JP4407220B2 - 高熱伝導材薄板の連続鋳造方法及び装置 - Google Patents

高熱伝導材薄板の連続鋳造方法及び装置 Download PDF

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Description

本発明は、アルミニウム合金やマグネシウム合金及びこれらの単体等の高熱伝導材の薄
板を製造するために用いる高熱伝導材薄板の連続鋳造方法及び装置に関するものである。
薄い金属板を製造する手法の1つとしてストリップキャスティングが知られている。か
かるストリップキャスティングとして開発されている双ロール式連続鋳造装置は、水平方
向に平行に配置した一対の冷却ロールの間に形成されるくさび状の隙間に、鉄等の原料金
属の湯を注入し、該湯を上記各冷却ロールの表面で冷却させることにより急速凝固させる
と共に、凝固した金属をストリップ(薄板)として両冷却ロール間より取り出すようにし
たものである(たとえば、特許文献1参照)。これは、原料金属の湯より直接薄い金属板
を製造できるため、熱間圧延工程を省略できて薄板製造工程の大幅な簡略化が可能であり
、このため省エネルギー化、製造コストの削減を図る効果が期待できるものとして知られ
ている。
しかし、鉄に比べて熱伝導率が高く、且つ密度の小さいアルミニウム合金やマグネシウ
ム合金及びこれらの単体等のような金属(以下、高熱伝導材という)は、従来、ストリッ
プキャスティングによる薄板製造は難しいとされていた。すなわち、アルミニウムは密度
が小さいため、上述したような双ロール式の連続鋳造装置(ストリップキャスター)のロ
ールギャップ間の上方に、アルミニウム合金の湯を注入して連続鋳造しようとする際、上
記ロールギャップの上方に注入された湯面のメニスカスが振動すると、その振動に伴って
凝固が不均一に生じ、このため、連続鋳造される薄板に、長手方向に20〜30mmピッ
チで板厚の厚い部分と薄い部分が交互に形成されてしまうという問題が生じていた。
そのために、たとえば、従来、アルミニウム合金の薄板を製造する場合には、アルミニ
ウム合金の湯より一旦スラブを鋳造させ、該スラブを熱間又は冷間圧延して薄板を得るよ
うにする圧延方法が一般に実施されている。
なお、アルミニウム合金の板材を連続的に製造する手法としては、水平方向に配置した
上下一対の冷却ロールを相対する方向へ回転できるようにして、該一対の冷却ロールのロ
ールギャップに対し、鋳造ノズルを用いて、水平方向、或いは、水平方向よりもやや下方
からアルミニウム合金の湯を噴出させて、上記一対の冷却ロール間にて鋳造と圧延を同時
に行なわせるようにする圧延鋳造方法が実用化されてきている(たとえば、特許文献2参
照)。しかし、かかる圧延鋳造方法によるアルミニウム合金の板材製造は、機構的に生産
能率が1m/min程度と、上記双ロール式の連続鋳造装置を用いた鉄の薄板の生産能率
(50〜80m/min)に比して大幅に遅いという問題がある。
そのために、アルミニウム合金等の高熱伝導材の薄板をより高速に連続鋳造できるよう
にして、生産能率の向上を図ることが望まれていた。
このような考えに基づき、上記従来の鉄等のストリップキャスティングに用いられてい
る双ロール式の連続鋳造装置の冷却ロールと同様に、水平方向に平行配置した左右一対の
冷却ロールを相対する方向へ回転できるようにしてある構成において、一対の冷却ロール
の上側に、断熱能を有する平板状のバレル堰を、それぞれ垂直方向に配置して、該各バレ
ル堰の下端を対応する冷却ロールの外周面に軸心方向に沿って接するようにすることによ
り、該各バレル堰同士の間の領域に湯を貯留できるようにし、アルミニウム合金のストリ
ップキャスティングを行わせる際に、該各バレル堰同士の間の領域に、アルミニウム合金
の湯を注入して湯面のレベルを所要の高さ位置に保持させることにより、該バレル堰同士
の間の領域に溜めた湯の静圧を作用させることができて、均等な厚みのアルミニウム合金
の薄板を、より高速に連続鋳造することが可能になるという知見が近年得られてきている
(たとえば、非特許文献1、非特許文献2参照)。
このように、アルミニウム合金やマグネシウム合金のような鉄に比べて熱伝導率が大き
く、密度も小さい高熱伝導材では、鉄のストリップキャスティングでは使う必要のないバ
レル堰を使わないと凝固が不完全になるということが明らかになってきており、これは、
発明者らの研究の結果、凝固シェルにかかる静圧が小さいと、熱変形が過大になり抜熱が
うまく行われなくなることが原因であると判明した。
特開平3−128149号公報 特開平9−201653号公報 羽賀俊雄,「Al合金の高速ロールキャスティング」,平成14年度塑性加工春季講演会講演論文集,社団法人日本塑性加工学会,2002年5月,p.283−284 羽賀俊雄、外3名,「異型双ロール法によるAl合金板の作成とその特性」,平成15年度塑性加工春季講演会講演論文集,社団法人日本塑性加工学会,2003年5月,p.247−248
ところが、上記水平方向に平行配置した一対の冷却ロールの上側にそれぞれバレル堰を
装備した装置を用いてアルミニウム合金の薄板の連続鋳造を行う場合、注湯開始時にて湯
面が高くなる前は、一対の冷却ロール間の上方に一様に湯を溜めるようにしなければなら
ず、しかも、この間にも凝固し始めるので、冷却ロールの回転速度に十分に配慮しなけれ
ばバレル堰の間の領域に湯がなかなか溜まらず、又、ロールに巻き付き易いという問題が
生じていた。
又、上記バレル堰を、各冷却ロールの軸心方向の両端面からの湯の漏れを防ぐために設
けるサイド堰と一体にしたり、サイド堰の内側にバレル堰を配置した場合には、湯の凝固
厚みによりロールギャップが変動させられる際、該変位した冷却ロールの外周面とバレル
堰の下端との間に隙間が生じたり、サイド堰が回転する冷却ロールとの接触により摩耗又
は変位した場合にサイド堰と冷却ロール端面との間に隙間が生じて、湯漏れが発生する虞
が懸念されるという問題もある。
そこで、本発明は、高熱伝導材の湯を所要高さ位置まで溜めるようにしてから鋳造させ
るようにし、更に、バレル堰と冷却ロールとの間に隙間が生じることや、サイド堰が冷却
ロールとの接触により摩耗しても湯漏れを発生させることをなくして上記高熱伝導材の薄
板の連続鋳造を継続して行うことができる高熱伝導材薄板の製造方法及び装置を提供しよ
うとするものである。
本発明は、水平方向に平行配置した左右一対の冷却ロール間の上方位置に、該一対の冷却ロールの軸心方向の両端面部に接触させて配置した一対のサイド堰と、上記各冷却ロールの外周面に軸心方向全長に亘りそれぞれ下端を接触させて配置した一対のバレル堰とにより囲まれてなる空間部を形成し、該空間部内に高熱伝導材の湯を注入して溜めて行き、製造すべき板厚の薄板となるような速度で上記一対の冷却ロールを回転させて、そのとき生じる高熱伝導材の湯の凝固厚みにより上記一対の冷却ロールのロールギャップを調整させ、該ロールギャップの調整時に上記一対の冷却ロールの外周面に下端を接触させているバレル堰を、上下方向に移動させて、ロールギャップの調整により変位させられる冷却ロールの外周面に常にバレル堰の下端を接触させるようにして、上記高熱伝導材の湯を、上記一対の冷却ロール間を通して薄板を連続鋳造するようにすることを特徴とする高熱伝導材薄板の連続鋳造方法、及び、水平方向に平行配置してある左右一対の冷却ロールの一方の冷却ロールを、他方の冷却ロールに近接、離反する方向へ変位させてロールギャップを調整できるようにベース上に支持させ、該一方の冷却ロールをロールシフト機構により他方の冷却ロールに近接、離反する方向へ移動できるようにして、該一方の冷却ロールを常に他方の冷却ロールの方向へ所要の圧力で付勢するロール付勢装置を装備させ、且つ上記一対の冷却ロールの軸心方向の両端面に、該一対の冷却ロールのロールギャップ位置に対応する高さ位置から所要高さ位置まで下部内側面を接触させたサイド堰をそれぞれ配設すると共に、上記各冷却ロールの上側に、それぞれバレル堰を、該冷却ロールの外周面に軸心方向の全長に亘り下端を接触させて配設して、該一対の冷却ロール上の一対のバレル堰と上記一対の冷却ロールの両端面部の一対のサイド堰とにより一対の冷却ロール上に高熱伝導材の湯を溜める空間部を形成させ、更に、上記一方の冷却ロール上のバレル堰をガイド機構に沿わせて上下方向移動できるようにして、該一方の冷却ロール上のバレル堰を、該バレル堰に備えた駆動機構を有するバレル堰移動装置により上下方向に移動できるようにすると共に下向きに付勢できるようにして、上記一対の冷却ロール間のロールギャップ調整時に上記一方の冷却ロールの変位に追従させて上記一方のバレル堰をバレル堰移動装置の駆動機構により上下方向に移動させて該一方の冷却ロール外周面に下端を接触させるように付勢させるようにしたり、あるいは、上記一方の冷却ロール上のバレル堰を、該バレル堰に備えた所要質量の錘により下向きに付勢できるようにして、上記一対の冷却ロール間のロールギャップ調整時に上記一方の冷却ロールの変位に追従させて上記一方のバレル堰を上記ガイド機構に沿い上下方向に移動させて該一方の冷却ロール外周面に下端を接触させるように付勢させるようにした構成を有することを特徴とする高熱伝導材薄板の連続鋳造装置とする。
又、水平方向に平行配置してある左右一対の冷却ロールを互いに近接、離反する方向へ変位させてロールギャップを調整できるようにベース上に支持させ、該一対の冷却ロールをそれぞれロールシフト機構により互いに近接、離反する方向へ移動できるようにして一対の冷却ロール近接する方向へ所要の圧力で付勢するロール付勢装置をそれぞれ装備させ、且つ上記一対の冷却ロールの軸心方向の両端面に、該一対の冷却ロールのロールギャップ位置に対応する高さ位置から所要高さ位置まで下部内側面を接触させたサイド堰をそれぞれ配設すると共に、上記各冷却ロールの上側に、それぞれバレル堰を、該冷却ロールの外周面に軸心方向の全長に亘り下端を接触させて配設して、該一対の冷却ロール上の一対のバレル堰と上記一対の冷却ロールの両端面部の一対のサイド堰とにより一対の冷却ロール上に高熱伝導材の湯を溜める空間部を形成させ、更に、上記一対の冷却ロール上の各バレル堰をガイド機構に沿わせて上下方向に移動できるようにして、該各バレル堰を、該各バレル堰に備えた駆動機構を有するバレル堰移動装置により上下方向に移動できるようにすると共に下向きに付勢できるようにして、上記一対の冷却ロール間のロールギャップ調整時に上記一対の冷却ロールの変位に追従させて上記一対のバレル堰をバレル堰移動装置の駆動機構により上下方向に移動させて該一対の冷却ロール外周面に各下端を接触させるように付勢させるようにしたり、あるいは、各バレル堰を、該各バレル堰に備えた所要質量の錘により下向きに付勢できるようにして、上記一対の冷却ロール間のロールギャップ調整時に上記一対の冷却ロールの変位に追従させて上記一対のバレル堰を上記ガイド機構に沿い上下方向に移動させて該一対の冷却ロール外周面に各下端を接触させるように付勢させるようにした構成を有することを特徴とする高熱伝導材薄板の連続鋳造装置とする。
更に又、請求項2,3,4又は5に係る高熱伝導材薄板の連続鋳造装置におけるロールギャップの調整により変位させられる冷却ロールに追従して上下方向に移動できるようにしたバレル堰と対向配置されているバレル堰との内側面に両端面を接触させるようにしたサイド堰に、常時、冷却ロールの端面へ押し付けるように付勢させるための押付け機構を装備させるようにした構成とする。
本発明の高熱伝導材薄板の製造方法及び装置によれば、以下の如き優れた効果を発揮する。
(1)水平方向に平行配置した左右一対の冷却ロール間の上方位置に、該一対の冷却ロールの軸心方向の両端面部に接触させて配置した一対のサイド堰と、上記各冷却ロールの外周面に軸心方向全長に亘りそれぞれ下端を接触させて配置した一対のバレル堰とにより囲まれてなる空間部を形成し、該空間部内に高熱伝導材の湯を注入して溜めて行き、製造すべき板厚の薄板となるような速度で上記一対の冷却ロールを回転させて、そのとき生じる高熱伝導材の湯の凝固厚みにより上記一対の冷却ロールのロールギャップを調整させ、該ロールギャップの調整時に上記一対の冷却ロールの外周面に下端を接触させているバレル堰を、上下方向に移動させて、ロールギャップの調整により変位させられる冷却ロールの外周面に常にバレル堰の下端を接触させるようにして、上記高熱伝導材の湯を、上記一対の冷却ロール間を通して薄板を連続鋳造するようにする方法、及び、水平方向に平行配置してある左右一対の冷却ロールの一方の冷却ロールを、他方の冷却ロールに近接、離反する方向へ変位させてロールギャップを調整できるようにベース上に支持させ、該一方の冷却ロールをロールシフト機構により他方の冷却ロールに近接、離反する方向へ移動できるようにして、該一方の冷却ロールを常に他方の冷却ロールの方向へ所要の圧力で付勢するロール付勢装置を装備させ、且つ上記一対の冷却ロールの軸心方向の両端面に、該一対の冷却ロールのロールギャップ位置に対応する高さ位置から所要高さ位置まで下部内側面を接触させたサイド堰をそれぞれ配設すると共に、上記各冷却ロールの上側に、それぞれバレル堰を、該冷却ロールの外周面に軸心方向の全長に亘り下端を接触させて配設して、該一対の冷却ロール上の一対のバレル堰と上記一対の冷却ロールの両端面部の一対のサイド堰とにより一対の冷却ロール上に高熱伝導材の湯を溜める空間部を形成させ、更に、上記一方の冷却ロール上のバレル堰をガイド機構に沿わせて上下方向へ移動できるようにして、該一方の冷却ロール上のバレル堰を、該バレル堰に備えた駆動機構を有するバレル堰移動装置により上下方向に移動できるようにすると共に下向きに付勢できるようにして、上記一対の冷却ロール間のロールギャップ調整時に上記一方の冷却ロールの変位に追従させて上記一方のバレル堰をバレル堰移動装置の駆動機構により上下方向に移動させて該一方の冷却ロール外周面に下端を接触させるように付勢させるようにしたり、あるいは、上記一方の冷却ロール上のバレル堰を、該バレル堰に備えた所要質量の錘により下向きに付勢できるようにして、上記一対の冷却ロール間のロールギャップ調整時に上記一方の冷却ロールの変位に追従させて上記一方のバレル堰を上記ガイド機構に沿い上下方向に移動させて該一方の冷却ロール外周面に下端を接触させるように付勢させるようにした構成を有する装置としてあるので、冷却ロールの回転速度を調整してバレル堰とサイド堰とで形成される空間部内に高熱伝導材の湯を溜めて所要高さの湯面にすることができ、冷却ロールの回転速度を変えて目的の板厚の製品が得られるような凝固厚みにして連続鋳造させることにより湯の静圧を利用できて一定の板厚の薄板を製造することができる。又、上記冷却ロールの回転速度を変えることによる凝固厚みの変化に応じて冷却ロールのロールギャップが調整される際、バレル堰は上下方向に移動できるようにしてあることから、一方の冷却ロールが凝固厚みに応じて変位して他方の冷却ロールとの間のロールギャップが大きくなったり、小さくなったりするとき、一方の冷却ロール上にバレル堰を接触させておくことができて、バレル堰と冷却ロールとの間より湯が漏れることを未然に防止することができる。
(2)水平方向に平行配置してある左右一対の冷却ロールを互いに近接、離反する方向へ変位させてロールギャップを調整できるようにベース上に支持させ、該一対の冷却ロールをそれぞれロールシフト機構により互いに近接、離反する方向へ移動できるようにして、該一対の冷却ロール近接する方向へ所要の圧力で付勢するロール付勢装置をそれぞれ装備させ、且つ上記一対の冷却ロールの軸心方向の両端面に、該一対の冷却ロールのロールギャップ位置に対応する高さ位置から所要高さ位置まで下部内側面を接触させたサイド堰をそれぞれ配設すると共に、上記各冷却ロールの上側に、それぞれバレル堰を、該冷却ロールの外周面に軸心方向の全長に亘り下端を接触させて配設して、該一対の冷却ロール上の一対のバレル堰と上記一対の冷却ロールの両端面部の一対のサイド堰とにより一対の冷却ロール上に高熱伝導材の湯を溜める空間部を形成させ、更に、上記一対の冷却ロール上の各バレル堰をガイド機構に沿わせて上下方向に移動できるようにして、該各バレル堰を、該各バレル堰に備えた駆動機構を有するバレル堰移動装置により上下方向に移動できるようにすると共に下向きに付勢できるようにして、上記一対の冷却ロール間のロールギャップ調整時に上記一対の冷却ロールの変位に追従させて上記一対のバレル堰をバレル堰移動装置の駆動機構により上下方向に移動させて該一対の冷却ロール外周面に各下端を接触させるように付勢させるようにしたり、あるいは、各バレル堰を、該各バレル堰に備えた所要質量の錘により下向きに付勢できるようにして、上記一対の冷却ロール間のロールギャップ調整時に上記一対の冷却ロールの変位に追従させて上記一対のバレル堰を上記ガイド機構に沿い上下方向に移動させて該一対の冷却ロール外周面に各下端を接触させるように付勢させるようにした構成を有する装置としてあるので、両冷却ロールが凝固厚みに応じて互に近接、離反する方向へ変位してロールギャップが押し広げられて大きくなったり、付勢力で小さくなったりするときにも、両冷却ロール上のバレル堰が上下方向に移動して常に両冷却ロールの外周面に接触させておくことができて、上記(1)の場合と同様の効果が得られるほかに、冷却ロール間のロールギャップが大小に変えられるときに、両冷却ロールが同時に横方向に変位させられるので、中心位置を変化させないようにすることができる。
(3)ロールギャップの調整により変位させられる冷却ロールに追従して上下方向に移動できるようにしたバレル堰に、駆動機構を有するバレル堰移動装置を備えて、該バレル堰移動装置の駆動機構により上記バレル堰を下向きに付勢できるようにした構成とすることにより、バレル堰を自動的に上下動させることができ、しかも、バレル堰に下向きの力を付勢することにより、冷却ロールが横移動して該冷却ロールの外周面の高さ位置が変化するときにもバレル堰の下端を冷却ロール外周面に接触させることができて、湯漏れを生じることなく鋳造ギャップを変えることができる。
(4)ロールギャップの調整により変位させられる冷却ロールに追従して上下方向に移動できるようにしたバレル堰に、所要質量の錘を備えて、該錘により上記バレル堰を下向きに付勢できるようにした構成とすることにより、動力を要することなくバレル堰を下向きに付勢することができて、バレル堰の下端を冷却ロールの外周面に接触させることができ、湯漏れを生じさせることなく鋳造ギャップを変えることができる。
(5)ロールギャップの調整により変位させられる冷却ロールに追従して上下方向に移動できるようにしたバレル堰と対向配置されているバレル堰との内側面に両端面を接触させるようにしたサイド堰に、常時、冷却ロールの端面へ押し付けるように付勢させるための押付け機構を装備させるようにした構成とすることにより、サイド堰の下部が回転する冷却ロールとの接触により摩耗しても、該摩耗した分だけサイド堰を内側へシフトさせることができるため、該サイド堰と冷却ロールとの間から湯が漏れることを未然に防止することができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態を図面を参照して説明する。
図1(イ)(ロ)乃至図3は本発明の高熱伝導材薄板の連続鋳造方法及び装置の実施の
一形態を示すもので、水平方向に平行に配置した左右一対の冷却ロール1a,1bを、図
示しない駆動装置により相対する方向に回転駆動できるようにすると共に、一方の冷却ロ
ール1aを、ロールシフト機構13により他方の冷却ロール1bに対して近接、離反する
方向へ所要寸法移動できるようにして、該一方の冷却ロール1aを他方の冷却ロールの方
向へ押し付けるように付勢するロール付勢装置2を装備する。又、上記各冷却ロール1a
,1bの上方位置に、該各冷却ロール1a,1bの軸心方向の両端面より突出する幅を有
し且つ垂直方向に所要の高さ寸法を有する平板状の断熱素材製のバレル堰3a,3bを、
該各バレル堰3a,3bの下端部が、それぞれ対応する冷却ロール1a,1bの外周面に
軸心方向の全長に亘り接触するように対峙させて設ける。上記2枚のバレル堰3a,3b
のうち、上記一方の冷却ロール1a上にある一方のバレル堰3aは、バレル堰移動装置4
により上下方向に移動できるようにすると共に、下向きに付勢するようにする。この一方
のバレル堰3aの上下方向移動により、該バレル堰3aと対応する上記一方の冷却ロール
1aが他方の冷却ロール1bに近接、離反する方向へ変位することに伴って、該一方の冷
却ロール1aの外周面と上記バレル堰3aの下端との間に隙間が生じる状態になっても、
バレル堰3aを下降させることができるので、該バレル堰3aの下端を常に上記冷却ロー
ル1aの外周面に接触させることができるようにしてある。更に、上記各バレル堰3a,
3bの間における各冷却ロール1a,1bの軸心方向の両端面側位置には、ロールギャッ
プの側方となる高さ位置より上記バレル堰3a,3bの上端部とほぼ等しい高さ位置まで
上下方向に延びる平板形状とした断熱素材性のサイド堰5をそれぞれ配置して、該各サイ
ド堰5の幅方向両側端部が上記各バレル堰3a,3bの互いに対向する面(内側面)部に
それぞれ上下方向に亘って接するようにすると共に、該各サイド堰5の互いに対向する面
(内側面)の下端部が、上記各冷却ロール1a,1bの軸心方向の両端面にそれぞれ接す
るように配置する。これにより、上記各冷却ロール1a,1b間のロールギャップとなる
くさび状の隙間の上側に、上記一対のバレル堰3a,3bと一対のサイド堰5により囲ま
れる空間部6が形成されるようにし、該空間部6に、原料となる高熱伝導材の湯7を注入
して所要の湯面高さまで溜めるようにする。
以下、詳述する。
上記冷却ロール1a,1bは、回転軸8に一体に取り付けてあり、各々の回転軸8の両
端部が、ベース9上の前後両端部位置に配した軸受ブロック10a,10bにそれぞれ回
転自在に支持されていて、該回転軸8を図示しない駆動装置で回転させることにより相対
する方向へ回転できるようにしてある。更に、上記冷却ロール1a,1bのうち、冷却ロ
ール1bの回転軸8の両端部を支承する前後の各軸受ブロック10bは、ベース9の上側
に固定して横方向(左右方向)へは動かないようにしてある。一方、冷却ロール1aの回
転軸8を支承する前後の各軸受ブロック10aは、上記ベース9の前後両端部位置の上側
に左右方向へ所要寸法延びるよう設置してあるガイドレール11とともにロールシフト機
構13を構成していて、ガイドレール11に沿い各軸受ブロック10aをスライドさせる
ことにより冷却ロール1aを冷却ロール1bに近接、離反させることができるようにして
あり、ロール付勢装置2により軸受ブロック10aを介して冷却ロール1aを冷却ロール
1bの方向へ所要の圧力で押しているようにしてある。上記ロール付勢装置2は、上記ロ
ールシフト機構13の各軸受ブロック10aと、上記ベース9の左右方向の一端部におけ
る前後両端部位置にそれぞれ立設した支持部材12との間に介在させてあり、軸受ブロッ
ク10aを軸受ブロック10b側へ常に押しているように作用しているアクチュエータ、
スプリング等より構成されている。上記ロール付勢装置2による押付け付勢力は、湯7の
凝固により凝固厚みが厚くなることにより冷却ロール1aを外側、すなわち、冷却ロール
1bから離れる側へ押してロールギャップが広げられ、凝固厚みが初期ロールギャップ時
の凝固厚みより小さくなると、冷却ロール1aを内側、すなわち、冷却ロール1b側へ押
すことができるものとする。したがって、上記一対の冷却ロール1a,1b間のロールギ
ャップは、上側に形成される空間部6に溜められる湯7が冷却ロール1a,1bにより凝
固される凝固厚みに応じて上記ロール付勢装置2に抗して広げられたり、ロール付勢装置
2により挟められることにより、自動的に調整されるようにしてある。なお、上記各冷却
ロール1a,1bは、冷媒を循環できるようにした図示しない内部流路を備えた構成とし
てあり、外部より図示しない冷媒を導いて内部に循環させることにより、ロール表面部を
内側より冷却できるようにしてある。
又、上記ベース9上の前後両側部位置には、上記各冷却ロール1a,1bの軸心部より
突出している回転軸8を跨ぐように前後より見て門型となる支持フレーム14をそれぞれ
設け、該前後の各支持フレーム14の中央部における内側面(前後の支持フレーム14の
対向する面)に、サイド堰支持プレート15をそれぞれ取り付ける。該各サイド堰支持プ
レート15の内側面(冷却ロール1a,1bに臨む側の面)の所要個所、たとえば、上部
の2個所と下部の1個所には、押付け機構として、冷却ロール1a,1bの軸心方向に平
行に配置してばねの弾性力により伸長方向に力を付勢できるようにしてあるロッド状の押
付け部材16の一端部が取り付けてあり、該各押付け部材16の他端部が、一対の冷却ロ
ール1a,1bのロールギャップ部の軸心方向両端面に接するよう上下方向に配してある
サイド堰5の外側面(反冷却ロール側面)に連結してあり、上記各押付け部材16を伸長
させることにより、上記各サイド堰5を冷却ロール1a,1bの軸心方向の両端面にそれ
ぞれ押し付けることができるようにしてある。これにより、サイド堰5は、回転駆動され
る冷却ロール1a,1bとの接触により該接触部分が次第に摩耗するようになったとして
も、上記各押付け部材16により冷却ロール1a,1bの方向へ押し付ける力が継続して
作用させられることにより、上記各サイド堰5を摩耗した分だけ内側(冷却ロール1a,
1b側)へ押し付けて、該各サイド堰5と各冷却ロール1a,1bとの接触を維持し、各
サイド堰5と冷却ロール1a,1bの軸心方向の端面との間から湯7が漏れることを防止
できるようにしてある。
更に、上記各支持フレーム14の中央付近にて上記各サイド堰5の幅寸法よりもやや広
い所要間隔を隔てた個所に、前後方向に延びるバレル堰支持プレート17a,17bを、
上記支持フレーム14同士の間に架け渡すよう配置して、該支持プレート17a,17b
の両端部を、前後の支持フレーム14の上面に左右方向へ任意に位置が変えられるように
取り付ける。上記各バレル堰支持プレート17a,17bのうち、冷却ロール1bの上方
に位置させられているバレル堰支持プレート17bの中央部には、断面形状L字型のブラ
ケット18を介してバレル堰3bの上部を取り付けて、該バレル堰3bの下端を上記冷却
ロール1bの外周面に接触させ且つ内面を上記左右のサイド堰5の幅方向の一端面に接触
させた状態にて位置固定できるようにしてある。
一方、冷却ロール1aの上方に位置させられているバレル堰支持プレート17aの中央
部には、バレル堰3aを、バレル堰移動装置4により上下方向へ移動可能に取り付けて、
バレル堰3aを下向きに付勢するようにしてある。すなわち、上記バレル堰移動装置4は
、断面形状をL字型としてあって下端部を上記バレル堰支持プレート17aに取り付ける
ようにすると共に、垂直部の下端部にバレル堰3aの幅方向両側部を上下方向にガイドで
きるようにしたガイド機構としての相対向するガイド溝20を設けたブラケット19と、
該ブラケット19の垂直部の上端部所要個所(図では左右の2個所)に下向きに取り付け
た駆動機構としてのアクチュエータ21とからなり、上記ブラケット19の上記ガイド溝
20の間に、バレル堰1aの幅方向両端部を係合させて、該バレル堰1aを上記ガイド溝
20の間で上下方向にスライドできるようにし、且つ上記各アクチュエータ21の作動ロ
ッドの先端部を、上記バレル堰3aの上端部に連結した構成とすることにより、各アクチ
ュエータ21の同期した伸縮動作により上記バレル堰3aを上下方向に移動させることが
できるようにしてある。
上記構成としてある本発明の高熱伝導材薄板の連続鋳造装置を用いて高熱伝導材、たと
えば、アルミニウム合金の薄板を製造する場合は、先ず、2つの冷却ロール1a,1b間
のロールギャップを、湯を溜めやすい程度、たとえば、1.5mm程度に設定した状態と
し、これに合わせてバレル堰移動装置4のアクチュエータ21によりバレル堰3aの上下
方向位置を、該バレル堰3aの下端が冷却ロール1aの外周面に接するように調整してお
く。この状態にて各冷却ロール1a,1bを駆動装置により相対する方向へ回転させなが
ら、高熱伝導材としてのアルミニウム合金の湯7を、各バレル堰と左右のサイド堰に囲ま
れる空間部6へ注入する。
これにより、上記注入されたアルミニウム合金の湯7は、両冷却ロール1a,1bの間
に形成されるくさび状の隙間の上側に達するが、この際、初めに湯7を溜めるときは、上
記両冷却ロール1aと1bを、湯7が溜まり易いような低速で回転させることにより、空
間部6内に湯7を静圧が作用する所定の高さまで溜めるようにする。このように冷却ロー
ル1a,1bを低速で回転させることにより、ロールギャップは或る程度の大きさであっ
ても湯7を容易に溜めることができる。上記湯7を溜める間、冷却ロール1a,1bと接
するところでは凝固が進み、この凝固した厚みによりロールギャップは調整される。凝固
は湯7が冷却ロール1a,1bと接している時間の関数で進行するので、冷却ロール1a
,1bの回転速度により凝固の厚みは変えられる。冷却ロール1a,1bを低速で回転す
れば、湯7が冷却ロール1a,1bと接している時間が長くなるので、凝固厚みは大きく
(厚く)なり、冷却ロール1a,1bを高速で回転させると、凝固厚みは小さく(薄く)
なる。この凝固厚みの大小に応じて冷却ロール1aと1bの間のロールギャップは変えら
れる。凝固厚みが厚くなると、該凝固の進行で一方の冷却ロール1aはロール付勢装置2
に打ち勝って外側へ押され、他方の冷却ロール1bから離反する方向へ変位させられ、湯
7を溜めるときのロールギャップよりも広目に調整される。一方、凝固厚みが薄くなると
、ロール付勢装置2により冷却ロール1aを冷却ロール1bに近接するように押す付勢力
によって、冷却ロール1aが他方の冷却ロール1b側へ変位させられ、ロールギャップは
初期ギャップよりも狭目となるように調整される。
このような凝固厚みに応じて冷却ロール1a,1b間のロールギャップが調整されるとき、一方の冷却ロール1a上のバレル3aは、該冷却ロール1aの横方向(左右方向)へのシフトの都度、バレル堰移動装置4のアクチュエータ21により上下方向へ移動させられて、常に下端を冷却ロール1aの外周面に接触させることができる。この際、バレル堰移動装置4のアクチュエータ21を伸長させる方向へ作動させて、冷却ロール1a上のバレル堰3aに下向きの力を付勢させるようにしておくことにより、該バレル堰3aの下端が常に冷却ロール1aの外周面に押し付けられた状態になるので、上記冷却ロール1aが冷却ロール1bから離れる方向へ変位するときは、バレル堰3aは下降させられ、逆に、冷却ロール1aが冷却ロール1b側へ変位させられるときは、バレル堰3aは上方へ押し上げられる。
これにより、バレル堰3aの下端と冷却ロール1aの外周面との間に隙間が出来ること
が防止されて、バレル堰3aの下端からの湯7が漏れることを防止した状態で、両冷却ロ
ール1a,1bによる鋳造ギャップを変えることができて、冷却ロール1a,1b間を通
して凝固厚みの板厚の薄板7aを連続して製造することができる。この際、湯7は一対の
バレル堰3a,3bと一対のサイド堰5で形成される空間部6内に所要の高さまで溜めら
れるので、冷却ロール1a,1b間を通して製造される製品の薄板7aには湯7の静圧が
作用することにより均等の厚みの薄板7aとすることができる。
なお、定常運転においては、予め設定した板厚の薄板7aが得られるように対応した冷
却ロール1a,1bの回転速度で運転するが、1回の工程途中で冷却ロール1a,1bの
回転速度を変えて凝固厚みを変え、ロールギャップを変えて板厚の異なる薄板7aを得る
ようにすることも可能である。
なお、又、図1(イ)(ロ)においては、作動を説明する便宜上、ロールギャップの寸
法が狭い状態と広い状態をそれぞれ強調して示してある。したがって、図面上のロールギ
ャップの寸法が実際の設定寸法を反映するものではない。
次に、図4は本発明の実施の他の形態を示すもので、図1(イ)(ロ)乃至図3に示し
たと同様の構成において、バレル堰3aを、ブラケット19に取り付けたアクチュエータ
21により上下方向に移動させるようにした構成に代えて、上記ブラケット19のガイド
溝20に上下方向にスライドできるよう係合させたバレル堰3aの所要個所、たとえば、
上端部に、所要の質量を有する錘22を取り付けて、該錘22の荷重により上記バレル堰
3aに対し常に下向きの力を付勢させることができるようにしたものである。
その他の構成は図1(イ)(ロ)乃至図3に示したものと同様であり、同一のものには
同一符号が付してある。
本実施の形態によれば、上記バレル堰3aの下端を、該バレル堰3aの自重及び錘22
の荷重により常に対応する冷却ロール1aの外周面に押し付けるようにすることができる
ため、ロールギャップの寸法を注湯開始状態から凝固の進行で冷却ロール1aが外側へ押
されてロールギャップが開いて行くときに、該冷却ロール1aの外周面とバレル堰3aの
下端の位置が相対的に変化しても、上記バレル堰3aの高さ位置を冷却ロール1aの変位
に追従して変化させることができて、上記バレル堰3aを移動させるための動力を不要と
することが可能になる。
次いで、図5は本発明の実施の更に他の形態を示すもので、図1(イ)(ロ)乃至図3
に示したと同様の構成において、一方の冷却ロール1aのみをロールギャップを狭める方
向へ押しているようにするロール付勢装置2を備えると共に、該一方の冷却ロール1aに
対応する側のバレル堰3aのみをバレル堰移動装置4により上下方向に移動させることが
できるようにした構成に加えて、他方の冷却ロール1b側にも上記ロール付勢装置2と同
様のロール付勢装置を装備させ、且つ該冷却ロール1bに対応する他方のバレル堰3bに
も、上記一方のバレル堰3aと同様のバレル堰移動装置4を装備させるようにしたもので
ある。
その他の構成は、図1(イ)(ロ)乃至図3に示したものと同様であり、同一のものに
は同一符号が付してある。
本実施の形態によれば、注湯開始時のロールギャップを設定した状態から、目的とする
厚み寸法を備えたアルミニウム合金の薄板7aの製造を行うべく冷却ロール1a,1bの
回転速度を、たとえば低速にして凝固厚みを厚くしたときは、湯7の凝固により冷却ロー
ル1aと1bは互いに離反する方向へ変位させられてロールギャップが広げられたときに
、該各冷却ロール1a,1bの移動に伴って冷却ロール1a,1bの外周面の高さ位置の
変化に追従して、それぞれ対応するバレル堰3a,3bの高さ位置をバレル堰移動装置4
により変化させることができる。したがって、図1(イ)(ロ)乃至図3に示した実施の
形態と同様の効果を得ることができると共に、ロールギャップの寸法の変化を、該ロール
ギャップの中心位置を変えることなく行なわせることができる。
なお、本発明は上記実施の形態のみに限定されるものではなく、図5に示した実施の形
態におけるバレル堰移動装置4として、図4の実施の形態にて示した如き錘22を、バレ
ル堰3a,3bに取り付けるようにしてもよい。又、バレル堰移動装置4の駆動機構とし
ては、バレル堰3a,3bの高さ位置を、それぞれ下方に位置する冷却ロール1a,1b
の外周面の高さ位置の変化に追従して上下方向に変化させることができるようにすれば、
ラック・ピニオン、ウォームギヤとウォームねじ等、アクチュエータ以外の機構を採用す
るようにしてもよい。アルミニウム合金以外にも純アルミニウム、マグネシウム合金、純
マグネシウムやその他の高熱伝導材の薄板の製造に適用できること、その他本発明の要旨
を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
本発明の高熱伝導材薄板の連続鋳造方法及び装置の実施の一形態を示すもので、(イ)はロールギャップが狭められた状態の切断概略側面図、(ロ)はロールギャップを広げられた状態の切断概略側面図である。 図1(イ)の概略平面図である。 図1(イ)のA−A方向矢視図である。 本発明の実施の他の形態を示す切断概略側面図である。 本発明の実施の更に他の形態を示す切断概略側面図である。
符号の説明
1a,1b 冷却ロール
2 ロール付勢装置
3a,3b バレル堰
4 バレル堰移動装置
5 サイド堰
6 空間部
7 高熱伝導材の湯
7a 薄板
9 ベース
16 押付け部材(押付け機構)
21 アクチュエータ(駆動機構)
22 錘

Claims (6)

  1. 水平方向に平行配置した左右一対の冷却ロール間の上方位置に、該一対の冷却ロールの軸心方向の両端面部に接触させて配置した一対のサイド堰と、上記各冷却ロールの外周面に軸心方向全長に亘りそれぞれ下端を接触させて配置した一対のバレル堰とにより囲まれてなる空間部を形成し、該空間部内に高熱伝導材の湯を注入して溜めて行き、製造すべき板厚の薄板となるような速度で上記一対の冷却ロールを回転させて、そのとき生じる高熱伝導材の湯の凝固厚みにより上記一対の冷却ロールのロールギャップを調整させ、該ロールギャップの調整時に上記一対の冷却ロールの外周面に下端を接触させているバレル堰を、上下方向に移動させて、ロールギャップの調整により変位させられる冷却ロールの外周面に常にバレル堰の下端を接触させるようにして、上記高熱伝導材の湯を、上記一対の冷却ロール間を通して薄板を連続鋳造するようにすることを特徴とする高熱伝導材薄板の連続鋳造方法。
  2. 水平方向に平行配置してある左右一対の冷却ロールの一方の冷却ロールを、他方の冷却ロールに近接、離反する方向へ変位させてロールギャップを調整できるようにベース上に支持させ、該一方の冷却ロールをロールシフト機構により他方の冷却ロールに近接、離反する方向へ移動できるようにして、該一方の冷却ロールを常に他方の冷却ロールの方向へ所要の圧力で付勢するロール付勢装置を装備させ、且つ上記一対の冷却ロールの軸心方向の両端面に、該一対の冷却ロールのロールギャップ位置に対応する高さ位置から所要高さ位置まで下部内側面を接触させたサイド堰をそれぞれ配設すると共に、上記各冷却ロールの上側に、それぞれバレル堰を、該冷却ロールの外周面に軸心方向の全長に亘り下端を接触させて配設して、該一対の冷却ロール上の一対のバレル堰と上記一対の冷却ロールの両端面部の一対のサイド堰とにより一対の冷却ロール上に高熱伝導材の湯を溜める空間部を形成させ、更に、上記一方の冷却ロール上のバレル堰をガイド機構に沿わせて上下方向へ移動できるようにして、該一方の冷却ロール上のバレル堰を、該バレル堰に備えた駆動機構を有するバレル堰移動装置により上下方向に移動できるようにすると共に下向きに付勢できるようにして、上記一対の冷却ロール間のロールギャップ調整時に上記一方の冷却ロールの変位に追従させて上記一方のバレル堰をバレル堰移動装置の駆動機構により上下方向に移動させて該一方の冷却ロール外周面に下端を接触させるように付勢させるようにした構成を有することを特徴とする高熱伝導材薄板の連続鋳造装置。
  3. 水平方向に平行配置してある左右一対の冷却ロールの一方の冷却ロールを、他方の冷却ロールに近接、離反する方向へ変位させてロールギャップを調整できるようにベース上に支持させ、該一方の冷却ロールをロールシフト機構により他方の冷却ロールに近接、離反する方向へ移動できるようにして、該一方の冷却ロールを常に他方の冷却ロールの方向へ所要の圧力で付勢するロール付勢装置を装備させ、且つ上記一対の冷却ロールの軸心方向の両端面に、該一対の冷却ロールのロールギャップ位置に対応する高さ位置から所要高さ位置まで下部内側面を接触させたサイド堰をそれぞれ配設すると共に、上記各冷却ロールの上側に、それぞれバレル堰を、該冷却ロールの外周面に軸心方向の全長に亘り下端を接触させて配設して、該一対の冷却ロール上の一対のバレル堰と上記一対の冷却ロールの両端面部の一対のサイド堰とにより一対の冷却ロール上に高熱伝導材の湯を溜める空間部を形成させ、更に、上記一方の冷却ロール上のバレル堰をガイド機構に沿わせて上下方向へ移動できるようにして、該一方の冷却ロール上のバレル堰を、該バレル堰に備えた所要質量の錘により下向きに付勢できるようにして、上記一対の冷却ロール間のロールギャップ調整時に上記一方の冷却ロールの変位に追従させて上記一方のバレル堰を上記ガイド機構に沿い上下方向に移動させて上記錘により該一方の冷却ロール外周面に下端を接触させるように付勢させるようにした構成を有することを特徴とする高熱伝導材薄板の連続鋳造装置。
  4. 水平方向に平行配置してある左右一対の冷却ロールを互いに近接、離反する方向へ変位させてロールギャップを調整できるようにベース上に支持させ、該一対の冷却ロールをそれぞれロールシフト機構により互いに近接、離反する方向へ移動できるようにして、該一対の冷却ロール近接する方向へ所要の圧力で付勢するロール付勢装置をそれぞれ装備させ、且つ上記一対の冷却ロールの軸心方向の両端面に、該一対の冷却ロールのロールギャップ位置に対応する高さ位置から所要高さ位置まで下部内側面を接触させたサイド堰をそれぞれ配設すると共に、上記各冷却ロールの上側に、それぞれバレル堰を、該冷却ロールの外周面に軸心方向の全長に亘り下端を接触させて配設して、該一対の冷却ロール上の一対のバレル堰と上記一対の冷却ロールの両端面部の一対のサイド堰とにより一対の冷却ロール上に高熱伝導材の湯を溜める空間部を形成させ、更に、上記一対の冷却ロール上の各バレル堰をガイド機構に沿わせて上下方向に移動できるようにして、該各バレル堰を、該各バレル堰に備えた駆動機構を有するバレル堰移動装置により上下方向に移動できるようにすると共に下向きに付勢できるようにして、上記一対の冷却ロール間のロールギャップ調整時に上記一対の冷却ロールの変位に追従させて上記一対のバレル堰をバレル堰移動装置の駆動機構により上下方向に移動させて該一対の冷却ロール外周面に各下端を接触させるように付勢させるようにした構成を有することを特徴とする高熱伝導材薄板の連続鋳造装置。
  5. 水平方向に平行配置してある左右一対の冷却ロールを互いに近接、離反する方向へ変位させてロールギャップを調整できるようにベース上に支持させ、該一対の冷却ロールをそれぞれロールシフト機構により互いに近接、離反する方向へ移動できるようにして、該一対の冷却ロール近接する方向へ所要の圧力で付勢するロール付勢装置をそれぞれ装備させ、且つ上記一対の冷却ロールの軸心方向の両端面に、該一対の冷却ロールのロールギャップ位置に対応する高さ位置から所要高さ位置まで下部内側面を接触させたサイド堰をそれぞれ配設すると共に、上記各冷却ロールの上側に、それぞれバレル堰を、該冷却ロールの外周面に軸心方向の全長に亘り下端を接触させて配設して、該一対の冷却ロール上の一対のバレル堰と上記一対の冷却ロールの両端面部の一対のサイド堰とにより一対の冷却ロール上に高熱伝導材の湯を溜める空間部を形成させ、更に、上記一対の冷却ロール上の各バレル堰をガイド機構に沿わせて上下方向に移動できるようにして、該各バレル堰を、該各バレル堰に備えた所要質量の錘により下向きに付勢できるようにして、上記一対の冷却ロール間のロールギャップ調整時に上記一対の冷却ロールの変位に追従させて上記一対のバレル堰を上記ガイド機構に沿い上下方向に移動させて上記錘により該一対の冷却ロール外周面に各下端を接触させるように付勢させるようにした構成を有することを特徴とする高熱伝導材薄板の連続鋳造装置。
  6. ロールギャップの調整により変位させられる冷却ロールに追従して上下方向に移動できるようにしたバレル堰と対向配置されているバレル堰との内側面に両端面を接触させるようにしたサイド堰に、常時、冷却ロールの端面へ押し付けるように付勢させるための押付け機構を装備させるようにした請求項2、3、4又は5記載の高熱伝導材薄板の連続鋳造装置。
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