JP4398585B2 - レチノイドレセプター作用剤 - Google Patents

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Description

技術分野
本発明は、レチノイン酸などのレチノイドと同様な生理活性又はレチノイドの作用を調節する作用を有するレチノイドレセプター作用性物質、及び該化合物を有効成分として含む医薬の発明に関するものである。
背景技術
レチノイン酸(ビタミンA酸)はビタミンAの活性代謝産物であり、発生途上にある未熟な細胞を特有な機能を有する成熟細胞へと分化させる作用や、細胞の増殖促進作用や生命維持作用などの極めて重要な生理作用を有している。これまでに合成された種々のビタミンA誘導体、例えば、特開昭61−22047号公報や特開昭61−76440号公報記載の安息香酸誘導体、及びジャーナル・オブ・メディシナル・ケミストリー(Journal of Medicinal Chemistry,1988,Vol.31,No,11,p.2182)に記載の化合物なども、同様な生理作用を有することが明らかにされている。レチノイン酸及びレチノイン酸様の生物活性を有する上記化合物は「レチノイド」と総称されている。
例えば、オール・トランス(all−trans)・レチノイン酸は、細胞核内に存在する核内レセプター・スーパーファミリー(Evans,R.M.,Science,240,p.889,1988)に属するレチノイン酸レセプター(RAR)にリガンドとして結合して、動物細胞の増殖・分化あるいは細胞死などを制御することが明らかにされている(Petkovich,M.,et.al,,Nature,330,pp.444−450,1987)。レチノイン酸様の生物活性を有する上記化合物(例えば、4−[(5,6,7,8−tetrahydro−5,5,8,8−tetramethyl−2−naphthalenyl)carbamoyl]benzoic acid:Am80など)も、レチノイン酸と同様にRARに結合して生理活性を発揮することが示唆されている(Hashimoto,Y.,Cell struct.Funct.,16,pp.113−123,1991;Hashimoto,Y.,et al.,Biochem.Biophys.Res.Commun.,166,pp.1300−1307,1990を参照)。
これらの化合物は、臨床的には、ビタミンA欠乏症、上皮組織の角化症、リウマチ、遅延型アレルギー、骨疾患、及び白血病やある種の癌の治療や予防に有用であることが見出されている。しかしながら、これらのレチノイドは多様な生物活性を有しているがゆえに、副作用の観点からは必ずしも満足すべき医薬とはいえない。従って、特徴的な作用を有するレチノイドやその制御分子の創製が切望されていた。
レチノイドの作用調節剤としては、4−[5H−2,3−(2,5−ジメチル−2,5−ヘキサノ)−5−メチルジベンゾ[b,e][1,4]ジアゼピン−11−イル]安息香酸や4−[1,3−ジヒドロ−7,8−(2,5−ジメチル−2,5−ヘキサノ)−2−オキソ−2H−1,4−ベンゾジアゼピン−5−イル]安息香酸などのベンゾジアゼピン誘導体が知られている(PCT/JP96/2709,国際公開WO97/11061)。これらの化合物は、それ自体はレチノイド作用を有しないか、あるいはそのレチノイド作用が微弱であるにもかかわらず、レチノイン酸などのレチノイドの作用を顕著に増強する作用を有しており、ビタミンA欠乏症、上皮組織の角化症、リウマチ、遅延性アレルギー、骨疾患、又は白血病やある種の癌の治療や予防に有用であることが示唆されている。
レチノイン酸の生理活性の発現については、レチノイドXレセプター(RXR,9−cis−レチノイン酸をリガンドとする)の存在が証明されている。レチノイドXレセプターは、レチノイン酸レセプター(RAR)と二量体を形成し、遺伝子の転写を惹起ないし抑制して、レチノイン酸の生理活性の発現を調節していることが明らかにされた(Mangelsdorf,D.J.et al.,Nature,345,pp.224−229)。レチノイドXレセプター(RXR)は、レチノイン酸レセプター(RAR)のほか、活性ビタミンDの核内レセプターや、脂肪代謝に関与するといわれるPPAR及びその他のレセプター類に対して結合して、これらのレセプターに結合するビタミンDやチロキシンなどの生理活性物質の作用の発現を制御することが明らかにされている(Mangelsdorf,D.J.et al.,The Retinoids,2nd Ed.,Ravan Press,pp.319−350,1994)。
また、レチノイド作用調節剤として、、レチノイドに対して拮抗的に作用し、上記レチノイドの代表的な作用を減弱する化合物の存在も知られている(Eyrolles,L.,et al.,Journal of Medicinal Chemistry,37(10),pp,1508−1517,1994)。この刊行物には、例えば、4−(5H−7,8,9,10−テトラヒドロ−5,7,7,10,10−ペンタメチルベンゾ[e]ナフト[2,3−b][1,4]ジアゼピン−13−イル)安息香酸などの化合物がレチノイドのアンタゴニストとして作用することが開示されている。また、本発明者により、4−(13H−10,11,12,13−テトラヒドロ−10,10,13,13,15−ペンタメチルジナフト[2,3−b][1,2−e][1,4]ジアゼピン−7−イル)安息香酸などの化合物が、レチノイド・アンタゴニストとして見い出されている(特願平7−255912号明細書)。
一方、レチノイン酸やAm80などのレチノイドのカルボキシル基、あるいは上記のレチノイド作用増強性化合物やレチノイドアンタゴニストのカルボキシル基は、従来、それぞれ所望の生物活性に必須の官能基であると考えられており、例えば、スルホンアミドやテトラゾールなどの官能基で置換すると所望の生物活性が失われることが知られている。チアゾリジン骨格を有するジグリタゾンやトログリタゾンなどの化合物が、核内レセプタースーパーファミリーに属するPPAR(peroxisome proliferator−activated receptor)のγサブタイプに作用することが示唆されてはいるが、上記の生理活性化合物のカルボキシル基をチアゾリジン環で置き換えた化合物がレチノイドレセプターに相互作用して生理活性を発揮することは従来全く知られていない。
チアゾリジンジオン誘導体として、血糖低下作用を有するN−ベンジル型の2,4−チアゾリジンジオン誘導体が知られている(特開平9−48771号公報、及び第17回メディシナルケミストリーシンポジウム・第6回医薬化学部会年会公演要旨集、第114〜115頁、1−P−30、1997年10月27日、日本薬学会発行)。しかしながら、上記刊行物には、これらのチアゾリジンジオン誘導体がレチノイド様作用を有すること、あるいはレチノイド作用調節剤として機能することについては全く示唆ないし教示がない。
発明の開示
本発明の課題は、レチノイン様作用、又はレチノイドの作用に対して調節作用(例えばレチノイドの作用を増強又は抑制する作用)を有するレチノイドレセプター作用性物質を提供することにある。本発明の別の課題は、上記の化合物を有効成分として含む医薬を提供することにある。
本発明者は上記の課題を解決すべく鋭意努力した結果、下記の一般式で示されるチアゾリジン化合物がレチノイン酸様の生物作用を有しており、あるいはレチノイドの作用を増強又は抑制する作用を有することを見いだした。本発明は上記の知見を基にして完成されたものである。
すなわち本発明は、下記の一般式(I):
Figure 0004398585
〔式中、R、R、R、R、及びRはそれぞれ独立に水素原子又は低級アルキル基を示し、それらのうちの隣接する2つの基は一緒になってそれらが結合するフェニル環上の炭素原子とともに1又は2以上のアルキル基を有することもある5員環又は6員環を形成してもよく;Xは−C(R)=CH−、−CH=C(R)−、−N(R)−CO−、−CO−N(R)−、−C(=CHR10)、−CO−、又は−NR11−で表される基(式中、R、R、R、R、R10、及びR11はそれぞれ独立に水素原子又は低級アルキル基を示す)を示す〕で表される化合物、若しくは
下記の一般式(II):
Figure 0004398585
〔式中、R21、R22、R23、及びR24はそれぞれ独立に水素原子又は低級アルキル基を示し、それらのうちの隣接する2つの基は一緒になってそれらが結合するフェニル環上の炭素原子とともに1又は2以上のアルキル基を有することもある5員環又は6員環を形成してもよく;R25は水素原子又は低級アルキル基を示す]で表される化合物、又はそれらの塩を提供するものである。
別の観点からは、上記一般式で表される化合物及び生理学的に許容されるそれらの塩、並びにそれらの水和物及び溶媒和物を有効成分として含む医薬が提供される。この医薬は、レチノイド様作用剤又はレチノイド作用調節剤(好ましくはレチノイド作用増強剤又はレチノイド作用抑制剤)として有用である。
別の観点からは、上記の医薬の製造のための上記物質の使用;並びに核内レセプター・スーパーファミリー(Evans,R.M.,Science,240,p.889,1988)に属するレセプター、好ましくはレチノイドレセプター(RAR及び/又はRXR)の関与する疾患の予防及び/又は治療方法であって、上記物質の有効量をヒトを含む哺乳類動物に投与する工程を含む方法が提供される。
発明を実施するための最良の形態
上記一般式(I)において、R、R、R、R、及びRはそれぞれ独立に水素原子又は低級アルキル基を示す。低級アルキル基としては、炭素数1ないし6個程度、好ましくは炭素数1ないし4個の直鎖又は分枝鎖のアルキル基を用いることができる。例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、又はtert−ブチル基などを用いることができる。
また、R、R、R、R、及びRからなる群から選ばれる隣接する2つの基が一緒になって、それらが結合するフェニル環上の炭素原子とともに1又は2以上のアルキル基を有することもある5員環又は6員環を1個又は2個、好ましくは1個形成してもよい。環上に置換可能なアルキル基としては、炭素数1ないし6個程度、好ましくは炭素数1ないし4個の直鎖又は分枝鎖のアルキル基を用いることができる。例えば、メチル基、エチル基などを用いることができ、好ましくは2〜4個のメチル基、さらに好ましくは4個のメチル基が置換していてもよい。例えば、R及びRが置換するフェニル環とR及びRとにより、5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン環や5,5,8,8−テトラメチル−5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン環などが形成されることが好ましい。
Xは−C(R)=CH−、−CH=C(R)−、−N(R)−CO−、−CO−N(R)−、−C(=CHR10)、−CO−、又は−NR11−で表される基のいずれかを示す。これらの基において、R、R、R、R、R10、及びR11はそれぞれ独立に水素原子又は低級アルキル基を示すが、低級アルキル基としては、例えば炭素数1ないし4個の直鎖又は分枝鎖のアルキル基を用いることができる。より具体的には、メチル基、エチル基などを用いることが好ましい。ベンジリデンチアゾリジンジオン部分のフェニル基上におけるXの置換位置は特に限定されないが、メタ置換又はパラ置換であることが好ましい。
上記一般式(II)において、R21、R22、R23、及びR24はそれぞれ独立に水素原子又は低級アルキル基を示す。低級アルキル基としては、炭素数1ないし6個程度、好ましくは炭素数1ないし4個の直鎖又は分枝鎖のアルキル基を用いることができる。例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、又はtert−ブチル基などを用いることができる。R25は水素原子又は低級アルキル基を示すが、低級アルキル基としては、例えば炭素数1ないし4個の直鎖又は分枝鎖のアルキル基を用いることができる。より具体的には、メチル基、エチル基などを用いることが好ましい。
また、R21、R22、R23、及びR24からなる群から選ばれる隣接する2つの基が一緒になって、それらが結合するフェニル環上の炭素原子とともに1又は2以上のアルキル基を有することもある5員環又は6員環を1個又は2個、好ましくは1個形成してもよい。環上に置換可能なアルキル基としては、炭素数1ないし6個程度、好ましくは炭素数1ないし4個の直鎖又は分枝鎖のアルキル基を用いることができる。例えば、メチル基、エチル基などを用いることができ、好ましくは2〜4個のメチル基、さらに好ましくは4個のメチル基が置換していてもよい。例えば、R22及びR23が置換するフェニル環とR22及びR23とにより、5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン環や5,5,8,8−テトラメチル−5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン環などが形成されることが好ましい。
上記化合物は塩基付加塩を形成する場合があり、例えば、ナトリウム塩、カリウム塩、マグネシウム塩、若しくはカルシウム塩などの金属塩、アンモニウム塩、又はトリエチルアミン塩若しくはエタノールアミン塩などの有機アミン塩などとして存在することがあるが、このような塩のうち、生理学的に許容される塩を本発明の医薬の有効成分として用いることができる。また、上記化合物は、置換基の種類に応じて1個または2個以上の不斉炭素を有する場合があるが、これらの不斉炭素に基づく任意の光学異性体、光学異性体の任意の混合物、ラセミ体、2個以上の不斉炭素に基づくジアステレオ異性体、ジアステレオ異性体の任意の混合物などは、いずれも本発明の範囲に包含される。さらに、二重結合のシス又はトランス結合に基づく幾何異性体、及び幾何異性体の任意の混合物や、遊離化合物又は塩の形態の化合物の任意の水和物又は溶媒和物も本発明の範囲に包含される。
本発明の化合物のうち、好ましい化合物として以下の化合物を挙げることができるが、本発明の化合物、又は本発明の医薬の有効成分として利用可能な化合物は下記の化合物に限定されることはない(下記の説明において、para及びmetaはそれぞれベンジリデンチアゾリジンジオン部分のフェニル基上におけるXの置換位置がパラ位及びメタ位であることを示し、Meはメチル基を示す)。
Figure 0004398585
Figure 0004398585
上記の式(I)及び式(II)の化合物の製造方法については、上記の代表的な化合物についての合成例が本明細書の実施例に具体的かつ詳細に示されている。従って、これらの実施例を参照することにより、また、必要に応じてこれらの方法に適宜の改変や修飾を加えることにより、上記一般式(I)又は(II)で示される本発明の化合物に包含される任意の化合物を当業者は容易に製造することが可能である。
上記の式(I)及び式(II)の化合物は、レチノイドレセプター(本明細書において用いられる「レチノイドレセプター」という用語は、レチノイン酸レセプターRAR及びRXRを包含しており、レチノイン酸などのレチノイドが相互作用可能なレセプターの1種又は2種以上を意味している。)に対して相互作用することができ、それ自体がアゴニストとしてレチノイド様の生理活性を発揮するか、あるいはレチノイドの生理活性を増強又は抑制する作用を有している。
従って、上記化合物を有効成分として含む医薬は、レチノイド様作用剤又はレチノイド作用調節剤として有用である。上記の式(I)及び式(II)の化合物の上記のいずれの作用を有しているかは、本明細書の実施例に詳細に記載された方法に従って容易に確認することができる。また、レチノイド作用増強性の化合物の評価方法については国際公開WO97/11061(PCT/JP96/2709)に記載があり、レチノイドの作用抑制性の化合物の評価方法についてはEyrolles,L.,et al.,Journal of Medicinal Chemistry,37(10),pp.1508−1517,1994、及び特願平7−255912号明細書に記載がある。
上記の化合物のうち、レチノイド様作用を有する化合物は、例えば、細胞分化作用、細胞増殖促進作用、及び生命維持作用などを有しており、ビタミンA欠乏症、上皮組織の角化症、乾癬、アレルギー疾患、リウマチなどの免疫性疾患、骨疾患、白血病、又は癌の予防・治療のための医薬の有効成分として用いることができる。
また、上記の化合物のうち、レチノイド作用増強性の化合物は、それ自体はレチノイド様の作用を実質的に有していないか、あるいは微弱又は中程度のレチノイド様作用を有するが、該化合物をレチノイン酸などのレチノイドと共存させた場合には、レチノイドの生理活性(代表的なものとして細胞分化作用、細胞増殖促進作用、及び生命維持作用など)が顕著に増強される。
いかなる特定の理論に拘泥するわけではないが、このようなレチノイド作用増強性の化合物自体がレチノイド作用を有する場合には、その作用は相乗的作用である。従って、レチノイド作用増強性の化合物は、レチノイン酸やレチノイン酸様の生物活性を有する上記化合物(例えば、4−[(5,6,7,8−tetrahydro−5,5,8,8−tetramethyl−2−naphthalenyl)carbamoyl]benzoic acid:Am80など)などのレチノイドをビタミンA欠乏症、上皮組織の角化症、乾癬、アレルギー疾患、リウマチなどの免疫性疾患、骨疾患、白血病、又は癌の予防・治療のための医薬として投与する場合に、該レチノイドの作用増強剤として用いることができる。
また、上記のレチノイド作用増強性の化合物は、レチノイドを上記疾患の治療・予防のために投与しない場合においても、生体内に既に存在するレチノイン酸の作用を増強するので、上記疾患の治療・予防の目的で上記化合物を医薬として投与することも可能である。さらに、この化合物は、レチノイドに対しての作用増強効果のみならず、細胞の核内に存在する核内レセプター・スーパーファミリー(Evans,R.M.,Science,240,p.889,1988)に属するレセプターに結合して生理作用を発揮するステロイド化合物、ビタミンDなどのビタミンD化合物、又はチロキシンなどの生理活性物質の作用増強剤として用いることもできる。例えば、糖尿病、動脈硬化症、高脂血症、高コレステロール血症、骨疾患、リウマチ、又は免疫性疾患などの疾患の予防及び/又は治療のための医薬として有用である。
このような核内レセプターとして、例えば、活性ビタミンDの核内レセプター、脂肪代謝に関与するPPAR、チロキシンレセプター、及びCOUPなどが知られているが(以上のレセプターについて、Mangelsdorf,D.J.et al.,The Retinoids,2nd Ed.,Ravan Press,pp.319−350,1994を参照のこと)、これらのレセプターは、いずれもレチノイドXレセプター(RXR)に結合して上記生理活性物質の作用を発現させることが明らかにされている。
上記の化合物のうち、レチノイド作用抑制性の化合物は、レチノイドの生理活性(代表的なものとして細胞分化作用、細胞増殖促進作用、及び生命維持作用など)を顕著に抑制する作用を有している。いかなる特定の理論に拘泥するわけではないが、このような作用を有する化合物は、レチノイン酸レセプター(RAR)とともに二量体を形成するレチノイドXレセプター(RXR)に結合し、レチノイン酸などのレチノイドの生理活性の発現を調節するものと考えられる。この化合物は、生体中のビタミンAの過剰による内因的なビタミンA過剰症、あるいは、ビタミンA欠乏症、上皮組織の角化症、乾癬、アレルギー疾患、リウマチなどの免疫性疾患、骨疾患、白血病、又は癌の予防・治療のために投与されるレチノイン酸やレチノイン酸様の生物活性を有する化合物(例えば、4−[(5,6,7,8−tetrahydro−5,5,8,8−tetramethyl−2−naphthalenyl)carbamoyl]benzoic acid:Am80など)により惹起される外因的なビタミンA過剰症の治療及び/又は予防に有用である。
レチノイド作用抑制性の化合物はそれ自体を単独で、又は他のレチノイドや制ガン剤と組み合わせて投与することにより、白血病などの癌を治療することが可能である。さらに、上記の化合物は、細胞の核内に存在する核内レセプター・スーパーファミリー(Evans,R.M.,Science,240,p.889,1988)に属するレセプターに結合して生理活性を発現する物質、例えば、ステロイド化合物、ビタミンDなどのビタミンD化合物、又はチロキシンやリガンド不明のオーファンレセプターなどの作用を抑制することができるので、これらの物質の生理活性発現の調節に用いることもできる。従って、レチノイドXレセプター(RXR)に結合するレチノイド作用抑制性の化合物は、例えば、核内レセプター・スーパーファミリーに属する核内レセプターの1又は2以上が関与する生物作用の異常を伴う疾患の予防及び/又は治療に用いることができる。
本発明の医薬は、上記の式(I)で表される化合物及びその塩、並びにそれらの水和物及び溶媒和物からなる群から選ばれる物質、あるいは上記の式(II)で表される化合物及びその塩、並びにそれらの水和物及び溶媒和物からなる群から選ばれる物質の1種または2種以上を有効成分として含んでいる。本発明の医薬としては上記物質それ自体を投与してもよいが、好ましくは、当業者に周知の方法によって製造可能な経口用あるいは非経口用の医薬組成物として投与することができる。経口投与に適する医薬用組成物としては、例えば、錠剤、カプセル剤、散剤、細粒剤、顆粒剤、液剤、及びシロップ剤等を挙げることができ、非経口投与に適する医薬組成物としては、例えば、注射剤、坐剤、吸入剤、点眼剤、点鼻剤、軟膏剤、クリーム剤、及び貼付剤等を挙げることができる。
上記の医薬組成物は、薬理学的、製剤学的に許容しうる添加物を加えて製造することができる。薬理学的、製剤学的に許容しうる添加物の例としては、例えば、賦形剤、崩壊剤ないし崩壊補助剤、結合剤、滑沢剤、コーティング剤、色素、希釈剤、基剤、溶解剤ないし溶解補助剤、等張化剤、pH調節剤、安定化剤、噴射剤、及び粘着剤等を挙げることができる。
本発明の医薬の投与量は特に限定されず、その作用の種類や作用の強弱などに応じて適宜選択することができ、さらに患者の体重や年齢、疾患の種類や症状、投与経路など通常考慮すべき種々の要因に応じて、適宜増減することができる。一般的には、レチノイド様作用を有する化合物を有効成分として含む医薬については、レチノイン酸などを医薬として用いる場合の投与量に準じて、またはその投与量を参考にして適宜選択することが可能である。例えば、経口投与の場合には成人一日あたり0.01〜1,000mg程度の範囲で用いることができる。また、レチノイド作用増強性又はレチノイド作用抑制性の化合物を有効成分として含む医薬についても同様に投与量を選択することが可能であり、例えば、経口投与の場合には成人一日あたり0.01〜1,000mg程度の範囲で用いることができる。
実施例
以下、本発明を実施例によりさらに具体的に説明するが、本発明の範囲は下記の実施例の範囲に限定されることはない。なお、実施例中の化合物番号は、上記に好ましい例として具体的に示した化合物及び下記の合成スキーム中の番号に対応している。
例1:TZ91の合成
4−[2−(5,6,7,8−テトラメチル−5,5,8,8−テトラヒドロ−2−ナフチル)プロペニル]ベンズアルデヒド24mg(0.072mmol)、2,4−チアゾリジンジオン10mg(0.085mmol)およびピペリジン5mg(0.058mmol)をエタノール2.5mlに溶かし、一晩還流した。反応液を1N塩酸にあけ、酢酸エチルで抽出した。有機層を水で洗い、NaSOで脱水、溶媒留去の後、メタノールより再結晶してTZ91(定量的)を得た。
TZ91:Yellow needles(メタノール);mp227−229℃;H−NMR(400MHz,CDCl)8.24(br s,1H),7.87(s,1H),7.51(d,2H,J=8.8Hz),7.48(d,2H,J=8.8Hz),7.45(d,1H,J=1.5Hz),7.33(d,1H,J=8.4Hz),7.30(dd,1H,J=8.4,1.8Hz),6.78(br s,1H),2.32(d,3H,J=1.5Hz),1.71(s,4H),1.34(s,6H),1.31(s,6H);Anal.Calcd.for C2729NOS,C:75.15%,H:6.77%,N,3.25%;Found C:75.08%,H:6.97%,N,3.11%.
例2:TZ151の合成
Figure 0004398585
3,5−ジ−tert−ブチル安息香酸(I−1)1.00g(4.27mmol)をチオニルクロライド2.50g(21.0mmol)、無水ベンゼン12mlに懸濁し、14時間還流した。チオニルクロライドを留去し、p−アミノ安息香酸メチル645mg(4.27mmol)を加え、無水ベンゼン30ml、無水ピリジン1mlに懸濁し、室温で1.5時間攪拌した。反応液に氷水、2N塩酸を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を食塩水で洗い、MgSOで脱水し、濃縮した。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(塩化メチレン)で精製して、化合物I−2を1.03g(66%)得た。
H−NMR(400MHz,CDCl)8.06(d,2H,J=8.8Hz),7.90(br s,1H),7.75(d,2H,J=8.8Hz),7.66(d,2H,J=1.5Hz),7.64(t,1H,J=1.8Hz),3.92(s,3H),1.37(s,18H).
化合物I−2 1.02g(2.78mmol)をTHF30mlに溶かし、−20℃にてDIBAL8.34ml(1Mトルエン溶液、8.34mmol)を徐々に加えた。30分後、反応液を2N塩酸に注ぎ込み、酢酸エチルで抽出した。有機層を食塩水で洗い、MgSOで脱水、溶媒を濃縮した。残査をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:nヘキサン=1:1)で精製して、化合物I−3を786mg(83%)得た。
H−NMR(400MHz,CDCl)7.78(br s,1H),7.67(d,2H,J=1.8Hz),7.65(d,2H,J=8.8Hz),7.62(t,1H,J=1.8Hz),7.38(d,2H,J=8.8Hz),4.69(d,2H,J=5.9Hz),1.37(s,18H).
化合物I−3 780mg(2.30mmol)をメタノールフリー塩化メチレン22mlに溶かし、PCC992mg(4.60mmol)を加え、室温で2.5時間攪拌した。反応液を濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:n−ヘキサン=1:4)で精製して、化合物I−4を704mg(91%)得た。
H−NMR(400MHz,CDCl)9.96(s,1H),7.97(br s,1H),7.92(d,2H,J=8.4Hz),7.85(d,2H,J=8.4Hz),7.67(d,2H,J=1.8Hz),7.66(t,1H,J=1.8Hz),1.38(s,18H).
化合物I−4 150mg(0.45mmol)、2,4−チアゾリジンジオン52mg(0.45mmol)を無水トルエン10mlに懸濁し、ピペリジン11mg(0.13mmol)と酢酸8mg(0.13mmol)を無水トルエン1.4mlに溶かした溶液を加えて120℃にて3.5時間還流した。反応液を氷水に注ぎ込み、酢酸エチルで抽出した。有機層を食塩水で洗い、MgSOで脱水、溶媒を濃縮してTZ151を194mg(99%)得た。
TZ151:Yellow powder(酢酸エチル/n−ヘキサン);mp>300℃;H−NMR(400MHz,DMSO−d,30℃)10.43(s,1H),7.93(d,2H,J=8.4Hz),7.75(s,1H),7.74(d,2H,J=1.8Hz),7.63(m,3H),1.35(s,18H);Anal.Calcd,for C2528S,C:68.78%,H:6.46%,N:6.42%;Found C:68.70%,H:6.59%,N:6.15%.
例3:TZ153の合成
3,5−ジ−tert−ブチル安息香酸(I−1)とm−アミノ安息香酸メチルを出発原料として例2の方法に従ってTZ153を合成した。
TZ153:Pale yellow powder(酢酸エチル/n−ヘキサン);mp252℃;H−NMR(400MHz,DMSO−d,30℃)10.36(s,1H),8.16(br s,1H),7.76(m,4H),7.63(t,1H,J=1.8Hz),7.52(t,1H,J=8.1Hz),7.37(d,1H,J=8.0Hz),1.35(s,18H);Anal.Calcd.for C2528S,C:68.78%,H:6.46%,N:6.42%;Found C:68.81%,H:6.60%,N:6.59%.
例4:TZ155の合成
Figure 0004398585
p−ホルミル安息香酸(II−1)1.00g(6.67mmol)、2,4−チアゾリジンジオン858mg(7.33mmol)を無水トルエン40mlに懸濁した。ピペリジン170mg(2.00mmol)、酢酸120mg(2.00mmol)を無水トルエン20mlに溶かした溶液を加え、120℃で6時間還流した。反応液を室温まで冷やし、析出した結晶を濾取し、トルエン、ベンゼン、20%アセトン水溶液で洗浄し、乾燥して、化合物II−2を1.57g(94%)得た。
H−NMR(400MHz,DMSO−d,30℃)8.04(d,2H,J=8.4Hz),7.79(s,1H),7.70(d,2H,J=8.4Hz).
化合物II−2 250mg(1.00mmol)を無水ベンゼン12mlに懸濁し、SOCl627mg(5.27mmol)を加えて、14時間還流した。SOClを留去した後、無水ベンゼン10mlに懸濁し、3,5−ジ−tert−ブチルアニリン210mg(1.00mmol)、無水ピリジン4mlを加え、室温で2時間攪拌した。反応液に氷を浮かべた2N塩酸を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を食塩水で洗い、MgSOで脱水、濃縮後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:n−ヘキサン=3:2)で精製して、TZ155を390mg(89%)得た。
TZ155:Pale yellow powder(酢酸エチル/n−ヘキサン);mp266−267℃;H−NMR(400MHz,DMSO−d,30℃)10.20(s,1H),8.08(d,2H,J=8.4Hz),7.87(s,1H),7.74(d,2H,J=8.4Hz),7.69(d,1H,J=1.5Hz),7.16(t,1H,J=1.5Hz),1.30(s,18H);Anal.Calcd.for C2528S,C:68.78%,H:6.46%,N:6.42%,Found C:68.52%,H:6.52%,N:6.37%.
例5:TZ157の合成
Figure 0004398585
m−ホルミル安息香酸(III−1)800mg(5.33mmol)、2,4−チアゾリジンジオン686mg(5.87mmol)を無水トルエン40mlに懸濁した。ピペリジン136mg(1.60mmol)、酢酸96mg(1.60mmol)を無水トルエン16mlに溶解した溶液を加え、120℃で4.5時間還流した。反応液を室温まで冷やし、析出した結晶を濾取し、トルエン、ベンゼン、20%アセトン水溶液で洗浄し、乾燥して、化合物III−2を1.017g(77%)得た。
H−NMR(400MHz,DMSO−d,30℃)8.14(s,1H),8.01(d,1H,J=7.7Hz),7.86(s,1H),7.85(d,1H,J=7.7Hz),7.66(t,1H,J=7.7Hz).
化合物III−2 250mg(1.00mmol)を無水ベンゼン14mlに懸濁し、SOCl627mg(5.27mmol)を加えて、14時間還流した。SOClを留去した後、無水ベンゼン10mlに懸濁し、3,5−ジ−tert−ブチルアニリン210mg(1.00mmol)、無水ピリジン4mlを加え、室温で2時間攪拌した。反応液に氷を浮かべた2N塩酸を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を、食塩水で洗い、MgSOで脱水、濃縮後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:n−ヘキサン=3:4)で精製して、TZ157を292mg(67%)得た。
TZ157:Colorless needles(酢酸エチル/n−ヘキサン);mp263℃;H−NMR(400MHz,DMSO−d,30℃)10.20(s,1H),8.15(s,1H),8.04(d,1H,J=7.7Hz),7.87(s,1H),7.78(d,1H,J=7.7Hz),7.69(t,1H,J=7.7Hz),7.67(d,2H,J=1.5Hz),7.17(t,1H,J=1.5Hz),1.30(s,18H);Anal.Calcd.for C2528S,C:68.78%,H:6.46%,N:6.42%,Found C:68.82%,H:6.65%,N:6.56%.
例6:TZ161の合成
Figure 0004398585
NaH97.6mg(60%、2.45mmol)をn−ヘキサンで洗い、DMF 1mlに懸濁した。アルデヒドI−4(例2参照)550mg(1.63mmol)をDMF10mlに溶かして加え、室温で20分攪拌した。ヨウ化メチル0.19ml(3.05mmol)を加え、45分攪拌した。DMFを留去し、水を加えて塩化メチレンで抽出した。有機層を食塩水で洗い、MgSOで脱水、溶媒を濃縮した。残査をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:n−ヘキサン=1:3)で精製して、化合物IV−1を389mg(68%)得た。
H−NMR(400MHz,CDCl)9.90(s,1H),7.73(d,2H,J=8.4Hz),7.31 (t,1H,J=1.8Hz),7.31(t,1H,J=1.8Hz),7.15(d,2H,J=8.4Hz),7.13(d,2H,J=1.8Hz),3.56(s,3H),1.14(s,18H).
化合物IV−1 385mg(1.10mmol)、2,4−チアゾリジンジオン128mg(1.10mmol)を無水トルエン8mlに懸濁し、ピペリジン26mg(0.33mmol)と酢酸20mg(0.33mmol)を無水トルエン3mlに溶解した溶液を加えて120℃にて1.5時間還流した。反応液を氷水に注ぎ込み、酢酸エチルで抽出した。有機層を食塩水で洗い、MgSOで脱水、溶媒を濃縮した。残査をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:n−ヘキサン=1:1)で精製して、TZ161を417mg(84.5%)得た。
TZ161:Yellow plate(酢酸エチル/n−ヘキサン);mp265℃;H−NMR(400MHz,DMSO−d,30℃)7.70(s,1H),7.46(d,2H,J=8.4Hz),7.29(t,1H,J=1.5Hz),7.26(d,2H,J=8.4Hz),7.09(d,2H,J=1.5Hz),3.41(s,3H),1.12(s,18H);Anal.Calcd.for C2630S,C:69.31%,H:6.71%,N:6.22%,Found C:69.01%,H:6.68%,N:5.93%.
例7:TZ163の合成
3−(3,5−ジ−tert−ブチルフェニルカルバモイル)ベンズアルデヒド(m−アミノ安息香酸メチルから化合物I−4と同様に合成)を出発原料として、例6の方法に従ってTZ163を合成した。
TZ163:Yellow plates(酢酸エチル/n−ヘキサン);mp195℃;H−NMR(400MHz,DMSO−d,30℃)7.61(s,1H),7.46(t,1H,J=7.7Hz),7.38(m,2H),7.27(t,1H,J=1.8Hz),7.14(br s,1H),7.08(d,2H,J=1.8Hz),3.42(s,3H),1.11(s,18H);Anal.Calcd.for C2630S,C:69.31%,H:6.71%,N:6.22%,Found C:69.41%,H:6.92%,N:5.99%.
例8:TZ165の合成
チアゾリジンII−2(例4参照)および3,5−ジ−tert−ブチル−N−メチルアニリンを出発原料として、例4の方法に従ってTZ165を合成した(79%)。
TZ165:Pale yellow prisms(酢酸エチル/n−ヘキサン);mp253−254℃;H−NMR(400MHz,DMSO−d,30℃)7.67(s,1H),7.38(d,2H,J=8.4Hz),7.29(d,2H,J=8.4Hz),7.11(s,1H),6.93(s,2H),3.42(s,3H),1.12(s,18H);Anal,Calcd.for C2630S,C:69.31%,H:6.71%,N:6.22%,Found C:69.05%,H:6.53%,N:6.48%.
例9:TZ167の合成
チアゾリジンIII−2(例5参照)および3,5−ジ−tert−ブチル−N−メチルアニリンを出発原料として、例5の方法に従ってTZ167を合成した(76%)。
TZ167:Colorless prisms(酢酸エチル/n−ヘキサン);mp238℃;H−NMR(400MHz,DMSO−d,30℃)7.58(s,1H),7.48(m,2H,)7.23(br s,1H),7.10(s,1H),6.93(d,2H,J=1.5Hz),3.44(s,3H),1.11(s,18H);Anal.Calcd.for C2630S,C:69.31%,H:6.71%,N:6.22%,Found C:69.13%,H:6.78%,N:6.34%.
例10:TZ175の合成
2,4−キシリジンとチアゾリジンII−2(例4参照)を出発原料として、例4の方法に従ってTZ175を合成した(88%)。
TZ175:Pale pink powder(塩化メチレン/メタノール;mp269℃;H−NMR(400MHz,DMSO−d,30℃)9.89(s,1H),8.08(d,2H,J=8.4Hz),7.86(s,1H),7.73(d,2H,J=8.4Hz),7.21(d,1H,J=8.1Hz),7.08(s,1H),7.02(d,1H,J=8.1Hz),2.29(s,3H),2.20(s,3H);Anal.Calcd.for C1916S,C:64.76%,H:4.58%,N:7.95%;Found C:64.51%,H:4.67%,N:8.07%.
例11:TZ177の合成
2,4−キシリジンとチアゾリジンIII−2(例5参照)を出発原料として、例5の方法に従ってTZ177を合成した(31%)。
TZ177:Colorless needles(塩化メチレン/メタノール);mp245℃;H−NMR(400MHz,DMSO−d,30℃)9.90(s,1H),8.15(s,1H),8.04(d,1H,J=7.7Hz),7.87(s,1H),7.79(d,1H,J=8.1Hz),7.68(t,1H,J=7.7Hz),7.23(d,1H,J=8.1Hz),7.09(s,1H),7.03(d,1H,J=8.1Hz),2.29(s,3H),2.21(s,3H);Anal.Calcd.for C1916S,C:64.76%,H:4.58%,N:7.95%;Found C:64.57%,H:4.41%,N:7.89%.
例12:TZ181の合成
Figure 0004398585
5,6,7,8−テトラヒドロ−5,5,8,8−テトラメチル−2−ナフトエ酸(V−1)700mg(3.01mmol)をチオニルクロライド8mlに懸濁し、DMFを1滴加えて室温で2時間撹拌した。チオニルクロライドを留去し、p−アミノ安息香酸メチル450mg(2.98mmol)および4−ジメチルアミノピリジン5mgを加え、無水ピリジン20mlに溶かし、室温で一晩攪拌した。反応液を2N塩酸に開け、酢酸エチルで抽出した。有機層を2N塩酸、水、食塩水で洗い、NaSOで脱水し、濃縮して、化合物V−2を得た(97%)。
化合物V−2 183mg(0.50mmol)をTHF10mlに溶かし、−45℃にてDIBAL1.5ml(1Mトルエン溶液、1.5mmol)を徐々に加えた。30分後、反応液を2N塩酸に注ぎ込み、酢酸エチルで抽出した。有機層を食塩水で洗い、NaSOで脱水、溶媒を濃縮した。残査をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:塩化メチレン=1:3)で精製して、化合物V−3を142mg(84%)得た。
H−NMR(400MHz,CDCl)7.86(d,1H,J=2.2Hz),7.78(br s,1H),7.63(d,2H,J=8.4Hz),7,55(dd,1H,J=2.0,8.2Hz),7.40(d,1H,J=8.8Hz),7.37(d,2H,J=8.4Hz),4.68(s,2H),1.72(s,4H),1.33(s,6H),1.31(s,6H).
化合物V−3 140mg(0.42mmol)をメタノールフリー塩化メチレン10mlに溶かし、PCC100mg(0.46mmol)を加え、室温で1時間攪拌した。反応液を濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(塩化メチレン)で精製して、化合物V−4を99mg(71%)得た。
H−NMR(400MHz,CDCl)9.95(s,1H),7.92(br s,1H),7.91(d,2H,J=8.8Hz),7.87(d,1H,J=1.8Hz),7.84(d,2H,J=8.8Hz),7.56(dd,1H,J=2.0,8.3Hz),7.43(d,1H,J=8.4Hz),1.73(s,4H),1.34(s,6H),1.32(s,6H).
化合物V−4 73mg(0.22mmol)、2,4−チアゾリジンジオン30mg(0.26mmol)を無水トルエン4mlに懸濁した。ピペリジン173μlと酢酸100μlを無水トルエン25mlに溶かし、その溶液3mlを加えて120℃にて2時間還流した。反応液を氷水に注ぎ込み、酢酸エチルで抽出した。有機層を2N塩酸、水で洗い、NaSOで脱水、溶媒を濃縮してTZ181を100mg(定量的)得た。
TZ181:Yellow needles(酢酸エチル/n−ヘキサン);mp288−290℃;H−NMR(400MHz,DMSO−d,30℃)12.52(s,1H),10.36(s,1H),7.94(d,2H,J=8.8Hz),7.88(d,1H,J=2.2Hz),7.76(s,1H),7.71(dd,2H,J=2.2,8.4Hz),7.60(d,2H,J=8.8Hz),7.48(d,1H,J=98.3Hz),1.68(s,4H),1.31(s,6H),1.28(s,6H);Anal.Calcd.for C2526S,C:69.10%,H:6.03%,N:6.45%;Found C:69.05%,H:6.23%,N:6.55%.
例13:TZ183の合成
5,6,7,8−テトラヒドロ−5,5,8,8−テトラメチル−2−ナフトエ酸(V−1)とm−アミノ安息香酸メチルを出発原料として、例12の方法に従ってTZ183を合成した。
TZ183:Colorless powder(酢酸エチル/n−ヘキサン);mp183℃;H−NMR(400MHz,DMSO−d,30℃)10.29(s,1H),8.15(s,1H),7.88(d,1H,J=1.8Hz),7.76(d,1H,J=1.8Hz),7.26(s,1H),7.26(s,1H),6,71(dd,1H,J=8.4Hz,1.8Hz),6.50(t,1H,J=7.7Hz),6.49(d,1H,J=8.1Hz),6.35(d,1H,J=2.1Hz),1.69(s,4H),1.31(s,6H),1.28(s,6H);Anal.Calcd.for C2526S,C:69.10%,H:6.03%,N:6.45%;Found C:68.81%,H:5.92%,N:6.51%.
例14:TZ185の合成
5,6,7,8−テトラヒドロ−5,5,8,8−テトラメチル−2−ナフチルアミンとチアゾリジンII−2(例4参照)を出発原料として、例4の方法に従ってTZ185を合成した。
TZ185:Pale orange plates(酢酸エチル/n−ヘキサン);mp234℃;H−NMR(400MHz,DMSO−d,30℃)10.18(s,1H),8.07(d,2H,J=8.4Hz),7.86(s,1H),7.73(d,2H,J=8.4Hz),7.68(d,1H,J=2.2Hz),7.57(dd,1H,J=8.4Hz,2.2Hz),7.28(d,1H,J=8.4Hz),1.65(s,4H),1.25(s,6H),1.24(s,6H);Anal.Calcd.for C2526S,C:69,10%,H:6.03%,N:6.45%;Found C:69.40%,H:6.10%,N:6.55%.
例15:TZ187の合成
5,6,7,8−テトラヒドロ−5,5,8,8−テトラメチル−2−ナフチルアミンとチアゾリジンIII−2(例5参照)を出発原料として、例5の方法に従ってTZ187を合成した。
TZ187:Colorless plates(酢酸エチル/n−ヘキサン);mp187℃;H−NMR(40MHz,DMSO−d,30℃)10.18(s,1H),8.14(s,1H),8.03(d,2H,J=7.7Hz),7.87(s,1H),7.78(d,1H,J=7.7Hz),7.68(t,1H,J=7.7Hz),7.68(d,1H,J=2.2Hz),7.56(dd,1H,J=8.8Hz,2.2Hz),7.29(d,1H,J=8.4Hz),1.65(s,4H),1.26(s,6H),1.24(s,6H);Anal.Calcd.for C2526S,C:69.10%,H:6.03%,N:6.45%;Found C:68.81%,H:6.21%,N:6.37%.
例16:TZ191の合成
Figure 0004398585
NaH18mg(60%、0.45mmol)をn−ヘキサンで洗い、DMF1mlに懸濁した。アルデヒドV−4(例12参照)100mg(0.30mmol)をDMF4mlに溶かして加え、室温で15分攪拌した。ヨウ化メチル0.07ml(1.12mmol)を加え、30分攪拌した。DMFを留去し、水を加えて塩化メチレンで抽出した。有機層を食塩水で洗い、MgSOで脱水後、溶媒を濃縮した。残査をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:n−ヘキサン=1:2)で精製して、化合物VI−1を388.9mg(63%)得た。
H−NMR(400MHz,CDCl)9.92(s,1H),7.75(d,2H,J=8.4Hz),7.24(dd,1H,J=8.1,1.8Hz),7.19(d,1H,J=8.4Hz),7.18(d,1H,J=8.4Hz),7.04(d,1H,J=1.8Hz),3.55(s,3H),1.60(m,4H),1.20(s,6H),0.93(s,6H).
化合物VI−1 60mg(0.17mmol)、2,4−チアゾリジンジオン20mg(0.17mmol)を無水トルエン4mlに懸濁し、ピペリジン4.4mg(0.052mmol)と酢酸3.1mg(0.052mmol)を無水トルエン0.5mlに溶解した溶液を加えて120℃にて40分還流した。反応液を氷水に注ぎ込み、酢酸エチルで抽出した。有機層を食塩水で洗い、MgSOで脱水、溶媒を濃縮した。残査をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:n−ヘキサン=1:3)で精製して、TZ191を417mg(93%)得た。
TZ191:Yellow powder(酢酸エチル/n−ヘキサン);mp235℃;H−NMR(400MHz,DMSO−d,30℃)7.71(s,1H),7.48(d,2H,J=8.8Hz),7.28(d,2H,J=8.4Hz),7.27(d,1H,J=8.4Hz),7.22(dd,1H,J=8.4,1.5Hz),6.98(d,1H,J=1.8Hz),3.40(s,3H),1.53(m,4H),1.17(s,6H),0.89(s,6H);Anal,Calcd.for C2628S,C:69.62%,H:6.29%,N:6.24%,Found C:69.33%,H:6.38%,N:6.31%.
例17:TZ193の合成
3−(5,6,7,8−テトラヒドロ−5,5,8,8−テトラメチル−2−ナフチルカルバモイル)ベンズアルデヒド(m−アミノ安息香酸メチルから化合物V−4と同様に合成)を出発原料として、例16の方法に従ってTZ193を合成した。
TZ193:Colorless plates(酢酸エチル/n−ヘキサン);mp188℃;H−NMR(400MHz,DMSO−d,30℃)7.64(s,1H),7.47(t,1H,J=7.7Hz),7.38(m,2H),7.24(d,1H,J=8.1Hz),7.16(dd,1H,J=8.4,1.8Hz),7.03(d,1H,J=1.8Hz),3.41(s,3H),1.52(s,4H),1.14(s,6H),0.91(s,6H);Anal.Calcd.for C2628S,C:69.62%,H:6.29%,N:6.24%,Found C:69.65%,H:6.16%,N:6.08%.
例18:TZ195の合成
チアゾリジンII−2(例4参照)および5,6,7,8−テトラヒドロ−N,5,5,8,8−ペンタメチル−2−ナフチルアミンとから例4の方法に従って合成した(80%)。
TZ195:Pale yellow plates(酢酸エチル/n−ヘキサン);mp233℃;H−NMR(400MHz,DMSO−d,30℃)7.69(s,1H),7.39(d,2H,J=8.1Hz),7.31(d,2H,J=8.1Hz),7.26(d,2H,J=8.8Hz),7.06(dd,1H,J=8.4,2.6Hz),6.83(br s,1H),3.37(s,3H),1.50(m,4H),1.16(s,6H),0.91(s,6H);Anal.Calcd.for C2628S,C:69.62%,H:6.29%,N:6.24%,Found C:69.38%,H:6.42%,N:6.02%.
例19:TZ197の合成
チアゾリジンIII−2(例5参照)および5,6,7,8−テトラヒドロ−N,5,5,8,8−ペンタメチル−2−ナフチルアミンから例5の方法に従って合成した(70%)。
TZ197:Pale yellow prisms(酢酸エチル/n−ヘキサン);mp237℃;H−NMR(400MHz,DMSO−d,30℃)7.59(s,1H),7.48(d,1H,J=7.0Hz),7.42(m,2H),7.24(d,1H,J=8.4Hz),7.19(s,1H),7.04(d,1H,J=8.4,2.2Hz),6.85(d,1H,J=2.2Hz),3.41(s,3H),1.51(s,4H),1.14(s,6H),0.91(s,6H);Anal.Calcd.for C2628S,C:69.62%,H:6.29%,N:6.24%,Found C:69.51%,H:6.37%,N:6.27%.
例20:TZ201の合成
Figure 0004398585
エステル体VII−1 110mg(0.24mmol)をTHF10mlに溶かし、−20℃にてDIBAL1.5ml(1Mトルエン溶液、1.5mmol)を徐々に加えた。3時間後、反応液を2N塩酸に注ぎ込み、酢酸エチルで抽出した。有機層を食塩水で洗い、NaSOで脱水、溶媒を濃縮した。残査をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:塩化メチレン=1:4)で精製して化合物VII−2を100mg(97%)得た。
H−NMR(400MHz,CDCl)7.81(d,2H,J=8.4Hz),7.40(d,2H,J=8.4Hz),7.31(d,1H,J=7.3Hz),7.13(dt,1H,J=1.8,7.3Hz),7.08(dt,1H,J=1.5,7.3Hz),6.97(dd,1H,J=1.5,7.7Hz),6.94(s,1H),6.92(s,1H),4.77(d,2H,J=4.4Hz),3.25(s,3H),1.64(m,4H),1.32(s,3H),1.26(s,3H),1.14(s,3H),1.05(s,3H).
化合物VII−2 100mg(0.24mmol)をメタノールフリー塩化メチレン10mlに溶かし、PCC60mg(0.28mmol)を加え、室温で1時間攪拌した。反応液を濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:塩化メチレン=1:50)で精製して、化合物VII−3を72mg(72%)得た。
H−NMR(400MHz,CDCl)10.10(s,1H),7.98(d,2H,J=8.0Hz),7.92(d,2H,J=8.8Hz),7.32(d,1H,J=7.7Hz),7.17(dt,1H,J=1.5,8.0Hz),7.10(dt,1H,J=1.5,7.7Hz),6.98(dd,1H,J=1.5,8.1Hz),6.93(s,1H),6.86(s,1H),3.26(s,3H),1.65(m,4H),1.32(s,3H),1.27(s,3H),1.12(s,3H),1.04(s,3H).
化合物VII−3 70mg(0.17mmol)、2,4−チアゾリジンジオン20mg(0.17mmol)を無水トルエン4mlに懸濁した。ピペリジン173μlと酢酸100μlを無水トルエン25mlに溶かし、その溶液2.5mlを加えて120℃にて2時間還流した。反応液を氷水に注ぎ込み、酢酸エチルで抽出した。有機層を2N塩酸、水で洗い、NaSOで脱水、溶媒を濃縮してTZ201を73mg(84%)得た。
TZ201:Red needles(酢酸エチル/メタノール);mp>300℃;H−NMR(400MHz,DMSO−d,30℃)12.62(s,1H),7.83(s,1H),7.82(d,2H,J=8.7Hz),7.69(d,2H,J=8.3Hz),7.16−7.22(m,2H),7.09(m,2H),7.06(s,1H),6.90(s,1H),3.21(s,3H),1.62(m,4H),1.30(s,3H),1.26(s,3H),1.13(s,3H),1.03(s,3H);Anal.Calcd.for C3231S・HO,C:71.23%,H:6.16%,N:7.79%;Found C:71.12%,H:6.02%,N:7.71%.
例21:TZ221の合成
Figure 0004398585
1,2,3,4−テトラヒドロ−1,1,4,4−テトラメチルナフタレン(VIII−1)1.00g(5.32mmol)およびテレフタル酸モノメチルエステルクロリド1.06g(5.32mmol)をメタノールフリー塩化メチレン20mlに溶かし、塩化アルミニウム1.42g(10.64mmol)を氷冷下加え、その後30分還流した。反応液を氷水にあけ、酢酸エチルで抽出した。有機層を水、食塩水で洗い、MgSOで脱水、濃縮後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:ヘキサン=1:20ついで1:10)で精製して、化合物VIII−2を1.30g(70%)得た。H−NMR(400MHz,CDCl)8.14(d,2H,J=8.4Hz),7.83(d,2H,J=8.4Hz),7.78(d,1H,J=1.8Hz),7.53(dd,1H,J=8.4,1.8Hz),7.40(d,1H,J=8.0Hz),3.97(s,3H),1.72(s,4H),1.32(s,6H),1.29(s,6H).
化合物VIII−2 1.20g(3.43mmol)をアルゴン置換下、THF15mlにとかして、−78℃にて攪拌しながらDIBAL 13.7ml(1Mトルエン溶液、13.7mmol)を徐々に滴下した。1時間後、反応液を1N塩酸に注ぎ込み、酢酸エチルで抽出した。有機層を食塩水で洗い、MgSOで脱水、濃縮後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:ヘキサン=1:3)で精製したところ、ケトンのみが還元された化合物(937.5mg)を得たので、再び、DIBALにより0℃、30分にて還元し、同様の後処理により化合物VIII−3を896mg(81%)得た。
H−NMR(400MHz,CDCl)7.40(d,2H,J=8.1Hz),7.34(m,3H),7.25(d,1H,J=8.0Hz),7.05(dd,1H,J=8.0,1.8Hz),5.80(s,1H),4.68(s,2H),2.15(br s,1H),1.67(s,4H),1.26(s,6H),1.25(s,6H).
アルミナ4.70gとPCC 2.65g(12.3mmol)をメタノールフリー塩化メチレン10mlにアルゴン置換下懸濁し、化合物VIII−3 810mg(2.50mmol)をメタノールフリー塩化メチレン10mlに溶解して徐々に加えた。1時間後、反応液を濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:n−ヘキサン=1:7)により精製して、化合物VIII−4を798mg(99.7%)得た。
H−NMR(400MHz,CDCl)10.14(s,1H),8.00(d,2H,J=8.4Hz),7.91(d,2H,J=8.1Hz),7.80(d,1H,J=1.8Hz),7.53(dd,1H,J=8.4,2.2Hz),7.41(d,1H,J=8.1Hz),1.73(s,4H),1.32(s,6H),1.30(s,6H).
化合物VIII−4 790mg(2.47mmol)、2,4−チアゾリジンジオン319mg(2.72mmol)を無水トルエン20mlに懸濁し、ピペリジン63mg(0.74mmol)と酢酸45mg(0.741mol)を無水トルエン8mlに溶解した溶液を加えて120℃にて3時間還流した。反応液を氷水に注ぎ込み、酢酸エチルで抽出した。有機層を食塩水で洗い、MgSOで脱水、濃縮した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:ヘキサン=1:2)で精製して、TZ221を328mg(32%)得た。
TZ221:Colorless powder(酢酸エチル/n−ヘキサン);mp204℃;H−NMR(400MHz,CDCl)8.46(s,1H),7.90(d,2H,J=8.4Hz),7.80(d,1H,J=1.8Hz),7.60(d,2H,J=8.1Hz),7.53(dd,1H,J=8.0,1.8Hz),7.41(d,1H,J=8.1Hz),1.73(s,4H),1.33(s,6H),1.31(s,6H);Anal.Calcd.for C2525NOS,C,71.57;H,6.01%;N,3.34%;Found,C,71.28%;H,5.92%;N,3.09%.
例22:TZ223の合成
1,2,3,4−テトラヒドロ−1,1,4,4−テトラメチルナフタレン(VIII−1)とイソフタル酸モノメチルエステルクロリドを出発原料として、例21の方法に従ってTZ223を合成した。
TZ223:Yellow prisms(酢酸エチル/n−ヘキサン);mp189℃;H−NMR(400MHz,CDCl)8.46(br s,1H),7.91(s,1H),7.90(s,1H),7.86(d,1H,J=7.7Hz),7.81(d,1H,J=1.8Hz),7.70(d,1H,J=7.7Hz),7.61(t,1H,J=7.7Hz),7.52(dd,1H,J=8.1,1.8Hz),7.42(d,1H,J=8.1Hz),1.73(s,4H),1.33(s,6H),1.31(s,6H);Anal.Calcd.for C2525NOS,C:71.57%,H:6.01%,N:3.34%;Found,C:71.64%,H:6.16%,N:3,19%.
例23:TZ225の合成
1,2,3,4−テトラヒドロ−1,1,4,4,6−ペンタメチルナフタレンとテレフタル酸モノメチルエステルクロリドを出発原料として、例21の方法に従ってTZ225を合成した。
TZ225:Yellow prisms(酢酸エチル/n−ヘキサン);mp245℃;H−NMR(400MHz,CDCl)8.67(s,1H),7.91(d,1H,J=8.4Hz),7.90(s,1H),7.58(d,1H,J=8.8Hz),7.26(s,1H),7.21(s,1H),2.33(s,3H),1.70(s,4H),1.32(s,6H),1.22(s,6H);Anal.Calcd.for C2627NOS,C:72.03%,H:6.28%,N:3.23%;Found,C:71.87%,H:6.35%,N:3.14%.
例24:TZ227の合成
1,2,3,4−テトラヒドロ−1,1,4,4,6−ペンタメチルナフタレンとイソフタル酸モノメチルエステルクロリドを出発原料として、例21の方法に従ってTZ227を合成した。
TZ227:Pale yellow prisms(酢酸エチル/n−ヘキサン);mp191℃;H−NMR(400MHz,CDCl)8.40(s,1H),7.87−7.92(m,2H),7.86(s,1H),7.69(d,1H,J=7.7Hz),7.59(t,1H,J=7.7Hz),7.25(s,1H),7.23(s,1H),2.32(s,3H),1.71(s,4H),1.33(s,6H),1.22(s,6H);Anal.Calcd.for C2627NOS,C:72.03%,H:6.28%,N:3.23%;Found,C:72.21%,H:6.37%,N:2.96%.
例25:TZ241の合成
Figure 0004398585
PhPCHI 4.04g(10.1mmol)を5mlのTHFに懸濁し、−78℃でn−ブチルリチウム8.36ml(13.4mmol)を加え15分攪拌した。化合物VIII−22.35g(6.71mmol)を12mlのTHFに溶かして加え1時間攪拌した。反応液に水を加え、塩化メチレンで抽出した。有機層をMgSOで脱水、濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:n−ヘキサン=1:12.5)で精製して、化合物IX−1を680mg(30%)得た。
H−NMR(400MHz,CDCl)8.00(d,2H,J=8.6Hz),7.43(d,2H,J=8.4Hz),7.26(d,1H,J=8.1Hz),7.22(d,1H,J=1.8Hz),7.07(dd,1H,J=8.3,2.2Hz),5.53(d,1H,J=1.1Hz),5.47(d,1H,J=1.1Hz),3.93(s,3H),1.69(s,4H),1.30(s,6H),1.23(s,6H).
化合物IX−1 675mg(2.01mmol)をTHF5mlに溶かし、−78℃にてDIBAL6.0ml(1Mトルエン溶液、6.0mmol)を徐々に加え、その後0℃で30分撹拌した。反応液を1N塩酸に注ぎ込み、酢酸エチルで抽出した。有機層を食塩水で洗い、MgSOで脱水、濃縮した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:n−ヘキサン=1:3)で精製して、化合物IX−2を619mg(定量的)得た。H−NMR(400MHz,CDCl)7.35(m,4H),7.27(d,1H,J=1.8Hz),7.25(d,1H,J=8.4Hz),7.08(dd,1H,J=8.4,2.2Hz),5.44(d,1H,J=1.5Hz),5.40(d,1H,J=1.1Hz),4.72(s,2H),1.69(s,4H),1.29(s,6H),1.24(s,6H).
化合物IX−2 620mg(2.01mmol)をメタノールフリー塩化メチレン10mlに溶かし、PCC866mg(4.02mmol)を加え、室温で1.5時間攪拌した。反応液を濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:n−ヘキサン=1:8)で精製して、化合物IX−3を428.5mg(70%)得た。
H−NMR(400MHz,CDCl)10.03(s,1H),7.85(d,2H,J=8.4Hz),7.53(d,2H,J=8.4Hz),7.27(d,1H,J=8.1Hz),7.23(d,1H,J=1.8Hz),7.06(dd,1H,J=8.1,1.8Hz),5.57(d,1H,J=1.1Hz),5.51(d,1H,J=0.7Hz),1.70(s,4H),1.30(s,6H),1.24(s,6H).
化合物XII−4 420mg(1.37mmol)、2,4−チアゾリジンジオン162mg(1.38mmol)を取って無水トルエン8mlに懸濁し、ピペリジン32mg(0.38mmol)と酢酸23mg(0.38mmol)を無水トルエン4mlに溶解した溶液を加えて120℃にて2時間還流した。反応液を氷水に注ぎ込み、酢酸エチルで抽出した。有機層を食塩水で洗い、MgSOで脱水、濃縮した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:n−ヘキサン=1:4)で精製して、TZ241を449.2mg(81%)得た。
TZ241:Pale yellow needles(酢酸エチル/n−ヘキサン);mp198℃;H−NMR(400MHz,CDCl)8.42(s,1H),7.88(s,1H),7.48(m,4H),7.27(d,1H,J=8.4Hz),7.24(d,1H,J=1.8Hz),7.06(dd,1H,J=8.4,1.8Hz),5.52(s,1H),5.51(s,1H),1.70(s,4H),1.30(s,6H),1.25(s,6H);Anal.Calcd.for C2627NOS,C:74.79%,H:6.52%,N:3.35%;Found C:74.59%,H:6.51%,N:3.32%.
例26:TZ243の合成
m−(5,6,7,8−テトラヒドロ−5,5,8,8−テトラメチル−2−ナフトイル)安息香酸メチルを出発原料として例25の方法に従ってTZ243を合成した。
TZ243:Colorless powder(酢酸エチル/n−ヘキサン);mp168℃;H−NMR(400MHz,CDCl)8.30(br s,1H),7.85(s,1H),7.46(m,4H),7.28(d,1H,J=8.1Hz),7.25(d,1H,J=2.2Hz),7.05(dd,1H,J=8.1Hz,2.2Hz),5.51(d,1H,J=0.7Hz),5.46(d,1H,J=1.1Hz),1.70(s,4H),1.33(s,6H),1.25(s,6H);Anal.Calcd.for C2627NOS・1/4HO,C:74.00%,H:6.57%,N:3.32%;Found C:74.00%,H:6.60%,N:3.36%.
例27:TZ245の合成
PhPCHI 1.09g(2.70mmol)を5mlのTHFに懸濁し、−78℃でn−ブチルリチウム2.22ml(3.56mmol)を加え15分攪拌した。TZ225(例23参照)800mg(1.78mmol)を6mlのTHFに溶かして加え、1時間攪拌した。反応液に水を加え、塩化メチレンで抽出した。有機層をMgSOで脱水、濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:n−ヘキサン=1:3)で精製して、TZ245を52mg(6.5%)得た。
TZ245:Pale yellow powder(酢酸エチル/n−ヘキサン);mp281℃;H−NMR(400MHz,CDCl)8.29(s,1H),7.84(s,1H),7.42(m,4H),7.12(s,1H),7.09(s,1H),5.83(d,1H,J=1.1Hz),5.32(d,1H,J=1,1Hz),1.96(s,3H),1.70(s,4H),1.31(s,6H),1.28(s,6H);Anal.Calcd.for C2729NOS,C:75.14%,H:6.77%,N:3.25%;Found C:74.86%,H:6.81%,N:3.33%.
例28:TZ247の合成
m−(5,6,7,8−テトラヒドロ−3,5,5,8,8−ペンタメチル−2−ナフトイル)安息香酸メチルを出発原料として例25の方法に従ってTZ247を合成した。
TZ247:Pale yellow powder(酢酸エチル/n−ヘキサン);mp185℃;H−NMR(400MHz,CDCl)8.19(br s,1H),7.79(s,1H),7.49(d,1H,J=7.7Hz),7.43(t,1H,J=7.7Hz),7.37(d,1H,J=7.7Hz),7.25(s,1H),7.13(s,1H),7.12(s,1H),5.80(d,1H,J=1.1Hz),5.31(d,1H,J=1.1Hz),1.96(s,3H),1.72(s,4H),1.32(s,6H),1.29(s,6H);Anal.Calcd.for C2729NOS,C:75.14%,H:6.77%,N:3.25%;Found C:74.85%,H:6.72%,N:2.98%.
例29:TZ315の合成
Figure 0004398585
3,5−ジ−tert−ブチルアニリン(X−1)1.00g(4.88mmol)、4−ヨード安息香酸エチル1.37g(4.95mmol)、tert−BuONa549mg(5.68mmol)を無水トルエン15mlに溶かし、アルゴン置換下、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(O)91mg、(R)−BINAP139mg(0.22mmol)を入れ、100℃で1時間攪拌した。室温まで冷やした後、エーテルで抽出した。有機層を食塩水で洗い、MgSOで脱水、濃縮後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:n−ヘキサン=1:6)で精製して、化合物X−2を0.94g(55%)得た。
H−NMR(400MHz,CDCl)7.92(d,2H,J=8.8Hz),7.14(t,1H,J=1.8Hz),7.02(d,2H,J=1.8Hz),6.96(d,2H,J=8.8Hz),4.33(q,2H,J=7.3Hz),1.37(t,3H,J=7.3Hz),1.32(s,18H).
化合物X−2 935mg(2.65mmol)を無水ベンゼン10mlに溶かし、アセチルクロライド249mg(3.18mmol)、無水ピリジン0.5mlを加え、室温で5時間攪拌した。反応液に氷水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を、希塩酸、食塩水で洗い、MgSOで脱水、濃縮後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:n−ヘキサン=1:4)で精製して、化合物X−3を956mg(92%)得た。
H−NMR(400MHz,CDCl)7.99(d,2H,J=8.4Hz),7.39(s,1H),7.34(d,2H,J=8.8Hz),7.05(d,2H,J=1.8Hz),4.35(q,2H,J=7.3Hz),2.04(s,3H),1.37(t,1H,J=7.0Hz),1.30(s,18H).
化合物X−3 950mg(2.40mmol)をアルゴン置換下、THF8mlにとかし、−78℃にて攪拌しながらDIBAL7.2ml(1Mトルエン溶液、7.20mmol)を徐々に滴下した。15分後、反応液を2N塩酸に注ぎ込み、酢酸エチルで抽出した。有機層を食塩水で洗い、MgSOで脱水、濃縮した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:n−ヘキサン=1:2)で精製して、化合物X−4を412mg(55%)得た。
H−NMR(400MHz,CDCl)7.27(m,3H),7.04(m,3H),6.96(d,2H,J=1.5Hz),4.61(s,2H),1.31(s,18H).
化合物X−4 400mg(1.29mmol)をメタノールフリー塩化メチレン8mlに溶かし、活性MnO1.32g(85%、12.9mmol)を加え、室温で12時間攪拌した。反応液を濾過した後、濾液を濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:n−ヘキサン=1:8ついで1:4)で精製して、化合物X−5を184mg(46%)得た。
H−NMR(400MHz,CDCl)9.78(s,1H),7.74(d,2H,J=8.8Hz),7.20(t,1H,J=1.8Hz),7.05(d,1H,J=1.8Hz),6.99(d,2H,J=8.4Hz),6.17(s,1H),1.33(s,18H).
NaH34mg(60%,0.87mmol)をn−ヘキサンで洗い、DMF1mlに懸濁した。、化合物X−5 180mg(0.58mmol)をDMF5mlに溶かして加え、室温で15分攪拌した。この混合物にCHI 0.14ml(2.25mmol)を加え更に1時間攪拌した。DMFを留去し、残査に水を加え、塩化メチレンで抽出した。有機層を食塩水で洗い、MgSOで脱水、濃縮後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:n−ヘキサン=1:6)で精製して、化合物X−6を173mg(92%)得た。
H−NMR(400MHz,CDCl)9.75(s,1H),7.68(d,2H,J=8.8Hz),7.33(t,1H,J=1.8Hz),7.05(d,2H,J=1.8Hz),6.74(d,2H,J=8.8Hz),3.40(s,3H),1.33(s,18H).
化合物X−6 170mg(0.53mmol)および2,4−チアゾリジンジオン62mg(0.53mmol)を無水トルエン4mlに懸濁し、ピペリジン13.4mg(0.16mmol)と酢酸9.5mg(0.16mmol)を無水トルエン1.6mlに溶解した溶液を加えて120℃にて1.5時間還流した。反応液を氷水に注ぎ込み、酢酸エチルで抽出した。有機層を食塩水で洗い、MgSOで脱水、濃縮後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:n−ヘキサン=1:3)で精製して、TZ315を197mg(89%)得た。TZ315:Yellow needles(酢酸エチル/n−ヘキサン);mp254℃;H−NMR(400MHz,CDCl)8.11(br s,1H),7.77(s,1H),7.34(m,3H),7.04(d,1H,J=1.8Hz),6.77(d,2H,J=8.8Hz),3.39(s,3H),1.33(s,18H);Anal.Calcd.for C2530S,C:71.06%,H:7.16%,N:6.63%;Found C:70.96%,H:7.17%,N:6.81%.
例30:TZ317の合成
Figure 0004398585
3−ヨード安息香酸メチル1.37g(5.23mmol)、3,5−ジ−tert−ブチルアニリン(X−1)1.00g(4.88mmol)、tert−BuONa549mg(5.68mmol)を無水トルエン15mlに溶かし、アルゴン置換下、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(O)91mg、(R)−BINAP139mg(0.22mmol)を入れ、80℃で1時間攪拌した。室温まで冷やした後、エーテルで抽出した。有機層を食塩水で洗い、MgSOで脱水、濃縮後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:n−ヘキサン=1:8)で精製して、化合物XI−1(粗生成物)を514mg(31%)得た。
H−NMR(400MHz,CDCl)7.87(d,1H,J=7.7Hz),7.75(m,1H),7.53(m,1H),7.29(t,1H,J=7.7Hz),7.07(t,1H,J=1.5Hz),6.98(d,2H,J=1.5Hz),3.88(s,3H),1.32(s,18H).
NaH88mg(60%、2.21mmol)をn−ヘキサンで洗い、DMF1mlに懸濁した。化合物XI−1(粗生成物)500mg(1.47mmol)をDMF8mlに溶かして加え、室温で15分攪拌した。ヨウ化メチル0.35ml(5.62mmol)を加えて3時間攪拌した。DMFを留去し、残渣に水を加えて塩化メチレンで抽出した。有機層を食塩水で洗う。MgSOで脱水、溶媒留去した後、残査をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:n−ヘキサン=1:10)で精製して、化合物XI−2を180mg(34.5%)得た。
H−NMR(400MHz,CDCl)7.60(m,1H),7.47(d,1H,J=7.7Hz),7.23(t,1H,J=8.0Hz),7.17(t,1H,J=1.8Hz),7.04(m,1H),6.99(d,2H,J=1.8Hz),3.92(s,3H),3.88(s,3H),1.30(s,18H).
化合物XI−2 170mg(0.48mmol)をアルゴン置換下、THF4mlにとかし、−78℃にて攪拌しながらDIBAL1.44ml(1Mトルエン溶液、1.44mmol)を徐々に滴下した。30分後、2N塩酸に注ぎ込み、酢酸エチルで抽出した。有機層を食塩水で洗い、MgSOで脱水、溶媒を濃縮した。残査をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:n−ヘキサン=1:3)で精製して、化合物XI−3を130mg(83%)得た。
H−NMR(400MHz,CDCl)7.20(t,1H,J=1.8Hz),7.14(t,1H,J=1.8Hz),6.98(d,2H,J=1.8Hz),6.92(s,1H),6.81(d,2H,J=8.1Hz),4.62(d,2H,J=5.9Hz),3.34(s,3H),1.30(s,18H).
化合物XI−3 125mg(0.38mmol)をメタノールフリー塩化メチレン4mlに溶かし、活性MnO394mg(85%、3.85mmol)を加え、室温で6.5時間攪拌した。反応液を濾過し、濾液を濃縮した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:n−ヘキサン=1:6)で精製して、化合物XI−4を43.5mg(35%)得た(XI−3を51mg回収)。
H−NMR(400MHz,CDCl)9.92(s,1H),7.35(m,1H),7.32(t,1H,J=7.7Hz),7.27(m,1H),7.23(t,1H,J=1.8Hz),7.07(m,1H),7.02(d,1H,J=1.8Hz),3.37(s,3H),1.31(s,18H). 化合物XI−465mg(0.20mmol)、2,4−チアゾリジンジオン23mg(0.20mmol)を無水トルエン3mlに懸濁した。ピペリジン5.1mg(0.060mmol)、酢酸3.6mg(0.060mol)を無水トルエン0.6mlに溶解した溶液を加え120℃で3.5時間還流した。反応液を氷水に注ぎ込み、酢酸エチルで抽出した。有機層を食塩水で洗い、MgSOで脱水、溶媒を濃縮した。残査をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:n−ヘキサン=1:2)で精製して、TZ317を88mg(定量的)得た。
TZ317:Yellow needles(酢酸エチル/n−ヘキサン);mp234℃;H−NMR(400MHz,CDCl)8.41(br s,1H),7.77(s,1H),7.22−7.57(d,2H),7.01(d,2H,J=1.5Hz),6.89(dd,2H,J=8.1,2.2Hz),6.83(t,1H,J=1.6Hz),3.35(s,3H),1.32(s,18H);Anal.Calcd.for C2530S,C:71.06%,H:7.16%,N:6.63%;Found C:70.88%,H:7.09%,N:6.36%.
例31:TZ321の合成
Figure 0004398585
2−アミノ−5,6,7,8−テトラヒドロ−5,5,8,8−テトラメチルナフタレン(XII−1)1.50g(7.39mmol)、4−ヨード安息香酸エチル1.70g(6.16mmol)、tert−BuONa0.83g(8.62mmol)を無水トルエン30mlに溶かし、アルゴン置換下、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(O)138mg(0.15mmol)及び(R)−BINAP210mg(0.33mmol)をこの混合物に加えて80℃で攪拌した。1時間後、反応液を室温まで冷やし、エーテルで抽出し、有機層を食塩水で洗浄した。MgSOで脱水、濃縮した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:n−ヘキサン=1:8)で精製して、化合物XII−2を1.38g(64%)得た。
H−NMR(400MHz,CDCl)7.90(d,2H,J=8.8Hz),7.26(d,2H,J=8.4Hz),7.10(d,1H,J=2.5Hz),6.96(dd,1H,J=8.4,2.6Hz),6.93(d,2H,J=8.8Hz),4.33(q,2H,J=7.0Hz),1.69(s,4H),1.37(t,3H,J=7.0Hz),1.28(s,6H),1.27(s,6H).
化合物XII−2 1.95g(5.56mmol)を無水ピリジン10mlに溶かし、アセチルクロライド523mg(6.67mmol)を加え、室温で3時間攪拌した。氷水を加え、酢酸エチルで抽出し、有機層を希塩酸、食塩水で洗浄した。MgSOで脱水、濃縮した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:n−ヘキサン=1:3)で精製して化合物XII−3を1.34g(61.5%)得た。
H−NMR(400MHz,CDCl)8.00(d,2H,J=8.4Hz),7.32(d,2H,J=8.8Hz),7.31(d,1H,J=8.8Hz),7.14(d,1H,J=2.2Hz),6.95(dd,1H,J=8.4,2.2Hz),4.35(q,2H,J=6.9Hz),2.05(s,3H),1.69(s,4H),1.37(t,3H,J=6.9Hz),1.28(s,6H),1.24(s,6H).
化合物XII−31.34g(3.41mmol)をTHF6mlに溶かし、−78℃にてDIBAL10.2ml(1.0Mトルエン溶液、10.2mmol)を徐々に加えた。1時間後、1N塩酸に注ぎ込み、酢酸エチルで抽出した。有機層をMgSOで脱水、濃縮後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:n−ヘキサン=1:2)で精製して、化合物XII−4を621mg(59%)得た。
H−NMR(400MHz,CDCl)7.24(d,2H,J=8.4Hz),7.03(d,1H,J=2.2Hz),7.00(d,2H,J=8.4Hz),6.89(dd,JH,J=8.4,2.2Hz),4.60(s,2H),1.68(s,4H),1.27(s,6H),1.26(s,6H).
化合物XIII−4 615mg(2.0mmol)をメタノールフリー塩化メチレン8mlに溶かし、活性MnO2.05g(85%、20.0mmol)を加え、室温で16時間攪拌した。反応液を濾過した後、濾液を濃縮、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:n−ヘキサン=1:4)で精製して化合物XII−5を271mg(44%)得た。
H−NMR(400MHz,CDCl)9.78(s,1H),7.73(d,2H,J=8.8Hz),7.29(d,1H,J=8.4Hz),7.11(d,1H,J=2.2Hz),6.99(m,3H),1.70(s,4H),1.29(s,6H),1.28(s,6H).
化合物XII−5 150mg(0.49mmol)および2,4−チアゾリジンジオン63mg(0.54mmol)を無水トルエン6mlに懸濁し、ピペリジン12.7mg(0.15mmol)と酢酸8.9mg(0.15mmol)を無水トルエン1.5mlに溶解した溶液を加えて120℃にて30分還流した。反応液を氷水に注ぎ込み、酢酸エチルで抽出した。有機層を食塩水で洗い、MgSOで脱水、濃縮してTZ321を178mg(90%)得た。
TZ321:Orange needles(酢酸エチル/n−ヘキサン);mp297℃;H−NMR(400MHz,DMSO−d,30℃)8.69(s,1H),7.65(s,1H),7.42(d,2H,J=8.8Hz),7.26(d,1H,J=8.8Hz),7.07(d,1H,J=2.6Hz),7.06(d,2H,J=8.4Hz),6.98(dd,1H,J=8.4,2.6Hz),1.64(s,4H),1.24(s,6H),1.24(s,6H),Anal.Calcd.for C2426S,C:70.91%,H:6.45%,N:6.89%;Found,C:71.06%,H:6.42%,N:6.88%.
例32:TZ325の合成
NaH20mg(60%、0.49mmol)を少量のn−ヘキサンで洗い、DMF1mlに懸濁した。この懸濁液に化合物XII−5 100mg(0.33mmol)を4mlのDMFに溶かして加え、室温で20分攪拌した。この混合物にCHI0.08ml(1.28mmol)を加え、30分攪拌した。DMFを減圧留去し、残渣に水を加えて塩化メチレンで抽出した。有機層を食塩水で洗い、MgSOで脱水、濃縮後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:n−ヘキサン=1:5)で精製して、化合物XII−6を80mg(76.59%)得た。
H−NMR(400MHz,CDCl)9.75(s,1H),7.68(d,2H,J=9.2Hz),7.34(d,1H,J=8.4Hz),7.14(d,1H,J=2.2Hz),6.96(dd,1H,J=8.4,2.2Hz),6.76(d,2H,J=9.2Hz),3.37(s,3H),1.71(s,4H),1.31(s,6H),1.26(s,6H).
化合物XII−6 75mg(0.23mmol)、2,4−チアゾリジンジオン30mg(0.26mmol)を無水トルエン4mlに懸濁し、ピペリジン6.0mg(0.07mmol)と酢酸12mg(0.07mmol)を無水トルエン0.75mlに溶解した溶液を加えて120℃にて還流した。30分後、反応液を氷水に注ぎ込み、酢酸エチルで抽出した。有機層を食塩水で洗い、MgSOで脱水、濃縮後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:n−ヘキサン=1:2)で精製して、TZ325を105mg(定量的)得た。
TZ325:Yellow powder(酢酸エチル/n−ヘキサン);mp238℃;H−NMR(400MHz,CDCl)8.29(s,1H),7.77(s,1H),7.33(d,2H,J=8.2Hz),7,33(d,1H,J=8.4Hz),7.13(d,1H,J=2.6Hz),6.95(dd,1H,J=8.4,2.6Hz),6.79(d,2H,J=8.8Hz),3.36(s,3H),1.71(s,4H),1.31(s,6H),1.26(s,6H),Anal.Calcd.for C2528S,C:71.40%,H:6.71%,N:6.66%;Found,C:71.51%,H:6.70%,N:6.60%.
例33:TZ327の合成
Figure 0004398585
3−ヨード安息香酸メチル1.24g(4.73mmol)、5,6,7,8−テトラヒドロ−5,5,8,8−テトラメチル−2−ナフチルアミン1.03g(5.07mmol)、tert−BuONa571mg(5.92mmol)を無水トルエン30mlに溶かし、アルゴン置換下、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(O)117mg(0.13mmol)、(R)−BINAP177mg(0.28mmol)を入れ、80℃で1時間攪拌した。反応液を室温まで冷やし、エーテルで抽出した。有機層を食塩水で洗い、MgSOで脱水、濃縮後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:n−ヘキサン=1:8)で精製して、化合物XIII−1を877mg(55%)得た。H−NMR(400MHz,CDCl)7.70(t,1H,2.0Hz),7.50(d,1H,J=7.7Hz),7.28(t,1H,J=7.9Hz),7.23(d,1H,J=8.4Hz),7.17(dd,1H,J=8.1,1.5Hz),7.06(d,1H,J=2.2Hz),6.90(dd,1H,J=8.4,2.2Hz),3.89(s,3H),1.69(s,4H),1.28(s,6H),1.27(s,6H).
NaH72mg(60%、1.78mmol)をn−ヘキサンで洗い乾燥、DMF1mlに懸濁し、化合物XIII−1 400mg(1.19mmol)をDMF10mlに溶かして加え、室温で攪拌した。20分後、ヨウ化メチル0.28ml(4.50mmol)を加え、40分攪拌した。DMFを留去し、水を加え塩化メチレンで抽出した。有機層を食塩水で洗い、溶媒留去後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:n−ヘキサン=1:8)で精製して、化合物XIII−2を371.5mg(94.5%)得た。
H−NMR(400MHz,CDCl)7.60(t,1H,2.0Hz),7.47(d,1H,7.7Hz),7.25(d,1H,8.4Hz),7.22(d,1H,7.7Hz),7.08(d,1H,2.6Hz),7.05(dd,1H,8.4,2.7Hz),6.88(dd,1H,8.4Hz,2.6Hz),3.88(s,3H),3.33(s,3H),1.68(s,4H),1.29(s,6H),1.24(s,6H).
化合物XIII−2 570mg(1.62mmol)をアルゴン置換下でTHF7mlに溶解し、この溶液を−78℃にて攪拌しながらDIBAL4.87ml(1Mトルエン溶液、4.87mmol)を徐々に滴下した。30分後、反応液を2N塩酸に注ぎ込み、酢酸エチルで抽出した。有機層を2N塩酸、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、食塩水で洗い、MgSOで脱水、濃縮した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:n−ヘキサン=1:4ついで1:3)で精製して、化合物XIII−3を500mg(91%)得た。
H−NMR(400MHz,CDCl)7.23(d,1H,8.3Hz),7.19(d,1H,8.1Hz),7.06(d,1H,2.6Hz),6.94(br,1H),6.88(dd,1H,8.4,2.2Hz),6.84(m,2H),4.62(s,2H),3.31(s,3H),1.68(s,4H),1.29(s,6H),1.24(s,6H).
化合物XIII−3 100mg(0.30mmol)をメタノールフリー塩化メチレン4mlに溶かし、活性MnO303mg(85%、2.97mmol)を加え、室温で24時間攪拌した。反応液を濾過し、濾液を濃縮した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:n−ヘキサン=1:9)で精製して、化合物XIII−4を71.6mg(72%)得た。
H−NMR(400MHz,CDCl)9.92(s,1H),7.27−7.38(m,4H),7.10(d,1H,2.6Hz),7.06−7.09(m,1H),6.92(dd,1H,8.4,2.2Hz),3.34(s,3H),1.69(s,4H),1.30(s,6H),1.24(s,6H).
化合物XIII−4 220mg(0.66mmol)、2,4−チアゾリジンジオン84mg(0.72mmol)を無水トルエン6mlに懸濁し、ピペリジン17mg(0.20mmol)と酢酸12mg(0.20mmol)を無水トルエン2mlに溶解した溶液を加えて120℃にて1時間還流した。反応液を氷水に注ぎ込み、酢酸エチルで抽出した。有機層を食塩水で洗い、MgSOで脱水、濃縮後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:n−ヘキサン=1:3)で精製して、TZ327を312mg(定量的)得た。
TZ327:Orange prisms(酢酸エチル/n−ヘキサン);mp196℃;H−NMR(400MHz,CDCl)8.39(s,3H)7.76(s,3H)7.31(d,1H,8.4Hz)7.27(d,1H,8.4Hz)7.10(d,1H,2.2Hz)6.92(dd,1H,8.4Hz,2.2Hz)6.89(d,2H,7.0Hz)6.83(t,1H,2.0Hz)3.32(s,3H)1.71(s,4H)1.31(s,6H)1.26(s,6H);Anal.Calcd.for C2528S,C:71.40%,H:6.71%,N:6.66%;Found,C:71.15%,H:6.61%,N:6.44%.
例34:TZ331の合成
Figure 0004398585
1,2,3,4−テトラヒドロ−1,1,4,4,6−ペンタメチルナフタレン2.69g(13.3mmol)を無水酢酸20mlに溶かして0℃に冷却した。この溶液に61%硝酸0.74ml(16.0mmol)を徐々に加えた。2時間後、反応液を氷水にあけ、水酸化ナトリウムで中和した後、エーテルで抽出した。有機層を食塩水で振り、MgSOで脱水後、濃縮して、化合物XIV−2を3.03g(92%)得た。
H−NMR(400MHz,CDCl)7.96(s,1H),7.21(s,1H),2.56(s,3H),1.70(s,4H),1.30(s,6H),1.29(s,6H).
化合物XIV−23.02g(12.2mmol)を酢酸エチル20ml、エタノール30mlに溶かし、Pd/C400mgを加えて室温で接触水素還元。6.5時間後、触媒を濾過して除き、濾液を濃縮した。残査をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:n−ヘキサン=1:4)で精製して、化合物XIV−3を1.48g(56%)得た。
H−NMR(400MHz,CDCl)6.97(s,1H),6.61(s,1H),3.45(br s,2H),2.14(s,3H),1.64(s,4H),1.24(s,6H),1.24(s,6H).
4−ヨード安息香酸メチル3.82g(13.8mmol)、化合物XIV−33.00g(13.8mmol)およびtert−BuONa1.55g(16.1mmol)を無水トルエン30mlに溶かし、アルゴン置換下、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(O)320mg(0.35mmol)、(R)−BINAP480mg(0.77mmol)を加えて100℃で3時間攪拌した。反応液を室温まで冷やし、エーテルで抽出した。有機層を食塩水で洗い、MgSOで脱水、濃縮した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:n−ヘキサン=1:10)で精製して、化合物XIV−4を2.04g(40%)得た。
H−NMR(400MHz,CDCl)7.89(d,J=8.8Hz,2H),7.21(s,1H),7.18(s,1H),6.76(d,J=8.8Hz,2H),4.32(q,J=7.0Hz,2H),2.19(s,3H),1.68(s,4H),1.37(t,J=7.0Hz,3H),1.29(s,6H)1.24(s,6H).
化合物XIV−4 2.03g(5.56mmol)を無水ベンゼン30mlに溶かし、アセチルクロライド524mg(6.67mmol)、無水ピリジン1mlを加え、室温で2時間攪拌した。反応液にアセチルクロライド0.20mlを追加し、50℃で4時間、更に60℃で23時間撹拌した。反応液に氷水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を2N塩酸および食塩水で洗い、MgSOで脱水、濃縮した。残査をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:n−ヘキサン=1:4)で精製して、化合物XIV−5を1.66g(62%)得た。
H−NMR(400MHz,CDCl)7.97(d,J=8.8Hz,2H),7.33(d,J=8.8Hz,2H),7.17(s,1H),7.13(s,1H),4.34(q,J=7.0Hz,2H),2.06(s,3H),1.97(s,3H),1.69(s,4H),1.36(t,J=7.0Hz,3H),1.29(s,6H),1.26(s,6H).
化合物XIV−51.62g(3.98mmol)をアルゴン置換下でTHF10mlに溶解し、この溶液を−78℃にて攪拌しながらDIBAL11.9ml(1Mトルエン溶液、11.9mmol)をゆっくり滴下した。30分後、反応液を2N塩酸に注ぎ込み、酢酸エチルで抽出した。有機層を食塩水で洗い、MgSOで脱水、濃縮後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:n−ヘキサン=1:2)で精製して、化合物XIV−6を0.99g(77%)得た。
H−NMR(400MHz,CDCl)7.23(d,J=8.4Hz,2H),7.19(s,1H),7.12(s,1H),6.87(d,J=8.4Hz,2H),5.33(s,1H),4.60(d,J=5.5Hz,2H),2.20(s,3H),1.67(s,4H),1.51(t,J=5.6Hz,1H),1.28(s,6H)1.22(s,6H).
化合物XIV−6 985mg(3.05mmol)をメタノールフリー塩化メチレン14mlに溶かし、活性MnO3.11g(85%、30.5mmol)を加え、室温で22時間攪拌した。反応液を濾過し、濾液を濃縮した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:n−ヘキサン=1:4)で精製して、化合物XIV−6を297mg(30%、原料回収282mg)得た。
H−NMR(400MHz,CDCl)9.76(s,1H),7.71(d,J=8.8Hz,2H),7.20(s,1H),7.18(s,1H),6.78(d,J=8.4Hz,2H),5.80(s,1H),2.05(s,3H),1.69(s,4H),1.30(s,6H),1.25(s,6H).
化合物XIV−6 70mg(0.22mmol)、2,4−チアゾリジンジオン25.5mg(0.22mmol)を無水トルエン4mlに懸濁し、ピペリジン5.6mg(0.065mmol)と酢酸3.9mg(0.065mmol)を無水トルエン0.67mlに溶解した溶液を加えて120℃にて7時間還流した。反応液を氷水に注ぎ込み、酢酸エチルで抽出した。有機層を、食塩水で洗い、MgSOで脱水、濃縮後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:n−ヘキサン=1:2)で精製して、TZ331を72.5mg(79%)得た。
TZ331:Yellow needles(塩化メチレン/n−ヘキサン);mp284℃;1H−NMR(400MHz,CDCl )8.31(br s,1H),7.77(s,1H),7.36(d,J=8.8Hz,2H),7.19(s,1H),7.17(s,1H),6.81(d,J=8.8Hz,2H),5.74(s,1H),2.19(s,3H),1.69(s,4H),1.29(s,6H),1.25(s,6H);Anal.Calcd.for C2528S,C:71.40%,H:6.71%,N:6.66%.
例35:TZ333の合成
Figure 0004398585
3−ヨード安息香酸メチル1.77g(6.77mmol)、化合物XIV−3 1.47g(6.77mmol)およびtert−BuONa763mg(7.91mmol)を無水トルエン15mlに溶かし、アルゴン置換下、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(O)122mg(0.14mmol)、(R)−BINAP187mg(0.30mmol)を加えて100℃で2.5時間攪拌した。反応液を室温まで冷やし、エーテルで抽出した。有機層を食塩水で洗い、MgSOで脱水、濃縮後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:n−ヘキサン=1:8)で精製して、化合物XV−1を1.45g(61%)得た。
H−NMR(400MHz,CDCl)7.59(t,J=2.0Hz,1H),7.48(td,J=7.7,1.2Hz,1H),7.27(t,J=7.8Hz,1H),7.20(s,1H),7.14(s,1H),7.04(m,1H),5.42(br s,1H),3.88(s,3H),2.19(s,3H),1.68(s,4H),1.29(s,6H),1.24(s,6H).
化合物XV−1 1.44g(4.10mmol)を無水ベンゼン16mlに溶かし、アセチルクロライド386mg(4.92mmol)、無水ピリジン1mlを加え、室温で2時間攪拌した。反応液にアセチルクロライド0.20mlを追加し、50℃で4時間、更に70℃で6時間撹拌した。反応液に氷水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を2N塩酸および食塩水で洗い、MgSOで脱水、濃縮した。残査をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:n−ヘキサン=1:2)で精製して、化合物XV−2を1.37g(85%)得た。
H−NMR(400MHz,CDCl)8.00(s,1H),7.82(br d,1H),7.45(td,J=8.0,2.2Hz,1H),7.37(bt,J=8.3Hz,1H),7.19(br s,1H),7.15(s,1H),3.88(s,3H),2.10(s,3H),1.96(s,3H),1.69(s,4H),1.27(s,12H).
化合物XV−2 1.37g(3.49mmol)をアルゴン置換下、THF8mlにとかし、−78℃にて攪拌しながらDIBAL10.5ml(1Mトルエン溶液、10.5mmol)をゆっくり滴下した。30分後、反応液を2N塩酸に注ぎ込み、酢酸エチルで抽出した。有機層を2N塩酸および食塩水で洗い、MgSOで脱水、濃縮後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:n−ヘキサン=1:3)で精製して、化合物XV−3を0.91g(81%)得た。
H−NMR(400MHz,CDCl)7.21(t,J=7.7Hz,1H),7.20(s,1H),7.12(s,1H),6.92(s,1H),6.82(m,2H),5.35(br s,1H),4.62(d,J=5.8Hz,2H),2.19(s,3H),1.68(s,4H),1.59(t,J=5.8Hz,1H),1.28(s,6H),1.23(s,6H).
化合物XV−3 900mg(2.79mmol)をメタノールフリー塩化メチレン12mlに溶かし、活性MnO2.86g(85%、27.9mmol)を加え、室温で15時間攪拌した。反応液を濾過し、濾液を濃縮した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:n−ヘキサン=1:8)で精製して、化合物XV−4を119mg(13%)得た。
H−NMR(400MHz,CDCl)9.92(s,1H),7.37(t,J=7.7Hz,1H),7.31(m,2H),7.18(s,1H),7.15(s,1H),7.09(m,1H),5.48(br s,1H),2.19(s,3H),1.68(s,4H),1.29(s,6H),1.24(s,6H).
化合物XV−4 115mg(0.36mmol)、2,4−チアゾリジンジオン84mg(0.72mmol)を無水トルエン8mlに懸濁し、ピペリジン9.2mg(0.11mmol)と酢酸6.4mg(0.11mmol)を無水トルエン1.1mlに溶解した溶液を加えて120℃にて7時間還流した。反応液を氷水に注ぎ込み、酢酸エチルで抽出した。有機層を食塩水で洗い、MgSOで脱水、濃縮後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:n−ヘキサン=1:2)で精製して、TZ333を138mg(92%)得た。
TZ333:Yellow needles(酢酸エチル/n−ヘキサン);mp223℃;H−NMR(400MHz,CDCl)8.29(br s,1H),7.75(s,1H),7.30(t,J=8.1Hz,1H),7.17(s,1H),7.15(s,1H),6.93(m,2H),6.81(m,1H),5.43(s,1H),2.19(s,3H),1.69(s,4H),1.30(s,6H).1.24(s,6H);Anal.Calcd.for C2528S,C:71.40%,H:6.71%,N:6.66%;Found,C:71.20%,H:6.76%,N:6.65%.
例36:TZ335の合成
NaH40mg(60%、1.01mmol)を少量のn−ヘキサンで洗い、DMF1mlに懸濁した。この懸濁液にXIV−7 216mg(0.67mmol)を6mlのDMFに溶かして加え、室温で20分攪拌した。反応液にCHI0.08ml(1.35mmol)を加え、30分攪拌した。DMFを減圧留去し、水を加えて塩化メチレンで抽出した。有機層を食塩水で洗い、MgSOで脱水、濃縮後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:n−ヘキサン=1:4)で精製して、XIV−8を140mg(62%)得た。
H−NMR(400MHz,CDCl)9.73(s,1H),7.67(d,J=8.1Hz,2H),7.20(s,1H),7.03(s,1H),6.54(br s,2H),3.30(s,3H),2.04(s,3H),1.69(s,4H),1.31(s,6H),1.23(s,6H).
XIV−8 130mg(0.39mmol).2,4−チアゾリジンジオン45mg(0.39mmol)を無水トルエン6mlに懸濁し、ピペリジン9.9mg(0.12mmol)と酢酸7mg(0.12mmol)を無水トルエン1.2mlに溶解した溶液を加えて120℃にて還流した。6時間後、反応液を氷水に注ぎ込み、塩化メチレンで抽出した。有機層を食塩水で洗い、MgSOで脱水、濃縮後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:n−ヘキサン=1:3)で精製して、TZ335を145mg(86%)得た。
TZ335:Yellow powder(塩化メチレン/メタノール;mp>300℃;H−NMR(400MHz,DMSO−d,30℃)12.30(br s,1H),7.63(s,1H),7.39(d,J=8.4Hz,2H),7.29(s,1H),7.09(s,1H),6.53(d,J=8.3Hz,2H),3.29(s,3H),1.99(s,3H),1.65(s,4H),1.27(s,6H),1.21(s,6H),Anal.Calcd.for C2630S,C:71.86%,H:6.96%,N:6.45%;Found,C:71.60%,H:6.99%,N:6.67%.
例37:TZ337の合成
Figure 0004398585
NaH146mg(60%、3.65mmol)を少量のn−ヘキサンで洗い、DMF1mlに懸濁した。この懸濁液にXV−1 855mg(2.44mmol)を12mlのDMFに溶かして加え、室温で20分攪拌した。反応液にCHI0.30ml(4.87mmol)を加え、1時間攪拌した。DMFを減圧留去し、水を加えて塩化メチレンで抽出した。有機層を食塩水で洗い、MgSOで脱水、濃縮後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:n−ヘキサン=1:10)で精製して、XVI−1を788.5mg(89%)得た。
H−NMR(400MHz,CDCl)7.34(d,J=7.7Hz,1H),7.30(m,1H),7.17(s,1H),7.16(t,J=7.7Hz,1H),7.04(s,1H),6.59(dd,J=7.4,1.8Hz,1H),3.88(s,3H),3.25(s,3H),2.04(s,3H),1.68(s,4H),1.30(s,3H),1.22(s,3H).
XVI−1 750mg(2.05mmol)をアルゴン置換下、THF7mlにとかし、−78℃にて攪拌しながらDTBAL6.16ml(1Mトルエン溶液、6.16mmol)を徐々に滴下した。30分後、反応液を2N塩酸に注ぎ込み、酢酸エチルで抽出した。有機層を食塩水で洗い、MgSOで脱水、濃縮後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:n−ヘキサン=1:2)で精製して、XVI−2を616mg(89%)得た。
H−NMR(400MHz,CDCl)7.16(s,1H),7.14(t,J=7.7Hz,1H),7.04(s,1H),6.68(d,J=7.3Hz,1H),6.58(s,1H),6.41(dd,J=8.1,2.2Hz,1H),4.60(d,J=5.8Hz,2H),3.22(s,3H),2.06(s,3H),1.68(s,4H),1.52(t,J=5.9Hz,1H),1.30(s,6H),1.21(s,6H).
XVI−2 610mg(1.81mmol)をメタノールフリー塩化メチレン8mlに溶かし、活性MnO1.85g(85%、18.1mmol)を加え、室温で30時間攪拌した。反応液を濾過し、濾液を濃縮した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:n−ヘキサン=1:10)で精製して、XV−3を423mg(70%)得た。
H−NMR(400MHz,CDCl)9.91(s,1H),7.28(t,J=7.3Hz,1H),7.18(m,2H),7.07(m,1H),7.04(s,1H),6.69(dd,J=8.4,2.6Hz,1H),3.26(s,3H),2.05(s,3H),1.69(s,4H),1.31(s,6H),1.22(s,6H).
XV−3 415mg(1.24mmol)、2,4−チアゾリジンジオン145mg(1.42mmol)を無水トルエン10mlに懸濁し、ピペリジン32mg(0.37mmol)と酢酸22mg(0.37mmol)を無水トルエン4mlに溶解した溶液を加えて120℃にて還流した。6時間後、反応液を氷水に注ぎ込み、酢酸エチルで抽出した。有機層を食塩水で洗い、MgSOで脱水、濃縮後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:n−ヘキサン=1:3)で精製して、TZ337を504mg(94%)得た。
TZ337:Orange crystals(酢酸エチル/n−ヘキサン);mp219℃;H−NMR(400MHz,CDCl)8.22(br s,1H),7.74(s,1H),7.27(t,J=7.7Hz,1H),7.04(s,1H),6.80(d,J=8.4Hz,1H),6.64(dd,J=8.0,2.2Hz,1H),6.48(s,1H),3.26(s,3H),2.05(s,3H),1.70(s,4H),1.32(s,6H),1.24(s,6H);Anal.Calcd.for C2630S,C:71.86%,H:6.96%,N:6.45%;Found,C:71.65%,H:7.16%,N:6.75%.
例38:試験例
本発明の各化合物を用いて、単独での細胞分化誘導作用および共存するレチノイドの細胞分化誘導作用に対する効果を検討した。比較および共存させるレチノイドとしてAm80[4−1(5,6,7,8−テトラヒドロ−5,5,8,8−テトラメチル−2−ナフタレニル)カルバモイル]安息香酸を用いた。前骨髄球性白血病細胞株HL−60を用いて、顆粒球系への分化を、形態変化およびニトロブルーテトラゾリウム(NBT)の還元能測定により判定した。以下の表に示した分化した細胞の割合(%)はNBT還元能から算出したものである。
(A)各化合物単独の濃度依存的分化誘導能および1×10−9M Am80の分化誘導能に対する濃度依存的効果を測定した。TZ91およびTZ181は単独でも細胞分化誘導活性を示し、さらに細胞分化誘導活性を示さない濃度において共存するAm80の活性を増強していた。また、TZ201はそれ自身では活性を持たないが、共存するAm80の活性を抑制していた。
Figure 0004398585
(B)各化合物単独の濃度依存的分化誘導能および1×10−10M Am80の分化誘導能に対する濃度依存的効果を測定した。TZ151は単独でも細胞分化誘導活性を示し、さらに細胞分化誘導活性を示さない濃度において共存するAm80の活性を増強していた。また、TZ161およびTZ191はそれ自身では活性を持たないが、共存するAm80の活性を増強しており、高濃度(1×10−6M)では抑制的に作用していた。
Figure 0004398585
(C)各化合物単独の濃度依存的分化誘導能および3×10−9M Am80の分化誘導能に対する濃度依存的効果を測定した。上記5化合物のうちTZ241以外の化合物は単独でも細胞分化誘導活性を示し、さらに5つ全ての化合物について細胞分化誘導活性を示さない濃度で共存するAm80の活性増強が認められた。
Figure 0004398585
(D)各化合物の濃度を1×10−6Mに固定して、レチノイド(Am80)の濃度依存的分化誘導能に対する効果を測定した。上記4化合物は単独では細胞分化誘導活性を示さず、共存するAm80の活性を抑制していた。
Figure 0004398585
(E)特開平9−48771には、下記一般式で示されるN−ベンジルジオキソチアゾリジルベンズアミド誘導体がインスリン抵抗性改善作用を有することが示されている。そこで、比較のためにN−ベンジル誘導体としてTZ105を合成し、レチノイド活性の有無を検討した。
Figure 0004398585
II−2(例4参照)150mg(0.60mmol)を無水ベンゼン12mlに懸濁し、SOCl358mg(3.01mmol)を加えて14時間還流した。SOClを留去した後、残渣を無水ベンゼン10mlに懸濁し、4−トリフルオロベンジルアミン106mg(0.60mmol)、無水ピリジン1mlを加えて室温で1時間攪拌した。反応液に氷を浮かべた2N塩酸を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を食塩水で洗い、MgSOで脱水、濃縮した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:n−ヘキサン=3:2)で精製してTZ105を128mg(52%)得た。
TZ105:Colorless needles(酢酸エチル/n−ヘキサン);mp204℃;H−NMR(400MHz,DMSO−d,30℃)9.23(t,1H,J=5.9Hz),8.10(s,1H),7.97(d,1H,J=8.7Hz),7.83(s,1H),7.76(d,1H,J=8.7Hz),7.70(d,2H,J=8.1Hz),7.65(t,1H,J=7.7Hz),7.55(d,2H,J=8.0Hz),4.59(d,2H,J=5.9Hz);Anal.Calcd.for C1913,C:56.16%,H:3.22%,N:6.89%,Found C:56.36%,H:3.04%,N:6.98%.
前述したHL−60細胞を用いた検定系において、TZ105は全く分化誘導活性を示さず、また、共存するレチノイドAm80の作用にも影響を及ぼさなかった。従って、N−ベンジル体ではレチノイドもしくはレチノイド制御作用は発揮されず、この骨格においてはTZ185等のように窒素原子上の芳香環の存在が必須であると考えられる。
産業上の利用可能性
本発明の化合物は、レチノイドレセプターに作用してレチノイド様作用やその調節作用(レチノイドの作用増強又は作用抑制)などを発揮するので、例えば癌、糖尿病、動脈硬化症、骨疾患、リウマチ、又は免疫性疾患などの疾患の予防及び/又は治療のための医薬の有効成分として有用である。

Claims (3)

  1. 下記の一般式(I):
    Figure 0004398585
    〔式中、R1、R2、R3、R4、及びR5はそれぞれ独立に水素原子又は低級アルキル基を示し、それらのうちの隣接する2つの基は一緒になってそれらが結合するフェニル環上の炭素原子とともに1又は2以上アルキル基を有することもある5員環又は6員環を形成してもよく;X は-C(R 6 )=CH-、-CH=C(R 7 )-、-CO-N(R 9 )-、-C(=CHR 10 )、-CO-、又は -NR 11 - で表される基(式中、R 6 、R 7 、R 9 、R 10 、及びR 11 はそれぞれ独立に水素原子又は低級アルキル基を示す)を示す〕
    で表される化合物又はその塩
  2. 請求項1に記載の式(I)の化合物及び生理学的に許容されるその塩、並びにそれらの水和物及び溶媒和物からなる群から選ばれる物質を有効成分として含む医薬。
  3. レチノイドレセプター作用剤である請求項2に記載の医薬。
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