JP2005103909A - 感熱記録シート - Google Patents

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Abstract

【課題】感熱記録シートの表面の透明保護層について、表面保護性能、透明性を維持すると共に、透明保護層中に含有させる紫外線吸収剤の滲出による白濁を防ぎつつ耐光性も良くする。
【解決手段】感熱記録シート10は、感熱記録層2の表面に、電離放射線硬化性樹脂の架橋硬化物からなる透明保護層3を積層する際に、電離放射線硬化性樹脂は、分子中に紫外線吸収性骨格を有するプレポリマーを含んで成るものとする。なお、感熱記録層の裏面側には、通常強度維持等の為に基材シート1を積層する。また、基材シートの裏面には更に粘着剤層4を積層して粘着ラベル乃至は粘着シートの形態としても良い。この場合、粘着剤層4の裏面に更に離型シート5を積層しても良いが、透明保護層と粘着剤層とを離型性として離型シート無しの形態としても良い。
【選択図】図1

Description

本発明は、感熱記録層にサーマルプリンタ等の加熱手段によって、文字等のパターン状に加熱することにより、文字等の情報を印字・記録する感熱記録シートに関する。
従来から、紙等の基材シートの表面に感熱記録層を設けた感熱記録シートが、各種用途で使用されている。例えば、パーソナルコンピュータ、ファクシミリ、レジスタ等の出力媒体用途等である。また、シート裏面に粘着剤層を設けたラベル形態の感熱記録シートは、バーコード等の物流管理ラベル、値札ラベル等として使われている。また、粘着剤層を設けた形態では、粘着剤層裏面に従来は積層していた離型シート無しの形態も使われている。
なお、感熱記録層は、感熱発色性を付与する為に、例えばロイコ染料と顕色剤とを樹脂バインダー中に混合した組成物を、紙等の基材シート上に塗工して形成される。また、感熱記録層の表面には、印字情報の傷付き、汚染等からの保護、光沢付与等の為、或いは、感熱記録シート裏面を粘着加工して離型シート無しでロール状に巻き取る場合には、粘着剤層と感熱記録層との離型性付与の為、等の目的で、透明保護層を設けることもおこなわれていた。該透明保護層の好ましい材料の一つとして、電子線、紫外線等の電離放射線で架橋硬化する電離放射線硬化性樹脂が用いられていた(特許文献1、等参照)。また、日光等に含まれる紫外線による、印字情報の変退色防止の為(耐光性付与の為)、前記透明保護層中に、ベンゾトリアゾール、ベンゾフェノン等の紫外線吸収剤を添加することも行われていた(特許文献2、等参照)。また、ベンゾトリアゾール、ベンゾフェノン等の紫外線吸収剤の分子それ自体に(メタ)アクリロイル基を付加した化合物を紫外線吸収剤として用い、これを電離放射線硬化性のモノマーやプレポリマー中に添加し、硬化時に電離放射線硬化性樹脂に紫外線吸収剤を化学結合させることも試みられた(特許文献3)。
特開平4−15110号公報 特開2001−253169号公報(段落〔0024〕、〔0028〕) 特開平9−234957号公報(段落〔0027〕)
しかしながら、ベンゾトリアゾール、ベンゾフェノン等の紫外線吸収剤は、透明性に優れるが、その反面、経時的に表面に滲出して(ブリードして)白濁する。かと言って、紫外線吸収剤を添加しておかないと、今度は耐光性が低下すると言う問題がある。一方、有機物系の紫外線吸収剤では無く、微粒子状の、酸化チタンや酸化セリウム等の無機酸化物から成る紫外線吸収剤も存在し、耐滲出(耐ブリード)性は良好であるが、透明性が不足すると言う問題がある。また、紫外線吸収剤として、ベンゾトリアゾール等に(メタ)アクリロイル基を付加した化合物を添加しても、反応率100%では架橋硬化物中には結合しない為、耐光性を十分発揮せしめる程添加すると、未架橋のものが滲出し、耐ブリード性は未だ完全では無かった。
すなわち、本発明の課題は、感熱記録層の表面保護等の層としての透明保護層を、表面保護性能、透明性を維持すると共に、透明保護層中に含有させる紫外線吸収剤の滲出(ブリード)による白濁を防ぎつつ耐光性も良くすることである。
上記課題を解決すべく、本発明の感熱記録シートは、感熱記録層の表面に、電離放射線硬化性樹脂の架橋硬化物からなる透明保護層が積層された感熱記録シートにおいて、上記電離放射線硬化性樹脂は、分子中に紫外線吸収性骨格を有するプレポリマーを含んで成る、構成とした。
この様な構成とすることで、紫外線吸収剤は透明保護層の架橋硬化物中で電離放射線硬化性樹脂それ自体と共有結合で一体化しているので、紫外線吸収剤分子単体として透明保護層表面に滲出することがなく、従って、滲出による表面白濁を起こさずに優れた耐光性を付与出来る。しかも、透明保護層の樹脂は電離放射線硬化性樹脂の架橋硬化物なので、傷付き、汚染等の表面保護性能にも優れる上、離型シート無しの粘着ラベルや粘着シートの形態にも対応出来、また、表面光沢とすることも出来る。
また、本発明の感熱記録シートは、上記構成に於いて、感熱記録層の裏面側に基材シートが積層された構成とした。この構成は、上記感熱記録シートの代表的な一形態の具体例を示すものであり、感熱記録層自体では機械的強度等が不足する場合に、基材シートによって、機械的強度等の不足する物性等を補った構成である。
また、本発明の感熱記録シートは、上記構成に於いて、基材シートの裏面に更に粘着剤層が積層された構成とした。この構成は、上記感熱記録シートの好ましい一形態の具体例として、粘着シート乃至は粘着ラベル等となる形態を明示的に示すものである。そして、この形態では、透明保護層が電離放射線硬化性樹脂の架橋硬化物であるので、粘着剤層との離型性も容易に出せるので、離型シート無しの形態にも出来る。
また、本発明の感熱記録シートは、粘着剤層を有する上記構成に於いて、更に、粘着剤層の裏面に離型シートが積層された構成とした。この構成は、粘着シート乃至は粘着ラベル等となる形態にて、離型シート付きの形態を明示的に示すものである。
(1)本発明の感熱記録シートによれば、紫外線吸収剤の表面滲出による表面白濁を防ぎつつ優れた耐光性が得られる。しかも、透明保護層の樹脂は電離放射線硬化性樹脂なので、耐傷付き等の表面保護性能にも優れる上、離型シート無しのラベル形態にも対応出来、また、表面光沢とすることも出来る。
(2)なお、感熱記録層の裏面に基材シートが積層されておれば、感熱記録層自体では機械的強度等のその他物性が不足する場合に、基材シートで補うことができる。そして、更に基材シートの裏面に粘着剤層を設ければ、粘着ラベルや粘着シートの形態にできる。この場合、裏面側の離型シート無しの形態も可能であるが、離型シート付きの形態でも良い。
以下、図面を参照しながら本発明を実施するための最良の形態を説明する。
〔概要〕
先ず、図1は、本発明の感熱記録シート10ついて、代表的な3形態を例示した断面図である。なお、もちろんだが、本発明の感熱記録シートの形態は、この3形態だけでは無い。そして、図(A)に例示の感熱記録シート10では、感熱記録層2は基材シート1上に積層され、この感熱記録層2の上に更に表面保護層として、電離放射線硬化性樹脂の架橋硬化物からなる透明保護層3が積層された構成である。しかも、この透明保護層3は、その電離放射線硬化性樹脂として、分子中に紫外線吸収性骨格を有するプレポリマーを含んだものが使われており、この為、本発明では、紫外線吸収剤の滲出による白濁を起こさずに優れた耐光性が付与される。次に、図1(B)に例示の感熱記録シート10は、図1(A)の構成に対して、基材シート1の裏面側に粘着剤層4が積層された構成である。また、図1(C)に例示の感熱記録シート10は、図1(B)の構成に対して、更に粘着剤層4の裏面側に、離型シート5が積層された構成である。
〔基材シート〕
基材シート1としては、感熱記録シートに於いて従来公知のものを、用途に応じて適宜採用すれば良い。例えば、基材シートとしては、紙、樹脂フィルム、合成紙、或いは、これらの積層体等が使用される。なお、基材シートは通常は設けるのが普通だが、それは、感熱記録シートとしての使用時の機械的強度を付与する等の為であり、基材シート無しの構成(例えば感熱記録層と透明保護層とを積層しただけの構成)でも、機械的強度等を満たせば、省略することもできる。なお、基材シート無しの構成の場合、感熱記録層は工程シート(基材シート等の材料で表面離型性のもの)上に一旦塗布形成した後、工程シートを剥離する等して形成することができる。
〔感熱記録層〕
感熱記録層2としては、熱により情報を記録できる層であれば良く、従来公知のものを適宜採用すれば良い。例えば、感熱記録層としては、代表的にはロイコ染料と顕色剤等からなる感熱発色層が挙げられる。
なお、ロイコ染料及び顕色剤としては、特に制限は無く用途に応じたものを使用すれば良い。例えば、ロイコ染料としては、3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−6−ジメチルアミノフタリド、3−(4−ジエチルアミノ−2−メチルフェニル)−3−(4−ジメチルアミノフェニル)−6−ジメチルアミノフタリド等の青発色性染料、3−(N−エチル−N−p−トリル)アミノ−7−N−メチルアニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−アニリノフルオラン等の緑発色性染料、3−シクロヘキシルアミノ−6−クロロフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−クロロフルオラン等の赤発色性染料、3−(N−エチル−N−イソアミル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−メチル−N−シクロヘキシル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン等の黒発色性染料等が挙げられる。これらロイコ染料は、一種単独使用又は二種以上併用する。なお、ロイコ染料の配合量は、感熱記録層に対して5〜35質量%程度である。
また、顕色剤としては、例えば、4,4’−イソプロピリデンジフェノール、4,4’−シクロヘキシリデンジフェノール等のフェノール性化合物、N−(p−トリルスルホニル)カルバモイル酸−p−クミルフェニルエステル、N−(p−トリルスルホニル)カルバモイル酸−p−ベンジルオキシフェニルエステル等の分子内に−SO2NH−結合を有する化合物、p−クロロ安息香酸亜鉛、4−〔2−(p−メトキシフェノキシ)エチルオキシ〕サリチル酸亜鉛等の芳香族カルボン酸の亜鉛塩等が挙げられる。
なお、ロイコ染料と顕色剤との配合割合は、特に制限は無いが、例えば、ロイコ染料1質量部に対して、顕色剤は1〜10質量部、好ましくは1〜5質量部程度とする。
また、感熱記録層中には、記録情報の保存安定性向上の為の保存性改良剤、記録感度向上の為の増感剤等を含有させても良い。保存性改良剤としては、例えば、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、4,4’−チオビス(2−メチル−6−tert−ブチルフェノール)等のヒンダードフェノール化合物、4,4’−ジグリシジルオキシジフェニルスルホン、4−ベンジルオキシ−4’−(2−メチルグリシジルオキシ)ジフェニルスルホン等のエポキシ化合物等が挙げられる。また、増感剤としては、例えば、ステアリン酸アミド、テレフタル酸ジベンジル等が挙げられる。なお、保存性改良剤や増感剤の配合量は特に制限は無いが、通常、ロイコ染料100質量部に対して、夫々400質量部以下とする。
上記の如きロイコ染料と顕色剤とからなる感熱記録層の場合、その形成法としては、特に限定は無いが、例えば、分散媒体とし水を使用して、平均粒径2μm以下のロイコ染料と顕色剤、接着剤、及び必要に応じ増感剤、保存性改良剤、及び、助剤とを混合攪拌して調製した塗液を基材シート上に塗布し乾燥して形成する。塗布量は乾燥時質量で通常2〜12g/m2程度、好ましくは3〜10g/m2程度である。
なお、上記塗液に使用される接着剤としては、例えば、酸化デンプン、ヒドロキシエチルセルロース等が使用される。また、上記助剤としては、例えば、カオリン、軽質(乃至は重質)炭酸カルシウム、酸化チタン等の顔料、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム等の界面活性剤、紫外線吸収剤等が挙げられる。
〔透明保護層〕
透明保護層3は、本発明では、分子中に紫外線吸収性骨格を有するプレポリマーを含む電離放射線硬化性樹脂の架橋硬化物として形成する。該架橋硬化物として形成された透明保護層によって、(1)優れた耐光性を感熱記録シートに付与できる他、(2)感熱記録シート表面への(裏面の粘着剤層等との)離型性の付与、(3)単なる表面保護層としての表面保護性能の付与、(4)表面光沢等の表面艶調整機能、等の各種機能を実現できる。
この様な透明保護層は、特定の電離放射線硬化性樹脂(組成物)を、従来公知の塗工機等の形成方法により形成すれば良い。そして、該樹脂(組成物)を塗工後、電離放射線を照射して電離放射線硬化性樹脂(組成物)を重合し架橋させれば、分子中に紫外線吸収性骨格を有するプレポリマーから成る電離放射線硬化性樹脂同士が架橋することにより、紫外線吸収剤(紫外線吸収性骨格)が該架橋した三次元分子構造中に取り込まれ、所望の透明保護層が得られる。
ところで、電離放射線とは電磁波又は荷電粒子線のうち分子を重合し架橋し得るエネルギーを有するものを意味し、一般的且つ代表的には、紫外線(UV)と電子線(EB)である。ただ、本発明では、透明保護層の電離放射線硬化性樹脂自体が紫外線吸収性を有する関係上、電離放射線としては、そのエネルギーを効率的に重合反応に寄与させ得る点で、紫外線よりも電子線の方が好ましい。つまり、電離放射線硬化性樹脂としては、紫外線硬化性樹脂よりは電子線硬化性樹脂(電子線反応型樹脂)を用いるの方が好ましい。
本発明に於いて、透明保護層の形成に用いる電離放射線硬化性樹脂(組成物)としては、少なくとも、分子中の主鎖中に、側鎖に、或いは主鎖と側鎖の両方に、紫外線吸収性骨格を有すると共に、ラジカル重合性不飽和結合、カチオン重合性官能基等の電離放射線重合性官能基を有するプレポリマーからなる。更に必要に応じて、分子中に紫外線吸収性骨格のない通常の電離放射線硬化性樹脂(組成物)を混合して、透明保護層の耐擦傷性、光沢等の物性、塗工適性等を調整することが出来る。
この様な、分子中に紫外線吸収性骨格を有するプレポリマーとしては、例えば:
(1)分子中にベンゾトリアゾール骨格、或いはベンゾフェノン骨格を有するウレタン(メタ)アクリレート系プレポリマー;
ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、アクリルポリオール等のポリオールと、ヒドロキシフェニルベンゾトリアゾール、ヒドロキシフェニルベンゾフェノン等の紫外線吸収性骨格とヒドロキシル基を有する化合物との反応で得られる、ポリウレタンオリゴマーを、更に(メタ)アクリル酸でエステル化して得る。
(2)分子中にベンゾトリアゾール骨格、或いはベンゾフェノン骨格を有するポリエステルポリオール;
マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、フタル酸等の多価カルボン酸と、エチレングリコール、ブチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール等の多価アルコールと、ヒドロキシフェニルベンゾトリアゾール、ヒドロキシフェニルベンゾフェノン等の紫外線吸収性骨格とヒドロキシル基を有する化合物との反応で得られる、両末端にヒドロキシル基を有するポリエステルオリゴマーを、更に(メタ)アクリル酸でエステル化して得る。
(3)その他;
等が挙げられる。
電離放射線硬化性樹脂組成物中に於ける、該分子中に紫外線吸収性骨格を有するプレポリマーの割合は、1〜100質量%程度の範囲とする。通常は必要とされる耐光性、透明保護層の物性との兼合い等から、5〜20質量%程度である。
なお、前記通常の電離放射線硬化性樹脂としては、特に制限は無く、用途に応じて、従来公知のものを適宜採用すれば良い。この様な電離放射線硬化性樹脂は、具体的には、分子中にラジカル重合性不飽和結合、又はカチオン重合性官能基を有する、プレポリマー(所謂オリゴマーも包含する)及び/又はモノマーを適宜混合した、電離放射線により重合し架橋可能な組成物が好ましくは用いられる。これらプレポリマー又はモノマーは単体又は複数種を混合して用いる。なお、電子線による重合反応の形式としては各種あるが、ラジカル重合反応が一般的である。
上記プレポリマー又はモノマーは、具体的には、分子中に(メタ)アクリロイル基、(メタ)アクリロイルオキシ基等のラジカル重合性不飽和基、エポキシ基等のカチオン重合性官能基等を有する化合物からなる。また、ポリエンとポリチオールとの組み合わせによるポリエン/チオール系のプレポリマーも挙げられる。なお、ここで、例えば(メタ)アクリロイル基とは、アクリロイル基又はメタクリロイル基の意味である。また、以下の(メタ)アクリレートも同様に、アクリレート又はメタクリレートの意味である。また、アクリレート化合物及びメタクリレート化合物を総称して、単にアクリレート(化合物)とも呼ぶ。
ラジカル重合性不飽和基を有するプレポリマーの例としては、ポリエステル(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、メラミン(メタ)アクリレート、トリアジン(メタ)アクリレート、シリコーン(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらの分子量は、通常250〜100,000程度である。
ラジカル重合性不飽和基を有するモノマーとしては、単官能モノマーでは、(メタ)アクリレート化合物の単官能モノマーとしては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。また、ラジカル重合性不飽和基を有するモノマーのうち多官能モノマーの例としては、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンエチレンオキサイドトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
また、カチオン重合性官能基を有するプレポリマーの例としては、ビスフェノール型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ化合物等のエポキシ系樹脂、脂肪酸系ビニルエーテル、芳香族系ビニルエーテル等のビニルエーテル系樹脂のプレポリマーが挙げられる。
また、チオールとしては、トリメチロールプロパントリチオグリコレート、ペンタエリスリトールテトラチオグリコレート等のポリチオールが挙げられる。また、ポリエンとしては、ジオールとジイソシアネートによるポリウレタンの両端にアリルアルコールを付加したもの等が挙げられる。
ところで、透明保護層の機能として離型性を付与する場合には、離型性化合物として、所謂シリコーンオイル、ワックス等の電離放射線非反応型の離型剤を添加しても良いが、シリコーン(メタ)アクリレート等の様な離型性を有する電離放射線硬化性樹脂を使用しても良い。この様な離型性を有する電離放射線反応型樹脂の場合は、前記の様な所謂離型剤の添加無しに、該樹脂自体を主体とした電離放射線硬化性樹脂を使用しても良いし、他の(離型性に乏しい、例えばウレタンアクリレート、エポキシアクリレート等の通常の)電離放射線硬化性樹脂と併用しても良い。ただ、電離放射線非反応型の所謂通常の離型剤の場合、透明保護層表面から、それに接触する粘着剤層中に該離型剤が移行したりすることがあるので、この点では、例えばアクリロイル基やメタクリロイル基等の電離放射線反応性官能基を有する、シリコーン化合物でもあるシリコーン(メタ)アクリレート等の、離型性を有する電離放射線硬化性樹脂を使用するのが好ましい。
なお、透明保護層中には、サーマルヘッドとの滑り性を向上する為等、耐光性以外の他の物性も必要に応じ適宜調整する為に、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、各種添加剤を添加することができる。例えば、ワックス、シリコーン等の滑剤、或いは球状シリカ等の球状無機フィラー等も滑剤として使用できる。これら滑剤の添加で、耐久性、すべり性を付与し、サーマルヘッドの傷付きを改善でき、しかも、裏面側に離型シート無しで粘着剤層を積層したロール状等の製品形態では、感熱記録シート表面に(当接していた裏面の)粘着剤層の粘着剤の糊残りが少なく、サーマルヘッドの汚染を改善することもできる。また、透明保護層中には、物性調整の為に必要に応じ適宜、電離放射線硬化性樹脂以外の樹脂を添加しても良い。例えば、アクリル樹脂、熱可塑性ウレタン樹脂等の熱可塑性樹脂等である。
〔粘着剤層〕
粘着剤層4を、図1(B)に例示の如く、感熱記録シート10の裏面側に設けることで、粘着ラベル乃至は粘着シート等の形態の感熱記録シートとなる。この粘着剤層は必要に応じ適宜設ける。粘着剤層4としては、ゴム系、アクリル系等の従来公知の粘着剤を使用して形成すれば良い。粘着剤層の形成は、基材シートの裏面に粘着剤を直接塗布し形成する方法の他、別のシート担体上に粘着剤を塗布し、そこから転写で基材シート裏面に形成する方法等の従来公知の形成方法によれば良い。
また、粘着剤には、電子線反応型粘着剤を用いることもできる。電子線反応型粘着剤としては、カチオン重合系、ラジカル重合系等の従来公知の、電子線で反応する電子線反応型粘着剤組成物を適宜採用することができる。また、この様な電子線反応型粘着剤組成物としては、市販品を使用することもできる。例えば、東亞合成化学株式会社から市販されている、カチオン重合型オキセタン化合物からなる粘着剤組成物、或いはまた、綜研化学株式会社から市販されている、ラジカル重合型アクリレート化合物からなる粘着剤組成物等である。
〔離型シート〕
粘着剤層を積層した構成に於いては、その粘着剤層面を使用時まで保護するために、該粘着剤層面に離型シート5を積層しても良い。離型シートとしては、特に制限は無く、従来公知のものを用途に応じて適宜採用すれば良い。例えば、離型シートとしては、ポリエチレンテレフタレート等の樹脂シートや紙等のシートに、シリコーン樹脂、メラミン樹脂、ポリオレフィン系樹脂、或いは、ワックス等の離型剤を添加した樹脂等で離型層を積層したもの、或いは、ポリオレフィン系樹脂等のそれ自体が離型性を有する樹脂シート等が使用される。
なお、本発明の感熱記録シートで粘着剤層を積層した形態に於いては、離型シート無しの形態でも良い。この場合、透明保護層を離型性とすることで、ロール状に巻き取った製品等とすることができる。透明保護層を離型性とするには、前述の如く、透明保護層の電離放射線硬化性樹脂にシリコーンオイル等の離型剤を添加したり、シリコーンアクリレート等の様な離型性を有する電離放射線硬化性樹脂を使用する。
〔その他の層〕
なお、本発明の感熱記録シートは、上記説明した層以外に、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、その他の構成層を付加しても良い。例えば、密着性向上の為のプライマー層である。例えば、基材シートと感熱記録層間に設けるプライマー層である。特に、透明保護層を離型性とする場合に於いては、該透明保護層中には、離型性化合物、例えば、シリコーンオイルを添加したり、シリコーンアクリレート等を使用することになるので、透明保護層と感熱記録層との密着性が出し難いので、図示は省略するが、プライマー層を感熱記録層と透明保護層との間に設けるのは、好ましい構成である。密着性が悪いと、サーマルヘッド等で感熱記録シートに印字したときに、透明保護層が剥れたり、サーマルヘッドに取られたりする。
なお、感熱記録層と透明保護層との密着性向上の為のプライマー層としては、2液硬化型ウレタン樹脂等でも良いが、透明保護層と同じ反応形式の樹脂である、電離放射線硬化性樹脂を用いるのが密着性の点で好ましい。但し、この場合のプライマー層は、離型性目的の離型性化合物は含まない電離放射線硬化性樹脂で形成する。該電離放射線硬化性樹脂としては、透明保護層で述べた前述化合物等を使用すれば良い。また、透明保護層同様の紫外線吸収剤は含ませても良い。また、この電離放射線硬化性樹脂を用いたプライマー層は、透明保護層の電離放射線硬化性樹脂と同時に重合させるのが、密着性の点でより好ましい。具体的には、未硬化のプライマー層上に未硬化の透明保護層を形成した後、電離放射線を照射して、これら両層を同時に硬化させれば良い。
図1(C)の断面図の様な粘着ラベル形態の構成の感熱記録シート10を次の様にして作製した。基材シート1の片面に感熱記録層2を形成済みの市販の高感度タイプの感熱紙(株式会社リコー製、製品名「140LAB」、紙厚83μm)を用意した。そして、この感熱紙の感熱記録層上に、電離放射線硬化性樹脂として下記組成の電子線反応型樹脂Aを塗布し、電子線照射(加速電圧170kV、照射線量30kGy)で該樹脂を硬化させて透明保護層3(固形分塗布量2g/m2)を形成した後、アクリル系粘着剤の粘着剤層4(厚み10μm)を予め塗工形成した離型シート5と、その粘着剤層面が基材シート(裏)面と接する向きでラミネートして、所望の感熱記録シートを作製した。
電子線反応型樹脂A:
4官能ウレタンアクリレートオリゴマー 40質量部
トリメチロールプロパントリアクリレート(TMPTA) 60質量部
ベンゾトリアゾール骨格を分子中に有するウレタンアクリレートプレポリマー
10質量部
実施例1に於いて、透明保護層に形成に用いた電子線反応型樹脂A中の紫外線吸収剤の添加量を、10部から20質量部に変更した他は、実施例1と同様にして所望の感熱記録シートを作成した。
実施例1に於いて、透明保護層に形成に用いた電離放射線硬化性樹脂を、下記組成の電子線反応型樹脂Bに変更した他は、実施例1と同様にして所望の感熱記録シートを作成した。
電子線反応型樹脂B:
4官能シリコーンアクリレート 100質量部
ベンゾフェノン骨格を分子中に有するポリエステルアクリレートプレポリマー
10質量部
〔比較例1〕
実施例1に於いて、透明保護層に形成に用いた電離放射線硬化性樹脂を、下記組成の電子線反応型樹脂Cに変更した他は、実施例1と同様にして感熱記録シートを作成した。
電子線反応型樹脂C:
4官能ウレタンアクリレートオリゴマー 40質量部
トリメチロールプロパントリアクリレート(TMPTA) 60質量部
ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤(分子中にアクリレート基無し) 1質量部
〔比較例2〕
比較例1に於いて、透明保護層に形成に用いた電子線反応型樹脂C中の紫外線吸収剤の添加量を、1質量部から10質量部に変更した他は、比較例1と同様にして感熱記録シートを作成した。
〔比較例3〕
比較例1に於いて、透明保護層に形成に用いた電子線反応型樹脂C中の紫外線吸収剤の添加量を、1質量部から20質量部に変更した他は、比較例1と同様にして感熱記録シートを作成した。
〔比較例4〕
実施例1に於いて、透明保護層に形成に用いた電離放射線硬化性樹脂を、下記組成の電子線反応型樹脂Dに変更した他は、実施例1と同様にして感熱記録シートを作成した。
電子線反応型樹脂D:
4官能シリコーンアクリレート 100質量部
ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤(分子中にアクリレート基無し) 10質量部
実施例1に於いて、透明保護層に形成に用いた電子線反応型樹脂A中の紫外線吸収剤の添加量を、10質量部から1質量部に変更した他は、実施例1と同様にして所望の感熱記録シートを作成した。
〔比較例5〕
実施例1に於いて、透明保護層の形成を省略した他は、実施例1と同様にして感熱記録シートを作成した。
〔性能評価〕
実施例と比較例の各感熱記録シートについて、発色性、耐光性、耐水性、ブリード有無を評価した。結果は表1に示す。
(1)発色性:、マックス株式会社製プリンタ(製品名「LC−100KP」)で、感熱モードレベル3の条件でプリントし、発色具合を、透明保護層無しの状態をブランクとして目視確認して相対評価した。元の感熱紙と同等の発色と認められるものを良好(○)、濃度、印字画線部の鮮映性が劣ると認められたものを不良(×)とした。
(2)耐光性:紫外線耐光性試験機(岩崎電気株式会社製、アイスーパーUVテスター)で10時間連続照射後、黄変の有無を目視評価した。黄変無いものは良好、黄変は認められるが透明保護層無しの場合よりも軽微であるものは改良効果有り、黄変あるものは不良とした。
(3)耐水性:試験片表面に水を滴下し時計皿で被覆し24時間放置後、表面状態を目視観察して評価した。変化無いものは良好、変化あるものは不良とした。
(4)ブリード:耐光性試験を実施した後、表面状態を目視観察して、紫外線吸収剤のブリードで表面が白化しているものは有り、白化が無いものはブリード無しと評価した。
Figure 2005103909
表1の如く、各実施例(実施例1〜実施例3)は黄変が無く耐光性は良好で且つブリードも無く良好であった。ただし、これら実施例と同じ紫外線吸収剤でも配合量が少なかった実施例4は、僅かに黄変は生じたが透明保護層未塗工の比較例5に比べ軽微であり、耐光性改善効果は認められ、またブリードは無かった。また、紫外線吸収剤の配合量が実施例1〜3と同程度だが通常の紫外線吸収剤を用いた比較例2〜4は、黄変は無いがブリードが生じ、また、配合量が少ない比較例1はブリードは無いが黄変が生じた。また、透明保護層が無い比較例5はブリードは無いが黄変が生じた上、耐水性にて感熱記録シートが水で膨潤してしまった。なお、発色性は、透明保護層無しの比較例5に対して、各実施例及びその他の比較例は、特に透明保護層形成による発色性の低下は認められなかった。
本発明の感熱記録シートを形態例として3例を例示する断面図。
符号の説明
1 基材シート
2 感熱記録層
3 透明保護層
4 粘着剤層
5 離型シート
10 感熱記録シート

Claims (4)

  1. 感熱記録層の表面に、電離放射線硬化性樹脂の架橋硬化物からなる透明保護層が積層された感熱記録シートにおいて、
    上記電離放射線硬化性樹脂は、分子中に紫外線吸収性骨格を有するプレポリマーを含んで成る、感熱記録シート。
  2. 感熱記録層の裏面側に基材シートが積層された、請求項1記載の感熱記録シート。
  3. 基材シートの裏面に更に粘着剤層が積層された、請求項2記載の感熱記録シート。
  4. 粘着剤層の裏面に更に離型シートが積層された、請求項3記載の感熱記録シート。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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