JP4400007B2 - スライド式卓上切断機 - Google Patents
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Description
本発明は、回転刃物部を前後摺動させることにより、幅広材のスライド切断加工を可能とするスライド式卓上切断機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の装置として実開昭62−11526号公報に示すようなスライド式卓上切断機がある。従来技術を図6〜図7に沿って説明する。
【0003】
図6において、ベース1の後部にホルダ3を連結し、ホルダ3の上方にスライドバー4をベース1の上面に対して平行に、かつ前後方向に摺動自在に保持し、スライドバー4の前端に回転刃物部ホルダ5を連結し、回転刃物部ホルダ5に前後摺動方向に対し直角に、かつベース1上面に平行にヒンジシャフト7を挿通し、ヒンジシャフト7を軸として回転刃物部10をベース1の上面に対し上下揺動自在に支持し、回転刃物部10には回転刃物13、回転刃物13を回転駆動させるモーター12、モーター12を駆動させるスイッチ15とハンドル14が備えられている。
【0004】
加工材16を切断する場合は、図6のようにベース1の上面とベース1に固定されているフェンス2の側面に加工材16を支持し、回転刃物部10を上限位置のままスライドバー4を手前側(ハンドル14側)へ引き、ハンドル14を押し下げ切込みを与えたあと、図7のように回転刃物部10を押し下げたまま、奥側(ホルダ3側)へハンドル14で押して回転刃物部10を摺動させながら切断する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来の装置にあっては、ベース1の上面に平行な面において回転刃物部10の前後摺動方向に対し回転刃物13が斜めになってしまうと、スライド切断加工の切削抵抗が増大する、あるいは摺動方向に対し斜めに切断してしまうため、部品の加工精度を厳しく管理しなければならないという問題があった。
【0006】
本発明の目的は、回転刃物の前後摺動方向に対し回転刃物の角度を調整できる機構を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的は、上面に被切断材を載置するベースと、該ベース上面に対して平行に前後摺動自在に保持されたスライドバーと、該スライドバーに連結された回転刃物部ホルダと、該回転刃物部ホルダに挿通されて支持され、かつ前記ベースの上面に平行に置かれるヒンジシャフトと、該ヒンジシャフトを支軸として上下揺動自在に支持される回転刃物部と、該回転刃物部に備わる回転刃物を駆動するモーターとを有するスライド式卓上切断機において、前記ヒンジシャフトの一端を回動自在に支持すると共に、前記ヒンジシャフトの他端を前記一端を軸として前記回転刃物部ホルダに対して前記ベースの上面に平行移動可能に構成し、前記ヒンジシャフトの前記他端の移動を規制する固定手段を設け、前記固定手段の操作に連動して前記ヒンジシャフトが移動するようにしたことにより達成される。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を図1〜図5に基づいて説明する。
【0009】
図1において、ベース1の上面に加工材16を支持するフェンス2を固定する。ベース1の後端にホルダ3を連結する。ホルダ3の上方にベース1の上面に対し平行な図示しない貫通孔を2ヵ所穿設し、この貫通孔内に図示しない摺動保持部材を設け、貫通孔内に左右に並列した摺動部材となる2本のスライドバー4をそれぞれ挿通する。
【0010】
スライドバー4は前記摺動保持部材によりベース1の上面に対し平行に、かつ前後方向に摺動する。スライドバー4の前端には回転刃物部ホルダ5、後端にスライドバー4の抜け止め用のサポート6を設ける。
【0011】
さらに図2、図3に示すように回転刃物部ホルダ5の両端にはスライドバー4の摺動方向に長い長穴5a、5bを設け、該長穴5a、5bにヒンジシャフト7が挿通される。ヒンジシャフト7の一端は回転刃物部ホルダ5の長穴5bの上下に貫通しているピン8によって回動自在に支持され、他端は回転刃物ホルダ5のもう一方の長穴5aの前後方向にネジ嵌合されている押しネジ9(固定手段)によって保持ないし固定される。回転刃物部10はヒンジシャフト7によりベース1の上面に対し上下揺動自在に軸支され、スプリング11により上方に付勢されている。
【0012】
回転刃物部10にはモーター12、のこ刃等の回転刃物13、回転刃物部10を押し下げるハンドル14およびモーター12を駆動させるスイッチ15を備える。
【0013】
上記構成において、図5に示すように回転刃物部ホルダ5にネジ嵌合されている押しネジ9をヒンジシャフト7から離れる方向に移動させると、ヒンジシャフト7はピン8を軸としてベース1上面に平行に回動できる。ヒンジシャフト7を回動させ、スライドバー4の軸方向と回転刃物13が平行になる位置に調整移動した後、図4のように押しネジ9をヒンジシャフト7に当接させ、ヒンジシャフト7を固定する。この状態で回転刃物部10の摺動する方向と回転刃物13は平行を保持している。
【0014】
幅の広い加工材を切断する場合には、フェンス2面に加工材16を押し付け固定したあと、ハンドル14で手前側へ引くと、回転刃物部ホルダ5、サポート6、スライドバー4および回転刃物部10が一体となって前方へ移動する。次にスイッチ15を押すと、モーター12が駆動して回転刃物13を回転させる。ハンドル14を押し下げ切込みを与えたあと、後方に回転刃物部10を摺動させながら切断を行う。
【0015】
【発明の効果】
本発明によれば、ヒンジシャフトを回転させ、所定の位置に調整移動させて固定できるようにしたので、部品の加工精度に頼ることなく回転刃物の位置を適切な位置とすることができるため、加工が容易になり安価な部品の提供ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示すスライド式卓上切断機の側面図。
【図2】図1の回転刃物ホルダ部の拡大図。
【図3】図2の反対側の回転刃物ホルダ部の拡大図。
【図4】図2のI−I線断面図。
【図5】図4のヒンジシャフトが回動可能な状態を示す図4相当の断面図。
【図6】従来のスライド式卓上切断機の一例を示す側面図。
【図7】従来のスライド式卓上切断機の切断時を示す側面図。
【符号の説明】
3…ホルダ、4…スライドバー、5…回転刃物部ホルダ、7…ヒンジシャフト、8…ピン、9…押しネジ、10…回転刃物部、13…回転刃物。
Claims (4)
- 上面に被切断材を載置するベースと、該ベース上面に対して平行に前後摺動自在に保持されたスライドバーと、該スライドバーに連結された回転刃物部ホルダと、該回転刃物部ホルダに挿通されて支持され、かつ前記ベースの上面に平行に置かれるヒンジシャフトと、該ヒンジシャフトを支軸として上下揺動自在に支持される回転刃物部と、該回転刃物部に備わる回転刃物を駆動するモーターとを有するスライド式卓上切断機において、
前記ヒンジシャフトの一端を回動自在に支持すると共に、前記ヒンジシャフトの他端を前記一端を軸として前記回転刃物部ホルダに対して前記ベースの上面に平行移動可能に構成し、
前記ヒンジシャフトの前記他端の移動を規制する固定手段を設け、前記固定手段の操作に連動して前記ヒンジシャフトが移動するようにしたことを特徴とするスライド式卓上切断機。 - 前記ヒンジシャフトの前記一端は、前記ヒンジシャフトの長手方向と直交する方向に設けられたピンによって回動支持されていることを特徴とする請求項1記載のスライド式卓上切断機。
- 前記ヒンジシャフトの他端は前記ベース上面と平行に延びる長穴内に位置し、前記ピンを軸として前記ヒンジシャフトの他端を前記長穴内で移動させた際に、前記長穴内に突出可能な前記固定手段によって前記他端の前記長穴内での位置が規制されることを特徴とする請求項2記載のスライド式卓上切断機。
- 前記固定手段は、前記長穴内に突出可能に前記回転刃物部ホルダに設けられると共に、前記ヒンジシャフトを挟んで前記スライドバーの摺動方向に設けられた2つのネジからなることを特徴とする請求項3記載のスライド式卓上切断機。
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