JP4175097B2 - 連続無菌炊飯方法および装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、 殺菌した洗米と無菌水を無菌のトレイ状容器などの容器に収納して炊飯する個食トレイ炊飯方法および装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来たとえば特許文献1、特許文献2などに個食トレイ炊飯方式によるパック米飯の炊飯方法が知られている。
【0003】
この方法は、米を洗米し、水切り、計量した後トレイに移し、蒸気殺菌後無菌水を注水し、次いでトレイを蒸煮室内で多段に積み重ね、蒸煮室を水蒸気で満たすことにより蒸気炊飯を行った後シール機に移載し、ガス置換後にシールするものである。
【0004】
【特許文献1】
特開平9−172992号公報
【特許文献2】
特開平8−332037号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
米飯を釜で炊飯する場合、釜に水とともに充填した時の米粒は寝た状態にあるが、釜の底部が加熱され釜の内部の水と米に対流が生じる結果炊き上がった米飯はいわゆる「米が立った」状態となり、ふっくらとした美味な米飯ができ上がることが知られている。しかし上記従来の個食トレイ炊飯方法によれば、蒸煮室の全体に蒸気を入れ、蒸煮室の上も下も同じ温度で加熱するので、トレイ中の水と米には対流が起こらず、米はトレイ充填時の寝たままの状態で水を吸い込んで膨潤し炊き上がる結果、炊き上がった米飯は米が立った状態のふっくらとした食感に乏しいものとなってしまうという問題点がる。
【0006】
本発明は上記従来技術の問題点にかんがみなされたものであって、個食トレイ炊飯方法において、米が立った状態でふっくらと炊き上がる米飯の炊飯方法および装置を提供しようとするものである。
【0007】
また、上記従来の方法においては、炊飯工程が終了してトレイをシール機に移し換える際に密封前のトレイの内容物が外気に触れるので二次汚染を生じるおそれがある。この二次汚染を防止するには炊飯工程以後トレイの密封を完了するまでの工程をクリーンルーム内で行わねばならず、クリーンルームの維持管理に労力とコストがかかるという問題を生じる。
【0008】
よって、本発明の他の目的は、上記従来の炊飯方法の問題点を解決し、簡単で低コストの方法で炊飯工程からシール機へのトレイの移行を外気に触れさせることなく行うことができる炊飯方法および装置を提供しようとするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段および作用】
上記本発明の目的を達成する連続無菌炊飯方法は、殺菌した容器に殺菌した洗米と無菌水を入れ、水蒸気を熱源として炊飯する方法において、容器を水蒸気で満たされた無菌炊飯室内を移動させながら水蒸気源からの水蒸気を容器の底面に直接当てることにより該容器を底部から加熱することを特徴とする。
【0010】
本発明によれば、容器を無菌炊飯室内を移動させながら、水蒸気を容器の底面に直接当てることにより該容器を底部から加熱するので、容器内の水と米に対流が生じる結果いわゆる米が立った状態で加熱され、ふっくらとした食感の米飯が炊き上がる。
【0011】
本発明の1側面においては、該容器および該容器を保持する容器受け部材を該炊飯室内を移動させるために、該容器受け部材の駆動を該炊飯室外から行う。
【0012】
この構成によれば、容器および容器受け部材のみが炊飯室内を移動し、容器受け部材の駆動は炊飯室外から行うようにしたので、炊飯室の容積を著しく小さくすることができ、比較的に少量の水蒸気で効率的に蒸気炊飯を行うことができる。
【0013】
容器受け部材の駆動を炊飯室外から行うために、本発明の連続無菌炊飯装置は、内部を殺菌した容器に殺菌した洗米と無菌水を入れ、水蒸気を熱源として炊飯する連続無菌炊飯装置において、
容器の進行方向に所定の間隔で配置され容器を保持する容器受け部材を移動可能に収容する炊飯室と、
該炊飯室の底部において、該容器の底面に水蒸気源からの水蒸気が直接当てられるような位置に開口した水蒸気導入口と、
該容器受け部材に設けられた磁石と、
該炊飯室外に設けられた容器受け部材駆動用コンベアと、
該容器受け部材に設けられた磁石に対応するように該コンベアの進行方向に前記所定の間隔で該コンベアに取付けられた磁石であって、該容器受け部材に設けられた磁石と逆極性の磁石とを備える。
【0014】
本発明の他の側面において、連続無菌炊飯装置は、該炊飯室と外部から密閉された通路を介して連通し、該容器受け部材を移動可能に収容する無菌室と、該無菌室内の空間を大気以外の無菌ガスで置換するガス置換装置と容器を密封するシール機構をさらに備えることを特徴とする。
【0015】
この構成により、炊飯室は密閉された通路を介して無菌室と連通しているので、この無菌室にシール装置を配置し容器の密封を行うことにより、炊飯工程を終了した容器は外気に触れることなくシール装置に移送されるので、大規模なクリーンルームを必要とせず、簡単で低コストの装置で二次汚染を防止することができる。
【0016】
また、この構成により、炊飯工程終了後容器を密封する前に従来のように容器を並べ直したり移し換える必要がなく、炊飯工程を終了した容器はシール装置に直行するので、炊き上がった米飯が熱いうちに容器を密封することができ、したがって、容器のヘッドスペースの残存酸素量が少なく窒素ガスによるヘッドスペースのガス置換を効率的に行うことができる。さらに、ヘッドスペースに水蒸気が残存した状態で容器の密封を行うことができるので、容器密封後にこの水蒸気が凝縮液化しヘッドスペースの体積が減少することにより容器の蓋が凹んだ状態となり、製品の積み重ねに理想的な形状とすることができる。
【0017】
本発明の他の側面において、該炊飯室は、頂板と、両側板と中央部が長手方向に開口した底板からなり横断面形状が該容器受け部材の横断面形状とほぼ相似形である筒状の容器受け部材収容部と、該底板の開口部から下方に突出するようにして炊飯室の長手方向に延長して形成され横断面形状が容器の横断面形状とほぼ相似形である容器収容部からなることを特徴とする。
【0018】
この構成により、炊飯室の容積を容器受け部材が通過するために必要な最小限の容積に設計することが可能となり、これによって炊飯室の容積を一層小さくすることができ、水蒸気使用効率を一層向上させることができる。
【0019】
本発明の他の側面において、容器受け部材の駆動を炊飯室外から行うために、内部を殺菌した容器に殺菌した洗米と無菌水を入れ、水蒸気を熱源として炊飯する連続無菌炊飯装置において、
容器の進行方向に所定の間隔で配置され容器を保持する容器受け部材を移動可能に収容する炊飯室と、
該炊飯室の底部において、該容器の底面に水蒸気源からの水蒸気が直接当てられるような位置に開口した水蒸気導入口と、
該容器受け部材と係合して該容器受け部材を押動することができるように該所定の間隔で該容器受け部材の両側に配置された押し具と、
該押し具に設けられた磁石と、
該炊飯室外に設けられた容器受け部材駆動用コンベアと、
該押し具に設けられた磁石に対応するように該コンベアの進行方向に前記所定の間隔で該コンベアに取付けられた磁石であって、該押し具に設けられた磁石と逆極性の磁石とを備えることを特徴とする連続無菌炊飯装置が提供される。
【0020】
本発明の1側面において、該容器受け部材は、その両側部において容器進行方向前端部および後端部にそれぞれ凹部が形成されており、該押し具は一つの容器受け部材の両側部後端部の凹部と容器進行方向において直後に続く容器受け部材の両側部前端部の凹部によって形成される凹部に係合する突起部を備える。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下添付図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。
図1は本発明の方法に使用する連続無菌炊飯装置の1実施形態を説明的に示す側面図、図2は図1のX−X断面図、図3(a)はトレイ受け台の平面図、図3(b)は図3(a)のY−Y断面図、図4はコンベヤチェーンに取り付ける磁石取付け板を示す平面図である。なお、図1においては炊飯室Kの1部を省略して示している。
【0022】
図1において、連続無菌炊飯装置200は、包装容器としてプラスチック製トレイを使用し、米飯を炊飯し密封する装置であって、トレイ供給部A、炊飯部K、連絡通路L、無菌ガス置換部B、蓋材殺菌部C、蓋材乾燥部D、蓋材供給部E、蓋材第1シール部F、蓋材第2シール部G、冷却部H、トリミング部I、トレイ排出部Jを備えている。無菌ガス置換部Bは本発明の無菌室を構成する。
【0023】
トレイ供給部Aにおいては、洗米および無菌水を充填した殺菌済みトレイ1はベルトコンベヤ20によって矢印P方向に移送され、ベルトコンベヤ20の先端から下方の矢印Q方向に移動するコンベヤチェーン12によって移送されるトレイ受け台2のトレイ保持孔21(図3)内に落下し保持される。トレイ保持孔21の径はトレイ1の上端部の径よりも僅かに大径に設定されており、トレイ1はその蓋部1a(図2)のみがトレイ受け台2の頂面2aに支持されてぶら下がるように構成されている。トレイ受け台2は本発明の容器受け部材を構成するものである。
【0024】
トレイ受け台2は、図3に拡大して示すように、長方形の板からなり、中央部にトレイ保持孔21が板を貫通して形成されている。トレイ受け台2の長手方向においてトレイ保持孔21の両側には滑りのよい材料からなる一対の滑り材14、14が埋め込まれており、滑り材14、14の下面はトレイ受け台2の下面から僅かに突出するようにして露出している。滑り材14としては、高滑り性、耐熱性、耐薬品性を有する樹脂を使用することが好ましく、たとえばポリエーテルエーテルケトンのほか、全芳香族ポリエステル、ポリフエニレンスルフイド、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルイミド等のスーパーエンジニアリングプラスチック類が好適である。さらにトレイ受け台2の長手方向において滑り材14、14の外側には永久磁石13、13が埋め込まれている。
【0025】
一方2本のコンベヤチェーン12には、その移動方向に所定の間隔で、図2および図4に示す磁石取付け板22が断面L字形の取付け金具23により取付けられており、磁石取付け板22の中央部上面には永久磁石24が配置され、その上を覆う固定板25により磁石取付け板22に取り付けられている。ボルトナット26は取付け金具23および固定板25の双方を磁石取付け板22に固定するために使用される。
【0026】
磁石24は、そのトレイ受け台2側の磁極がコンベヤチェーン12の進行方向にN極とS極が交互に配置されるようにしてコンベヤチェーン12に固定されている。またトレイ受け台2は、その磁石13が、そのコンベヤチェーン側の磁極がコンベヤチェーン12の進行方向にN極とS極が交互に配置されるようにして配置されている。
【0027】
炊飯室K、連絡通路Lおよび無菌ガス置換部Bの外部においては、トレイ受け台2は、その磁石13がコンベヤチェーン12に所定間隔で固定された磁石24の中逆極性のものと相互に吸引するようにして磁石24の表面に吸着され保持されている。したがって、トレイ受け台2は磁石24が配置される間隔でコンベヤチェーン12上に配置され、コンベヤチェーン12の移動に伴って図1中矢印Q方向に移動する。
【0028】
炊飯室Kは、図2に示すように、頂板30、両側板31、31、中央部が長手方向に開口した底板32からなり、横断面形状がトレイ受け台2の横断面形状とほぼ相似形でトレイ受け台2の横断面よりも面積が若干大きい扁平な長方形の筒状のトレイ受け台収容部33と、この開口した底板32の開口部34の下方に突出するようにして炊飯室Kの長手方向に延長して形成され、トレイ1の横断面形状とほぼ相似形でトレイ1の横断面よりも僅かに大きい面積を有する横断面形状を有するトレイ収容部35からなる。このように、炊飯室Kを横断面がトレイ受け台2と相似形のトレイ受け台収容部33と横断面がトレイ1と相似形のトレイ収容部35により構成することにより、炊飯室Kの容積をトレイ受け台2とトレイ1が通過できるために必要最小限の大きさに設計することが可能となり、炊飯室内の使用水蒸気量が必要最小限の量ですみ、水蒸気をもっとも効率的に使用することができ、経済性を向上させることができる。
【0029】
炊飯室Kの下方に設けられた1対の装置の枠体36、36はそれぞれ両側部36a、36aおよびベース部36bを備えており、両側部36a、36aの間の空間部に臨むベース部36bの頂面にはコンベヤチェーン12が走行するレール37、37が敷設されている。両側部36a、36aには内側に開口するようにして磁石取り付け板の両側端部が嵌入する磁石取り付け板案内溝38、38がコンベヤチェーン12の進行方向に沿って延長するようにして形成されている。
【0030】
トレイ収容部35の中央部底壁にはトレイの進行方向に所定の間隔で丸孔状の貫通孔からなる複数の水蒸気導入口5が形成されており、トレイ受け台2によって運ばれるトレイ1の底面に水蒸気源からの加熱水蒸気が直接に当てられるようになっている。この水蒸気導入口5はその直下に配置されトレイの進行方向に延長する水蒸気供給管6に接続しており、水蒸気供給管6には水蒸気源18(図1)からの加熱水蒸気が供給される。
【0031】
炊飯室Kのコンベヤチェーン12の進行方向下流側には連絡通路Lを介して無菌ガス置換部Bが設けられている。連絡通路Lと無菌ガス置換部Bの横断面形状とその構造およびコンベヤチェーン12の構造は水蒸気導入口が存在しない点を除いて炊飯室Kと基本的に同一であるので、同一構成部分を炊飯室と同一符号で示して説明することとし、その詳細な図示および説明を省略する。
【0032】
無菌ガス置換部Bのトレイ受け台収容部33の上部空間にはトレイ1のヘッドスペースを窒素ガスで置換するための窒素ガスノズル4−1、4−2、4−3、4−4、4−5がコンベヤチェーン12の進行方向に所定間隔をおいて縦列配置されている。窒素ガスノズル4−1〜4−5には無菌ガス置換部B外の窒素ガス発生装置17からの無菌窒素ガスが滅菌済みフイルター16を介して供給される。
【0033】
蓋材供給部Eは無菌ガス置換部B外に配置され、蓋材供給ローラ6から繰り出される帯状の蓋材7は、案内ローラ40、41、42、43、44、45、46、47、48に案内されて蓋材巻取りローラ10に巻き取られる。
【0034】
蓋材殺菌部Cは無菌ガス置換部B外の蓋材7の通路に配置され、蓋材7を殺菌するための過酸化水素等の殺菌剤を貯蔵するタンク50を備えている。蓋材7はタンク50の殺菌剤中を通る間に殺菌される。
【0035】
蓋材乾燥部Dは無菌ガス置換部Bの外において蓋材殺菌部Cと無菌ガス置換部Bの出口の間の蓋材7の通路に設けられたダクト状のチャンバで、乾燥空気発生装置15から滅菌済みフイルター46を介して乾燥空気が供給されている。蓋材7は蓋材乾燥部Dを通過する際に乾燥空気により乾燥される。
【0036】
連絡通路Lには排気ダクト53が設けられており、一方無菌ガス置換部Bのトレイ移送方向下流側端部におけるトレイ受け台収容部33の空間は案内ローラ45に案内されて送られる蓋材7によってほぼ完全に閉ざされているので、トレイ1のヘッドスペースのガスを置換するために窒素ガスノズル4−1〜4−5から噴射される窒素ガスは無菌ガス置換部Bのトレイ受け台収容部33内においてトレイ移送方向下流側から上流側すなわちトレイ移送方向と逆方向に流れ、連絡通路Lの排気ダクト53から大気中に放散されることにより、無菌ガス置換部B内を微陽圧に保ち大気が無菌ガス置換部B内に流入することを防止する。これによって無菌ガス置換部B内は作業中無菌窒素ガスにより常時無菌状態に保たれる。したがって、上記の無菌ガス置換部Bの下流側端部(出口)を閉じ、上流側端部(入り口)をダクト53により大気に開放した構造および窒素ガスノズル4−1〜4−5は本発明における無菌室内の大気を大気以外の無菌ガスで置換するガス置換装置を構成する。なお、無菌ガス置換部B内の窒素ガスによる陽圧を強くして無菌状態をより完全に維持するために、作業中窒素ガス発生装置17からの窒素を窒素ガスノズル4−1〜4−5に対する供給分に加えて無菌ガス置換部Bの下流側端部に常時供給するようにしてもよい。
【0037】
また、炊飯室K内に供給された水蒸気は大部分が米に吸収されて液化するが、残余の水蒸気は連絡通路Lの排気ダクト53から外部に放散される。
【0038】
無菌ガス置換部Bの出口から外にはコンベヤチェーン12の進行方向に順に蓋材第1シール部F、蓋材第2シール部G、冷却部H、トリミング部I、トレイ排出部Jが設けられている。
【0039】
蓋材第1シール部Fは供給された蓋材7をトレイ1の上に載置し予備シールし、蓋材第2シール部Gは予備シールされたトレイ1上の蓋材をトレイ1の頂縁部に熱融着してシールを完成し、冷却部Hは冷却空気によりこの熱融着部を冷却し、トリミング部Iはトレイ1に熱融着された蓋材を打ち抜いて余分の蓋材を切除する。トレイ排出部Jは進行してくるトレイ受け台2の下方に設けられた突き上げレバー52を突き上げることによりトレイ1をトレイ受け台2から飛び出させ、製品11として系外に排出する。
【0040】
次に上記装置の動作を説明する。
たとえば精白したうるち米等の米を洗米、水切りした後適量をトレイ1に入れ適量の水を加える。このトレイ1はトレイ供給部Aからコンベヤチェーン12によって移送されるトレイ受け台2のトレイ保持孔21に移され炊飯室Kに移送される。炊飯室Kの上流側端部においてトレイ受け台2は炊飯室K内に入り、トレイ受け台2の磁石13はコンベヤチェーン12によって移動するコンベヤチェーン12側の磁石24に吸着されたままトレイ受け台2の滑り材14が炊飯室Kの底面上を滑るようにして、トレイ受け台2は炊飯室K内を下流側に移動する。
【0041】
炊飯室Kのトレイ収容部35の水蒸気導入孔5からは100℃以上好ましくは130℃〜140℃の高温の加圧水蒸気が噴出される。この加圧水蒸気はトレイ1の底面に当たりトレイ1の底部を加熱する。これによってトレイ1内の下部の水が加熱されて上昇し、トレイ上部の水は下降してトレイ1内に対流が生じる。これに伴って米はランダムに立ちあがり、回転しながら水を吸収して膨潤し、いわゆる「米が立った」状態で炊き上がる。また加圧水蒸気によってトレイ1の底面に加わる圧力が高まるとトレイ1の底面は押し上げられ、トレイ1の蓋部1aが少しトレイ受け台2の頂面2aから持ち上がるので、水蒸気はトレイ1の側部からトレイ1のトレイ受け台収容部33に入りトレイ1の側部および上部も加熱する。
【0042】
炊飯室Kにおける炊飯工程を終了したトレイ1は連絡通路Lを介して次段の無菌ガス置換部Bに送られる。無菌ガス置換部Bにおいては、トレイ1の進行につれて窒素ガスノズル4−1〜4−5から順次窒素ガスが噴き出され、トレイ1のヘッドスペースのガス置換が行われる。
【0043】
無菌ガス置換部B内でヘッドスペースのガス置換が完了したトレイ1は無菌ガス置換部Bの下流側端部(出口)から排出され、トレイ受け台2は再びコンベヤチェーン12によって直接移送され、蓋材第一シール部F、蓋材第2シール部G、冷却部H、トリミング部Iを経由して蓋材7の予備シール、シールの熱融着、熱融着部の冷却、蓋材の打ち抜きが順次行なわれた後トレイ1はトレイ排出部Jによって製品11として系外に排出される。
【0044】
図5〜図10は本発明の方法に使用する連続無菌炊飯装置の他の実施形態を示すもので、図5は同実施形態を説明的に示す側面図、図6はその一部を省略して示す平面図、図7は図1のZ−Z断面図、図8は本発明の要部を示す斜視図、図9は図7における炊飯室を拡大して示す断面図、図10は押し具を示す図で、(a)は平面図、(b)は側面図である。なお、図5においては炊飯室K’の1部を省略して示している。
【0045】
図5において、連続無菌炊飯装置は、容器としてプラスチック製トレイを使用し、米飯を炊飯し密封する装置であって、トレイ供給部A’、炊飯室K’、連絡通路L’、無菌ガス置換部B’,蓋材殺菌部C’、シール部F’、蓋材打ちぬき部I’、トレイ排出部J’を備えている。
【0046】
まず本発明の容器受け部材を構成するトレイ受け台110の装置全体における移送方法について説明する。
【0047】
図6において、無菌炊飯装置100に付随してトレイ受け台洗浄装置102およびトレイ受け台乾燥装置103が設けられており、無菌炊飯装置100はトレイ受け台移送路104および111によりトレイ受け台洗浄装置102に連結され、トレイ受け台乾燥装置103はトレイ受け台移送路105により無菌炊飯装置100に連結されている。これらの装置間においてトレイ受け台110は矢印の方向に移送される。なお、移送路111、トレイ受け台洗浄装置102、およびトレイ受け台乾燥装置103においてはトレイ受け台の図示を省略している。
【0048】
無菌炊飯装置100におけるトレイ受け台110の移送方法については後述するが、無菌炊飯装置100から排出されたトレイ受け台110はエアシリンダ106により押されてトレイ受け台移送路104上を移送され、その終点に至るとエアシリンダ107に押されてトレイ受け台移送路111上を移送される。トレイ受け台110はトレイ受け台洗浄装置102において洗浄され、次いでトレイ受け台乾燥装置103において乾燥された後トレイ受け台移送路105上に排出される。次いでトレイ受け台110はエアシリンダ108に押されてトレイ受け台移送路105上を移送され、その終点においてエアシリンダ109に押されて無菌炊飯装置100のトレイ供給部A’に移送される。こうしてトレイ受け台110は各装置101、102、103および移送路104、105、111からなる平面的な経路を循環して移送される。
【0049】
トレイ供給部A’においては、トレイ112はトレイ受け台110のトレイ保持孔113内に落下し保持される。トレイ保持孔113の径はトレイ112の上端部の径よりも僅かに大径に設定されており、トレイ112はその蓋部112a(図9)のみがトレイ受け台110の頂面110aに支持されてぶら下がるように構成されている。
【0050】
トレイ受け台110は、図8に拡大して示すように、長方形の板からなり、その長手方向に2つのトレイ保持孔113が板を貫通して形成されている。図9に示すように、トレイ受け台110の長手方向両側端部には滑りのよい材料からなる一対の滑り材114、114が埋め込まれており、滑り材114、114の下面はトレイ受け台110の下面から僅かに突出するようにして露出している。滑り材114としては、高滑り性、耐熱性、耐薬品性を有する樹脂を使用することが好ましく、たとえばポリエーテルエーテルケトンのほか、全芳香族ポリエステル、ポリフエニレンスルフイド、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルイミド等のスーパーエンジニアリングプラスチック類が好適である。
【0051】
トレイ受け台110は、その両側部において容器進行方向(トレイ受け台進行方向)前端部と後端部が切り欠かれて押し具係合用凹部115、116が形成されている。
【0052】
無菌炊飯装置100においてトレイ受け台110を容器進行方向に移送するために使用される押し具117は角棒状の磁石保持部118とこの磁石保持部118の長手方向中央部から内側に突出する突起部119を備える。磁石保持部118の両端部にはそれぞれ永久磁石120、120が埋め込まれている。
【0053】
ゴム、合成樹脂等からなる2本のコンベヤベルト122は無菌炊飯装置100のケーシング125内においてトレイ受け台110の両側部を挟むような位置に配置され、容器進行方向両端部に設けられたプーリ123、124にかけられて矢印Q方向に駆動される。各コンベヤベルト122には移動方向に所定の間隔で図8に示すように永久磁石126が埋め込まれている。
【0054】
磁石126は、その磁極がコンベヤベルト122の進行方向にN極とS極が交互に配置されている。また押し具117の磁石120は一方がN極、他方がS極になるように配置されている。
【0055】
炊飯室K’、連絡通路L’、無菌ガス置換部B’の外部においては、押し具117の磁石保持部118は、その磁石120がコンベヤベルト122に所定間隔で埋め込まれた磁石126の逆極性のものと相互に吸引するようにしてコンベヤベルト122の内側面に吸着され、後続の押し具が直前の押し具に接触するようにして縦列をなして連続的に保持されている。したがって、押し具117はコンベヤベルト122の移動に伴って図5中矢印Q方向に循環的に移動する。
【0056】
炊飯室K’は、図9に示すように、頂板130、両側板131、131、中央部が長手方向に開口した2本の開口部134を有する底板132からなり、横断面形状がトレイ受け台110の横断面形状とほぼ相似形でトレイ受け台110の横断面よりも面積が若干大きい扁平な長方形の筒状のトレイ受け台収容部133と、この開口した底板132の2本の開口部134の下方にそれぞれ突出するようにして炊飯室K’の長手方向に延長して形成され、トレイ112の中心軸に沿う断面形状とほぼ相似形でトレイ112の中心軸に沿う断面よりも僅かに大きい面積を有する横断面形状を有する2つのトレイ収容部135からなる。このように、炊飯室K’を横断面がトレイ受け台110と相似形のトレイ受け台収容部133と横断面がトレイ112と相似形のトレイ収容部135により構成することにより、炊飯室K’の容積をトレイ受け台110とトレイ112が通過できるために必要最小限の大きさに設計することが可能となり、水蒸気の使用量が必要最小限の量ですみ、経済性を向上させることができる。
【0057】
トレイ収容部135の中央部底壁にはトレイの進行方向に所定の間隔で丸孔状の貫通孔からなる複数の水蒸気導入口170が形成されており、トレイ受け台110によって運ばれるトレイ112の底面に水蒸気源からの加熱水蒸気が直接に当てられるようになっている。この水蒸気導入口170はその直下に配置されトレイの進行方向に延長する水蒸気供給管171に接続しており、水蒸気供給管170には水蒸気源172(図5)からの加熱水蒸気が供給される。
【0058】
炊飯室K’のコンベヤベルト122の進行方向下流側には連絡通路L’を介して無菌ガス置換部B’が設けられている。連絡通路L’と無菌ガス置換部B’の横断面形状とその構造およびコンベヤベルト122等の構造は水蒸気導入口が存在しない点を除いて炊飯室K’と基本的に同一であるので、同一構成部分を炊飯室と同一符号で示して説明することとし、その詳細な図示および説明を省略する。
【0059】
無菌ガス置換部B’において、トレイ受け台収容部133の上部空間にはトレイ112内の空間を窒素ガスで置換するための窒素ガスノズル146−1〜146−4がトレイ進行方向に所定間隔をおいて縦列配置されており、これらの窒素ガスノズルには無菌ガス置換部外の窒素ガス発生装置149からの無菌窒素ガスが滅菌済みフイルター150を介して供給される。
【0060】
無菌ガス置換部外の蓋材供給ローラ153から繰り出される帯状の蓋材157は、案内ローラ158、159、160、161、162、163、164、165、166に案内されて蓋材巻取りローラ167に巻き取られる。
【0061】
蓋材殺菌部C’は無菌ガス置換部外の蓋材157の通路に配置され、蓋材157を殺菌するための過酸化水素等の殺菌剤を貯蔵するタンク168を備えている。蓋材157はタンク168の殺菌剤中を通る間に殺菌される。
【0062】
蓋材乾燥部169は無菌ガス置換部B’の外において蓋材殺菌部C’と無菌ガス置換部Bの出口の間の蓋材157の通路に設けられたダクト状のチャンバで、乾燥空気発生装置143から滅菌済みフイルター144を介して乾燥空気が供給されている。蓋材157は蓋材乾燥部169を通過する際に乾燥空気により乾燥される。
【0063】
無菌ガス置換部B’のトレイ進行方向下流側端部におけるトレイ受け台収容部133の空間は案内ローラ163に案内されて送られる蓋材157によってほぼ完全に閉ざされており、無菌ガス置換部B’の上流側端部におけるトレイ受け台収容部133の空間は連絡通路L’の排気ダクト153により大気に開放されているので、トレイ112のヘッドスペースのガスを置換するために窒素ガスノズル146−1〜146−4から噴射される窒素ガスは無菌ガス置換部B’のトレイ受け台収容部133内においてトレイ進行方向下流側から上流側すなわちトレイ進行方向と逆方向に流れ、上流側端部から排気ダクト153により大気中に放散されることにより、無菌ガス置換部B’内を微陽圧に保ち大気が無菌ガス置換部B’内に流入することを防止する。これによって無菌ガス置換部B’内は作業中無菌窒素ガスにより常時無菌状態に保たれる。したがって、上記の無菌室Bの下流側端部(出口)を閉じ、上流側端部(入り口)を大気に開放した構造および窒素ガスノズル146−1〜146−4は本発明における無菌室内の大気を大気以外の無菌ガスで置換するガス置換装置を構成する。
【0064】
無菌ガス置換部B’の出口から外にはトレイ進行方向に順に蓋材シール部F’、蓋材打抜き部I’、トレイ排出部J’が設けられている。
【0065】
蓋材シール部F’は供給された蓋材157をトレイ112の上に載置しトレイ112の頂縁部に熱融着してシールを完成し、蓋材打抜き部I’はトレイ112に熱融着された蓋材を打ち抜いて余分の蓋材を切除する。トレイ排出部J’は進行してくるトレイ受け台110の下方に設けられた突き上げレバー(図示せず)を突き上げることによりトレイ112をトレイ受け台110から飛び出させ、製品として系外に排出する。なお、蓋材シール部F’、蓋材打抜き部I’、トレイ排出部J’はすべて公知の構造のものである。
【0066】
次に上記装置の動作を説明する。
たとえば精白したうるち米等の米を洗米、水切りした後適量をトレイ112に入れ適量の水を加える。このトレイ112はトレイ供給部A’からコンベヤチェーン122によって移送されるトレイ受け台110のトレイ保持孔113に移され炊飯室K’に移送される。トレイ供給部A’において、移送路105からエアシリンダ109によりトレイ供給部A’に押し出されたトレイ受け台110の両側部の前端部凹部115とその進行方向直前のトレイ受け台110の両側部の後端部凹部116によって形成される凹部にコンベヤベルト122の内側面に吸着された状態でコンベヤベルト122とともに移動して来た押し具117の突起部119が係合することにより、トレイ受け台110はその後押し具117に押動されて炊飯室K’に向う。トレイ112はトレイ供給部A’からトレイ受け台110のトレイ保持孔113に移され、トレイ受け台110とともに炊飯室K’に移送される。炊飯室K’の上流側端部においてトレイ受け台110は炊飯室K’内に入る。この時押し具117も炊飯室K’の側壁131によってコンベヤベルト122から分離され炊飯室K’内に入るが、押し具117の磁石120はコンベヤベルト122とともに移動するコンベヤベルト122側の磁石126に吸引された状態を維持しているので、押し具117は炊飯室K’の側壁131によってコンベヤベルト122から分離された状態のままコンベヤベルト122とともに移動する。押し具117の移動に伴ってトレイ受け台110が押し具117に押されて炊飯室K’内を移動する。すなわちトレイ受け台110の滑り材114が炊飯室K’の底面上を滑るようにして、トレイ受け台110は炊飯室K’内を下流側に移動する。
【0067】
炊飯室K’のトレイ収容部135の水蒸気導入口170からは100℃以上好ましくは130℃〜140℃の高温の加圧水蒸気が噴出される。この加圧水蒸気はトレイ112の底面に当たりトレイ112の底部を加熱する。これによってトレイ112内の下部の水が加熱されて上昇し、トレイ上部の水は下降してトレイ112内に対流が生じる。これに伴って米はランダムに立ちあがり、回転しながら水を吸収して膨潤し、いわゆる「米が立った」状態で炊き上がる。また加圧水蒸気によってトレイ112の底面に加わる圧力が高まるとトレイ112の底面は押し上げられ、トレイ112の蓋部112aが少しトレイ受け台110の頂面1110aから持ち上がるので、水蒸気はトレイ112の側部からトレイ112のトレイ受け台収容部133に入りトレイ112の側部および上部も加熱する。
【0068】
炊飯室K’における炊飯工程を終了したトレイ112は連絡通路L’を介して次段の無菌ガス置換部B’に送られる。無菌ガス置換部B’においては、トレイ12の進行につれて窒素ガスノズル146−1〜146−4によりトレイ112のヘッドスペースの窒素ガスによる置換が行われる。
【0069】
無菌ガス置換部B’内でヘッドスペースのガス置換が完了したトレイ112は無菌ガス置換部B’の下流側端部(出口)から排出され、トレイ受け台110は再びコンベヤベルト122の内側面に吸着された押し具117に押されて移送され、蓋材シール部F’,蓋材打抜き部I’を経由して蓋材157の熱融着、蓋材の打抜きが順次行なわれた後トレイ112はトレイ排出部J’によって製品として系外に排出される。
【0070】
図5の実施形態においては、トレイ受け台のトレイ保持孔は2つ形成されているが、保持孔の数はこれに限定されない。またトレイ受け台および押し具の形状も上記実施形態の形状に限定されない。つまり、トレイ受け台の両端部に少なくとも一カ所凹部を設け、そこに係合する突起部を備えた押し具形状にすればよく、たとえば、トレイ受け台の凹部を両側部の中央部に設ける等種々の変更が可能である。また、この実施形態においてはトレイ受け台を連続的に配置しているが、前後のトレイ受け台の間に適宜の間隔を設けるように構成することもできる。
【0071】
トレイ受け台駆動側の構造も上記実施形態に限定されるものではなく、たとえばコンベヤベルトに代えてサイドローラチェーンを使用しこれに所定間隔で磁石を固定する等種々変更が可能である。
【0072】
上記図1〜4および図5〜10に示す各実施形態の装置においては、容器および容器を保持する容器受け部材を炊飯室内を移動させるために、容器受け部材の駆動を炊飯室外から行っているが、本発明の方法を実施するには、容器および容器受け部材を移動させるために容器受け部材の駆動を炊飯室内において行うように構成してもよい。すなわち、容器保持部が開口した容器受け部材を左右一対のベルトコンベアに固定し、この開口した容器保持部に容器を保持した状態でベルトコンベアを炊飯室内に移動させ、炊飯室の底部に設けた水蒸気導入口から噴出する水蒸気を容器の底面に当てるようにしても、容器内部の水の対流を起こすことにより米が立った状態に炊き上がるという本発明の効果を得ることができる。
【0073】
上記各実施形態においては、炊飯室に連絡通路を介して連通する無菌室には容器のヘッドスペースを窒素ガスにより置換する窒素ガスノズルのみが設けられているが、この無菌室内に後段の蓋材シール装置を配置し容器の密封工程までを無菌室内で行うように構成することもできる。この場合は炊飯工程から密封工程までが容積の小さい無菌空間内で行うことができる。
【0074】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明によれば、容器を無菌炊飯室内を移動させながら、水蒸気を容器の底面に直接当てることにより該容器を底部から加熱するので、容器内の水と米に対流が生じる結果いわゆる米が立った状態で加熱され、ふっくらとした食感の米飯が炊き上がる。
【0075】
本発明の1側面においては、該容器および該容器を保持する容器受け部材を該炊飯室内を移動させるために、容器および容器受け部材のみが炊飯室内を移動し、容器受け部材の駆動は炊飯室外から行うようにしたので、炊飯室の容積を著しく小さくすることができ、比較的に少量の水蒸気で効率的に蒸気炊飯を行うことができる。
【0076】
また、本発明の連続無菌炊飯装置は、炊飯室と外部から密閉された通路を介して連通し、容器受け部材を移動可能に収容する無菌室と、該無菌室内の大気を大気以外の無菌ガスで置換するガス置換装置を備えているので、この無菌室にシール装置を配置し容器の密封を行うことにより、炊飯工程を終了した容器は外気に触れることなくシール装置に移送され、簡単で低コストの装置で二次汚染を防止することができる。
【0077】
また、この構成により、炊飯工程終了後容器を密封する前に従来のように容器を並べ直したり移し換える必要がなく、炊飯工程を終了した容器はシール装置に直行するので、炊き上がった米飯が熱いうちに容器を密封することができ、したがって、容器のヘッドスペースの残存酸素量が少なく窒素ガスによるヘッドスペースのガス置換を効率的に行うことができる。さらに、ヘッドスペースに水蒸気が残存した状態で容器の密封を行うことができるので、容器密封後にこの水蒸気が凝縮液化しヘッドスペースの体積が減少することにより容器の蓋が凹んだ状態となり、製品の積み重ねに理想的な形状とすることができる。
【0078】
本発明の他の側面において、炊飯室は、頂板と、両側板と中央部が長手方向に開口した底板からなり横断面形状が該容器受け部材の横断面形状とほぼ相似形である筒状の容器受け部材収容部と、該底板の開口部から下方に突出するようにして炊飯室の長手方向に延長して形成され横断面形状が容器の横断面形状とほぼ相似形である容器収容部からなるように構成したので、炊飯室の容積を容器受け部材が通過するために必要な最小限の容積に設計することが可能となり、これによって炊飯室の容積を一層小さくすることができ、水蒸気使用効率を一層向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる連続無菌炊飯装置の1実施形態を説明的に示す側面図である。
【図2】図1のX−X断面図である。
【図3】(a)はトレイ受け台の平面図、(b)は図3(a)のY−Y断面図である。
【図4】コンベヤチェーンに取付ける磁石取付け板を示す平面図である。
【図5】本発明にかかる連続無菌炊飯装置の他の実施形態を説明的に示す側面図である。
【図6】装置の一部を省略して示す斜視図である。
【図7】図1のZ−Z断面図である。
【図8】本発明の要部を示す斜視図である。
【図9】図7における炊飯室を拡大して示す断面図である。
【図10】押し具を示す図で(a)は平面図、(b)は側面図である。
【符号の説明】
1、112 トレイ
2、110 トレイ受け台
12 コンベヤチェーン
13、24、120、126 磁石
K、K’ 炊飯室
B、B’ 無菌ガス置換部
Claims (8)
- 殺菌した容器に殺菌した洗米と無菌水を入れ、水蒸気を熱源として炊飯する方法において、容器の進行方向に所定の間隔で配置され容器を保持する容器受け部材を水蒸気で満たされた無菌炊飯室内を移動させながら水蒸気源からの水蒸気を容器の底面に直接当てることにより該容器を底部から加熱するとともに、該容器受け部材に設けられた磁石と該炊飯室外に設けられた容器受け部材駆動用コンベアに取り付けられた磁石であって該容器受け部材に設けられた磁石と逆極性の磁石との間の吸引により、該容器受け部材の駆動を該炊飯室外から行うことを特徴とする連続無菌炊飯方法。
- 内部を殺菌した容器に殺菌した洗米と無菌水を入れ、水蒸気を熱源として炊飯する連続無菌炊飯装置において、
容器の進行方向に所定の間隔で配置され容器を保持する容器受け部材を移動可能に収容する炊飯室と、
該炊飯室の底部において、該容器の底面に水蒸気源からの水蒸気が直接当てられるような位置に開口した水蒸気導入口と、
該容器受け部材に設けられた磁石と、
該炊飯室外に設けられた容器受け部材駆動用コンベアと、
該容器受け部材に設けられた磁石に対応するように該コンベアの進行方向に前記所定の間隔で該コンベアに取付けられた磁石であって、該容器受け部材に設けられた磁石と逆極性の磁石とを備えることを特徴とする連続無菌炊飯装置。 - 該炊飯室と外部から密閉された通路を介して連通し、該容器受け部材を移動可能に収容する無菌室と、該無菌室内の空間を大気以外の無菌ガスで置換するガス置換装置と容器を密封するシール機構をさらに備えることを特徴とする請求項2記載の連続無菌炊飯装置。
- 該炊飯室は、頂板と、両側板と中央部が長手方向に開口した底板からなり横断面形状が該容器受け部材の横断面形状とほぼ相似形である筒状の容器受け部材収容部と、該底板の開口部から下方に突出するようにして炊飯室の長手方向に延長して形成され横断面形状が容器の横断面形状とほぼ相似形である容器収容部からなることを特徴とする請求項2または3に記載の連続無菌炊飯装置。
- 内部を殺菌した容器に殺菌した洗米と無菌水を入れ、水蒸気を熱源として炊飯する連続無菌炊飯装置において、
容器の進行方向に所定の間隔で配置され容器を保持する容器受け部材を移動可能に収容する炊飯室と、
該炊飯室の底部において、該容器の底面に水蒸気源からの水蒸気が直接当てられるような位置に開口した水蒸気導入口と、
該容器受け部材と係合して該容器受け部材を押動することができるように該炊飯室内において該所定の間隔で該容器受け部材の両側に配置された押し具と、
該押し具に設けられた磁石と、
該炊飯室外に設けられた容器受け部材駆動用コンベアと、
該押し具に設けられた磁石に対応するように該コンベアの進行方向に前記所定の間隔で該コンベアに取付けられた磁石であって、該押し具に設けられた磁石と逆極性の磁石とを備えることを特徴とする連続無菌炊飯装置。 - 該容器受け部材は、その両側部において容器進行方向前端部および後端部にそれぞれ凹部が形成されており、該押し具は一つの容器受け部材の両側部後端部の凹部と容器進行方向において直後に続く容器受け部材の両側部前端部の凹部によって形成される凹部に係合する突起部を備えることを特徴とする請求項5記載の連続無菌炊飯装置。
- 該炊飯室と外部から密閉された通路を介して連通し、該容器受け部材を移動可能に収容する無菌室と、該無菌室内の空間を大気以外の無菌ガスで置換するガス置換装置と容器を密封するシール機構をさらに備えることを特徴とする請求項5記載の連続無菌炊飯装置。
- 該炊飯室は、頂板と、両側板と1または複数の長手方向開口部を有する底板からなり横断面形状が該容器受け部材の横断面形状とほぼ相似形である筒状の容器受け部材収容部と、該底板の開口部から下方に突出するようにして無菌室の長手方向に延長して形成され横断面形状が容器の断面形状とほぼ相似形である容器収容部からなることを特徴とする請求項5〜7のいずれかに記載の連続無菌炊飯装置。
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