JP4404430B2 - 建築物装飾材の取付方法および該取付装置 - Google Patents

建築物装飾材の取付方法および該取付装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、建築物装飾材の取付装置、取付方法及び取付構造に関し、詳しくは、建築物の壁、床、天井等に石材等を取り付けるための取付装置および取付方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、建築物の壁に石材を取り付ける場合、下地となるコンクリート壁にかすがいの一端を埋設し、かすがいの他端と石材に備えただぼとを引金物でつなぎ合わせて、石材を固定する。このとき、石材にだぼが入る穴を開け、石材と石材をだぼを用いて連結しておく。そして、石材と下地との間にモルタルを充填する。上記の工法を総とろ工法と呼ぶ。
【0003】
この総とろ工法は、石材がモルタルの圧力で動かないように数回に分けてモルタルを充填するので、工期が長くなる。そして、施工の後に雨などによって、モルタル部に水が浸透して、エフロレセンス(風解)が発生しやすくなる。更に、モルタルを数回に分けて充填するので、モルタルを充填するときに、モルタルを石材表面にこぼしてしまい、石材表面を汚してしまう可能性が高くなる。
【0004】
また、下地であるコンクリート壁に設置したかすがいと石材に設置しただぼを引き金物でつなぎ合わせ、且つ、石材と石材とをだぼを用いて連結した後に、石材と下地の間において水平方向の目地部分の上下10cm程度にモルタルを充填し、他は空洞にする帯とろ工法がある。しかし、この帯とろ工法もモルタルが硬化するまで上段の石材を積めず、工期が長くなる。また、エフロレセンスが発生しやすい。更に、モルタルを充填するので、モルタルを充填するときに、モルタルを石材表面にこぼしてしまい、石材表面を汚してしまう可能性が高くなる。
【0005】
一方、モルタルによって石材の表面を汚さないために、モルタルを使わない乾式工法がある。この乾式工法は、下地に金物(アングル,プレート)を設置する。そして、垂直方向または水平方向の目地部分で、下地に設置した金物によって石材の荷重を受け、且つ、だぼで石材と石材を連結させる工法である。モルタルを使用しないので、上述した石材表面の汚れ、及び、エフロレセンスの発生を防ぐことが可能である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上述した乾式工法では、垂直方向または水平方向の目地部分で金物によって石材の荷重を受け、且つ、上下または左右の石材をだぼで連結するので、目地の隙間から金物又はだぼが見え、美観を損ねる。また、だぼによって石材と石材をつなぎ合わせるので、石材の割付に際して矩形の石材を用いなければならない制約を持っている。その上、何らかの事情で一部の石材を撤去し、且つ、撤去した石材に換えて新しい石材を設置するとき、新設当初の乾式工法で施工すると、だぼによって石材と石材をつなぎ合わせているので、だぼでつながっている石材を全て撤去し、新設しなくてはならない。また、下段に設置された石材を撤去し、且つ、撤去した石材に換えて新しい石材を設置する場合、上段の石材を全て撤去しなくてはならない。従って、一部の石材を撤去するのに多大の労力及び時間が必要となる。
【0007】
そこで、本発明者は上述した課題を解決するために、鋭意検討をした結果、本発明をするに至ったのである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の建築物装飾材の取付方法の要旨は、所定の固定具により複数の建築物装飾材をそれぞれ独立して建築物の下地に取り付けて、該建築物装飾材を所定方向に配列することを特徴とする。なお、上記固定具は、上記建築物装飾材又は上記下地に取り付けられた棒状体と、該下地又は該建築物装飾材に取り付けられ、該棒状体が入るケース状体を含む。また、上記棒状体はボルトを含む。上記固定具は、直接又は間接的に上記建築物装飾材及び上記下地に取り付けられる。
【0009】
更に、上記ケース状体に上記棒状体及び固化部材を入れる工程を含み、前記固化部材はコンクリート又は樹脂性接着材を含む。なお、コンクリートはモルタルを含む。また、上記ケース状体に上記棒状体及び上記固化部材を入れる順番は、該棒状体を入れた後に該固化部材を入れるが、該固化部材を該ケース状体に入れ、該固化部材が固化する前に該棒状体を入れることも可能である。
【0010】
上記ケース状体の内底にナットを溶着し、該ナットに上記ボルトを螺合した後に、該ケース状体の中に上記固化部材を注入することもできる。また、該ケース状体の代わりにナットを使用し、該ナットに上記ボルトを螺合することによって、上記建築物装飾材を上記建築物の下地に固定することも可能である。
【0011】
上記建築物装飾材は、建築物に取り付ける石材を含む。更に、上記建築物の下地は、建築物の壁、床及び天井の下地となるコンクリートを含む。また、その他の場所で下地にコンクリートを使用した場合、このコンクリートも上記建築物の下地とする。
【0012】
本発明の建築物装飾材の取付装置の要旨は、複数の建築物装飾材を建築物の下地に対して所定方向に配列するための建築物装飾材の取付装置であって、該建築物装飾材をそれぞれ独立して該下地に取り付ける所定の固定具を備えたことを特徴とする。なお、上記所定の固定具が、上記建築物装飾材又は上記下地に取り付けられた棒状体と、該建築物装飾材又は該下地に取り付けられ、該棒状体が入るケース状体とを含む。また、上記棒状体はボルトを含む。
【0013】
上記所定の固定具は、前記建築物装飾材に開けられた複数の穴に入れられて該建築物装飾材の所定部分を挾持する挿入部材を備えている。上記挿入部材はピン状の物を含む。また、上記挿入部材の数は任意である。上記建築物装飾材に開けられた複数の穴は、該建築物装飾材の表面に対して斜め方向に穴が開けられている。
【0014】
1つの建築物装飾材において、使用する上記所定の固定具の数は限定されず、1つ又は複数個の該所定の固定具によって1つの建築物装飾材を建築物の下地に固定する。
【0015】
建築物装飾材の取付構造の要旨は、建築物の下地及び建築物装飾材にそれぞれ設置した所定の固定具によって、それぞれの該建築物装飾材が独立し、且つ、複数の該建築物装飾材が所定方向に配列して該建築物の下地に取り付けられていることを特徴とする。上記建築物装飾材は独立して上記建築物の下地に取り付けられるので、上記建築物装飾材の形状に制約はなく、任意の形状が使用できる。
【0016】
【発明の実施形態】
次に、本発明に係る建築物装飾材の取付方法および取付装置の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0017】
本発明の建築物装飾材の取付装置10を図1及び図2に示す。棒状体である調節ボルト12及びケース状体であるケース28が使用されている。また、建築物装飾材である石材42の所定部分を挾持するために、挿入部材であるピン20,21が使用されている。
【0018】
下地であるコンクリート躯体44にホールインアンカー36を打ち込み、ホールインアンカー36をコンクリート躯体44に固定する。その後、ホールインアンカー36に長ねじボルト38を螺合する。次に、断面L字型の躯体側荷重受金物30に、ホールインアンカー36に螺合された長ねじボルト38が通る穴及び角根ボルト32が通る穴をそれぞれ所定位置に開ける。躯体側荷重受金物30に開けられた長ねじボルト38が通る穴に、ホールインアンカー36に螺合された長ねじボルト38を通す。長ねじボルト38にナット40を螺合して、躯体側荷重受金物30を図1のようにしてコンクリート躯体44に固定する。そして、躯体側荷重受金物30に開けられた角根ボルト32が通る穴とケース28に備えられた穴に角根ボルト32を通し、角根ボルト32にナット34を螺合して、図1,図2に示すように、躯体側荷重受金物30にケース28を取り付ける。なお、躯体側荷重受金物30にケース28を取り付けた後で、躯体側荷重受金物30をコンクリート躯体44に取り付けてもよい。
【0019】
第1ベース金物16及び第2ベース金物18にはそれぞれ挿入部材であるピン20,21を溶着し、ピン20,21が入る穴17,19を石材42に開ける。このとき、ピン20,21はそれぞれ第1ベース金物16及び第2ベース金物18に対して鋭角、例えば45°の角度を付けて溶着する。ピン20とピン21は、両方が向き合う方向に傾斜している。なお、1つの取付装置10において使用するピンの本数は、4本のピンを使用しているが、石材42と第1ベース金物16及び第2ベース金物18における取付強度が弱い場合は、任意にピンの本数を増やし、石材42に開ける穴もピンの本数にあわせて増やすことができる。また、ピン以外に、爪状の物等を使用し、その形状にあわせて石材に穴を開けることが可能である。
【0020】
更に、第1ベース金物16にはボルト22に合うナット24を溶着しておき、第2ベース金物18には第1ベース金物16に溶着したナット24が貫通できる穴を上下方向にルーズに開けておく。これは、ピン20,21が第1ベース金物16及び第2ベース金物18に対して鋭角に角度が付けられているので、ナット24が貫通できる穴を上下方向にルーズに開けておかないと、ピン20,21が石材42の穴17,19に入らないからである。更に、石材側荷重受金物14にも第1ベース金物16に溶着したナット24が貫通できる穴を開けておく。また、第1ベース金物16に溶着されたナット24の下部に、ボルト22のネジ山に合うネジの谷を設けることも可能である。ナット24の高さが高く、石材側荷重受金物14を装着したときに、ナット24がはみだすのならば、第1ベース金物16にナット24の対角距離と同じ長さの直径を持った円形の穴を開け、該穴にナット24を入れ、第1ベース金物16にナット24を溶着することも可能である。
【0021】
石材42に開けた穴17,19に第1ベース金物16及び第2ベース金物18にそれぞれ溶着したピン20,21を入れて、図1に示すようにピン20,21で石材42の所定部分を挾持する。上記の石材42の所定部分は、石材42に開けられた穴17と穴19の間の部分である。その後、第1ベース金物16に溶着されたナット24にボルト22を螺合することによって、第1ベース金物16及び第2ベース金物18及び石材側荷重受金物14を石材42に固定する。
【0022】
石材側荷重受金物14に上下調節ボルト12が通る穴を所定位置に開け、穴の一端に上下調節ボルト12に合うナット26を溶着しておく。図1に示すように、上下調節ボルト12を石材側荷重受金物14に取り付けた後、上下調節ボルト12の先端をケース28の中に入れる。そして、上下調節ボルト12を回動及びケース内部での位置を調節することにより、石材42を所定の位置に調節する。
【0023】
上記の工程だけでは、ケース28の内部に上下調節ボルト12が入っているだけなので、石材42に振動を与えると石材42の位置がずれたり、石材42が外れたりする。従って、石材42を所定の位置に調節後、ケース28の内部空間に無収縮モルタルを注入して、上下調節ボルト12とケース28を固定する。また、無収縮モルタル以外に樹脂性接着剤等を使用して、上下調節ボルト12とケース28を固定することも可能である。
【0024】
上記の工程及び取付装置によって、石材42を下地であるコンクリート躯体44に取り付けることが可能になった。なお、上記の取付装置10は、1石材において複数の装置を取り付けることによって、取付強度が増加する。一例として、図5に示すように、1石材において3個の取付装置を取り付けているが、石材の大きさ等によって、図6に示すように、取付装置の数を4個に増やすなど、取付装置の数は任意に変更が可能である。更に、取付装置を取り付ける位置72も任意に変更が可能である。また、石材42の上段に取り付けた取付装置10のケース28に無収縮モルタルを注入することによって、石材42が固定されるならば、下部に取り付けた取付装置10のケース28に、無収縮モルタルを注入しなくてもよい。更に、下段に取り付ける取付装置に変更して、図7に示すような、コの字型板46をコンクリート躯体44に取り付けて、石材42とコンクリート躯体44の位置を平行にし易くすることも可能である。
【0025】
そして、上記の取付装置及び工程を複数の石材において行なうこうとによって、図5,図6に示すように、壁を石材で装飾することができる。このとき、各石材をだぼによってつなぎ合わせる必要は無く、各石材が独立した状態で図5,図6に示したような設置ができる。
【0026】
以上のように、各石材が独立しているので、何らかの理由で1つの石材を撤去し、更に撤去した石材に換えて新しい石材を設置する場合、撤去したい石材だけを工事することができる。また、一番外側に配置された石材42等、一部の石材42においては、ボルト22をはずすことによって、石材側荷重受金物14から石材42がはずれる。そして、新しい石材に第1ベース金物16及び第2ベース金物18を取り付けて、ボルト22をナット24に螺合することによって、新しい石材が取り付けられる。また、ナット40をはずすことによって、石材42をコンクリート躯体44から取り外すことも可能である。そして、ボルト22をはずして石材42を石材側荷重受金物14から取り外したあと、新しい石材に第1ベース金物16及び第2ベース金物18を取り付けて、ボルト22をナット24に螺合し、更に、躯体側荷重受金物30に長ねじボルト38を通し、ナット40を螺合することによって、新しい石材が取り付けられる。
【0027】
また、図5,図6に示した矩形の石材以外にも、任意の形状をした石材においても取り付けることが可能である。一例として、図8に示すような菱形の石材や、図9に示すような曲線形状を有する石材を取り付けることが可能である。また、ケース28での調節ボルト12の位置を調節することのよって、それぞれの石材が、コンクリート躯体44に対して前後方向に段差を持たせることが可能である。
【0028】
更に、だぼによって石材を連結することがないので、目地の隙間からだぼが見えて美観を損ねることはない。その上、各石材が独立しているので、数回に分けて無収縮モルタルを注入することがなく、短期間に工事が完了する。使用する無収縮モルタルは、ケース28に入れる量が必要になるだけなので、総とろ工法や帯とろ工法に比べて、無収縮モルタルの使用量を減らすことができる。
【0029】
石材42と石材42の隙間である目地にシーリングを行なわないのであるならば、図10に示す石材の上面図のように、石材42の表面に雨等が降りかかっても、石材42の裏面に雨等が入り込まないようにする。図10のようにすると、完全に建築物装飾材の取付装置10が、目地から見えない。
【0030】
本発明に係る建築物装飾材の取付装置を、天井等の吊り物に使用する場合の実施形態を図3に示す。ホールインアンカー52を下地になるコンクリート躯体44に打ち込み、ホールインアンカー52をコンクリート躯体44に固定する。その後、ホールインアンカー52に長ねじボルト54を螺合する。更に、長ねじボルト54にロックナット56を螺合するが、この段階ではロックナット56は緩めておく。
【0031】
第1ベース金物16及び第2ベース金物18には、図3に示すように第1ベース金物16及び第2ベース金物18に対して鋭角、例えば45°の角度でそれぞれピン20,21を溶着しておく。更に、第1ベース金物16にボルト22にあうナット24を溶着し、第2ベース金物18にはナット24及びボルト22が通る穴を開けておく。なお、第1ベース金物16に溶着されたナット24の下部に、ボルト22のネジ山にあうネジの谷を設けることも可能である。また、第1ベース金物16にナット24の対角距離に等しい長さの直径を有する円形の穴を開け、該穴にナット24を入れ、ナット24を第1ベース金物16に溶着することも可能である。
【0032】
石材42には第1ベース金物16及び第2ベース金物18にそれぞれ溶着されたピン20,21が入る穴17,19を設けておく。そして、ピン20,21を石材42に開けられた穴17,19に入れて、図3に示すようにピン20,21で石材42の所定部分を挾持する。その後、ケース28に設置されたボルト22が通る穴及び第2ベース金物18に開けられた穴にボルト22を通し、第1ベース金物16に溶着したナット24にボルト22を螺合することによって、ケース28を第2ベース金物18に固定する。
【0033】
石材42を所定の位置に配置し、長ねじボルト54が充分にケース28の中に入るように長ねじボルト54を回動させて調整する。そして、緩めておいたロックナット56を図3に示す位置で固定する。ロックナット56を図3に示す位置で固定することによって、長ねじボルト54がホールインアンカー52から弛んで、落下するのを防止する。最後に、ケース28の内部空間に無収縮モルタル等を注入して、石材42を図3に示す所定位置に置き、無収縮モルタル等の定着力でケース28と長ねじボルト54を固定する。
【0034】
また、1石材において上記の工程及び取付装置だけでは、石材42が不安定であるならば、1石材に複数の取付装置50を使用することによって、安定して天井に石材42を取り付けられる。更に、複数個の石材を上記工程及び取付装置によって天井に取り付けることによって、天井を装飾することができる。
【0035】
本発明に係る建築物装飾材の取付装置を、床面に使用する場合の実施形態を図4に示す。床面の下地となるコンクリート躯体44にホールインアンカー36を打ち込み、ホールインアンカー36をコンクリート躯体44に固定する。その後、ホールインアンカー36に長ねじボルト38を螺合する。そして、躯体側荷重受金物62に長ねじボルト38が通る穴及び角根ボルト32が通る穴を開ける。長ねじボルト38を上記の躯体側荷重受金物62に開けられた長ねじボルト38が通る穴に通し、長ねじボルト38にナット40を螺合して躯体側荷重受金物62をコンクリート躯体44に固定する。更に、ケース28に設けられた角根ボルト32が通る穴と躯体側荷重受金物62に設けられた角根ボルト32が通る穴に、角根ボルト32を通して、角根ボルト32にあうナット34を螺合する。上記の工程によって、躯体側荷重受金物62にケース28が固定される。
【0036】
第1ベース金物16及び第2ベース金物18には、ピン20,21を第1ベース金物16及び第2ベース金物18に対して鋭角、例えば45°の角度で溶着する。石材42には、ピン20,21が入る穴17,19を開ける。また、第1ベース金物16に長ねじボルト64が合うナット66の対角距離に等しい長さの直径を有する円形の穴を開ける。そして、ナット66を該穴に入れ、第1ベース金物16にナット66を溶着する。第2ベース金物18には、ナット66が通る穴をルーズに開けておく。更に、使用するナット66の高さが低い場合、第1ベース金物16上にナット66を溶着することが可能である。
【0037】
石材42に開けられた穴17,19に、第1ベース金物16及び第2ベース金物18に溶着されたピン20,21を入れて、図4に示すように、ピン20,21で石材42の所定部分を挾持する。第1ベース金物16に取り付けられたナット66に長ねじボルト64を螺合することによって、第1ベース金物16及び第2ベース金物18を石材42に固定する。更に、長ねじボルト64にロックナット68を螺合して、図4に示す位置で固定することによって、長ねじボルト64が弛まないようにする。また、第1ベース金物16及び第2ベース金物18が固定されないのならば、長ねじボルト64が通る穴を持った板を用いて、その穴に長ねじボルト64を通し、第2ベース金物18とロックナット68の間にその板を入れることによって固定する。
【0038】
そして、ケース28の中に無収縮モルタルを注入後、無収縮モルタルが固化する前に長ねじボルト64をケース28の中に入れる。その後、無収縮モルタルが固化すれば、コンクリート躯体44に石材42が取り付けられる。
【0039】
また、1石材において上記の取付装置60を1つ取り付けただけでは、石材42が不安定であるので、石材42の大きさ等にあわせて複数個の取付装置60を取り付けるのが望ましい。また、複数の石材を上記の工程及び取付装置60によって床面に取り付けることによって、床面を石材で装飾することが可能である。
【0040】
本発明に係る建築物装飾材の取付方法及び取付装置について、上記に建築物の下地に石材を設置する実施形態を記したが、本発明は上記の実施形態に限定されるものではない。
【0041】
一例として、図11に躯体側荷重受金物や石材側荷重受金物等を使用しない建築物装飾材の取付装置90を示す。建築物の下地であるコンクリート躯体44にホールインアンカー36を打ち込み、コンクリート躯体44に固定する。長ねじボルト38をホールインアンカー36に螺合する。ケース94に長ねじボルト38が通る穴を開け、この長ねじボルト38が通る穴に長ねじボルト38を通して、長ねじボルト38にナット40を螺合する。以上の工程によって、ケース94がコンクリート躯体44に固定される。
【0042】
石材42にはL字型棒92が入る穴を開けて、L字型棒92を図9のように石材42に差し込む。L字型棒92が石材42に開けた穴からはずれてしまうのならば、接着剤等で固定する。L字型棒92をケース94の中に入れて、その後、無収縮モルタルをケース94の中に入れる。無収縮モルタルが固化すると、石材42がコンクリート躯体44に固定される。
【0043】
図5,図6に示すように、上記の取付装置90を1石材において複数個取り付けることによって、石材の取付強度が増す。また、複数の石材を上記の工程及び取付装置90によって下地に取り付けることによって、建築物の壁を石材で装飾することが可能である。
【0044】
上述した実施形態は、全て石材において実施されているが、石材以外のタイル、セラミック、木材等においても応用が可能である。
【0045】
以上、本発明に係る建築物装飾材の取付方法及び取付装置について、図面に基づいて説明したが、上記の実施形態に限定されるものではない。その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で、当業者の知識に基づき種々なる改良、修正、変形を加えた態様で実施し得るものである。
【0046】
【発明の効果】
本発明に係る建築物装飾材の取付方法は、各石材を独立して下地であるコンクリート躯体に取り付けることによって、石材の取付工期の短縮が可能になった。更に、建築物装飾材の取付構造は、各石材が独立しているので、ある石材を取り外し、且つ、取り外した石材に替えて新しい石材を取り付ける場合に、他の石材を取り外すことなく工事が可能である。
【0047】
本発明に係る建築物装飾材の取付装置はだぼを使用せず、石材と石材をだぼで連結することがないので、目地からだぼが見えて美観を損ねることはない。また、本発明の取付装置が、目地から見えないように石材と建築物の下地に取り付ければ、美観を損ねることはない。
【0048】
本発明に係る建築物装飾材の取付装置において、使用する固化部材であるコンクリート(無収縮モルタル等)は、ケースに入れる量だけが必要であり、総とろ工法及び帯とろ工法に比べて使用するコンクリートの量が少なく、経済的である。
【0049】
本発明に係る建築物装飾材の取付装置は、建築物の下地に取り付けられる部材と石材に取り付けられる部材とに分かれているので、石材に取り付けられた部材又は建築物の下地に取り付けられた部材を取り外すことによって、建築物の下地から石材を取り外すことができる。また、取り外した石材に換えて、新しい石材を取り付けるときに、新しい石材に上記の石材に取り付けられた部材を取り付けることによって、ただちに新しい石材を建築物の下地に取り付けることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る建築物装飾材の取付装置の1実施形態を示す図である。
【図2】図1における建築物装飾材の取付装置の上面図である。
【図3】天井等の吊り物における本発明の建築物装飾材の取付装置の図である。
【図4】床における本発明の建築物装飾材の取付装置の図である。
【図5】複数の石材を下地の上に配列させたときの一例を示す図である。
【図6】複数の石材を下地の上に配列させ、1石材において4個の取付け装置を使用した図である。
【図7】本発明の建築物装飾材の取付装置とコの字型板を使用したときの図である。
【図8】菱形の石材を複数こ使用して、下地の上に配列させたときの一例を示す図である。
【図9】曲線形状を持った石材を複数使用して、下地の上に配列させたときの一例を示す図である。
【図10】石材の上面図であり、(a)は目地が段差を有し、(b)は目地がV字型であり、(c)は目地が斜め形状である。
【図11】他の実施例であり、ケースを直接コンクリート躯体に取り付けた場合の図である。
【符号の説明】
10,50,60,90:建築物装飾材の取付装置(所定の固定具)
12:調節ボルト(棒状体)
14:石材側荷重受金物
16:第1ベース金物(板状体)
17,19:ピンが入る穴
18:第2ベース金物(板状体)
20,21:ピン(挿入部材)
22:ボルト
23,67:空間
24,26,34,40,66:ナット
25,35,41:座金
28,94:ケース
30,62:躯体側荷重受金物
32:角根ボルト
36,52:ホールインアンカー
38,54,64:長ねじボルト
42:石材(建築物装飾材)
44:コンクリート躯体(建築物の下地)
46:コの字型板
56,68:ロックナット
72:取付装置の取付位置
92:L字型棒

Claims (4)

  1. 所定の固定具により複数の建築物装飾材をそれぞれ独立して建築物の下地に取り付けて、該建築物装飾材を所定方向に配列することを特徴とした建築物装飾材の取付方法であって、
    前記所定の固定具が、
    前記建築物装飾材に取り付けられ、穴が開けられ、該穴の一端にナットが設けられた石材側荷重受金物と、
    前記穴を通過し、ナットに螺合されたボルトと、
    前記建築物の下地に取り付けられた躯体側荷重受金物と、
    前記躯体側荷重受金物に底が取り付けられたケースと、
    を備え、
    前記ボルトの先端をケースの中に入れ、ボルトを回動およびケース内部での位置を調節して建築物装飾材を所定の位置に調節する工程と、
    前記調節する工程の後、ケースの内部空間に固化部材を注入する工程と、
    を含む建築物装飾材の取付方法。
  2. 前記固化部材がコンクリートである請求項記載の建築物装飾材の取付方法。
  3. 複数の建築物装飾材を建築物の下地に対して所定方向に配列し、該建築物装飾材をそれぞれ独立して該下地に取り付け、該建築物装飾材を所定の位置に調節する所定の固定具を備えたことを特徴とする建築物装飾材の取付装置であって、
    前記所定の固定具が、
    前記建築物装飾材に取り付けられ、穴が開けられ、該穴の一端にナットが設けられた石材側荷重受金物と、
    前記穴を通過し、前記ナットに螺合されて回動されるボルトと、
    前記建築物の下地に取り付けられた躯体側荷重受金物と、
    前記躯体側荷重受金物に底が取り付けられ、前記ボルトの先端が入れられて内部で該ボルトの位置が調節されるケースと、
    前記ボルトの位置を調節後、ケースの内部空間に注入される固化部材と、
    を備える建築物装飾材の取付装置。
  4. 前記所定の固定具の石材側荷重受金物が、前記建築物装飾材に開けられた複数の穴に入れて、該建築物装飾材の所定部分を挾持する挿入部材を備えた請求項記載の建築物装飾材の取付装置。
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