JP4402407B2 - エレベーターの制御装置 - Google Patents

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この発明は、乗場に対するかごの停止位置が所定着床誤差範囲外であるときに、かごを所定着床誤差範囲内へ床合わせ運転するエレベーターの制御装置に関する。
従来のエレベーターの制御装置は、かごが停止するときに速度指令を補正してかご内負荷及び目的階の昇降路における位置に応じて、かごの着床目標位置を階床レベルより上下に補正する。すなわち、かご内負荷が全負荷の場合は階床レベルより下方に、無負荷の場合は階床レベルより上方に補正するように構成されている。
上記のように構成されたエレベーターの制御装置において、着床後のかご内の負荷変動に伴って発生するかご位置の変化により、かご位置検出器によって検出される着床誤差範囲外れに対し、再床合わせ運転を行う頻度が減少する。これにより、エレベーターの制御装置の省エネルギー化作用及び長寿命化作用を得ることができる。(例えば、特許文献1参照)
特開平6−144724号公報(第3頁、図1)
従来のエレベーターの制御装置では、予めかごの着床後の負荷変動を考慮して着床位置を制御するために、着床後にかご内負荷に変動がない場合にはかごが着床誤差範囲内に停止するものの着床ずれが発生する。また、乗客の乗降による負荷変動が予想外に少なかった場合には前述の着床ずれが継続して発生することになり、着床誤差を少なくする作用が減殺されるという問題点があった。
この発明は、かかる問題点を解消するためになされたものであり、かごを着床誤差範囲内に停止させると共に、乗場に対する所定着床誤差範囲内にかごが停止した後のかご内負荷変動による無用な床合わせ運転を排除するエレベーターの制御装置を得ることを目的とする。
この発明に係るエレベーターの制御装置においては、エレベーターの昇降路に設けられた乗場に対するかごの停止位置が所定着床誤差範囲外であるときに動作するかご停止位置検出手段と、上記かご枠内に配置され、上記かご枠との位置関係が負荷量に応じて相対的に変動するかご室と、上記かごの負荷量を検出するかご内負荷量検出手段と、上記かご停止位置検出手段の動作によって付勢され、停止した上記かごを上記乗場に対する上記所定着床誤差範囲内へ床合わせ運転する床合わせ運転手段と、上記かご内負荷量検出手段の出力に応じて、上記かご室のかご床と上記乗場との高さを合わせるように上記かご枠の目標着床停止位置を設定する設定手段と、上記かごの停止指令によって上記エレベーターの駆動機を制御し、上記かごの停止動作を上記目標着床停止位置に対して調整する着床停止位置調節手段と、上記かご内負荷量検出手段の検出値が軽負荷であるときに上記所定着床誤差範囲を上記乗場に対して下方側に遷移し、上記かご内負荷量検出手段の検出値が重負荷であるときに上記所定着床誤差範囲を上記乗場に対して上方側に遷移して、上記かごの上記所定着床誤差範囲内停止後における上記かご内負荷変動による上記床合わせ運転手段の作動を阻止する制御装置とが設けられる。
この発明によるエレベーターの制御装置は、かごの停止指令時にかご内負荷量検出手段の出力に応じた目標着床停止位置にかごが停止する。これにより、かごの着床停止位置を高精度化する効果がある。また、かご内負荷量検出手段の検出値が軽負荷であるときに所定着床誤差範囲を乗場に対して下方側に遷移し、かご内負荷量検出手段の検出値が重負荷であるときに所定着床誤差範囲を乗場に対して上方側に遷移して、かごの所定着床誤差範囲内停止後におけるかご内負荷変動による昇降変移に対する床合わせ運転手段の作動が阻止される。これによって、かごが乗場に停止した後に乗客の乗降によってかご内負荷が僅かに変化したときの昇降変移に対する床合わせ運転手段の付勢が阻止されて、不必要な床合わせ運転動作を防ぐことができエレベーターの運転能率を向上する効果がある。
実施の形態1.
図1〜図7は、この発明の実施の形態を示す図で、図1はエレベーター装置の要部を概念的に示す正面図、図2は図1のエレベーター装置のかご停止位置検出手段の出力と着床誤差範囲を説明するグラフ、図3は図1のエレベーター装置のかご内無負荷時の状況を示す図1相当図、図4は図1のエレベーター装置のかご内重負荷時の状況を示す図1相当図、図5は図4に対応したかご停止位置検出手段の出力と着床誤差範囲を説明する図2相当図、図6は図5に対応した遷移所定着床誤差範囲を説明する図2相当図、図7は図1のエレベーター装置の遷移所定着床誤差範囲を説明するグラフである。
図において、昇降路1をかご2が昇降して要時に昇降路1に設けられた乗場3に停止する。また、かご2は主索4に吊持されたかご枠5、負荷量に従って変形する防振ゴム6を介してかご枠5内に載置状態に配置されたかご床7を有するかご室8によって構成されている。そして、かご室8における負荷量、すなわちかご2内の負荷量を検出するかご内負荷量検出手段9がかご床7の下面とかご枠5の下部部材との間に設けられている。また、かご2が乗場3に停止したときの乗場3の床面に対するかご枠5の位置を検出するかご停止位置検出手段10が設けられる。
そして、かご停止位置検出手段10は、昇降路1の壁等の固定部に設けられた検出プレート11並びにかご枠5に設けられて検出プレート11と対向したときに出力12Aを発するスイッチからなる上側検出器12及びかご枠5に設けられて検出プレート11と対向したときに出力13Aを発するスイッチからなる下側検出器13によって構成される。また、エレベーターの制御盤14が設けられ、かご内負荷量検出手段9、かご停止位置検出手段10及びエレベーターの主索4が巻掛けられた駆動機15に接続されている。
上記のように構成されたエレベーターの制御装置において、かご2内負荷を含めたかご2側の質量がエレベーター装置のつり合おもり(図示しない)の質量と平衡する状態を基準とし、この基準状態のときにかご停止位置検出手段10の検出プレート11に対して上側検出器12及び下側検出器13が共に対向するように配置される。そして、かご内平衡負荷の場合に図2に示すように上側検出器12及び下側検出器13のそれぞれの出力12A、出力13Aが検出プレート11を検出しているときに、かご2が所定着床誤差範囲内、すなわち−L、+L内に停止していることを検出する。
そして、かご2の停止指令によってかご内負荷量検出手段9の出力を介して制御盤14が動作し、駆動機15を制御してかご内負荷量検出手段9の出力に応じた目標着床停止位置にかご2を停止させる。これにより、所定着床誤差範囲内であって乗場3に対して一層着床誤差が少ない位置にかご2を着床停止させることができる。また、かご停止位置検出手段10の上側検出器12及び下側検出器13はかご枠5に装着されているので、かご室8に乗客がいない場合、すなわちかご内無負荷のときには防振ゴム6の圧縮量が少なくなる。
このため、かご内平衡負荷の場合よりもかご床7の位置が図3に示すように上方に移動、すなわち+ammの位置となる。また、かご室8の乗客数がエレベーターの定格積載量である場合、すなわちかご内定格負荷のときには防振ゴム6の圧縮量が多くなる。このため、かご内平衡負荷の場合よりもかご床7の位置が図4に示すように下方に移動、すなわち−ammの位置となる。したがって、かご内負荷量検出手段9の出力に応じて目標着床停止位置を設定することにより、かご2を高精度で着床停止させることができる。
そして、かご2を高精度で着床停止させた後のかご内負荷変動、すなわち停止したかご2における乗客の乗降によるかご内負荷変動によって、主索4が伸縮してかご停止位置検出手段10の検出プレート11と上側検出器12等との相対位置が変化する。例えば、かご内定格負荷のときに、かご枠5停止位置が図5に示すように所定着床誤差範囲内であるものの正常着床位置+aとなり、所定着床誤差範囲における+Lに接近した位置に配置される。
したがって、かご2がかご内定格負荷の状態で乗場3に停止した場合にかご内負荷が僅かに減少したときには、主索4の縮少が少なくてもかご停止位置検出手段10による所定着床誤差範囲(−L〜+L)を上方に外れる。このため、かご停止位置検出手段10が動作して制御盤14における床合わせ運転手段が付勢されて、停止したかご2を乗場3に対する所定着床誤差範囲内へ床合わせ運転動作が行われる。このように、かご2が乗場3に停止した後の僅かな負荷変動であっても、床合わせ運転手段が付勢されるために床合わせ運転動作の回数が増加する。
すなわち、かご2がかご内定格負荷の状態で乗場3に停止した場合に、かご枠5停止位置が図5に示すように所定着床誤差範囲内であるものの正常着床位置+aである。このような状況に対して、かご内平衡負荷の場合の所定着床誤差範囲(−L〜+L)が、制御盤14の機能によって図6、図7に示すように(−L+a)〜(L+a)に、すなわち上方側へ遷移されて上方遷移所定着床誤差範囲が設定される。
これにより、床合わせ運転動作の回数増加に対して、かご2がかご内定格負荷の状態で乗場3に停止した後に、かご内負荷が僅かに減少したときの床合わせ運転手段の付勢が阻止されて、不必要な床合わせ運転動作を防ぐことができエレベーターの運転能率を向上することができる。なお、かご2がかご無負荷の状態で乗場3に停止した場合には、制御盤14の機能によって図7に示すように(−L−a)〜(L−a)に、すなわち下方側へ遷移されて上方遷移所定着床誤差範囲が設定される。
実施の形態2.
図8は、この発明の他の実施の形態を示す図で、前述の図1相当図である。なお、図8の他は前述の図1〜図7の実施の形態と同様にエレベーターの制御装置が構成されている。図において、図1〜図7と同符号は相当部分を示し、かご内負荷量検出手段9と制御盤14の間における制御回路にフィルタ回路16が設けられる。上記のように構成されたエレベーターの制御装置においても、かご2の停止指令時にかご内負荷量検出手段9の出力に応じた目標着床停止位置にかご2が停止する。
また、かご内負荷量検出手段9の検出値が軽負荷であるときに所定着床誤差範囲を乗場3に対して下方側に遷移し、かご内負荷量検出手段9の検出値が重負荷であるときに所定着床誤差範囲を乗場3に対して上方側に遷移して、かご2の所定着床誤差範囲内停止後におけるかご内負荷変動による床合わせ運転手段の作動が阻止される。したがって、詳細な説明を省略するが図8の実施の形態においても図1〜図7の実施の形態と同様な作用を得ることができる。
そして、かご内負荷量検出手段9の検出値は、かご2に対する乗客の乗降時の振動によって瞬間値として変動することがある。このときに瞬間値に基づくかご内負荷量検出値によって無用に床合わせ運転手段が付勢されて、不必要な床合わせ運転動作を行うことになる。しかし、かご内負荷量検出手段9の瞬間値がフィルタ回路16によってフィルタリングされて抑制される。これにより、かご内負荷量検出手段9の瞬間値に伴う不必要な床合わせ運転動作を防ぐことができエレベーターの運転能率を向上することができる。
実施の形態3.
図9は、この発明の他の実施の形態を示す図で、前述の図7相当図である。なお、図9の他は前述の図1〜図7の実施の形態と同様にエレベーターの制御装置が構成されている。図9の実施の形態において、かご2の停止指令時にかご内負荷量検出手段9の出力に応じた目標着床停止位置にかご2が停止する。
また、かご内負荷量検出手段9の検出値が軽負荷であるときに所定着床誤差範囲を乗場3に対して下方側に遷移し、かご内負荷量検出手段9の検出値が重負荷であるときに所定着床誤差範囲を乗場3に対して上方側に遷移して、かご2の所定着床誤差範囲内停止後におけるかご内負荷変動による床合わせ運転手段の作動が阻止される。したがって、詳細な説明を省略するが図9の実施の形態においても図1〜図7の実施の形態と同様な作用を得ることができる。
そして、図9の実施の形態において、かご2の着床誤差をさらに小さくする必要がある場合に、かご停止位置検出手段10の上側検出器12の出力12A及び下側検出器13の出力13Aによる所定着床誤差範囲(−L〜+L)をプログラムによって制御盤14に可変に設定する。これによって、制御盤14の機能によって図9に示すように所定着床誤差範囲を縮小して、かご2の着床誤差を適宜に小さくすることができ、かご2に対する乗客の乗降を容易化することができる。
この発明の実施の形態1を示す図で、エレベーター装置の要部を概念的に示す正面図。 図1のエレベーター装置のかご停止位置検出手段の出力と着床誤差範囲を説明するグラフ。 図1のエレベーター装置のかご内無負荷時の状況を示す図1相当図。 図1のエレベーター装置のかご内重負荷時の状況を示す図1相当図。 図4に対応したかご停止位置検出手段の出力と着床誤差範囲を説明する図2相当図。 図5に対応した遷移所定着床誤差範囲を説明する図2相当図。 図1のエレベーター装置の遷移所定着床誤差範囲を説明するグラフ。 この発明の実施の形態2を示す図で、前述の図1相当図。 この発明の実施の形態3を示す図で、前述の図7相当図。
符号の説明
1 昇降路、2 かご、3 乗場、9 かご内負荷量検出手段、10 かご停止位置検出手段、12 上側検出器、12A 出力、13 下側検出器、13A 出力、14 制御装置、15 駆動機、16 フィルタ回路。

Claims (3)

  1. エレベーターの昇降路に設けられた乗場に対するかごの停止位置が所定着床誤差範囲外であるときに動作するかご停止位置検出手段と、
    上記かご枠内に配置され、上記かご枠との位置関係が負荷量に応じて相対的に変動するかご室と、
    上記かごの負荷量を検出するかご内負荷量検出手段と、
    上記かご停止位置検出手段の動作によって付勢され、停止した上記かごを上記乗場に対する上記所定着床誤差範囲内へ床合わせ運転する床合わせ運転手段と、
    上記かご内負荷量検出手段の出力に応じて、上記かご室のかご床と上記乗場との高さを合わせるように上記かご枠の目標着床停止位置を設定する設定手段と、
    上記かごの停止指令によって上記エレベーターの駆動機を制御し、上記かごの停止動作を上記目標着床停止位置に対して調整する着床停止位置調節手段と、
    上記かご内負荷量検出手段の検出値が軽負荷であるときに上記所定着床誤差範囲を上記乗場に対して下方側に遷移し、上記かご内負荷量検出手段の検出値が重負荷であるときに上記所定着床誤差範囲を上記乗場に対して上方側に遷移して、上記かごの上記所定着床誤差範囲内停止後における上記かご内負荷変動による上記床合わせ運転手段の作動を阻止する制御装置とを備えたエレベーター制御装置。
  2. かご内負荷量検出手段と制御盤の間の制御回路に設けられて上記かご内負荷量検出手段の瞬間検出値をフィルタリングして抑制し、上記瞬間検出値に基づく不必要な床合わせ運転動作を防ぐフィルタ回路を備えたことを特徴とする請求項1記載のエレベーターの制御装置。
  3. 制御盤を、かご停止位置検出手段の上側検出器の出力及び上記かご停止位置検出手段の下側検出器の出力による所定着床誤差範囲が変更できるプログラムを有するものとしたことを特徴とする請求項1及び請求項2のいずれか一つに記載のエレベーターの制御装置。
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