JP4407791B2 - 無菌充填包装システム - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、清涼飲料や乳飲料、米飯、惣菜等の無菌処理された内容物を無菌のカップ又はトレイ等の容器に収容して、ガス置換、密封を連続的に行う無菌充填包装システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、窒素ガス等の不活性ガスによって陽圧に保たれた無菌室内に、カップやトレイのような未封鎖状態の容器とその開口を封鎖する蓋材を連続的に供給し、無菌室内において容器を殺菌し、内容物を充填するとともに容器のヘッドスペースを不活性ガスで置換して密封する無菌充填包装機が知られている(特許文献1参照)。この無菌充填包装機は、無菌充填密封機、無菌空気生成装置、無菌乾燥空気生成装置、及び窒素ガス生成装置から成り、無菌充填密封機は、内部全体を壁で囲んだ所謂フルチャンバ式のチャンバを有しており、そのチャンバ内に、容器を懸吊する搬送板が取り付けられたベルトコンベヤが設けられている。このように構成することにより、容器、蓋材とも同一機内で殺菌し、置換ガスのみチャンバ内で内容物の充填密封を行うことで、ヘッドスペースのガス置換率を改善して、殺菌された容器包装体を得ることが図られている。
【0003】
しかしながら、上記従来の無菌充填機においては、無菌室が容器の殺菌、内容物充填、蓋材密封の各工程を行う部分のみではなく、容器移送のためのベルトコンベヤを含む充填機のほぼ全体にわたって設けられているために、極めて広い無菌空間を必要としている。即ち、チャンバは内部が略一塊の広がりを持つ構造を有しており、ベルトコンベヤが上側走行部と下側走行部とを有する縦に回転する態様でチャンバ内に配置されているので、ベルトコンベヤが上側走行部と下側走行部との間で占める割合が大きく、チャンバ内部には十分に利用されていない空間が存在する。フルチャンバ方式の無菌充填密封機は、各種装置を備える結果、装置全体が大型化し、装置殺菌用の薬液が大量に必要である。また、無菌化と酸素濃度減少の双方を窒素ガスで行おうとすると、大量の無菌の窒素ガスを供給する必要がある。窒素ガスが容器のヘッドスペース内の空気と置換されても、チャンバ内に入る無菌空気が大量であるため、置換に用いられた窒素ガスの利用率が向上しないという問題点がある。
【0004】
本出願人は、既に、無菌チャンバ内で、内部を殺菌した容器内に無菌内容物を充填し、殺菌された蓋材で容器を密封する連続無菌包装方法及び装置として、容器及び該容器を保持する容器受け部材を待機以外の無菌ガスで置換された無菌室内を移動させるために、該容器受け部材の駆動を該無菌室外から行う連続無菌包装方法及び装置を提案している(特願2000−216287号、特願2002−230846号)。これらの連続無菌包装によれば、容器及び容器受け部材のみが無菌室内を移動し、容器受け部材の駆動は無菌室の外部から行われる。したがって、無菌室内の容積は従来の無菌充填機と比較して著しく小さくなり、ほぼ窒素ガスのみの環境下で窒素ガス置換を行うことができ、ヘッドスペースの残存酸素濃度を1%以下に抑えることを図っている。
【0005】
【特許文献1】
特開平2−45323号公報(第2頁上右欄第3行〜第3頁上右欄第16行、第1図)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、チャンバの構造に工夫を施して、従来のチャンバが一つの広がりとしてのスペースを持つのに代えて、容器が通過する搬送路に沿って無菌領域を形成することで、殺菌、乾燥、無菌維持、ガス置換等の無菌充填包装に関連した各処理において、取扱いと内部を流れる気流の効率化を可能にするチャンバを構成する点で解決すべき課題がある。
【0007】
この発明の目的は、チャンバの一部又は全部に形成され且つ内容物の充填と蓋のシールとが行われる無菌領域を小規模に構成して、システム構築とその運転とを安価にするとともに、チャンバを配管的に取り扱うことを可能にして、殺菌、乾燥、無菌維持、ガス置換等の各種の気流を用いた無菌充填包装を効率的に行うことを可能にする無菌充填包装システムを提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するため、この発明による無菌充填包装システムは、トンネル周回状に形成されているチャンバ内に殺菌済み容器が通過する無菌領域を形成し、前記無菌領域に、前記容器に内容物を充填する内容物充填部と、前記内容物が充填された前記容器に蓋をシールする蓋シール部とが配設されていることから成っている。
【0009】
この無菌充填包装システムによれば、殺菌済み容器がトンネル周回状に形成されているチャンバ内に形成されている無菌領域を通過する間に、内容物充填部において内容物が容器に充填され、その後、蓋シール部において、内容物が充填された容器に蓋がシールされて、容器が閉鎖される。内容物の充填と蓋シールとが行われる無菌領域がトンネル周回状の形態を有するチャンバ内に形成されているので、容器が通過する周りに必要なだけのトンネル状のチャンバを形成することができ、フルチャンバ方式と比較して、チャンバの減容化が可能となる。また、トンネル周回状のチャンバについてはその細長い形態から配管的な扱いが可能な構造であるので、トンネルの断面内のどの部分でも同じ方向に気流を流すことができる。即ち、無菌充填に関して、殺菌、洗浄、加熱及びガス置換という流体的な処理が必要になるが、いずれの処理についても、気流の供給、通過及び排気という配管的な扱いや流体制御によって容易に行うことができるので、密封度が高くなると共に気流の供給量が少なくなり、その結果、チャンバ内の殺菌、無菌領域の無菌維持、乾燥、ガス置換等を効率的に行うことが可能となる。
【0010】
この無菌充填包装システムにおいて、前記チャンバの周回方向に特に制限はなく、例えば、前記チャンバを縦平面内で一巡する縦周回トンネルに形成することができる。チャンバを縦周回トンネルに形成する場合には、システムが平面的に占めるスペースを極めて少なくすることができる。しかしながら、上下の両トンネル部の間に大きな空間を取るとシステムが占める空間が大きくなり、装置高が高くなる。
【0011】
この無菌充填包装システムにおいて、前記チャンバを水平面内で一巡する水平周回トンネルに形成することもできる。チャンバを水平周回トンネルに形成する場合には、システムが平面的に占めるスペースは、縦周回トンネルの場合よりも大きくなるが、トンネルのどの部分でも無菌領域として利用することができ、無菌充填包装システムのフレキシビリティを高くすることができる。チャンバを水平周回トンネルに形成する場合には、前記水平周回トンネルを前記トンネルの延びる方向を変更する複数のコーナ部によって一巡させて、前記コーナ部を扇形状に形成することができる。コーナ部を扇形状に形成することで、スペースを少なくしつつ容器の移動をスムーズに行うことが可能になる。
【0012】
この無菌充填包装システムにおいて、前記チャンバ内には、前記容器を受けることができる受け台が周回されている。チャンバはトンネル周回状であるので、受け台を一方向にのみ搬送させれば、チャンバ内を周回させることができる。受け台をチャンバ内で周回させることによって、無菌領域においては、容器を受け台に載せた状態で通過させることができ、その通過に伴って、内容物の充填と蓋のシールを行うことができる。
【0013】
この無菌充填包装システムにおいて、前記無菌領域の少なくとも一部における前記チャンバの横断面形状は、前記容器及び前記受け台が呈する横断面形状と略相似形に形成することができる。チャンバの横断面形状は、容器及び受け台が呈する横断面形状を囲み、且つその横断面形状と略相似形に形成することによって、トンネル内において容器及び受け台以外の空間が占める割合が小さくなり、無菌維持やガス置換等における流体的な処理を少ない流体供給量で済まし、効率的な処理が可能になる。
【0014】
この無菌充填包装システムにおいて、前記容器を搬送する搬送手段を、前記チャンバの外部に配設することができる。容器搬送用の搬送手段をチャンバの外部に配設することによって、フルチャンバ式のように、搬送手段がチャンバ内で受け台を駆動する場合と比較して、外気の遮断が完全になり、チャンバ内を無菌状態に維持することがより一層容易となる。
【0015】
この無菌充填包装システにおいて、前記容器の殺菌を行う容器殺菌部を、前記チャンバ内において前記無菌領域の上流側に設けることができる。チャンバ内に形成される無菌領域は、チャンバを形成する周回状のトンネルの周回方向の一部であってもよい。この場合には、無菌領域の上流側に容器の殺菌を行う容器殺菌部を設けることができる。容器殺菌部で殺菌された容器が、その下流に形成されている無菌領域に供給される。
【0016】
この無菌充填包装システムにおいて、前記容器の殺菌を行う容器殺菌部を、前記チャンバ外に設けることができる。チャンバ内に形成される無菌領域は、チャンバを形成する周回状のトンネルの全領域であっても、また、その周回方向の一部であってもよい。いずれの場合も、チャンバ外に設けられた容器殺菌部で殺菌された容器が、チャンバ内に形成される無菌領域に供給される。
【0017】
この無菌充填包装システムにおいて、前記無菌領域には、前記蓋シール部の上流側に前記容器の内部を不活性ガスで置換するガス置換部を配設することができる。無菌領域に供給された容器は、蓋シール部における蓋のシール前に設けられたガス置換部において、内容物が充填される前の容器の内部、又は内容物が充填された容器のヘッドスペースが、不活性ガスで置換される。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、添付した図面に基づいて、この発明による無菌充填包装システムの実施例を説明する。図1はこの発明による水平型の無菌充填包装システムの一実施例を模式的に示す斜視図、図2は図1に示す水平型の無菌充填包装システムのトンネル内において容器及び受け台の搬送と、気流の流れとを説明する平面概略図、図3は図1及び図2と同様の水平型の無菌充填包装システムをより詳細に示す図である。図3は、水平な搬送路を上下に分けて示し、両搬送路の両端を結ぶ水平な搬送路を縦に描いた図である。
【0019】
図1〜図3に示す無菌充填包装システム1は、水平型の無菌充填包装システムの一実施例であり、内部に水平に巡る通路を有する水平周回トンネル3(図3参照)を形成しているチャンバ2を備えている。チャンバ2は、スタック状に積み重ねられた容器Cを順次供給する容器入口部7を備え且つ供給された容器Cを殺菌する容器殺菌領域4から、容器の搬送方向の順に、内容物の充填と蓋材のシールとを行う無菌領域5、及び容器取出し部16を備え且つ容器殺菌領域4の容器入口部7に戻る戻り領域6を有している。
【0020】
容器殺菌領域4は、容器入口部7の下流に、容器Cと容器Cを支える受け台20とをそれらに殺菌剤(一例として過酸化水素水)を吹き付けることによって殺菌する殺菌剤吹付け部8と、殺菌剤吹付け部8の下流側に配置され且つ容器Cと受け台20とをそれらに熱風を吹きかけて乾燥することによって殺菌する熱風乾燥殺菌部9とを備えている。無菌領域5は、容器Cの搬送方向に順に、容器殺菌領域4で殺菌され且つ容器C(内容物Aが未充填)の内部を窒素ガス等の不活性ガスで置換する第1ガス置換部10と、内容物Aを容器C内に充填する内容物充填部11と、容器Cのヘッドスペース内に存在する気体を窒素ガス等の不活性ガスで置換する第2ガス置換部12と、ガス置換が行われた容器Cの開口を覆っている蓋材Fをヒートシールによって容器Cに溶着して密封する蓋シール部13と、蓋材で密封された容器包装体Pを冷却する冷却部14と、容器包装体Pにヒートシールされた蓋材Fのトリミングを行う蓋材トリミング部15とを備えている。更に、戻り領域6は、容器Cの搬送方向に順に、トリミングが施された容器包装体Pをチャンバ2から取り出す容器取出し部16と、容器Cが取り出された受け台20を温水で洗浄する温水洗浄部17と、洗浄された受け台20を熱風を吹き付けることによって乾燥させる熱風乾燥部18とを備えている。容器Cは、図1中に示す搬送経路と図2に示すように、直線状の搬送路の両端において各受け台20が順に直角方向に向きを変えることによって、チャンバ2内を循環可能である。
【0021】
蓋材収容部21においてロールFrとして巻き取られている蓋材Fは、容器Cの包装処理に従って繰り出され、殺菌槽22において殺菌処理が施され、蓋材乾燥部23において乾燥された後、蓋シール部13に供給される。蓋材トリミング部15においてトリミングが施された後に残る蓋材Fは、蓋材巻取り部24において巻き取られる。また、受け台20のための熱風乾燥部18は、熱風吹き付け部材26,27,28,29を備えている。ここでは、温水洗浄、熱風乾燥の工程を備えている例を示したが、温水洗浄−液切り−薬剤殺菌−液切り−温水洗浄−液切り−熱風乾燥の工程であってもよい。
【0022】
図2及び図3には、チャンバ2内における容器Cと受け台20の搬送方向が矢印30で示されている。また、図2においてはチャンバ2内の気流の流れが太線の矢印で示されており、図3においてはチャンバ2に対する給気と排気とが矢印で示されている。具体的には、図3において、容器殺菌領域4においては、殺菌剤吹付け部8と熱風乾燥殺菌部9との間において両部からの気流を排気する第1排気部31が設けられている。無菌領域5においては、熱風乾燥殺菌部9からの殺菌剤蒸気を含む熱風と第1ガス置換部10からの置換ガスとを排気する第2排気部32、及び第2ガス置換部12からの置換ガスを排気する第3排気部33が設けられている。更に、戻り領域6においては、容器取出し部16の下流に、容器取出し部16への外気の侵入と温水洗浄部17からの温水の影響とを防止するために、第4排気部34が設けられている。また、熱風乾燥部18の下流側には、熱風が容器殺菌領域4の容器入口部7に流入するのを防止する第5排気部35が設けられている。
【0023】
図2及び図3に示すように、水平型の無菌充填包装システム1においては、搬送路は、二つの平行な長い直線状の搬送路36,37と、搬送路36,37の各端部36a,36b;37a,37bを接続する接続部38,39とから成っており、接続部38,39は搬送路36,37に対して直角で且つ短い直線状に構成されている。これに対応して、チャンバ2も、図1に示すように、直線状の搬送路36,37を包囲する長い管状のチャンバ部40,41と、接続部38,39を包囲する短い管状のチャンバ部42,43と備えている。受け台20は、その姿勢を変更することなく、搬送路36,37から接続部38,39を介して、隣の搬送路37,36に移動される。
【0024】
無菌充填包装システム1は、上記のように、チャンバ2を水平周回トンネル3から構成し、水平周回トンネル3は、周回する搬送路40〜43を各搬送路毎に個別に包囲する構造であるので、チャンバ2内の容積は、搬送路40〜43の全体を一括して囲む場合よりも格段に小さくなる。したがって、チャンバ2内に無駄に存在する空間が少なくなって空間の利用率が向上し、装置全体の大型化が回避される。更に、容器Cや受け台20を殺菌する殺菌剤の供給量や、容器Cの内部及びヘッドスペース内の気体を置き換える無菌の窒素等の不活性ガスから成る置換ガスの供給量を減らすことができる。無菌化と酸素濃度減少の双方を窒素ガスで行う場合であっても、無菌の窒素ガスの供給量を従来のシステムと比較して減らすことができる。更に、容器のヘッドスペース内の空気を置換ガスで置換する場合、空気を追い出すためにチャンバ2内に供給される無菌ガス使用量が少なくなるので、置換に用いられる窒素ガスの利用率が向上する。
【0025】
無菌充填包装システム1では容器殺菌領域4をチャンバ2の内部に設けたが、容器殺菌領域4をチャンバ2の外部に設けることができる。図4は、この発明による水平型の無菌充填包装システムの別の実施例を模式的に示す平面図である。図4に示す無菌充填包装システム50では、容器Cの殺菌は、チャンバ52の外部に配置される容器殺菌領域4で行われ、殺菌済みの容器Cがチャンバ52に供給される。この場合には、先の実施例において未殺菌の容器Cをチャンバ2内に供給するのに伴って生じていた外気のチャンバ2内への侵入を事実上回避することができると共に、チャンバ52において容器Cの殺菌に伴う殺菌剤の供給と排気のための設備が不要となる。したがって、チャンバ2内の全体を一つの無菌領域53に構成することができると共に、チャンバ2の構造を簡素にすることができる。
【0026】
図5は、この発明による水平型の無菌充填包装システムの別実施例を模式的に示した平面図である。図5に示す水平型の無菌充填包装システム60は、図1等に示す水平型の無菌充填包装システム1と比較して、二つの平行な直線状の搬送路66,67の各端部66a,66b;67a,67bを接続する接続部68,69が扇形に構成されており、それに対応してチャンバ61が、直線状の搬送路66,67を個別に包囲する直管状のチャンバ部62,63と、扇形の接続部68,69を包囲する部分曲管状のチャンバ部64,65を備えている点で異なっているが、その他の点では相違するところがないので、再度の説明を省略する。
【0027】
図6は、図3に示す水平型の無菌充填包装システムの縦断面であり、磁石搬送装置の概要が示されている。カップ状の容器Cは、平板状の受け台20の中央に形成された受け孔20aに嵌合した状態に保持され、受け台20が走行することによってその状態で搬送される。チャンバ2は下側板2aと、下側板2aの両側において接合された上側板2bとから成り、内部に受け台20と容器Cとを収容可能な空間70が形成されている。受け台20及び容器Cの上側で上側板2bとの間には、殺菌・乾燥及びガス置換等のために必要な程度の上側空間70Uが形成されているが、下側板2aは容器Cと受け台20の外形に沿って屈曲成形されており、カップ及び受け台20と下側板2aとの間に形成される下側空間70Lは非常に狭いものとなっている。したがって、特に、置換ガスについては、容器C及び受け台20の下側へ大量に供給されることがない。受け台20には容器Cを挟む対称位置に磁石71,71が埋め込まれており、各磁石71に対して下側板2aを挟んだ位置を走行するチェーン72に取り付けられた磁石73(磁石71と極性が逆)と相互に磁気作用を及ぼす。搬送路36,37には、容器Cを挟む左右側方位置に一対のチェーン72がそれぞれ駆動スプロケット74と従動スプロケット75に巻きかけられている。各チェーン72は、チャンバ2に取り付けられた樋状のケース76に設けられているガイドレール77上をチェーンに付いたコロ78が案内されつつ走行する。駆動装置(図示せず)によってチェーン72を走行させることにより、受け台20を磁石71,72の磁気作用によってチャンバ2外から駆動させることができる。このとき、受け台20は、チャンバ2に対して滑り材79aを介して滑らかに走行する。チェーン72はチャンバ2の外部に配設されるので、たとえチェーン72が清浄でなくても、受け台20や容器Cを含めてチャンバ2内の無菌状態に影響が及ぶことがない。仕切り板79は、窒素ガス置換部とその前工程の無菌空気による無菌領域で、互いの気体が混ざりにくくする目的で装着する部材である。なお、仕切り板79は、領域の境界以外では装着されない。
【0028】
図7は、この発明による無菌充填包装システムを縦型に構成した実施例である。図7に示す無菌充填包装システム80はチャンバ81を縦に周回するトンネル構造とした垂直(縦)型の無菌充填包装システムの一実施例であり、チャンバ81は二つの上下に平行な直線状の搬送路86,87をそれぞれ取り囲む直管状のチャンバ部82,83を有している。搬送路86,87の各端部86a,86b;87a,87bは、スプロケットを回り込むことで直接に接続されており、これに対応して、チャンバ81は縦の接続チャンバ部84,85を有している。下側の搬送路87は、上側の搬送路86と比較して姿勢が上下反転しているので、受け台20の洗浄・乾燥にのみ使用され、充填や密封等の主たる処理については上側の搬送路86で行われる。
【0029】
図7に示す無菌充填包装システム80のチャンバ81は、図3に示した無菌充填包装システム1と比較して、主として水平型の配置に対して垂直(縦)型の配置とした点で異なっており、搬送路86〜89に沿って配置される個々の装置の構成については、基本的に同じであるので、同じ機能を奏する構成要素には、図3に示した無菌充填包装システム1に用いられている符号と同じ符号を用いることにより、再度の説明を省略する。
【0030】
無菌充填包装システム80は、上記のように、チャンバ81を縦型周回トンネルとして構成しており、周回する搬送路86〜89を各搬送路毎に個別に包囲する構造を有しているので、上下の搬送路86,87間に存在する利用されることのない空間を内部に含まず、チャンバ81内の容積を搬送路86〜89の全体を一括して囲む場合よりも格段に小さくすることができる。したがって、無菌充填包装システム1の水平周回トンネルの場合と同様に、チャンバ81内の空間の利用率が向上し、装置全体の大型化が回避され、殺菌剤の使用量や、置換用の無菌ガスの供給量を減らすことができる。無菌化と酸素濃度減少の双方を窒素ガスで行う場合であっても、無菌の窒素ガスの供給量を従来のシステムと比較して減らすことができる。更に、容器のヘッドスペース内の空気を置換ガスで置換する場合、使用量が少ないので、置換に用いられる窒素ガスの利用率が向上する。
【0031】
図8は、この発明による無菌充填包装システムに用いることが可能なチャンバの別の形態を示す図である。図8(a)に示すチャンバ100は、チャンバ100内に部分壁102を設けることによって、チャンバ100の内部を仕切って、図中に矢印で示すような互いに通路が背合わせとなった周回状のトンネル101を構成している。また、図8(b)に示すチャンバ110は、図1〜図3や図7に示したのと同様な周回トンネル111を適宜の位置に掛け渡した複数の連絡路112によって横断的に接続したチャンバに形成されている。
【0032】
【発明の効果】
この発明による無菌充填包装システムは、上記のようにトンネル周回状のチャンバを有する構成とされているので、チャンバの一部又は全部に形成され且つ内容物の充填と蓋のシールとが行われる無菌領域を、フルチャンバ式の構造よりも小規模に構成することができる。したがって、無菌充填包装についてのユーティリティが小規模で済むので、システム構築とその運転とを安価にすることができる。また、フルチャンバ方式では大きな空間的な扱いをしなければならないのに対して、チャンバは周回トンネルの構造であるが故に断面が小さくなり、長さを考慮しても容積としては小さく且つ密閉度が高くなるので、効率的且つ配管的な取扱いが可能となる。即ち、チャンバ内部を泡で洗浄したり、無菌空気を流したり殺菌性の流体を流すことで、比較的少量の気流で管内の殺菌・無菌維持が容易である。加熱や薬液によって殺菌する場合でも、熱や薬液が散逸することなく、所定の領域の加熱・薬液の散布を迅速、容易且つ効率的に行うことができる。また、周回トンネルに付随して配設される各種装置、例えば、ガス置換、充填、シールを行う各装置の殺菌が容易である。更に、チャンバ内への気流の導入や排気を含めた制御が容易になり、殺菌性の薬液である過酸化水素ガスや、無菌維持用の無菌ガス、ガス置換用の不活性ガス、容器又は受け台の乾燥用の熱風等の各種気流が他の領域へ流れるのを防止する制御が容易となり、特に過酸化水素ガスのような殺菌性のガスが内容物の充填を行う充填領域への侵入を確実に防止することができる。配管的な扱いによって、殺菌用に必要とされる薬液の使用量や、無菌維持用の無菌空気の使用量を少くすることができ、また、容器内のヘッドスペースを窒素ガス等の不活性ガスでガス置換する場合も、ガス供給量が少なくて済み、置換効率を向上することができる。
【0033】
また、この無菌充填包装システムにおいては、搬送手段をチャンバ外に配設しており、受け台をチャンバ内に巡回させているので、受け台は搬送手段と直接に接触せず、また、駆動手段をチャンバ内に導入する必要もないので、受け台やチャンバ内を無菌状態に維持することが容易である。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明による水平型の無菌充填包装システムの一実施例を模式的に示す斜視図である。
【図2】図1に示す水平型の無菌充填包装システムのトンネル内において容器及び受け台の搬送と、気流の流れとを説明する平面概略図である。
【図3】図1及び図2と同様の水平型の無菌充填包装システムをより詳細に示す図である。
【図4】この発明による水平型の無菌充填包装システムの別の実施例を模式的に示す平面図である。
【図5】この発明による水平型の無菌充填包装システムの別実施例を模式的に示した平面図である。
【図6】図3に示す水平型の無菌充填包装システムにおいて用いられる磁石搬送装置の概要を示す縦断面である。
【図7】この発明による無菌充填包装システムを縦型に構成した一実施例を示す概略図である。
【図8】図8は、この発明による無菌充填包装システムに用いることが可能なトンネル周回状に形成されるチャンバの別の形態を示す図である。
【符号の説明】
1 無菌充填包装システム 2 チャンバ
2a 下側板 2b 上側板
3 水平周回トンネル 4 容器殺菌領域
5 無菌領域 6 戻り領域
7 容器入口部 8 殺菌剤吹付け部
9 熱風乾燥殺菌部 10 第1ガス置換部
11 内容物充填部 12 第2ガス置換部
13 蓋シール部 14 冷却部
15 蓋材トリミング部 16 容器取出し部
17 温水洗浄部 18 熱風乾燥部
20 受け台 20a 受け孔 21 蓋材収容部
22 殺菌槽 23 蓋材乾燥部 24 蓋材巻取り部
26 薬剤洗浄部分 27 液切り部分
28 無菌水リンス部分 29 液切り部分
31 第1排気部 32 第2排気部 33 第3排気部
34 第4排気部 35 第5排気部
36,37 搬送路 36a,36b;37a,37b 端部
38,39 接続部 40,41,42,43 チャンバ部
50 無菌充填包装システム 52 チャンバ 53 無菌領域
60 無菌充填包装システム 61 チャンバ 62〜65 チャンバ部
66,67 搬送路 66a,66b;67a,67b 端部
68,69 接続部
70 空間 70U 上側空間 70L 下側空間
71 磁石 72 チェーン 73 磁石
74 駆動スプロケット 75 従動スプロケット
76 樋部材 77 ガイドレール
80 無菌充填包装システム 81 チャンバ
82,83 チャンバ部 84,85 接続チャンバ部
86,87 搬送路 86a,86b;87a,87b 端部
100 チャンバ 101 周回トンネル 102 部分壁
110 チャンバ 111 周回トンネル 112 連絡路
A 内容物 C 容器 F 蓋材 Fr ロール P 容器包装体

Claims (4)

  1. トンネル周回状に形成されているチャンバ内に殺菌済み容器が通過する無菌領域を形成し、前記無菌領域に、前記容器に内容物を充填する内容物充填部と、前記内容物が充填された前記容器に蓋をシールする蓋シール部とが配設されていることから成り、前記チャンバは、水平面内で一巡する水平周回トンネルに形成され、該水平周回トンネルは、直線部と該直線部の端部を接続してトンネルの延びる方向を変更する複数のコーナ部によって一巡し、前記チャンバ内には、前記容器を受けることができる受け台が周回され、該受け台をチャンバ内で周回させる搬送手段が前記チャンバの外部に配設され、且つ前記無菌領域の少なくとも一部における前記チャンバの横断面形状は、前記容器及び前記受け台が呈する横断面形状と略相似形に形成されていることから成ることを特徴とする無菌充填包装システム。
  2. 前記容器の殺菌を行う容器殺菌部が、前記チャンバ内において前記無菌領域の上流側に設けられていることから成る請求項1に記載の無菌充填包装システム。
  3. 前記容器の殺菌を行う容器殺菌部が、前記チャンバ外に設けられていることから成る請求項1又は2に記載の無菌充填包装システム。
  4. 前記無菌領域には、前記蓋シール部の上流側に前記容器の内部を不活性ガスで置換するガス置換部が配設されていることから成る請求項1〜のいずれか1項に記載の無菌充填包装システム。
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