JP4018470B2 - 撮影装置、画像処理装置及びプログラム - Google Patents
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【発明の属する技術分野】
本発明は撮影装置、画像処理装置及びプログラムに係り、特に、撮影倍率を画像処理によって変更する電子変倍手段を備えた撮影装置、該撮影装置によって撮影された画像のデータに対して画像処理を行う画像処理装置、及び、前記撮影装置に搭載されたコンピュータに所定の処理を実行させるためのプログラムに関する。
【0002】
【従来の技術】
CCD等の撮像素子によって被写体を撮影し、該撮影によって得られたアナログの画像信号をデジタルの画像データに変換した後に、スマートメディア(R)等の情報記憶媒体に記憶させる構成のデジタルスチルカメラ(以下、DSCと略す)は、撮影した画像をその場でLCDに再生表示させることで、撮影が成功したか失敗したかをその場で確認できるという特長があり、近年急速に普及してきている。DSCによって撮影された画像は、例えば顧客が画像データをDPE受付店に持込んで写真プリントの作成等の写真処理を依頼することにより、高品位の写真プリントとして保存したり、前記画像データが表す画像を顧客が所持しているプリンタにより紙等に簡易的に記録することも可能である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、DSCには顧客(撮影者)の指示に応じて撮影倍率を変更する機能(ズーム機能)が設けられていることが多い。このズーム機能には、ズームレンズの倍率を変更することで撮影倍率を光学的に変更するもの(光学ズーム)と、撮影倍率を画像処理によって(非光学的に)変更するもの(デジタルズーム:詳しくは見掛け上の撮影倍率が変更される)があるが、デジタルズームにより撮影倍率が高くされて撮影が行われた場合、撮影画素数(デジタルズームの画像処理が行われる前の原画像のデータのうち、画像処理後の画像に使用されるデータの画素数)が少ないため、撮影によって得られた画像データを用いて写真プリントを作成すると、粗さが目立つ等の顕著な画質劣化が写真プリントに生ずることがある。
【0004】
しかしながら、特にDSCを用いた撮影操作についての熟練度の低い顧客にとっては、写真プリント上に顕著な画質劣化が生ずるか否かをも考慮して撮影倍率を調節して撮影を行うことは非常に煩雑かつ困難である。また、光学ズーム及びデジタルズームが各々搭載され、光学ズームによって撮影倍率を変更するかデジタルズームによって撮影倍率を変更するかが顧客からの撮影倍率の変更指示に応じてシームレスに切り替わるタイプのDSCを用いて撮影を行う場合には、現在の撮影倍率で撮影を行った場合に写真プリント上に顕著な画質劣化が生じずに済むか否かを正確に判断することは、DSCを用いた撮影操作に熟練している顧客であっても困難が伴う。
【0005】
従って、デジタルズームにより高倍率で撮影することで、写真プリント上に顕著な画質劣化が生じたり、逆に写真プリント上に顕著な画質劣化が生ずることを避けるために、例えばデジタルズームが使用されない等のように、デジタルズームが有効利用されない、等の問題があった。
【0006】
なお、上述した問題は撮影装置がDSCである場合に限られるものではなく、デジタルビデオカメラによって静止画像を撮影する場合や、動画像を撮影する場合(例えば動画像のうちの一部フレームを写真プリントとして保存する可能性がある場合等)にも共通する問題であった。
【0007】
本発明は上記事実を考慮して成されたもので、撮影倍率が画像処理によって変更される場合にも、画質劣化を回避できる適切な撮影倍率を撮影者が容易に選択することができる撮影装置及びプログラムを得ることが目的である。
【0008】
また本発明は、撮影倍率が画像処理によって変更される場合にも、出力画像上での画質劣化を抑制することが可能な撮影装置、画像処理装置及びプログラムを得ることが目的である。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために請求項1記載の発明に係る撮影装置は、撮影倍率を画像処理によって変更する電子変倍手段を備えた撮影装置であって、前記電子変倍手段による撮影倍率の変更に伴って変化する撮影画素数を検知する検知手段と、前記検知手段によって検知された撮影画素数が、撮影された画像を画像として出力する際の出力画像の複数種のサイズの何れかに各々対応し、かつ撮影された画像を対応するサイズの画像として出力する際に出力画像の画質を一定水準以上に維持できる最小の撮影画素数に各々相当する複数種の所定値の何れかよりも小さくなる毎に撮影者への警告を行うと共に、該撮影者への警告を個々の所定値毎に互いに異なる警告方法で行う警告手段と、を備えたことを特徴としている。
【0010】
請求項1記載の発明に係る撮影装置は、撮影倍率を画像処理によって変更する電子変倍手段を備えている。なお、請求項1記載の撮影装置は、例えばデジタルスチルカメラ(DSC)であってもよいし、デジタルビデオカメラ等の他の撮影装置であってもよい。また、例えば請求項4に記載したように、撮影倍率を光学的に変更する光学変倍手段を更に備えていてもよい。
【0011】
電子変倍手段は、例えば原画像の画像データから、撮影倍率に相当する抽出範囲のデータを抽出し、抽出したデータの画素数(撮影画素数)が所定値となるように変換(画素密度変換)を行うものであり、撮影倍率(詳しくは見掛け上の撮影倍率)が高くなるに従って前記抽出範囲が小さくなり、撮影画素数が少なくなる。ここで、請求項1記載の発明では、電子変倍手段による撮影倍率の変更に伴って変化する撮影画素数を検知手段によって検知している。
【0012】
そして、請求項1記載の発明に係る警告手段は、撮影された画像を画像として出力する際の出力画像(例えば写真プリント等)のサイズには複数種用意されていることが一般的であり、出力画像の画質を一定水準以上に維持できる最小の撮影画素数が、出力画像のサイズによって変化することを考慮し、検知手段によって検知された撮影画素数が、撮影された画像を画像として出力する際の出力画像の複数種のサイズの何れかに各々対応し、かつ撮影された画像を対応するサイズの画像として出力する際に出力画像の画質を一定水準以上に維持できる最小の撮影画素数に各々相当する複数種の所定値の何れかよりも小さくなる毎に撮影者への警告を行うと共に、該撮影者への警告を個々の所定値毎に互いに異なる警告方法で行う(例えば互いに異なる警告ランプの点灯、互いに異なる音声での警告、ファインダ又はディスプレイへの互いに異なるメッセージの表示等)。
【0013】
これにより、撮影者(顧客)は、警告手段による警告の有無及び警告方法に基づいて、出力画像に画質劣化が生ずる撮影倍率の範囲を、出力画像のサイズ毎に認識することができ、撮影者が想定しているサイズの出力画像の画質劣化を回避できるように適切な撮影倍率を選択する等の撮影操作を容易に行うことができる。従って、請求項1記載の発明によれば、撮影倍率が画像処理によって変更される場合にも、画質劣化を回避できる適切な撮影倍率を撮影者が容易に選択することができる。
【0014】
また、請求項1記載の発明は、検知された撮影画素数が所定値よりも小さい場合に警告を発するものであり、撮影を禁止するものではないので、撮影者が、粗さが目立つ等の顕著な画質劣化が出力画像に生ずることを承知の上で、高い撮影倍率での撮影を行うことも可能である。なお、請求項1記載の発明において、警告手段は、検知された撮影画素数が所定値よりも小さい場合に警告を発することに加えて、撮影を禁止するようにしてもよい。
【0015】
また、出力画像の一種である写真プリントには多様なサイズが用意されているが、ニーズの高いサイズがLサイズと2Lサイズであることを考慮すると、請求項1記載の発明において、例えば出力画像が写真プリントである等の場合は、例えば請求項2に記載したように、複数種の出力画像のサイズをLサイズと2Lサイズとすることが好ましい。この場合、警告手段は、撮影画素数がLサイズに対応する所定値よりも小さい場合、及び、撮影画素数が2Lサイズに対応する所定値よりも小さい場合に、各々異なる警告方法で撮影者へ警告するように構成されることになる。
【0016】
これにより、写真プリントで用意されている多様なサイズの全てについて所定値を各々設定し、撮影画素数が各所定値の何れかよりも小さくなる毎に各々異なる警告方法で撮影者への警告を行う態様と比較して、撮影者が混乱をきたすことを防止できると共に、ニーズの高いLサイズ及び2Lサイズについては撮影画素数が所定値よりも小さい場合に警告が発せられるので、出力画像のサイズがLサイズ及び2Lサイズ以外である、という稀なケースを除いて、出力画像の画質劣化を回避できる適切な撮影倍率を撮影者が容易に選択することができ、撮影者に対して効果的に警告を発することができる。
【0017】
請求項3記載の発明に係る撮影装置は、撮影倍率を画像処理によって変更する電子変倍手段を備えた撮影装置であって、前記電子変倍手段による撮影倍率の変更に伴って変化する撮影画素数を検知する検知手段と、撮影された画像を画像として出力する際の出力画像の複数種のサイズの何れかに各々対応し、かつ撮影された画像を対応するサイズの画像として出力する際に出力画像の画質を一定水準以上に維持できる最小の撮影画素数に各々相当する複数種の所定値を各々記憶する記憶手段と、出力画像のサイズを指定するための指定手段と、前記検知手段によって検知された撮影画素数が、前記記憶手段に記憶されている複数種の所定値のうち、前記指定手段を介して指定された出力画像のサイズに対応する所定値よりも小さい場合に、撮影者へ警告する警告手段と、を備えたことを特徴としている。
【0018】
請求項3記載の発明に係る撮影装置は、請求項1記載の発明に係る撮影装置と同様に電子変倍手段を備えている。なお、請求項3記載の撮影装置についても、例えばデジタルスチルカメラ(DSC)であってもよいし、デジタルビデオカメラ等の他の撮影装置であってもよい。また、例えば請求項4に記載したように、撮影倍率を光学的に変更する光学変倍手段を更に備えていてもよい。
【0019】
また、請求項3記載の発明では、請求項1記載の発明と同様に検知手段を備えると共に、撮影された画像を画像として出力する際の出力画像の複数種のサイズの何れかに各々対応し、かつ撮影された画像を対応するサイズの画像として出力する際に出力画像の画質を一定水準以上に維持できる最小の撮影画素数に各々相当する複数種の所定値を各々記憶する記憶手段、及び、出力画像のサイズを指定するための指定手段を各々備えている。そして請求項3記載の発明に係る警告手段は、検知手段によって検知された撮影画素数が、前記記憶手段に記憶されている複数種の所定値のうち、前記指定手段を介して指定された出力画像のサイズに対応する所定値よりも小さい場合に、撮影者へ警告する。
【0020】
請求項3記載の発明では、撮影者が指定手段を介して出力画像のサイズを指定する必要があるものの、撮影画素数が、指定したサイズの出力画像の画質を一定水準以上に維持できる最小の撮影画素数に相当する所定値よりも小さい場合にのみ、撮影者への警告が行われるので、指定したサイズの出力画像の画質劣化を回避できる適切な撮影倍率を撮影者が容易かつ確実に選択することができる。
【0021】
請求項5記載の発明に係る撮影装置は、撮影倍率を画像処理によって変更する電子変倍手段を備えた撮影装置であって、前記電子変倍手段による撮影倍率の変更に伴って変化する撮影画素数を検知する検知手段と、前記検知手段によって検知された撮影画素数が、撮影された画像を所定サイズの画像として出力する際に出力画像の画質を一定水準以上に維持できる最小の撮影画素数に相当する所定値よりも小さい場合に、前記撮影画素数が前記所定値よりも小さいことを表すタグ情報を前記撮影された画像のデータに付加する情報付加手段と、を備えたことを特徴としている。
【0022】
請求項5記載の発明に係る撮影装置は、請求項1記載の発明と同様に、撮影倍率を画像処理によって変更する電子変倍手段及び撮影画素数を検知する検知手段を備えている。なお、請求項5記載の撮影装置は、例えばデジタルスチルカメラ(DSC)であってもよいし、デジタルビデオカメラ等の他の撮影装置であってもよい。また、請求項4に記載した光学変倍手段を備えていてもよい。
【0023】
また、請求項5記載の発明では、検知手段によって検知された撮影画素数が、撮影された画像を所定サイズの画像として出力する際に出力画像の画質を一定水準以上に維持できる最小の撮影画素数に相当する所定値よりも小さい場合に、情報付加手段により、検知された撮影画素数が前記所定値よりも小さいことを表すタグ情報が撮影された画像のデータに付加される。
【0024】
これにより、請求項5記載の発明に係る撮影装置によって撮影された画像については、画像のデータにタグ情報が付加されているか否かに基づいて、出力画像の画質を一定水準以上に維持できるか否かを容易に判断することができ、タグ情報が付加されていた場合には、出力画像上での画質劣化が抑制されるように、画像として出力する前に画質向上のための画像処理を行うことが可能となる。従って、請求項5記載の発明によれば、撮影倍率が画像処理によって変更される場合にも、出力画像上での画質劣化を抑制することが可能となる。
【0025】
また、請求項5記載の発明において、例えば請求項6に記載したように、検知手段によって検知された撮影画素数が、撮影された画像のデータに画質向上のための所定の画像処理を行って所定サイズの画像として出力する際に出力画像の画質を一定水準以上に維持できる最小の撮影画素数に相当する第2の所定値よりも小さい場合に、撮影者へ警告する警告手段を設けることが好ましい。なお、画像のデータにタグ情報が付加されているか否かに基づいて、画像として出力する前に画質向上のための画像処理が行われることを前提とすれば、第2の所定値としては、請求項5に記載の所定値よりも小さい値を用いることができる。
【0026】
これにより、請求項1記載の発明と同様に、撮影者(顧客)は、請求項6記載の発明に係る警告手段による警告の有無に基づいて、所定サイズの出力画像に画質劣化が生ずる撮影倍率の範囲を認識することができるので、例えば重要な撮影である等の場合には、出力画像の画質を意識して、出力画像に画質劣化が生じない範囲で撮影倍率を調節する等の撮影操作を行うことができる。請求項6記載の発明によれば、撮影倍率が画像処理によって変更される場合にも、画質劣化を回避できる適切な撮影倍率を撮影者が容易に選択することができる。
【0027】
請求項7記載の発明は、請求項5又は請求項6記載の撮影装置によって撮影された画像のデータにタグ情報が付加されていた場合に、画像のデータに対して画質向上のための所定の画像処理を行うことを特徴としている。請求項7記載の発明では、画像のデータにタグ情報が付加されていた場合、すなわち出力画像の画質を一定水準以上に維持することが困難な場合に、画質向上のための所定の画像処理を行うので、撮影倍率が画像処理によって変更される場合(詳しくは撮影画素数が所定値よりも小さい場合)にも、出力画像上での画質劣化を抑制することが可能となる。
【0028】
なお、請求項7記載の発明において、所定の画像処理としては、例えば請求項8に記載したように、ノイズ除去処理、粒状抑制処理、画素補間処理、及び、フィルタ処理の少なくとも1つを行うことができる。
【0029】
請求項9記載の発明に係るプログラムは、撮影倍率を画像処理によって変更する電子変倍手段を備えた撮影装置に搭載されたコンピュータを、前記電子変倍手段による撮影倍率の変更に伴って変化する撮影画素数を検知する検知手段、及び、前記検知手段によって検知された撮影画素数が、撮影された画像を画像として出力する際の出力画像の複数種のサイズの何れかに各々対応し、かつ撮影された画像を対応するサイズの画像として出力する際に出力画像の画質を一定水準以上に維持できる最小の撮影画素数に各々相当する複数種の所定値の何れかよりも小さくなる毎に撮影者への警告を行うと共に、該撮影者への警告を個々の所定値毎に互いに異なる警告方法で行う警告手段として機能させる。
請求項9記載の発明に係るプログラムは、上記の電子変倍手段を備えた撮影装置に搭載されたコンピュータを上記の検知手段及び警告手段として機能させるためのプログラムであるので、前記コンピュータが請求項9記載のプログラムを読み出して実行することで、前記撮影装置が請求項1記載の撮影装置として機能することになり、請求項1記載の発明と同様に、撮影倍率が画像処理によって変更される場合にも、画質劣化を回避できる適切な撮影倍率を撮影者が容易に選択することができる。
【0030】
請求項10記載の発明に係るプログラムは、撮影倍率を画像処理によって変更する電子変倍手段と、撮影された画像を画像として出力する際の出力画像の複数種のサイズの何れかに各々対応し、かつ撮影された画像を対応するサイズの画像として出力する際に出力画像の画質を一定水準以上に維持できる最小の撮影画素数に各々相当する複数種の所定値を各々記憶する記憶手段と、出力画像のサイズを指定するための指定手段と、を備えた撮影装置に搭載されたコンピュータを、前記電子変倍手段による撮影倍率の変更に伴って変化する撮影画素数を検知する検知手段、及び、前記検知手段によって検知された撮影画素数が、前記記憶手段に記憶されている複数種の所定値のうち、前記指定手段を介して指定された出力画像のサイズに対応する所定値よりも小さい場合に、撮影者へ警告する警告手段として機能させる。
請求項10記載の発明に係るプログラムは、上記の電子変倍手段、記憶手段及び指定手段を備えた撮影装置に搭載されたコンピュータを上記の検知手段及び警告手段として機能させるためのプログラムであるので、前記コンピュータが請求項10記載のプログラムを読み出して実行することで、前記撮影装置が請求項3記載の撮影装置として機能することになり、請求項3記載の発明と同様に、撮影倍率が画像処理によって変更される場合にも、画質劣化を回避できる適切な撮影倍率を撮影者が容易に選択することができる。
【0031】
請求項11記載の発明に係るプログラムは、撮影倍率を画像処理によって変更する電子変倍手段を備えた撮影装置に搭載されたコンピュータに所定の処理を実行させるためのプログラムであって、前記所定の処理は、前記電子変倍手段による撮影倍率の変更に伴って変化する撮影画素数を検知する第1のステップ、前記第1のステップで検知した撮影画素数が、撮影された画像を所定サイズの画像として出力する際に出力画像の画質を一定水準以上に維持できる最小の撮影画素数に相当する所定値よりも小さい場合に、前記撮影画素数が前記所定値よりも小さいことを表すタグ情報を前記撮影された画像のデータに付加する第2のステップを含むことを特徴としている。
【0032】
請求項11記載の発明に係るプログラムは、撮影装置に搭載されたコンピュータに上記第1及び第2のステップを含む所定の処理を実行させるためのプログラム、すなわち前記コンピュータが搭載された撮影装置を、請求項5に記載の撮影装置として機能させるためのプログラムであるので、撮影装置に搭載されたコンピュータが前記プログラムを読み出して実行することにより、請求項5記載の発明と同様に、撮影倍率が画像処理によって変更される場合にも、出力画像上での画質劣化を抑制することが可能となる。
【0033】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施形態の一例を詳細に説明する。
【0034】
〔第1実施形態〕
図1には、本発明に係る撮影装置としてのデジタルスチルカメラ(DSC)10が示されている。DSC10の本体12は略箱型で、正面から見て左側に、本体12の把持を容易とするための突起(把持部)が形成された形状とされている。図1(A)に示すように、本体12の正面側中央にはレンズ14が取付けられており、本体12のレンズ14上方には、低照度での撮影等の場合に補助光を発するためのストロボ18が取付けられている。
【0035】
また本体12の上面には、正面から見て右側に電源スイッチ20が、左側(把持部に対応する位置)にシャッターボタン22が各々設けられており、本体12の正面から見て右側の側面には、スマートメディア(R)、コンパクトフラッシュ(R)、メモリスティック(R)等の各種情報記憶媒体の何れか(以下これらをメモリカードと総称する:図示省略)を装填可能なスロット24が設けられている。
【0036】
また図1(B)に示すように、本体12の背面の下方側には、反射型表示デバイス又は透過型表示デバイス(例えばLCD)から成るカラーディスプレイ26(モノクロのディスプレイでもよい)が取付けられており、ディスプレイ26の上方側には、メニュースイッチ28、実行/画面切替スイッチ30、及び操作スイッチ32が各々取付けられ、更にその上方にはファインダ16が設けられている。
【0037】
本実施形態に係るDSC10は、ファインダ16内にLCD等から成る表示デバイスが設けられており、撮影時には、撮影者が撮影範囲等を確認するための画像が、ファインダ16内の表示デバイス又はディスプレイ26に表示される。撮影者は、表示デバイス又はディスプレイ26に表示された画像を目視することで、撮影範囲等を確認することができる。また、ファインダ16内には、撮影者がファインダ16内を覗いている状態で点消灯を認識可能な位置に、LED等から成る警告ランプ33が埋設されている。
【0038】
図2にはDSC10の電気系の構成が示されている。レンズ14は、詳しくはオートフォーカス(AF)機構を備えたズームレンズ(焦点距離可変レンズ)であり、レンズ14のAF機構及びズーム機構は駆動回路36によって駆動される。このように、レンズ14及び駆動回路36は請求項4に記載の光学変倍手段に対応している。なおズームレンズに代えて、AF機構のみを備えた焦点距離固定レンズをレンズ14として用いてもよい。
【0039】
本体12内部のレンズ14の焦点位置に相当する位置には、エリアCCDセンサ等で構成される撮像デバイス38が配置されており、被写体を反射してレンズ14に入射された光は撮像デバイス38の受光面に結像される。撮像デバイス38は、駆動回路36が内蔵しているタイミング発生回路(図示省略)によって発生されたタイミング信号に同期したタイミングで駆動され、画像信号(受光面上にマトリクス状に配列された多数個の光電変換セルの各々における受光量を表す信号)を出力する。
【0040】
レンズ14と撮像デバイス38との間にはシャッタ/絞り40が配置されている。シャッタ及び絞りは駆動回路36によって駆動される。シャッタは撮像デバイス38から画像信号が出力されるときに、撮像デバイス38の受光面に光が入射することでスミアが発生することを防止するためのものであり、撮像デバイス38の構成によっては省略可能である。また絞りは、絞り量を連続的に変更可能な単一の絞りで構成してもよいし、絞り量が異なる複数の絞りを切替える構成であってもよい。駆動回路36にはストロボ18も接続されている。ストロボ18は、低照度であることが検出された場合や、撮影者によって発光が指示された場合に、駆動回路36によって発光される。
【0041】
撮像デバイス38の信号出力端には、アナログ信号処理部42、A/D変換器44、デジタル信号処理部46、メモリ48が順に接続されている。アナログ信号処理部42は、撮像デバイス38から出力された画像信号を増幅すると共に、増幅した画像信号に対してホワイトバランス等の補正を行う。アナログ信号処理部42から出力された画像信号は、A/D変換器44によってデジタルの画像データに変換されてデジタル信号処理部46へ入力される。デジタル信号処理部46では、入力された画像データに対して色補正・γ補正・Y/C変換等の各種処理を行う。デジタル信号処理部46から出力された画像データは、RAM等で構成されたメモリ48に一時記憶される。
【0042】
駆動回路36、アナログ信号処理部42、A/D変換器44、デジタル信号処理部46、メモリ48及び圧縮伸張部50(後述)はバス52に接続されており、このバス52には、CPU54が接続されていると共に、電源スイッチ20・メニュースイッチ28・実行/画面切替スイッチ30・操作スイッチ32等のスイッチ類や警告ランプ33(図2では「操作スイッチ/警告ランプ」と表記)、シャッターボタン22が操作されることでオンオフされるシャッタースイッチ56が各々接続されている。警告ランプ33はCPU54によって点消灯が制御される。
【0043】
なお、図示は省略するが、CPU54はROM、RAM、不揮発性メモリ(記憶内容を書替え可能なメモリ:例えばEEPROM等)、入出力ポート等の周辺回路を含んで構成されており、ROMには、後述する撮影倍率変更処理を行うための撮影倍率変更プログラムが予め書き込まれている。この撮影倍率変更プログラムは請求項9に記載のプログラムに対応している。
【0044】
また、メモリ48にはファインダ16内に設けられた表示デバイス、ディスプレイ26及び圧縮伸張部50が各々接続されている。表示デバイス又はディスプレイ26に画像を表示する場合、CPU54は、メモリ48に一時記憶されている画像データに対し、ファインダ16内又はディスプレイ26への表示用の画像データへ変換する画像表示処理を行った後にディスプレイ26へ転送する。これにより、メモリ48に一時記憶されている画像データが表す画像がファインダ16内の表示デバイス又はディスプレイ26に表示される。
【0045】
また、シャッターボタン22が操作されてシャッタースイッチ56がオンされた等により、スロット24に装填されたメモリカードへの画像データの格納が指示された場合、CPU54はメモリ48に一時記憶されている画像データを読み出して圧縮伸張部50へ転送する。これにより、画像データは圧縮伸張部50で圧縮された後にメモリカードに格納される。なお、画像データに対する圧縮率は画質モードとして予め設定されたモードによって相違しており、画質モードによっては画像データが圧縮されることなくメモリカードに格納される場合もある。
【0046】
また、スロット24に装填されたメモリカードに格納されている画像データが表す画像の再生(表示)が指示された場合には、メモリカードから画像データが読み出され、読み出された画像データが圧縮されて格納されていた場合には、該被圧縮画像データが圧縮伸張部50で伸張(解凍)された後にメモリ48に一時記憶される。そして、メモリ48に一時記憶された画像データを用いてディスプレイ26(或いはファインダ内の表示デバイス)への画像の表示(再生)が行われる。
【0047】
次に本第1実施形態の作用として、本第1実施形態に係る撮影倍率変更処理について、図3のフローチャートを参照して説明する。DSC10の電源が投入され、DSC10を用いた撮影が可能とされている状態で、操作スイッチ32は撮影倍率の変更を指示するための撮影倍率変更スイッチとして機能する。撮影倍率変更処理は、撮影者によって操作スイッチ32が操作されて撮影倍率の変更が指示されると、ROMから撮影倍率変更プログラムが読み出されることによりCPU54で実行される。
【0048】
ステップ100では、撮影者によって操作スイッチ32が操作されることで指示された撮影倍率の変更が、レンズ14のズーム機構を駆動してレンズ14の光学倍率を変更することで対応可能な範囲内か否か判定する。判定が肯定された場合にはステップ102へ移行し、駆動回路36を介してレンズ14のズーム機構を駆動することで、撮影者からの指示に応じてレンズ14の光学倍率(撮影倍率)を変更する。ステップ102の処理を行うとステップ128へ移行し、撮影倍率を変更した後に撮像デバイス38によって撮像が行われることで得られた画像を、撮影者により画像表示用として指定された表示デバイス(ファインダ16内の表示デバイス又はディスプレイ26)に表示させる。
【0049】
次のステップ130では、撮影者による操作スイッチ32の操作が停止されることで撮影倍率の変更指示の入力が終了したか否か判定する。判定が肯定された場合には撮影倍率変更処理を終了するが、ステップ130の判定が否定されている間はステップ100に戻り、ステップ100以降を繰り返す。これにより、撮影者によって指示された撮影倍率の変更が、レンズ14の光学倍率を変更することで対応可能な範囲内である間は、撮影者による撮影倍率の変更指示に応じてレンズ14のズーム機構が連続的に駆動されることで、撮影倍率(レンズ14の光学倍率)の変更が行われる。
【0050】
一方、撮影倍率変更指示として、撮影倍率をより高倍率に変更する指示が入力され、レンズ14の光学倍率が最大になった後も上記指示の入力が継続した場合には、指示された撮影倍率の変更が、レンズ14の光学倍率を変更することで対応可能な範囲を超えたと判断できるので、ステップ100の判定が否定されてステップ104へ移行し、撮像デバイス38によって撮像された原画像を、指示された撮影倍率で撮像されたに等しい画像とするための電子変倍処理の倍率Nを演算する。
【0051】
次のステップ106では、ステップ104で演算した倍率Nに基づいて、原画像のうち電子変倍処理による拡大対象の領域を判断する。拡大対象領域の大きさ(画素数)は次式で求めることができる。
拡大対象領域の画素数S=原画像の画素数S0/倍率N
また、ステップ108では拡大対象領域の画素数Sをメモリに記憶させる。なお、ステップ106,108は本発明に係る検知手段に対応している。そしてステップ110では、ステップ106で判断した拡大対象領域に対し、N倍に拡大(原画像と同一の画素密度へ変換)する電子変倍処理を行い、電子変倍処理後の画像データをメモリ48に記憶させる。
【0052】
これにより、見掛け上の撮影倍率が変化し、電子変倍処理後の画像データが表す画像が、撮影者からの指示に応じて撮影倍率を変更して撮影したに等しい画像となる。このように、ステップ104,110は、実際に電子変倍処理を行うCPU54と共に本発明に係る電子変倍手段に対応している。
【0053】
ところで、本第1実施形態に係るDSC10には、撮影によって得られた画像データをLサイズ又は2Lサイズの画像として出力した場合に、出力画像の画質を一定水準以上に維持できる画像データの画素数の最小値(許容値)が、予めROMに各々記憶されている。
【0054】
一例として、画像の出力条件が、300dpiの解像度(画素記録密度)でLサイズ(89mm×119mm)又は2Lサイズ(127mm×178mm)の記録材料(例えば印画紙)に濃度階調(個々の画素の濃度を変化させることで個々の画素の濃度を表現する)で画像を記録する条件である場合、メーカは、出力画像の画質を一定水準以上とするためには、出力画像がLサイズであれば少なくとも80万画素、出力画像が2Lサイズであれば少なくとも150万画素のデータ量の画像データを用いて画像を記録(出力)することを推奨している。このため、上記の条件で画像を出力する場合、Lサイズに対応する許容値としては「80万」、2Lサイズに対応する許容値としては「150万」を用いることができる。
【0055】
次のステップ112では、電子変倍処理前の拡大対象領域の画素数S(本発明に係る撮影画素数に相当)が、ROMに記憶されているLサイズに対応する許容値よりも小さいか否か判定する。ステップ112の判定が否定された場合にはステップ114へ移行し、電子変倍処理前の拡大対象領域の画素数Sが、ROMに記憶されている2Lサイズに対応する許容値よりも小さいか否か判定する。ステップ114の判定も否定された場合には、何ら処理を行うことなくステップ128へ移行し、電子変倍処理を経た画像を、撮影者により画像表示用として指定された表示デバイス(ファインダ16内の表示デバイス又はディスプレイ26)に表示させる。
【0056】
一方、ステップ112の判定が肯定された場合は、現在の撮影倍率で撮影することで得られた画像データを用いてLサイズの画像を出力(例えば写真プリントを作成)した場合、出力画像の画質を一定水準以上とすることは困難であると判断できる。このため、ステップ112の判定が肯定された場合にはステップ116へ移行し、撮影者により画像表示用として指定された表示デバイスがファインダ16内の表示デバイスかディスプレイ26かを判定する。
【0057】
画像表示用として指定された表示デバイスがディスプレイ26である場合にはステップ118へ移行し、ディスプレイ26にLサイズ用の警告メッセージを表示させた後にステップ128へ移行する。Lサイズ用の警告メッセージとしては、例えば「現在の撮影倍率ではLサイズの写真プリントで粗さが目立つ等の画質劣化が生ずる可能性があります」等を用いることができる。また、画像表示用として指定された表示デバイスがファインダ16内の表示デバイスである場合には、ステップ116からステップ120へ移行し、ファインダ16内の警告ランプ33を比較的短い点滅周期で数秒間点滅させた後にステップ128へ移行する。
【0058】
これにより、撮影者は、現在の撮影倍率では出力画像のサイズをLサイズにすると、該出力画像上に画質劣化が生ずる可能性が高いことを認識することができ、例えば撮影した画像をLサイズの写真プリントとして保存することを予定しているか、Lサイズの写真プリントとして保存する可能性があり、かつ重要な撮影である(撮影対象の被写体が撮影者にとって重要な被写体である)等の場合には、警告メッセージが表示されたり警告ランプ33が点滅したりすることのないように撮影倍率を下げる等の対処を行うことができる。
【0059】
また、ステップ112の判定は否定されたものの、ステップ114の判定が肯定された場合は、現在の撮影倍率で撮影することで得られた画像データを用いて2Lサイズの画像を出力(例えば写真プリントを作成)した場合、出力画像の画質を一定水準以上とすることは困難であると判断できる。このため、ステップ114の判定が肯定された場合にはステップ122へ移行し、撮影者により画像表示用として指定された表示デバイスがファインダ16内の表示デバイスかディスプレイ26かを判定する。
【0060】
画像表示用として指定された表示デバイスがディスプレイ26である場合にはステップ124へ移行し、ディスプレイ26に2Lサイズ用の警告メッセージを表示させた後にステップ128へ移行する。2Lサイズ用の警告メッセージとしては、例えば「現在の撮影倍率では2Lサイズの写真プリントで粗さが目立つ等の画質劣化が生ずる可能性があります」等を用いることができる。また、画像表示用として指定された表示デバイスがファインダ16内の表示デバイスである場合には、ステップ122からステップ126へ移行し、ファインダ16内の警告ランプ33を、先のステップ120よりも長い点滅周期で数秒間点滅させた後にステップ128へ移行する。
【0061】
これにより、撮影者は、現在の撮影倍率では出力画像を2Lサイズにすると、該出力画像上で画質劣化が生ずる可能性が高いことを認識することができ、例えば撮影した画像を2Lサイズの写真プリントとして保存することを予定しているか、2Lサイズの写真プリントとして保存する可能性があり、かつ重要な撮影である等の場合には、警告メッセージが表示されたり警告ランプ33が点滅したりすることのないように撮影倍率を下げる等の対処を行うことができる。
【0062】
なお、上述したステップ112〜ステップ126は請求項1,9に記載の警告手段に対応している。
【0063】
上述した撮影倍率変更処理は、撮影者によって撮影倍率の変更が指示されている間(ステップ130の判定が肯定される迄の間)は実行されると共に、撮影者による撮影倍率の変更指示が一旦停止された後に、撮影倍率の変更が再度指示された場合にも再度実行され、撮影画素数(拡大対象領域の画素数S)がLサイズ又は2Lサイズに対応する許容値より小さくなると、警告メッセージの表示又は警告ランプ33の点滅が行われるので、撮影者が、出力画像上での画質劣化を回避できる適切な撮影倍率を容易に選択することができる。
【0064】
〔第2実施形態〕
次に本発明の第2実施形態について説明する。なお、本第2実施形態は第1実施形態と同一の構成であるので、各部分に同一の符号を付して構成の説明を省略し、以下、本第2実施形態の作用を説明する。
【0065】
先に説明した第1実施形態では、撮影画素数の許容値として、Lサイズに対応する許容値及び2Lサイズに対応する許容値がROMに記憶されていたが、本第2実施形態では、出力画像のサイズとして用意されている各種サイズ(例えばLサイズ、2Lサイズ、6切り、4切り、A4サイズ、…)の何れかに対応する許容値が各々ROMに記憶されている。このように、ROMは請求項3,10に記載の記憶手段に対応している。
【0066】
また、本第2実施形態に係るDSC10は、CPU54の不揮発性メモリに、撮影した画像を出力する際の出力予定サイズが記憶されている。出力予定サイズはデフォルトがLサイズとされているが、撮影者が操作スイッチ32を操作することによる設定変更も可能とされている。操作スイッチ32は請求項3,10に記載の指定手段に対応している。また、本第2実施形態に係る撮影倍率変更プログラムは請求項10に記載のプログラムに対応している。
【0067】
次に、本第2実施形態に係る撮影倍率変更処理について、第1実施形態で説明した撮影倍率変更処理と異なる部分についてのみ説明する。図4に示すように、本第2実施形態に係る撮影倍率変更処理では、指示された撮影倍率の変更がレンズ14の光学倍率を変更することで対応可能な範囲を超えた場合(ステップ100の判定が否定された場合)に、まず第1実施形態と同様に、電子変倍処理の倍率Nを演算し(ステップ104)、電子変倍処理による拡大対象領域を判断し(ステップ106)、拡大対象領域の画素数Sをメモリに記憶させ(ステップ108)、電子変倍処理を行う(ステップ110)。
【0068】
続いてステップ132では、予め設定されている画像の出力予定サイズを不揮発性メモリから読み出し、次のステップ134では読み出した出力予定サイズに対応する許容値をROMから読み出す。そしてステップ136では、拡大対象領域の画素数Sが、ステップ134で読み出した許容値(画像の出力予定サイズに対応する許容値)よりも小さいか否か判定する。ステップ136の判定が否定された場合には何ら処理を行うことなくステップ128へ移行する。
【0069】
一方、ステップ136の判定が肯定された場合は、現在の撮影倍率で撮影することで得られた画像データを用いて出力予定サイズの画像を出力(例えば写真プリントを作成)した場合、出力画像の画質を一定水準以上とすることは困難であると判断できる。このため、ステップ136の判定が肯定された場合にはステップ138へ移行し、撮影者により画像表示用として指定された表示デバイスがファインダ16内の表示デバイスかディスプレイ26かを判定する。
【0070】
画像表示用として指定された表示デバイスがディスプレイ26である場合にはステップ140へ移行し、ディスプレイ26に警告メッセージを表示させた後にステップ128へ移行する。この警告メッセージとしては、例えば「現在の撮影倍率では予定しているサイズ(**サイズ)の写真プリントで粗さが目立つ等の画質劣化が生ずる可能性があります」等を用いることができる(「**」には現在設定されている出力予定サイズを表す文字が代入される)。また、画像表示用として指定された表示デバイスがファインダ16内の表示デバイスである場合には、ステップ138からステップ142へ移行し、ファインダ16内の警告ランプ33を数秒間点滅させた後にステップ128へ移行する。
【0071】
なお、上述したステップ136〜ステップ142、特にステップ136は請求項3,10に記載の警告手段に対応している。
【0072】
これにより撮影者は、現在の撮影倍率では、現在設定している出力予定サイズで画像を出力すると、出力画像上で画質劣化が生ずる可能性が高いことを認識することができ、例えば重要な撮影である(撮影対象の被写体が撮影者にとって重要な被写体である)等の場合には、警告メッセージが表示されたり警告ランプ33が点滅したりすることのないように撮影倍率を下げる等の対処を行うことができる。
【0073】
〔第3実施形態〕
次に本発明の第3実施形態について説明する。なお、第1実施形態及び第2実施形態と同一の部分には同一の符号を付し、説明を省略する。
【0074】
図5には本第3実施形態に係る写真処理システム60が示されている。本実施形態に係る写真処理システム60には、写真プリント作成等の顧客からの写真処理依頼を受け付ける各地のDPE受付店62と、DPE受付店62を介して顧客から依頼された写真処理を行う現像所64が含まれている。DPE受付店62には、DPE受付店62の店員が操作するためのコンピュータ66が設置されており、コンピュータ66にはメディアドライブ68が接続されている。
【0075】
本実施形態において、顧客からの写真処理依頼には3種類の依頼形態がある。第1の依頼形態は、顧客が撮影専用に設計されたデジタルスチルカメラ(例えばDSC10)、デジタルビデオカメラ、携帯電話機やPDA等の携帯機器に付属するデジタルスチルカメラを用いて被写体を撮影することで、メモリカードに画像データが記録され(例えばEXIF形式やその他の形式の画像ファイルとして記録される)、このメモリカードが持込まれることで写真処理が依頼される形態である。
【0076】
メディアドライブ68はメモリカードに対して情報の読み出し及び書込みを行う機能を有している。また、メディアドライブ68が接続されたコンピュータ66は、図示しない通信回線を介して現像所64(のコンピュータ70:後述)と接続されている。第1の依頼形態で写真処理が依頼された場合、DPE受付店62では、顧客によって持込まれたメモリカードを受け取ることで写真処理依頼を受け付け、受け取ったメモリカードからメディアドライブ68によって撮影画像の画像データ(画像ファイル)を読み出し、読み出した画像データをコンピュータ66によって現像所64へ送信することで、顧客からの依頼を受け付けた写真処理の実施を現像所64に依頼する。
【0077】
また、第2の依頼形態では、顧客がDSCを用いて被写体を撮影することで得られた画像データ(例えばEXIF形式やその他の形式の画像ファイル)が、インターネット等のコンピュータ・ネットワークを介してDPE受付店62へ送信されることで写真処理が依頼される。コンピュータ66はインターネット等を介して情報を送受する機能を有しており、第2の依頼形態で写真処理が依頼された場合、DPE受付店62では、インターネット等を介して顧客から送信された撮影画像の画像データをコンピュータ66によって受信することで写真処理依頼を受け付け、受信した画像データをコンピュータ66によって現像所64へ送信することで、顧客から依頼された写真処理の実施を現像所64に依頼する。
【0078】
更に、第3の依頼形態では、顧客がカメラを用いて被写体を撮影することで画像が露光記録された写真フィルムがDPE受付店62に持込まれることで写真処理が依頼される。第3の依頼形態で写真処理が依頼された場合、DPE受付店62では、顧客によって持込まれた写真フィルムを受け取ることで写真処理依頼を受け付け、受け取った写真フィルムを現像所64へ送付することで、顧客から依頼された写真処理の実施を現像所64に依頼する。
【0079】
現像所64には、コンピュータ70、スキャナ72、画像処理装置74及び写真プリンタ/プロセッサ76が設置されている。図示は省略するが、コンピュータ70はCPU,ROM,RAM,入出力ポートがバスを介して互いに接続され、各種の周辺機器が入出力ポートに接続されて構成されている。なお、入出力ポートに接続されている周辺機器としては、キーボード、ディスプレイ、マウス、ハードディスクドライブ(HDD)が挙げられる。コンピュータ70は、第1の依頼形態又は第2の依頼形態で写真処理が依頼された場合にDPE受付店62から送信された撮影画像の画像データを受信し、画像処理装置74へ出力する。
【0080】
また、スキャナ72には、第3の依頼形態で写真処理が依頼された場合にDPE受付店62から送付され、現像等の処理を経て露光記録された画像が可視化された写真フィルムがセットされる。スキャナ72はセットされた写真フィルムに記録されている画像(現像等の処理を経て可視化された画像)を読み取り、この読み取りによって得られた画像データを画像処理装置74へ出力する。
【0081】
画像処理装置74はスキャナ72又はコンピュータ70から入力された画像データに対して所定の画像処理を行い、写真プリンタ/プロセッサ76は、画像処理装置74による画像処理を経た画像データを用いて写真プリントの作成(記録すべき画像に応じて変調したレーザ光を印画紙上で走査させることによる印画紙への画像の露光記録や、画像を露光記録した印画紙の現像等)を行う。なお、画像処理装置74で行われる画像処理の種類及び処理条件はコンピュータ70によって決定される。また、コンピュータ70には紙等の記録媒体に文字等を記録するためのプリンタ78が接続されている。
【0082】
次に本第3実施形態の作用として、本第3実施形態に係る撮影モード処理について、図6のフローチャートを参照し、第2実施形態で説明した撮影倍率変更処理と異なる部分についてのみ説明する。なお、この撮影モード処理は、撮影者によってDSC10の電源が投入され、DSC10の動作モードとして撮影モード(DSC10を用いた撮影が可能な状態になるモード)が選択されると、CPU54のROMに予め書き込まれた撮影モードプログラムが読み出されることでCPU54により実行される。
【0083】
ステップ144では、撮影者によって操作スイッチ32が操作されることで撮影倍率の変更が指示されたか否か判定する。判定が否定された場合にはステップ156へ移行し、撮影者によってDSC10の電源が切断されるか、又は撮影者によってDSC10の動作モードが撮影モード以外のモードに切替える操作がされることで、撮影モードが終了されるか否か判定する。この判定が肯定された場合には撮影モード処理を終了するが、ステップ156の判定が否定された場合はステップ158へ移行し、撮影者によってシャッタボタン22が操作されることで撮影の実行が指示されたか否か判定する。この判定も否定された場合にはステップ144へ戻り、何れかの判定が肯定される迄、ステップ144,156,158を繰り返す。
【0084】
一方、被写体の撮影に際して、撮影者が操作スイッチ32を操作して撮影倍率の変更を指示すると、ステップ144の判定が肯定されてステップ100へ移行し、第2実施形態で説明した撮影倍率変更処理と同様の処理が行われる。すなわち、指示された撮影倍率の変更がレンズ14の光学倍率を変更することで対応可能な範囲を超えた場合(ステップ100の判定が否定された場合)に、電子変倍処理の倍率Nを演算し(ステップ104)、電子変倍処理による拡大対象領域を判断し(ステップ106)、拡大対象領域の画素数Sをメモリに記憶させ(ステップ108)、電子変倍処理を行う(ステップ110)。また、予め設定されている画像の出力予定サイズを不揮発性メモリから読み出し(ステップ132)、読み出した出力予定サイズに対応する許容値をROMから読み出す(ステップ134)。
【0085】
ここで、本第3実施形態では、出力予定サイズに対応する画素数Sの許容値として2種類の許容値(第1の許容値及び第2の許容値)が各々記憶されている。第1の許容値は、撮影によって得られた画像データを、出力画像のサイズとして用意されている各種サイズの画像として出力した場合に、出力画像の画質を一定水準以上に維持できる画像データの画素数の最小値(許容値)であり、第1実施形態及び第2実施形態で説明した許容値と同一の値を用いることができる。
【0086】
また本第3実施形態では、拡大対象領域の画素数Sが第1の許容値よりも小さい場合に、出力画像の画質向上ための所定の画像処理が行われる(詳細は後述する)。第2の許容値は、画像データに対して所定の画像処理が行われることを前提とし、出力画像のサイズとして用意されている各種サイズの画像として出力した場合に、出力画像の画質を一定水準以上に維持できる画像データの画素数の最小値(許容値)であり、例えば、画像の出力条件が、300dpiの解像度(画素記録密度)でLサイズ(89mm×119mm)又は2Lサイズ(127mm×178mm)の記録材料(例えば印画紙)に濃度階調で画像を記録する条件である場合、Lサイズに対応する許容値としては「50万」程度の値を用いることができる。
【0087】
前述のステップ134では出力予定サイズに対応する許容値として第1の許容値を読み出し、次のステップ146において、拡大対象領域の画素数Sが読み出した第1の許容値よりも小さいか否か判定する。判定が否定された場合にはステップ148へ移行し、後述するステップ150の処理によってタグ情報が生成されていれば、このタグ情報を消去した後にステップ144に戻る。また、ステップ146の判定が肯定された場合はステップ150へ移行し、拡大対象領域の画素数Sが第1の許容値よりも小さいことを表すタグ情報を生成する。
【0088】
次のステップ152では、ステップ132で読み出した出力予定サイズに対応する第2の許容値を読み出し、ステップ154において、拡大対象領域の画素数Sが読み出した第2の許容値よりも小さいか否か判定する。ステップ154の判定が否定された場合は、画像データに対して所定の画像処理が行われることを前提とすれば、出力画像の画質を一定水準以上に維持できると判断できるので、何ら処理を行うことなくステップ144に戻る。
【0089】
一方、ステップ154の判定が肯定された場合には、画像データに対して所定の画像処理が行われることを前提としても、出力画像の画質を一定水準以上に維持することは困難と判断できるので、第2実施形態で説明した撮影倍率変更処理と同様に、画像表示用の表示デバイスを判定し(ステップ138)、表示デバイスがディスプレイ26であればディスプレイ26に警告メッセージを表示させ(ステップ140)、表示デバイスがファインダ16内の表示デバイスであればファインダ16内の警告ランプ33を数秒間点滅させ(ステップ142)た後にステップ128へ移行し、撮影倍率変更後の画像を表示デバイスに表示させる。
【0090】
これにより、撮影者は、現在の撮影倍率では出力予定サイズの出力画像上に画質劣化が生ずる可能性が高いことを認識することができ、例えば重要な撮影である(撮影対象の被写体が撮影者にとって重要な被写体である)等の場合には、警告メッセージが表示されたり警告ランプ33が点滅したりすることのないように撮影倍率を下げる等の対処を行うことができる。なお、上述したステップ154,138〜142は請求項6に記載の警告手段に対応している。
【0091】
また、撮影者によってシャッタボタン22が操作されることで撮影の実行が指示されると、ステップ158の判定が肯定されてステップ160へ移行し、被写体を撮影することによって得られた画像データ(メモリ48に一時記憶された画像データ)を、画質モードの設定に応じて圧縮伸張部50により所定の圧縮率で圧縮し、所定の情報(撮影情報等)を付加することで、画像ファイルとしてメモリカードに記憶させる撮影処理を行う。
【0092】
次のステップ162では、撮影を行った画像に対応するタグ情報が存在しているか否か判定する。前述のように、タグ情報は拡大対象領域の画素数Sが第1の許容値よりも小さい場合に生成されるが、その後の撮影者による撮影倍率の変更指示により、拡大対象領域の画素数Sが第1の許容値以上になるとステップ148で消去されるので、撮影時の撮影倍率が、拡大対象領域の画素数Sが第1の許容値よりも小さくなる値であった場合にのみ、タグ情報が存在していることになる。
【0093】
ステップ162の判定が否定された場合は何ら処理を行うことなくステップ144へ戻るが、判定が肯定された場合にはステップ164へ移行し、撮影を行った画像の画像ファイルにタグ情報を付加した後にステップ144へ戻る。このように、本第3実施形態に係るDSC10は請求項5に記載の撮影装置に対応しており、ステップ146〜152,162,164は請求項5に記載の情報付加手段に対応している。
【0094】
前述のように、メモリカードに記録された画像ファイル(画像データ)は、DPE受付店62から現像所64へ伝達され、画像処理装置74による画像処理を経て写真プリントの作成に用いられるが、画像処理装置74では、写真プリントを作成する画像のデータにタグ情報が付加されているか否かを判定することで、写真プリントを作成する画像が、拡大対象領域の画素数Sが第1の許容値よりも小さくなる撮影倍率で撮影された画像か否かを判断する。そして、画像データにタグ情報が付加されていた場合、画像処理装置74は、写真プリントを作成する画像に対して定常的に行う画像処理に加え、写真プリントの画質向上のための所定の画像処理を行う。
【0095】
なお、所定の画像処理としては、例えば撮像デバイスのノイズ(DSC等によって撮影された画像の場合)に起因する画像中の中〜高周波のノイズ成分(写真フィルムに記録された画像であれば、このノイズ成分は写真フィルムの粒状に起因して生ずる)を除去するノイズ除去処理や粒状抑制処理、補間により画像データの画素数を増加させる画素補間処理、及び、ノイズ除去や鮮鋭度強調のフィルタをかけるフィルタ処理の少なくとも1つを適用することができる。また、50万画素の画像データからLサイズの写真プリントを作成する場合、画像を引き伸ばすことでブロックノイズが目立つようになる。この場合、近隣画素の加算平均をとる平滑化処理を施すか、又は引き伸ばしを行わずに補間処理を施すことで、ブロックノイズを抑制することが可能である。代表的な補間処理としては、例えばスプライン補間処理、最近隣補間処理、共一次補間処理、3次元たたみ込み補間処理が挙げられる。
【0096】
これにより、拡大対象領域の画素数Sが第1の許容値よりも小さくなる撮影倍率で撮影された画像について、写真プリンタ/プロセッサ76によって作成される写真プリントの画質を向上させることができる。このように、本第3実施形態に係る画像処理装置74は、請求項7(詳しくは請求項8)に記載の画像処理装置に対応している。
【0097】
なお、上記で説明した撮影倍率変更処理では、撮影画素数が許容値よりも小さくなった場合に、単に警告を発するようにしていたが、これに限定されるものではなく、警告を発した場合(図3のフローチャートにおけるステップ118,120,124,126の何れかを実行した場合、図4のフローチャートにおけるステップ140又はステップ142を実行した場合)には、ステップ128の画像表示を行った後に撮影倍率変更処理を無条件で終了させる(ステップ130の判定を行うことなく終了させる)ようにしてもよい。これにより、警告が発せられた状態から更に撮影倍率を高くするためには、撮影者が、操作スイッチ32の操作を一旦停止した後に再度操作する(これにより撮影倍率変更処理が再度実行される)、という2段階の操作を行う必要が生ずるので、撮影倍率を高くすることで出力画像に画質劣化が生ずる可能性があることを、より強く撮影者に意識させることができる。
【0098】
また、第1実施形態では、警告ランプ33による互いに異なる警告方法の一例として、撮影画素数がLサイズに対応する許容値よりも小さくなった場合と、2Lサイズに対応する許容値よりも小さくなった場合とで、警告ランプ33の点滅周期を切替える態様を例に説明したが、これに限定されるものではなく、警告を行う各種サイズ毎に警告ランプを各々設け、撮影画素数が特定サイズに対応する許容値よりも小さくなったときに、特定サイズに対応する警告ランプを点滅させるか、或いは点灯させる(例えば撮影画素数が特定サイズに対応する許容値よりも小さい間、常に点灯させる等)ようにしてもよい。
【0099】
また、上記では警告ランプ33を点滅させるか、又はディスプレイ26に警告メッセージを表示させることで警告を発する態様を説明したが、これに限定されるものではなく、音声等により警告を発するようにしてもよい。
【0100】
更に、第1実施形態では撮影画素数がLサイズ又2Lサイズに対応する許容値よりも小さくなった場合に警告を発する態様を、第2実施形態では撮影画素数が予め設定された画像の出力予定サイズに対応する許容値よりも小さくなった場合に警告を発する態様を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、出力画像のサイズとして用意されている各種サイズ(例えばLサイズ、2Lサイズ、6切り、4切り、A4サイズ、…)に対応する許容値を各々記憶しておくと共に、撮影画素数が何れかの許容値よりも小さくなる毎に警告を発するようにしてもよい。
【0101】
また、上記では本発明に係る撮影装置としてDSC10を例に説明したが、これに限定されるものではなく、本発明はデジタルビデオカメラ等の他の撮影装置にも適用可能であることは言うまでもない。
【0102】
【発明の効果】
以上説明したように請求項1及び請求項9記載の発明は、電子変倍手段による撮影倍率の変更に伴って変化する撮影画素数を検知し、該撮影画素数が、撮影画像を画像として出力する際の出力画像の複数種のサイズの何れかに各々対応し、かつ撮影画像を対応するサイズの画像として出力する際に出力画像の画質を一定水準以上に維持できる最小の撮影画素数に各々相当する複数種の所定値の何れかよりも小さくなる毎に撮影者への警告を行うと共に、該撮影者への警告を個々の所定値毎に互いに異なる警告方法で行うようにしたので、撮影倍率が画像処理によって変更される場合にも、画質劣化を回避できる適切な撮影倍率を撮影者が容易に選択することができ、撮影者が想定しているサイズの出力画像の画質劣化を回避できるように適切な撮影倍率を選択することを、撮影者が容易に行うことができる、という優れた効果を有する。
【0104】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明において、複数種の出力画像のサイズをLサイズと2Lサイズとしたので、上記効果に加え、撮影者が混乱をきたすことを防止できると共に、撮影者に対して効果的に警告を発することができる、という効果を有する。
【0105】
請求項3及び請求項10記載の発明は、電子変倍手段による撮影倍率の変更に伴って変化する撮影画素数を検知し、該撮影画素数が、撮影された画像を画像として出力する際の出力画像の複数種のサイズの何れかに各々対応し、かつ撮影された画像を対応するサイズの画像として出力する際に出力画像の画質を一定水準以上に維持できる最小の撮影画素数に各々相当する複数種の所定値のうち、指定手段を介して指定された出力画像のサイズに対応する所定値よりも小さい場合に、撮影者へ警告するようにしたので、撮影倍率が画像処理によって変更される場合にも、画質劣化を回避できる適切な撮影倍率を撮影者が容易に選択することができ、指定したサイズの出力画像の画質劣化を回避できる適切な撮影倍率を撮影者が容易かつ確実に選択することができる、という優れた効果を有する。
【0106】
請求項5及び請求項11記載の発明は、電子変倍手段による撮影倍率の変更に伴って変化する撮影画素数を検知し、該撮影画素数が、撮影画像を所定サイズの画像として出力する際に出力画像の画質を一定水準以上に維持できる最小の撮影画素数に相当する所定値よりも小さい場合に、撮影画素数が所定値よりも小さいことを表すタグ情報を画像のデータに付加するので、撮影倍率が画像処理によって変更される場合にも、出力画像上での画質劣化を抑制することが可能となる、という優れた効果を有する。
【0107】
請求項6記載の発明は、請求項5記載の発明において、検知された撮影画素数が、撮影された画像のデータに画質向上のための所定の画像処理を行って所定サイズの画像として出力する際に出力画像の画質を一定水準以上に維持できる最小の撮影画素数に相当する第2の所定値よりも小さい場合に、撮影者へ警告するので、上記効果に加え、撮影倍率が画像処理によって変更される場合にも、画質劣化を回避できる適切な撮影倍率を撮影者が容易に選択できる、という効果を有する。
【0108】
請求項7記載の発明は、請求項5又は請求項6記載の撮影装置によって撮影された画像のデータにタグ情報が付加されていた場合に、画質向上のための所定の画像処理を行うので、撮影倍率が画像処理によって変更される場合にも、出力画像上での画質劣化を抑制することが可能となる、という優れた効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本実施形態に係るDSCの、(A)は正面側から見た斜視図、(B)は背面側から見た斜視図である。
【図2】 DSCの電気系の概略構成を示すブロック図である。
【図3】 第1実施形態に係る撮影倍率変更処理の内容を示すフローチャートである。
【図4】 第2実施形態に係る撮影倍率変更処理の内容を示すフローチャートである。
【図5】 第3実施形態に係る写真処理システムの概略構成を示すブロック図である。
【図6】 第3実施形態に係る撮影モード処理の内容を示すフローチャートである。
【符号の説明】
10 デジタルスチルカメラ(DSC)
16 ファインダ
26 カラーディスプレイ
32 操作スイッチ
33 警告ランプ
54 CPU
74 画像処理装置
Claims (11)
- 撮影倍率を画像処理によって変更する電子変倍手段を備えた撮影装置であって、
前記電子変倍手段による撮影倍率の変更に伴って変化する撮影画素数を検知する検知手段と、
前記検知手段によって検知された撮影画素数が、撮影された画像を画像として出力する際の出力画像の複数種のサイズの何れかに各々対応し、かつ撮影された画像を対応するサイズの画像として出力する際に出力画像の画質を一定水準以上に維持できる最小の撮影画素数に各々相当する複数種の所定値の何れかよりも小さくなる毎に撮影者への警告を行うと共に、該撮影者への警告を個々の所定値毎に互いに異なる警告方法で行う警告手段と、
を備えたことを特徴とする撮影装置。 - 前記複数種の出力画像のサイズはLサイズと2Lサイズであることを特徴とする請求項1記載の撮影装置。
- 撮影倍率を画像処理によって変更する電子変倍手段を備えた撮影装置であって、
前記電子変倍手段による撮影倍率の変更に伴って変化する撮影画素数を検知する検知手段と、
撮影された画像を画像として出力する際の出力画像の複数種のサイズの何れかに各々対応し、かつ撮影された画像を対応するサイズの画像として出力する際に出力画像の画質を一定水準以上に維持できる最小の撮影画素数に各々相当する複数種の所定値を各々記憶する記憶手段と、
出力画像のサイズを指定するための指定手段と、
前記検知手段によって検知された撮影画素数が、前記記憶手段に記憶されている複数種の所定値のうち、前記指定手段を介して指定された出力画像のサイズに対応する所定値よりも小さい場合に、撮影者へ警告する警告手段と、
を備えたことを特徴とする撮影装置。 - 撮影倍率を光学的に変更する光学変倍手段を更に備えていることを特徴とする請求項1又は請求項3記載の撮影装置。
- 撮影倍率を画像処理によって変更する電子変倍手段を備えた撮影装置であって、
前記電子変倍手段による撮影倍率の変更に伴って変化する撮影画素数を検知する検知手段と、
前記検知手段によって検知された撮影画素数が、撮影された画像を所定サイズの画像として出力する際に出力画像の画質を一定水準以上に維持できる最小の撮影画素数に相当する所定値よりも小さい場合に、前記撮影画素数が前記所定値よりも小さいことを表すタグ情報を前記撮影された画像のデータに付加する情報付加手段と、
を備えたことを特徴とする撮影装置。 - 前記検知手段によって検知された撮影画素数が、撮影された画像のデータに画質向上のための所定の画像処理を行って所定サイズの画像として出力する際に出力画像の画質を一定水準以上に維持できる最小の撮影画素数に相当する第2の所定値よりも小さい場合に、撮影者へ警告する警告手段を更に備えたことを特徴とする請求項5記載の撮影装置。
- 請求項5又は請求項6記載の撮影装置によって撮影された画像のデータに前記タグ情報が付加されていた場合に、前記画像のデータに対して画質向上のための所定の画像処理を行うことを特徴とする画像処理装置。
- 前記所定の画像処理は、ノイズ除去処理、粒状抑制処理、画素補間処理、及び、フィルタ処理の少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項7記載の画像処理装置。
- 撮影倍率を画像処理によって変更する電子変倍手段を備えた撮影装置に搭載されたコンピュータを、
前記電子変倍手段による撮影倍率の変更に伴って変化する撮影画素数を検知する検知手段、
及び、前記検知手段によって検知された撮影画素数が、撮影された画像を画像として出力する際の出力画像の複数種のサイズの何れかに各々対応し、かつ撮影された画像を対応するサイズの画像として出力する際に出力画像の画質を一定水準以上に維持できる最小の撮影画素数に各々相当する複数種の所定値の何れかよりも小さくなる毎に撮影者への警告を行うと共に、該撮影者への警告を個々の所定値毎に互いに異なる警告方法で行う警告手段
として機能させるためのプログラム。 - 撮影倍率を画像処理によって変更する電子変倍手段と、
撮影された画像を画像として出力する際の出力画像の複数種のサイズの何れかに各々対応し、かつ撮影された画像を対応するサイズの画像として出力する際に出力画像の画質を一定水準以上に維持できる最小の撮影画素数に各々相当する複数種の所定値を各々記憶する記憶手段と、
出力画像のサイズを指定するための指定手段と、
を備えた撮影装置に搭載されたコンピュータを、
前記電子変倍手段による撮影倍率の変更に伴って変化する撮影画素数を検知する検知手段、
及び、前記検知手段によって検知された撮影画素数が、前記記憶手段に記憶されている複数種の所定値のうち、前記指定手段を介して指定された出力画像のサイズに対応する所定値よりも小さい場合に、撮影者へ警告する警告手段
として機能させるためのプログラム。 - 撮影倍率を画像処理によって変更する電子変倍手段を備えた撮影装置に搭載されたコンピュータに所定の処理を実行させるためのプログラムであって、
前記所定の処理は、
前記電子変倍手段による撮影倍率の変更に伴って変化する撮影画素数を検知する第1のステップ、
前記第1のステップで検知した撮影画素数が、撮影された画像を所定サイズの画像として出力する際に出力画像の画質を一定水準以上に維持できる最小の撮影画素数に相当する所定値よりも小さい場合に、前記撮影画素数が前記所定値よりも小さいことを表すタグ情報を前記撮影された画像のデータに付加する第2のステップ
を含むことを特徴とするプログラム。
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