JP4406165B2 - 内視鏡装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ズーム機構を備えた内視鏡と内視鏡のズーム機構を駆動させる駆動手段とを有する内視鏡装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
内視鏡先端にズーム機構を構成するレンズを配置し、このレンズをアクチュエータやモータによって移動させて、拡大或いは広角状態で観察を行える内視鏡が知られている。
【0003】
特に、特開平11−4805号公報や本出願人の特願平10−183092号の内視鏡装置においては、ズーム速度の変更を行えるようにズーム速度を切替える手段を有している。
【0004】
このズーム速度の切替え手段としては、拡大電子内視鏡の制御装置(コントローラ)のフロントパネルに設けた切替えスイッチがある。医師は、このコントローラを使用することによって、例えば5段階設定の中から所望の切替え速度を選択できる。
【0005】
この5段階の設定は、段階毎にある割合で速度が変わるように設定されている。つまり、遅い設定が好みの医師には1段階目(例えば5秒)の設定を、速い設定が好みの医師には5段階目(例えば1秒)の設定を行える。
【0006】
そして、上述した内視鏡装置では、これらの各段階におけるズーム速度が一定になるように、内視鏡本体内にアクチュエータの駆動条件を設定する第1の速度設定スイッチが設けてあった。このスイッチを適宜設定することによって、初期の切替え速度が設定値になるようにようにしている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記レンズをアクチュエータで駆動させる場合、このアクチュエータに経時変化が生じると、例えば前述した5段階の切替え速度やその割合が変化して、所望する切替え速度で操作することができなくなってしまう。
【0008】
すなわち、例えば速い切替え速度が好みの医師が一番速い5段階目(例えば1秒)を使用していた場合、アクチュエータ性能が遅くなる方向である例えば2秒になってしまうと、医師は変化の遅さに煩わしさを感じる。一方、遅い切替え速度である1段階目(例えば5秒)を使用していた医師の場合に、アクチュエータの性能が速くなる方向である例えば3秒になってしまうと、医師は変化の早さにとまどいを感じる。また、5段階の切替え速度をそれぞれ使い分けていた医師の場合には、5段階の切替え速度が全て変化してしまうので、所望の切替え速度での観察が行えなくなってしまう。
【0009】
このような場合、医師は我慢して使用を続けるか、或いは修理業者に設定の調整を依頼することになる。しかし、調整を依頼した場合には内視鏡本体を分解し、内視鏡に搭載されている(第1の)速度設定スイッチを変更して、経時変化前と同じ状態で動作するように設定し直す修理期間中、内視鏡を使用することができなくなって不具合が生じるので、使い勝手の低下した内視鏡を我慢して使用するのが現状であった。
【0010】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、経時変化があった場合等に、所望する切替え速度への設定し直しを簡便に、また既存のズーム機構を備えた内視鏡システムにほとんど変更を加えることなく行える内視鏡装置を提供することを目的にしている。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明の内視鏡装置は、ズーム機構とこのズーム機構の動作速度を設定する第1の速度設定スイッチとを有する内視鏡と、この内視鏡のズーム機構を駆動させる外部装置である駆動手段と、前記内視鏡に着脱自在に設けられ、前記ズーム機構の動作速度を前記第1の速度設定スイッチで設定された速度とは異なる速度に設定する第2の速度設定スイッチとを具備している。
【0012】
この構成によれば、第2の速度設定スイッチによって、第1の速度設定スイッチに加えてズーム機構の動作速度の設定を行える。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
図1ないし図34は本発明の一実施形態に係り、図1はズーム機構を有する内視鏡を備えた内視鏡装置の構成を示す図、図2は図1の内視鏡装置の構成を説明するブロック図、図3はアダプタ及びズームケーブルを説明する図、図4はアダプタの回路図、図5は拡大観察コントローラの正面図、図6は駆動条件テーブルを示す図、図7は撮像ユニットを説明する図、図8は対物ユニットを説明する図、図9はレンズ枠の稜線部の加工状態を説明する図、図10は間隔環と絞りとの関係を説明する図、図11は解像力調整用リングを示す斜視図、図12は2つの絞りの関係を説明する図、図13は固体撮像素子ユニットを説明する図、図14は対物ユニットと固体撮像素子ユニットとを示す斜視図、図15は多芯複合ケーブルとシールド枠との接続状態を説明する図、図16はアクチュエータユニットを説明する図、図17は移動体ユニットを説明する図、図18は図7のB−B線断面図、図19は蓋体を説明する斜視図、図20は蓋体を説明する正面図、図21はバネユニットを説明する図、図22はバネユニットの構成を具体的に説明する図、図23はガイド部材と摺動パイプと押さえリングとの関係を説明する図、図24はガイド部材に配置された素子ホルダとジョイント部材との結合状態を説明する図、図25はアクチュエータケーブルユニットを説明する図、図26はガイド部材と素子ホルダとジョイント部材と、結合ピンとの関係を説明する図、図27はアクチュエータ制御部からの駆動命令に対してアクチュエータ駆動部から出力される駆動波形を説明する図、図28は摩擦部材のガイド部材側での当接状態を説明する図、図29は摺動パイプとカールリード線との関係を説明する図、図30はアクチュエータユニットの他の構成を説明する図、図31はアダプタの他の構成を説明する図、図32はアダプタの別の構成を説明する図、図33は図32のアダプタの回路図、図34はアダプタの又他の構成を説明する図である。
【0014】
なお、図3(a)はアダプタ及びズームケーブルの外観図、図3(b)はアダプタを説明する図、図7(a)は撮像ユニットの構成を説明する断面図、図7(b)は図7(a)のA矢視図、図9(a)はR面加工を施した稜線部を示す図、図9(b)はC面加工を施した稜線部を示す図、図*10(a)は間隔環に別体の絞りを配置した状態を示す図、図10(b)は間隔環に絞り部を設けた状態を示す図、図11(a)は解像力調整用リングの一構成例を示す図、図11(b)は解像力調整用リングの他の構成例を示す図、図12(a)は空気抜き用の貫通孔を設けた絞りを説明する図、図12(b)は図12(a)に示す貫通孔を設けた絞りに対向する絞りの開口の大きさを説明する図、図29(a)は、図29(b)は、図29(c)は である。
【0015】
図1及び図2に示すように本実施形態の内視鏡装置1は、ズーム(変倍)機構を備えた拡大電子内視鏡(以下内視鏡と略記する)2と、ビデオプロセッサ3と、光源装置4と、拡大操作を行うスイッチであるフットスイッチ5と、拡大状態をコントロールする拡大観察コントローラ6と、前記ビデオプロセッサ3に接続されて観察画像を表示するモニタ7とで主に構成されている。
【0016】
前記内視鏡2は、挿入部11と、この挿入部11の基端に配設された操作部12と、この操作部12の側部から延出するユニバーサルコード14とで構成され、このユニバーサルコード14の基端部にコネクタ部13が設けられている。
【0017】
前記コネクタ部13には前記光源装置4のソケット4aに着脱自在に接続されるの第1コネクタ13aと、前記ビデオプロセッサ3のソケット3aにカールコード8を介して着脱自在に接続される第2のコネクタ13bと、図3に示す電気ケーブルであるズームケーブル9aとアダプタ9bとを介して前記拡大観察コントローラ6のソケット6aに着脱自在に接続される第3のコネクタ13cとが設けられている。
【0018】
前記拡大観察コントローラ6のソケット6bにはフットスイッチ5から延出する接続ケーブル5aが着脱自在に接続される。また、前記ズームケーブル9aとアダプタ9bとは着脱自在な構成である。さらに、前記ビデオプロセッサ3のソケット3b及びモニタ7には映像ケーブル10が着脱自在に接続される。
【0019】
前記挿入部11は、先端側から順に先端部15、前記操作部12に設けた湾曲操作ノブ12aによって湾曲される湾曲部16、柔軟な可撓管部17を連接している。
前記先端部15には、光源装置4のランプ4bで発して第1コネクタ13a及びライトガイドファイバ27を介して伝送された照明光を目的部位に向けて投光する照明窓18や観察画像を撮像する撮像ユニット19が組み込まれている。
【0020】
この撮像ユニット19は、固体撮像素子ユニット(以下、CCDユニットと記載する)20と、複数の光学レンズを配置した対物ユニット21と、この対物ユニット21に配置されズーム機構のズームレンズ23を移動させる駆動手段であるアクチュエータユニット22とで構成されている。
【0021】
前記操作部12には前記アクチュエータユニット22を動作させるズームスイッチ24が設けられている。このズームスイッチ24は、前記拡大観察コントローラ6に設けられているアクチュエータ制御部25に接続されており、ズームスイッチ24からの指示信号がアクチュエータ制御部25に入力されるようになっている。そして、このアクチュエータ制御部25は、前記アクチュエータユニット22を駆動させるアクチュエータ駆動部26を制御するように接続されている。
【0022】
前記内視鏡2には搭載されているアクチュエータユニット22の性能を記憶する第1の記憶部31が設けてある。本実施形態ではこの記憶部31の具体的な構成としてディップスイッチを用いている。このため、以下ではこの記憶部31を第1の速度設定スイッチ31と呼ぶ。なお、この第1の記憶部31は前述したディップスイッチに限定されるものではなく、例えばリライタブルなフラッシュロムや抵抗等、何種類かの電気的に異なる状態を示す信号を出力することが可能、若しくは外部から認識可能な手段であればよい。
【0023】
一方、前記アダプタ9bには前記第1の記憶部31と同種の第2の記憶部32が設けてある。本実施形態においてこの第2の記憶部32にもディップスイッチを用いているので第2の速度設定スイッチ32と呼ぶ、
図3(a)に示すようにズームケーブル9aに着脱自在なアダプタ9bには回動して開く例えば透明なカバー91が設けられている。このカバー91を開くと、その内部には第2の速度設定スイッチ32を構成する、例えば小型のディップスイッチ92やロータリースイッチ型ディップスイッチ93が設けられている。これらディップスイッチ92、93の数は必要に応じて決定されるものであり、同一形式のディップスイッチで統一する構成或いは、異なるディップスイッチを使用する構成である。そして、前記アダプタ9bの両端部には拡大観察コントローラ6のソケット6a及びズームケーブル9aに接続されるコネクタ94,95が設けられている。
【0024】
なお、前記カバー91は、回動式であっても、スライド式或いはその他の可動構造であってもよい。また、この第2の速度設定スイッチ32は、前記第1の速度設定スイッチ31と同様に信号の出力を行うものであれば、具体的な構成が速度設定スイッチ同士で異なっていてもかまわない。
【0025】
図4に示すように前記第2の速度設定スイッチ32は、拡大側調整スイッチ32a〜32cと、広角側調整スイッチ32d〜32fとに接続された配線32gを備え、他の配線として前記ズームスイッチ24からの配線24aと、アクチュエータユニット22への駆動用配線22a等がある。
【0026】
そして、内視鏡2内の第1の速度設定スイッチ31は、拡大観察コントローラ6のアクチュエータ制御部25には接続されず、前記アダプタ9bの第2の速度設定スイッチ32が前記アクチュエータ制御部25に接続されている。
【0027】
図5に示すように前記拡大観察コントローラ6のソケット6aが設けられた前面にはフロントパネル61が設けられている。このフロントパネル61にはモードスイッチ62、63及びそのモードスイッチ62,63の設定レベルを示すインジケータ62a…62e、63a…63eが設けてある。符号64は電源スイッチである。
【0028】
前記モードスイッチ62、63、インジケータ62a…62e、63a…63eは、前記図2に示すようにアクチュエータ制御部25に接続されている。このことによって、これらモードスイッチ62,63の選択状況や、レベル状態等が表示されるようになっている。
【0029】
前記拡大観察コントローラ6には駆動条件設定用のROM65が設けてある。このROM65には、アクチュエータユニット22の駆動条件が予め書き込まれており、前記アダプタ9bの第2の速度設定スイッチ32と、前記フロントパネル61のモードスイッチ62、63との選択に対応したアクチュエータユニット22の駆動条件をアクチュエータ制御部25に伝達するようになっている。
【0030】
本実施形態においては、駆動条件を示すテーブルとして図6のテーブルを使用する。このテーブルに示す数値が大きい程、アクチュエータユニット22の駆動スピードが速くなるように設定される。そして、前記アクチュエータ制御部25では、モードスイッチ62、63が選択されるとテーブルのA方向で駆動条件の設定変更が行われ、第2の速度設定スイッチ32が選択されるとテーブルのB方向で駆動条件の設定変更が行われる構成になっている。
【0031】
図7に示すように撮像ユニット19は、外装側に金属部が露出しないように熱収縮チューブ96やポリイミド製絶縁テープ等によって覆われている。
前記アクチュエータユニット22と前記拡大観察コントローラ6のアクチュエータ駆動部26とはアクチュエータ駆動ケーブルである多芯複合ケーブル(複合ケーブルとも記載する)33によって電気的に接続されている。この複合ケーブル33は、アクチュエータ駆動用のケーブル34の外側に、金属を蒸着させた樹脂テープ35aと、シールド36と、金属を蒸着させた樹脂テープ35bとを重ねて巻いた状態で外皮33aを被覆し、さらに保護チューブ97を被せて構成されている。
【0032】
なお、前記樹脂テープ35a、35bのそれぞれの巻き方向は、両方とも左巻、或いは両方とも右巻きであったり、それぞれテープ毎に巻き方向が異なっている場合がある。また、シールド36は、偏素タイプであっても、右巻きあるいは左巻であってもよい。
【0033】
図8に示すように対物ユニット21は、前記固体撮像素子(以下CCDと略記する)20a(図7参照)の撮像面上に観察画像を結像させるための複数の光学レンズ21a、…,21f、21A、21B、21Cと、絞り37a,…,37hと、レンズ枠38A〜38E,間隔環39a,39b等によって構成されている。
【0034】
前記レンズ枠38A、38B、38Cの先端側は、レンズ枠38Eによって保持されている。前記レンズ21d、21e、21fは、レンズ間に配置される間隔環39a、39bによって互いの間隔を所定の値に設定して前記レンズ枠38Bに保持されている。前記レンズ21A、21B、21Cは、それぞれレンズ枠38Dによって保持され、ズームレンズ23は移動枠であるズームレンズ枠となるレンズ枠38Aに保持されている。なお、前記ズームレンズ23がレンズ枠38Aとともに図8中の実線に示す左側に移動すると広角(WIDE)状態になり、前記ズームレンズ23がレンズ枠38Aとともに図8中の二点鎖線に示す右側に移動すると拡大(TELE)状態になる。
【0035】
具体的に、前記レンズ枠38Aは光軸方向に沿って摺動可能である。つまり、前記レンズ枠38Aは、前記レンズ枠38Dに外嵌配置され、かつ、前記レンズ枠38Bに内嵌されてガイド状態になっている。
【0036】
このレンズ枠38Aとレンズ枠38Bとの摺動部である稜線部40には、図9(a)に示すR面加工若しくは、図9(b)に示すC面加工を施している。(なお、前記レンズ枠38B側の稜線部40についてはレンズ枠38と同様の加工であるため図示を省略している。)
なお、前記レンズ枠38Bの先端側に位置する間隔環39aに絞り37bを設ける形態としては、図10(a)に示すように間隔環39aにこれとは別体の絞り37bを固着する形態や、前記図8及び図10(b)に示すように間隔環39aの端縁の内側突出部にテーパ面39cを形成することによって間隔環39aに絞り37bを一体に構成する形態が考えられる。
【0037】
前記図8で示した前記レンズ枠38Aを摺動可能に保持するレンズ枠38Bには光軸方向に細長なスリット38bが形成されている。そして、前記レンズ枠38Aに突設した柄部38aがスリット38bを通過して外表面より外側に突出している。この柄部38aにはジョイント部材41と結合させるための結合穴42が形成されている。
【0038】
前記ジョイント部材41には前記レンズ枠38Aの結合穴42に係入配置される突起部43と、前記アクチュエータユニット22が結合される結合部44とが形成されている。この結合部44には貫通した結合孔45が設けられている。そして、ジョイント部材41とレンズ枠38Aとは接着によって固定される。
【0039】
なお、前記レンズ枠38Aの結合穴42とアクチュエータユニット22との結合部の位置を補正するため、ジョイント部材41は突起部43に対して、結合部44は光軸方向に対してオフセットした位置に設けられている。
【0040】
また、ズームレンズ23の後方側に位置するレンズ21A,21Bは、そのレンズ面間の間隔が広くなるように設定してある。したがって、前記レンズ21Aを透過した光線は光軸に対して略平行な平行光になる。そのため、レンズ21A,21B間に配置されたスペーサ46の内面に遮光線46aを設けている。
【0041】
前記対物ユニット21には解像力調整用リング47が設けてある。このリング47は、例えば図11(a)に示すような形状であり、その中心軸が前記対物ユニット21の光軸上に位置するように配置され、周面には複数の穴47aが形成されている。なお、解像力調整用のリング47としては、図11(b)に示す形状のリング47Aであってもよい。
【0042】
前記図8に示すように前記レンズ枠38Aにはレンズ枠38Bのスリット38b内に位置して、前記リング47に当接する突起部48が設けられている。また、前記ズームレンズ23の周囲に位置するレンズ枠38Aには、空気抜き用に複数の貫通孔49,…,49が設けられている。また、レンズ枠38Aに接着固定された絞り37eにもそれぞれの貫通孔49に連通する空気抜き用の貫通孔50,…,50が形成されている。
【0043】
このとき、レンズ枠38Aの貫通孔49の内径寸法は、絞り37eの貫通孔50の内径寸法と同一若しくはそれよりも大きく設定されている。また、貫通孔49の中心軸と貫通孔50の中心軸とは芯ずれしている。具体的には、貫通孔49の中心軸が貫通孔50の中心軸よりも内側にある、つまり対物ユニット21の光軸側に位置している。
【0044】
前記レンズ枠38Aの絞り37eに設けた複数の貫通孔50…を通じて有害光が、その後方に位置するレンズ21Aに入射することを防止するため、これらの貫通孔50は、前記レンズ枠38Dの絞り37fの開口に対して所定の関係を持って設けられている。
【0045】
つまり、図12(a)に示すようにレンズ枠38Aに設けた絞り37eの開口中心Oを中心にしてかつ各貫通孔50と接する破線で示す仮想円Cの直径ΦBと、図12(b)に示すレンズ枠38Dに設けた絞り37fの開口径ΦAとの関係をφB>φAに設定している。
【0046】
なお、前記対物ユニット21にはアクチュエータユニット22の後述するガイド部材71が挿通嵌合されるアクチュエータ挿通孔51と、このガイド部材71を接着固定する穴52とが形成されている。
【0047】
図13に示すようにCCDユニット20は、CCD20aと、このCCD20aを保持するCCD枠53と、前記CCD20aを駆動して信号を増幅する回路を有するIC基板54と、前記CCD20aからの信号の伝送やCCD20aへの電源供給を行う多芯複合ケーブル55と、前記CCD20aと前記IC基板54と多芯複合ケーブル55との間を接続する複数の電気ケーブル56,…,56と、前記CCD枠53とCCD20aとIC基板54と多芯複合ケーブル55との先端部とを覆うシールド枠58とを備えている。
【0048】
前記IC基板54は、CCD枠53に接着固定され、前記CCD20aとIC基板54とは電気ケーブル56,…,56によって電気的に接続されている。前記シールド枠58は、多芯複合ケーブル55に糸57によって糸縛り固定されるとともに、CCD枠53とIC基板54とに接続固定されている。また、前記CCD20aと基板54とケーブル56との周囲には接着剤Sが充填されている。
【0049】
前記シールド枠58は、その基端側において径寸法が細く形成されている。このため、シールド枠58の角部58aにおいては接着剤Sが充填されにくい。そこで、本実施形態では図13,図14に示すように角部58aに貫通孔58bを設けて、この角部58a内に接着剤Sが隙間なく充填されるようにしている。この貫通孔58bは、1個所あるいは多芯複合ケーブル55を挟むように複数設けるようにしてもよい。
【0050】
前記多芯複合ケーブル55が内視鏡2の湾曲動作で破損するのを防止するため、多芯複合ケーブル55とシールド枠58との間に折れ止め59を介在させるとよい。具体的には、図15に示すように多芯複合ケーブル55とシールド枠58との間に熱収縮チューブ59aを介在させる。この場合、熱収縮チューブ59aは、多芯複合ケーブル55の端部に被嵌され、多芯複合ケーブル55の端部からシールド枠58の端部を越える長さにわたって延びている。また、熱収縮チューブ59aの外周にさらにゴアチューブ59bを被覆するようにしてもよい。この場合、ゴアチューブ59bの長さは熱収縮チューブ59aの長さより短くてもよい。
【0051】
なお、本実施形態においては電気ケーブル56に単芯のものを使用しているが、平行多芯ケーブル(フラットケーブル)を使用してもよい。また、シールド枠58を糸57で縛らなくてもよい。さらに、CCD20aの中心と多芯複合ケーブル55の中心との位置関係は、内視鏡2の挿入部11の他の内蔵物との関係によって適宜変更される。
【0052】
図16に示すようにアクチュエータユニット22は、前記対物ユニット21のアクチュエータ挿通孔51に挿通嵌合されるガイド部材71と、このガイド部材71に摺動可能に挿通される移動体ユニット72と、この移動体ユニット72を前記ガイド部材71方向に付勢するバネユニット73と、このバネユニット73をガイド部材71側に押し当てる押さえリング74とで主に構成されている。
【0053】
図17に示すように前記移動体ユニット72は、基端側を構成する素子基台75と、この素子基台75に一端部が接着固定される圧電素子76と、前記素子基台75の外表面側に接着固定されてこの移動体ユニット72の摺動面を形成する摺動パイプ77と、この摺動パイプ77の先端部内孔に接着固定される素子ホルダ78と、前記圧電素子76の周囲に配設されるポリイミド等の絶縁性を有するプラスチック部材で形成された絶縁パイプ79と、前記圧電素子76に電気的に接続されるカールリード線80とで主に構成されている。
【0054】
前記カールリード線80は、2本の単線80a,80bを1つにまとめた2心平行線をコイル状にフォーミングしたものであり、それぞれの単線80a,80bは前記素子基台75に設けられた貫通孔75a,75bを通過して先端を圧電素子76略中央部に設けた電極面76a、76bにそれぞれ半田付け固定されている。そして、前記素子基台75の貫通孔75a,75bに位置する単線80a,80bは接着固定されている。なお、符号80sはカールリード線80のジャケット端80eとフォーミングされたコイル形状部との間に設けたストレート部である。
【0055】
前記素子基台75には前記カールリード線80のジャケット端80eを収納するための収納凹部75cが設けられており、この収納凹部75c内にはジャケット端80eを覆うようにシリコンゴム等の弾性体81が充填されている。また、前記絶縁パイプ79と前記圧電素子76との間にもシリコンゴム等の弾性体81が充填されている。
【0056】
前記素子ホルダ78の基端部には前記圧電素子76の寸法よりもわずかに幅広なスリット78aが設けられている。また、この素子ホルダ78のスリット78aの底側には隙間78bが設けられている。さらに、この素子ホルダ78には前記ジョイント部材41に設けられた結合部44に結合される固定部78cが設けられている。そして、この固定部78cには前記結合部44が嵌合するスリット78dと、前記固定部78cと前記結合部44とを接続する結合ピン82(図*16参照)が挿入される結合穴78eとが設けられている。
【0057】
なお、前記固定部78cには図24に示すように、結合ピン82の外径よりも小径な小穴78fが結合穴78eに連通するように形成されている。また、前記結合ピン82はパイプ部材であってもよい。
【0058】
前記摺動パイプ77の材質としてはSUS316、Ti合金、セラミックス、樹脂部材等の耐摩耗性、耐蝕性の良好なものが使用される。また、ステンレス製のパイプ等を母材にして、表面にTiNやCrNなどの蒸着や、NiベースのSiC含有メッキ、Niベースのタングステン含有メッキ、NiベースのPTFE含有メッキ等を施してもよい。この摺動パイプ77の摺動面は、センタレス研磨を行って面精度を上げている。研磨方法は、センタレス研磨に限らず電解研磨や複合電解研磨等であってもかまわない。
【0059】
図16及び図18ないし図20に示すように前記カールリード線80の基端部には蓋体83が設けられている。この蓋体83には前記アクチュエータユニット22を対物ユニット21に固定するためのビス穴83aが設けられている。
【0060】
図21及び図22に示すように前記バネユニット73は、鞍状に形成された摩擦部材84と、この摩擦部材84の凹部84aに接着固定されるベルト85と、前記摩擦部材84を移動体ユニット72に押し付けるようにこの移動体ユニット72をガイド部材71に押し当てる方向に付勢する板バネ86と、締結部材であるカシメピン87と、前記板バネ86に接着固定されるネジ受け88とで構成され、前記ベルト85及び板バネ86はカシメピン87をかしめた状態で接着固定されている。なお、摩擦部材84の両端部には突起部90a、90bが形成されており、ガイド部材71と押さえリング74に突き当たる面90はそれぞれ平面として形成されている。
【0061】
図22及び前記図16に示すように前記ネジ受け88には前記摩擦部材84を移動体ユニット72に押し付けるため、ガイド部材71に突き当てられるネジ89が螺合される。前記ガイド部材71には前記ネジ89の先端部が当接する平面形状の当接面71aが形成されている。
【0062】
前記移動体ユニット72に突き当てられる(接触される)摩擦部材84の摩擦摺動面の曲率は、前記移動体ユニット72の摺動パイプ77の外面の曲率(外形)よりも僅かに大きく設定してある。
【0063】
なお、前記摩擦部材84の材質としては、SUS316、SUS317、Ti、Ni合金、セラミックス、樹脂等の耐蝕性、摩耗性の良いものが使用される。また、ステンレス、アルミ、銅合金等の母材と使用し、その表面にTiNやCrN等の蒸着や、NiベースのSiC含有複合メッキや、Niベースのタングステン含有メッキを施してもよい。また、アルミを母材にして蓚酸アルマイト処理を行い、テフロン等を含浸させてもよい。
【0064】
また、前記板バネ86は、リン青銅、ベリリウム銅、バネ用ステンレス綱板等の弾性部材によって形成されていることが好ましく、超弾性合金等であってもよい。
【0065】
図23に示すように前記ガイド部材71は、内径寸法が前記移動体ユニット72の摺動パイプ77の外径寸法よりわずかに大きく設定されている。したがって、ガイド部材71と移動体ユニット72との接触部は線接触になって両者間の接触面圧を下げることができる。また、前記ガイド部材71の先端側には切り欠き部71bとスリット部71cとが形成されている。前記切り欠き部71bの長さ寸法は、前記移動体ユニット72の移動範囲よりも長く設定されている。また、切り欠き部71bの高さ寸法は、前記移動体ユニット72の移動範囲よりも長く設定されている。そして、前記切り欠き部71bの高さは、ガイド部材71内に配置された際に結合ピン82が脱落しないように、移動体ユニット72の結合穴78eが少なくとも半分隠れる高さに設定してある。無論、前記切り欠き部71bの高さは、移動体ユニット72がガイド部材71内に配置された際に結合穴78eが全て露出する高さに設定されていてもよい。ただ、この場合には、結合ピン82が脱落しないように、結合ピン82と素子ホルダ78とを接着固定する必要がある。
【0066】
具体的には、図24に示すように結合ピン82を結合穴78eの奥に挿入して結合穴78eと小穴78fとで形成される段部に突き当てた状態で、結合穴78eの挿入口81bと結合ピン82との間に形成される隙間に弾性接着剤100を挿入口78gからはみ出さないように充填していく。
【0067】
前記スリット部71cの長さは、移動体ユニット72がWIDE端に位置したとき、前記摺動パイプ77のWIDE側先端部がスリット部71c上に位置するように設定してある。したがって、前記移動体ユニット72の動作時に発生する摩耗粉等は摺動パイプ77のWIDE側先端部に移動されてスリット部71c内に逃げ、ガイド部材71と移動体ユニット72との接触部には残らないようになっている。
【0068】
なお、前記ガイド部材71の材質としては、SUS316、SUS317、Ti、Ni合金、アルミナ等のセラミックス、樹脂等の耐蝕性、摩耗性の良いものが使用される。また、ステンレス、銅合金、アルミニウム等の母材に、TiN、CrN等の蒸着や、NiベースのSiC含有メッキや、Niベースのタングステン含有メッキ、NiベースのPTFE含有メッキを施してもよい。いずれにしても、互いに接触する摺動パイプ77とガイド部材71と摩擦部材84とは異種材質によって形成されることが望ましい。また、ガイド部材71は素材としてパイプ材を用いている。このパイプ材は、セミシームレスパイプで作成することが望ましく、このシームレスパイプは、セミシームレスパイプで作成することが望ましいが、前記シームレスパイプであってもかまわない。
【0069】
前記図23で示すように前記押さえリング74は、前記摩擦部材84の両突起部90a,90bが嵌入する嵌合穴74cを有している。また、この押さえリング74の側周面にはスリット溝74a,74bが設けられている。この押さえリング74は、ガイド部材71の外周面に対して隙間ばめで嵌合されるように形成されており、この押さえリング74と前記ガイド部材71とは接着によって固定される。なお、この押さえリング74は、前記摩擦部材84の突起部90a,90bとベルト85とに当接しており、その位置関係は前記図16で示したとおりである。
【0070】
図2、図7、図25に示すように前記アクチュエータユニット22と前記アクチュエータ駆動部26とは前記複合ケーブル33を備えたアクチュエータケーブルユニット101によって電気的に接続される。図25に示すようにこのアクチュエータケーブルユニット101は、前記対物ユニット21に接着固定される支柱102と、前記複合ケーブル33を外側から保護する保護チューブ97とで主に構成されている。この支柱102は、前記対物ユニット21に設けられた孔118(図*18参照)内に挿入される円筒部102aと、糸98によって保護チューブ97と一体に縛り付けられた状態で接着固定される板状部102bとで構成されている。
【0071】
ここで、撮像ユニット19を構成するCCDユニット20と、対物ユニット21と、アクチュエータユニット22との組立て手順例について説明する。
まず、図7及び図14に示すようにレンズ枠38Aを広角(WIDE)側に突き当てた状態で、接着剤を塗布したCCDユニット20の嵌合部53A(図13参照)を、前記対物ユニット21のレンズ枠38Bとともに前記レンズ枠38Aと摺動可能に保持された手元側のレンズ枠38Dの基端部に形成されたCCDユニット嵌合孔38d(図8参照)に嵌合させる。
【0072】
このとき、広角側の被写界深度と解像力とを調整しながら、CCDユニット20と対物ユニット21との相対位置を決定する。この相対位置の決定は、例えば、図示しない解像力チャート等を対物ユニット21から規定の距離離れた位置に置いた状態で前記解像力チャート等を撮像し、規定のチャートが解像できる位置にCCDユニット20を位置決めすることにより行われる。この際、治具等を用いて対物ユニット21とCCDユニット20との光軸周りの相対角度が所定の角度となるように調整する。
【0073】
なお、前述したように対物ユニット21は、レンズ枠38Bを含む前群と、レンズ枠38AとCCDユニット20とが組み付くレンズ枠38Dを主体とする後群とからなり、前群とレンズ枠38Aと後群とを組み付ける際には前群の光軸と後群の光軸とが一致してなければならない。
【0074】
また、組み付け時には前群及び後群の光軸と、アクチュエータユニット22が取り付けられるアクチュエータ挿通孔51の中心軸と、レンズ枠38Bに設けられたスリット38bの中心軸とが同一平面内に位置し、この平面内でジョイント部材41の結合部44が移動するように設定されていなければならない。このような設定は、図示しない治具を用いて行われ、この治具の形態はどのような構成であっても良く、位置出しをするために治具が抑える基準位置も治具に合わせてどの位置であってもよい。
【0075】
このように対物ユニット21とCCDユニット20とを組み付けて広角側の被写体深度と解像力とを調整したなら、次に、拡大側の解像力と倍率とを調整する。
【0076】
まず、レンズ枠38Aを拡大側に位置させた状態で、解像力調整用リング47(47A)に設けられた穴47aに棒等を差し込み解像力調整用リング47(47A)を光軸を中心に回転させる。これにより、前記解像力調整用リング47(47A)は、レンズ枠38Aの突起部48を押して、レンズ枠38Aを光軸方向に沿って広角側に移動させていく。この場合にも前述した広角側の調整と同様に、解像力チャート等を対物ユニット21から規定の距離離れた位置に置いた状態で前記解像力チャート等を撮像し、規定のチャートが解像できる位置又は規定の倍率がでる位置で解像力調整用リング47(47A)の回転を止め、この位置で解像力調整用リング47(47A)を接着剤によって対物ユニット21に固定する。
【0077】
以上のようにして対物ユニット21とCCDユニット20との組立てが完了したなら、次に、アクチュエータユニット22を対物ユニット21に取り付ける。
この際、まず、押さえリング74にバネユニット73の摩擦部材84を嵌合させ、これら(押さえリング74及びバネユニット73)を対物ユニット21のレンズ枠38Bのスリット38bの下部に位置させる(図7参照)。そして、バネユニット73に押さえリング74を組み付ける前に、押さえリング74のスリット溝74a,74b、のスリット間を挟めるように予め変形させておく。
【0078】
次に、ガイド部材71を対物ユニット21の挿通孔51に挿通しながら、押さえリング74とバネユニット73とを挿通し、押さえリング74をガイド部材71に隙間ばめで嵌合させる。
【0079】
このとき、バネユニット73の板バネ86は、ガイド部材71の中心軸方向、すなわち移動体ユニット72の進退方向に沿って配置される。また、この場合、バネユニット73は、摩擦部材84と移動体ユニット72とで、そして、ベルト85と押さえリング74と、板バネ86とレンズ枠38Bに設けられた溝119(図7参照)とで位置決めされる。さらに、摩擦部材84と、ベルト85と、板バネ86との中心軸が一致するように接着固定される。
【0080】
続いて、移動体ユニット72をガイド部材71に挿通させ、対物ユニット21のジョイント部材41の結合部44と移動体ユニット72の固定部78cとを嵌合させた状態で、バネユニット73のネジ89を締め、バネユニット73によって移動体ユニット72をガイド部材71に押し付けて摩擦係合させる。
【0081】
次に、この状態で、ガイド部材71を回転させ、移動体ユニット72の結合穴78eを露出させる。そして、図26に示すように結合穴78e内に結合ピン82を挿入し、レンズ枠38Aと 移動体ユニット72とを結合する。これによって、移動体ユニット72の回転が規制される。なお、移動体ユニット72の結合穴78eに挿入される結合ピン82の前面には素子ホルダ78からはみ出さないように弾性接着剤100が塗布される。
【0082】
その後、ガイド部材71を元の状態に戻し、蓋体83の穴83b内にガイド部材71を挿入した状態(図7及び図16参照)で、蓋体83を対物ユニット21にネジにより固定する。
【0083】
次に、ガイド部材71を蓋体83側に押し込むことによって、ガイド部材71を蓋体83に突き当てる。この状態で、ガイド部材71の中心軸と対物ユニット21の光軸とが平行となるように、ガイド部材71をレンズ枠38Bとレンズ枠38Dとにそれぞれ接着固定する。このとき、レンズ枠38Bとガイド部材71とは突き当たらないように構成されており、レンズ枠38Bとガイド部材71とは接着剤を介して固定される。
【0084】
その後、押さえリング74によってバネユニット73の摩擦部材84をガイド部材71側(図7の右側)に押し当て、押さえリング74をガイド部材71の外周面に接着固定する。これにより、板バネ86に対して軸方向に不用意な力が加わることによって、板バネ86が変形してアクチュエータユニット22の駆動に悪影響を受けることはない。
【0085】
次いで、バネユニット73のネジ89を回し、移動体ユニット72と摩擦部材84とガイド部材71との間の静止摩擦力を適正値に調整する。この調整が完了したなら、ネジ89が回転しないように、ネジ89とネジ受け88とに仮止めの回り止めを施す。この回り止め材は、図7(B)に示された部位151に塗布される。塗布範囲は、ネジ受け88からはみ出さない範囲である。この状態で、移動体ユニット72を往復駆動させて、摺動パイプ77と摩擦部材84とガイド部材71との当たりをなじませる。
【0086】
次に、仮固定の回り止めを外し、バネユニット73のネジ89を再度回し、移動体ユニット72と摩擦部材84とガイド部材71との間の静止摩擦力を適正値に調整する。この調整が終了したなら、ネジ89が回転しないように、ネジ89とネジ受け88を接着固定する。接着剤の塗布範囲は図7(B)に示される部位152で、ネジ受け88からはみ出さない範囲である。
【0087】
以上の組立て作業によって、アクチュエータユニット22は、対物ユニット21に対してレンズ枠38Bとレンズ枠38Dとの2個所で固定される。なお、組立て手順は前述した手順に限定されるものではない。
【0088】
次に、アクチュエータケーブルユニット101を対物ユニット21に取り付ける。これは、対物ユニット21の基端面に設けられた支柱固定用の孔118に支柱102の円筒部102aを接着固定することによって行う。この場合、移動体ユニット72の基端部から延びるカールリード線80を、支柱102の円筒部102aに数回巻き付ける。そして、ケーブル34と単線80a,80bとを半田付けし、その接続部に保護チューブ97を被覆する。この場合、保護チューブ97の内部には接着剤を充填する。
【0089】
なお、カールリード線80とケーブル34との接続部材である保護チューブ97は、このカバーに固定される。また、カールリード線80はそのままアクチュエータ駆動部26に接続されてもよい。また、操作部12内でカールリード線80を複合ケーブル33に接続してもよい。また、可撓管部17内でカールリード線80を複合ケーブル33に接続してもよい。無論、挿入部11内の他の内蔵物の端部等と干渉しない位置でカールリード線80を複合ケーブル33に接続してもよい。
【0090】
このようにして組み立てられた撮像ユニット19には、図7に示すように防塵防水カバー114が取り付けられる。また、レンズ枠38Bに設けられた穴52には水密蓋105が水密的に固定される。さらに、断面形状が略コの字状の水密カバー106がアクチュエータユニット22の先端部を覆うように取り付けられる。これによって、撮像ユニット19は水密に保持される。
【0091】
なお、移動体ユニット72が何らかの原因で引っ掛かったり、停止してしまった場合には、水密蓋105を外して図示しないピンを穴52に差し込んで移動体ユニット72を押す。これによって、移動体ユニット72の引っ掛かりを解除することができる。また、万が一アクチュエータユニット22が故障した場合には、カバー106を外して修理することも可能である。
【0092】
なお、本実施形態において、CCDユニット20の突出部20b(図18参照)とアクチュエータユニット22の突出部とは、先端部15の外径が小さくなるように配設されている。また、本実施形態では、圧電素子を用いた圧電アクチュエータを使用しているが、アクチュエータはこれに限定するものではない。また、アクチュエータの代わりにモータや静電アクチュエータを使用した場合でも同様な構成の第2の速度設定スイッチが考えられる。
【0093】
ここで、本実施形態に係る内視鏡装置1の動作を説明する。
まず、光源装置4から発せられた照明光は、ライトガイドファイバ27を通して、内視鏡2の照明窓18から出射されて撮像ユニット19の視野範囲を照明する。この撮像ユニット19で撮影された観察画像は、CCDユニット20内で電気信号に変換されてビデオプロセッサ3へ伝送される。このビデオプロセッサ3では、電気信号をビデオ信号処理回路3cでモニタ7に出力される映像信号に変換し、モニタ7に観察画像を表示させる。
【0094】
前記アクチュエータユニット22は、ガイド部材71と移動体ユニット72の摺動パイプ77とバネユニット73の摩擦部材84との間に生じる摩擦力と、圧電素子76の発生する衝撃力とのバランスとによって動作する。また、アクチュエータ駆動部26は、アクチュエータ制御部25からの駆動命令に対し、図27に示される駆動波形を出力する。
【0095】
本実施形態では、図27(b),(d)に示される波形がズームレンズ23(移動体ユニット72)を拡大側から広角側へ移動させる駆動波形であり、図27(a),(c)に示される波形がズームレンズ23(移動体ユニット72)を広角側から拡大側へ移動させる駆動波形である。また、本実施形態で使用されているアクチュエータユニット22の駆動原理は、公知の急速変形アクチュエータと同様であるのでその説明は省略する。
【0096】
図27(a),(c)の駆動波形がアクチュエータ駆動部26から複合ケーブル33を介してアクチュエータユニット22内の圧電素子76に印加されると、圧電素子76は、伸びる方向に生じる衝撃力を発生する。この衝撃力は、素子基台75を介して摺動パイプ77に伝わる。
【0097】
この衝撃力がガイド部材71と移動体ユニット72の摺動パイプ77とバネユニット73の摩擦部材84との間に生じる摩擦力よりも大きいと、移動体ユニット72はTELE(拡大)方向に移動する。この動作が連続的に繰り返されることによって、アクチュエータユニット22は所定の量だけ移動する。この場合、移動体ユニット72は、1駆動波形に対して1ステップだけ動作するが、駆動周波数が13kHz〜30kHzと高くかつ1ステップ当たりの移動量がサブミクロンオーダーであるため、マクロ的にはステップ動作というよりはむしろ滑らかな連続移動動作になる。
【0098】
逆に、図27(b),(d)の駆動波形が圧電素子76に印加されると、圧電素子76は、縮む方向に生じる衝撃力を発生する。この衝撃力は、素子基台75を介して摺動パイプ77に伝わる。この衝撃力がガイド部材71と移動体ユニット72の摺動パイプ77とバネユニット73の摩擦部材84との間に生じる摩擦力よりも大きいと、移動体ユニット72はWIDE(広角)方向へ移動する。
【0099】
前記拡大観察コントローラ6のアクチュエータ制御部25は、アダプタ9b内の第2の速度設定スイッチ32の設定状態と、モードスイッチ62、63の状態とを読み込み、その状態に応じた駆動条件を、駆動条件設定用ROM65から読み出してアクチュエータ駆動部26に出力する。
【0100】
前記内視鏡2の操作部12に設けられたズームスイッチ24が拡大側24T、若しくは広角側24W側に操作されると、その指示信号が、アクチュエータ制御部25に入力される。すると、このアクチュエータ制御部25では、これらの信号と先の駆動条件の設定とを受けて、アクチュエータユニット22、つまりズームレンズ23を所定の方向に移動させるようにアクチュエータ駆動部26を制御する。
【0101】
次に、アクチュエータユニットの速度調整について説明する。
医師が例えばズーム操作時、速度が速い、若しくは遅いと感じた場合には速度を以下に示す2つの方法で変更する。
【0102】
一方の方法は、拡大観察コントローラ6のフロントパネル61のモードスイッチ62、63を押して変更する方法である。つまり、モードスイッチ62若しくはモードスイッチ63を操作して、駆動条件を示すテーブルのA方向へ駆動条件を変更させる。
【0103】
他方の方法は、アダプタ9bの第2の速度設定スイッチ32の設定を変更する方法である。このときには、駆動条件を示すテーブルのB方向へ駆動条件が変更される。この駆動条件のテーブルに示す数値は、前記特願平10−183092号に開示されているパルス比率であり、数値が大きい程アクチュエータの速度が速くなることを示している。そして、A方向へ変更するよりも、B方向へ変更する方が数値の増減が少ない。つまり、B方向へ変更することにより微妙な速度の変更を行える。
【0104】
以上説明したように、本実施形態の内視鏡装置1の内視鏡2では、移動体ユニット72の摺動パイプ77と接する摩擦部(移動体ユニット72を摩擦力によって保持する保持手段であるガイド部材71及び摩擦部材84)と、ガイド部材71及び摩擦部材84を移動体ユニット72に付勢する付勢手段(板バネ86、ベルト85、付勢力調整ネジ89)とが別体で形成されている。したがって、前記付勢手段は、摩擦によって生じる摩擦部の熱の影響を受け難く、付勢力を摩擦部に安定的に与え続けることができる。そして、前記付勢手段を撓みやすい材料によって形成できるとともに、前記摩擦部材を耐蝕性及び耐摩耗性の大きい材料によって形成することができる。
【0105】
また、本実施形態の内視鏡2では、リング47(47A)を回転させることによってリング47(47A)とレンズ枠38Aに設けられた突起部48との当接位置を変化させることができる。したがって、特開平6−22903号公報等に示されるようにアクチュエータユニット22を組み付けた後にピント及び解像力の調整を行う必要がない(つまり、アクチュエータユニット22を修理する際に再度ピント及び解像力の調整を行う必要がない)。そのため、簡単にアクチュエータユニット22の交換を行うことができ、また、解像力調整時にアクチュエータユニット22を駆動するための装置も不要になる。
【0106】
また、本実施形態の内視鏡2では、移動体ユニット72の摺動パイプ77とこの摺動パイプ77に接する摩擦部(ガイド及び摩擦部材84)とに耐蝕性の表面処理を施している(耐蝕性材料によって形成されている)。したがって、内視鏡2が体内等で使用されたり消毒液に浸漬されたり、高湿度下に晒されたりした際、アクチュエータユニット22を構成する部品が錆びてしまうといった事態を回避することができる。そのことにより、分解修理の必要がなくなり、またアクチュエータ駆動時に摩擦粉が発生するといった事態も回避される。
【0107】
また、本実施形態の内視鏡2では、移動体ユニット72が摩擦部材84とガイド部材71の内面との間で挟み込まれ、摩擦部材84とガイド部材71とが移動体ユニット72の移動方向に対して相対的に移動しないように固定されている。したがって、摩擦部材84とガイド部材71の内面との間にガタが生じない。そのため、ガタによって移動体ユニット72の移動量が吸収されてしまうことがなく、アクチュエータユニット22の性能が従来よりも向上する。
【0108】
また、本実施対の内視鏡2では、摩擦部(ガイド部材71及び摩擦部材84)を移動体ユニット72に対して付勢する前記付勢手段の板バネ86の長手方向が移動体ユニット72の移動方向と一致している。したがって、板バネ86のバネ定数を小さく設定して撓みを大きく取ることが可能となる(内視鏡内のスペースは限られているため、例えば特開平10−150783号公報に開示されている構成では、バネ定数を小さく設定することができず、撓みを少ししか取れない。)そのため、繰り返しの摺動によって前記摩擦部材が摩耗しても、付勢手段の性能を安定して維持することができる。
【0109】
また、本実施形態の内視鏡2では、レンズ枠38Aと移動体ユニット72との結合が結合ピン82によって行われている。したがって、アクチュエータユニット22を容易に交換することができる。
【0110】
また、本実施形態の内視鏡2では、レンズ枠38Aに空気抜きのための貫通孔49を設けている。したがって、外部からの湿気の浸入及び移動時のガタ付きを防止するためにレンズ枠が隙間なく密封されている場合でも、貫通孔49によって外部との空気の出入りが確実に確保される。そのため、ズームレンズ23の移動時にレンズ枠38Aの前後で空気の移動がしやすくなり、レンズ枠38Aを少ない力量で移動させることができる。
【0111】
また、本実施形態の内視鏡2において、レンズ枠38Aとレンズ枠38Bとの摺動部の稜線部40にR面加工若しくは、C面加工を施している。そのため、レンズ枠38Aが摺動する際に、面取り部がレンズ枠38Bと強く擦れてレンズ枠38Aが引っ掛かってしまうといった不具合の発生がない。したがって、拡大又は広角に移動させる際に、ガタ付きのない、スムーズな移動を実現できる。
【0112】
また、本実施形態の内視鏡2において、摺動パイプ77の摺動面をセンタレス研磨を行って面精度を上げている。そのため、ガイド部材71との摺動性が良くなり、摩耗粉が減り、繰り返しの耐性が向上する。
【0113】
また、本実施形態の内視鏡2では、撮像ユニット19の外部に金属部が露出しないように、熱収縮チューブ96やポリイミド製絶縁テープ等で覆う構成になっているため、静電気の放電等からアクチュエータを保護することができる。
【0114】
また、本実施形態の内視鏡2では、押さえリング74は摩擦部材84の突起90aに突き当てられる。また、押さえリング74には両側にスリット溝74a,74bが設けられており、組み付け前にスリット溝74a,74bの間隔が狭められるため、押さえリング74をベルト85に押し当てると、スリット溝74a,74bが開き、必ずベルト85にバネ性を持った状態で突き当たる。したがって、バネユニット73は、押さえリング74によって、弾性的にガイド部材71に押し当てられるため、摩擦部材84の摩耗等によって固定状態が変わろうとしても、バネ性によってそのまま弾性的に固定され続ける。よって、長期にわたる使用においても、固定状態に変化がおこらず、性能が安定し、繰り返しの耐性が向上する。
【0115】
また、本実施形態の内視鏡2では摩擦部材84のガイド部材71側の当接状態が図28に示されるようになっている。このため、摩擦部材84が移動体ユニット72に対して斜めに組み付いて摺動部が片当たりすることがなくなって、繰り返しの耐性が向上する。また、湿度や薬剤によって摩耗粉が錆び、移動体ユニットを固着させることがなくなる。
【0116】
具体的に、図28において、摩擦部材84は、ガイド部材71と面で当接されている。したがって、摩擦部材84がガイド部材71と摺動パイプ77との間に入り込むことがない。また、摩擦部材84と移動体ユニット72とが斜めに組み付いて片当たりすることがない。さらに、摩擦部材84は、押さえリング74とガイド部材71とにより移動体ユニット72の移動方向のみ付勢している。
【0117】
このため、摩擦部材84にベルト85を介して板バネ86のバネ力を加えると、摩擦部材84は図中の矢印Y方向にのみ移動できる。(特開平11−301384号公報に開示されている構造では、摩擦部材84の押さえリング74との突き当て面に段部が設けてある。このため、摩擦部材84の前記段部と押さえリング74が干渉すると押さえリング74の押さえ方によっては、摩擦部材84を矢印Y方向に押してしまう可能性がある。したがって板バネ86で十分に付勢できない場合があった)。
そのため、繰替えしの摺動によって前記摩擦部が摩耗しても、付勢手段の板バネ86の性能を安定して維持することができる。
【0118】
また、本実施形態の内視鏡2では、ジョイント部材41の突起部43と結合部44とがオフセットした位置に設けられている。したがって、移動体ユニット72の摺動方向においてレンズ枠38Aの柄部38aと移動体ユニット72の素子ホルダ78に設けられた固定部70の位置が異なっていても、ジョイント部材41はレンズ枠38Aとアクチュエータユニット22とを結合することができる。
【0119】
また、本実施形態の内視鏡2では、カールリード線80のジャケット端80eとフォーミング部との間にはストレート部80sが設けてある。したがって、図29(a)、図29(b)に示すように組立てにより摺動パイプ77とカールリード線80とのオフセット若しくは軸ずれが生じても、図29(c)に示すようにカールリード線のストレート部80sがこのオフセット若しくは軸ずれを吸収してカールリード線80のフォーミング部が変形することなく、またガイド部材71内面と干渉しない。そのため、カールリード線80のフォーミング部の伸縮が安定し、移動体ユニット72の動作も安定する。
【0120】
また、本実施形態の内視鏡2では、ガイド部材71の先端側にスリット部71cが形成されている。したがって、移動体ユニット72の動作時に発生した摩耗粉は摺動パイプ77のWIDE側先端部に移動されてスリット部71cに逃げる。そのため、ガイド部材71と移動体ユニット72との接触部に摩耗粉が残らず、移動体ユニット72の動作を安定させることができる。
【0121】
したがって、第2の速度設定スイッチを有するアダプタを内視鏡装置に追加することで、アクチュエータに経時変化があった場合でも医師は容易に、各段階(レベル)のズーム速度を所望の値に調整することができるので、医師は内視鏡を修理に出す必要がない。
【0122】
また、アダプタは簡単なスイッチ回路で構成されているため安価である。
【0123】
さらに、経時変化時に限らず、少し速くしたいと感じた場合や、遅くしたい場合に、第2の速度設定スイッチを設定することで、医師は容易に拡大広角のズーム速度の細かな設定を行える。つまり、ズーム速度設定の使い勝手が向上する。なお、図30はアクチュエータユニットの他の構成を説明する図であり、本実施形態におけるアクチュエータユニット22Aでは前記アクチュエータユニット22と構成の一部が異なり、その異なる点のみ説明し、同様の構成には同符合を付して説明を省略する。
【0124】
図に示すようにアクチュエータユニット22Aの押さえリング74は、ベルト85のTELE側端部85aで突き当たっている。前記第1実施形態においては、押さえリング74の両側にはスリット溝74a,74bの間隔を狭めて組み付けるため、スリット溝74a,74bが開きベルト85にばね性をもって突き当たっていた。
【0125】
しかし、部品寸法と組立てのバラツキによって押さえリング74がベルト85を押し当てるばね力にバラツキが生じる。このばね力にバラツキが生じると、アクチュエータユニット22の性能がばらついてしまう。そのため、本実施形態では、押さえリング74はベルト85のTELE側端部85aと剛で当接している。
【0126】
ここで、本実施形態における、押さえリング74、摩擦部材84とベルト85との組立て手順を以下に示す。
【0127】
まず、押さえリング74をガイド部材71側に押し、摩擦部材84を押さえリング74とガイド部材71とで挟み込んだ状態にして押さえリング74とガイド部材71とを接着部110で固定する。
【0128】
次に、ベルト85をガイド部材71側に押し、ベルト85のTELE側端部85aと押さえリング74とを当接させ、ベルト85の上部85bを摩擦部材84の凹部のガイド部材71側に位置させる。この状態でベルト85の上部85bと摩擦部材84とを接着部111で固定する。
【0129】
この構成では押さえリング74とベルト85とが剛で当接しているため、当接力量のバラツキが少なくなる。よって本実施形態は、前記アクチュエータユニット22の性能のバラツキを抑えることができる。
【0130】
図31はアダプタの他の構成を説明する図である。
図に示すように本実施形態においてはアダプタ9bの接続位置を、内視鏡2の第3コネクタ13cとズームケーブル9aとの間に設定している。このため、前述したコネクタ94,95をそれぞれ前記ズームケーブル9a、第3コネクタ13cに接続できるコネクタ9c,9dに変更している。その他の構成及び作用・効果は前記第1実施形態と同様である。
【0131】
図32及び図33はアダプタの別の構成を説明する図である。
図32に示すように本実施形態のアダプタ120は、拡大観察コントローラ6に半固定的に取り付けて使用する構成である。つまり、前記アダプタ120は、例えば両面テープで貼り付けたり、強力磁石で固定したり、ネジ止めによって拡大観察コントローラ6に半固定的に接続固定されている。
【0132】
前記アダプタ120には第2の速度設定スイッチとなるスイッチ部121,122と、第2の速度設定スイッチの設定状態を示すインジケータ123,124とが設けてあり、符号125は前記ズームケーブル9aが接続されるコネクタである。なお、このアダプタ120には拡大観察コントローラ6よりアダプタ内の回路を駆動できる電源が供給されない場合の電源となる電池を収容する電池ボックス129が設けてある。
【0133】
図33に示すようにアダプタ120内にはスイッチ121,122からの指示信号に基づいて、インジケータ123,124を表示させる処理部126と、この処理部126の情報から、所望の第2のズーム速度設定を行い拡大コントローラ側に出力するデコーダ部127と、前記拡大観察コントローラ6から供給される電源若しくは電池のどちらを電源として選択するか設定する電源切替部128とで構成されている。
【0134】
本実施形態ではスイッチ121,122及びインジケータ123,124を2つ用意しているが、これは拡大操作時のズーム速度と、広角操作時のズーム速度の2種類を制御するためである。なお、拡大側、広角側のズーム速度を同時に変更する場合にはスイッチとインジケータは1つでも構わない。また、拡大、広角を選択するための選択スイッチを設けて、それぞれ1つのスイッチとインジケータとで拡大側、広角側を共用するようにしてもよい。
【0135】
上述のように構成したアダプタ120の作用を説明する。
電源切替部128は、拡大観察コントローラ6から電源が供給されている場合にはアダプタ120の電源としてこの電源を選択し、一方、前記拡大観察コントローラ6から電源が供給されていない場合には電池を電源として選択する。
【0136】
前記アダプタ120の第2の速度設定スイッチ121若しくは122を操作すると、その指示信号は処理部126で処理され、インジケータ123,124に現在選択されている状態が表示される。また、処理部126に入力された第2の速度設定スイッチからの指示は、デコーダ部127に送られ、拡大観察コントローラ6のアクチュエータ制御部25が読み取り可能な電気信号に変換されて出力される。
【0137】
なお、前記スイッチ121,122は、拡大側の変更か広角側の変更かによって使いわけられる。また、前記駆動条件は、前記図6のテーブルのD1〜D8に対応し、このときインジケータ123,124に表示されるものは数値であっても、マークであっても、それぞれの違いが分かればよい。
【0138】
このことにより、アダプタを拡大観察コントローラに半固定的に取り付けられるようにしたので、アダプタをなくすことが防止される。また、インジケータを設けたので現在の設定が容易に分かるので操作性が向上する。
【0139】
第2の速度設定スイッチを、入力部とデコーダ部で構成したことにより、拡大観察コントローラの電気的な入力の仕様によらず、最適な入力用のインターフェースの構築が可能であり、第2の速度設定スイッチの設定操作性が向上する。
【0140】
図34はアダプタの又他の構成を説明する図である。
図に示すように本実施形態においてはアダプタ130をズームケーブル9aに一体に設けている。そして、このアダプタ130に拡大側速度設定スイッチ131、広角側速度設定スイッチ132を設けている。
【0141】
また、前記アダプタ130には、内視鏡2に対して着脱可能にするつめ部133が設けてある。このつめ部133の形状は、内視鏡2の固定される部位の形状によって適宜変更されるものであり、この爪部133の代わりにバンド(不図示)の形態であってもかまわない。
【0142】
前記スイッチ131,132は、決められた回数押すと元の設定状態に戻る様に回路が構成されており、例えばスイッチ131,132を押すことによって、駆動条件がテーブルBの速い方向へ動くように設計されている。
【0143】
つまり、拡大側速度設定スイッチ131を押すと、アダプタ130内に設けられた回路によって、拡大観察コントローラ6のアクチュエータ制御部25が読み取り可能な電気信号が出力され、駆動条件テーブルのBの方向へ速度が変更される。
【0144】
なお、このような回路は、論理回路等を使えば容易に構成が可能であるので説明は省略する。また、スイッチ131,132を押すことによって、駆動条件が遅くなる回路構成であってもよく、速度の増減も論理回路の設計によって異なる。さらに、本実施形態のアダプタ130にはスイッチ131,132によって選択されている第2の速度設定状態を表示するインジケータを設けていないが、このインジケータを設けるようにしてもよい。また、前記論理回路の電源として図32に示したように電池であったり、拡大観察コントローラ6から供給される電源を用いる。
【0145】
このように、爪部133を有するアダプタ130は、内視鏡2に固定されて使用されるので、第2の速度設定を容易に行うことができる。その他の作用及び効果は上述した実施形態と同様である。
【0146】
なお、本発明は、以上述べた実施形態のみに限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形実施可能である。
【0147】
[付記]
以上詳述したような本発明の上記実施形態によれば、以下の如き構成を得ることができる。
【0148】
1.ズーム機構とこのズーム機構の動作速度を設定する第1の速度設定スイッチとを有する内視鏡と、
この内視鏡のズーム機構を駆動させる外部装置である駆動手段と、
前記内視鏡に着脱自在に設けられ、前記ズーム機構の動作速度を前記第1の速度設定スイッチで設定された速度とは異なる速度に設定する第2の速度設定スイッチと、
を具備する内視鏡装置。
【0149】
2.前記第2の速度設定スイッチは、前記駆動手段と前記内視鏡とを接続する電気ケーブルに設けた付記1記載の内視鏡装置。
3.前記第2の速度設定スイッチは、前記駆動手段と、前記電気ケーブルとを接続するアダプタに設けた付記2記載の内視鏡装置。
4.前記アダプタは内視鏡に着脱可能である付記1記載の内視鏡装置。
【0150】
5.前記第2の速度設定スイッチは入力部とデーコーダ部とを備え、
前記入力部からの入力によりデーコーダ部で、前記駆動手段へのスイッチ入力に変換される付記1記載の内視鏡装置。
6.前記第2の速度設定スイッチによる設定は、前記第1の速度設定スイッチの設定に優先して前記駆動手段に入力される付記1記載の内視鏡装置。
【0151】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、経時変化があった場合等に、所望する切替え速度への設定し直しを簡便に、また既存のズーム機構を備えた内視鏡システムにほとんど変更を加えることなく行える内視鏡装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1ないし図34は本発明の一実施形態に係り、図1はズーム機構を有する内視鏡を備えた内視鏡装置の構成を示す図
【図2】図1の内視鏡装置の構成を説明するブロック図
【図3】アダプタ及びズームケーブルを説明する図
【図4】アダプタの回路図
【図5】拡大観察コントローラの正面図
【図6】駆動条件テーブルを示す図
【図7】撮像ユニットを説明する図
【図8】対物ユニットを説明する図
【図9】レンズ枠の稜線部の加工状態を説明する図
【図10】間隔環と絞りとの関係を説明する図
【図11】解像力調整用リングを示す斜視図
【図12】2つの絞りの関係を説明する図
【図13】固体撮像素子ユニットを説明する図
【図14】対物ユニットと固体撮像素子ユニットとを示す斜視図
【図15】多芯複合ケーブルとシールド枠との接続状態を説明する図
【図16】アクチュエータユニットを説明する図
【図17】移動体ユニットを説明する図
【図18】図7のB−B線断面図
【図19】蓋体を説明する斜視図
【図20】蓋体を説明する正面図
【図21】バネユニットを説明する図
【図22】バネユニットの構成を具体的に説明する図
【図23】ガイド部材と摺動パイプと押さえリングとの関係を説明する図
【図24】ガイド部材に配置された素子ホルダとジョイント部材との結合状態を説明する図
【図25】アクチュエータケーブルユニットを説明する図
【図26】ガイド部材と素子ホルダとジョイント部材と、結合ピンとの関係を説明する図
【図27】アクチュエータ制御部からの駆動命令に対してアクチュエータ駆動部から出力される駆動波形を説明する図
【図28】摩擦部材のガイド部材側での当接状態を説明する図
【図29】摺動パイプとカールリード線との関係を説明する図
【図30】アクチュエータユニットの他の構成を説明する図
【図31】アダプタの他の構成を説明する図
【図32】アダプタの別の構成を説明する図
【図33】図32のアダプタの回路図
【図34】アダプタの又他の構成を説明する図
【符号の説明】
1…内視鏡システム
2…拡大電子内視鏡
6…拡大観察コントローラ
9a…ズームケーブル
9b…アダプタ
19…撮像ユニット
20…CCDユニット
21…対物ユニット
22…アクチュエータユニット
23…ズームレンズ
25…アクチュエータ制御部
26…アクチュエータ駆動部
31…第1の速度設定スイッチ
32…第2の速度設定スイッチ

Claims (1)

  1. ズーム機構とこのズーム機構の動作速度を設定する第1の速度設定スイッチとを有する内視鏡と、
    この内視鏡のズーム機構を駆動させる外部装置である駆動手段と、
    前記内視鏡に着脱自在に設けられ、前記ズーム機構の動作速度を前記第1の速度設定スイッチで設定された速度とは異なる速度に設定する第2の速度設定スイッチと、
    を具備することを特徴とする内視鏡装置。
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