JP4400075B2 - スローアウェイチップ及びスローアウェイ式ボールエンドミル - Google Patents

スローアウェイチップ及びスローアウェイ式ボールエンドミル Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、スローアウェイ式ボールエンドミル(以下、ボールエンドミルと称する)に対して、着脱可能に取り付けられる略円弧状の切刃を備えたスローアウェイチップ(以下、チップと称する)に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、略平板状のチップ本体の外周面である逃げ面部に略円弧状の切刃が形成されたチップが、軸線回りに回転される工具本体の先端部に形成された凹溝状のチップ取付座に挿入されて、略円弧状の切刃における軸線回りの回転軌跡が略半球状をなすようにチップ取付座に取り付けられるボールエンドミルが知られている。
このようなボールエンドミルに用いられるチップの一例としては、例えば特許文献1に開示されているように、チップがチップ取付座に取り付けられた状態の工具本体をその軸線方向の先端側から見たときに、チップ本体の逃げ面部に形成された略円弧状をなす切刃が、工具回転方向前方側に向かって凸となる凸曲線状となっているものがある。
すなわち、略円弧状の切刃を、軸線方向の後端側へ向かうにしたがい工具回転方向後方側に向かって軸線回りにねじれるようにすることで、この切刃の切れ味を良好にして、切削抵抗の低減を図ることを狙っているのである。
【0003】
【特許文献1】
特開平4−146015号公報(第1図、第3図)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、チップ本体の逃げ面部に形成された略円弧状をなす切刃を、軸線方向の後端側へ向かうにしたがい工具回転方向後方側に向かって軸線回りにねじれるようにしたときには、この切刃が形成された逃げ面部におけるチップ本体の厚みが、軸線方向の後端側へ向かうにしたがい次第に薄くなっていくので、所定厚みを有する略平板状のチップ本体は、その後端側部分の逃げ面部での厚みがどうしても薄くなりがちとなってしまう傾向にある。
しかしながら、特許文献1に開示されるチップでは、上述したようなチップ本体の厚みについては何ら考慮されていないばかりか、切刃のねじれ角を20゜〜40゜と非常に大きく設定していることによって、チップ本体の後端側部分における逃げ面部での厚みが薄くなりすぎてしまうのであって、チップ本体の剛性を十分に確保することができず、安定した切削加工を行うことができないおそれがあった。
【0005】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたもので、切刃の切れ味を良好に維持して切削抵抗の低減を図りつつも、チップ本体の剛性を低めることなく安定した切削加工を行うことができるチップ及びこのチップが取り付けられたボールエンドミルを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決して、このような目的を達成するために、本発明によるチップは、略平板状のチップ本体の外周面である逃げ面部に略円弧状の切刃が形成され、軸線回りに回転される工具本体の先端部に形成された凹溝状のチップ取付座に挿入されて、前記切刃における前記軸線回りの回転軌跡が略半球状をなすように前記チップ取付座に取り付けられるチップであって、前記チップ取付座に取り付けられた状態で、前記切刃が、前記軸線回りに5゜〜25゜の範囲のねじれ角でねじれるように形成されていて、かつ、前記切刃の回転軌跡がなす略半球の中心を通って前記軸線に対する傾斜角が90゜となる直線方向に位置する前記逃げ面部での前記チップ本体の厚みが、このチップ本体がなす略平板の厚みDに対して0.5D〜0.9Dの範囲に設定されているとともに、前記切刃における最も工具回転方向前方側に突出する点が、前記切刃の回転軌跡がなす略半球の中心を通って前記軸線に対する傾斜角が40゜〜70゜の範囲となる直線方向に位置させられていることを特徴とするものである。
このような本発明においては、チップ取付状態で、軸線回りにねじれる切刃のねじれ角とチップ本体の厚みとを上記のような範囲に設定したことから、比較的緩やかでありながらも必要十分に大きいねじれ角を切刃に与えて、良好な切れ味を得ることができるのに加えて、チップ本体の後端側部分における逃げ面部でのチップ本体の厚みが薄くなりすぎることがなくなり、チップ本体の剛性を十分に確保することができる。
【0007】
また、本発明のチップは、前記チップ取付座に取り付けられた状態で、前記切刃における最も工具回転方向前方側に突出する点が、前記切刃の回転軌跡がなす略半球の中心を通って前記軸線に対する傾斜角が40゜〜70゜の範囲となる直線方向に位置させられていることによって、切刃のねじれ角とチップ本体の厚みとを上記のような範囲内でバランス良く設定することができる。
【0008】
また、本発明のチップは、前記チップ本体の逃げ面部における後端側に、このチップ本体の後端面に向けて切り欠かれてなる面取り部が形成されていて、前記切刃は前記後端面に至ることなく、該切刃の後端は前記後端面から前記軸線方向の先端側に離れて位置させられていることが好ましく、このような構成とすると、チップ本体の厚みがとくに薄くなってしまう部分がなくなることとなり、チップ本体の強度を高めることができる。
【0009】
また、本発明によるボールエンドミルは、本発明のチップが、軸線回りに回転される工具本体の先端部に形成された凹溝状のチップ取付座に挿入されて、前記切刃における前記軸線回りの回転軌跡が略半球状をなすように前記チップ取付座に取り付けられていることを特徴とするものである。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を添付した図面を参照しながら説明する。
本実施形態によるボールエンドミルの工具本体10は、図1に示すように、軸線O回りに回転される軸線Oを中心とした略円柱状をなしており、その先端部には、軸線Oに沿って後端側に凹むような凹溝状のチップ取付座11が形成されている。
このチップ取付座11には、図2〜図4に示すようなチップが挿入されて取り付けられていて、こうしてチップが取り付けられたボールエンドミルは、その工具本体10が軸線O回りに工具回転方向T前方側へ向かって回転されながら軸線Oに交差する方向へ送られることによって、チップに形成された切刃35,35でワークを切削していくことになる。
【0011】
チップのチップ本体30は、図2〜図4に示すように、超硬合金等の硬質材料によって蒲鉾形をなす略平板状に形成されたものであり、このチップがチップ取付座11に取り付けられた状態(以下、チップ取付状態と称する)において、チップ本体30がなす略平板の厚み方向(図3における上下方向、図4における左右方向)を向く一対の側面31,31は、工具本体10の軸線Oに関して表裏対称となるように形成されている。
【0012】
一対の側面31,31同士を接続するチップ本体30の周面部のうち、チップ取付状態で軸線O方向の後端側に向けられる後端面32は、平面視で図2に示すように、軸線Oに略直交する方向に延在する略直線状をなしている。
一方、一対の側面31,31同士を接続するチップ本体30の周面部のうち、上記の後端面32を除く部分であって、チップ取付状態で軸線O方向の先端側及び外周側に向けられる外周面である逃げ面部33は、平面視で図2に示すように、先端側の略半円弧状の部分と、この略半円弧状部分の両端と後端面32の両端とを接続するようにして後端面32に交差する略直線状の部分とから構成されている(後述するが、逃げ面部33における後端側の略直線状の部分には、面取り部36が形成されている)。
【0013】
また、チップ本体30における一対の側面31,31のそれぞれにおいて、チップ取付状態で工具回転方向T前方側に向けられる側の周縁部を除いた部分は、一対の側面31,31同士で互いに平行となる平坦面31Aとされ、かつ、チップ取付状態で工具回転方向T前方側に向けられる側の周縁部は、平坦面31Aから一段凹むようにして逃げ面部33に開口し、軸線Oと逃げ面部33との交点付近から後端面32に至るまでに亘って設けられた凹溝34とされている。
【0014】
そして、一対の側面31,31にそれぞれ形成された凹溝34において、チップ取付状態で工具回転方向T前方側を向くことになる底面34Aの外周側稜線部、すなわち、凹溝34の底面34Aとチップ本体30の逃げ面部33との交差稜線部が、底面34Aをすくい面とする切刃35とされている。
これにより、チップ本体30の逃げ面部33には、チップ取付状態において、軸線Oに関して対称で、先端(内周端)35A,35A同士が軸線O上で互いに略一致するとともに、軸線O回りの回転軌跡が軸線O上に中心O1を有する略半球状となるような略円弧状をなす一対の切刃35,35が形成されることとなる。
【0015】
また、チップ取付状態において切刃35,35からそれぞれ工具回転方向T後方側に延びるチップ本体30の逃げ面部33は、切刃35,35の逃げ面とされており、工具回転方向T後方側に向かうにしたがい、切刃35,35の回転軌跡がなす略半球の内側に向かって後退するように傾斜させられて逃げが与えられている。
なお、凹溝34において、底面34Aから平坦面31Aに向けて立ち上がる壁面34Bは、底面34Aに対して鈍角に交差させられており、すくい面とされる底面34Aから漸次隆起するブレーカ壁面となっている。
【0016】
ここで、本実施形態では、チップ取付状態において、チップ本体30の逃げ面部33に開口する凹溝34,34が、軸線O方向の後端側へ向かうにしたがい工具回転方向T後方側に向かって軸線O回りにねじれるように形成されており、これにともない、凹溝34,34の底面34A,34Aにおける外周側稜線部に形成された切刃35,35も、軸線O方向の後端側へ向かうにしたがい工具回転方向T後方側に向かって軸線O回りにねじれるように形成されている。
このとき、軸線Oに直交する横方向から見て図4(図2におけるB方向矢視図)に示すように、軸線O回りにねじれる切刃35,35のねじれ角θは、5°〜25°の範囲に設定されている(この切刃35のねじれ角θとは、チップ取付状態で、軸線Oに直交するとともにチップ本体30がなす略平板の厚み方向に直交する方向から見たとき(図2におけるB方向矢視)の、切刃35の接線角のことを示す。また、切刃35のねじれ角θは、軸線O方向の後端側へ向かうにしたがい漸次大きくなっていく)。
【0017】
なお、凹溝34,34が軸線O回りにねじれるように形成されていることにより、それらの底面34A,34Aは曲面状をなすのであるが、これら底面34A,34Aにおいて、切刃35,35の先端35A,35Aを含んで軸線O近傍に位置する部分は、曲面状ではなく平坦面状をなしている。
これは、チップの製造工程で、砥石によって、凹溝34,34を研削で仕上げていくときに、凹溝34,34における底面34A,34Aの外周側稜線である切刃35,35の先端35A,35A同士を、軸線O上で互いに略一致させやすくするためである。
【0018】
また、チップ取付状態で軸線O回りにねじれる一対の切刃35,35は、それらの先端35A,35A同士が軸線O上で互いに略一致させられるために、先端35A,35Aから滑らかな曲線を描くように延びて後端側に連ねられていくようになっており、軸線O方向の先端側から見たときには図3に示すように、あるいは、軸線Oに直交する横方向から見たときには図4に示すように、これら切刃35,35が、工具回転方向T前方側に向かって凸となるような緩やかな凸曲線状をなすことになる。
このとき、切刃35,35のそれぞれにおいて、最も工具回転方向T前方側に突出する点35Bは、切刃35,35の回転軌跡がなす略半球の中心O1を通って軸線Oに対する傾斜角αが40゜〜70゜の範囲となるような直線M方向に位置させられている。
【0019】
ところで、切刃35,35が軸線O方向の後端側へ向かうにしたがい工具回転方向T後方側に向かって軸線O回りにねじれるように形成されていると、切刃35,35が形成された逃げ面部33でのチップ本体30の厚みは、切刃35における最も工具回転方向T前方側に突出した点35Bで最大となり、そこから軸線O方向の後端側へ向かうにしたがい次第に薄くなっていく。
これに対し、本実施形態では、切刃35,35の回転軌跡がなす略半球の中心O1を通って軸線Oに対する傾斜角が90゜となる直線N方向に位置する逃げ面部33でのチップ本体30の厚みdが、このチップ本体30がなす略平板の厚みD(チップ本体30の両側面31,31における互いに平行な平坦面31A,31A同士の間の距離、チップ本体30の最大厚み)に対して、0.5D〜0.9Dの範囲に設定されている。
【0020】
さらに、本実施形態では、チップ本体30の逃げ面部33における後端側、すなわち、平面視で略直線状をなしてチップ本体30の後端面32に交差する略直線状の部分には、この逃げ面部33が後端面32に向けて斜めに切り欠かれることによって、面取り部36が形成されている。
このため、チップ本体30の逃げ面部33に形成された一対の切刃35,35は、チップ本体30の後端面32に至ることがなくなり、切刃35,35の後端35C,35Cが、逃げ面部33の平面視略直線状の部分において後端面32から軸線O方向の先端側へ所定距離離れて位置させられることとなる。
なお、切刃35,35のそれぞれにおける後端35Cは、切刃35,35の回転軌跡がなす略半球の中心O1を通って軸線Oに対する傾斜角βが90゜よりも大きい例えば100゜となるような直線L方向に位置させられている。
【0021】
そして、チップ本体30の両側面31,31の中央部には、これら両側面31,31の平坦面31A,31A間を、チップ本体30の厚み方向に貫通するような取付孔37が形成されていて、この取付孔37の中心が、切刃35,35の回転軌跡がなす略半球の中心O1を通るようになっている。
【0022】
一方、このようなチップが取り付けられるチップ取付座11は、工具本体10の先端部が軸線Oに対する直径方向に切り欠かれることによって、軸線O方向に沿って後端側に凹むような凹溝状に形成されたものであって、先端側を向いて軸線Oに直交する底面と、この底面から屹立するとともに互いに平行かつ軸線Oに平行な一対の内側面とを備えており、工具本体10の先端面に対して、側面視で「コ」字状に開口するようになっている。
【0023】
このような凹溝状のチップ取付座11に対して、上述したチップは、まず、チップ本体30の後端面32がチップ取付座11における底面に対向配置させられるとともに、チップ本体30の一対の側面31,31がチップ取付座11における一対の内側面にそれぞれ対向配置させられるように挿入される。
その後、クランプ手段として、クランプボルト(図示略)が、工具本体に穿設されたクランプ孔12に対し、チップ取付座11に挿入されたチップのチップ本体30に形成された取付孔37を貫通するようにねじ込まれることで、このチップがチップ取付座11に取り付けられるのである。
【0024】
以上説明したような本実施形態によれば、チップ取付状態で軸線O回りにねじれる切刃35,35のねじれ角θを、5゜〜25゜の範囲に設定したことによって、比較的緩やかでありながらも必要十分な大きさのねじれ角を切刃35,35に与えて、これら切刃35,35の切れ味を良好に維持することができている。そして、切刃35,35の回転軌跡がなす略半球の中心O1を通って軸線Oに対する傾斜角が90゜となる直線N方向に位置する逃げ面部33でのチップ本体30の厚みdを、比較的緩やかなねじれ角θに設定された切刃35,35に基づいて、0.5D〜0.9Dの範囲に設定することができているので、このチップ本体30の後端側部分における逃げ面部33でのチップ本体33の厚みが必要以上に薄くなってしまうことがない。
それゆえ、本実施形態では、切刃35,35の切れ味を良好に維持して、切削抵抗の低減を図ることができるのに加え、チップ本体30の剛性を低めることなく安定した切削加工を継続していくことが可能となっている。
【0025】
ここで、切刃35,35のねじれ角θについては、5゜より小さくなってしまうと、切刃35,35の切れ味を良好にする効果が得られないおそれがあり、逆に、25゜より大きくなってしまうと、上記のチップ本体30の厚みdを、0.5D以上にすることができなくなるおそれがある。
一方、上記のチップ本体30の厚みdについては、0.5Dより小さくなってしまうと、チップ本体30の剛性を不用意に低めてしまうおそれがあり、逆に、0.9Dより大きくなってしまうと、切刃35,35のねじれ角θを、5゜以上に設定することができなくなるおそれがある。
なお、上述のようなおそれを確実になくすためには、切刃35,35のねじれ角θは、5゜〜15゜の範囲に設定され、チップ本体30の厚みdは、0.7D〜0.9Dの範囲に設定されるのが好ましい。
【0026】
また、本実施形態では、軸線O回りにねじれるように形成されたことで、工具回転方向T前方側に向かって凸となる凸曲線状をなす切刃35,35のそれぞれについて、最も工具回転方向T前方側に突出する点35Bが、切刃35,35の回転軌跡がなす略半球の中心O1を通って軸線Oに対する傾斜角αが、40゜〜70゜の範囲となる直線M方向に位置させられているために、切刃35,35のねじれ角θとチップ本体30の厚みdとをバランス良く設定することを可能にしている。
なお、上述したような効果をより確実なものとするためには、この直線Mの軸線Oに対する傾斜角αは、50゜〜70゜の範囲に設定されるのが好ましい。
【0027】
さらに、本実施形態では、チップ本体30の逃げ面部33における後端側に、この逃げ面部33が後端面32に向けて斜めに切り欠かれてなる面取り部36が形成されていることから、チップ本体30の厚みがとくに薄くなってしまう部分、すなわち、チップ本体30の逃げ面部33における後端側に位置して後端面32に近い部分がなくなることとなって、チップ本体30の強度を高めることが可能となっている。
【0028】
【発明の効果】
本発明によれば、軸線回りにねじれる切刃のねじれ角とチップ本体の厚みとを上記のような範囲に設定したから、比較的緩やかでありながらも必要十分に大きいねじれ角が切刃に与えられて、切れ味が良好となって切削抵抗が低減し、かつ、チップ本体の後端側部分における逃げ面部でのチップ本体の厚みが薄くなりすぎることもなくなって、チップ本体の剛性が十分に確保されて安定した切削加工を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本実施形態によるボールエンドミルを示す側面図である。
【図2】 本実施形態によるチップを示す平面図である。
【図3】 図2におけるA方向矢視図である。
【図4】 図2におけるB方向矢視図である。
【符号の説明】
10 工具本体
11 チップ取付座
30 チップ本体
31 側面
32 後端面
33 逃げ面部(外周面)
34 凹溝
35 切刃
36 面取り部
O 軸線
O1 切刃の回転軌跡がなす略半球の中心
T 工具回転方向

Claims (3)

  1. 略平板状のチップ本体の外周面である逃げ面部に略円弧状の切刃が形成され、軸線回りに回転される工具本体の先端部に形成された凹溝状のチップ取付座に挿入されて、前記切刃における前記軸線回りの回転軌跡が略半球状をなすように前記チップ取付座に取り付けられるスローアウェイチップであって、
    前記チップ取付座に取り付けられた状態で、
    前記切刃が、前記軸線回りに5゜〜25゜の範囲のねじれ角でねじれるように形成されていて、かつ、前記切刃の回転軌跡がなす略半球の中心を通って前記軸線に対する傾斜角が90゜となる直線方向に位置する前記逃げ面部での前記チップ本体の厚みが、このチップ本体がなす略平板の厚みDに対して0.5D〜0.9Dの範囲に設定されているとともに、前記切刃における最も工具回転方向前方側に突出する点が、前記切刃の回転軌跡がなす略半球の中心を通って前記軸線に対する傾斜角が40゜〜70゜の範囲となる直線方向に位置させられていることを特徴とするスローアウェイチップ。
  2. 請求項1に記載のスローアウェイチップにおいて、
    前記チップ本体の逃げ面部における後端側に、このチップ本体の後端面に向けて切り欠かれてなる面取り部が形成されていて、前記切刃は前記後端面に至ることなく、該切刃の後端は前記後端面から前記軸線方向の先端側に離れて位置させられていることを特徴とするスローアウェイチップ。
  3. 請求項1または請求項2に記載のスローアウェイチップが、軸線回りに回転される工具本体の先端部に形成された凹溝状のチップ取付座に挿入されて、前記切刃における前記軸線回りの回転軌跡が略半球状をなすように前記チップ取付座に取り付けられていることを特徴とするスローアウェイ式ボールエンドミル。
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