JP3336634B2 - ガスケット材料の製造法 - Google Patents

ガスケット材料の製造法

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  • Sealing Material Composition (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ガスケット材料の製造
法に関する。更に詳しくは、耐不凍液性にすぐれたガス
ケット材料の製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】特開平2-29484号公報には、金属板の片
面または両面にフェノール樹脂を主体とするプライマー
層を形成させた後、カルボキシ単量体含量2〜15重量%の
カルボキシル基含有NBR、過酸化亜鉛、イオウまたは
加硫促進剤を含有するゴム溶液から加硫ゴム層を形成さ
せてガスケット材料を製造する方法が記載されている。
【0003】このようにして得られるガスケット材料
は、ゴム強度、プライマーとの接着強度が改良され、苛
酷な衝撃・摩擦条件下にあっても、その部分にクラック
やふくれが生ぜず、またイオウ-過酸化亜鉛加硫系を用
いているため、耐熱性、スコーチ安定性などにすぐれて
いると述べられている。
【0004】しかしながら、このような材料から製造さ
れたガスケットを、ガスケットの主要な使用部位である
エンジンヘッドガスケットとして使用した場合には、冷
却水の不凍液と接することでゴムが膨潤し、ふくれが発
生するという問題がみられた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、耐不
凍液性にすぐれたガスケット材料の製造法を提供するこ
とにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】かかる本発明の目的は、
金属板の片面または両面に、カルボキシ単量体含量0.5
〜2.0重量%のカルボキシル基含有NBR、過酸化亜鉛、
有機過酸化物を含有するフェノール樹脂主体のプライマ
ーからプライマー層を形成させた後、カルボキシ単量体
含量0.5〜2.0重量%のカルボキシル基含有NBR、過酸
化亜鉛、有機過酸化物を含有するゴム溶液から加硫ゴム
層を形成させてガスケット材料を製造することにより達
成される。
【0007】金属板としては、ステンレス鋼板、SPC
C鋼板、アルミニウム板などが、一般にアルカリ脱脂お
よびブラスト処理した後、シリカ、リン酸化合物を含む
塗布型クロメート処理して防錆皮膜を形成させた上で用
いられる。SPCC板の場合には、リン酸亜鉛皮膜、リ
ン酸鉄皮膜を形成させることも行われる。
【0008】これらの金属板の片面または両面には、プ
ライマーが塗布され、約130〜200℃で約1〜10分間加熱
処理することにより、片面厚さが約2〜10μmのプライマ
ー層が形成される。メチルエチルケトン、メチルイソブ
チルケトン、ジイソブチルケトンなどのケトン系溶剤ま
たはこれとアルコール系溶剤によって固形分濃度約2〜1
0重量%に調製されるプライマーは、ノボラック型、レゾ
ール型、アルキル変性型などの任意のフェノール樹脂を
主体とし、これにカルボキシル基含有NBR、過酸化亜
鉛、有機過酸化物および一般に用いられている各種配合
剤を含有している。
【0009】カルボキシル基含有NBRとしては、単独
またはブレンド物としてのカルボキシ単量体含量が0.5
〜2.0重量%のものが、フェノール樹脂約90〜60重量部、
好ましくは約85〜70重量部に対して約10〜40重量部、好
ましくは約15〜30重量部の割合で用いられる。カルボキ
シ単量体含量がこれ以下あるいはこれ以上では、いずれ
も耐不凍液性の点で満足されるものが得られず、またフ
ェノール樹脂に対する割合も、これ以下ではNBRとの
接着が困難となり、一方これ以上では金属とプライマ−
との接着が困難となり好ましくない。また、過酸化亜鉛
は、一般にNBRのマスターバッチ(濃度約50重量%)と
して用いられる。また、有機過酸化物としては、通常用
いられているものがそのまま用いられる。
【0010】プライマー層上には、ゴム溶液が塗布さ
れ、約60〜120℃で約5〜20分間程度乾燥させた後、約18
0〜220℃、約40〜100kgf/cm2、約5〜10分間の条件下で
加圧加硫させて、片面厚さ約5〜100μmのゴム層を形成
させることが行われる。トルエンなどによって固形分濃
度約20〜40重量%に調製され、約1000〜5000cps程度の粘
度を有するゴム溶液は、一般にプライマー成分からフェ
ノール樹脂および溶剤を除いた成分をニーダなどで混練
した後、トルエンなどを加えることにより得られる。
【0011】加圧加硫ゴム層上には、グラファイト、セ
ルロース樹脂、パラフィンワックスなどをトルエンなど
の溶剤中に分散させた分散液が塗布され、焼付防止およ
び付着防止が図られる。
【0012】
【発明の効果】本発明方法により得られるガスケット材
料は、熱老化後の耐折曲性にもすぐれており、こうした
好ましい性質を保持しながら、耐不凍液性の点でもすぐ
れている。また、加硫剤として有機過酸化物を使用し、
それを過酸化亜鉛と組み合わせて用いることにより、一
貫混練ができ、スコーチ安定性の点でもすぐれたゴム層
形成組成物として用いることができる。
【0013】
【実施例】次に、実施例について本発明を説明する。
【0014】実施例1 SUS301鋼板(厚さ0.2mm)の表面を、アルカリ脱脂および
ブラスト処理を順次行った後、シリカ、リン酸化合物を
含む塗布型クロメート処理して、防錆皮膜を形成させ
る。次いで、次の組成を有するプライマーを、リバース
ロールコータにより両面に塗布して、180℃、5分間の加
熱処理を行い、片面厚さ5μmのプライマー層を両面に形
成させた。 カルボキシル基含有NBR 100 重量部 (AN含量33%、カルボキシ単量体含量1.8%) ステアリン酸 1 過酸化亜鉛マスターバッチ(日本ゼオン製品ゼオネットZP) 10 MTカーボンブラック 100 シリカ 30 ジクミルパーオキサイド 2.5 ジアリルイソシアヌレート 2.0 老化防止剤(フェニル-α-ナフチルアミン) 2.0 クレゾ−ルノボラックフェノール樹脂 570 (ヘキサメチレンテトラミン10phr含有) メチルエチルケトン 15532.5
【0015】形成されたプライマー層の上に、次の組成
のゴム溶液をナイフコータで塗布し、80℃で15分間乾燥
させた後、200℃、60kgf/cm2、10分間の加圧加硫を行
い、片面厚さ25μmのゴム層を両面に形成させた。 カルボキシル基含有NBR 100 重量部 (AN含量33%、カルボキシ単量体含量1.8%) ステアリン酸 1 過酸化亜鉛マスターバッチ(ゼオネットZP) 10 MTカーボンブラック 100 シリカ 30 ジクミルパ−オキサイド 2.5 ジアリルイソシアヌレート 2.0 老化防止剤(フェニル-α-ナフチルアミン) 2.0 トルエン 570
【0016】このゴム層表面に、焼付防止・付着防止用
グラファイト分散液(日本黒鉛製品コ−トハクトAS-1)を
塗布、乾燥し、全厚0.25mmのガスケット材料を得た。
【0017】実施例2 実施例1において、カルボキシ単量体含量0.5%のカルボ
キシル基含有NBR(AN含量28%)が用いられた。
【0018】実施例3 実施例1において、カルボキシ単量体含量6.0%のカルボ
キシル基含有NBR(AN含量28%)とNBR(AN含量33%)と
の3:7ブレンド物が用いられた。
【0019】比較例1 実施例1において、カルボキシル基含有NBRの代り
に、NBR(AN含量33%)が用いられた。
【0020】比較例2 実施例1において、カルボキシ単量体含量6.0%のカルボ
キシル基含有NBRが用いられた。
【0021】比較例3 実施例1において、カルボキシル基含有NBRを構成成
分とはしないプライマ−が用いられた。
【0022】比較例4 実施例1において、ゴム溶液の加硫剤としてイオウが用
いられた。
【0023】以上の各実施例および比較例で得られたガ
スケット材料について、次の各項目の測定を行った。得
られた結果は、下記表に示される。 引張強さ:JIS K-6301 1-2-(1)項引張試験法による ゴムの伸び率:JIS K-6301 1-2-(1)項引張試験法による 耐熱・折曲性:200℃、100時間後180°の曲げを10回行
ったときの剥離の有無 耐不凍液性:130℃の不凍液(50%トヨタロングライフク
−ラント)に144時間浸漬後のふくれの有無 表 実施例 比較例 測定項目 引張強さ(kgf/cm2) 250 220 250 180 280 250 210 ゴムの伸び率(%) 150 130 150 120 160 150 200 耐熱・折曲性 なし わずか なし あり なし なし あり 耐不凍液性 なし なし なし なし あり あり なし
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平2−29484(JP,A) 特開 平3−149465(JP,A) 特開 昭59−70561(JP,A) 特開 平4−189130(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C09K 3/10

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属板の片面または両面に、カルボキシ
    単量体含量0.5〜2.0重量%のカルボキシル基含有NB
    R、過酸化亜鉛、有機過酸化物を含有するフェノール樹
    脂主体のプライマーからプライマー層を形成させた後、
    カルボキシ単量体含量0.5〜2.0重量%のカルボキシル基
    含有NBR、過酸化亜鉛、有機過酸化物を含有するゴム
    溶液から加硫ゴム層を形成させることを特徴とするガス
    ケット材料の製造法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の方法で得られたガスケッ
    ト材料。
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US6003876A (en) * 1994-08-26 1999-12-21 Koyo Seiko Co., Ltd. Sealing member and capped bearing

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