JP4399894B2 - Nbr−金属複合体の製造法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、NBR−金属複合体の製造法に関する。更に詳しくは、中ニトリル含量乃至中高ニトリル含量のNBRを用いた場合にも有効に適用し得るNBR−金属複合体の製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】
金属とゴム加硫物とを効果的に接着せしめるための方法として後加硫接着法Post-Vulcanization Bonding Methodという方法が知られている。従来の接着法は、接着剤処理された金属と未加硫ゴムとを重ね合せ、これらを金型内に挿入し、圧力をかけて加熱するというゴムコンパウンドの加硫サイクル中で行われるが、この後加硫接着法では、接着剤処理した金属とゴム加硫物とを金型中で加熱加硫させることが行われており、ゴム加硫物は従来通り金型中で加硫され、その後の操作で加硫接着されるため、金型が小さくて済むなどのコスト上での大きなメリットが得られる。
【0003】
後加硫接着法が適用される加硫ゴムとしては、SBR、クロロプレンゴム、ブチルゴム、EPDM等の合成ゴムおよび天然ゴムが知られており、また金属に適用処理される接着剤としては、ロード・ファーイースト社製品ケムロック252(一液性)、234B等が用いられている。そして、金属部品へのゴム加硫物の圧入が必要な場合には、その嵌合液としてプロセスオイルが有効であるとされている。
【0004】
しかるに、このような後加硫接着法をNBRに適用した場合には、NBRが低ニトリル含量(AN17〜25%)の場合には比較的問題はないものの、中ニトリル含量(AN25〜31%)および中高ニトリル含量(AN31〜36%)の場合には、殆んど後加硫が行われないことが判明した。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、アクリロニトリル含量が25〜36%の中ニトリル含量乃至中高ニトリル含量のNBRを用いた場合にも後加硫接着法が有効に適用されるNBR−金属複合体の製造法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
かかる本発明の目的は、接着剤処理した金属とホワイトカーボン含有NBR加硫物との界面にSP値が9.5以上の可塑剤を塗布した状態で後加硫し、NBR−金属複合体を製造することによって達成される。
【0007】
【発明の実施の形態】
NBR被覆がなされ、複合体を形成する金属としては、一般に金属板、例えば表面がショットブラスト、スコッチブラスト、ヘアーライン、ダル仕上げなどで粗面化させたステンレス鋼板、SPCC鋼板、アルミニウム板、アルミニウム合金板等が用いられ、更に好ましくはそれをアルカリ脱脂した上で用いられる。そして、その表面は前述の如き接着剤を用いて、浸漬法、スプレー法、刷毛塗り法、ロール法等で塗布処理(膜厚約10〜50μm)されて用いられる。
【0008】
一方、NBR加硫物は、離型剤、可塑剤、加硫剤等によってひき起こされるブルーミングなどによる汚染物を除去するための表面洗浄をした上で用いることが好ましく、表面洗浄は塩素系溶剤による蒸気脱脂、アルカリ洗浄によるタンブリング、超音波洗浄などの方法によって行われる。
【0009】
一般に、ゴム中には補強剤、充填剤としてカーボンブラックが配合されて用いられるが、NBRの場合にあっては、低ニトリル含量のものはとも角として、中ニトリル含量乃至中高ニトリル含量のものにあっては、後加硫が殆んど進行せず、後加硫接着法が適用できなかったが、そこにNBR100重量部当り約5重量部以上、好ましくは約10〜100重量部のホワイトカーボンを配合することにより、後加硫接着を可能とさせる。
【0010】
ホワイトカーボンとしては、無水シリカ、含水シリカ、ケイ酸カルシウム等が用いられ、これは一般にNBR100重量部当り約5重量部以上、好ましくは約10〜100重量部の割合で用いられるカーボンブラックと併用される。
【0011】
NBR加硫物を用いた後加硫接着法では、そこにホワイトカーボンを配合したのみでは不十分であり、それの嵌合液としてSP値(溶解度パラメーター)が9.5以上、好ましくは9.5〜10.2の可塑剤、例えばトリクレジルホスフェート、ジブチルフタレート等が、接着剤処理した金属とホワイトカーボン含有NBR加硫物との界面に可塑剤を塗布した状態で用いられる。SP値がこれ以下の可塑剤を用いた場合あるいは従来から知られているプロセスオイルを用いた場合には、殆んどあるいは全く後加硫が行われない。
【0012】
このような状態で両者の界面に可塑剤を塗布したものは、重ね合せた接着剤処理した金属とホワイトカーボン含有NBR加硫物との間の密接な接触を確保するために約5〜35%、一般には約5〜10%程度圧縮した状態で、オーブン、オートクレーブ等の加熱装置を用いて、約140〜180℃で約10分間乃至約2時間程度加熱して後加硫を行う。
【0013】
【発明の効果】
本発明方法は、低ニトリル含量のみならず中ニトリル含量乃至中高ニトリル含量のNBRの後加硫接着法にも有効に適用され、防振ゴム、各種工業用品等のNBR−金属複合体の製造を可能とさせる。
【0014】
【実施例】
次に、実施例について本発明を説明する。
【0015】
実施例1〜2、比較例1〜19
NBR 100重量部
FEFカーボンブラック(CB) (所定量)
含水シリカ (所定量)
ジオクチルフタレート 6重量部
酸化亜鉛 5 〃
ステアリン酸 1 〃
老化防止剤(IPPD、TMDQ等) 5 〃
イオウ 1 〃
加硫促進剤 4 〃
以上の各配合成分をニーダで混練した後、180℃で10分間プレス加硫し、加硫ゴムテストピース(JIS屈曲試験用、厚さ6.4mm)を作製した。
【0016】
ショットブラスト処理および脱脂処理したSPCC鋼板テストピース(厚さ1.5mm)表面に、市販の溶剤型NBR用接着剤(ケムロック252)をスプレー塗布した(膜厚約15μm程度)後、次の各種のオイル
TCP:トリクレジルホスフェート(SP9.7)
DOP:ジオクチルフタレート(SP9.0)
DOS:ジオクチルセバケート(SP8.4)
プロセスオイル:ナフテン系(SP8.2)
を刷毛で塗布し、そこに上記プレス加硫ゴムテストピースを重ねて圧縮治具へ取付け、ゴム部を10%圧縮した状態で、150℃で1時間の後加硫を行った。
【0017】
空冷し、治具から開放したNBR−金属複合体について、JIS K-6301 90°剥離試験を行ない、接着剤塗布面のゴム部残留率を求めると、次の表に示されるような結果が得られた。
【0018】
以上の結果から、次のようなことがいえる。
(1)比較例1〜5に示される如く、接着剤処理した金属とNBRプレス加硫ゴムとの界面にオイルを塗布しない場合、低ニトリルNBRの場合には良好な接着性が得られるものの、中ニトリル以上のNBRのカーボンブラック配合物では殆んど後加硫せず、含水シリカを用いた場合には接着性は改善できるものの、未だ不十分である。
(2)SP値が9.5未満のオイルを用いた場合(比較例8〜15)および塗布オイルとして従来から知られているプロセスオイルを用いた場合(比較例16〜19)には、殆んどあるいは全く後加硫しない。
(3)SP値が9.5以上のオイルを用いた場合でも、カーボンブラックのみを用いた場合(比較例6〜7)には、殆んど後加硫しない。
(4)これに対して、本発明では十分なる後加硫接着ができる(実施例1〜2)。
Claims (3)
- 接着剤処理した金属とホワイトカーボン含有NBR加硫物との界面にSP値が9.5以上の可塑剤を塗布した状態で後加硫することを特徴とするNBR−金属複合体の製造法。
- ホワイトカーボンがカーボンブラックと併用される請求項1記載のNBR−金属複合体の製造法。
- アクリロニトリル含量が25〜36%の中ニトリル含量乃至中高ニトリル含量のNBRが用いられる請求項1または2記載のNBR−金属複合体の製造法。
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JP13074599A JP4399894B2 (ja) | 1999-05-12 | 1999-05-12 | Nbr−金属複合体の製造法 |
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- 1999-05-12 JP JP13074599A patent/JP4399894B2/ja not_active Expired - Fee Related
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