JP4185316B2 - 内視鏡のアクチュエータ支持構造 - Google Patents

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Description

【0001】
【技術分野】
本発明は、内視鏡の挿入部先端に設けた、光学部材駆動用のアクチュエータの支持構造に関する。
【0002】
【従来技術及びその問題点】
挿入部先端に可動の光学部材を備え、この光学部材をモータ(アクチュエータ)によって駆動させることで変倍やフォーカシングを行う内視鏡が提案されている。内視鏡の挿入部の径は様々であるが、その先端部に収納されるモータは、径が数ミリという高価な超小型モータである。特に、このタイプのモータは、モータ本体とギヤヘッド(減速ギヤの収納部)が予め接合されたアッセンブリとして取り扱われており、モータ本体とギヤヘッドの接合部や、モータ本体と給電用リード線の接続部といった箇所の耐久性を確保することが望まれている。
【0003】
【発明の目的】
本発明は、挿入部内に光学部材駆動用のアクチュエータを有する内視鏡において、簡単な構造でアクチュエータ周りの耐久性を向上させることを目的とする。
【0004】
【発明の概要】
本発明は、円筒状のアクチュエータと該アクチュエータの減速ギヤ収納部とを同軸上に接合してなるアクチュエータアッセンブリを挿入部内に支持し、該アクチュエータアッセンブリの駆動によって対物光学系を構成する光学部材を光軸方向に移動させる内視鏡において、挿入部内に、対物光学系の光軸を中心とする固定筒を有すること;挿入部内に、アクチュエータアッセンブリよりも長い円筒状のアクチュエータハウジングを設け、このアクチュエータハウジング内にアクチュエータアッセンブリを収納すること;及び、アクチュエータハウジングは、固定筒の軸線に対して偏心する位置に該軸線と平行に設けられており、該固定筒の後端に固定されるハウジング固定部がアクチュエータハウジングと一体に形成されていること;を特徴としている。
【0005】
この本発明のアクチュエータ支持構造では、アクチュエータアッセンブリへ給電するリード線の接合部をアクチュエータハウジング内に位置させて、該リード線接合部とアクチュエータハウジング内周面との間に接着剤を充填すると良い。また、アクチュエータハウジング内に、アクチュエータアッセンブリの挿入位置を決める挿入位置決め段部が形成されていることが好ましい。
【0006】
えば、アクチュエータによって駆動される光学部材が、対物光学系の一部を構成する可動レンズ群と、対物光学系の結像位置に設けた撮像素子である場合、アクチュエータハウジングのハウジング固定部が取り付けられる固定筒は、可動レンズ群の保持枠と撮像素子の保持枠を光軸方向に移動可能に収納する移動支持筒とすることができる。また、アクチュエータによって駆動される光学部材が、対物光学系の一部を構成する可動レンズ群のみである場合には、アクチュエータハウジングのハウジング固定部が取り付けられる固定筒は、可動レンズ群の保持枠を光軸方向に移動可能に収納する移動支持筒とすることができる。この場合、アクチュエータハウジングにおけるハウジング固定部は、可動レンズ群を含む対物光学系の結像位置に固定される撮像素子の保持枠とすることが好ましい。
【0007】
本発明はまた、アクチュエータ、該アクチュエータの減速ギヤ収納部、及びアクチュエータへのリード線接合部を同軸上に有する、全体として円筒状をなすアクチュエータアッセンブリを挿入部先端に支持し、該アクチュエータアッセンブリの駆動によって対物光学系を構成する光学部材を光軸方向に移動させる内視鏡において、挿入部内に、対物光学系の光軸を中心とする固定筒を有すること;挿入部内に、アクチュエータアッセンブリと略同心の円筒状をなし、減速ギヤ収納部からリード線接合部までのアクチュエータアッセンブリ全体を収納する長さのアクチュエータハウジングを設けたこと;及び、アクチュエータハウジングは、固定筒の軸線に対して偏心する位置に該軸線と平行に設けられており、該固定筒の後端に固定されるハウジング固定部がアクチュエータハウジングと一体に形成されていること;を特徴としている。
【0008】
【発明の実施の形態】
図1に示す電子内視鏡10は医療用の内視鏡であり、体腔内に挿入される挿入部11と、その基部側に接続され術者が把持及び操作する操作部12を有している。挿入部11は、先端側から順に先端部13、湾曲部14及び可撓管部15を有している。挿入部11のうち、可撓管部15は柔軟で可撓性を有しており、その基端部は折れ止めゴム16で覆われて、過度変形しないように保護されている。内視鏡使用時には、折れ止めゴム16は体腔内に挿入されない。湾曲部14は、操作部12に設けた湾曲操作ノブ17の回動操作により湾曲させることができる。また、操作部12から側方へ向けてユニバーサルチューブ18が延設されており、該ユニバーサルチューブ18の末端に設けたコネクタ部19は、図示しない外部のプロセッサ(画像処理装置)に接続可能である。
【0009】
図2に示すように、先端部13を構成する先端硬性部材20の前端面には配光レンズ21が固定されており、該配光レンズ21に対し、ライトガイドファイババンドル22の光出射端部が対向している。ライトガイドファイババンドル22は、挿入部11からユニバーサルチューブ18を通ってコネクタ部19まで配設されており、コネクタ部19をプロセッサに接続した状態で、プロセッサに設けた光源からの照明光を配光レンズ21まで導くことができる。挿入部11内において、ライトガイドファイババンドル22は、その外側のファイバ保護コイル23によって保護されている。ファイバ保護コイル23は、ライトガイドファイババンドル22の外面に固定されている。
【0010】
また、先端硬性部材20内には、物体側から順に、固定レンズ枠25を介して固定された第一レンズ群L1、第一レンズ群L1に対して光軸方向に相対移動可能に支持された第二レンズ群L2及び第三レンズ群L3からなる対物光学系が設けられている。以下の説明中で、光軸方向とは、対物光学系の光軸方向を指す。
【0011】
第三レンズ群L3の後方には、レンズ群L2、L3とは別に光軸方向に移動可能な撮像素子ユニット26が設けられている。撮像素子ユニット26は、不図示のCCD(撮像素子)及びバッファ基板を内蔵しており、対物光学系による観察対象の像はCCDの受光面上に結像し、画像信号が生成される。撮像素子ユニット26の後端には画像信号伝送ケーブル27が接続している。画像信号伝送ケーブル27は、バッファ基板から延出した複数のリード線をポリウレタン等のチューブで被覆した構造となっており、挿入部11からユニバーサルチューブ18を経由してコネクタ部19まで配設されている。コネクタ部19が接続するプロセッサでは、画像信号伝送ケーブル27を介して送られた画像信号に基づき、電子画像をモニタに表示したり画像記録媒体に記録することができる。撮像素子ユニット26の前面には、カバーガラス28が取り付けられている。
【0012】
電子内視鏡10は、第二及び第三レンズ群L2、L3と撮像素子ユニット26とを光軸方向に移動させることにより対物光学系の焦点距離を変化させ、その観察視野を、比較的観察範囲が広い通常観察視野と、狭い拡大観察視野とに切り換えることができる。この焦点距離切換(ズーム)機構について説明する。
【0013】
先端硬性部材20内には、対物光学系の光軸を中心とした円筒状をなす外筒管(固定筒、移動支持筒)29が固定されている。外筒管29の前端部には前述の固定レンズ枠25が嵌まっており、該固定レンズ枠25の後部にはレンズ押さえ環30が固定されている。第一レンズ群L1は、レンズ押さえ環30に形成したフランジ部に当接することにより、光軸方向位置が定められる。レンズ押さえ環30からは外径方向に回動案内ピン31が突設されており、回動案内ピン31は、外筒管29の内側に回動可能に支持されたカム環32の回動案内溝33に係合している。回動案内溝33は、対物光学系の光軸を中心とする周方向へ形成されており、該回動案内溝33と回動案内ピン31の関係により、カム環32は、光軸方向には移動せず、周方向への回動のみ可能に案内される。
【0014】
カム環32には、2種類の異なるカム溝34、35が形成されている。第一のカム溝34には、直進枠36のカムピン37が係合している。直進枠36は撮像素子枠38と一体化されており、撮像素子枠38は、外筒管29の内周面に形成した図示しない直進ガイドによって対物光学系の光軸方向に直進案内されている。撮像素子枠38には雌ねじ39が形成され、該雌ねじ39に対して、スクリューシャフト40の外周面に形成したリードねじ41が螺合している。スクリューシャフト40は、モータアッセンブリ(アクチュエータアッセンブリ)42によって回動される。したがって、モータアッセンブリ42によってスクリューシャフト40が正逆に回動すると、リードねじ41と雌ねじ39の関係によって撮像素子枠38が光軸方向に進退し、撮像素子枠38と一体に直進枠36も移動する。この撮像素子枠38と直進枠36の光軸方向移動により、カムピン37とカム溝34を介してカム環32が回動される。なお、モータの駆動は、操作部12に設けた操作スイッチ43によって操作する。
【0015】
撮像素子枠38の内側には撮像素子ユニット26が固定されており、撮像素子ユニット26は、撮像素子枠38と一体に光軸方向へ移動する。具体的には、撮像素子ユニット26の外側をグランド用のシールドパイプ44が覆い、さらにその外側を絶縁テープ45で覆い、絶縁テープ45の外側に撮像素子枠38が嵌った構造となっている。
【0016】
カム環32に形成した第二のカム溝35には、第二及び第三レンズ群L2、L3を保持する可動レンズ群枠50のカムピン51が係合している。カムピン51は、先端部分がカム溝35に係合し、該先端部分よりも基端側の領域が、直進枠36に形成した光軸方向の直進案内スロット52に係合していて、このカムピン51と直進案内スロット52の係合関係によって、可動レンズ群枠50は光軸方向に直進案内されている。カム溝35は、光軸に対して傾斜するカム溝であり、カム環32が回動すると、カム溝35とカムピン51の関係によって、可動レンズ群枠50が光軸方向に移動される。つまり、可動レンズ群枠50に保持された第二及び第三レンズ群L2、L3が光軸方向へ移動する。可動レンズ群枠50の前端面とレンズ押さえ環30の間には、バックラッシュ除去用の圧縮コイルばね53が設けられており、可動レンズ群枠50は光軸方向後方へ付勢されている。
【0017】
以上の焦点距離切換機構は、次のように動作する。図2は通常観察視野状態を示している。この状態から操作スイッチ43によって拡大観察視野位置を選択すると、モータアッセンブリ42によってスクリューシャフト40が回動し、撮像素子ユニット26を保持する撮像素子枠38及び直進枠36が光軸方向後方へ移動する。この撮像素子枠38及び直進枠36の後方への移動によって、カム溝34とカムピン37の関係によってカム環32が回動する。カム環32が回動すると、カム溝35とカムピン51の関係によって、第二及び第三レンズ群L2、L3を保持する可動レンズ群枠50が光軸方向前方へ移動する。つまり、通常観察視野から拡大観察視野へ切り換えると、移動しない第一レンズ群L1に対して第二及び第三の可動レンズ群L2、L3が接近し、撮像素子ユニット26は後方へ離間する。拡大観察視野から通常観察視野への切換時には、焦点距離切換機構は、以上と逆に動作する。すなわち、操作スイッチ43を操作するとモータによってスクリューシャフト40が逆方向に回動して、撮像素子枠38及び直進枠36が光軸方向前方へ移動して図2の位置に戻る。同時に、撮像素子枠38及び直進枠36の移動に応じて、カム環32が拡大観察視野への切換時とは反対方向に回動し、可動レンズ群枠50が光軸方向後方へ移動して図2の位置に戻る。
【0018】
以上の焦点距離切換機構の駆動源であるモータアッセンブリ42は、スクリューシャフト40の基端部が挿入されるギヤヘッド(減速ギヤ収納部)55と、該ギヤヘッド55と略同径のモータ本体(アクチュエータ)56とを同軸上に接合した円筒状体となっており、モータ本体56の後端部にはさらに、給電用のリード線58が接続するモータ端子57(リード線接合部)が突出している。ギヤヘッド55内には図示しない減速ギヤ列が設けられており、ギヤヘッド55から突出するスクリューシャフト40に対し、減速ギヤ列を介してモータの駆動力を伝達する。また、モータ端子57にはリード線58が半田付けされている。リード線58は、モータ駆動ケーブル(アクチュエータ駆動ケーブル)60内に収納されて図示しない電源回路に接続しており、操作スイッチ43の操作に応じて、該電源回路からリード線58を介してモータ本体56に駆動電力が供給される。
【0019】
図2に示すように、モータアッセンブリ42は、該モータアッセンブリ42と同心の円筒状をなすモータハウジング(アクチュエータハウジング)61内に収納されている。モータハウジング61は、図3に単体形状を示すハウジング部材62に形成されている。ハウジング部材62は、前述の焦点距離切換機構を収納している外筒管29の後端部に嵌まる着脱環部(ハウジング固定部)63がモータハウジング61と一体に形成され、モータハウジング61は、該着脱環部63の中心から偏心した位置に突設されている。着脱環部63の中心には、画像信号伝送ケーブル27を挿通させる円形孔64が形成されている。ハウジング部材62は、着脱環部63に形成したリベット孔65に固定リベット66(図2)を係合させて、外筒管29に固定することができる。外筒管29とハウジング部材62の着脱環部63の間の固定手段としては、ねじ等を用いてもよい。外筒管29は先端硬性部材20に固定されているため、外筒管29と固定することにより、ハウジング部材62、すわなちモータハウジング61は、挿入部先端における固定部材となる。
【0020】
組立の際には、モータアッセンブリ42は、ギヤヘッド55側を先頭にしてモータハウジング61に挿入され、所定量挿入すると、ギヤヘッド55の端部がモータハウジング61内に形成した挿入位置決め段部67に当接する。この挿入位置決め段部67よりも前方(図2の左手方向)は、モータハウジング61の内径がモータアッセンブリ42の外径サイズよりも小さくなっており、モータアッセンブリ42の挿入が規制される。モータハウジング61は、モータアッセンブリ42よりも軸線方向に長く形成されており、この挿入規制時点で、モータアッセンブリ42は前端側のギヤヘッド55から後端側のモータ端子57(リード線58の接続部)まで、その略全体がモータハウジング61内に収納される。なお、スクリューシャフト40は、モータハウジング61の前端部に形成したシャフト挿通孔68を通して前方へ突出され、リードねじ41を雌ねじ39に螺合させる。続いて、半田付けしたモータ端子57とリード線58の周りに接着剤59を充填し、モータハウジング61、モータアッセンブリ42及びモータ駆動ケーブル60を固定する。このとき、モータハウジング61がリード線接合部付近を囲んでいるため、接着剤59が外部に漏出しにくく、接着作業を容易に行うことができる。
【0021】
以上のモータ支持構造では、モータハウジング61によってモータアッセンブリ42の全体を覆って保護するため、高価な精密部品であるモータアッセンブリ42に負荷がかかって破損するおそれが軽減される。例えば、湾曲部14を湾曲させたときや、可撓管部15が撓んだときには、その内部を通るモータ駆動ケーブル60が押し引きされる。ここで、モータアッセンブリ42はその全体がモータハウジング61と一体となるように収納固定されているので、モータ駆動ケーブル60に作用する押し引きの力は、モータハウジング61を有するハウジング部材62へ、そして該ハウジング部材62の着脱環部63が固定された外筒管29へと、より大きな固定部材が受けることになり、モータアッセンブリ42には過度な負荷がかからない。よって、ギヤヘッド55とモータ本体56の接合部や、モータ駆動ケーブル60とモータアッセンブリ42の接続部といった箇所の折れを防ぐことができる。
【0022】
図4は、本発明によるモータ支持構造の第二の実施形態を示している。図4では、挿入部先端における対物光学系や焦点距離切換機構の要部のみを示し、その他の部材の図示を省略している。この実施形態の内視鏡では、第一レンズ群L1を支持する固定レンズ枠70、その内側の接続筒(固定筒、移動支持筒)71と直進案内筒72、接続筒71の後端部に嵌まる撮像素子枠73、撮像素子枠73と直進案内筒72の間に位置し第四レンズ群L4を支持する固定レンズ枠74が、それぞれ挿入部先端内における固定部材である。
【0023】
接続筒71と直進案内筒72の間には、カム環75が光軸を中心として回動可能に嵌っており、カム環75の2つのカム溝75a、75bに対し、第二レンズ群L2と第三レンズ群L3をそれぞれ保持する可動レンズ枠76、77のカムピン78、79が係合している。カムピン78、79の基端部側の領域は、直進案内筒72に形成した光軸方向の直進案内スロットにより光軸方向に案内されている。カム環75の後端部外周面にはギヤ75cが形成され、該ギヤ75cに対し、後述するモータアッセンブリ82から延出されたモータシャフトギヤ83が噛合している。よって、モータ駆動によってカム環75が回転し、カム環75が回転すると、カム溝の形状に従って第二レンズ群L2と第三レンズ群L3が光軸方向に直進移動し、変倍動作が行われる。
【0024】
図5に単体形状を示す撮像素子枠73は、接続筒71の後端部に嵌合固定され、撮像素子ユニット80を収納する撮像素子収納筒部(ハウジング固定部)81と、モータアッセンブリ82を収納する大径モータハウジング部(アクチュエータハウジング)84という2つの円筒状部を平行に一体形成した形状をなし、さらに、大径モータハウジング部84内に挿脱可能な、小径モータハウジング部(アクチュエータハウジング)85を別部材として備えている。
【0025】
モータアッセンブリ86は、大径モータハウジング部84の内径に対応する大径のギヤヘッド(減速ギヤ収納部)87と、該ギヤヘッド87の後端部に接合し、小径モータハウジング部85の内径に対応する小径のモータ本体88とを有している。大径モータハウジング部84内には挿入位置決め段部89が形成されており、該挿入位置決め段部89にギヤヘッド87が当接するまでモータアッセンブリ86を挿入することができる。この挿入規制時点で、モータシャフトギヤ83がカム環75のギヤ75cと噛合する。続いて、大径モータハウジング部84内に小径モータハウジング部85を挿入すると、モータ本体88と、その後端側のモータ端子90とリード線91の接続部とが、小径モータハウジング部85によって覆われる。さらに、小径モータハウジング部85の開口部内側に接着剤92を充填することにより、リード線91を内蔵するモータ駆動ケーブル93と、モータアッセンブリ86とが、小径モータハウジング部85に対して固定される。
【0026】
以上の第二実施形態では、第一と第二のモータハウジング部84、85からなる円筒状のモータハウジングに、モータアッセンブリ86の全体を収納し、固定している。そのため、第一の実施形態と同様に、モータ駆動ケーブル93が押し引きされた場合等にかかる負荷は、撮像素子枠73を構成する撮像素子収納筒部81を介して、その前方の固定部材である接続筒71や固定レンズ枠70で受けることになり、モータアッセンブリ86には負荷がかからない。よって、モータアッセンブリ86におけるギヤヘッド87とモータ本体88の接合部分や、モータアッセンブリ86とモータ駆動ケーブル93の接合部分の破損を防ぐことができる。
【0027】
なお、図示実施形態では、ドライブシャフトを回転させるモータの支持構造として説明したが、本発明は、こうしたタイプのモータ以外のアクチュエータの支持構造としても適用可能である。
【0028】
【発明の効果】
以上から明らかなように、本発明のアクチュエータ支持構造によれば、簡単な構造で、挿入部先端内に設けた小型精密アクチュエータ周りの耐久性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のアクチュエータ支持構造を適用する内視鏡の外観図である。
【図2】 図1の内視鏡の挿入部先端付近の断面図である。
【図3】 図2の挿入部先端内に設けた、モータハウジングを有するハウジング部材の単体斜視図である。
【図4】 本発明の第二の実施形態に係る挿入部先端付近の断面図である。
【図5】 図4の挿入部先端内に設けた、大径モータハウジング部を有する撮像素子枠と、小径モータハウジング部とを分解した状態で示す斜視図である。
【符号の説明】
10 電子内視鏡
11 挿入部
12 操作部
13 先端部
14 湾曲部
15 可撓管部
17 湾曲操作ノブ
26 撮像素子ユニット
29 外筒管(固定筒、移動支持筒)
32 カム環
36 直進枠
38 撮像素子枠
40 スクリューシャフト
42 モータアッセンブリ(アクチュエータアッセンブリ)
50 可動レンズ群枠
55 ギヤヘッド(減速ギヤ収納部)
56 モータ本体(アクチュエータ)
57 モータ端子
58 リード線
60 モータ駆動ケーブル(アクチュエータ駆動ケーブル)
61 モータハウジング(アクチュエータハウジング)
62 ハウジング部材
63 着脱環部(ハウジング固定部)
67 挿入位置決め段部
70 固定レンズ枠
71 接続筒(固定筒、移動支持筒)
72 直進案内筒
73 撮像素子
75 カム環
80 撮像素子ユニット
81 撮像素子収納筒部(ハウジング固定部)
82 モータアッセンブリ(アクチュエータアッセンブリ)
83 モータシャフトギヤ
84 大径モータハウジング部(アクチュエータハウジング)
85 小径モータハウジング部(アクチュエータハウジング)
87 ギヤヘッド(減速ギヤ収納部)
88 モータ本体(アクチュエータ)
89 挿入位置決め段部
90 モータ端子
91 リード線
92 接着剤
93 モータ駆動ケーブル
L1 第一レンズ群
L2 第二レンズ群
L3 第三レンズ群
L4 第四レンズ群

Claims (8)

  1. 円筒状のアクチュエータと該アクチュエータの減速ギヤ収納部とを同軸上に接合してなるアクチュエータアッセンブリを挿入部内に支持し、該アクチュエータアッセンブリの駆動によって対物光学系を構成する光学部材を光軸方向に移動させる内視鏡において、
    挿入部内に、上記対物光学系の光軸を中心とする固定筒を有すること;
    挿入部内に、アクチュエータアッセンブリよりも長い円筒状のアクチュエータハウジングを設け、該アクチュエータハウジング内にアクチュエータアッセンブリを収納すること;及び
    上記アクチュエータハウジングは、上記固定筒の軸線に対して偏心する位置に該軸線と平行に設けられており、該固定筒の後端に嵌合固定されるハウジング固定部がアクチュエータハウジングと一体に形成されていること;
    を特徴とする内視鏡のアクチュエータ支持構造。
  2. 請求項1記載のアクチュエータ支持構造において、上記アクチュエータに接続するリード線の接合部がアクチュエータハウジング内に位置し、該リード線接合部とアクチュエータハウジング内周面の間に接着剤が充填される内視鏡のアクチュエータ支持構造。
  3. 請求項1または2記載のアクチュエータ支持構造において、上記アクチュエータハウジング内に、上記アクチュエータアッセンブリの挿入位置を決める挿入位置決め段部が形成されている内視鏡のアクチュエータ支持構造。
  4. 請求項1ないし3のいずれか1項記載のアクチュエータ支持構造において、アクチュエータアッセンブリによって駆動される光学部材は、対物光学系の一部を構成する可動レンズ群と、対物光学系の結像位置に設けた撮像素子であり、
    上記固定筒は、該可動レンズ群の保持枠と撮像素子の保持枠を、光軸方向に移動可能に収納する移動支持筒である内視鏡のアクチュエータ支持構造。
  5. 請求項1ないし3のいずれか1項記載のアクチュエータ支持構造において、アクチュエータアッセンブリによって駆動される光学部材は、対物光学系の一部を構成する可動レンズ群であり、
    上記固定筒は、該可動レンズ群の保持枠を光軸方向に移動可能に収納する移動支持筒であり、
    上記ハウジング固定部は、該可動レンズ群を含む対物光学系の結像位置に固定される撮像素子の保持枠であるアクチュエータ支持構造。
  6. アクチュエータ、該アクチュエータの減速ギヤ収納部、及びアクチュエータへのリード線接合部を同軸上に有する、全体として円筒状をなすアクチュエータアッセンブリを挿入部内に支持し、該アクチュエータアッセンブリの駆動によって対物光学系を構成する光学部材を光軸方向に移動させる内視鏡において、
    挿入部内に、上記対物光学系の光軸を中心とする固定筒を有すること;
    挿入部内に、上記アクチュエータアッセンブリと略同心の円筒状をなし、減速ギヤ収納部からリード線接合部までのアクチュエータアッセンブリ全体を収納する長さのアクチュエータハウジングを設けたこと;及び
    上記アクチュエータハウジングは、上記固定筒の軸線に対して偏心する位置に該軸線と平行に設けられており、該固定筒の後端に嵌合固定されるハウジング固定部がアクチュエータハウジングと一体に形成されていること;
    を特徴とする内視鏡のアクチュエータ支持構造。
  7. 請求項6記載のアクチュエータ支持構造において、上記リード線接合部とアクチュエータハウジング内周面の間に接着剤が充填される内視鏡のアクチュエータ支持構造。
  8. 請求項6または7記載のアクチュエータ支持構造において、上記アクチュエータハウジング内に、上記アクチュエータアッセンブリの挿入位置を決める挿入位置決め段部が形成されている内視鏡のアクチュエータ支持構造。
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