JP4405065B2 - 自動車用バンパービーム - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、衝突したときに、その衝撃から自動車本体を保護する自動車用バンパービームに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の自動車用バンパービームとしては、例えば、図12に示すようなバンパービーム20があった。この図12は、バンパービーム20の長手方向に直交する断面を示すものであり、そのバンパービーム20は、前部片20aと上部片20bと下部片20cとを備え、さらに、上部片20bと下部片20cとの間に、上側中間片20dおよび下側中間片20eを備えていた。そして、上側中間片20dの前端部と、下側中間片20eの前端部とは、中間連繋片20fによってつながり、また、上部片20bの後端部と、上側中間片20dの後端部とは、上側連繋片20gによってつながり、さらに、下部片20cの後端部と、下側中間片20eの後端部とは、下側連繋片20hによってつながっていた。そして、バンパービーム20は、板状部材をロール成形によって順次折り曲げて行き、ロール成形工程の下流において、前部片20aの上下方向のほぼ中央にて突き合う板状部材の両端部を溶接することで、上記したような、管状構造体に製造していた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、前記従来の自動車用バンパービームは、溶接工程が必要であり、また、溶接箇所には、溶着金属からなる溶接部21が形成されるため、場合によっては溶接後にバリ取りをするなどの事後工程が必要であった。その結果、工程数が増え、ひいては製造コストの上昇を招いていた。一方、バンパービーム20を何らの工夫もなく溶接工程を施さずして製造するとすれば、自動車用バンパー装置を構成するものとしての本来有していなければならない耐衝撃性を確保することが困難であった。
【0004】
この発明は、上記した従来の欠点を解決するためになされたものであり、その目的は、溶接工程を要せずして管状構造体に形成されるとともに、耐衝撃性を有する自動車用バンパービームを提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
この発明に係る自動車用バンパービームは、前記目的を達成するために、次の構成からなる。すなわち、
請求項1に記載の発明に係る自動車用バンパービームは、自動車の正面側または背面側に取り付けられて、左右に長手となるバンパービームである。このバンパービームは、前面を形成する前部片と、前記前部片の上部側から後方に延びる上部体と、前記前部片の下部側から後方に延びる下部体とを備える。そして、前記上部体は、上面を形成するとともに前記前部片の上端部につながる上部片と、その上部片の下方に位置してその上部片に対向位置する上側中間片と、前記上部片の後端部と前記上側中間片の後端部とを連繋する上側連繋片とを有する。一方、前記下部体は、下面を形成するとともに前記前部片の下端部につながる下部片と、その下部片の上方に位置してその下部片に対向位置する下側中間片と、前記下部片の後端部と前記下側中間片の後端部とを連繋する下側連繋片とを有する。ここで、前記上側中間片の前端および前記下側中間片の前端のそれぞれには、凹部と凸部とが繰り返し形成されるとともに、前記前部片には、前記凸部が挿通される穿孔が設けられ、かつ、前記凸部の先端側は、前記前部片の前面側に係止されるよう折り曲げられている。
【0006】
これにより、バンパービームは、自動車が衝突したときの衝撃を分散ないし吸収することが可能な、長手方向に直交する断面形状が上下二つに分割された閉断面形状となる管状構造体として形成される。また、バンパービームは、凸部が穿孔に挿通されるとともに、これら凸部の先端側が、前部片の前面側に係止されるよう折り曲げられることで、溶接工程を要さずに、管状構造体としての一体性を確保することができる。
【0007】
このとき、前記穿孔は、請求項2に記載の発明に係る自動車用バンパービームのように、前記上側中間片に備わる凸部が挿通される上側穿孔と、前記下側中間片に備わる凸部が挿通される、前記上側穿孔とは独立した下側穿孔とからなっていてもよいし、また、請求項4に記載の発明に係る自動車用バンパービームのように、前記上側中間片に備わる凸部と前記下側中間片に備わる凸部とが共に挿通される共有穿孔からなっていてもよい。このように、上側中間片に備わる凸部と下側中間片に備わる凸部とは、それぞれが別々となって穿孔に挿通されてもよいし、また、それぞれが一緒になって穿孔に挿通されてもよい。
【0008】
また、請求項3に記載の発明に係る自動車用バンパービームのように、前記上側穿孔および下側穿孔は、前記前部片の長手方向に沿って互い違いに位置するよう設けられるとともに、前記長手方向の任意の位置における、この長手方向と直交する断面には、少なくとも、前記上側穿孔および下側穿孔のいずれか一方が配されているのが好ましい。これにより、バンパービームは、長手方向に直交するどこの断面をとっても、凸部の先端側が前部片の前面側に係止されるよう折り曲げられる締結部分が存在することとなるので、断面剛性がほぼ均一になり、自動車が衝突したときの変形時における応力集中が避けられる。
【0009】
また、請求項5に記載の発明に係る自動車用バンパービームは、自動車の正面側または背面側に取り付けられて、左右に長手となるバンパービームであって、上部側を形成する上側前部片と下部側を形成する下側前部片とからなる前部片と、前記上側前部片の後方に延びる上部体と、前記下側前部片の後方に延びる下部体と、前記上部体と前記下部体とを連繋する中間連繋片とを備える。そして、前記上部体は、上面を形成するとともに前記上側前部片の上端部につながる上部片と、その上部片の下方に位置してその上部片に対向位置するとともに、前端部にて前記中間連繋片の上端部につながる上側中間片と、前記上部片の後端部と前記上側中間片の後端部とを連繋する上側連繋片とを有する。一方、前記下部体は、下面を形成するとともに前記下側前部片の下端部につながる下部片と、その下部片の上方に位置してその下部片に対向位置するとともに、前端部にて前記中間連繋片の下端部につながる下側中間片と、前記下部片の後端部と前記下側中間片の後端部とを連繋する下側連繋片とを有する。ここで、前記上側前部片の下端および前記下側前部片の上端のそれぞれには、凹部と凸部とが繰り返し形成されるとともに、前記中間連繋片には、前記凸部が挿通される穿孔が設けられ、かつ、前記凸部の先端側は、前記中間連繋片の後面側に係止されるよう折り曲げられている。
【0010】
こうして、バンパービームは、自動車が衝突したときの衝撃を吸収ないし分散することが可能な、長手方向に直交する断面形状が上下二つに分割された閉断面形状となる管状構造体として形成される。また、バンパービームは、前記凸部が前記穿孔に挿通されるとともに、これら凸部の先端側が、前記中間連繋片の後面側に係止されるよう折り曲げられることで、溶接工程を施す必要もなく管状構造体として形成される。
【0011】
このとき、前記穿孔は、請求項6に記載の発明に係る自動車用バンパービームのように、前記上側前部片に備わる凸部と前記下側前部片に備わる凸部とが共に挿通される共有穿孔からなるのが望ましい。このように、上側前部片に備わる凸部と下側前部片に備わる凸部とは、それぞれが一緒になって穿孔に挿通されるとよい。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、この発明に係る自動車用バンパービームの実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0013】
図1ないし図3は、この発明に係る自動車用バンパービームの第一の実施の形態を示す。図中符号1は、自動車用バンパービームである。このバンパービーム1は、バンパーにおける、バンパーフェースの内側に配備される構造体であって、左右に長手となって、自動車の正面側または背面側に取り付けられ、衝突したときに、その衝撃から自動車本体を保護する役割を有する。2は、バンパービーム1の左右のそれぞれの側を支持する、支持部材としてのサイドフレームである。こうして、バンパービーム1は、サイドフレーム2、2を介して自動車本体に取り付けられている。
【0014】
ここで、バンパービーム1は、板状部材からなり、その前面を形成する板状の前部片1aと、その前部片1aの上部側から後方に延びる上部体1bと、その上部体1bとは離れて前部片1aの下部側から後方に延びる下部体1cとを備えている。さらに、上部体1bは、このバンパービーム1の上面を形成するとともに前部片1aの上端部につながる板状の上部片1dと、その上部片1dの下方に位置してその上部片1dに対向位置する板状の上側中間片1eと、上部片1dの後端部と上側中間片1eの後端部とを連繋する板状の上側連繋片1fとからなる。同様にして、下部体1cは、このバンパービーム1の下面を形成するとともに前部片1aの下端部につながる板状の下部片1gと、その下部片1gの上方に位置してその下部片1gに対向位置する板状の下側中間片1hと、下部片1gの後端部と下側中間片1hの後端部とを連繋する板状の下側連繋片1iとからなる。そして、上側中間片1eと下側中間片1hとは、前方に向かうにつれて互いに近づく縦断面テーパー状となるように形成され、また、前部片1aは、その上部側の上下方向の途中にて後方側に少しだけ延びる上側段部1jと、その下部側の上下方向の途中にて後方側に少しだけ延びる下側段部1kと、上側段部1jの後端と下側段部1kの後端とにつながる中間部1rとを備えている。
【0015】
ここで、上側中間片1eの前端および下側中間片1hの前端のそれぞれには、複数の凹部3、3と凸部4、4とが繰り返し形成されており、前部片1aには、凸部4、4が挿通される複数の穿孔5、5が設けられ、かつ、凸部4、4の先端側は、前部片1aの前面側に係止されるよう折り曲げられている。また、凹部3、3は、前部片1aの中間部1rの後面側にほぼ当接するか、あるいは近接位置するよう配されている。そして、穿孔5、5は、上側中間片1eに備わる凸部4、4が挿通される上側穿孔5a、5aと、下側中間片1hに備わる凸部4、4が挿通される、上側穿孔5a、5aとは独立した下側穿孔5b、5bとからなり、これら上側穿孔5a、5aおよび下側穿孔5b、5bのそれぞれは、例えば、左右に延びる長孔として、前部片1aの中間部1rを長手方向に沿って一定の間隔を置いて設けられている。さらに、上側穿孔5a、5aおよび下側穿孔5b、5bは、前部片1aの長手方向に沿って互い違いに位置するよう設けられるとともに、長手方向の任意の位置における、この長手方向に直交する断面には、少なくとも、上側穿孔および下側穿孔のいずれか一方が配されている。これにより、バンパービーム1は、長手方向に直交するどこの断面をとっても、凸部4、4の先端側が前部片1aの前面側に係止されるよう折り曲げられる締結部分が存在することとなり、その結果、断面剛性がほぼ均一になるので、自動車が衝突したときの変形時の応力集中が避けられるというメリットがある。
【0016】
また、バンパービーム1は、長手方向に直交する断面形状が上下二つに分割された閉断面形状となる管状構造体として形成されることで、自動車が衝突したときの衝撃を分散ないし吸収することが可能となる。そして、バンパービーム1は、前記凸部4、4が前記穿孔5、5に挿通されるとともに、これら凸部4、4の先端側が、前部片1aの前面側に係止されるよう折り曲げられることで、管状構造体としての一体性が確保されるので、溶接工程を不要にして、前記閉断面形状を形成することができる。よって、従来必要とされた溶接工程を省略することができるので、製造コストが低廉となる。
【0017】
図4および図5は、この発明に係る自動車用バンパービームの第二の実施の形態を示す。この第二の実施の形態においては、第一の実施の形態と比較すると、上側中間片1eの下面と下側中間片1hの上面とがほぼ面接触し、かつ、上側中間片1eに備わる凸部4、4と下側中間片1hに備わる凸部4、4とが同じ穿孔5、5に挿通されている点で異なるが他は同一である。すなわち、このバンパービーム1の前部片1aに設けられる穿孔5、5は、上側中間片1eに備わる凸部4、4と下側中間片1hに備わる凸部4、4とが共に挿通される共有穿孔5c、5cからなり、これら共有穿孔5c、5cは、例えば、左右に延びる長孔として、前部片1aの中間部1rを長手方向に沿って一定の間隔を置いて一列に設けられている。そして、凹部3、3は、前部片1aの中間部1rの後面側にほぼ当接するか、あるいは近接位置するよう配されている(図5参照)。こうして、第二の実施の形態においても、バンパービーム1は、長手方向に直交する断面形状が上下二つに分割された閉断面形状となる管状構造体に形成されているので、自動車が衝突したときの衝撃を分散ないし吸収することが可能となる。そして、バンパービーム1は、凸部4、4が穿孔5、5に挿通されるとともに、これら凸部4、4の先端側が、前部片1aの前面側に係止されるよう折り曲げられることで、溶接工程を不要にして、管状構造体としての一体性を確保することができる。よって、溶接工程の省略により製造コストが低廉となる。
【0018】
図6および図7は、この発明に係る自動車用バンパービームの第三の実施の形態を示す。この第三の実施の形態においては、穿孔5、5に挿通される凸部4、4の挿通方向が、第一および第二の実施の形態と逆方向である点で大きく異なる。すなわち、バンパービーム1は、上部側を形成する板状の上側前部片1mと下部側を形成する板状の下側前部片1nとからなる前部片1aと、上側前部片1mの後方に延びる上部体1bと、下側前部片1nの後方に延びる下部体1cと、上部体1bと下部体1cとを連繋する板状の中間連繋片1pとからなる。さらに、上部体1bは、このバンパービーム1の上面を形成するとともに上側前部片1mの上端部につながる板状の上部片1dと、その上部片1dの下方に位置してその上部片1dに対向位置するとともに、前端部にて中間連繋片1pの上端部につながる板状の上側中間片1eと、上部片1dの後端部と上側中間片1eの後端部とを連繋する板状の上側連繋片1fとからなる。同様にして、下部体1cは、このバンパービーム1の下面を形成するとともに下側前部片1nの下端部につながる板状の下部片1gと、その下部片1gの上方に位置してその下部片1gに対向位置するとともに、前端部にて中間連繋片1pの下端部につながる板状の下側中間片1hと、下部片1gの後端部と下側中間片1hの後端部とを連繋する板状の下側連繋片1iとからなる。そして、上側中間片1eと下側中間片1hとは、前方に向かうにつれて互いに近づく縦断面テーパー状となるように形成されている。
【0019】
ここで、上側前部片1mの下端および下側前部片1nの上端のそれぞれには、複数の凹部3、3と凸部4、4とが繰り返し形成されており、中間連繋片1pには、凸部4、4が挿通される複数の穿孔5、5が設けられ、かつ、凸部4、4の先端側は、中間連繋片1pの後面側に係止されるよう折り曲げられている(図6参照)。また、図示実施の形態においては、上側前部片1mに備わる凹部3、3と下側前部片1nに備わる凹部3、3とは、互いに向き合って近接位置するよう配されている(図7参照)。そして、穿孔5、5は、上側前部片1mに備わる凸部4、4と下側前部片1nに備わる凸部4、4とが共に挿通される共有穿孔5c、5cからなり、これら共有穿孔5c、5cは、例えば、左右に延びる長孔として、中間連繋片1pの上下方向のほぼ中央部を長手方向に沿って一定の間隔を置いて一列に設けられている。このように、バンパービーム1は、第一および第二の実施の形態と同様に、自動車が衝突したときの衝撃を分散ないし吸収することが可能な、長手方向に直交する断面形状が上下二つに分割された閉断面形状となる管状構造体として形成されている。そして、バンパービーム1は、前記凸部4、4が前記穿孔5、5に挿通されるとともに、これら凸部4、4の先端側が、中間連繋片1pの後面側に係止されるよう折り曲げられることで、溶接工程を不要にして、前記閉断面形状の管状構造体に形成される。よって、溶接工程の省略による製造コストの低廉化が図られる。
【0020】
次に、この発明に係るバンパービームの、第一の実施の形態の製造方法を図8および図9に基づいて説明する。なお、第二および第三の実施の形態も、この第一の実施の形態の製造方法にならって同様に製造することができる。
【0021】
バンパービーム1は、長手方向の両側端側に複数の凹部3、3と凸部4、4とが繰り返し形成されるとともにこれら凸部4、4が挿通される複数の穿孔5、5が設けられた基板6を、ロール成形によって順次折り曲げて行き、しかも、前記凸部4、4を、対応位置する前記穿孔5、5に挿通し、かつ、これら凸部4、4の先端側を、基板本体6aに係止されるよう折り曲げる、いわゆる曲げかしめによって、長手方向に直交する断面形状が上下二つに分割された閉断面形状となる管状構造として製造する。このバンパービーム1を製造するための基板6は、図8に示すように、例えば、板状部材としてのアルミニウム製の基板本体6aからなり、基板本体6aの両側端側のそれぞれには、一定の間隔を置いて複数の凹部3、3と凸部4、4とが繰り返し形成されているとともに、基板本体6aの幅方向のほぼ中央には、長手方向に沿って互い違いに位置する、長孔状の複数の上下の穿孔5、5が設けられている。そして、基板本体6aの両側端側のいずれか一方側に形成される凹部3、3および凸部4、4は、バンパービーム1における上側中間片1eに備わる凹部3、3および凸部4、4となり、これら上側中間片1eに備わる凸部4、4が挿通される穿孔5、5が、上側穿孔5a、5aとなるとともに、基板本体6aの両側端側のいずれか他方側に形成される凹部3、3および凸部4、4は、バンパービーム1における下側中間片1hに備わる凹部3、3および凸部4、4となり、これら下側中間片1hに備わる凸部4、4が挿通される穿孔が、下側穿孔5b、5bとなる。なお、図示実施の形態における基板6は、基板本体6aの長手方向の前端または/および後端に開口する穿孔5dが設けられているが、もちろん、閉口していても構わない。
【0022】
ここで、前記基板6は、ロール成形機(図示せず)に入ってローラー間を流れることで、その幅方向にて順次折り曲げられて行く。このとき、バンパービーム1の上部体1bと下部体1cとは、製造ラインの全長を短くするため等の理由により、同時に形成されるようにするのが好ましい。そして、図9に示すように、ロール成形工程の下流側において、バンパービーム1の前部片1a、上部片1d(下部片1g)、上側連繋片1f(下側連繋片1i)、および上側中間片1e(下側中間片1h)のそれぞれの形状が形成されるとともに、上側中間片1e(下側中間片1h)に備わる凸部4、4が、上側穿孔5a(下側穿孔5b)に挿通されようとする段階に至る。さらに、ロール成形の連続する流れの中で、凸部4、4は穿孔5、5に挿通されるとともに、凸部4、4の先端側が、前部片1aの前面側に係止されるよう折り曲げられて、すなわち、曲げかしめられて、所要の閉断面形状を備える管状構造体が形成される。その後、製品長に切断することでバンパービーム1が完成される。なお、バンパービーム1は、その全体形状が、左右に真直ぐに延びて形成されるのではなく、例えば、図11で示すように、アール曲げ加工を施して湾曲するようにしても構わない。こうして、バンパービーム1は、ロール成形の連続的な製造ラインで製造することができるとともに、ロール成形工程の後に従来必要とされていた溶接工程を省略することができるので、製造コストの低廉化および製造に要する時間の短縮化等が達成されて生産性が向上するようになる。もっとも、バンパービーム1の製造方法は、使用目的その他の諸般の事情により、ロール成形によらなくとも、例えば、プレス成形であっても構わない。プレス成形によっても、溶接工程を省略してバンパービーム1が製造できることに変わりはない。
【0023】
また、図10は、この発明に係る自動車用バンパービームの第二および第三の実施の形態に示されるバンパーバーム1をロール成形によって製造するための基板6を示す。この基板6は、基板本体6aの両側端側のそれぞれにおいて一定の間隔を置いて繰り返し形成されるとともに、基板本体6aの幅方向の中心に対して対称位置するように形成される複数の凹部3、3および凸部4、4と、基板本体6aの幅方向のほぼ中央において長手方向に沿って一列に形成される長孔状の複数の穿孔5、5とを備える。そして、この基板6がロール成形によって幅方向にて順次折り曲げられると、前記対称位置する関係にある、両側端側のそれぞれの凸部4、4は、同一の穿孔5、5に挿通されることとなり、したがって、この場合の穿孔5、5が共有穿孔5c、5cとなる。なお、第二および第三の実施の形態に示されるバンパーバーム1は、ロール成形によって折り曲げられて行くときの仕様態様は異なるが、同一形状の基板6から製造できるという特徴がある。
【0024】
なお、この発明は、上述した実施の形態に限定されるわけではなく、その他種々の変更が可能である。例えば、第一の実施の形態における凸部4、4の先端側は、図示実施の形態の場合だと、上側中間片1eに備わる凸部4、4の先端側を上側に向けて折り曲げるとともに、下側中間片1hに備わる凸部4、4の先端側を下側に向けて折り曲げているが、これとは逆に、上側中間片1eに備わる凸部4、4の先端側を下側に向けて折り曲げ、また、下側中間片1hに備わる凸部4、4の先端側を上側に向けて折り曲げてもよい。
【0025】
また、第一の実施の形態における穿孔5、5は、上側穿孔5a、5aのほぼ真下に下側穿孔5b、5bが位置する、すなわち、下側穿孔5b、5bのほぼ真上に上側穿孔5a、5aが位置するよう、上下方向に整列させて設けても構わない。また、第一の実施の形態における前部片1aは、上側段部1jおよび下側段部1kを備えていなくてもよい。もっとも、上側段部1jおよび下側段部1kを備える場合には、これら段部1j、1kと中間部1rとで形成される窪みに、折り曲げられた凸部4、4の先端側を収容することが可能となる。
【0026】
また、第一および第三の実施の形態における上側中間片1eと下側中間片1hとは、必ずしも、前方に向かうにつれて互いに近づく縦断面テーパー状となるように形成されていなくてもよく、互いに平行位置しつつ前部片1aの後面または中間連繋片1pとほぼ直角状につながるように形成されていてもよい。これに対し、第二の実施の形態における上側中間片1eと下側中間片1hとは、前部片1aの後面とほぼ直角状につながるように形成されていなくてもよく、前方に向かうにつれて互いに近づく縦断面テーパー状となるように形成されていても構わない。なお、自動車が衝突したときに、上側中間片1eと下側中間片1hとが前方に向かうにつれて互いに近づく縦断面テーパー状となるように形成されている場合には、上側中間片1eと下側中間片1hとが互いに干渉し合うのを防止して、衝突した際の衝突エネルギーの吸収が良好となり、一方、上側中間片1eと下側中間片1hとが前部片1aの後面あるいは中間連繋片1pとほぼ直角状につながるように形成されている場合には、構造上の剛性が高められて衝突した際に座屈が生じるのを避けることができる。
【0027】
また、第三の実施の形態において、上側前部片1mに備わる凸部4、4と下側線部片1nに備わる凸部4、4とは、それぞれ別々の穿孔5、5に挿通されるように、中間連繋片1pに設けられる穿孔5、5は、上側前部片1mに備わる凸部4、4が挿通される上側穿孔5a、5aと、下側前部片1nに備わる凸部4、4が挿通される、上側穿孔5a、5aとは独立した下側穿孔5b、5bとからなるものであってもよい。さらに、バンパービーム1は、折り曲げられた凸部4、4の先端側とその先端側を係止する相手部材側との間において一層確実に接合されるように、あえて溶接を施しても構わない。
【0028】
【発明の効果】
以上、詳述したところから明らかなように、この発明に係る自動車用バンパービームによれば、次の効果がある。
【0029】
請求項1ないし5に記載された自動車用バンパービームによれば、長手方向に直交する断面形状が上下二つに分割された閉断面形状となる管状構造体として形成されているので、自動車が衝突したときの衝撃を分散ないし吸収する、すなわち、耐衝撃性を有することができる。そして、かかる管状構造体が、溶接工程を要せずに形成されるので、製造コストが低廉となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係る自動車用バンパービームの第一の実施の形態の、斜視図である。
【図2】同じく、上側中間片に備わる凸部が上側穿孔に挿通された状態を示す部分における拡大断面図である。
【図3】同じく、下側中間片に備わる凸部が下側穿孔に挿通された状態を示す部分における拡大断面図である。
【図4】この発明に係る自動車用バンパービームの第二の実施の形態の、上側中間片に備わる凸部および下側中間片に備わる凸部が前部片に設けられた共有穿孔に挿通された状態を示す部分における拡大断面図である。
【図5】同じく、上側中間片に備わる凹部および下側中間片に備わる凹部が前部片の後面側に当接ないし近接位置する状態を示す部分における拡大断面図である。
【図6】この発明に係る自動車用バンパービームの第三の実施の形態の、上側前部片に備わる凸部および下側前部片に備わる凸部が中間連繋片に設けられた共有穿孔に挿通された状態を示す部分における拡大断面図である。
【図7】同じく、上側前部片に備わる凹部および下側前部片に備わる凹部が互いに向き合って近接位置する状態を示す部分における拡大断面図である。
【図8】前記第一の実施の形態に示されるバンパービームをロール成形によって製造するときに使用する基板の平面図である。
【図9】前記第一の実施の形態に示されるバンパービームをロール成形によって製造するときの途中段階を示す要部拡大斜視図である。
【図10】前記第二の実施の形態および第三の実施の形態に示されるバンパービームをロール成形によって製造するときに使用する基板の平面図である。
【図11】この発明に係る自動車用バンパービームの全体形状が湾曲した態様の平面図である。
【図12】従来の自動車用バンパービームを示す拡大断面図である。
【符号の説明】
1 バンパービーム(自動車用バンパービーム)
1a 前部片 1b 上部体
1c 下部体 1d 上部片
1e 上側中間片 1f 上側連繋片
1g 下部片 1h 下側中間片
1i 下側連繋片 1m 上側前部片
1n 下側前部片 1p 中間連繋片
3 凹部 4 凸部
5 穿孔 5a 上側穿孔
5b 下側穿孔 5c 共有穿孔

Claims (6)

  1. 自動車の正面側または背面側に取り付けられて、左右に長手となるバンパービームであって、
    前面を形成する前部片と、
    前記前部片の上部側から後方に延びる上部体と、
    前記前部片の下部側から後方に延びる下部体とを備え、
    前記上部体は、上面を形成するとともに前記前部片の上端部につながる上部片と、その上部片の下方に位置してその上部片に対向位置する上側中間片と、前記上部片の後端部と前記上側中間片の後端部とを連繋する上側連繋片とを有し、
    前記下部体は、下面を形成するとともに前記前部片の下端部につながる下部片と、その下部片の上方に位置してその下部片に対向位置する下側中間片と、前記下部片の後端部と前記下側中間片の後端部とを連繋する下側連繋片とを有し、
    前記上側中間片の前端および前記下側中間片の前端のそれぞれには、凹部と凸部とが繰り返し形成されるとともに、前記前部片には、前記凸部が挿通される穿孔が設けられ、かつ、前記凸部の先端側は、前記前部片の前面側に係止されるよう折り曲げられていることを特徴とする自動車用バンパービーム。
  2. 前記穿孔は、前記上側中間片に備わる凸部が挿通される上側穿孔と、前記下側中間片に備わる凸部が挿通される、前記上側穿孔とは独立した下側穿孔とからなることを特徴とする請求項1に記載の自動車用バンパービーム。
  3. 前記上側穿孔および下側穿孔は、前記前部片の長手方向に沿って互い違いに位置するよう設けられるとともに、前記長手方向の任意の位置における、この長手方向と直交する断面には、少なくとも、前記上側穿孔および下側穿孔のいずれか一方が配されていることを特徴とする請求項2に記載の自動車用バンパービーム。
  4. 前記穿孔は、前記上側中間片に備わる凸部と前記下側中間片に備わる凸部とが共に挿通される共有穿孔からなることを特徴とする請求項1に記載の自動車用バンパービーム。
  5. 自動車の正面側または背面側に取り付けられて、左右に長手となるバンパービームであって、
    上部側を形成する上側前部片と下部側を形成する下側前部片とからなる前部片と、
    前記上側前部片の後方に延びる上部体と、
    前記下側前部片の後方に延びる下部体と、
    前記上部体と前記下部体とを連繋する中間連繋片とを備え、
    前記上部体は、上面を形成するとともに前記上側前部片の上端部につながる上部片と、その上部片の下方に位置してその上部片に対向位置するとともに、前端部にて前記中間連繋片の上端部につながる上側中間片と、前記上部片の後端部と前記上側中間片の後端部とを連繋する上側連繋片とを有し、
    前記下部体は、下面を形成するとともに前記下側前部片の下端部につながる下部片と、その下部片の上方に位置してその下部片に対向位置するとともに、前端部にて前記中間連繋片の下端部につながる下側中間片と、前記下部片の後端部と前記下側中間片の後端部とを連繋する下側連繋片とを有し、
    前記上側前部片の下端および前記下側前部片の上端のそれぞれには、凹部と凸部とが繰り返し形成されるとともに、前記中間連繋片には、前記凸部が挿通される穿孔が設けられ、かつ、前記凸部の先端側は、前記中間連繋片の後面側に係止されるよう折り曲げられていることを特徴とする自動車用バンパービーム。
  6. 前記穿孔は、前記上側前部片に備わる凸部と前記下側前部片に備わる凸部とが共に挿通される共有穿孔からなることを特徴とする請求項5に記載の自動車用バンパービーム。
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