JP4399572B2 - ニッケル−亜鉛母合金の製造方法 - Google Patents

ニッケル−亜鉛母合金の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP4399572B2
JP4399572B2 JP2002354985A JP2002354985A JP4399572B2 JP 4399572 B2 JP4399572 B2 JP 4399572B2 JP 2002354985 A JP2002354985 A JP 2002354985A JP 2002354985 A JP2002354985 A JP 2002354985A JP 4399572 B2 JP4399572 B2 JP 4399572B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
nickel
zinc
alloy
mass
mother alloy
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP2002354985A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2004183084A (ja
Inventor
洋 小川
和隆 中島
源一郎 加藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Dowa Metals and Mining Co Ltd
Original Assignee
Dowa Metals and Mining Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Dowa Metals and Mining Co Ltd filed Critical Dowa Metals and Mining Co Ltd
Priority to JP2002354985A priority Critical patent/JP4399572B2/ja
Publication of JP2004183084A publication Critical patent/JP2004183084A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4399572B2 publication Critical patent/JP4399572B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Coating With Molten Metal (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ニッケル−亜鉛母合金およびその製造方法に関し、特に、鋼材表面の耐食性の向上のために行う溶融亜鉛めっきの際にめっき浴の溶製とその浴組成の調整を行うために使用する、ニッケル−亜鉛母合金およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、鋼材表面の腐食防止のために、溶融亜鉛めっき処理を施すことが行われている。しかし、亜鉛のみが溶解しためっき浴または亜鉛とアルミニウムが溶解しためっき浴によってめっき処理を行った場合には、鉄と亜鉛の合金層の異常成長によって、表面の光沢がなくなる黒色変化、いわゆるヤケ現象が生じ、品質の低下を招く場合がある。また、めっき処理品の表面に付着する亜鉛の量が部分的に増加する現象も見られる。この様な現象を防止するために、めっき浴にニッケルを添加してめっき処理を施すことが効果的であることが知られている。このニッケルの添加方法としては、ニッケル単体の融点が1455℃と高温であるため、通常はめっき浴にニッケル−亜鉛母合金を添加する方法を採っている。
【0003】
このニッケル−亜鉛母合金の製造方法としては、0.1〜0.5量%のニッケルを含み且つ残部が亜鉛と不可避不純物よりなる亜鉛合金を650〜900℃に加熱溶融した後に冷却する方法(例えば、特許文献1参照)や、2.5量%以下のニッケルを含み且つ残部が亜鉛と不可避不純物よりなる溶融亜鉛めっき浴用ニッケル−亜鉛母合金を製造する方法(例えば、特許文献2参照)のように、ニッケル含有量の少ないニッケル−亜鉛母合金の製造方法が提案されている。また、冷却時の温度条件を限定することにより、10量%以下の高い含有率のニッケルと所定量の鉄およびカドミウムを含むニッケル−亜鉛母合金を製造する方法も提案されている(例えば、特許文献3参照)。
【0004】
【特許文献1】
特開平2−282435号公報(第2頁、左下欄第7−13行)
【特許文献2】
特公平3−13296号公報(第2頁、左上欄第2−12行)
【特許文献2】
特開平10−183267号公報(段落番号0007−0011)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、一般には、2量%未満のニッケルを含むニッケル一亜鉛母合金を使用してめっき浴の調整を行っている。この様なニッケル一亜鉛母合金には、γ相(15量%ニッケル−85量%亜鉛)と言われるニッケル−亜鉛の化合物が存在している。この化合物の融点は約880℃であり、このニッケル一亜鉛母合金を亜鉛浴中に投入した場合には、ニッケル地金単体をめっき浴中に投入した場合と同様に、ニッケルを均一に分散させることは容易ではなく、目標とするニッケル濃度に調整することは困難である。また、ニッケルの添加時にニッケル−アルミニウム母合金を使用する場合があるが、亜鉛浴に溶解する場合には、融点が高いために溶解時間が長くなり、ドロスへの移行が増大する欠点がある。
【0006】
したがって、本発明は、このような従来の問題点に鑑み、亜鉛浴中のニッケル濃度を均一にし且つ溶解時間を短縮することができる、ニッケル−亜鉛母合金およびその製造方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究した結果、ニッケルの溶解時に亜鉛溶湯温度を高めにして溶解を行い、高温度(600℃以上)のまま鋳造して得られるニッケル−亜鉛母合金により、亜鉛浴中のニッケル濃度を均一にし且つ溶解時間を短縮することができることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0008】
すなわち、本発明によるニッケル−亜鉛母合金の製造方法は、3〜15量%のニッケルを含み且つ残部が亜鉛と不可避不純物からなる亜鉛合金を大気雰囲気中において600〜850℃の温度で加熱溶解することを特徴とする。
【0009】
また、本発明によるニッケル−亜鉛母合金は、3〜15量%のニッケルを含み且つ残部が亜鉛と不可避不純物からなることを特徴とする。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明によるニッケル−亜鉛母合金の製造方法の実施の形態は、溶融亜鉛めっき浴調整用の母合金またはめっき浴組成のインゴット製造時の母合金として使用され、3〜15量%のニッケルを含み且つ残部が亜鉛と不可避不純物からなる亜鉛合金を大気雰囲気中において600〜850℃の温度で加熱溶解することを特徴とする。
【0011】
大気中でニッケルを亜鉛溶湯に溶解する場合、亜鉛の沸点(906℃)より低い850℃付近が上限である。ニッケルの溶解時には高周波炉を使用しており、溶湯の外部撹拌はあえて必要ないため、溶湯表面には酸化膜が張った状態で静かに保持され、過度の酸化を防いでいる。一方、600℃以上で溶解を行うことにより合金中に存在するγ相を消失させ、亜鉛中のニッケル濃度を均一にすることが可能となる。また、鋳造温度を高温(600℃以上)にした理由は、ニッケル溶解終了後の鋳造時に溶湯の温度を600℃より低くすると、流動性の低下が見られ、鋳造作業に支障をきたすためである。
【0012】
このようにして得られたニッケル−亜鉛母合金は、ニッケルが均一に分散され且つ溶解時間が短く、ボトムドロスの発生がなく、亜鉛浴の調整に最適である。
【0013】
【実施例】
以下、本発明によるニッケル−亜鉛母合金およびその製造方法の実施例について詳細に説明する。
【0014】
[実施例1]
黒鉛ルツボ中で4N電気亜鉛地金を溶解し、600℃に達した時点でニッケルを入れて溶解を行い、5量%Ni−Zn母合金を製造した。得られたニッケル−亜鉛母合金約10kgを500℃の亜鉛浴に投入し、ニッケル濃度が0.1量%になるよう調整して溶解した。亜鉛浴には黒鉛ルツボを使用し、溶湯の量を500kgとした。ニッケル−亜鉛母合金の溶解終了後に、鋳型によって鋳造を行った。その際、ルツボ内の溶湯の上部、中間部および下部からサンプリングしてニッケル濃度を分析した結果および溶解時間を表1に示す。
【0015】
【表1】
Figure 0004399572
【0016】
また、鋳造時における溶湯表面の浮遊ドロス、鋳造ドロスおよびボトムドロスを採取して重量を計量し、全体の溶湯重量に対する割合から、これらのドロスの発生率を算出した。その結果を表2に示す。
【0017】
【表2】
Figure 0004399572
【0018】
[実施例2]
実施例1と同様の方法により、7.5量%Ni−Zn母合金を製造し、得られたニッケル−亜鉛母合金約7kgを500℃の亜鉛浴に投入し、ニッケル濃度、溶解時間およびドロスの発生率を確認した。これらの結果を表1および表2に示す。
【0019】
[実施例3]
実施例1と同様の方法により、10量%Ni−Zn母合金を製造し、得られたニッケル−亜鉛母合金約5kgを500℃の亜鉛浴に投入し、ニッケル濃度、溶解時間およびドロスの発生率を確認した。これらの結果を表1および表2に示す。
【0020】
[比較例1、2]
20量%Ni−Al母合金を500℃の亜鉛浴に投入し、ニッケル濃度が0.1量%になるように調整して溶解した。亜鉛浴には黒鉛ルツボを使用し、溶湯の量を500kgとした。母合金の溶解終了後に、鋳型によって鋳造を行った。その際、ルツボ内の溶湯の上部、中間部および下部からサンプリングしてニッケル濃度を分析した結果および溶解時間を表1に示す。表1に示すように、20量%Ni−Al母合金の溶解時間が20分の時(比較例2)には、Niがほとんど検出されておらず、未溶解の状態であった。また、鋳造時における溶湯表面の浮遊ドロス、鋳造ドロスおよびボトムドロスの発生率を確認した結果を表2に示す。
【0021】
表1および表2の結果から明らかなように、実施例1〜3により得られたニッケル−亜鉛母合金を使用することにより、亜鉛溶湯内でニッケルが均一に分散していることが確認できる。また、比較例1と比べて母合金の溶解時間を大幅に短縮することもできる。また、溶解時間が短くなったことにより、発生するドロス量も低減し、ボトムドロスの発生率は0%であった。
【0022】
【発明の効果】
上述したように、本発明によれば、3〜15量%のニッケルを含むニッケル−亜鉛母合金を亜鉛溶湯内で溶解した場合でも、ニッケルが均一に分散し、ドロスへの移行が認められないことが確認でき、溶解時間も大幅に短縮できることから、コストを低減し、作業効率を向上させることができる。

Claims (1)

  1. 3〜15量%のニッケルを含み且つ残部が亜鉛と不可避不純物からなるニッケル−亜鉛合金の製造方法において、亜鉛を溶解した後、600℃に達した時点でニッケルを加えて、大気雰囲気中において600〜850℃の温度で加熱溶解することにより、3〜15質量%のニッケルを含み且つ残部が亜鉛と不可避不純物からなる亜鉛合金を製造することを特徴とする、ニッケル−亜鉛母合金の製造方法。
JP2002354985A 2002-12-06 2002-12-06 ニッケル−亜鉛母合金の製造方法 Expired - Lifetime JP4399572B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002354985A JP4399572B2 (ja) 2002-12-06 2002-12-06 ニッケル−亜鉛母合金の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002354985A JP4399572B2 (ja) 2002-12-06 2002-12-06 ニッケル−亜鉛母合金の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2004183084A JP2004183084A (ja) 2004-07-02
JP4399572B2 true JP4399572B2 (ja) 2010-01-20

Family

ID=32755808

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002354985A Expired - Lifetime JP4399572B2 (ja) 2002-12-06 2002-12-06 ニッケル−亜鉛母合金の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4399572B2 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2006123945A1 (en) * 2005-05-19 2006-11-23 Fletcher Building Holdings Limited Galvanising procedures
CN112676569B (zh) * 2020-12-09 2022-02-15 中南大学 一种镍锌金属互化物合金的制备方法
CN113528875A (zh) * 2021-06-29 2021-10-22 海西华汇化工机械有限公司 一种钢铁热镀锌用合金元素添加方法
CN114507790B (zh) * 2021-12-28 2022-08-16 西安理工大学 高致密度锌镍合金的制备方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2004183084A (ja) 2004-07-02

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN109439971A (zh) 一种耐蚀性、高强度的铝合金及其制备方法
CN102154580B (zh) 高强度耐热镁合金材料及其制备工艺
CN113774259B (zh) 一种Al-Cu-Mg合金及消除有害含铁相的方法
CN111440974A (zh) 一种高强度铝合金及其制造方法
CN105154736B (zh) 一种耐热铸造镁合金及其制备方法
TWI518183B (zh) Corrosion resistant high nickel alloy and its manufacturing method
CN104294131A (zh) 可时效硬化的Mg-Zn-Cr-Bi-Zr合金及其制备方法
JP6736869B2 (ja) 銅合金素材
TW200837203A (en) Cu-Ni-Si-based copper alloy for electronic material
CN113930648A (zh) 一种高锌铝合金扁铸锭的制备方法
JP4399572B2 (ja) ニッケル−亜鉛母合金の製造方法
WO2007082459A1 (fr) Soudure exempte de plomb et son procédé de préparation
JP5021873B2 (ja) 延性に優れたチタン板およびその製造方法
CN102517476B (zh) 一种减小疏松和缩松的高强度铝合金及其制备方法
CN111394606B (zh) 一种金基高阻合金、合金材料及其制备方法
CN109112373B (zh) 一种高强度Mg-Li-Sn-Zn超轻合金的制备方法
KR102044983B1 (ko) 고내식 마그네슘 합금 및 그 제조방법
JPH07113133B2 (ja) 連続鋳造鋳型用Cu合金
CN107586980B (zh) 一种多元稀土合金化高导电铜合金及其制备方法
JP6179325B2 (ja) 連続鋳造用モールド材
US2720459A (en) Highly wear-resistant zinc base alloy
JP3519863B2 (ja) 表面割れ感受性の低いりん青銅及びその製造方法
JP5157889B2 (ja) 銅合金鋳塊の製造方法、及び活性元素の添加方法
WO2012111674A1 (ja) 高強度銅合金鍛造材
JP5623960B2 (ja) 電子材料用Cu−Ni−Si系銅合金条及びその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20050922

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20080909

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20081030

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20090901

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712

Effective date: 20090928

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20090929

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20090928

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4399572

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121106

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121106

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131106

Year of fee payment: 4

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

EXPY Cancellation because of completion of term