しかしながら、特許文献1の技術では、連写画像の撮影後に連写画像中の識別情報が付加されている静止画像を検索し、該当する静止画像が存在していた場合には、該当する静止画像を連写画像から切り出して記録する(更に、ユーザが所望した場合には連写画像を構成する各静止画像の画素数変更も行う)、という比較的高負荷かつ時間の掛かる後処理が必要になる。そして、この後処理が完了する迄の間は撮影を制限せざるを得ないので、連写画像の撮影後ユーザが直ちに次の撮影を行うことができず、ユーザに違和感を与えるという問題がある。また、特許文献1の技術では、上記の後処理を連写画像の再生時に行うことも記載されているものの、この場合にも、ユーザが連写画像の再生を指示して所定の操作を行わないと撮影を指示した静止画像を再生・閲覧できないので、この場合もユーザに違和感を与えることになる。
本発明は上記事実を考慮して成されたもので、動画像撮影中に静止画像の撮影を可能とすることを、ユーザに違和感を与えることなく実現できる撮影記録装置を得ることが第1の目的である。
また本発明は、動画像撮影中に撮影された静止画像を、ユーザに違和感を与えることなく取り扱うことができるデータ取扱装置及びデータ取扱プログラムを得ることが第2の目的である。
第1の目的を達成するために請求項1記載の発明に係る撮影記録装置は、静止画像を一定周期で繰り返し撮影することで動画像の撮影を行い、複数の静止画像のデータから成る動画像データを記録媒体に記録する動画像撮影記録手段と、静止画像の撮影を指示するための指示手段と、前記動画像撮影記録手段による動画像撮影中に前記指示手段を介して静止画像の撮影が指示された場合に、前記動画像撮影記録手段によって前記記録媒体に記録される動画像データのうち、静止画像撮影指示時に前記動画像撮影記録手段によって撮影された特定静止画像のデータを識別する画像識別情報と、前記静止画像の撮影条件を表す撮影情報とを、前記動画像撮影中に撮影が指示された静止画像のデータとして前記記録媒体に記録する記録制御手段と、前記動画像撮影中に撮影が指示された静止画像のデータの出力が指示された場合に、前記静止画像のデータとして前記記録媒体に記録されている画像識別情報に基づいて、前記記録媒体に記録されている動画像データから、前記静止画像撮影指示時に前記動画像撮影記録手段によって撮影された特定静止画像のデータを取得する第1取得手段と、前記第1取得手段によって取得された前記特定静止画像のデータに、前記記録媒体に記録されている前記撮影情報を付加し、出力対象の静止画像のデータとして出力する第1出力手段と、を備えたことを特徴としている。
請求項1記載の発明に係る撮影記録装置としては、例えばデジタルスチルカメラやデジタルビデオカメラ等を適用できる。請求項1記載の発明では、静止画像を一定周期で繰り返し撮影することによる動画像の撮影が動画像撮影記録手段によって行われ、複数の静止画像のデータから成る動画像データが記録媒体に記録される。また、動画像撮影記録手段による動画像撮影中に指示手段を介して静止画像の撮影が指示された場合に、動画像撮影記録手段によって記録媒体に記録される動画像データのうち、静止画像撮影指示時に動画像撮影記録手段によって撮影された特定静止画像のデータを識別する画像識別情報と、静止画像の撮影条件を表す撮影情報(例えば撮影日時、画像サイズ、絞り量、シャッター速度、露出補正値等の少なくとも1つ)が、動画像撮影中に撮影が指示された静止画像のデータとして記録制御手段により記録媒体に記録される。なお、上記の画像識別情報は、対応する動画像データを識別する情報(例えば動画像データのファイル名等)と、対応する動画像データ中の特定静止画像のデータを識別する情報(例えば特定静止画像データのフレーム識別情報やタイムスタンプ等)で構成することができる。
このように、請求項1記載の発明では、動画像撮影中に静止画像の撮影が指示された場合に、撮影が指示された静止画像の画像データを動画像データ中の特定静止画像のデータと別に記録媒体へ記録することなく、静止画像撮影指示時に動画像撮影記録手段によって撮影された特定静止画像のデータを識別する画像識別情報を記録媒体に記録するので、記録媒体に記録するデータ量が小さくなり、動画像撮影中に静止画像の撮影が指示された場合の処理負荷を軽減できる。従って、動画像撮影中に静止画像の撮影が指示された場合に、撮影が指示された静止画像のデータを記録媒体に記録することを容易に実現できる。また、特許文献1に記載の技術では、連写画像の撮影中に静止画像の撮影が指示された場合に、連写画像中の対応する静止画像に識別情報を付加しているので、動画像撮影中に撮影が指示された静止画像の有無を確認するためには、識別情報が付加されている静止画像が連写画像中に存在しているか否かを検索する必要があるが、請求項1記載の発明では、動画像撮影中に撮影が指示された静止画像のデータとして上記の画像識別情報を記録するので、前記静止画像のデータ(画像識別情報)の有無に基づいて、動画像撮影中に撮影が指示された静止画像の有無を確認できる。
また、請求項1記載の発明では、動画像撮影中に撮影が指示された静止画像のデータの出力(表示手段への表示を含む)が指示された場合に、前記静止画像のデータとして記録媒体に記録されている画像識別情報に基づいて、記録媒体に記録されている動画像データから、静止画像撮影指示時に動画像撮影記録手段によって撮影された特定静止画像のデータが第1取得手段によって取得され、第1取得手段によって取得された特定静止画像のデータに、記録媒体に記録されている撮影情報が付加され、第1出力手段により出力対象の静止画像のデータとして出力される。
このように、請求項1記載の発明では、動画像撮影中に撮影が指示された静止画像のデータの出力が指示されると、動画像データから特定静止画像のデータが取得されて出力されるので、動画像の撮影終了後に、動画像撮影中に撮影が指示された静止画像の有無を確認し、該当する静止画像があればデータを取得して記録媒体に記録する等の比較的高負荷かつ時間の掛かる後処理を行う必要がなくなり、動画像の撮影終了後にユーザが直ちに次の撮影を行うことも可能となる。また、動画像撮影中に撮影を指示した静止画像の閲覧・確認等を行うに先立ち、撮影した動画像を再生させる等の特別の操作をユーザが行う必要も無くなる。従って、請求項1記載の発明によれば、動画像撮影中に静止画像の撮影を可能とすることを、ユーザに違和感を与えることなく実現することができる。また請求項1記載の発明では、動画像撮影中に静止画像の撮影が指示された場合に、撮影が指示された静止画像の画像データが動画像データと同一の記録媒体に記録されないので、記録媒体の利用効率が向上する。また、撮影情報は写真プリントの作成や静止画像の分類整理等に利用することができる。
なお、請求項1記載の発明において、記録制御手段は、例えば請求項2に記載したように、動画像撮影中に撮影が指示された静止画像のデータとして、静止画像撮影指示時に動画像撮影記録手段によって撮影された特定静止画像を低解像度化したサムネイル画像データも記録媒体に記録することが好ましい。これにより、サイムネイル画像の表示等に際して動画像データから特定静止画像のデータを取得する必要が無くなるので、サムネイル画像の表示等における処理負荷を軽減することができる。
また第2の目的を達成するために、請求項3記載の発明に係るデータ取扱装置は、請求項1又は請求項2記載の撮影記録装置によって記録媒体に記録されたデータを取り扱うデータ取扱装置であって、前記動画像撮影中に撮影が指示された静止画像のデータを別の記録媒体へ移動又は複写することが指示された場合に、前記静止画像のデータとして前記記録媒体に記録されている画像識別情報に基づいて、前記記録媒体に記録されている動画像データから、前記静止画像撮影指示時に前記動画像撮影記録手段によって撮影された特定静止画像のデータを取得する取得手段と、前記記録媒体に記録されている前記静止画像のデータに基づき、前記取得手段によって取得された前記特定静止画像のデータに、前記記録媒体に記録されている少なくとも前記撮影情報を付加し、移動又は複写対象の静止画像のデータとして出力する出力手段と、を備えたことを特徴としている。
請求項3記載の発明に係るデータ取扱装置は、請求項1又は請求項2記載の撮影記録装置によって記録媒体に記録されたデータを取り扱い可能な装置であればよく、例えばデジタルスチルカメラやデジタルビデオカメラ、コンピュータ等を適用できる。前述のように本発明では、動画像撮影中に撮影が指示された静止画像のデータの出力が指示された場合に、動画像データから対応する特定静止画像のデータが取得されるが、前記静止画像のデータが別の記録媒体へ移動又は複写された場合、当該別の記録媒体には対応する動画像データが記録されているとは限らないので、動画像撮影中に撮影が指示された静止画像のデータの出力が指示されても特定静止画像のデータを取得できないことで、指示されたデータの出力を実行できない事態が生ずる可能性もある。
これに対して請求項3記載の発明では、請求項1記載の発明と同様の第1取得手段及び第1出力手段が設けられており、動画像撮影中に撮影が指示された静止画像のデータを別の記録媒体へ移動又は複写することが指示された場合に、前記静止画像のデータとして記録媒体に記録されている画像識別情報に基づいて、記録媒体に記録されている動画像データから、静止画像撮影指示時に動画像撮影記録手段によって撮影された特定静止画像のデータが取得される。そして、記録媒体に記録されている前記静止画像のデータに基づき、取得された特定静止画像のデータに、記録媒体に記録されている少なくとも撮影情報が付加され、移動又は複写対象の静止画像のデータとして出力される。
従って、動画像撮影中に撮影が指示された静止画像のデータに対し、別の記録媒体へ移動又は複写された後に出力(例えば閲覧・確認等)が指示された場合、通常の静止画像と同様に、出力された静止画像のデータに付加されている撮影情報を写真プリントの作成や静止画像の分類整理等に利用することができるので、動画像撮影中に撮影された静止画像をユーザに違和感を与えることなく取り扱うことができる。
また、請求項3記載の発明において、出力手段は、例えば請求項4に記載したように、記録媒体に記録されている静止画像のデータに基づき、取得手段によって取得された特定静止画像のデータに、記録媒体に記録されている少なくとも撮影情報を含みかつ通常の静止画像のデータに付加されているヘッダ情報と同一フォーマットのヘッダ情報を付加し、移動又は複写対象の静止画像のデータとして出力するように構成することが好ましい。これにより、動画像撮影中に撮影が指示された静止画像のデータに対し、別の記録媒体へ移動又は複写された後に出力(例えば閲覧・確認等)が指示された場合に、通常の静止画像のデータに付加されているヘッダ情報と同一フォーマットのヘッダ情報が付加されていることで、該当するデータを通常の静止画像と同様に確実に出力することができるので、動画像撮影中に撮影された静止画像をユーザに違和感を与えることなく取り扱うことができる。
請求項5記載の発明に係るデータ取扱プログラムは、コンピュータを、請求項1又は請求項2記載の撮影記録装置によって記録媒体に記録されたデータを取り扱うデータ取扱装置として機能させるためのデータ取扱プログラムであって、前記コンピュータを、前記動画像撮影中に撮影が指示された静止画像のデータを別の記録媒体へ移動又は複写することが指示された場合に、前記静止画像のデータとして前記記録媒体に記録されている画像識別情報に基づいて、前記記録媒体に記録されている動画像データから、前記静止画像撮影指示時に前記動画像撮影記録手段によって撮影された特定静止画像のデータを取得する取得手段、及び、前記記録媒体に記録されている前記静止画像のデータに基づき、前記取得手段によって取得された前記特定静止画像のデータに、前記記録媒体に記録されている少なくとも前記撮影情報を付加し、移動又は複写対象の静止画像のデータとして出力する出力手段として機能させることを特徴としている。
請求項5記載の発明に係るプログラムは、コンピュータを、上記の取得手段及び出力手段として機能させるためのプログラムであるので、コンピュータが請求項5記載の発明に係るデータ取扱プログラムを実行することにより、コンピュータが請求項3に記載のデータ取扱装置として機能することになり、請求項3記載の発明と同様に、動画像撮影中に撮影された静止画像を、ユーザに違和感を与えることなく取り扱うことができる。
以上説明したように本発明は、動画像撮影中に静止画像の撮影が指示された場合に、記録媒体に記録される動画像データのうち、静止画像撮影指示時に撮影された特定静止画像のデータを識別する画像識別情報と、静止画像の撮影条件を表す撮影情報とを、撮影が指示された静止画像のデータとして記録媒体に記録し、動画像撮影中に撮影が指示された静止画像のデータの出力が指示された場合に、画像識別情報に基づき動画像データから静止画像撮影指示時に撮影された特定静止画像のデータを取得し、取得された特定静止画像のデータに撮影情報を付加して出力するようにしたので、動画像撮影中に静止画像の撮影を可能とすることを、ユーザに違和感を与えることなく実現できる、という優れた効果を有する。
また本発明は、本発明に係る撮影記録装置によって記録媒体に記録されたデータのうち、動画像撮影中に撮影が指示された静止画像のデータを別の記録媒体へ移動又は複写することが指示された場合に、画像識別情報に基づき動画像データから静止画像撮影指示時に撮影された特定静止画像のデータを取得し、取得された特定静止画像のデータに少なくとも撮影情報を付加して出力するようにしたので、動画像撮影中に撮影された静止画像を、ユーザに違和感を与えることなく取り扱うことができる、という優れた効果を有する。
また本発明は、本発明に係る撮影記録装置によって記録媒体に記録されたデータのうち、動画像撮影中に撮影が指示された静止画像のデータを別の記録媒体へ移動又は複写することが指示された場合に、画像識別情報に基づき動画像データから静止画像撮影指示時に撮影された特定静止画像のデータを取得し、取得された特定静止画像のデータに通常の静止画像のデータに付加されているヘッダ情報と同一フォーマットのヘッダ情報を付加し、移動又は複写対象の静止画像のデータとして出力するようにしたので、動画像撮影中に撮影された静止画像を、ユーザに違和感を与えることなく取り扱うことができる、という優れた効果を有する。
以下、図面を参照して本発明の実施形態の一例を詳細に説明する。図1には、静止画像及び動画像の撮影記録が可能な撮影記録装置10が示されている。撮影記録装置10の本体12は略箱型とされ、図1(A)に示すように、本体12の正面側中央やや上寄りにレンズ14が取付けられている。また、本体12のレンズ14の上方には、ユーザが撮影範囲等を目視で確認するための光学ファインダ16と、補助光を発するためのストロボ18と、マイクロフォン20が各々取付けられている。ストロボ18は、低照度であることが検出された場合や、ユーザによって発光が指示された場合に発光される。
また、本体12の上面には、正面から見て左側にシャッターボタン22が設けられており、本体12の正面から見て左側の側面には、記録メディア68(図2参照)を装填可能なスロット24が設けられている。なお、記録メディア68は本発明に係る記録媒体に対応している。図1(B)に示すように、本体12の背面の上方側には光学ファインダ16と電源スイッチ26が設けられており、左下方側には、反射型又は透過型のカラーLCD28が取付けられている。また、LCD28の右側には、撮影モードの切り替えや各種の設定スイッチ30が各々取付けられており、更にその右上方には動画像の撮影を行う際に操作される動画記録開始/停止ボタン31が配設されている。
図2には撮影記録装置10の電気系の構成が示されている。本体12内部のレンズ14の焦点位置に相当する位置には、エリアCCDセンサ34が配置されており、被写体を反射してレンズ14に入射された光はエリアCCDセンサ34の受光面に結像される。エリアCCDセンサ34は、図示しないタイミング発生回路(図示省略)によって発生されたタイミング信号に同期したタイミングで駆動され、画像信号(受光面上にマトリクス状に配列された多数個の光電変換セルの各々における受光量を表す信号)を出力する。エリアCCDセンサ34の信号出力端には、A/D変換器36、画像信号処理回路38が順に接続されている。エリアCCDセンサ34から出力された画像信号は、A/D変換器36によってデジタルの画像データに変換されて画像信号処理回路38へ入力される。画像信号処理回路38では、入力された画像データに対して色補正・γ補正等の各種処理を行う。
画像信号処理回路38はバス40に接続されており、このバス40には、CPU42、DMAC(ダイレクト・メモリ・アクセス・コントローラ)44、メディアI/F(インタフェース)部46、YC処理回路48、符号化回路50、音声信号処理回路52、液晶/ビデオI/F部56、メモリコントローラ60が各々接続されていると共に、電源スイッチ26・各種の設定スイッチ30・シャッターボタン22の半押しや全押し等の操作に応じて接点が切り替わるシャッタースイッチ(図示省略)・動画記録開始/停止ボタン31の操作に応じて接点が切り替わる動画スイッチ等を含んで構成された操作部62が接続されている。なお、図示は省略するが、CPU42はROM、RAM、入出力ポート等の周辺回路を含んで構成されており、液晶/ビデオI/F部56にはLCD28が、メモリコントローラ60にはSDRAM(シンクロナスDRAM)64及びフラッシュROM66が各々接続されている。
なお、フラッシュROM66には、CPU42で各種の処理を実行するための各種の処理プログラムが予め記憶されており、各種の処理プログラムの中には、後述する動画像撮影処理を行うための動画像撮影プログラム及び後述する静止画像取扱処理を行うための静止画像取扱プログラムが含まれている。
画像(静止画像又は動画像)の撮影時、画像信号処理回路38から出力された画像データは液晶/ビデオI/F部56に入力され、液晶/ビデオI/F部56によって被写体が動画像としてLCD28に表示される。また、ユーザによって操作部62が操作されることで、メニュー画面や各種の設定画面の表示が指示された場合、液晶/ビデオI/F部56は、予めフラッシュROM66に記憶されている各種画面のデータのうち、表示対象の画面のデータを読み出してLCD28に表示させる。
一方、撮影モードが動画像撮影モードの場合、ユーザによって動画記録開始/停止ボタン31が操作され動画スイッチの接点が切り替わることで開始される動画像撮影記録期間には、被写体が一定周期で繰り返し撮影されることで動画像の撮影が成され、画像信号処理回路38から一定周期で順次出力される静止画像データは、メモリコントローラ60を介してSDRAM64に一時記憶され、YC処理回路48によるY/C変換処理、符号化回路50による符号化(圧縮)処理が順次行われた後に、メディアI/F部46を介して記録メディア68に動画像データとして順次記録される。なお、上記の動画像撮影記録期間では、レンズ14、エリアCCDセンサ34、A/D変換器36、画像信号処理回路38、メモリコントローラ60、SDRAM64、YC処理回路48、符号化回路50及びメディアI/F部46が動画像撮影記録手段として機能する。また、上記処理におけるSDRAM64と各回路間のデータ転送(ダイレクト・メモリ・アクセス)はDMAC44の制御下で行われる。
なお、撮影モードが静止画像撮影モードの場合には、ユーザがシャッターボタン22を全押ししたタイミングで画像信号処理回路38から出力された画像データについてのみ、SDRAM64への一時記憶、YC処理回路48によるY/C変換処理、符号化回路50による符号化処理、記録メディア68への記録が行われる。
また、マイクロフォン20はA/D変換器70を介して音声信号処理回路52に接続されており、撮影モードが動画像撮影モードの場合、マイクロフォン20から出力された音声信号は、A/D変換器70によってデジタルの音声データに変換されて音声信号処理回路52へ入力され、音質補正等の各種処理が施される。音声信号処理回路52から出力された音声データは、メモリコントローラ60を介してSDRAM64に一時記憶された後に、画像データ(動画像データ)と共にメディアI/F部46を介して記録メディア68に順次記録される。
また、記録メディア68に記録されている画像データが表す画像(動画像又は静止画像)の再生(表示)が指示された場合には、記録メディア68から画像データが読み出されて液晶/ビデオI/F部56へ転送され、LCD28に動画像又は静止画像が表示(再生)される。なお、液晶/ビデオI/F部56には増幅器を介してスピーカが接続され(何れも図示省略)、このスピーカはLCD28に併設されており、再生対象の画像が動画像の場合は記録メディア68から音声データも同時に読み出されて液晶/ビデオI/F部56へ転送されることで、スピーカから音声が出力される。
次に本実施形態の作用として、まず、撮影モードとして動画像撮影モードが選択されている状態で、ユーザによって動画記録開始/停止ボタン31が操作されることで動画像の撮影及び記録が指示された場合に、フラッシュROM66に記憶されている動画像撮影プログラムがCPU42によって実行されることで実現される動画像撮影処理について、図3のフローチャートを参照して説明する。
ステップ100では、動画像の撮影に伴い画像信号処理回路38から一定周期で順次出力される静止画像データを、メモリコントローラ60を介してSDRAM64に一時記憶させた後に、YC処理回路48によるY/C変換処理、符号化回路50による符号化(圧縮)処理を経て、メディアI/F部46経由で記録メディア68に動画像データとして記録させる。次のステップ102では、シャッターボタン22が操作されることで静止画像の撮影が指示されたか否か判定する。なお、シャッターボタン22は本発明に係る指示手段に対応している。ステップ102の判定が否定された場合はステップ112へ移行し、動画記録開始/停止ボタン31が再度操作されることで動画像の撮影及び記録の終了が指示されたか否か判定する。判定が否定された場合はステップ100に戻り、ステップ112の判定が肯定される迄、動画像の撮影及び記録メディア68への動画像データの記録を繰り返す。
また、動画像の撮影中にシャッターボタン22が操作されることで静止画像の撮影が指示された場合には、前述のステップ102の判定が肯定されてステップ104へ移行し、静止画像の撮影が指示されたときに撮影された特定の静止画像の撮影条件(撮影日時、画像サイズ、絞り量、シャッター速度、露出補正値等)を表す撮影情報を取得すると共に、記録メディア68へ記録中の動画像データを識別するための動画像識別情報及び静止画像の撮影が指示されたときに撮影された特定の静止画像(フレーム)のデータを識別するためのフレーム識別情報を取得し、取得した情報をSDRAM64に記憶させる。なお、動画像識別情報としては、例えば動画像データのファイル名等の情報を適用することができ、フレーム識別情報としては、例えば前記特定の静止画像のフレーム番号やタイムスタンプ(撮影日時)等の情報を適用することができるが、他の情報を用いてもよい。
また、次のステップ106では、動画像の撮影中に撮影が指示された静止画像のヘッダ情報をSDRAM64上で生成する。通常の静止画像(例えば撮影モードとして静止画像撮影モードが選択されている状態で撮影された静止画像)のデータのヘッダ情報は、図5(A)に示すように撮影情報、実画像データアドレス(例えばヘッダ情報の先頭アドレスと実画像データ(画像データ本体)の先頭アドレスとの隔たりをバイト数で表す情報)、符号化テーブル等の情報で構成されているが、本実施形態では動画像の撮影中に撮影が指示された静止画像のデータに実画像データを含めないため、図5(B)に示すように、動画像の撮影中に撮影が指示された静止画像のデータにおけるフォーマットを、実画像データアドレスを省略する一方、実画像データを識別するための画像識別情報(この画像識別情報は前述の動画像識別情報とフレーム識別情報から成る)を追加したフォーマットとしており、ステップ106では、先のステップ104で取得した情報に基づいて図5(B)に示すフォーマットのヘッダ情報を生成する。
ステップ108では、動画像の撮影中に静止画像の撮影が指示されたときに撮影された特定の静止画像のデータ(実画像データ)を取得し、取得した実画像データを低解像度化することで、特定の静止画像のサムネイル画像データをSDRAM64上で生成する。そしてステップ110では、ステップ106で生成したヘッダ情報とステップ108で生成したサムネイル画像データを、動画像の撮影中に撮影が指示された静止画像のデータとして記録メディア68に記録し、ステップ112へ移行する。なお、上述したステップ104〜110では、処理に比較的長い時間がかかる記録メディア68への実画像データの記録を行っていないため、ステップ104〜110の処理は非常に短い時間で完了すると共に、CPU42に大きな負荷が加わることも防止される。ステップ104〜110は本発明に係る記録制御手段(詳しくは請求項2に記載の記録制御手段)に相当する処理であり、ステップ104〜110の処理を実行するCPU42は本発明に係る記録制御手段(詳しくは請求項2に記載の記録制御手段)として機能する。
また、ステップ104〜110の処理は動画像の撮影中に静止画像の撮影が指示される度に実行され、静止画像の撮影が指示される毎に、撮影が指示された静止画像のデータとして図5(B)に示すフォーマットのデータが記録メディア68に記録される。そして、動画記録開始/停止ボタン31が再度操作されることで動画像の撮影(及び記録)の終了が指示されると、ステップ112の判定が肯定されて動画像撮影処理を終了する。
続いて、記録メディア68に記録されている静止画像データ(動画像の撮影中に撮影が指示された静止画像のデータを含む)に対し、サムネイル画像の表示やより高解像度での画像表示(以下、単に「画像表示」という)、画素数を変更するリサイズ、トリミング、画像データの移動、画像データの複写等の各種処理のうちユーザが所望する処理の実行が要求される際に、フラッシュROM66に記憶されている静止画像取扱プログラムがCPU42によって実行されることで実現される静止画像取扱処理について、図4のフローチャートを参照して説明する。この静止画像取扱プログラムは請求項5に記載のデータ取扱プログラムに対応しており、CPU42が静止画像取扱プログラムを実行することで、撮影記録装置10は請求項3に記載のデータ取扱装置として機能する。
なお、本実施形態では、動画像の撮影中に撮影が指示された静止画像についても、通常の静止画像とはフォーマットが異なるものの、図5(B)に示すフォーマットのデータが記録メディア68に記録されるので、動画像データ中の対応するデータの検索等の後処理を行うことなく、先に説明した動画像撮影処理が行われた段階で、動画像の撮影中に撮影が指示された静止画像を含む記録メディア68にデータが記録されている全ての静止画像を、静止画像取扱処理の処理対象とすることが可能な静止画像として一覧表示することができる。
静止画像取扱処理では、まずステップ120において、特定の静止画像を処理対象として所望の処理の実行を要求する情報を受信したか否か判定し、判定が否定された場合はステップ120を繰り返す。ユーザが各種の設定スイッチ30を操作することで、処理対象としての特定の静止画像を選択すると共に、処理対象の静止画像に対して所定の処理の実行を要求する操作を行うと、ステップ120の判定が肯定されてステップ122へ移行し、処理対象の静止画像のデータを記録メディア68からSDRAM64へ取り込む。ステップ124では実行が要求されている処理がLCD28へのサムネイル画像の表示か否か判定する。
判定が肯定された場合はステップ126へ移行し、ステップ122で記録メディア68よりSDRAM64へ取り込んだ処理対象の静止画像のデータの中から、処理対象の静止画像のサムネイル画像データを抽出する。なお、図5(A)及び(B)からも明らかなように、サムネイル画像データは、通常の静止画像のデータ及び動画像の撮影中に撮影が指示された静止画像のデータの何れにも含まれているので、処理対象の静止画像が上記何れの静止画像であったとしても、処理対象の静止画像のデータからのサムネイル画像データの抽出は可能である。そしてステップ128では、抽出したサムネイル画像データをSDRAM64から液晶/ビデオI/F部56へ出力することで、処理対象の静止画像のサムネイル画像をLCD28に表示させ、静止画像取扱処理を終了する。なお、サムネイル画像の表示では、処理対象の静止画像として複数の静止画像が選択される場合があるが、この場合には、ステップ122で複数の静止画像のデータが記録メディア68からSDRAM64へ取り込まれ、ステップ126で複数の静止画像のデータからサムネイル画像データが各々抽出され、ステップ128で複数のサムネイル画像データがSDRAM64から液晶/ビデオI/F部56へ各々出力されることで、LCD28には処理対象の複数の静止画像のサムネイル画像が一覧表示されることになる。
また、ステップ124の判定が否定された場合はステップ130へ移行し、ステップ122で取り込んでSDRAM64に記憶している処理対象の静止画像のデータのフォーマットに基づいて、処理対象の静止画像は動画像撮影中に撮影が指示された静止画像か否か判定する。処理対象の静止画像が通常の静止画像(動画像撮影中以外のタイミングで撮影が指示された静止画像)であった場合には、判定が否定されてステップ132へ移行し、先のステップ122で記録メディア68からSDRAM64へ取り込んだ静止画像のデータに基づき、処理対象の静止画像に対して要求された処理(画像表示、リサイズ、トリミング、画像データの移動、画像データの複写等の何れか)を実行し、静止画像取扱処理を終了する。
一方、処理対象の静止画像が動画像撮影中に撮影が指示された静止画像であった場合には、ステップ130の判定が肯定されてステップ134へ移行し、先のステップ122で記録メディア68よりSDRAM64へ取り込んだ処理対象の静止画像のデータからヘッダ情報に含まれる画像識別情報を抽出し、抽出した画像識別情報のうちの動画像識別情報に基づいて、記録メディア68に記録されている動画像データのうち処理対象の静止画像に対応する動画像データ(処理対象の静止画像の撮影が指示されたときに撮影が行われていた動画像のデータ)を判断すると共に、抽出した画像識別情報のうちのフレーム識別情報に基づいて、前記対応する動画像データを構成する複数の静止画像データのうち処理対象の静止画像に対応する特定の静止画像(処理対象の静止画像の撮影が指示されたときに撮影された特定の静止画像)のデータを判断し、判断した特定の静止画像のデータ(実画像データ)を記録メディア68から取得し、取得した実画像データをSDRAM64に記憶させる。なお、ステップ134は本発明に係る取得手段に対応している。
次のステップ136では、実行が要求されている処理がLCD28への画像表示か否か判定する。判定が肯定された場合はステップ138へ移行し、ステップ122でSDRAM64へ取り込んだ処理対象の静止画像のデータに加工情報(詳細は後述)が付加されているか否か判定する。判定が否定された場合はステップ142へ移行し、先のステップ134で取得した処理対象の静止画像の実画像データをSDRAM64から液晶/ビデオI/F部56へ出力することで、処理対象の静止画像を前述のサムネイル画像よりも高解像度でLCD28に表示させた後に、静止画像取扱処理を終了する。
また、ステップ136の判定が否定された場合はステップ144へ移行し、実行が要求されている処理が処理対象の静止画像の加工(処理対象の静止画像のリサイズ又はトリミング)か否か判定する。判定が肯定された場合はステップ146へ移行し、実行が要求されている処理が処理対象の静止画像のリサイズであれば、リサイズを所望しているユーザが各種の設定スイッチ30を操作することで入力されるリサイズ情報(処理対象の静止画像に対するリサイズをどのように行うかを規定する情報)を取得し、実行が要求されている処理が処理対象の静止画像のトリミングであれば、トリミングを所望しているユーザが各種の設定スイッチ30を操作することで入力されるトリミング情報(処理対象の静止画像に対してどのようなトリミングを行うかを規定する情報)を取得する。
次のステップ148では、ステップ146で取得したリサイズ情報又はトリミング情報を編集することで所定のフォーマットの加工情報をSDRAM64上で生成し、生成した加工情報をSDRAM64に記憶されているヘッダ情報に付加することで、ステップ122で記録メディア68からSDRAM64へ取り込んだ処理対象の静止画像のデータを更新する。また、更新後のデータを記録メディア68に書き込むことで、記録メディア68に記録されている処理対象の静止画像のデータの原本も書き替える。そしてステップ150では、ヘッダ情報に付加した加工情報に基づき、処理対象の静止画像の実画像データに対してSDRAM64上でリサイズ処理又はトリミング処理を行った後に、リサイズ処理又はトリミング処理後の実画像データをSDRAM64から液晶/ビデオI/F部56へ出力し、静止画像取扱処理を終了する。これにより、LCD28にはユーザの指示に応じてリサイズ又はトリミングが行われた処理対象の静止画像が表示されることになる。
なお、上記のリサイズ処理又はトリミング処理は記録メディア68からSDRAM64へ読み出した実画像データに対して行われ、記録メディア68に記録されている処理対象の静止画像の実画像データの原本(処理対象の静止画像に対応する動画像データを構成する複数の静止画像データの1つとして記録メディア68に記録されている特定の静止画像のデータ)は何ら変更されないので、処理対象の静止画像に対応する動画像データの再生等に悪影響を及ぼすことはない。
また、上記処理によってヘッダ情報に加工情報が付加した静止画像に対して「画像表示」の実行が指示された場合には、先のステップ138の判定が肯定されてステップ140へ移行し、先に説明したステップ150と同様に、ヘッダ情報に付加されている加工情報に基づき、処理対象の静止画像の実画像データに対してSDRAM64上でリサイズ処理又はトリミング処理を行った後にステップ142へ移行する。従って、この場合もリサイズ又はトリミングが行われた処理対象の静止画像がLCD28に表示されることになる。
また、ステップ144の判定が否定された場合はステップ152へ移行し、実行が要求されている処理が、処理対象の静止画像のデータの移動又は複写か否か判定する。例えば本実施形態に係る撮影記録装置10がパーソナル・コンピュータ(PC)等の外部機器と接続され、この外部機器から処理対象の静止画像のデータの移動又は複写が指示された場合には、ステップ152の判定が肯定されてステップ154へ移行し、例として図5(C)にも示すように、SDRAM64に記憶されている処理対象の静止画像のヘッダ情報を通常の静止画像と同一フォーマットへ変更する(具体的には、画像識別情報記憶領域を削除すると共に実画像データアドレス記憶領域を追加する)と共に、フォーマット変更後のヘッダ情報に必要情報(実画像データアドレス)を設定する。
そしてステップ156では、更新したヘッダ情報及び実画像データ(通常のフォーマットへ変換された処理対象の静止画像のデータ)をSDRAM64から外部機器へ出力する。これにより、撮影記録装置10から入力されたデータ(通常のフォーマットへ変換された処理対象の静止画像のデータ)が、外部機器によって記録メディア68とは別の記録媒体(例えば外部機器としてのPCに内蔵されているハードディスクドライブや、外部機器としてのPCに接続されている他の記録メディア等)に書き込まれることになる。なお、ステップ152〜156は本発明に係る出力手段に対応している。
次のステップ158では、実行が要求されている処理が処理対象の静止画像のデータの移動か否か判定する。判定が否定された場合は何ら処理を行うことなく静止画像取扱処理を終了するが、判定が肯定された場合はステップ160へ移行し、処理対象の静止画像のデータを記録メディア68から削除した後に静止画像取扱処理を終了する。なお、先のステップ152の判定が否定された場合(実行が要求された処理が他の処理である場合)はステップ132へ移行し、要求された処理を実行した後に静止画像取扱処理を終了する。
なお、上記では請求項5に記載のデータ取扱プログラムに対応する静止画像取扱プログラムを撮影記録装置10のCPU42が実行することで、撮影記録装置10が請求項3に記載のデータ取扱装置として機能する態様を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、記録メディア68からの情報の読み出し及び記録メディア68への情報の書き込みが可能なメディアリーダ/ライタが接続されたコンピュータ(のCPU)で上記の静止画像取扱プログラムを実行させることで、前記コンピュータを本発明に係るデータ取扱装置として機能させることも可能である。