JP4406151B2 - 微小部品移載装置およびこれに用いられる移載ツールおよび微小部品移載方法 - Google Patents

微小部品移載装置およびこれに用いられる移載ツールおよび微小部品移載方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、微小部品の加工や組立の際に、微小部品を部品供給装置から加工や組立の作業領域へ移載する微小部品移載装置およびこれに用いられる移載ツールさらには微小部品の移載方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
0.5mm以下の微小部品の加工や組立においては、微小部品を1個ずつ部品供給装置から加工や組立の作業領域内の更に限られた1mm以下の領域へ精度良く移載する移載工程が必要である。この様な微小部品の精度良い移載は、人手で扱うのは困難であり、移載装置を使用する必要がある
微小部品は、静電気や空気中の水分などの影響を受けて、接触した他の部材に貼り付いたままになり易い。このため、移載装置の使用においても、移載装置と微小部品の着脱には困難を伴う。
【0003】
特開平8−107121は、微小部品の移載装置として、半田ボールの搭載装置を開示している。
【0004】
この半田ボールの搭載装置は、半田ボールを貯溜する容器と、半田ボールを真空吸着するヘッドと、ヘッドに取り付けられた振動器とを備えている。ヘッドは、一度に容器内の複数の半田ボールを吸着する。半田ボールを基板に搭載する際は、ヘッドの振動器を超音波振動させることにより、半田ボールがヘッドの吸着孔から確実に脱落され、基板に搭載される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
特開平8−107121号に開示される半田ボールの搭載装置では、振動器はヘッドに非対称に取り付けられている。このため、振動器がいずれの方向に振動しても、ヘッドには吸着孔の軸に直交する方向の振動が発生し、その振動は吸着孔の軸に直交する各放射方向でアンバランスである。
【0006】
このため、微小部品は、吸着孔の軸を横切る方向に振り払われるようにヘッドから離脱される。その離脱状況(離脱される方向や離脱後に移動する距離など)は一様ではなく、これを制御することは不可能である。従って、微小部品を所望の位置に精度良く載置することは難しい。
【0007】
本発明は、このような実状を考慮して成されたものであり、その目的は、微小部品を一個ずつ部品供給装置から加工や組立の作業領域内の所望の領域へ精度良く移載することの可能な微小部品移載装置を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は一面においては、微小部品を微小部品供給装置から加工や組立の作業領域へ移載する微小部品移載装置に用いられる移載ツールであり、この移載ツールは、微小部品を吸着するための先端部と、先端部に振動を与えるための振動発生器とを備えており、先端部は、直線的に貫通している吸着孔を有し、吸着孔は、一端が先端部の先端に位置し、他端は微小部品移載装置に連絡され、微小部品移載装置によって吸着孔が負圧に引かれることにより微小部品が先端部の先端の開口に吸着され、振動発生器は、吸着孔の中心軸と同軸に配置されており、先端部を吸着孔の軸方向に平行な方向に振動させ、かつ、先端部は、この振動を共振作用により増幅し、吸着孔の軸方向の変位が先端部の先端で最大となるように先端に近いほど細い径を有しており、振動発生器の振動により微小部品が吸着孔の軸方向に離脱される。
【0009】
本発明は別の一面においては、微小部品を微小部品供給装置から加工や組立の作業領域へ移載する微小部品移載装置であり、この微小部品移載装置は、微小部品を供給する微小部品供給装置と、微小部品を適宜吸着するための移載ツールと、移載ツールの位置と向きを変えるための移載ロボットと、微小部品を移載ツールに吸着させるための吸着装置とを備えており、移載ツールは、微小部品を吸着するための先端部と、先端部に振動を与えるための振動発生器とを備えており、先端部は、直線的に貫通している吸着孔を有し、吸着孔は、一端が先端部の先端に位置し、他端は吸着装置に連絡され、吸着装置は、移載ツールの吸着孔を適宜負圧に引き、これにより微小部品が移載ツールに吸着され、振動発生器は、吸着孔の中心軸と同軸に配置されており、先端部を吸着孔の軸方向に平行な方向に振動させ、かつ、先端部は、この振動を共振作用により増幅し、吸着孔の軸方向の変位が先端部の先端で最大となるように先端に近いほど細い径を有しており、振動発生器の振動により微小部品が吸着孔の軸方向に離脱される。
【0010】
本発明は他の一面においては、微小部品を微小部品供給装置から加工や組立の作業領域へ移載する微小部品移載方法であり、この微小部品移載方法は、貫通している吸着孔を有する移載ツールで微小部品を吸着する工程と、移載ツールを作業領域へ移動する移動工程と、移載ツールによる微小部品の吸着を停止する吸着停止工程と、移載ツールの微小部品を吸着する先端部の先端を吸着孔の軸方向に平行な方向に振動させる振動工程とを有しており、移載ツールの先端部は、吸着孔の中心軸と同軸に配置された振動発生器からの振動を共振作用により増幅し、吸着孔の軸方向の変位が先端部の先端で最大となるように先端に近いほど細い径を有しており、振動工程により微小部品は移載ツールから所定の方向に離脱されて所定の位置に移載される。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態について説明する。
【0012】
まず、第一の実施の形態の微小部品移載装置10について図1と図2を用いて説明する。
【0013】
微小部品移載装置10は、パーツフィーダ30より供給される微小部品32を吸着により適宜保持するための移載ツール12と、移載ツール12の位置と向きを変更するための移載ロボット(多関節ロボット)14と、微小部品を移載ツールに吸着させるための吸着装置(真空装置)24と、移載ツール12と移載ロボット14と吸着装置24を制御するための制御装置26とを備えている。
【0014】
移載ロボット14は、移載ツール12を保持するツール保持部16と、ツール保持部16を姿勢変更可能に支持する第一のアーム18と、第一のアーム18を姿勢変更可能に支持する第二のアーム20と、第二のアーム20を姿勢変更可能に支持する固定部22とを備えている。移載ロボット14は、固定部22に対してツール保持部16を三次元的に移動可能であるとともに、その向きを変更可能である。
【0015】
移載ロボット14は、パーツフィーダ30と作業治具34と共に、ベース28に設置されている。パーツフィーダ30は、微小部品移載装置10へ供給するために、微小部品32を振動により搬送し、搬送の過程で微小部品32の姿勢を一定に整列させる。
【0016】
また、作業治具34は、微小部品移載装置10によって載置された微小部品を一定の姿勢に保つ案内溝36を有しており、この作業治具34に載置された微小部品32に対して加工や組立などの作業が行われる。
【0017】
図2に示されるように、移載ツール12は、微小部品32を吸着するための先端部42と、先端部42に振動を与えるための振動発生器44と、ツール保持部16内に収容される継手部46とを備えている。移載ツール12は、さらに、ツール保持部16への取り付けのためのフランジ48を備えており、フランジ48がツール保持部16に固定されることにより、移載ツール12がツール保持部16に適切な姿勢で取り付けられる。
【0018】
移載ツール12は、先端部42と振動発生器44と継手部46を貫通する吸着孔50を有している。吸着孔50は、先端部42を実質的に直線的に貫通しており、その一端は先端部42の先端に位置している。吸着孔50の他端は継手部46の後端に位置し、これはチューブ(図示せず)を介して吸着装置24(図1参照)に連絡されている。
【0019】
振動発生器44は、吸着孔50の軸上に位置しており、例えば、互いに連結された複数の圧電素子を含んでいる。振動発生器44は、電極52への駆動信号の供給に従って、吸着孔50の軸方向の超音波振動を発生する。
【0020】
移載ツール12の先端部42は、先端に近いほど細い径を有しており、その形状は、振動発生器44で発生される吸着孔50の軸方向の超音波振動を共振作用により増幅し、吸着孔50の軸方向の変位が先端で最大となる定常波振動が発生するように設計されている。
【0021】
好適な移載ツール12の一つの具体例では、先端部42はステンレス製、継手部46は樹脂製で、振動発生器44への入力電圧は140Vp-p、入力周波数は55.5kHzであり、これに対して、先端部42は38mmの全長を有し、その根元部分は径が一定で、8mmの直径を有し、中程部分は径が漸近的に減少し、その外周面と吸着孔50の軸を通る平面との交線は100mmの曲率半径を有している。
【0022】
上述した構成において、微小部品32は、パーツフィーダ30によって、一定の姿勢に整列されて供給される。
【0023】
移載ツール12は、移載ロボット14によって、パーツフィーダ30に近づけられ、その先端がパーツフィーダ30内の所望の微小部品32に向けられる。吸着装置24が駆動され、これに連絡されている移載ツール12の吸着孔50が負圧に引かれ、これにより微小部品32が移載ツール12に一定の姿勢で吸着される。
【0024】
移載ツール12は、移載ロボット14によって、作業治具34に近づけられ、その先端に吸着されている微小部品32が作業治具34の案内溝36に向けられる。
【0025】
吸着装置24が停止される。さらに、振動発生器44の電極52に正弦波形の駆動信号が入力され、これに応じて振動発生器44は吸着孔50の軸方向の超音波振動を発生する。この振動は先端部42の共振作用により増幅され、吸着孔50の軸方向の変位が先端部42の先端で最大となる定常波振動を発生させる。これにより先端部42は吸着孔50の軸に対称的に振動される。
【0026】
微小部品32は、振動発生器44による吸着孔50の軸方向の超音波振動の発生によって、移載ツール12の先端から、吸着孔50の軸方向に離脱する。その結果、微小部品32は作業治具34の案内溝36に載置される。
【0027】
以上の説明から分かるように、本実施形態の微小部品移載装置10は、微小部品32を一個ずつ、パーツフィーダ30から作業治具34に精度良く移載することができる。また、微小部品32の離脱に定常波振動を利用しているため、振動を与える時間を容易に変更することができる。従って、微小部品の形状や質量等に応じた最適な時間のあいだ、移載ツール12に振動を与えることができるので、様々な微小部品に対しても確実な移載ツールからの離脱を行うことができる。
【0028】
本実施の形態の各構成は、当然、様々な変形や変更が可能である。例えば、振動発生器44は、圧電素子の代わりに、ボイスコイルを備えていてもよい。
【0029】
次に、第二の実施の形態による移載ツールについて図3を用いて説明する。本実施の形態において、移載ツールを除く構成は第一の実施の形態と同じであり、その説明は省略する。
【0030】
図3に示されるように、本実施の形態の移載ツール60は、微小部品32を吸着するための先端部62と、先端部62に振動を与えるための振動発生器64と、ツール保持部16内に収容される継手部66とを備えている。移載ツール60は、さらに、先端部62と振動発生器64と継手部66の中心を貫通する吸着孔68を有している。
【0031】
先端部62は金属製で、円錐形状を有している。振動発生器64は、薄い多数の圧電素子が積層された積層型圧電素子を含んでおり、パルス波形の駆動電圧の入力により駆動される。積層型圧電素子64は、パルス波形の駆動電圧の入力に対して、吸着孔68の軸方向に急速に縮んだ後に急速に伸びる。この伸縮は、先端部62に吸着孔68の軸方向の大きな加速度を与える。この結果、微小部品32は吸着孔68の軸方向に瞬時に先端部62から引き離され、作業治具34に載置される。
【0032】
本実施の形態の移載ツール60を用いた微小部品移載装置では、微小部品32を一個ずつ作業治具34に精度良く移載できるほか、微小部品32の離脱に積層型圧電素子の急速変形による加速度を利用するため、微小部品32の移載ツール60からの離脱を短時間で行うことができる。
【0033】
本実施の形態の各構成は、当然、様々な変形や変更が可能である。例えば振動発生器64は、積層型圧電素子の代わりに、ソレノイドを備えていてもよく、ソレノイドが発生する衝撃振動により先端部に加速度を与えることで微小部品の離脱を行ってもよい。
【0034】
次に、第三の実施の形態による移載ツールについて図4を用いて説明する。本実施の形態において、移載ツールを除く構成は第一の実施の形態と同じであり、その説明は省略する。
【0035】
図4に示されるように、本実施の形態の移載ツール70は、それ自体が圧電素子で作られており、その中心を貫通する吸着孔78を有している。従って、移載ツール70は、微小部品32を吸着するための先端部72と、ツール保持部16内に収容される継手部76を含むと共に、それ自体が先端部72に振動を与えるための振動発生器74でもある。
【0036】
移載ツール70の全長は、振動発生器74が発生する吸着孔78の軸方向の振動が共振作用により増幅し、吸着孔78の軸方向の変位が先端において最大となる定常波振動が発生するように設計されている。
【0037】
振動発生器74は、正弦波形の駆動電圧の入力によって駆動されても、パルス波形の駆動電圧の入力によって駆動されてもよい。
【0038】
正弦波形の駆動電圧の入力に対して、振動発生器74すなわち移載ツール70は、吸着孔78の軸方向に変位し、吸着孔78の軸方向の超音波振動を発生する。発生した振動は共振作用により増幅され、吸着孔78の軸方向の変位が先端において最大となる定常波振動が発生する。
【0039】
また、パルス波形の駆動電圧の入力に対して、振動発生器74すなわち移載ツール70は、吸着孔78の軸方向に急速に縮んだ後に急速に伸びる。この結果、先端に吸着孔78の軸方向の大きな加速度が生じる。
【0040】
上記のいずれの駆動電圧の入力に対しても、微小部品32は吸着孔78の軸方向に移載ツール70から離脱され、作業治具34に載置される。
【0041】
本実施の形態の移載ツール70を用いた微小部品移載装置では、微小部品32を一個ずつ作業治具34に精度良く移載できるほか、微小部品の離脱に、定常波振動と急速変形による加速度のいずれをも利用できるとともに、これらを組合わせて使用することもできるため、微小部品を離脱させる条件の広い設定範囲を得ることができる。また、移載ツール70は、圧電素子で一体的に成形されているため、非常に小型に作製できる。
【0042】
これまで、いくつかの実施の形態について図面を参照しながら具体的に説明したが、本発明は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で行なわれるすべての実施を含む。
【0043】
例えば、微小部品を移載ツールに吸着させるための吸着装置として真空装置を用い、負圧により吸着させるようにしているが、吸着装置はこれに限られるものではなく、例えば、電磁力や静電力を用いた吸着装置を用いることもできる。
【0044】
本明細書には以下の各項に記す発明が含まれる。
【0045】
1. 微小部品の加工や組立の際に、微小部品供給装置から加工や組立の作業領域へ前記微小部品の移載を行う微小部品移載装置に用いられる移載ツールであって、
前記微小部品を吸着するためにその先端に設けられた吸着孔と、
前記吸着孔の中心軸上に設けられた振動発生器とを有することを特徴とする移載ツール。
【0046】
(作用効果)
振動発生器が吸着孔の中心軸と同軸上に配置されているので、移載ツールを吸着孔の中心軸方向と直交方向に小さく構成することができる。
【0047】
移載ツールの直径を小さくすることにより、微小部品に対応する小さな作業領域への移載が可能になることと、部品供給装置で隣接する微小部品を誤って吸着したりすることがなくなることで、一個ずつの移載が可能となる。
【0048】
また、振動発生器が吸着孔の中心軸と同軸に設置されていることから、振動発生器の振動により微小部品に作用する離脱のための力が吸着孔の中心軸に対して軸対称に作用するので、微小部品を所望の位置に精度良く載置することができる。
【0049】
2.前記振動発生器の変位方向が前記吸着孔の中心軸方向であり、前記微小部品がこの変位方向に離脱されることを特徴とする第1項に記載の移載ツール。
【0050】
(作用効果)
振動発生器が吸着孔の中心軸上に配置され、且つその変位方向がこの軸方向であるため、微小部品の離脱方向がこの軸方向となり、微小部品を所望の位置にさらに精度良く載置することが可能となる。
【0051】
3.前記振動発生器による振動変位が、前記移載ツール先端で最大となるように構成されていることを特徴とする第2項に記載の移載ツール。
【0052】
(作用効果)
具体的には、移載ツールは、先端にいくほど細い形状になっており、また、振動発生器からツール先端までの長さが、振動の腹の位置に一致するように設計されている。これにより、振動変位が先端の一個所に拡大されて集まる。従って、小さな駆動電圧でも微小部品を離脱することができ、エネルギー効率を高めることができる。
【0053】
4.前記振動発生器が超音波振動を発生することを特徴とする第1項〜第3項のいずれかひとつに記載の移載ツール。
【0054】
(作用効果)
超音波振動により、短時間に小さな振幅の数多くの変位を微小部品に与えることができるため、微小部品を確実に移載ツール先端より確実に離脱することができ、微小部品を所望の位置にさらに精度良く載置することができる。
【0055】
5.前記振動発生器をパルス波形の駆動電圧により駆動することを特徴とする第1項〜第4項のいずれかひとつに記載の移載ツール。
【0056】
(作用効果)
振動発生器をパルス波形の駆動電圧で駆動すれば、移載ツール先端の吸着孔に保持された微小部材には、この吸着孔の中心軸方向の大きな加速度が印加されるので、微小部品をこの中心軸方向に良好に離脱させることができる。
【0057】
6.微小部品を供給する微小部品供給装置と、
前記微小部品を吸着するためにその先端に設けられた吸着孔と、前記吸着孔の中心軸上に設けられた振動発生器とを有する移載ツールと、
前記微小部品を前記微小部品移載装置から所望の位置に移動させるために、前記移載ツールを動かすための多関節ロボットと、
前記微小部品を前記吸着孔に吸着させるための吸着装置とを有することを特徴とする微小部品移載装置。
【0058】
(作用効果)
振動発生器が吸着孔の中心軸と同軸上に配置されているので、移載ツールを吸着孔の中心軸方向と直交方向に小さく構成することができる。
【0059】
移載ツールの直径を小さくすることにより、微小部品に対応する小さな作業領域への移載が可能になることと、部品供給装置で隣接する微小部品を誤って吸着したりすることがなくなることで、一個ずつの移載が可能となる。
【0060】
また、振動発生器が吸着孔の中心軸と同軸に設置されていることから、振動発生器の振動により微小部品に作用する離脱のための力が吸着孔の中心軸に対して軸対称に作用するので、微小部品を所望の位置に精度良く載置することができる。
【0061】
7.前記振動発生器の変位方向が前記吸着孔の中心軸方向であり、前記微小部品がこの変位方向に離脱されることを特徴とする第6項に記載の微小部品移載装置。
【0062】
(作用効果)
振動発生器が吸着孔の中心軸上に配置され、且つその変位方向がこの軸方向であるため、微小部品の離脱方向がこの軸方向となり、微小部品を所望の位置にさらに精度良く載置することが可能となる。
【0063】
8.微小部品の加工や組立の際に、微小部品供給装置から加工や組立の作業領域へ前記微小部品の移載を行う微小部品移載方法であって、
前記微小部品を移載ツールの先端吸着孔に吸引保持する工程と、
前記移載ツールを前記作業領域へと移動させる移動工程と、
前記微小部品の前記吸着孔への吸着を停止させる吸着停止工程と、
前記移載ツールの少なくとも一部を振動させ、前記微小部品を前記吸着孔の中心軸方向と平行な方向に振動させる振動工程と、
この振動により前記微小部材を前記吸着孔から前記中心軸と平行な方向に離脱させて、所望の位置に載置する載置工程とを有することを特徴とする微小部品移載方法。
【0064】
(作用効果)
吸着孔に吸着された微小部品を吸着孔の中心軸方向と平行な方向に振動させて、この中心軸と平行な方向に離脱することで、所望の位置に精度良く載置することができる。
【0065】
【発明の効果】
本発明によれば、微小部品を一個ずつ部品供給装置から加工や組立の作業領域内の所望の位置へ精度良く移載することのできる微小部品移載装置が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一の実施の形態による微小部品移載装置の斜視図である。
【図2】図1に示される移載ツールの部分側断面図である。
【図3】本発明の第二の実施の形態による移載ツールの側断面図である。
【図4】本発明の第三の実施の形態による移載ツールの側断面図である。
【符号の説明】
12 移載ツール
42 先端部
44 振動発生器
50 吸着孔

Claims (6)

  1. 微小部品を微小部品供給装置から加工や組立の作業領域へ移載する微小部品移載装置に用いられる移載ツールであって、移載ツールは、
    微小部品を吸着するための先端部と、
    先端部に振動を与えるための振動発生器とを備えており、
    先端部は、直線的に貫通している吸着孔を有し、吸着孔は、一端が先端部の先端に位置し、他端は微小部品移載装置に連絡され、微小部品移載装置によって吸着孔が負圧に引かれることにより微小部品が先端部の先端の開口に吸着され、
    振動発生器は、吸着孔の中心軸と同軸に配置されており、先端部を吸着孔の軸方向に平行な方向に振動させ、かつ、先端部は、この振動を共振作用により増幅し、吸着孔の軸方向の変位が先端部の先端で最大となるように先端に近いほど細い径を有しており、振動発生器の振動により微小部品が吸着孔の軸方向に離脱される、移載ツール。
  2. 微小部品を微小部品供給装置から加工や組立の作業領域へ移載する微小部品移載装置であって、微小部品移載装置は、
    微小部品を供給する微小部品供給装置と、
    微小部品を適宜吸着するための移載ツールと、
    移載ツールの位置と向きを変えるための移載ロボットと、
    微小部品を移載ツールに吸着させるための吸着装置とを備えており、
    移載ツールは、微小部品を吸着するための先端部と、先端部に振動を与えるための振動発生器とを備えており、先端部は、直線的に貫通している吸着孔を有し、吸着孔は、一端が先端部の先端に位置し、他端は吸着装置に連絡され、
    吸着装置は、移載ツールの吸着孔を適宜負圧に引き、これにより微小部品が移載ツールに吸着され、
    振動発生器は、吸着孔の中心軸と同軸に配置されており、先端部を吸着孔の軸方向に平行な方向に振動させ、かつ、先端部は、この振動を共振作用により増幅し、吸着孔の軸方向の変位が先端部の先端で最大となるように先端に近いほど細い径を有しており、振動発生器の振動により微小部品が吸着孔の軸方向に離脱される、微小部品移載装置。
  3. 微小部品を微小部品供給装置から加工や組立の作業領域へ移載する微小部品移載方法であって、
    貫通している吸着孔を有する移載ツールで微小部品を吸着する工程と、
    移載ツールを作業領域へ移動する移動工程と、
    移載ツールによる微小部品の吸着を停止する吸着停止工程と、
    移載ツールの微小部品を吸着する先端部の先端を吸着孔の軸方向に平行な方向に振動させる振動工程であって、移載ツールの先端部は、吸着孔の中心軸と同軸に配置された振動発生器からの振動を共振作用により増幅し、吸着孔の軸方向の変位が先端部の先端で最大となるように先端に近いほど細い径を有しており、これにより微小部品が移載ツールから所定の方向に離脱されて所定の位置に移載される、振動工程とを有している、微小部品移載方法。
  4. 請求項1に記載の移載ツールにおいて、振動発生器は圧電素子から構成され、圧電素子による定常波振動の振動変位が、先端部の先端で最大の振動の腹に一致するように、圧電素子から先端部の先端までの長さが設定されている、移載ツール。
  5. 請求項2に記載の微小部品移載装置において、振動発生器は圧電素子から構成され、圧電素子による定常波振動の振動変位が、先端部の先端で最大の振動の腹に一致するように、圧電素子から先端部の先端までの長さが設定されている、微小部品移載装置。
  6. 請求項3に記載の微小部品移載方法において、振動発生器は圧電素子から構成され、圧電素子による定常波振動の振動変位が、先端部の先端で最大の振動の腹に一致するように、圧電素子から先端部の先端までの長さが設定されている、微小部品移載方法。
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