本発明にあっては、基本部分に対応するサブピクセルの配列に基づいて複数のサブピクセルの輝度レベルを決定する際に、基本部分に対応するサブピクセルの位置と、それに隣接するサブピクセルの位置とを置換して、その置換された配列に基づいて、サブピクセルの輝度レベルを決定することができる。これにより、文字の骨格となるサブピクセルが近接している場合に、骨格同士の距離を開けるようにサブピクセルの配列を変更することができるので、文字のストローク同士が近接している場合に、ストローク間の空間がなくなって文字が潰れることを防ぐことができる。また、文字と背景との配色によっては、文字の骨格となるサブピクセルの配置が字形の表現に適さないものになる場合があるが、このような場合にも、骨格となるサブピクセルの配置を変更することにより、字形の歪みを補正することができる。
【0045】
また、本発明にあっては、基本部分に対応するサブピクセルの配列に基づいて複数のサブピクセルの輝度レベルを決定する際に、基本部分に対応するサブピクセルに加えて、それに隣接するサブピクセルを基本部分として複製し、その複製された配列に基づいて、サブピクセルの輝度レベルを決定することができる。これにより、文字の骨格となるサブピクセルを多重化することができるので、文字の線幅を太くするための処理を簡略化して、効率良く行うことができる。
【0046】
また、本発明にあっては、基本部分に対応するサブピクセルの配列に基づいて複数のサブピクセルの輝度レベルを決定する際に、表示されるべき文字の色と背景の色との組み合わせによって、サブピクセルの配列とサブピクセルの輝度レベルとの対応関係を変更することができる。これにより、文字の色と背景の色とに応じて最適なサブピクセルの輝度レベルを決定することができるため、配色毎に最適な線幅で文字を表示することができ、配色によらず、視認性の高い文字表示を行うことができる。
【0047】
また、本発明にあっては、基本部分に対応するサブピクセルの配列に基づいて複数のサブピクセルの輝度レベルを決定する際に、予め登録された文字の色および背景の色と、表示されるべき文字の色および背景の色との差の大小によって、サブピクセルの配列とサブピクセルの輝度レベルとの対応関係を変更することができる。これにより、サブピクセルの輝度レベルが似ている、配色が近い文字のグループに対して、上記対応関係を共通化することができるため、文字表示装置の記憶容量を小さく抑えながら、より幅広い配色で最適な線幅で文字を表示することができる。
【0048】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施の形態について、図面に基づいて説明する。
【0049】
図1は、本発明の一実施形態である文字表示装置の構成を示すブロック図である。この文字表示装置1bとしては、カラー表示が可能な表示デバイスを備えている電子機器、情報機器等、任意の情報表示装置を用いることができ、例えばデスクトップ型、ラップトップ型等といった任意のタイプのパーソナルコンピュータ、ワードプロセッサ等が挙げられる。さらに、カラー液晶表示デバイスを備えた電子機器であってもよく、携帯情報端末、PHSを含む携帯電話機、一般的な固定式電話機、FAX等の通信機器であってもよい。
【0050】
この文字表示装置1bは、表示デバイス3を有している。この表示デバイス3は、カラー表示が可能であり、例えば液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ等が挙げられる。
【0051】
表示デバイス3は、制御部20に接続されている。制御部20は、CPU2と主メモリ4とを有しており、表示デバイス3に含まれる複数のサブピクセルに対応する複数の色要素を、それぞれ独立して制御することができるようになっている。制御部20には、入力デバイス7および補助記憶装置40が接続されている。
【0052】
入力デバイス7は、表示デバイス3に表示される文字、操作者の指示等を入力するための装置であり、例えばキーボード、タッチパネル、マウス等を用いることができる。
【0053】
補助記憶装置40には、文字表示を行うための表示プログラム41bと、文字形状データ5b、画素値テーブル5eとを含むデータ5が格納されている。文字形状データ5bとしては、例えば文字の輪郭形状を表すアウトラインデータ、文字の骨格形状を表すスケルトンデータ、文字を表すビットマップデータ等が挙げられる。但し、この文字形状データ5bの種類によって、表示プログラム41bによる処理は若干異なる。表示される文字は、絵文字等の簡単な図形を含んでいてもよいが、以下の説明では文字の場合について説明を行う。
【0054】
画素値テーブル5eは、輝度レベルが決定されるピクセル(注目ピクセル)に含まれるM個のサブピクセルと、その両側に隣接するN個のサブピクセルとを加えたM+2×N個のサブピクセルに含まれる基本部分の配列パターンと、注目ピクセルに含まれるM個のサブピクセルの輝度レベル(ピクセルの画素値)との対応関係が設定されている。これらの配列パターンは、注目ピクセルに含まれるM個のサブピクセルと、その両側のピクセル(近傍ピクセル)に含まれるN個のサブピクセルとからなる(M+2N)個のサブピクセルにおける、基本部分に対応するサブピクセルの位置を数値配列により示すものである。
【0055】
図2(a)〜図2(c)は、それぞれ、表示デバイス3の表示面の構成を説明するための図である。表示デバイス3の表示面には、図2(a)に示すように、表示される文字、図形等を表す複数のピクセル10が設けられており、1つのピクセル10には、所定の方向(図では横方向)に配列されて、複数の色要素、例えばR(赤)、G(緑)、B(青)といった3つの色要素のうちの対応する1つの色要素がそれぞれ割り当てられている3つサブピクセル11が含まれている。
【0056】
表示面において文字を表示する場合には、文字形状データ5bに基づいて、表示に係る各ピクセル10に含まれるサブピクセル11に、文字の骨格を表す基本部分が対応付けられる。例えば「忙」という文字では、図9に示す斜線部が文字の骨格を表す基本部分としてサブピクセル11に対応付けられる。
【0057】
文字の骨格を表す基本部分とサブピクセル11とを対応付ける際には、文字形状データ5bの種類によって異なる処理が行われる。例えば、アウトラインデータには、文字の種類を区別するための文字コード、1つの文字を構成するストロークの数(1文字の画数)、1つのストロークを構成する輪郭点の数、1つのストロークを構成する輪郭点の座標等が含まれている。この場合、各ストロークは文字の輪郭形状を表すために、曲線、直線、円弧、それらの組み合わせ等によって近似される輪郭線で囲まれた形状であり、所定の厚みを有している。文字の輪郭形状を表す輪郭線は、輪郭点の座標データを用いて、直線、曲線、円弧、それらの組み合わせ等として近似することができる。そして、輪郭線の内部とサブピクセルとが重なり合う面積が所定の面積以上である場合に、そのサブピクセルが文字の骨格を表す基本部分として決定される。
【0058】
また、スケルトンデータには、文字の種類を区別するための文字コード、1つの文字を構成するストロークの数、1つのストロークを構成する点の数、ストロークの線タイプ(曲線、直線等)、1つのストロークを構成する点の座標等が含まれている。この場合、各ストロークは文字の骨格形状を表すために、各線タイプに応じた線状であり、厚みを有していない。各ストロークは、ストロークの線タイプが直線である場合には、各ストロークを構成する複数の点の座標データを用いて、それらの点を通る直線として近似することができ、ストロークの線タイプが曲線である場合には、各ストロークを構成する複数の点の座標データを用いて、それらの点を通る曲線として近似することができる。そして、各ストローク上に配置されるサブピクセル11が文字の骨格を表す基本部分に対応するサブピクセル12として決定される。
【0059】
ビットマップデータは2値であり、ビットマップデータを構成するそれぞれのビットは「1」または「0」の値を有する。「1」の値を有するビットは図形の黒色の部分を表し、「0」の値を有するビットは図形の白色の部分を表す。基本部分は、図形の芯に相当する部分であり、図形が文字である場合には、基本部分は例えば文字に含まれるストローク(一画)の中央部分であるが、ビットマップデータではストロークの情報が失われているため、基本部分は推測により対応付けられる。基本部分は、注目しているビットD(x,y)の情報だけでは推測することができないが、注目しているビットDの近傍のビットの情報に基づいて推測される。まず、ビットマップデータを構成するそれぞれのビットについて、そのビットが「1」であるか否かを判定し、注目するビットの近傍のビットの「1」/「0」の配列パターンを調べる。そして、注目するビットをピクセルの1つに対応付けて、近傍のビットの配列パターンに応じて、注目するビットに対応するピクセルに含まれるサブピクセルのうち、基本部分に対応するサブピクセル12が決定される。
【0060】
図15は、図形を表すビットマップデータの一部を示す図である。D(x,y)は注目しているビットであり、N(a,b)はD(x,y)の近傍のビットD(x+a,y+b)を表している。図15には、ビットD(x,y)と縦、横または斜め方向に隣接する8個の近傍のビットN(−1,1)、N(0,−1)、N(1,−1)、N(−1,0)、N(1,0)、N(−1,1)、N(0,1)およびN(1,1)が示されている。これらの8個の近傍のビットを8近傍と称する。N(a,b)およびD(x,y)は、それぞれ、「1」または「0」の値を有する。
【0061】
図16は、表示デバイスの表示面の一部を示す図である。P(x,y)は表示面上の1つのピクセルである。図15に示すビットD(x,y)は、ビットマップデータにより表された図形が表示デバイスに表示される際に、ピクセルP(x,y)に対応付けられる。P(x,y)は3個のサブピクセルC(3x,y)、C(3x+1,y)およびC(3x+2,y)を含み、D(x,y)が「1」の値を有する場合に3個のサブピクセルC(3x,y)、C(3x+1,y)およびC(3x+2,y)のうち、基本部分定義ルールによって基本部分に対応するサブピクセルが決定され、D(x,y)が「0」の値を有する場合には3個のサブピクセルはいずれも基本部分に対応するサブピクセルとして決定されない。なお、ここでは図15に示すビットD(x,y)を図16に示すサブピクセルのグループGrpに対応付けているが、グループに含まれるサブピクセルの数とピクセルに含まれるサブピクセルの数とが必ずしも一致していなくてもよく、例えばビットマップデータのビットを図16に示す4個のサブピクセルからなるグループGrp’に対応付けてもよい。また、グループに含まれるサブピクセルはX方向に配列しているものに限られず、例えばビットマップデータのビットを図16に示すX方向およびY方向にサブピクセルが配列するグループGrp”に対応付けてもよい。
【0062】
図17(A)は、ビットマップデータにおいて注目しているビットD(x,y)の8近傍のビット例を示す。ビットN(a,b)が「1」の値を有することをN(a,b)=1と表すと、図17(A)においてN(0,−1)=N(1,1)=1であり、N(1,0)=N(0,1)=N(−1,1)=N(−1,0)=0であり、「※」で示されるN(−1,−1)およびN(1,−1)は「0」または「1」の任意の値を有する。また、図17(B)は、ビットD(x,y)の8近傍のビットが図17(A)に示される値を有する場合に、基本部分定義ルールによって基本部分と対応付けられるサブピクセルを示す図である。基本部分定義ルールにおいて、ピクセルP(x,y)に含まれる3個のサブピクセルのそれぞれが基本部分として対応付けられるか否かは、ピクセルP(x,y)に対応付けられたビットD(x,y)の近傍のビットN(a,b)の「0」および「1」の配列によって以下のように決定される。なお、以下の説明ではビットD(x,y)は「1」の値を有するものとする。図16に示すように、ビットD(x,y)に対応付けられた表示面上のピクセルP(x,y)は、3個のサブピクセルC(3x,y)、C(3x+1,y)およびC(3x+2,y)を含み、これらのサブピクセルのうち、図17(B)に「1」で示されるサブピクセルが基本部分に対応付けられ、「0」で示されるサブピクセルは基本部分に対応付けられない。すなわち、サブピクセルC(3x+2,y)は基本部分に対応付けられ、C(3x,y)およびC(3x+1,y)は基本部分に対応付けられない。例えば、図17(A)に示すビットマップデータにおいて、ストロークはビットN(0,−1)、D(x,y)、N(1,1)に対応する領域を通る曲線(図17(A)の破線50)であると推測される。このような曲線は、ビットD(x,y)に対応する領域内部の右側を通過すると考えられるので、図17(B)においてビットD(x,y)に対応するピクセルP(x,y)に含まれる右側のサブピクセルC(3x+2,y)が基本部分に対応付けられる。
【0063】
文字の骨格を表す基本部分に対応するサブピクセル12が決定されると、そのサブピクセル12とそれに隣接するサブピクセル13とに対して色要素レベルが設定される。例えば、図2(a)に示すように、ピクセル10を構成する3つのサブピクセル11のうち、斜線で示す中央に配置されたサブピクセル12が基本部分に対応すると決定された場合、図2(b)に示すように、その基本部分に対応するサブピクセル12の色要素レベルは例えば最大のレベルとして「7」に設定される。また、基本部分に対応するサブピクセル12に隣接し、基本部分に対応しないと判断されたサブピクセル13の色要素レベルは、基本部分に対応するサブピクセル12から遠くなるにつれて順番に、例えば「5」、「2」、「1」というように段階的に小さくなるように設定される。また、基本部分に対応するサブピクセル12から4つ以上離れたサブピクセル14の色要素レベルは、背景に相当するものとして「0」に設定される。
【0064】
なお、基本部分に対応するサブピクセル12に隣接し、基本部分ではないと決定されたサブピクセル13において、そのサブピクセル13が複数の基本部分に対応するサブピクセル12と隣接している場合、基本部分に対応する複数のサブピクセル12からの距離によって複数の色要素レベルが設定されることもあるが、そのような場合には、値が大きい方の色要素レベルが優先される。
【0065】
各サブピクセルの色要素レベルは、色要素レベルと輝度レベルとの対応関係に基づいて、輝度レベルに変換される。図2(b)の例では、基本部分に対応するサブピクセル12の輝度レベルは「0」に設定される。また、そのサブピクセル12に隣接する色要素レベルが「5」のサブピクセルの輝度レベルは「73」に設定され、色要素レベルが「2」のサブピクセルの輝度レベルは「182」に設定され、色要素レベルが「1」のサブピクセルの輝度レベルは「219」に設定される。また、背景に相当するものとして色要素レベルが「0」に設定されたサブピクセル14の輝度レベルは「255」に設定される。
【0066】
このようにして輝度レベルを決定する際に、本実施形態では、図3(c)に示すように、輝度レベルが決定されるピクセル(注目ピクセル)15に含まれるM個のサブピクセル16と、その両側に隣接するN個のサブピクセル17とを加えたM+2×N個のサブピクセルに含まれる基本部分の配列パターンを抽出し、抽出された配列パターンに基づいて、注目ピクセル15に含まれるM個のサブピクセル16の輝度レベル、すなわちピクセルの画素値を決定する。
【0067】
図3は、画素値テーブル5eの一例を示す図である。この図3および以下の図4〜図7では、図2(c)に示す注目ピクセル15に含まれるサブピクセル16の個数M=3、その両側にそれぞれ隣接するサブピクセル17の個数N=3の場合について説明する。なお、上記サブピクセルの個数Nは、通常、補正パターンの要素数(図10の例では3)と同じ数が用いられる。図3の左側には、サブピクセルの配列と同じ方向に並ぶ、3つのピクセル(注目ピクセル15とその両側のピクセル)に含まれる9つのサブピクセルの配列パターンを示している。図中、「0」はそのサブピクセルが基本部分ではないことを示し、「1」はそのサブピクセルが基本部分であることを示し、「x」はそのサブピクセルが基本部分であっても基本部分でなくてもよいことを示す。また、図3の右側には、図3の左側の各配列パターンに対応する、注目ピクセルに含まれる(R、G、B)の各サブピクセルの輝度値を示している。
【0068】
このような、文字の基本部分に対応するサブピクセルの配列と、画素値(サブピクセルの輝度レベル)が決定されるピクセルに含まれるサブピクセルの輝度値との対応関係を示す画素値テーブル5eを用いて、ピクセルの画素値が決定される。
【0069】
例えば、基本部分に対するサブピクセルの配列パターンが「x1000001x」である場合、例えば図10に示す補正パターン1が選択された場合には、色要素レベルの配列パターンが「x75、212、57x」となり、画素値が決定される注目ピクセルに含まれるサブピクセル(R、G、B)の色要素レベル(2、1、2)は図11に示す色要素レベルと輝度レベルとの対応関係に従って輝度レベル(182、219、182)に変換される。このため、図3の画素値テーブル5eでは、基本部分に対するサブピクセルの配列パターン「x1000001x」とピクセルの画素値(182、219、182)とが対応付けられている。他の配列パターンについても同様に、ピクセルの画素値と対応付けられている。これらの配列パターンは、注目ピクセルに含まれるM個のサブピクセルと、その両側のピクセル(近傍ピクセル)に含まれるN個のサブピクセルとからなる(M+2N)個のサブピクセルにおける、基本部分に対応するサブピクセルの位置を数値配列により示すものである。
【0070】
図4は、画素値テーブル5eの他の例を示す図である。図4の左側には、サブピクセルの配列と同じ方向に並ぶ、3つのピクセルに含まれる9つのサブピクセルの配列パターンを示している。また、図4の右側には、図4の左側の各配列パターンに対応する、注目ピクセルに含まれる(R、G、B)の各サブピクセルの輝度値を示している。
【0071】
このような、文字の基本部分に対するサブピクセルの配列パターンと、画素値が決定されるピクセルに含まれるサブピクセルの輝度値との対応関係を示す画素値テーブル5eを用いて、ピクセルの画素値が決定される。
【0072】
例えば、基本部分に対するサブピクセルの配列パターンが「000001000」である場合、図10に示す補正パターン1が選択された場合には、色要素レベルの配列が「001、257、521」となり、画素値が決定される注目ピクセルに含まれるサブピクセル(R、G、B)の色要素レベル(2、5、7)は図11に示す色要素レベルと輝度レベルとの対応関係に従って輝度レベル(182、73、0)に変換される。このため、図4の画素値テーブル5eでは、基本部分に対するサブピクセルの配列パターン「000001000」とピクセルの画素値(182、73、0)とが対応付けられている。他の配列パターンについても同様に、ピクセルの画素値と対応付けられている。
【0073】
以上のように、基本部分に対応するサブピクセルの配列パターンと、サブピクセルの輝度値との対応関係が予め画素値テーブル5eに設定されているので、基本部分に対応するサブピクセル同士が接近している場合には、その配列パターンに対応するサブピクセルの輝度値を調整することにより、文字のストローク間に存在するピクセルの画素値をコントロールすることができる。これにより、文字のストローク間で黒味が溜まり、文字間の空間が潰れる等ということを防いで表示品位を向上させることができる。
【0074】
図5は、画素値テーブル5eの他の例を示す図である。ここでは、基本部分を移動させて文字間の空間が潰れることを防いでいる。図5の左側には、サブピクセルの配列と同じ方向に並ぶ、3つのピクセルに含まれる9つのサブピクセルの配列パターンを示している。また、図5の中央には、基本部分に対応するサブピクセルを、各ピクセルに含まれる3つのサブピクセルのうち、中央に位置するサブピクセルに置換した配列パターンを示している。図5の右側には、図5の中央の各配列パターンに対応する、注目ピクセルに含まれる(R、G、B)の各サブピクセルの輝度値を示している。
【0075】
このような、文字の基本部分に対するサブピクセルの配列パターンと、画素値が決定されるピクセルに含まれるサブピクセルの輝度値との対応関係を示す画素値テーブル5eを用いて、ピクセルの画素値が決定される。
【0076】
例えば、基本部分に対応するサブピクセルの配列が「000 001 000」である場合、基本部分を置換することによりサブピクセルの配列は「000 010 000」になる。それに伴って、図10に示す補正パターン1が選択された場合には、色要素レベルの配列が「012、575、210」となり、画素値が決定される注目ピクセルに含まれるサブピクセル(R、G、B)の色要素レベル(5、7、5)は図11に示す色要素レベルと輝度レベルとの対応関係に従って輝度レベル(73、0、73)に変換される。このため、図5の画素値テーブル5eでは、基本部分に対応するサブピクセルの配列パターン「000 001 000」とピクセルの画素値(73、0、73)とが対応付けられている。他の配列パターンについても同様に、ピクセルの画素値と対応付けられている。
【0077】
図6は、画素値テーブル5eの他の例を示す図である。ここでは、基本部分を左側に複製(多重化)して文字の線幅を太くしている。図6の左側には、サブピクセルの配列と同じ方向に並ぶ、3つのピクセルに含まれる9つのサブピクセルと、その右側に隣接するサブピクセルとの配列パターンを示している。また、図6の中央には、基本部分に対応するサブピクセルに加えて、その左側に位置するサブピクセルを基本部分として複製した配列パターンを示している。図6の右側には、図6の中央の各配列パターンに対応する、注目ピクセルに含まれる(R、G、B)の各サブピクセルの輝度値を示している。
【0078】
このような、文字の基本部分に対するサブピクセルの配列パターンと、画素値が決定されるピクセルに含まれるサブピクセルの輝度値との対応関係を示す画素値テーブル5eを用いて、ピクセルの画素値が決定される。
【0079】
例えば、基本部分に対するサブピクセルの配列パターンが「x1000001xx」である場合、基本部分を左側に複製することによりサブピクセルの配列は「x1000011xx」になる。それに伴って、図10に示す補正パターン1が選択された場合には、色要素レベルの配列が「x75、225、77x、x」となり、画素値が決定される注目ピクセルに含まれるサブピクセル(R、G、B)の色要素レベル(2、2、5)は図11に示す色要素レベルと輝度レベルとの対応関係に従って輝度レベル(182、182、73)に変換される。このため、図6の画素値テーブル5eでは、基本部分に対するサブピクセルの配列パターン「x1000001xx」とピクセルの画素値(182、182、73)とが対応付けられている。他の配列パターンについても同様に、ピクセルの画素値と対応付けられている。
【0080】
図7は、画素値テーブル5eの他の例を示す図である。ここでは、背景色がオレンジ色(R、G、B)=(255、127、0)である場合について、基本部分に対するサブピクセルの配列パターンとピクセルの画素値(R、G、B)との対応関係を示している。図7の左側には、サブピクセルの配列と同じ方向に並ぶ、3つのピクセルに含まれる9つのサブピクセルの配列パターンを示している。また、図7の右側には、図7の左側の各配列パターンに対応する、注目ピクセルに含まれる(R、G、B)の各サブピクセルの輝度値を示している。
【0081】
このような、文字の基本部分に対するサブピクセルの配列パターンと、画素値が決定されるピクセルに含まれるサブピクセルの輝度値との対応関係を示す画素値テーブル5eを用いて、ピクセルの画素値が決定される。
【0082】
例えば、基本部分に対するサブピクセルの配列パターンが「000000000」である場合、文字の基本部分に対応するサブピクセルが含まれておらず、画素値が決定されるピクセルは背景に相当するため、(R、G、B)の輝度値は(255、127、0)となる。
【0083】
また、基本部分に隣接しているサブピクセルにおいて、段階的に変化する色要素レベルは、背景色の輝度の配分に合わせて調整されている。例えば、基本部分に対するサブピクセルの配列パターンが「000001000」である場合、背景色が白の場合には、図4に示すように色要素レベルの配列は「001、257、521」となり、画素値が決定される注目ピクセルに含まれるサブピクセル(R、G、B)の色要素レベル(2、5、7)は輝度レベル(182、73、0)に変換される。これに対して、背景色がオレンジの場合には、(R、G、B)の輝度レベルの比率が(1、1/2、0)であるため、画素値が決定される注目ピクセルに含まれるサブピクセル(R、G、B)の色要素レベル(2、5、7)は、Gのレベルが73×1/2≒36となり、輝度レベル(182、36、0)に調整される。このため、図7の画素値テーブル5eでは、基本部分に対するサブピクセルの配列パターン「000001000」と調整されたピクセルの画素値(182、36、0)とが対応付けられている。他の配列パターンについても同様に、ピクセルの画素値と対応付けられている。
【0084】
任意の文字色および背景色に対する、サブピクセルの配列と設定すべきピクセルの画素値との対応関係は、図3および図4に示すような白の背景色に黒の文字色という基本的な配色における対応関係を示す画素値テーブル5eを元に、文字色と背景色とに応じて調整することができ、それぞれの配色において図7に示すような画素値テーブル5eによってピクセルの画素値を決定することができる。
【0085】
文字色と背景色との組み合わせ毎に、上記図7に示すような画素値テーブルを設けてもよく、また、上記図3および図4に示すような画素値テーブルの値を調整することによって、サブピクセルの配列と画素値との対応関係を決定することもできる。さらに、文字色と背景色との組み合わせが多数ある場合には、似通った色をグループ化して、代表となる色に対して対応関係を表す画素値テーブルを設け、文字色および背景色と代表色との差の大小に応じて対応関係を表す画素値テーブルを調整するようにしてもよい。色差の大小を判定する指標としては、例えば(R、G、B)の各色要素の差の2乗和、差の絶対値和等を用いることができる。また、視覚特性に応じた色空間(例えばYUV空間、Lab空間等)での差を色差の大小を判定する指標としてもよい。上記対応関係を表す画素値テーブルに割り当てられた代表色と、文字の表示時に指定された色との差が所定の閾値以下であれば、指定された色をその代表色を含むグループの色と判定して、その画素値テーブルを用いてピクセルの画素値を決定することができる。
【0086】
以上に説明したサブピクセルの配列とピクセルの画素値との対応関係を表す画素値テーブル5eのエントリ数は、サブピクセルの配列の組み合わせとして、(M+2×N)個のサブピクセルに対する基本部分の有無(「1」、「0」)=2(M+2 × N)通りとなる。例えば、M=N=3の場合には512通りとなる。しかしながら、図10に示すように、基本部分に対応するサブピクセルに隣接するサブピクセルの色要素レベルが段階的に変化するように補正パターンが設定されるため、サブピクセルの輝度値の配列順は限られたものになる。また、補正パターンが重なり合う個所では、色要素レベルが大きい方の値に設定されるため、画素値として取り得る値の組み合わせは、M=3の場合には5×N+8通りとなる。従って、M=N=3の場合には23通りとなり、512通りの配列パターンに23通りのインデックスを割り当てることにより、実際に設定される画素値、例えば(R、G、B)各8bit=0〜255で計24bitのデータをテーブルとして持つ場合に比べて必要とされる容量を削減することができる。但し、より精密に画素値を設定するためには、上記組み合わせの数として上記式で求められる23通りに限定されない。
【0087】
なお、以上の説明では、サブピクセルの配列とピクセルの画素値との対応関係について、注目するサブピクセルの配列を、例えばR、G、Bと並ぶサブピクセルの配列方向に沿った配列としているが、それ以外の配列、例えばR、G、Bと並ぶサブピクセルの配列方向と垂直な方向に沿った配列についても、同様の対応関係を用いることができる。
【0088】
図8は、文字形状データ5bがスケルトンデータである場合について、表示プログラム41bによる処理の流れを示すフローチャートである。
【0089】
ステップS1では、入力デバイス7から文字コード、文字サイズが入力される。例えば、漢字の「木」を表示デバイス10に表示する場合には、文字コードとして4458番(JIS区点コード、44区58点)が入力される。文字サイズは、例えば表示される文字の横方向のドット数と縦方向のドット数とによって、例えば20ドット×20ドット等のように表現される。
【0090】
ステップS2では、入力された文字コードに対応するスケルトンデータが、補助記憶装置40の文字形状データ5bから読み出され、制御装置20の主メモリ4に格納される。このスケルトンデータには、文字の種類を区別するための文字コード、1つの文字を構成するストロークの数、1つのストロークを構成する点の数、ストロークの線タイプ、1つのストロークを構成する点の座標等が含まれている。
【0091】
ステップS3では、入力デバイス7から入力された文字サイズに応じて、スケルトンデータに含まれる各ストロークを構成する点の座標データがスケーリングされる。このスケーリングによって、スケルトンデータに含まれる座標データのために予め定められた座標系から、表示デバイス10のために定められた実ピクセル座標系に変換される。このときのスケーリングは、サブピクセルの配列を考慮して行われる。例えば、1つのピクセル10が図13(a)に示すようにX方向に配列された3個のサブピクセル11を有し、文字サイズが20ドット×20ドットである場合には、スケルトンデータの座標データは60(=20×3)ピクセル×20ピクセルのデータとなるようにスケーリングされる。
【0092】
ステップS4では、1つのストロークを構成する点の座標データが取り出される。
【0093】
ステップS5では、スケルトンデータに含まれるストロークの線タイプからストロークの種類が直線であるか、または曲線であるかが判定される。そして、ストロークの種類が直線である場合にはステップS6に進み、ストロークの種類が直線ではなく、曲線である場合にはステップS7に進む。
【0094】
ステップS6では、ストロークを構成する点の座標データが直線で結ばれ、その直線上に配置されるサブピクセルが、文字の骨格を表す基本部分として定義される。また、ステップS7では、ストロークを構成する点の座標データが曲線で近似され、その曲線上に配置されるサブピクセルが、文字の骨格を表す基本部分として定義される。
【0095】
ステップS10では、1文字に含まれるストロークの全てに対して処理が終了したか否かが判定され、「Yes」の場合にはステップS101に進み、「No」の場合にはステップS3に戻って処理を続ける。
【0096】
ステップS101では、画素値(サブピクセルの輝度レベル)が決定されるピクセルに含まれるサブピクセルと、それに隣接するサブピクセルとの中から、上記ステップS6またはステップS7で定義された、文字の骨格を表す基本部分に対するサブピクセルの配列パターンを抽出する。
【0097】
ステップS102では、基本部分に対応するサブピクセルの配列パターンとピクセルの画素値(サブピクセルの輝度レベル)との対応関係を表す画素値テーブル5eを参照して、ステップS101で抽出された基本部分の配列パターンに対応する画素値が、注目しているピクセルに含まれるサブピクセルの輝度レベルとして設定される。
【0098】
ステップS12では、ステップS102で設定されたサブピクセルの輝度レベルを示す輝度データが、表示デバイス3に転送される。
【0099】
このようにして、基本部分に対するサブピクセルの配列パターンに基づいてサブピクセル単位で輝度レベルを調節して、表示デバイス3に文字を表示することができる。ここでは、文字の骨格を表す基本部分に対応するサブピクセルは、スケルトンデータから導出しているが、アウトラインデータ、ビットマップデータ等から所定の処理によって導出してもよく、また、基本部分のパターンを文字形状データとして予め補助記憶装置40に格納しておいたものを読み出して用いることもできる。
【0100】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明によれば、カラー表示が可能な表示部において高精細に文字を表示する際に、文字の骨格を表す基本部分に対するサブピクセルの配列パターンから、表示部において表示すべき輝度レベルに直接変換することができるため、処理を高速化することができ、また処理を行うための作業メモリ領域を少なくすることができる。その結果、文字表示処理を高速化することができ、また、ハードウェアのコストを削減することができる。
【0101】
また、文字のストローク同士が近接している個所において、文字の骨格を表す基本部分に対するサブピクセルの配置パターンを調整することによって、文字が潰れることを容易に回避することができる。また、文字の骨格を表す基本部分に対応するサブピクセルに加えてその近傍のサブピクセルを基本部分のサブピクセルとして配列パターンを調整することによって、文字の線幅を容易に太くすることができる。
【0102】
また、表示されるべき文字および背景に任意の色を設定する場合に、文字色および背景色に応じて、サブピクセルの配列とサブピクセルの輝度レベルとの対応関係を調整することによって、配色によらず、文字の形状を保ちつつ、視認性の高い文字表示を行うことができる。
【0103】
さらに、基本部分に対するサブピクセルの配列パターンとピクセルの画素値との対応関係は、文字と背景との任意の配色に対して、似通った配色をグループ化して、代表色に関する対応関係のテーブルに集約することができるため、基本部分に対するサブピクセルの配列パターンとピクセルの画素値との対応関係のテーブル必要なデータ量を削減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態である文字表示装置の構成を示すブロック図である。
【図2】(a)〜(c)は、本発明の一実施形態である文字表示装置におけるサブピクセルの構造と補正パターンについて説明するための図である。
【図3】本発明の一実施形態である文字表示装置における画素値テーブルの一例を示す図である。
【図4】本発明の一実施形態である文字表示装置における画素値テーブルの他の例を示す図である。
【図5】本発明の一実施形態である文字表示装置における画素値テーブルの他の例を示す図である。
【図6】本発明の一実施形態である文字表示装置における画素値テーブルの他の例を示す図である。
【図7】本発明の一実施形態である文字表示装置における画素値テーブルの他の例を示す図である。
【図8】本発明の一実施形態である文字表示方法の処理手順を説明するためのフローチャートである。
【図9】文字「忙」について、基本部分に対応するサブピクセルのパターン例を示す図である。
【図10】従来の文字表示装置における補正テーブルの例を示す図である。
【図11】従来の文字表示装置における輝度テーブルの例を示す図である。
【図12】従来の文字表示装置の構成を示すブロック図である。
【図13】(a)および(b)は、従来の文字表示装置におけるサブピクセルの構造と補正パターンについて説明するための図である。
【図14】従来の文字表示方法の処理手順を説明するためのフローチャートである。
【図15】図形を表すビットマップデータの一部を示す図である。
【図16】表示デバイスの表示面の一部を示す図である。
【図17A】ビットマップデータにおいて注目しているビットと8近傍の例を示す図である。
【図17B】図17(A)に示す注目ビットと8近傍において、基本部分定義ルールによって基本部分として対応付けられるサブピクセルを示す図である。
【符号の説明】
1a、1b 文字表示装置
2 CPU
3 表示デバイス
4 主メモリ
5 データ
5b 文字形状データ
5c 補正テーブル
5d 輝度テーブル
5e 画素値テーブル
7 入力デバイス
10 ピクセル
11 サブピクセル
12 文字の骨格形状を表す基本部分に対応するサブピクセル
13 基本部分に対応するサブピクセルに隣接するサブピクセル
14 基本部分に対応するサブピクセルから4つ以上離れたサブピクセル
15 注目ピクセル
16 注目ピクセルに含まれるサブピクセル
17 注目ピクセルに隣接するサブピクセル
40 補助記憶装置
41a、41b 表示プログラム
Claims (8)
- 所定の方向に配列されて複数の色要素のうちの対応する少なくとも1つの色要素がそれぞれ割り当てられた複数のサブピクセルをそれぞれ含む、複数のピクセルを有し、文字が表示される表示部と、該表示部を制御する制御部とを備え、該各ピクセル毎にそのサブピクセルの輝度レベルを決定して該表示部の表示面に文字を表示する文字表示装置において、
該制御部は、
文字の形状を表す文字形状データに基づいて、該複数のサブピクセルの中から、文字の骨格を表す基本部分に対応する対応サブピクセルを決定し、
そのサブピクセルの輝度レベルが決定されるべき注目ピクセルに含まれるサブピクセルと該注目ピクセルの両側の近傍ピクセルに含まれるサブピクセルとからなる1群の複数のサブピクセルの配列における、該基本部分に対応する対応サブピクセルの位置を数値配列で示す配列パターンを抽出し、
該抽出された、該1群の複数のサブピクセルの少なくとも1つのサブピクセルが該対応サブピクセルであることを示す配列パターンに対して、該配列パターンをこれが示す対応サブピクセルの位置と、これに隣接する該基本部分に対応しない非対応サブピクセルの位置とを入れ替えたものとする置換、あるいは該配列パターンをこれが示す対応サブピクセルの位置に隣接する非対応サブピクセルの位置をも対応サブピクセルの位置として示すものに変える複製を含む所定の変更を加え、変更後の配列パターンに基づいて、該注目ピクセルに含まれるサブピクセルの輝度レベルを決定する文字表示装置。 - 前記制御部は、前記配列パターンに対する変更として、前記基本部分に対応する対応サブピクセルの位置と、それに隣接する、前記基本部分に対応していない非対応サブピクセルの位置とを入れ替える置換を加えた配列パターンに基づいて、前記注目ピクセルに含まれるサブピクセルの輝度レベルを決定する請求項1に記載の文字表示装置。
- 前記制御部は、前記配列パターンに対する変更として、前記基本部分に対応する対応サブピクセルの位置に隣接する、前記基本部分に対応していない非対応サブピクセルの位置をも対応サブピクセルの位置として示すようにする複製を加えた配列パターンに基づいて、前記注目ピクセルに含まれるサブピクセルの輝度レベルを決定する請求項1に記載の文字表示装置。
- 前記制御部は、表示されるべき文字の色と背景の色との組み合わせに応じて、前記配列パターンから決まる、前記注目ピクセルにおける各サブピクセルとその輝度レベルとの対応関係を変更する請求項1に記載の文字表示装置。
- 前記制御部は、予め登録された文字の色および背景の色と、表示されるべき文字の色および背景の色との差の大小によって、前記配列パターンから決まる、前記注目ピクセルにおける各サブピクセルと、その輝度レベルとの対応関係を変更する請求項1に記載の文字表示装置。
- 所定の方向に配列されて複数の色要素のうちの対応する少なくとも1つの色要素がそれぞれ割り当てられた複数のサブピクセルをそれぞれ含む、複数のピクセルを有し、文字が表示される表示部と、該表示部を制御する制御部とを有する文字表示装置において、該各ピクセル毎にそのサブピクセルの輝度レベルを決定して該表示部の表示面に文字を表示する方法であって、
文字の形状を表す文字形状データに基づいて、該複数のサブピクセルの中から、文字の骨格を表す基本部分に対応する対応サブピクセルを決定するステップと、
そのサブピクセルの輝度レベルが決定されるべき注目ピクセルに含まれるサブピクセルと該注目ピクセルの両側の近傍ピクセルに含まれるサブピクセルとからなる1群の複数のサブピクセルの配列における、該基本部分に対応する対応サブピクセルの位置を数値配列で示す配列パターンを抽出するステップと、
抽出された、該1群の複数のサブピクセルの少なくとも1つのサブピクセルが該対応サブピクセルであることを示す配列パターンに対して、該配列パターンをこれが示す対応サブピクセルの位置と、これに隣接する該基本部分に対応しない非対応サブピクセルの位置とを入れ替えたものとする置換、あるいは該配列パターンをこれが示す対応サブピクセルの位置に隣接する非対応サブピクセルの位置をも対応サブピクセルの位置として示すものに変える複製を含む所定の変更を加え、変更後の配列パターンに基づいて、該注目ピクセルに含まれるサブピクセルの輝度レベルを決定するステップと
を含む文字表示方法。 - 所定の方向に配列されて複数の色要素のうちの対応する少なくとも1つの色要素がそれぞれ割り当てられた複数のサブピクセルをそれぞれ含む、複数のピクセルを有し、文字が表示される表示部と、該表示部を制御する制御部とを有する文字表示装置に、該各ピクセル毎にそのサブピクセルの輝度レベルを決定して該表示部の表示面に文字を表示する文字表示処理を実行させるための制御プログラムであって、
該文字表示処理は、
文字の形状を表す文字形状データに基づいて、該複数のサブピクセルの中から、文字の骨格を表す基本部分に対応する対応サブピクセルを決定するステップと、
そのサブピクセルの輝度レベルが決定されるべき注目ピクセルに含まれるサブピクセルと該注目ピクセルの両側の近傍ピクセルに含まれるサブピクセルとからなる1群の複数のサブピクセルの配列における、該基本部分に対応する対応サブピクセルの位置を数値配列で示す配列パターンを抽出するステップと、
抽出された、該1群の複数のサブピクセルの少なくとも1つのサブピクセルが該対応サブピクセルであることを示す配列パターンに対して、該配列パターンをこれが示す対応サブピクセルの位置と、これに隣接する該基本部分に対応しない非対応サブピクセルの位置とを入れ替えたものとする置換、あるいは該配列パターンをこれが示す対応サブピクセルの位置に隣接する非対応サブピクセルの位置をも対応サブピクセルの位置として示すものに変える複製を含む所定の変更を加え、変更後の配列パターンに基づいて、該注目ピクセルに含まれるサブピクセルの輝度レベルを決定するステップと
を含む制御プログラム。 - 所定の方向に配列されて複数の色要素のうちの対応する少なくとも1つの色要素がそれぞれ割り当てられた複数のサブピクセルをそれぞれ含む、複数のピクセルを有し、文字が表示される表示部と、該表示部を制御する制御部とを有する文字表示装置に、各ピクセル毎にそのサブピクセルの輝度レベルを決定して該表示部の表示面に文字を表示する文字表示処理を実行させるための制御プログラムが記録された、該文字表示装置によって該制御プログラムの読み取りが可能な記録媒体であって、
該文字表示処理は、
文字の形状を表す文字形状データに基づいて、該複数のサブピクセルの中から、文字の骨格を表す基本部分に対応する対応サブピクセルを決定するステップと、
そのサブピクセルの輝度レベルが決定されるべき注目ピクセルに含まれるサブピクセルと該注目ピクセルの両側の近傍ピクセルに含まれるサブピクセルとからなる1群の複数のサブピクセルの配列における、該基本部分に対応する対応サブピクセルの位置を数値配列で示す配列パターンを抽出するステップと、
抽出された、該1群の複数のサブピクセルの少なくとも1つのサブピクセルが該対応サブピクセルであることを示す配列パターンに対して、該配列パターンをこれが示す対応サブピクセルの位置と、これに隣接する該基本部分に対応しない非対応サブピクセルの位置とを入れ替えたものとする置換、あるいは該配列パターンをこれが示す対応サブピクセルの位置に隣接する非対応サブピクセルの位置をも対応サブピクセルの位置として示すものに変える複製を含む所定の変更を加え、変更後の配列パターンに基づいて、該注目ピクセルに含まれるサブピクセルの輝度レベルを決定するステップと
を含む記録媒体。
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