JP4398612B2 - 表面質感の特異な熱転写ラベルとその製造法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、微細な凹凸模様を着色図柄の表面に形成している熱転写ラベルに関し、熱転写時にベースシート上に残存させる凹凸模様層を離型層の下に設ける熱転写ラベルの製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】
熱転写ラベルは、転写作業が容易で所望の位置に転写しやすく、現在では長期間に亘って殆ど剥離しないので、ブルゾン、トレーニングウェア、Tシャツのような繊維製品またはカバン類やスポーツ靴などにおいて汎用されている。この種の熱転写ラベルは、一般に文字、記号、図形、絵などの情報を表示し、大小様々な模様および色彩によってバリエーションが豊富である。
【0003】
従来の熱転写ラベルは、平坦なベースシートの上に着色図柄層および接着層などを順次積層していくだけである。最近では、ラベル表面に艶出し加工や艶消し加工を施すことは可能であっても、大部分のラベルにおいてその表面は依然として平坦のままである。熱転写ラベルの表面が平坦だけであると、その模様と色彩がいくら豊富になってもデザイン的に限定され、その用途の拡がりは自ずから限られてしまう。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
熱転写ラベルの表面に凹凸模様を付与するため、着色図柄層の一部に発泡性樹脂を添加したり、または多数回のスクリーン印刷によって着色図柄層を部分的に厚くすることが提案されている。発泡性樹脂の添加による凹凸模様の凸部は、引張り強度および伸縮性などを欠き、スポーツウェアでは引張りや伸縮を繰り返すと短期間で剥がれやすく、Tシャツや肌着ではほんの数回の洗濯で亀裂や剥離が生じる。一方、多数回のスクリーン印刷による凹凸模様は、硬くて伸縮性と柔軟性を欠き、触感に違和感が生じて繊維製品の感触性を著しく低下させる。
【0005】
しかも、これらの凹凸模様について、凸部の形状が比較的大きくなるうえに、発泡制御が困難で凸部の大きさが不均一になりやすく、精確で微細な模様を形成することが困難である。発泡性樹脂の添加または多数回のスクリーン印刷では、微細な凹凸模様の付与によってラベルの付加価値を高めたり、独特の凹凸皺による皮革調や木目調の地模様を有するラベルを得ることは不可能であった。
【0006】
本発明は、熱転写ラベルの凹凸模様について種々検討と研究を重ねた結果完成したものであり、繊維製品用などとして精確で微細な凹凸模様を着色図柄の表面に形成した表面質感の特異な熱転写ラベルを提供することを目的としている。本発明の他の目的は、熱転写時にベースシート上に残存させる凹凸模様層を設けることにより、微細な凹凸模様と対応する着色図柄層を設ける表面質感の特異な熱転写ラベルの製造法を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明に係る熱転写ラベルは、着色図柄と対応する微細な凹凸模様を全面または部分的に形成している。この凹凸模様に関して、「着色図柄と対応する」とは完全な一致を意味するだけでなく、デザイン的に有機的に関連する態様も包含する。本発明の熱転写ラベルの表面において、情報表示部は主に凹凸模様の凸部からなり、地模様を構成する凹凸模様の凸部が光沢表面および凹部が艶消し表面となる。この熱転写ラベルにおいて、「情報表示部」とは着色した文字、記号、図形、絵などを意味し、「地模様」とは情報表示部以外のラベル表面を意味する(図2参照)。この熱転写ラベルは、本発明方法によって製造できるラベルの全てではなく、その一部にすぎない。
【0008】
本発明に係る熱転写ラベルの製造法では、通常のベースシートの上に、表面質感を付与する微細な凹凸模様層をスクリーン印刷し、該凹凸模様層の表面に艶出しまたは艶消し処理の離型層を設けてから、凹凸模様と対応し且つ文字、記号、図形、絵、模様などを表示する着色図柄層を形成し、ついで熱可塑性樹脂の接着層を積層する。得た転写シートは、熱転写作業において、ベースシート上に設けた微細な凹凸模様層を転写せずに残存させる。本発明方法による転写シートは、凹凸模様層、離型層、着色図柄層、接着層を基本層として備え(図1参照)、さらに保護層などの樹脂層を設けることができる。本発明方法において、凹凸模様用の印刷インクは、熱膨張性の樹脂粉末またはマイクロカプセルの発泡粉末を液状樹脂と配合し、スクリーン印刷すると好ましい。
【0009】
本発明方法では、ベースシート上に微細な凹凸模様層および離型層を設け、所望に応じて着色図柄層の平面形状よりもわずかに大きい透明または半透明の保護層をコートしてから、凹凸模様と対応し且つ文字、記号、図形、絵、模様などを表示する着色図柄層を形成してもよい。着色図柄層の形成後には、該図柄層の平面形状よりもわずかに小さいバックアップ層と、着色図柄層の平面形状と同じかまたはわずかに大きい中間層とを介在させ、さらに該中間層の平面形状よりもわずかに大きく且つ中間層の樹脂成分と類似する熱可塑性樹脂の接着層を積層する。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明に係る熱転写ラベル1(図2)を得るための転写シート2は、図1に例示の基本層において、通常のベースシート3の上に、微細な凹凸模様層4をスクリーン印刷し、該凹凸模様層の表面に離型層5を設ける。離型層5は、艶出しまたは艶消し処理すればよく、所望に応じて艶出し処理の離型層と艶消し処理の離型層とをそれぞれ部分的に設けることも可能である。凹凸模様層4は、ベースシート3と強固に接着するけれども、熱転写の際に着色図柄層7または保護層(特に設けた場合)との間で層間剥離し、着色図柄層7および接着層8などを被転写材例えば繊維製品に接着する。
【0011】
用いるベースシート3は、プラスチックフィルム、紙またはこれらの複合素材などであり、その形態はシート状またはロール状である。具体的には、ベースシート3は、ポリエステル、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ポリアミド、セロハンなどのフィルム、グラシン紙、合成紙、ラミネート紙であり、その厚みは20〜180μmであり、より好ましくは75〜125μmである。
【0012】
凹凸模様層4は、スクリーン印刷によってベースシート3上に微細な凹凸状に形成する。スクリーン印刷の製版は写真製版であり、皮革や木目などを撮影した画像を使用する。凹凸模様層4において、図1に示すように、凸状部4aが転写ラベル表面の凹凸模様の凹部となり、凹状部4bがラベル表面の凹凸模様の凸部となる(図2参照)。
【0013】
凹凸模様層4の印刷インクは、熱膨張性の樹脂粉末またはマイクロカプセルの発泡粉末を液状樹脂と配合する。この液状樹脂として、ポリアミド系、ポリエステル系、アクリル系、ポリウレタン系樹脂またはこれらを適宜組み合わせた樹脂が例示できる。凹凸模様層4の厚みは10〜50μmであり、この範囲内であると微細な凹凸模様を精確に形成できる。
【0014】
離型層5は、一般にスクリーン印刷によって凹凸模様層4およびベースシート3上に形成し、グラビア印刷やオフセット印刷などの印刷法を利用してもよい。離型層5は、一般に着色図柄層7の全体を覆い、該着色図柄層の平面形状よりもわずかに大きくても、ベースシート3の全体を被覆してもよい。離型層5により、ラベル表面の凸部が艶出しまたは艶消しの表面仕上げになる。離型層5の厚みは3〜10μmであり、この範囲内であれば十分な剥離性および表面効果を発揮できる。
【0015】
離型層5で艶出し処理すると、凹凸模様層4の凹状部4bがラベル表面において光沢表面の凸部となる。例えば、図2に示す熱転写ラベル1では、図形である情報表示部9は主に凹凸模様の凸部からなり、さらに着色図柄層7における黒色部分が位置し、この黒色部分は光沢表面または艶消し表面である。一方、地模様部10を構成する帯状凹凸模様の凸部10aが光沢表面となり、且つ凹部10bが艶消し表面となって、地模様部全体として美麗な木目模様を表している。
【0016】
艶出し処理の離型層5として、例えば、シリコーンオイル、シリコーンゴム、シリコーン樹脂、シリコーン微粉末などのオルガノポリシロキサンを添加した液状ポリアミド樹脂をベースシート3の表面に印刷する。また、樹脂ラテックス、ワックスおよび離型剤を含む水性樹脂組成物をベースシート表面に印刷してもよい。この際に、樹脂ラテックスは、皮膜形成性アクリル系樹脂、ビニル重合体樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリウレタンウレア樹脂、グラフト化天然ゴムなどであり、ワックスは高密度・硬質ポリエチレンワックスなどの微粒子であり、離型剤はオレイン酸、エライジン酸、ステアリン酸などの炭素数18〜22の飽和または不飽和高級脂肪酸のアルカリ金属塩である。
【0017】
一方、艶消し処理の離型層5として、艶消し樹脂をベースシート表面に印刷する。この艶消し樹脂は、艶消し剤を含み且つベースシート3と充分な接着性を有する樹脂であり、例えば、ポリアミド系樹脂、ポリ塩化ビニルなどのビニル系樹脂、塩化ゴム,炭化ゴムなどの合成ゴム、アクリル系樹脂、硬化性ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、酢酸セルロース,プロピオン酸セルロースやエチルセルロースなどの繊維素系樹脂である。この樹脂に混入する艶消し剤は、例えば、粒径0.5〜3μmであるシリカ、カオリン、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、二酸化チタン、二酸化ケイ素などの体質顔料である。艶消し剤の添加量は、一般に約30重量%以下であり、その添加量によって着色図柄層7の艶消し度を調整できる。
【0018】
着色図柄層7は、一般にスクリーン印刷で形成するけれども、薄層であれば型版を用いないデジタル印刷法で形成してもよい。着色図柄層7は、複数回の重ね印刷によって形成した文字、記号、図形、絵、模様またはこれらの組み合わせを表示する。着色図柄層7は、ポリウレタン系樹脂またはこれと同等のポリエステル系樹脂やポリアミド系樹脂などの軟質樹脂からなり、該樹脂は熱架橋性や経時架橋性のような反応性樹脂であると好ましい。ポリウレタン系樹脂は、一般に密度が小さいために伸び、耐磨耗性、反発弾性および圧縮疲労強さが優れており、繊維製品における使用時に層剥離や亀裂の発生が少ない。着色図柄層7の厚みは8〜50μm程度であり、所定の装飾効果を得ることができればよい。
【0019】
一方、接着層8(図1)は、繊維製品などの被転写材の材質に適合したホットメルト樹脂から選択し、柔軟な繊維製品用には、通常、接着層8に熱可塑性ポリウレタン系樹脂を含有している。特に、サポータなどのような高伸縮性の繊維製品に対しては、接着層8は主として熱可塑性ポリウレタン系樹脂からなり、布地を把持するために熱可塑性ポリアミド系樹脂を含むと好ましく、接着層8としてホットメルト樹脂を添加してもよい。接着層8は、被転写材である繊維製品の表面形状に応じて厚みを定め、一般に厚みは40〜200μmである。接着層8は、着色図柄層7を確実に接着するために、該図柄層の全体の周縁よりわずかに拡大した大きさであると好ましい。
【0020】
図3に示す転写シート11は、通常の多層構造であり、着色図柄層7の前に透明または半透明の保護層12をコートし、着色図柄層7と接着層8との間にバックアップ層14および中間層16を介在させる。保護層12、バックアップ層14、中間層16は所望に応じて省略したり(図4参照)、複数層によって構成することも可能である。
【0021】
保護層12は、一般に離型層5上に形成し、比較的硬い透明または半透明の樹脂皮膜からなり、着色図柄層7の平面形状よりもわずかに大きい平面形状である。保護層12は、摩擦、衝撃、洗剤などの薬品、溶剤などの物理的および化学的影響から着色図柄層7を保護し、ラベルタイプ、繊維製品などの被転写材の材質、所要の洗濯方法によって適宜使い分ける。保護層12は、ポリアミド系、ポリエステル系、ポリウレタン系、アクリル系などの樹脂またはこれらを組み合わせ配合した樹脂からなり、一般に架橋樹脂を用いる。保護層の厚みは通常3〜10μmである。
【0022】
バックアップ層14は、主として白色または黒色であり、着色図柄層7の全体に必要であって、実際には着色図柄層7の平面形状よりもわずかに小さい平面形状である。バックアップ層14は、着色図柄層7の厚みに加わることにより、転写ラベルにおける凹凸感をいっそう際だたせるのに役立ち、着色図柄の一部を構成することもある。バックアップ層14の厚みは通常5〜30μmである。
【0023】
中間層16は、着色図柄層7の皮膜を補強し、その伸縮性および接着力を補う。中間層16は、着色図柄層7と同じかまたはわずかに大きい平面形状であると望ましい。中間層16は、着色図柄層7で用いる樹脂と同様のものを使用する。中間層16の厚みは通常10〜30μmである。
【0024】
本発明方法で製造した熱転写ラベルは、図2、図5および図6に例示する。図2に示す熱転写ラベル1は地模様部10が木目調であり、図5に示すラベル20は地模様部22が散点であり、図2に示すラベル24は地模様部26が細かい文字模様である。これの熱転写ラベルでは、地模様部を皮革調、布帛調、雪結晶調、板紙調、綿雲調、大理石調、石版調などの天然素材調にしたり、水玉状、ストライプ状、格子状、レンガ状、唐草模様、市松模様などとすることが可能である。地模様部10、22、26を構成する凹凸模様の凸部が光沢表面且つ凹部が艶消し表面であれば、地模様部における模様が浮き上がっていっそう美麗である。
【0025】
本発明の熱転写ラベルを接着する被転写材は、Tシャツ、肌着、スポーツウェア、ブルゾン、トレーニングウェア、寝具、帽子などの繊維製品が一般的であり、さらにカバン類、スポーツ靴、文房具などにも適用できる。本発明の熱転写ラベルは、従来にない微細な凹凸模様を有することにより、装身具、インテリア小物、化粧用具入れなどの新用途が期待できる。
【0026】
【実施例】
次に、本発明を実施例に基づいて説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。
【0027】
実施例1
図4に示すような転写シート18を製造するために、厚さ100μmのポリエステルフィルム(縦355mm、横510mm)のベースシート3を用いる。ベースシート3上に、180メッシュのスクリーン版によって凹凸模様層4を印刷し、最大厚さ21μmの微細な凹凸模様を得る。凹凸模様用の印刷インクは、マイクロカプセルの発泡粉末を液状ポリウレタン系樹脂と配合して印刷する。凹凸模様層4の平面形状は、周囲を除いて地模様部が散点模様であり、情報表示部の個所は散点が反転している(図5参照)。
【0028】
凹凸模様層4を十分に乾燥した後に、艶出し処理の離型層5を300メッシュのスクリーン版によって印刷し、厚さ4μmの離型層5を得る。離型層5は、着色図柄層7の平面形状よりもわずかに大きくなるように形成する。
【0029】
離型層5を十分に乾燥した後に、保護層を形成することなく、黒色の図柄層7を180メッシュのスクリーン版によって凹凸模様層4の凹状部と合致するように印刷し、厚さ8μmの着色図柄層7を得る。黒色の図柄層7は、例えば、カーボンブラック顔料32重量%、ポリウレタン系樹脂59重量%、ジイソシアネート樹脂5重量%、シリカ4重量%からなる。
【0030】
着色図柄層7を十分に乾燥した後に、白色のバックアップ層14を180メッシュのスクリーン版によって印刷する。バックアップ層14は、着色図柄層7の平面形状よりも幅が0.3mm小さい平面形状であり、スクリーン印刷を2回繰り返し、1回目で厚さ6μmおよび2回目で厚さ7μmとなり、合計で厚さ13μmのバックアップ層14を得る。白色のバックアップ層14は、例えば、二酸化チタン50重量%、ポリウレタン系樹脂35重量%、ポリエステル系樹脂8重量%、ジイソシアネート樹脂5重量%、シリカ2重量%からなる。
【0031】
バックアップ層14を十分に乾燥した後に、中間層16を70メッシュのスクリーン版によって印刷する。中間層16は、着色図柄層7の平面形状よりも幅が0.2mm大きい平面形状であり、厚さ15μmの中間層16を得る。中間層16は、例えば、ポリウレタン系樹脂59重量部、ポリエステル系樹脂36重量%、ジイソシアネート樹脂5重量部からなる。
【0032】
中間層16を十分に乾燥した後に、接着層8を70メッシュのスクリーン版によって印刷する。接着層8は、着色図柄層7の平面形状よりも幅が0.4mm大きい平面形状であり、スクリーン印刷を2回繰り返し、1回目で厚さ46μmおよびその乾燥後の2回目で厚さ50μmとなり、合計で厚さ96μmの接着層8を得る。接着層8の樹脂ペーストは、例えば、熱可塑性ポリウレタン系樹脂27重量部、熱可塑性ポリアミド系樹脂73重量部からなる。
【0033】
全てのスクリーン印刷の終了後にさらに十分に乾燥し転写シート18を得る。インクの架橋がほぼ完了した後に、転写シート18を裏返し、白色の天竺綿布の上に載置し、熱板式プレス機によって温度150℃、圧力98kPa(1kg/cm2)で10秒間熱転写し、熱いうちにベースシート3を凹凸模様層4とともに剥離する。この結果、図5に示すようなラベル20を天竺綿布に接着できる。ラベル20において、情報表示部23であるABCは散点模様が反転した凸部が黒色で光沢を有し、地模様部22は散点模様の多数の凸部が黒色であり、これらが艶消し調の白色地色の上に浮き上がり、良好な接着と所定の表面効果を確認できる。
【0034】
熱転写ラベル20を接着した天竺綿布を、洗濯機(品番:CW−BC30A1−H、三菱電機製)によってJIS L 0217に準じて洗濯する。この天竺綿布を繰り返し10回洗濯した後に、転写図柄の脱落および表面効果の低下は認められない。
【0035】
【発明の効果】
本発明に係る熱転写ラベルは、着色図柄と対応する微細な凹凸模様をほぼ全面に有し、皮革調や木目調などの凹凸模様が変化に富み且つ全体の調和がとれた着色図柄を得ることができる。本発明の熱転写ラベルは、凹凸模様における凸部の形状を小さくできるうえに凸部の大きさが均一であり、精確で微細な凹凸模様を形成することが可能である。
【0036】
本発明の熱転写ラベルは、Tシャツやスポーツウェアなどの適宜の繊維製品に転写した際に、所定の耐久性および表面効果を十分に達成でき、しかも感触性が良くて違和感がなく、繊維製品の伸縮に容易に対応できるので使用時に剥離や亀裂なども発生しない。本発明の熱転写ラベルは、被転写材として、繊維製品に加えてカバン類、スポーツ靴、文房具などに適用でき、さらにインテリア小物などの新用途も期待できる。
【0037】
本発明に係る熱転写ラベルの製造方法では、ベースシート上に凹凸模様層をスクリーン印刷し、この凹凸模様層を熱転写時にベースシート上に残存させることにより、ラベル表面に微細な凹凸模様を容易に形成できる。この微細な凹凸模様をラベルの着色図柄層と対応させて設けることにより、皮革調や木目調などの表面質感の特異な熱転写ラベルを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明で用いる基本的な転写シートを示す概略断面図である。
【図2】 本発明に係る熱転写ラベルの一例を示す概略平面図である。
【図3】 転写シートの変形例を示す概略断面図である。
【図4】 転写シートの別の変形例を示す概略断面図である。
【図5】 熱転写ラベルの他の例を示す概略平面図である。
【図6】 熱転写ラベルのさらに別の例を示す概略平面図である。
【符号の説明】
1 熱転写ラベル
2 転写シート
3 ベースシート
4 凹凸模様層
5 離型層
7 着色図柄層
8 接着層
12 保護層
14 バックアップ層
16 中間層
Claims (4)
- 着色図柄と対応する凹凸模様を全面または部分的に形成する熱転写ラベルであって、熱膨張性の樹脂粉末または発泡粉末を含む樹脂からなる凹凸模様層と、該凹凸模様層の表面に設けた艶出しおよび/または艶消し離型層とをともに印刷したベースシートを用い、地模様部を構成する凹凸模様の凸部が光沢表面および凹部が艶消し表面となり、熱転写時に凹凸模様層の凸状部が熱膨張して表面質感を変化させ、地模様部における所定の模様が浮き上がって見える表面質感の特異な熱転写ラベル。
- ベースシートの上に、熱膨張性の樹脂粉末または発泡粉末を含む液状樹脂からなる表面質感付与の凹凸模様層を印刷し、該凹凸模様層の表面に艶出しまたは艶消し処理の離型層を設けてから、凹凸模様と対応し且つ文字、記号、図形、絵、模様などを表示する着色図柄層を形成し、ついで熱可塑性樹脂の接着層を積層することにより、熱転写作業において、熱転写時に凹凸模様層の凸状部が熱膨張して表面質感を変化させ、ベースシート上に設けた凹凸模様層を転写せずに残存させる表面質感の特異な熱転写ラベルの製造法。
- ベースシートの上に、熱膨張性の樹脂粉末または発泡粉末を含む液状樹脂からなる表面質感付与の凹凸模様層をスクリーン印刷し、該凹凸模様層の表面に艶出しまたは艶消し処理の離型層を設けてから、凹凸模様と対応し且つ文字、記号、図形、絵、模様などを表示する着色図柄層を形成し、ついで熱可塑性樹脂の接着層を積層することにより、熱転写作業において、ベースシート上に設けた凹凸模様層の凸状部における熱膨張で表面質感を変化させて特異にするとともに、該凹凸模様層を転写せずに残存させる表面質感の特異な熱転写ラベルの製造法。
- ベースシートの上に、熱膨張性の樹脂粉末または発泡粉末を含む液状樹脂からなる表面質感付与の凹凸模様層をスクリーン印刷し、該凹凸模様層の全表面に艶出しまたは艶消し処理の離型層を設けてから、凹凸模様と対応し且つ文字、記号、図形、絵、模様などを表示する着色図柄層とを形成し、ついで着色図柄層の平面形状よりもわずかに小さいバックアップ層と、着色図柄層の平面形状と同じかまたはわずかに大きい中間層と、該中間層の平面形状よりもわずかに大きく且つ中間層の樹脂成分と類似する熱可塑性樹脂の接着層とを積層することにより、熱転写作業において、ベースシート上に設けた凹凸模様層の凸状部における熱膨張で表面質感を変化させて特異にするとともに、該凹凸模様層を転写せずに残存させる表面質感の特異な熱転写ラベルの製造法。
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