JP4398778B2 - 感熱記録シート - Google Patents

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Description

本発明は、感熱記録層をサーマルプリンタ等の加熱手段を用いて、文字等のパターン状に加熱することにより、文字等の情報を印字・記録する感熱記録シートに関する。
従来から、紙等の基材シートの表面に感熱記録層を設けた感熱記録シートが、各種用途で使用されている。例えば、パーソナルコンピュータ、ファクシミリ、レジスタ等の出力媒体用途等である。また、シート裏面に粘着剤層を設けたラベル形態の感熱記録シートは、バーコード等の物流管理ラベル、値札ラベル等として使われている。さらには、粘着剤層を設けたラベル形態では、粘着剤層裏面に従来積層していた離型シートを用いない形態のものも使用されている。
ところで、感熱記録層は、感熱発色性を付与するために、例えばロイコ染料と顕色剤とを樹脂バインダー中に混合した組成物を、紙等の基材シート上に塗工して形成される。また、感熱記録層の表面には、印字情報の傷付き、汚染等からの保護、光沢の付与等のため、或いは、感熱記録シートの裏面を粘着加工して離型シート無しでロール状に巻き取る場合には、粘着剤層と感熱記録層との離型性付与のため、透明保護層を設けることが行われる。該透明保護層の好ましい材料の一つとして、電子線、紫外線等の電離放射線で架橋硬化する電離放射線硬化性樹脂が用いられていた(特許文献1参照)。
又、このような感熱記録層においては、印字時に該透明保護層との接触によってサーマルヘッドの動きが阻害されると、印字される文字等のパターンの寸法が、該サーマルヘッドの進行方向に向かって縮小する、所謂「スティッキング」という不都合な現象を生じることがある。かかる現象を防止するため、透明保護層の電離放射線硬化性のモノマーやプレポリマー中にステアリン酸亜鉛、ワックス等の滑剤を添加させ、サーマルヘッドに対する滑り性を付与することも試みられている(特許文献2、段落〔0018〕参照)。
しかしながら、該透明保護層は、印字された文字等のパターンを鮮明に認識するために、高い透明性を要する。しかるに、該透明保護層中に滑剤を添加すると、一般に該透明保護層は濁りを生じ、表面の光沢度が低下するという問題があった。
特開平4−15110号公報 特開2001−253169号公報
本発明は、上述のような問題点に関し、感熱記録層上の透明保護層に対して、表面保護性能に加えて、高光沢度と良好なサーマルヘッド滑り性をも付与すること、それによって、印字パターンの光沢、及びスティッキングによる印字パターンの縮小防止性とを両立させた感熱記録シートの提供を目的とする。
本発明者らは、前記目的を達成するために鋭意研究を重ねた結果、感熱記録層の表面に、電離放射線硬化性樹脂の架橋硬化物からなる透明保護層が積層された感熱記録シートにおいて、透明保護層の表面粗さを特定範囲に制御することによって、前記課題を解決し得ることを見出した。本発明は、かかる知見に基づいて完成したものである。
すなわち、本発明は、
(1) 少なくとも感熱記録層と、その表面に積層された電離放射線硬化性樹脂の架橋硬化物からなる透明保護層とからなる感熱記録シートにおいて、該透明保護層の表面のJIS−B−0601で規定する二乗平均平方根粗さが0.2〜1.2μmであることを特徴とする感熱記録シート、
(2) 感熱記録層の裏面側に基材シートが積層された前記(1)に記載の感熱記録シート、
(3) 電離放射線硬化性樹脂が、ラジカル重合性二重結合を2つ以上含むオリゴマー及び/又はモノマーである前記(1)又は(2)に記載の感熱記録シート、
を提供するものである。
本発明の感熱記録シートによれば、透明保護層の光沢低下を防ぎ高光沢を維持しつつ、且つ優れたサーマルヘッド滑り性が得られる。しかも、該透明保護層の樹脂は電離放射線硬化性樹脂であるので、耐擦傷性、耐汚染性、耐溶剤性等の表面保護性能にも優れる。又、表面を高光沢とすることも出来る。
以下、図面を参照しながら本発明を実施するための最良の形態を説明する。
図1は、本発明の感熱記録シート10ついて、代表的な3形態を例示した断面図である。なお、本発明の感熱記録シートの形態は、この3形態に限定されるものではない。
(A)として例示した感熱記録シート10では、感熱記録層2は基材シート1上に積層され、この感熱記録層2の上に更に表面保護層として、電離放射線硬化性樹脂の架橋硬化物からなる透明保護層3が積層された構成である。本発明では、この透明保護層3は、その表面のJIS−B−0601で規定する二乗平均平方根粗さ(Rq)が0.2〜1.2μmであることを特徴とする。このことによって、透明保護層の表面白濁を防ぎ、高光沢、高透明性を維持しつつ、且つ優れたサーマルヘッド滑り性が付与される。
また、(B)として例示した感熱記録シート10は、(A)の構成に対して、基材シート1の裏面側に粘着剤層4が積層された構成である。さらに、(C)に例示の感熱記録シート10は、(B)の構成に対して、更に粘着剤層4の裏面側に、離型シート5が積層された構成である。
次に、これら感熱記録シート10を構成する各層、各シートについて説明する。
〔基材シート〕
基材シート1としては、感熱記録シート用として従来使用されているものを、用途に応じて適宜採用することができ、例えば、紙、樹脂シート(乃至は樹脂フィルム)、合成紙、或いは、これらの積層体等が使用される。なお、基材シートは通常は設けるが、それは、感熱記録シートとしての使用時の機械的強度を付与する等のためであり、基材シートの無い構成(例えば感熱記録層と透明保護層とを積層しただけの構成)でも、所望の用途に対する機械的強度等を満たせば、省略することもできる。なお、基材シートが無い構成の場合、感熱記録層は工程シート(基材シート等の材料で表面離型性のもの)上に一旦塗布形成した後、工程シートを剥離する等して形成することができる。
基材シートの厚さについては、用途に応じ適宜選定することができるが、通常20〜200μm程度のものが使用される。
[感熱記録層]
感熱記録層2としては、熱により情報を記録できる層であれば良く、従来公知のものを適宜採用することができ、例えば、代表的にはロイコ染料と顕色剤等からなる感熱発色層が挙げられる。
本発明で使用し得るロイコ染料としては、特に制限は無く用途に応じたものを使用すればよい。例えば、ロイコ染料としては、3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−6−ジメチルアミノフタリド、3−(4−ジエチルアミノ−2−メチルフェニル)−3−(4−ジメチルアミノフェニル)−6−ジメチルアミノフタリド等の青発色性染料;3−(N−エチル−N−p−トリル)アミノ−7−N−メチルアニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−アニリノフルオラン等の緑発色性染料;3−シクロヘキシルアミノ−6−クロロフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−クロロフルオラン等の赤発色性染料;3−(N−エチル−N−イソアミル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−メチル−N−シクロヘキシル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン等の黒発色性染料等が挙げられる。これらロイコ染料は、一種単独で、又は二種以上を併用して用いることができる。なお、ロイコ染料の配合量は、感熱記録層に対して、通常5〜35質量%程度である。
本発明で使用し得る顕色剤としては、例えば、4,4’−イソプロピリデンジフェノール、4,4’−シクロヘキシリデンジフェノール等のフェノール性化合物;N−(p−トリルスルホニル)カルバモイル酸−p−クミルフェニルエステル、N−(p−トリルスルホニル)カルバモイル酸−p−ベンジルオキシフェニルエステル等の分子内に−SO2NH−結合を有する化合物;p−クロロ安息香酸亜鉛、4−〔2−(p−メトキシフェノキシ)エチルオキシ〕サリチル酸亜鉛等の芳香族カルボン酸の亜鉛塩等が挙げられる。
ロイコ染料と顕色剤との配合割合は、特に制限はないが、例えば、ロイコ染料1質量部に対して、顕色剤は、通常1〜10質量部、好ましくは1〜5質量部程度である。
また、感熱記録層中には、記録情報の保存安定性向上のための保存性改良剤、記録感度向上のための増感剤等を含有させてもよい。保存性改良剤としては、例えば、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、4,4’−チオビス(2−メチル−6−tert−ブチルフェノール)等のヒンダードフェノール化合物;4,4’−ジグリシジルオキシジフェニルスルホン、4−ベンジルオキシ−4’−(2−メチルグリシジルオキシ)ジフェニルスルホン等のエポキシ化合物等が挙げられる。また、増感剤としては、例えば、ステアリン酸アミド、テレフタル酸ジベンジル等が挙げられる。尚、保存性改良剤や増感剤の配合量は特に制限は無いが、通常、ロイコ染料100質量部に対して、それぞれ400質量部以下とすることが好ましい。
上記の如きロイコ染料と顕色剤とからなる感熱記録層の場合、その形成法としては、特に限定はないが、例えば、分散媒体として水を使用し、平均粒径2μm以下のロイコ染料と顕色剤、結合剤、接着剤(バインダー)、及び必要に応じ増感剤、保存性改良剤、さらには助剤とを混合攪拌して調製した塗液を基材シート上に塗布し、乾燥して形成する。塗布量は乾燥時質量で通常2〜12g/m2程度、好ましくは3〜10g/m2程度である。
なお、上記塗液に使用される結合剤としては、特に限定はないが、例えば、酸化デンプン、ヒドロキシエチルセルロース等が好適に使用される。また、上記助剤としては、例えば、カオリン、軽質(乃至は重質)炭酸カルシウム、酸化チタン等の顔料、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム等の界面活性剤、紫外線吸収剤等が挙げられる。
〔透明保護層〕
本発明においては、透明保護層3は、その表面のJIS−B−0601で規定する二乗平均平方根粗さRqが0.2〜1.2μmである電離放射線硬化性樹脂の架橋硬化物として形成される。該架橋硬化物として形成された透明保護層によって、表面保護層としての機能を有し、かつ、優れたサーマルヘッドに対する滑り性を感熱記録シートに付与でき、スティッキングを防止することができる。さらに、該透明保護層は、表面光沢等の表面艶調整機能などの各種機能を実現できる。
すなわち、透明保護層3の表面のRqが0.2μm未満であると、耐スティッキング性が低下し、スティッキング値が+1%を越え、一方、透明保護層3の表面のRqが1.2μmを超えると表面光沢度が低下し、表面光沢度が80未満になる恐れがある。従って、透明保護層3の表面のRqが0.2〜1.2μmであれば、耐スティッキング性と表面光沢度の両性能を具備することができる意義がある。
尚、ここで感熱記録紙の分野における表面光沢とは、JIS−Z−8741に準じて、変角光度計で60度の入射角にて測定した光沢度をいい、該光沢度が80以上であることが好ましく、90以上であることがさらに好ましい。また、耐スティッキング性とは、文字等を印字したときの寸法圧縮率をスティッキング値として表し、そのスティッキング値が−1%〜+1%の範囲であり、且つスティッキング音がないことが好ましい。
このような透明保護層3の形成方法については、特定の電離放射線硬化性樹脂(組成物)を、従来公知の塗工機等を用いた形成方法により形成すればよい。そして、該樹脂(組成物)を塗工後、電離放射線を照射して電離放射線硬化性樹脂(組成物)を重合し架橋させることで、後述するプレポリマー等から成る電離放射線硬化性樹脂同士が架橋することにより、所望の透明保護層が得られる。
ここで、透明保護層3の表面のRqを0.2〜1.2μmに調整する方法としては、特に制限はなく、任意の方法をとることができるが、例えば、電離放射線硬化性樹脂を塗工する行程における塗工速度を調整すれば、容易に目的を達成できる。すなわち、電離放射線硬化性樹脂の塗工方法については、公知の方法、例えば、ロールコート法、グラビアロールコート法、リバースロールコート法、及びグラビアオフセットロールコート法等の塗工法にて塗工すればよく、その塗工速度は、通常およそ10〜80m/min.好ましくは50〜80m/min.の範囲内で実施する。この塗工速度が遅い場合はRqは大きくなり、塗工速度が速い場合はRqは小さくなる。従って、塗工速度を前記10〜80m/min.の範囲内で適宜選択して実施することによって表面粗さを調整することができる。
また、透明保護層を塗工した未硬化状態で、該表面上に所望のRqを有する離型性樹脂シートを一旦積層し、次いで電離放射線を照射して透明保護層を架橋硬化させ、その後該離型性樹脂シートを剥離することによっても透明保護層の表面粗さを調整することができる。
さらに、透明保護層中に添加する固体粒子状の添加剤(滑剤、紫外線吸収剤など)の粒径や添加量を調整することによっても透明保護層の表面粗さを調整することができる。この場合、例えば、粒径については平均粒径が0.5〜30μmの範囲,また添加量については電離放射線硬化性樹脂に対して0.5〜30質量%の範囲で調整すればよい。
ところで、ここでいう電離放射線とは電磁波又は荷電粒子線のうち分子を重合し架橋し得るエネルギーを有するものを意味し、一般的且つ代表的には、紫外線(UV)と電子線(EB)である。尚、特に、透明保護層の電離放射線硬化性樹脂中に紫外線吸収剤を添加した場合には、電離放射線としては、そのエネルギーを効率的に重合反応に寄与させ得る点で、紫外線よりも電子線の方が好ましい。つまり、このような場合には電離放射線硬化性樹脂としては、紫外線硬化性樹脂よりは電子線硬化性樹脂(電子線反応型樹脂)を用いる方が好ましい。
本発明において、透明保護層の形成に用いる電離放射線硬化性樹脂(組成物)としては、分子中に、ラジカル重合性不飽和結合、カチオン重合性官能基等の電離放射線重合性官能基を有する単量体(モノマー)、プレポリマー(乃至はオリゴマー)、或いはこれらの両方からなる。これら単量体又はプレポリマーは各々1種単独で用いてもよいし、或いは複数種を混合して用いてもよい。
上記プレポリマー、或いは単量体としては、具体的には、分子中に(メタ)アクリロイル基、(メタ)アクリロイルオキシ基等のラジカル重合性不飽和基、エポキシ基等のカチオン重合性官能基等を有する化合物からなるものが好ましい。また、ポリエンとポリチオールとの組合せによるポリエン/チオール系のプレポリマーも好適に挙げられる。尚、ここで、(メタ)アクリロイル基とは、アクリロイル基又はメタクリロイル基の意味である。また、以下の(メタ)アクリレートも同様に、アクリレート又はメタクリレートの意味である。なお、アクリレート化合物及びメタクリレート化合物を総称して、単にアクリレート(化合物)とも呼ぶ。
ラジカル重合性不飽和基を有するプレポリマーの例としては、ポリエステル(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、メラミン(メタ)アクリレート、トリアジン(メタ)アクリレート、シリコーン(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらの分子量は、通常250〜100,000程度である。
ラジカル重合性不飽和基を有する単量体としては、単官能単量体と多官能単量体がある。単官能単量体としては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリレート化合物の単官能モノマーが挙げられる。
また、多官能単量体の具体例としては、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンエチレンオキサイドトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
カチオン重合性官能基を有するプレポリマーの例としては、ビスフェノール型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ化合物等のエポキシ系樹脂、脂肪酸系ビニルエーテル、芳香族系ビニルエーテル等のビニルエーテル系樹脂のプレポリマーが挙げられる。
ポリエン/チオール系のプレポリマーを構成するチオールとしては、トリメチロールプロパントリチオグリコレート、ペンタエリスリトールテトラチオグリコレート等のポリチオールが挙げられる。また、ポリエンとしては、ジオールとジイソシアネートによるポリウレタンの両端にアリルアルコールを付加したもの等が挙げられる。
本発明の透明保護層3には、上記の電離放射線硬化性樹脂(組成物)に、サーマルヘッドに対する滑り性を得る観点から滑剤を配合することができる。この場合、配合する滑剤としては、特に限定されず、種々のものが使用できる。代表的なものとしては、例えば、パラフィン、酸化パラフィン、ポリエチレン、酸化ポリエチレン、カスターワックスなどのワックス類、ラウリン酸亜鉛、ステアリン酸亜鉛、及びベヘニン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウムなどの脂肪酸金属塩、その他ステアリン酸アミドなどが挙げられる。これらの滑剤は一種を選んで添加してもよく、二種以上を組み合わせて添加してもよい。
また、滑剤の電離硬化性樹脂に対する添加量は、0.5〜30質量%であることが好ましい。滑剤の電離硬化性樹脂に対する添加量がこの範囲であればサーマルヘッドに対する滑り性が良好であり、十分な透明性と光沢を得ることができる。また、滑剤の電離硬化性樹脂に対する添加量を多くすれば、塗工表面が荒れて平滑度が低下するためRqは大きくなり、添加量を少なくするとRqは小さくなることから、Rqを所望の値に調整する方法として、滑剤の添加量を、電離硬化性樹脂を基準として、上記の範囲内で選択することもできる。
なお、透明保護層中には、他の物性についても必要に応じ適宜調整するために、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、各種添加剤を添加することができる。例えば、ベンゾトリアゾール系化合物、ベンゾフェノン系化合物、サリシレート系化合物、微粒子酸化セリウム、微粒子酸化亜鉛等の紫外線吸収剤;ヒンダードアミン系ラジカル捕捉剤等の光安定剤;アクリル樹脂、熱可塑性ウレタン樹脂等の熱可塑性樹脂;帯電防止剤等である。
なお、透明保護層の膜厚については、用途に応じて適宜選定することができるが、通常、1〜10g/m2程度のものが使用される。
〔粘着剤層〕
粘着剤層4を、図1(B)に例示の如く、基材シート1の裏面側に設けることで、粘着ラベル乃至は粘着シート等の形態の感熱記録シートとなる。この粘着剤層は必要に応じ適宜設ける。粘着剤層4としては、ゴム系、アクリル系等の従来公知の粘着剤を使用して形成すればよい。粘着剤層の形成は、基材シートの裏面に粘着剤を直接塗布し形成する方法の他、別のシート担体上に粘着剤を塗布し、そこから転写で基材シート裏面に形成する方法等の従来公知の形成方法によればよい。
また、粘着剤には、電子線反応型粘着剤を用いることもできる。電子線反応型粘着剤としては、カチオン重合系、ラジカル重合系等の従来公知の、電子線で反応する電子線反応型粘着剤組成物を適宜採用することができる。また、この様な電子線反応型粘着剤組成物としては、市販品を使用することもできる。例えば、東亞合成化学株式会社から市販されている、カチオン重合型オキセタン化合物からなる粘着剤組成物、或いはまた、綜研化学株式会社から市販されている、ラジカル重合型アクリレート化合物からなる粘着剤組成物等である。
〔離型シート〕
粘着剤層を積層した構成に於いては、図1(C)に例示の如く、粘着剤層面を使用時まで保護するために、該粘着剤層面に離型シート5を積層してもよい。離型シートとしては、特に制限は無く、従来公知のものを用途に応じて適宜採用することができる。例えば、離型シートとしては、ポリエチレンテレフタレート等の樹脂シートや、紙等のシートの上に、シリコーン樹脂、メラミン樹脂、ポリオレフィン系樹脂、或いは、ワックス等の離型剤を添加した樹脂等で離型層を積層したもの、或いは、ポリオレフィン系樹脂等のそれ自体が離型性を有する樹脂シート等が使用される。
なお、本発明の感熱記録シートで、粘着剤層を積層した形態に於いては、図1(B)に例示の如く、離型シート無しの形態でもよい。この場合、透明保護層3を離型性のあるものとすることで、ロール状に巻き取った製品形状とすることができる。透明保護層を離型性のあるものとするには、透明保護層の電離放射線硬化性樹脂にシリコーンオイル等の離型剤を添加したり、シリコーンアクリレート等の離型性を有する電離放射線硬化性樹脂を使用する。
〔その他の層〕
なお、本発明の感熱記録シートは、上記説明した層以外に、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、その他の構成層を付加してもよい。例えば、密着性向上のためのプライマー層(あるいは中間層)を、基材シート1と感熱記録層2の間に、又は感熱記録層2と透明保護層3の間に設けることができる。
特に、本発明における透明保護層は、滑剤を含む場合には、該滑剤の種類によっては透明保護層と感熱記録層との密着性に劣る場合があり、かかる場合に、感熱記録層2と透明保護層3の間にプライマー層を設けることは効果的である。また、透明保護層を離型性のあるもので構成する場合においても、透明保護層と感熱記録層との密着性に劣る場合があり、かかる場合にもプライマー層を設けることは効果的である。プライマー層により、感熱記録層2と透明保護層3の
密着性を向上させることによって、サーマルヘッド等で感熱記録シートに印字したときに、透明保護層が剥れたり、サーマルヘッドに取られたりする不都合を避けることができる。
感熱記録層と透明保護層との密着性向上のためのプライマー層としては、特に限定されず、例えば2液硬化型ウレタン樹脂等を用いることもできるが、透明保護層と同じ反応形式の樹脂である、電離放射線硬化性樹脂を用いるのが密着性の点で好ましい。但し、この場合のプライマー層は、離型性を目的とする離型性化合物を含まない電離放射線硬化性樹脂で形成することが肝要である。該電離放射線硬化性樹脂としては、透明保護層で述べたのと同様の化合物等を使用すればよい。また、透明保護層に用い得るのと同様の紫外線吸収剤を含有させることもできる。さらに、この電離放射線硬化性樹脂を用いたプライマー層は、透明保護層の電離放射線硬化性樹脂と同時に重合硬化させるのが、密着性の点でより好ましい。具体的には、未硬化のプライマー層上に未硬化の透明保護層を形成した後、電離放射線を照射して、これら両層を同時に硬化させればよい。
次に、本発明を実施例により、さらに詳細に説明するが、本発明は、この例によってなんら限定されるものではない。
(評価方法)
各実施例及び比較例で得られた感熱記録シートについて、以下の方法で評価した。
(1)二乗平均平方根粗さ
感熱記録シートの透明保護層の表面について、JIS−B−0601に準拠して二乗平均平方根粗さを測定した。この測定値は、n数3の平均値である。
(2)光沢度
上述の方法、すなわち、JIS−Z−8741に準じて、変角光度計で60度の入射角にて光沢度を測定した。評価基準は以下のようにした。
○ ; 光沢度80以上
× ; 光沢度80未満
(3)耐スティッキング性
(株)サトー製プリンタ(製品名「MR410e」)を用いて、印字速度4インチ/秒、印字濃度3Aの条件でプリントし、その過程において、スティッキング音が発生するかどうかを確認した。また、印字した文字の寸法Lp(縦方向と横方向)を測定し、文字の設計上の寸法Loに対する寸法圧縮率(%)を以下の式により求めた。また、
(Lo−Lp)×100/Lo (%)
縦方向及び横方向のより大きい値を示した圧縮率をもってスティッキング値とした。通常、プリンターの分野では、スティッキング値±1%未満を良好なものとしていることから、以下の評価基準で評価した。
○ ; スティッキング値が−1%〜+1%の範囲で、スティッキング音が見ら れない。
× ; スティッキング値が−1%未満あるいは+1%を越えて、スティッキン グ音がする。
(4)記録長さ
前記プリンターにてコード39のパターンのバーコードを印字して、その記録
長さ(寸法)を測定した。設計上の寸法が100.8mmであることから、以下
の評価基準で評価した。
○ ; 印字バーコードの寸法が99.79mm以上、101.81mm以下
× ; 印字バーコードの寸法が99.79mm未満、又は101.81mmを 超える
(5)ヘッドカス
前記の印字過程において、サーマルヘッドにカスが付着したかどうかを確認した。カスがない場合を○、カスが付着した場合を×として評価した。
実施例1
図1(C)に示した断面図と同様の、粘着ラベル形態の構成の感熱記録シート10を次の様にして作製した。基材シート1の片面に感熱記録層2が形成された市販の高感度タイプの感熱紙((株)リコー製、製品名「140LAB」、紙厚83μm)を用意した。そして、この感熱紙の感熱記録層上に、電離放射線硬化性樹脂として下記組成の電子線反応型樹脂Aを塗布した。塗布方法は、グラビアロールコート法であり、塗工速度を50m/min、塗工膜圧10μmである。次いで、電子線照射(加速電圧170kV、照射線量30kGy)によって該樹脂を硬化させて、透明保護層3(固形分塗布量2g/m2)を形成した。その後、アクリル系粘着剤の粘着剤層4(厚み10μm)を予め塗工形成した離型シート5と、その粘着剤層面が基材シート(裏)面と接する向きでラミネートして、所望の感熱記録シートを作製した。
電子線反応型樹脂A;
ウレタンアクリレートプレポリマー(平均分子量1200、アクリル官能基数5) 100質量部
ポリエチレンワックス 7質量部
この感熱記録シートに関し、上記評価を行った。その結果を第1表に示す。
実施例2
実施例1において、滑剤として用いるポリエチレンワックスの含有量を5質量部としたこと以外は実施例1と同様にして感熱記録シートを作製した。評価結果を第1表に示す。
実施例3
実施例1において、滑剤として用いるポリエチレンワックスの含有量を3質量部としたこと以外は実施例1と同様にして感熱記録シートを作製した。評価結果を第1表に示す。
比較例1
実施例1において、滑剤として用いるポリエチレンワックスの含有量を8質量部としたこと以外は実施例1と同様にして感熱記録シートを作製した。評価結果を第1表に示す。
比較例2
実施例1において、滑剤として用いるポリエチレンワックスの含有量を1質量部としたこと以外は実施例1と同様にして感熱記録シートを作製した。評価結果を第1表に示す。
Figure 0004398778
第1表に示す如く、各実施例にて作製した感熱記録シートは光沢が良好で、また耐スティッキング性は、印字文字の寸法収縮が認められず良好であった。
一方、二乗平均平方根粗さが本発明の範囲から逸脱する比較例1は、耐スティッキング性は良好であったが、表面光沢は明らかに低下が認められ不良であった。
また、比較例2は、表面光沢は高く良好であるが、印字した文字に目視で明らかな程度にサーマルヘッド進行方向に寸法縮小が認められ、記録長さも縮小が認められ、耐スティッキング性は不良であった。
本発明の感熱記録シートによれば、透明保護層の光沢を高く維持しつつ、耐スティッキング性にも優れ、良好なサーマルヘッド滑り性が得られる。しかも、該透明保護層の樹脂は電離放射線硬化性樹脂であるので、耐擦傷性、耐溶剤等の表面保護性能にも優れ、また表面を高光沢とすることも出来る。
本発明の感熱記録シートの断面を示す模式図である。
符号の説明
1 基材シート
2 感熱記録層
3 透明保護層
4 粘着剤層
5 離型シート
10 感熱記録シート


Claims (4)

  1. 少なくとも感熱記録層と、その表面に積層された電離放射線硬化性樹脂組成物の架橋硬化物からなる透明保護層とからなる感熱記録シートにおいて、該電離放射線硬化性樹脂組成物が電離放射線硬化性樹脂及び滑剤を含み、該滑剤の含有量が電離放射線硬化性樹脂100質量部に対して3〜7質量部であり、該電離放射線硬化性樹脂がラジカル重合性二重結合を2つ以上含むオリゴマー及び/又はモノマーであり、該透明保護層が電離放射線硬化性樹脂組成物の塗工速度を50〜80m/minとして形成するものであり、該透明保護層の表面のJIS−B−0601で規定する二乗平均平方根粗さが0.2〜1.2μmであり、かつ光沢度が80以上であることを特徴とする感熱記録シート。
  2. 感熱記録層の裏面側に基材シートが積層された請求項1に記載の感熱記録シート。
  3. 電離放射線硬化性樹脂が、ラジカル重合性二重結合を2つ以上含むオリゴマー及び/又はモノマーである請求項1又は2に記載の感熱記録シート。
  4. 滑剤が、パラフィン、酸化パラフィン、ポリエチレン、酸化ポリエチレン、カスターワックスから選ばれる少なくとも一種である請求項1〜3のいずれかに記載の感熱記録シート。
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