以下、図を参照して本発明の実施の形態を説明する。
1.文字表示装置
図1は、本発明の実施の形態の文字表示装置100の構成を示す。
文字表示装置100は、例えば、パーソナルコンピュータであり得る。パーソナルコンピュータとしては、デスクトップ型またはラップトップ型などの任意のタイプのコンピュータが使用され得る。あるいは、文字表示装置100は、ワードプロセッサであってもよい。
文字表示装置100は、表示デバイスを備えた電子機器または情報機器などの任意の情報表示装置であり得る。例えば、文字表示装置100は、液晶表示デバイスを備えた電子機器、携帯情報ツールである携帯情報端末、PHSを含む携帯電話機、一般の電話機/FAXなどの通信機器、ゲーム機、TV、またはPDAであってもよい。
文字表示装置100は、入力デバイス101と、複数の文字を表示する表示デバイス103と、表示デバイス103を制御する制御部102とを含む。
入力デバイス101は、表示デバイス103に表示される文字を表す文字情報および表示デバイス103に対する指示を制御部102に入力するために使用される。文字情報は、例えば、文字を識別する文字コード、ビットマップフォントを表すためのビットマップデータ、文字の線の幅を示す線幅情報、文字色を示す文字色情報および背景色を示す背景色情報を含む。
入力デバイス101としては、文字情報を入力することが可能な任意のタイプの入力デバイスが使用され得る。カーソルキー、テンキー、およびファンクションキーを備えたキーボードなどの入力デバイスが入力デバイス101として使用され得る。
なお、文字情報は、入力デバイス101を使用することによって、制御部102に入力されることに限られない。文字情報は、制御部102に含まれる記録媒体(図示せず)に格納されていてもよい。
文字情報を格納する記録媒体としては、任意の記録媒体が使用され得る。ハードディスク、ROM、MO、MD、DVD、ICカード、光カードなどの記録媒体が使用され得る。ROMは、例えば、マスクROM、EPROM、EEPROM、フラッシュROMなどであり得る。ROMを使用する場合には、そのROMを交換するだけでいろいろな処理のバリエーションを容易に実現することができる。例えば、ROMは、文字表示装置100が携帯型の端末装置または携帯電話機である場合に使用され得る。
文字表示装置100がインターネットを含む通信回線に接続するための手段を備えている場合には、その通信回線から文字情報をダウンロードすることができる。
制御部102は、複数のサブピクセルに対応する複数の色要素をそれぞれ独立に制御することにより、文字を表示デバイス103に表示する。
制御部102は、ビットマップデータを文字表示データに変換する。文字表示データは、表示デバイス103に表示する文字を表すデータである。制御部102は、骨格生成手段104と、文字寄与レベル割り付け手段105と、出力値生成手段106と、文字寄与レベル算出手段107と、文字寄与レベル集合算出手段108と、輝度レベル算出手段109と、垂直文字寄与レベル集合算出手段110と、2次元文字寄与レベル集合合成手段111とを含む。
骨格生成手段104は、入力デバイス101によって入力されたビットマップデータから骨格データを生成する。文字寄与レベル割り付け手段105は、各サブピクセルに、背景色に対して文字色がどの程度寄与するかを示す値(文字寄与レベル)を割り付ける。
文字寄与レベル算出手段107には、入力デバイス101によって線幅情報が入力される。文字寄与レベル算出手段107は、線幅情報に基づいて、骨格サブピクセルからの距離に応じて、所定のサブピクセルの文字寄与レベルを算出する。文字寄与レベル集合算出手段108は、画素ごとの文字寄与レベル集合を算出する。
垂直文字寄与レベル集合算出手段110は、骨格サブピクセルに隣接する画素の文字寄与レベル集合と線幅情報とに基づいて、垂直方向に並ぶ複数のサブピクセルの文字寄与レベル集合を算出する。骨格サブピクセルは、文字の骨格部分に対応するサブピクセルである。2次元文字寄与レベル集合合成手段111は、文字寄与レベル集合と垂直文字寄与レベル集合とを合成し、2次元文字寄与レベル集合を生成する。
輝度レベル算出手段109は、文字色情報と背景色情報と2次元文字寄与レベル集合とに基づいて、表示デバイス103に表示するための文字を構成する複数のサブピクセルの輝度レベルを算出する。
出力値生成手段106は、文字寄与レベルと輝度レベルとに基づいて、表示デバイス103に出力すべき値(文字表示データ)を生成する。生成された出力値は、表示デバイス103に出力される。
なお、「文字寄与レベル」、「文字寄与レベル集合」、「垂直文字寄与レベル集合」および「2次元文字寄与レベル集合」の詳細は、後述される。さらに、制御部102に含まれた各構成要素の機能の詳細は、後述される。
表示デバイス103は、複数の画素を有する表示領域を含む。表示デバイス103には、制御部102から出力された文字表示データに基づいて、表示領域に所望の文字が表示される。
表示デバイス103としては、文字を表示する機能を有する任意の表示デバイスが使用され得る。表示デバイス103は、例えば、液晶表示デバイスである。
複数の画素の各々は、複数のサブピクセルに分割されている。複数のサブピクセルの各々には、複数の色要素(例えば、R(赤)、G(緑)、B(青))のうち対応する1つの色要素が予め割り当てられている。複数の色要素のそれぞれの強さは、複数の色要素レベルによって表される。
サブピクセルの形状は、画素を3分割してつくられる縦長の短冊状である。この場合には、これらのサブピクセルは水平方向に配列されている。なお、サブピクセルの形状は、縦長の短冊状に限らない。サブピクセルの形状は、横長の短冊状であり得る。この場合には、これらのサブピクセルは垂直方向に配列される。サブピクセルは、画素を3分割してつくられることに限定されない。画素の分割数は、任意であり得る。
以下、文字寄与レベルの詳細を説明する。
文字寄与レベルは、16進数(0からFまでの値)によって表現される。例えば、骨格サブピクセルの文字寄与レベルは「F」によって表現され、骨格サブピクセルから充分に離れたサブピクセルの文字寄与レベルは「0」によって表現される。骨格サブピクセルに近接するサブピクセルの文字寄与レベルは「0」〜「F」のうちのいずれかによって表現される。例えば、所望のサブピクセルの文字寄与レベルは、所望のサブピクセルが骨格サブピクセルから離れている程、小さい値によって表現される。
文字色が黒、かつ背景色が白である場合、骨格サブピクセルの文字寄与レベルは「F」によって表現され、その骨格サブピクセルの輝度値は「0」である。骨格サブピクセルから充分に離れたサブピクセルの文字寄与レベルは「0」によって表現され、そのサブピクセルの輝度値は「255」である。そして、骨格サブピクセルに近接するサブピクセルの文字寄与レベルは「0」〜「F」のうちのいずれかによって表現され、そのサブピクセルの輝度値は、「255」〜「0」のうちの対応する1つの値である。
なお、文字寄与レベルは、16進数で表現されるに限らない。文字寄与レベルは、任意の進数で表現されてもよい。
以下、文字寄与レベル集合の詳細を説明する。
文字寄与レベル集合は、複数のサブピクセルの文字寄与レベルの集合である。例えば、サブピクセルの個数が3つであり、3つのサブピクセルの各々に、3つの色要素(例えば、R、G、B)のうち対応する1つの色要素が割り当てられている場合には、文字寄与レベル集合は、色要素Rのサブピクセルの文字寄与レベル、色要素Gのサブピクセルの文字寄与レベルおよび色要素Bのサブピクセルの文字寄与レベルである。
文字色が黒、かつ背景色が白である場合には、例えば、黒色部分に対応する3つのサブピクセルの文字寄与レベル集合は(F、F、F)によって表現され、その画素値は(R、G、B)=(0、0、0)である。例えば、白色部分に対応する3つのサブピクセルの文字寄与レベル集合は(0、0、0)によって表現され、その画素値は(R、G、B)=(255、255、255)である。
骨格サブピクセルの右側に近接する3つのサブピクセルの文字寄与レベル集合が(R、G、B)=(3、6、9)であれば、その画素値は、R≧G≧Bを満たすような画素値(例えば画素値(R、G、B)=(230、202、168))である。
R≧G≧Bを満たすような画素値(例えば画素値(R、G、B)=(230、202、168))を有する3つのサブピクセルによって、文字色および背景色とは色相の異なる赤い色合いが表示されるが、骨格サブピクセルの左側に近接する3つのサブピクセルの文字寄与レベル集合を(R、G、B)=(9、6、3)に設定し、その画素値をR≦G≦Bを満たすような画素値(例えば(R、G、B)=(168、202、230))にすることによって、文字の色付きを抑制できる。
なお、文字寄与レベル集合は、1画素を構成する3つのサブピクセルの文字寄与レベルの集合にかぎらない。文字寄与レベル集合に含まれる文字寄与レベルが割り当てられたサブピクセルの個数は1以上の任意の個数である。
以下、制御部102に含まれた各構成要素の機能の詳細を説明する。
図2は、骨格生成手段104の機能を示す。
骨格生成手段104は、ビットマップデータから所望のデータをとりだし、骨格データをサブピクセル単位で生成する。文字の骨格部分に隣接する画素および文字の骨格部分に近傍の画素に応じて、骨格サブピクセルが滑らかに配置されるように、骨格データが生成される。
ビットマップデータは、例えば、文字表示装置100に含まれているフォント格納部に格納されている。骨格生成手段104は、フォント格納部から取得したビットマップデータの1画素毎に、骨格サブピクセルに隣接する画素および骨格サブピクセルに近傍の画素を参照することにより、骨格データを割り付けるサブピクセルを求める。
例えば、ビットマップデータの所定の画素(i行目かつj列目の画素)に含まれる骨格サブピクセルは、所定の画素と所定の画素に隣接する8個の画素とを参照して求められる。所定の画素のパターンとこれらの8個の画素(i+1行目かつj−1列目の画素、i+1行目かつj列目の画素、i+1行目かつj+1列目の画素、i行目かつj−1列目の画素、i行目かつj+1列目の画素、i−1行目かつj−1列目の画素、i−1行目かつj列目の画素、i−1行目かつj+1列目の画素)のパターンとを参照して、所定の画素のうち色要素Bが割り当てられたサブピクセルに骨格サブピクセルを割り付ける。
例えば、骨格サブピクセルを割り付けるサブピクセルは、所定の画素のパターンと所定の画素に隣接する8個の画素のパターンとの組み合わせによって決定される。これらのパターンの組み合わせは、予め骨格生成手段104に格納されている。
骨格生成手段104は、ビットマップデータによって示される全画素に対してパターンマッチングを行い、該当する骨格データを割り当て、所定の画素のパターンから骨格パターン(図2(c)参照)を生成する。
図3は、文字寄与レベル割り付け手段105の機能を示す。
文字寄与レベルは、16進数(0からFまでの値)によって表現される。骨格サブピクセルの文字寄与レベルは「F」によって表現され、骨格サブピクセルからNサブピクセル離れた部分に対応するサブピクセルの文字寄与レベルは「0」によって表現される。骨格サブピクセルに近接するサブピクセルの文字寄与レベルは「0」〜「F」のうちのいずれかによって表現される。
i行目かつj列目の画素のうちの色要素Bのサブピクセルの文字寄与レベルは「F」であり、i行目かつj列目の画素のうちの色要素Gのサブピクセルの文字寄与レベルは「9」であり、i行目かつj列目の画素のうちの色要素Rのサブピクセルの文字寄与レベルは「6」であり、i行目かつj−1列目の画素のうちの色要素Bのサブピクセルの文字寄与レベルは「3」である。
i行目かつj+1列目の画素のうちの色要素Rのサブピクセルの文字寄与レベルは「9」であり、i行目かつj+1列目の画素のうちの色要素Gのサブピクセルの文字寄与レベルは「6」であり、i行目かつj+1列目の画素のうちの色要素Bのサブピクセルの文字寄与レベルは「3」である。
骨格サブピクセルを中心として、左右対称にサブピクセルの文字寄与レベルを割り付けている。しかし、骨格サブピクセルを中心として、左右非対称にサブピクセルの文字寄与レベルが割り付けられてもよい。さらに、サブピクセルの文字寄与レベルは「9」、「6」、「3」に限定されない。
文字寄与レベル割り付け手段105は、このように、所望のサブピクセルが骨格サブピクセルから離れている程、小さい値によって所望のサブピクセルの文字寄与レベルが表現されるように、所望のサブピクセルの文字寄与レベルを割り付ける(図3(c)参照)。
図4は、出力値生成手段106の機能を示す。
出力値生成手段106は、1画素の文字寄与度レベル集合に対応する輝度値テーブルを有する。出力値生成手段106は、文字寄与度レベル集合に対応する輝度値テーブルを選択し、選択した輝度値テーブルに基づいて、文字表示データを生成する。
i行目かつj列目の画素の文字寄与レベル集合が(6、9、F)である場合には、出力値生成手段106に含まれる輝度値テーブルのうちの「2」を選択し(図4(b)参照)、選択した輝度値テーブルに基づいて、文字表示データを生成する。
以上、文字毎のデータ処理に関して説明した。上述したように、骨格生成手段104、文字寄与レベル割り付け手段105および出力値生成手段106によって、文字を構成する画素全てのデータ処理を行うことにより、文字が表示される。
以下、出力値生成手段106が有する輝度値テーブルの生成に関して説明する。
図5は、文字寄与レベル算出手段107の機能を示す。
文字寄与レベル算出手段107は、骨格サブピクセルから所定のサブピクセルまでの距離に応じて、この所定のサブピクセルの文字寄与レベルを設定する。
文字寄与レベル算出手段107は、文字の線の幅を示す複数の太さレベル(線幅情報)の各々に対応して、骨格サブピクセルの文字寄与レベル、骨格サブピクセルから1サブピクセル離れたサブピクセルの文字寄与レベル、骨格サブピクセルから2サブピクセル離れたサブピクセルの文字寄与レベル、骨格サブピクセルから3サブピクセル離れたサブピクセルの文字寄与レベルおよび骨格サブピクセルから4サブピクセル離れたサブピクセルの文字寄与レベルを算出する。
太さレベルが「i」である場合には、骨格サブピクセルから4サブピクセル離れたサブピクセルまでのサブピクセルの文字寄与レベルは、「F」、「9」、「6」、「3」、「0」であり、太さレベルが「i+1」である場合には、骨格サブピクセルから4サブピクセル離れたサブピクセルまでのサブピクセルの文字寄与レベルは、「F」、「A」、「7」、「4」、「0」である。なお、骨格サブピクセルから4サブピクセル離れたサブピクセルまでのサブピクセルの文字寄与レベルが、全て異なることに限らない。これらの文字寄与レベルのうちの幾つかが同じ文字寄与レベルであり得る。全て「F」であり得る。例えば、骨格サブピクセルから4サブピクセル離れたサブピクセルまでのサブピクセルの文字寄与レベルは、「F」、「9」、「9」、「3」、「0」または、「F」、「F」、「F」、「F」、「0」であり得る。
太さレベルと複数のサブピクセルの文字寄与レベルが予め算出されており、太さレベルと複数のサブピクセルの文字寄与レベルとの関係を表した文字寄与レベルテーブルが文字寄与レベル算出手段107に格納されていてもよい。この場合には、文字寄与レベル算出手段107は、太さレベルに応じて文字寄与レベルを選択する。
太さレベルに応じて、サブピクセルの文字寄与レベルは異なる。太さレベルiに対応する文字寄与レベルと太さレベルi+1に対応する文字寄与レベルとを比較する。骨格サブピクセルの文字寄与レベルは互いに同じである。更に、骨格サブピクセルから4サブピクセル離れた文字寄与レベルは互いに同じである。しかし、1〜3サブピクセル離れたサブピクセルの文字寄与レベルは、太さレベルiに対応する文字寄与レベルが「9」、「6」、「3」であるのに対して、太さレベルi+1に対応する文字寄与レベルは「A」、「7」、「4」である。太さレベルi+1に対応する文字寄与レベルは、太さレベルiに対応する文字寄与レベルより大きく、骨格サブピクセルの文字寄与レベルFに近い。このことは、輝度レベル算出手段109が、所定の画素に対して、より文字色に近い値を輝度値として割り当てることを意味する。
以下、文字寄与レベル算出手段107によって、太さレベルiに対応する文字寄与レベルが選ばれたとして説明を続ける。
図6は、文字寄与レベル集合算出手段108の機能を示す。
文字寄与レベル集合算出手段108は、所定の個数のサブピクセルの文字寄与レベルを参照して、文字寄与レベル集合を算出する。参照されるサブピクセルの個数は、例えば、文字寄与レベル算出手段107によって算出された文字寄与レベルに依存する。骨格サブピクセルに隣接するサブピクセルからサブピクセルの文字寄与レベルが最小値(=0)であるサブピクセルの1つ前のサブピクセルまでが、対象となる画素の文字寄与レベル集合に含まれる。従って、参照されるサブピクセルの数は、以下に示す《式1》によって定義される。
《式1》
参照されるサブピクセルの数=(1画素に含まれるサブピクセルの数)+(骨格サブピクセルに隣接するサブピクセルからサブピクセルの文字寄与レベルが最小値であるサブピクセルの1つ前のサブピクセルまでのサブピクセルの個数)×2
本発明の実施の形態では、文字寄与レベル算出手段107によって0以外の文字寄与レベルが割り当てられたサブピクセルは、骨格サブピクセルから3サブピクセル離れたサブピクセルまでである。したがって、9サブピクセル(9=3+3×2)(3画素)の骨格データに基づいて、任意の文字寄与レベルの集合が算出される。
隣接するNサブピクセルの骨格の組合せは2Nであらわされるので、29=512通りのテーブルを用意することとなる。
図7は、輝度レベル算出手段109の機能を示す。
輝度レベル算出手段109は、輝度レベル算出手段109に入力された文字寄与レベル集合(例えば、2次元文字寄与レベル集合合成手段111によって合成された2次元文字寄与レベル集合)に基づいて、さらに、文字色、背景色および画素配列を考慮し、画素毎に、色要素Rのサブピクセル、色要素Gのサブピクセルおよび色要素Bのサブピクセルの輝度値を決定する。
上述したように、文字寄与レベルは、文字色と背景色との混合比率を表している。したがって、文字寄与レベルに応じて、文字色情報および背景色情報を重み付け平均処理することによって、実際の輝度値を算出する。
実際のサブピクセルの輝度レベルは、文字表示装置100の特性に依存する。以下に、実際のサブピクセルの輝度レベルを算出する《式2》〜《式4》を示す。
《式2》
Vr=iGr((Gr(fr)×ar+Gr(br)×(15−ar))/15)
《式3》
Vg=iGg((Gg(fg)×ag+Gb(bg)×(15−ag))/15)
《式4》
Vb=iGb((Gb(fb)×ab+Gg(bb)×(15−ab))/15)
ここで、Vrは色要素Rのサブピクセルの輝度レベルを示し、Vgは色要素Gのサブピクセルの輝度レベルを示し、Vbは色要素Bのサブピクセルの輝度レベルを示す。
Gr(x)は色要素Rのサブピクセルに対する文字表示装置100の入出力特性を示し、Gg(x)は色要素Gのサブピクセルに対する文字表示装置100の入出力特性を示し、Gb(x)は色要素Bのサブピクセルに対する文字表示装置100の入出力特性を示す。iGr(x)は色要素Rのサブピクセルに対する文字表示装置100の出入力特性を示し、iGg(x)は色要素Gのサブピクセルに対する文字表示装置100の出入力特性を示し、iGb(x)は色要素Bのサブピクセルに対する文字表示装置100の出入力特性を示す。
frは文字色を表現するために必要な色要素Rのサブピクセルの輝度レベルを示し、fgは文字色を表現するために必要な色要素Gのサブピクセルの輝度レベルを示し、fbは文字色を表現するために必要な色要素Bのサブピクセルの輝度レベルを示す。brは背景色を表現するために必要な色要素Rのサブピクセルの輝度レベルを示し、bgは背景色を表現するために必要な色要素Gのサブピクセルの輝度レベルを示し、bbは背景色を表現するために必要な色要素Bのサブピクセルの輝度レベルを示す。
arは色要素Rのサブピクセルの文字寄与レベルを示し、agは色要素Gのサブピクセルの文字寄与レベルを示し、abは色要素Bのサブピクセルの文字寄与レベルを示す。
図7(c)は、文字寄与レベル集合に対応する輝度レベルを示す。文字寄与レベル(003)、(036)、(9F9)、(FFF)のそれぞれに対して、輝度レベル(255、255、230)、(255、230、202)、(168、0、168)、(0、0、0)のうち対応する1つの輝度レベルが決定される。
これらの輝度レベルは、図7(a)に示された文字寄与レベル集合を表示装置入出力特性変換、文字色および背景色の重み付け平均および表示装置入出力特性逆変換することによって、算出される。
文字表示装置100の入出力特性γ=2.2、文字色が黒、背景色が白に対応する表示特性変換式を《式5》に示す。
《式5》
Gr(x)=255×(x/255)2.2
したがって、Gr(0)=0、Gr(255)=255である。
文字色が黒、背景色が白の場合は、fr、fg、fbを含む項が0となる。この場合、サブピクセルの輝度レベルは、《式6》〜《式8》によって示される。
《式6》
Vr=255×(((255×(15−ar))/15)/255)(1/2.2)
《式7》
Vg=255×(((255×(15−ag))/15)/255)(1/2.2)
《式8》
Vb=255×(((255×(15−ab))/15)/255)(1/2.2)
サブピクセルの文字寄与レベル(0、3、6)(図7(a)の表の2行目参照)を《式6》〜《式8》に代入することによって、下記に示すように、サブピクセルの輝度レベルが算出される。
Vr=255×(((255×(15−0))/15)/255)(1/2.2)=255×1(1/2.2)=255
Vg=255×(((255×(15−3))/15)/255)(1/2.2)=255×0.8(1/2.2)=230
Vb=255×(((255×(15−6))/15)/255)(1/2.2)=255×0.6(1/2.2)=202
実際には、表示装置の入出力特性は非線形であることが多い。表示装置の入出力特性が非線形である場合には、入出力特性及び逆特性を予め算出しておき、テーブルに格納しておく。
図8は、垂直文字寄与レベル集合算出手段110の機能を示す。
垂直文字寄与レベル集合算出手段110は、サブピクセルの配列方向に対して垂直な方向に並んだサブピクセルの文字寄与レベル集合を算出する。例えば、垂直文字寄与レベル集合は、骨格サブピクセルからの距離に依存する。
垂直文字寄与レベル集合算出手段110は、太さレベルに基づくことなく、均一的に、文字寄与レベル集合を垂直文字寄与レベル集合に変換する。例えば、垂直文字寄与レベル集合算出手段110は、文字寄与レベル集合を1/3にすることによって、文字寄与レベル集合を垂直文字寄与レベル集合に変換する(図8(a)参照)。
また、垂直文字寄与レベル集合算出手段110は、太さレベルに基づいて、文字寄与レベル集合を垂直文字寄与レベル集合に変換してもよい(図8(b)参照)。
太さレベルが「i+3」である場合には、骨格サブピクセルから4サブピクセル離れたサブピクセルまでの文字寄与レベルは、「F」、「d」、「8」、「5」、「0」である。この場合は、文字寄与レベル集合を1/2にすることによって、文字寄与レベル集合を垂直文字寄与レベル集合に変換する。
太さレベルが「i」である場合には、骨格サブピクセルから4サブピクセル離れたサブピクセルまでの文字寄与レベルは、「F」、「9」、「6」、「3」、「0」である。この場合は、文字寄与レベル集合を1/3にすることによって、文字寄与レベル集合を垂直文字寄与レベル集合に変換する(図8(b)参照)。
太さレベルが「i−2」である場合には、骨格サブピクセルから4サブピクセル離れたサブピクセルまでの文字寄与レベルは、「F」、「7」、「5」、「1」、「0」である。この場合は、文字寄与レベル集合を1/4にすることによって、文字寄与レベル集合を垂直文字寄与レベル集合に変換する。
このように、所定のサブピクセル群(第2サブピクセル群)の文字寄与レベルは、骨格サブピクセルに隣接するサブピクセルから3サブピクセル離れたサブピクセルまでのサブピクセル群(第1サブピクセル群)の文字寄与レベルに基づいて設定される。ここで、所定のサブピクセル群(第2サブピクセル群)は、骨格サブピクセル群に隣接するサブピクセル群であり、この所定のサブピクセル群は、垂直方向に並んだ少なくとも1つのサブピクセルを含む。
さらに、図8(b)を参照して説明したように、第2サブピクセル群の文字寄与レベルは、所定の変換率に基づいて設定され得る。この所定の変換率は、線幅情報に応じて決定されている。上述したように、この所定の変換率と線幅情報との関係は、少なくとも1つのテーブルによって表され得る。
図8(a)および図8(b)で示した例では、文字寄与レベル集合(0、0、0)は垂直文字寄与レベル集合(0、0、0)に変換され、文字寄与レベル集合(F、F、F)は垂直文字寄与レベル集合(5、5、5)に変換される。
図9は、文字寄与レベル集合、垂直文字寄与レベル集合、2次元文字寄与レベル集合、文字寄与レベルおよび輝度値の関係を示す。
図9を参照して、2次元文字寄与レベル集合合成手段111および輝度レベル算出手段109によって輝度値を算出する方法を説明する。
図9(a)は、文字寄与レベル集合、垂直文字寄与レベル集合および2次元文字寄与レベル集合の関係を示す。文字寄与レベル集合の組合せを第1列目に配置し、垂直文字寄与レベル集合の組合せを第1行目に配置している。
2次元文字寄与レベル集合合成手段111は、文字寄与レベル集合と垂直文字寄与レベル集合とのうち、大きい値を選択することによって、2次元文字寄与レベル集合を生成する。
2次元文字寄与レベル集合合成手段111は、文字寄与レベル集合(A、B、C)、垂直文字寄与レベル集合(a、b、c)である場合には、Aとa、Bとb、Cとcを比較する。A>a、B<b、C>cである場合には、2次元文字寄与レベル集合は(A、b、C)である。文字寄与レベル集合(0、0、3)、垂直文字寄与レベル集合(0、1、2)である場合には、2次元文字寄与レベル集合は(0、1、3)である。
2次元文字寄与レベル集合合成手段111は、文字寄与レベルと垂直文字寄与レベル集合とに基づいて2次元文字寄与レベル集合を設定する。このように、所定のサブピクセル群(第3サブピクセル群)の文字寄与レベルは、第1サブピクセル群の文字寄与レベルと第2サブピクセル群の文字寄与レベルとに基づいて設定される。ここで、所定のサブピクセル群(第3サブピクセル群)は、第1サブピクセル群に隣接するサブピクセル群であり、この所定のサブピクセル群は、垂直方向に並んだ少なくとも1つのサブピクセルを含む。第1サブピクセル群は、骨格サブピクセルに隣接するサブピクセルから3サブピクセル離れたサブピクセルまでのサブピクセル群であり、第2サブピクセル群は、骨格サブピクセルに隣接するサブピクセル群であり、第2サブピクセル群は、骨格サブピクセルに対して垂直方向に並んだ少なくとも1つのサブピクセルを含む。
なお、文字表示を適切に行うこと(例えば、本発明の実施の形態では、文字を構成する線分の縦方向の太さと横方向の太さとを視覚的に同じにすること)よりデータ処理を高速に行うことを優先する場合には、第3サブピクセル群の文字寄与レベルは、第1サブピクセル群の文字寄与レベルおよび第2サブピクセル群の文字寄与レベルのいずれか一方に基づいて、事前に定める所定のルールに従って、設定されることがあり得る。データ処理を高速に行うことより文字表示を適切に行うことを優先する場合には、本発明の実施の形態で説明されるように、第3サブピクセル群の文字寄与レベルは、第1サブピクセル群の文字寄与レベルと第2サブピクセル群の文字寄与レベルとに基づいて設定される。
図9(b)は、各色要素のサブピクセルの文字寄与レベルとそれらに対応する輝度値との関係を示す。文字色は黒、背景色は白である。図7および式6〜式8を参照して説明した方法に基づいて、各色要素のサブピクセルの文字寄与レベルとそれらに対応する輝度値を算出する。
図9(c)は、2次元輝度テーブルを示す。2次元輝度テーブルは、文字寄与レベル集合、垂直文字寄与レベル集合および2次元輝度値の関係を示す。図9(a)に示された2次元文字寄与レベル集合と図9(b)に示された輝度値とに基づいて、2次元輝度値を算出する。2次元輝度値は、2次元文字寄与レベル集合に対応する輝度値である。
図10は、文字表示装置100によって生成された文字画像を示す。
輝度レベル算出手段109は、文字寄与レベル集合と垂直文字寄与レベル集合と2次元輝度値との関係を示す2次元輝度値テーブルを算出し、出力値生成手段106に出力する。
k+1行j列目の画素の文字寄与レベル集合(3、6、9)と、k行j列目の画素の文字寄与レベル集合(0、0、0)とが出力値生成手段106に入力される。
出力値生成手段106は、2次元輝度値テーブル(図10(b)参照)を参照して、k+1行j列目の画素の文字寄与レベル集合(3、6、9)とk行j列目の画素の文字寄与レベル集合(0、0、0)とに基づいて、2次元輝度値のうち該当する輝度値(1行目2列目の値)を選択し、k行j列目の画素の画素値を決定する。
文字画像が生成される(図10(c)参照)。
以上、図1〜図10を参照して、本発明の文字表示装置を説明した。
例えば、図1〜図10に示される実施の形態では、表示デバイス103が「複数の画素を有する表示デバイス」に対応し、制御部102が「表示デバイスを制御する制御部」に対応し、制御部102に含まれる各構成要素が「複数のサブピクセルに対応する複数の色要素をそれぞれ独立に制御することにより、文字を表示デバイスに表示」する手段に対応し、骨格生成手段104と文字寄与レベル割り付け手段105が「表示デバイスに表示される文字の骨格部分に対応する少なくとも1つのサブピクセルを含む骨格サブピクセル群の色要素レベルと、骨格サブピクセル群のうちの1つのサブピクセルに隣接する第1サブピクセル群であって、第1方向に並んだ少なくとも1つのサブピクセルを含む第1サブピクセル群の色要素レベルとを設定」する手段に対応し、出力値生成手段106と文字寄与レベル算出手段107と文字寄与レベル集合算出手段108と輝度レベル算出手段109と垂直文字寄与レベル集合算出手段110と2次元文字寄与レベル集合合成手段111とが「骨格サブピクセル群のうちの1つのサブピクセルに隣接する第2サブピクセル群であって、第1方向に対して垂直な第2方向に並んだ少なくとも1つのサブピクセルを含む第2サブピクセル群の色要素レベルを第1サブピクセル群のうちの少なくとも1つのサブピクセルの色要素レベルに応じて設定する」手段に対応する。
しかし、図1〜図10に示される実施の形態は、本発明の文字表示装置の機能の一例を示したに過ぎない。上述した各手段の機能が達成される限りは、任意の構成を有する文字表示装置が本発明の範囲内に含まれ得る。
例えば、「第1方向」は、x軸方向である。第1方向がx軸方向である場合には、第1サブピクセル群は、骨格サブピクセル群のうちの1つのサブピクセルに、x軸方向に隣接する。第1方向がx軸方向である場合には、「第2方向」は、y軸方向であり、第2サブピクセル群は、骨格サブピクセル群のうちの1つのサブピクセルに、y軸方向に隣接する。
なお、「第1方向」が、x軸方向であることに限定されない。例えば、「第1方向」は、y軸方向である。第1方向がy軸方向である場合には、第1サブピクセル群は、骨格サブピクセル群のうちの1つのサブピクセルに、y軸方向に隣接する。第1方向がy軸方向である場合には、「第2方向」は、x軸方向であり、第2サブピクセル群は、骨格サブピクセル群のうちの1つのサブピクセルに、x軸方向に隣接する。
さらに、例えば、上述した各手段は、ハードウェアによって実現されてもよいし、ソフトウェアによって実現されてもよいし、ハードウェアとソフトウェアとによって実現されてもよい。
例えば、文字表示装置には、文字表示処理手順を実行させるためのプログラム(以下、文字表示処理プログラムという)が格納されている。文字表示処理プログラムは、コンピュータの出荷時に、文字表示装置に含まれるプログラム格納手段に予め格納されていてもよい。
あるいは、コンピュータの出荷後に、文字表示処理プログラムをプログラム格納手段に格納するようにしてもよい。例えば、ユーザがインターネット上の特定のウェブサイトから文字表示処理プログラムを有料または無料でダウンロードし、そのダウンロードされたプログラムをコンピュータにインストールするようにしてもよい。文字表示処理プログラムがフレキシブルディスク、CD−ROM、DVD−ROMなどのコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されている場合には、入力装置(例えば、ディスクドライブ装置)を用いて文字表示処理プログラムをコンピュータにインストールするようにしてもよい。インストールされたプログラムは、プログラム格納手段に格納される。
なお、文字表示処理手順の詳細は、後述される。
図1〜図10を参照して説明したように、本発明の文字表示装置によれば、第2サブピクセル群の色要素レベルが第1サブピクセル群のうちの少なくとも1つのサブピクセルの色要素レベルに応じて設定される。したがって、第1サブピクセル群の色要素レベルの変更に連動させて第2サブピクセル群の色要素レベルを変更できる。その結果、文字の線の幅を均一に変更でき、文字を滑らか表示できる。
本発明の文字表示装置によれば、複数の画素のそれぞれに含まれる複数のサブピクセルの配列方向に依存することなく、文字の線の幅を均一に太くできる。
図11は、本発明の実施の形態の別の文字表示装置200の構成を示す。
図11において、図1に示される構成要素と同一の構成要素には同一の参照符号を付し、その説明を省略する。
図12は、テーブル選択手段212の機能を示す。
以下、図11および図12を参照して、文字表示装置200を説明する。
文字表示装置200は、テーブル選択手段212を含む。テーブル選択手段212は、線幅情報に基づいて、複数の2次元文字寄与レベル集合テーブルからこの線幅情報に対応する2次元文字寄与レベル集合テーブルを選択する。複数の2次元文字寄与レベル集合テーブルは、例えば、文字表示装置200に含まれる格納媒体(図示せず)に格納されている。例えば、この格納媒体には、2次元文字寄与レベル集合テーブルAと、2次元文字寄与レベル集合テーブルBと、2次元文字寄与レベル集合テーブルCとが格納されている。2次元文字寄与レベル集合テーブルAは、線幅情報(F9630)に、2次元文字寄与レベル集合テーブルBは、線幅情報(FA740)に、2次元文字寄与レベル集合テーブルCは、線幅情報(FB850)に対応する。
複数の2次元文字寄与レベル集合テーブルの各々は、文字寄与レベル集合、垂直文字寄与レベル集合および2次元文字寄与レベル集合の関係を示す。例えば、複数の2次元文字寄与レベル集合テーブルの各々では、文字寄与レベル集合の組合せが第1列目に配置され、垂直文字寄与レベル集合の組合せが第1行目に配置されている
テーブル選択手段212は、文字表示装置100に含まれる文字寄与レベル算出手段107、文字寄与レベル集合算出手段108、垂直文字寄与レベル集合算出手段110および2次元文字寄与レベル集合合成手段111の代用として用いられる(図1参照)。
図11および図12を参照して説明したように、2次元文字寄与レベル集合は、文字の複数の線幅に応じて決定されている。そして、少なくとも1つの2次元文字寄与レベル集合テーブルが、2次元文字寄与レベル集合と文字の複数の線幅との関係を表す。文字表示装置200によれば、予め決められた有限種類の線幅に対応する複数の2次元文字寄与レベル集合テーブルを予め用意することによって、2次元文字寄与レベル集合を算出するための制御部の演算回数を削減できる。その結果、制御部の負荷を軽減できる。
図13は、本発明の実施の形態の更に別の文字表示装置300の構成を示す。
図13において、図1に示される構成要素と同一の構成要素には同一の参照符号を付し、その説明を省略する。
図14は、輝度テーブル選択手段314の機能を示す。
以下、図13および図14を参照して、文字表示装置300を説明する。
文字表示装置300は、輝度テーブル選択手段314を含む。輝度テーブル選択手段314は、線幅情報、文字色情報および背景色情報に応じて、複数の2次元輝度テーブルからこれらの線幅情報、文字色情報および背景色情報に対応する2次元輝度テーブルを選択する。複数の2次元輝度テーブルは、例えば、文字表示装置300に含まれる格納媒体に格納されている。例えば、この格納媒体には、2次元輝度テーブルAと、2次元輝度テーブルBと、2次元輝度テーブルCとが格納されている。2次元輝度テーブルAは、線幅情報(F9630)、文字色情報が黒(0、0、0)および背景色情報が白(255、255、255)に対応する。2次元輝度テーブルBは、線幅情報(FA740)、文字色情報が黒(0、0、0)および背景色情報が白(255、255、255)に対応する。2次元輝度テーブルCは、線幅情報(FB850)、文字色情報が黒(0、0、0)および背景色情報が白(255、255、255)に対応する。
輝度テーブル選択手段314は、文字表示装置100に含まれる文字寄与レベル算出手段107、文字寄与レベル集合算出手段108、輝度レベル算出手段109、垂直文字寄与レベル集合算出手段110および2次元文字寄与レベル集合合成手段111の代用として用いられる(図1参照)。
図13および図14を参照して説明したように、2次元輝度値は、文字の複数の線幅に応じて決定されている。そして、少なくとも1つの2次元輝度テーブルが、2次元輝度値と文字の複数の線幅との関係を表す。文字表示装置300によれば、予め決められた有限種類の線幅、文字色および背景色に対応する複数の2次元輝度テーブルを予め用意することによって、2次元輝度値を算出するための制御部の演算回数を削減できる。その結果、制御部の負荷を軽減できる。
図15は、線と線との接触の発生を示す。
以下、図15を参照して、線と線との接触の発生を説明する。
文字「奇」は、以下の手順で文字表示装置に表示される。
骨格生成手段が、入力デバイスによって入力されたビットマップデータ(図15(a))から骨格データを生成する。次に、文字寄与レベル割り付け手段は、各色素子に、文字寄与レベルを割り付ける(図15(b))。次に、輝度レベル算出手段は、文字色情報と背景色情報と2次元文字寄与レベル集合とに基づいて、表示デバイスに表示する文字を構成する複数のサブピクセルの輝度値を算出する(図15(c))。次に、出力値生成手段は、文字寄与レベルと輝度値とに基づいて、文字表示データを生成する。文字表示データによって示された文字が表示デバイスに表示される(図15(d))。
ビットマップデータで示された文字「奇」のうち、部分「大」と部分「可」とは離れている(図15(a)のm行目かつn列目の画素参照)。しかし、表示デバイスに表示された文字「奇」のうち、部分「大」と部分「可」とは接触しているように見える(図15(d)のm行目かつn列目の画素参照)。
図16は、本発明の実施の形態の更に別の文字表示装置400の構成を示す。
図16において、図1に示される構成要素と同一の構成要素には同一の参照符号を付し、その説明を省略する。
図17は、補正抑制手段416の機能を示す。
以下、図16および図17を参照して、線と線との接触の発生を抑制するための実施の形態を説明する。
文字表示装置400は、補正抑制手段416を含む。補正抑制手段416は、第1補正抑制データに基づいて、線と線との接触を抑制する。
第1補正抑制データは、ビットマップの複数の行に割り付けられており、割り付けられた行に対して補正抑制を行うか否かを示す。
所定の行に対して補正抑制を行う場合には、所定の行に対応する第1補正抑制データの値は、「1」である。所定の行に対して補正抑制を行わない場合には、所定の行に割り付けられた第1補正抑制データの値は、「0」である。補正抑制手段416は、入力された第1補正制御データの値が「1」である場合には、対象画素の垂直文字寄与レベルを(F、F、F)から(0、0、0)に変更する。
例えば、「奇」を示すビットマップのm−1行目、m行目、m+1行目に対応する第1補正抑制データの値のそれぞれは、「0」、「1」、「0」である。したがって、m行目の複数の画素が補正抑制の対象となり、m行目かつn列目の画素の垂直文字寄与レベル集合は(0、0、0)になる。その結果、垂直文字寄与レベル集合(0、0、0)、文字寄与レベル集合(0、0、0)に基づいて、実線円で囲まれた輝度値(2次元輝度値)が選択される。
以上、図16および図17を参照して説明したように、補正抑制手段416は、第1補正抑制データに基づいて、線と線との接触を抑制する。
図18は、本発明の実施の形態の更に別の文字表示装置500の構成を示す。
図18において、図1に示される構成要素と同一の構成要素には同一の参照符号を付し、その説明を省略する。
図19は、補正抑制手段516の機能を示す。
以下、図18および図19を参照して、線と線との接触の発生を抑制するための別の実施の形態を説明する。
文字表示装置500は、補正抑制手段516を含む。補正抑制手段516には、第2補正抑制データが入力される。補正抑制手段516は、線と線との接触を抑制するように、第2補正抑制データに基づいて、垂直文字寄与レベル集合算出手段110を制御する。
垂直文字寄与レベル集合算出手段110は、第2補正抑制データと文字寄与レベル集合とに基づいて、垂直文字寄与レベル集合を生成する。
第2補正抑制データの抑制レベルは、文字寄与レベル集合を垂直文字寄与レベル集合に変換するための変換率を示す。例えば、抑制レベルが「0」の場合は、変換率は1/3である。抑制レベルが「1」の場合は、変換率は1/5である。抑制レベルが「3」の場合は、変換率は1/16である(図19参照)。
補正抑制手段516に、抑制レベルが「0」である第2補正抑制データが入力される。補正抑制手段516は、第2補正抑制データに基づいて、垂直文字寄与レベル集合算出手段110を制御する。垂直文字寄与レベル集合算出手段110は、文字寄与レベル集合(0、3、6)を1/3倍して、垂直文字寄与レベル集合(0、1、2)を生成する。
抑制レベルが「3」である第2補正抑制データが補正抑制手段516に入力された場合には、文字寄与レベル集合が1/16倍されるため、垂直文字寄与レベル集合の全てが(0、0、0)となる。したがって、第2次元輝度値は、垂直文字寄与レベル集合と文字寄与レベル集合とのうち、文字寄与レベル集合のみに依存して生成される。
抑制レベルが「1」である第2補正抑制データに基づいて生成された垂直文字寄与レベル集合は、抑制レベルが「0」である第2補正抑制データに基づいて生成された垂直文字寄与レベル集合よりも小さい。したがって、第2次元輝度値は、より背景色に近い値になる。
図20は、補正抑制手段516によって線と線との接触の発生を抑制した「奇」の一部分(部分「大」と部分「可」との近接した部分)の表示結果を示す。
表示部分(図20の右図)のうち円で囲まれた部分が、なだらかに変換している。このように、文字表示装置500によれば、文字の品位を落とすことなく、線と線との接触の発生を抑制できる。
以上、図18〜図20を参照して説明したように、補正抑制手段516は、線と線との接触を抑制するように、第2補正抑制データに基づいて、垂直文字寄与レベル集合算出手段110を制御する。
なお、文字表示装置500は、2次元文字寄与レベル集合テーブルまたは2次元輝度テーブルを生成するために、第2補正抑制データに基づいて、垂直文字寄与レベル集合を生成する。しかし、予め決められた有限種類の線幅に対応する複数の2次元文字寄与レベル集合テーブルを予め用意することによって、2次元文字寄与レベル集合を算出するための制御部の演算回数を削減できる。その結果、制御部の負荷を軽減できる。さらに、予め決められた有限種類の線幅、文字色および背景色に対応する複数の2次元輝度テーブルを予め用意することによって、2次元輝度値を算出するための制御部の演算回数を削減できる。その結果、制御部の負荷を軽減できる。
図21は、補正抑制データを含んだビットマップデータを示す。
図21を参照して、補正抑制データを含んだビットマップデータを説明する。
一般に、ビットマップ格納手段には、ビットマップデータが格納されている。格納されたビットマップデータは、複数のバイトデータを含み、複数の行から構成される文字の各行に対応するデータである。したがって、文字の最右部分に対応するデータ領域は空白である。第1補正抑制データまたは第2補正抑制データをこの空白部分に割り当てる。その結果、第1補正抑制データまたは第2補正抑制データを割り当てるための特別なデータ領域を用意することなく、補正抑制手段を機能させることが可能になる。
図15〜図21を参照して説明したように、本発明の文字表示装置によれば、文字の線が潰れることを防止できる。その結果、従来の技術に比べて十分に太く、高精細な読み易い文字を表示できる。
以上、図1〜図21を参照して、本発明の文字表示装置を説明した。
2.文字表示方法
図22は、本発明の実施の形態の文字表示処理手順を示す。
本発明の実施の形態の文字表示処理手順を実行することによって、複数のサブピクセルに対応する複数の色要素がそれぞれ独立に制御され、文字が表示デバイスに表示される。文字表示処理手順は、2次元輝度テーブル生成手順(ステップ1〜ステップ6)と生成された2次元輝度テーブルに応じて文字を生成する文字生成手順(ステップ7〜ステップ10)と生成された文字を表示する表示手順(ステップ11)とを包含する。
以下、図1および図22を参照して、文字表示処理手順をステップごとに説明する。
ステップ1:入力デバイス101から制御部102に線幅情報が入力される。
ステップ2:文字寄与レベル算出手段107は、線幅情報に対応して、骨格サブピクセルの文字寄与レベル、骨格サブピクセルから1サブピクセル離れたサブピクセルの文字寄与レベル、骨格サブピクセルから2サブピクセル離れたサブピクセルの文字寄与レベル、骨格サブピクセルから3サブピクセル離れたサブピクセルの文字寄与レベルおよび骨格サブピクセルから4サブピクセル離れたサブピクセルの文字寄与レベルを算出する。
ステップ3:文字寄与レベル集合算出手段108は、9個のサブピクセルの文字寄与レベルを参照して、文字寄与レベル集合を算出する。9個のサブピクセルは、骨格サブピクセルに隣接するサブピクセルおよび骨格サブピクセルに近傍のサブピクセルである。
ステップ4:垂直文字寄与レベル集合算出手段110は、文字寄与レベル集合に対応するサブピクセルの配列方向に対して垂直な方向に並んだサブピクセルの垂直文字寄与レベル集合を算出する。
ステップ5:2次元文字寄与レベル集合合成手段111は、文字寄与レベル集合と垂直文字寄与レベル集合とのうち、大きい値を選択し、2次元文字寄与レベル集合を合成する。
ステップ6:輝度レベル算出手段109は、2次元文字寄与レベル集合に基づいて、さらに、文字色、背景色および画素配列を考慮して、画素毎に、色要素Rのサブピクセル、色要素Gのサブピクセルおよび色要素Bのサブピクセルの輝度値を決定し、2次元輝度テーブルを作成する。
2次元輝度テーブルを作成後、処理は、ステップ10に進む。
ステップ7:入力デバイス101から制御部102に所望の文字を示すビットマップデータが入力される。
ステップ8:骨格生成手段104は、ビットマップデータから骨格データをサブピクセル単位で生成する。
ステップ9:文字寄与レベル割り付け手段105は、所望のサブピクセルが骨格サブピクセルから離れている程、小さい値によって所望のサブピクセルの文字寄与レベルが表現されるように、所望のサブピクセルの文字寄与レベルを割り付ける。
ステップ8とステップ9とを実行することによって、骨格生成手段104と文字寄与レベル割り付け手段105とは、骨格サブピクセル群の文字寄与レベルと第1サブピクセル群の文字寄与レベルとを設定する。
ステップ10:出力値生成手段106は、文字寄与度レベル集合に対応する輝度値テーブルを選択し、選択した輝度値テーブルに基づいて、文字表示データを生成する。出力値生成手段106は、文字表示データを表示デバイス103に出力する。
ステップ1〜ステップ6およびステップ10を実行することによって、第2サブピクセル群の文字寄与レベルを第1サブピクセル群のうちの少なくとも1つのサブピクセルの色要素レベルに応じて設定する。
ステップ11:文字表示データに基づいて、表示デバイス103に文字が表示される。
表示デバイス103に文字が表示された後、処理は終了する。
以上、図22を参照して、本発明の実施の形態の文字表示処理手順を説明した。
例えば、図22に示される実施の形態では、ステップ1〜11が「複数のサブピクセルに対応する複数の色要素をそれぞれ独立に制御することにより、文字を表示デバイスに表示するステップ」に対応し、ステップ8およびステップ9が「表示デバイスに表示される文字の骨格部分に対応する少なくとも1つのサブピクセルを含む骨格サブピクセル群の色要素レベルと、骨格サブピクセル群のうちの1つのサブピクセルに隣接する第1サブピクセル群であって、第1方向に並んだ少なくとも1つのサブピクセルを含む第1サブピクセル群の色要素レベルとを設定するステップ」に対応し、ステップ1〜6およびステップ10が「骨格サブピクセル群のうちの1つのサブピクセルに隣接する第2サブピクセル群であって、第1方向に対して垂直な第2方向に並んだ少なくとも1つのサブピクセルを含む第2サブピクセル群の色要素レベルを第1サブピクセル群のうちの少なくとも1つのサブピクセルの色要素レベルに応じて設定するステップ」に対応する。
しかし、本発明の実施の形態の文字表示処理手順は図22に示される手順に限定されるわけではない。文字表示処理手順に包含される各ステップが、上述した複数のステップの各々の機能を有する限りは、任意の手順を有しえる。
本発明の文字表示処理プログラムによれば、第2サブピクセル群の色要素レベルが第1サブピクセル群のうちの少なくとも1つのサブピクセルの色要素レベルに応じて設定される。したがって、第1サブピクセル群の色要素レベルの変更に連動させて第2サブピクセル群の色要素レベルを変更できる。その結果、文字の線の幅を均一に変更でき、文字を滑らかに表示できる。
本発明の文字表示処理プログラムによれば、複数の画素のそれぞれに含まれる複数のサブピクセルの配列方向に依存することなく、文字の線の幅を均一に太くできる。
また、本発明の文字表示処理プログラムによれば、文字の線が潰れることを防止できる。その結果、従来の技術に比べて十分に太く、高精細な読み易い文字を表示できる。
本発明は、ビットマップデータによって示される文字より太い文字を表示し、文字を構成するストロークが滑らかで、文字を構成するストロークの線幅が均一な文字を表示することを目的とする。
具体的には、ビットマップデータから骨格データを抽出する。対象画素に対して、対象画素の隣接近傍の画素に骨格部分があるか否かが調べられる。骨格部分がある場合には、骨格部分からの距離に応じた文字寄与レベルを対象画素に割り付ける。対象画素に割り付けられた文字寄与レベルに対して2次元方向の文字寄与レベルを観測し、文字色情報および背景色情報を参照することによって、最適な画素値を求める。
上述した実施の形態では、文字を表示デバイスに表示する例を説明したが、本発明はこれに限定されない。文字に代えて、あるいは文字に加えて、図形を表示する場合にも本発明を適用することができる。
この場合、文字表示処理プログラムに代えて、あるいは文字表示処理プログラムに加えて図形表示プログラムを使用するようにし、文字情報に代えて、あるいは文字情報に加えて図形情報を使用するようにし、文字寄与レベルに代えて、あるいは文字寄与レベルに加えて図形寄与レベルを使用するようにすればよい。図形表示処理プログラムもまた、文字表示処理プログラムと同様のステップを含み得る。図形には、例えば、文字の一部、模様、記号などが含まれる。
以上のように、本発明の好ましい実施形態を用いて本発明を例示してきたが、本発明は、この実施形態に限定して解釈されるべきものではない。本発明は、特許請求の範囲によってのみその範囲が解釈されるべきであることが理解される。当業者は、本発明の具体的な好ましい実施形態の記載から、本発明の記載および技術常識に基づいて等価な範囲を実施することができることが理解される。本明細書において引用した特許、特許出願および文献は、その内容自体が具体的に本明細書に記載されているのと同様にその内容が本明細書に対する参考として援用されるべきであることが理解される。