JPH09100270A - レチノイドアンタゴニスト - Google Patents

レチノイドアンタゴニスト

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JPH09100270A
JPH09100270A JP25591295A JP25591295A JPH09100270A JP H09100270 A JPH09100270 A JP H09100270A JP 25591295 A JP25591295 A JP 25591295A JP 25591295 A JP25591295 A JP 25591295A JP H09100270 A JPH09100270 A JP H09100270A
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acid
tetrahydro
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JP25591295A
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Koichi Shudo
紘一 首藤
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 下記の式: 【化1】 (式中、R1は水素原子又はC1-6アルキル基;R2はC1-6
ルキル基;A は 8〜12員縮合二環芳香族基を示す)で示
される、4-(13H-10,11,12,13- テトラヒドロ-10,10,13,
13,15-ペンタメチルジナフト[2,3-b][1,2-e][1,4] ジア
ゼピン-7- イル)安息香酸等の化合物及び該化合物から
なる医薬。 【効果】 レチノイドアンタゴニストとしての作用を有
しており、ビタミンA過剰症の治療・予防に用いる医薬
の有効成分として有用である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規化合物に関す
るものであり、レチノイン酸やレチノイン酸様の生理活
性を有する化合物(レチノイド)のアンタゴニストとし
て作用する新規化合物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】レチノイン酸(ビタミンA酸)はビタミ
ンAの活性代謝産物であり、発生途上にある未熟な細胞
を特有な機能を有する成熟細胞へと分化させる作用や、
細胞の増殖促進作用や生命維持作用などの極めて重要な
生理作用を有している。これまでに合成された種々のビ
タミンA誘導体、例えば、特開昭61-22047号公報や特開
昭61-76440号公報記載の安息香酸誘導体、及びジャーナ
ル・オブ・メディシナル・ケミストリー(Journal of M
edicinal Chemistry, 1988, Vol. 31, No. 11, p.2182)
に記載の化合物なども、同様な生理作用を有することが
明らかにされている。レチノイン酸及びレチノイン酸様
の生物活性を有する上記化合物は「レチノイド」と総称
されている。
【0003】例えば、オール・トランス(all-trans)・レ
チノイン酸は、細胞核内にあるレチノイン酸レセプター
(RAR)を介して動物細胞の増殖・分化あるいは細胞死な
どを制御していることが明らかにされている(Petkovic
h, M., et al., Nature, 330,pp.444-450, 1987)。レチ
ノイン酸様の生物活性を有する上記化合物(例えば、4-
[(5,6,7,8-tetrahydro-5,5,8,8-tetramethyl-2-naphtha
lenyl)carbamoyl]benzoic acid: Am80など)も、レチノ
イン酸と同様にRAR に結合して生理活性を発揮すること
が示唆されている(Hashimoto, Y., Cell struct. Func
t., 16, pp.113-123, 1991; Hashimoto, Y., et al., B
iochem. Biophys. Res. Commun., 166,pp.1300-1307, 1
990を参照)。これらの化合物は、臨床的には、ビタミ
ンA欠乏症、上皮組織の角化症、リウマチ、遅延型アレ
ルギー、骨疾患、白血病やある種の癌の治療に有用であ
ることが見出されている。
【0004】このようなレチノイドに対して拮抗的に作
用し、上記レチノイドの代表的な作用を減弱する化合物
が知られている(Eyrolles, L., et al., Journal of Me
dicinal Chemistry, 37(10), pp.1508-1517, 1994)。こ
の刊行物には、例えば、4-(5H-7,8,9,10- テトラヒドロ
-5,7,7,10,10- ペンタメチルベンゾ[e] ナフト[2,3-b]
[1,4]ジアゼピン-13-イル)安息香酸などの化合物がレ
チノイドのアンタゴニストとして作用することが開示さ
れている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題及び課題を解決すべき手
段】本発明の課題は、レチノイン酸などのレチノイドの
アンタゴニストとして作用する化合物を提供することに
ある。本発明者は、下記の一般式で示される化合物が、
上記の Eyrolles らの文献に記載された化合物と同等な
いしは一層強力なレチノイド・アンタゴニスト作用を有
することを見いだし、本発明を完成するに至った。
【0006】すなわち本発明は、下記の式:
【化2】 (式中、R1は水素原子又はC1-6アルキル基を示し;R2
C1-6アルキル基を示し;A は環構成原子として窒素原子
を含むことがある 8〜12員縮合二環芳香族基を示す)で
示される化合物を提供するものである。また、本発明の
別の態様により、上記化合物からなるレチノイド・アン
タゴニスト;上記化合物からなる医薬;及びビタミンA
過剰症の予防・治療に用いる上記医薬が提供される。
【0007】
【発明の実施の形態】上記式中、R1またはR2が示すC1-6
アルキル基は、直鎖、分枝鎖、又は環状のいずれでもよ
く、例えば、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソ
プロピル基、シクロプロピル基、n-ブチル基、sec-ブチ
ル基、tert- ブチル基、n-ペンチル基、n-ヘキシル基な
どを用いることができる。R1が水素原子またはメチル基
であることが好ましく、R2はメチル基であることが好ま
しい。
【0008】A は 8〜12員縮合二環芳香族基を示す。芳
香族基を構成する縮合二環系としては、例えば、ペンタ
レン、インデン、ナフタレン、アズレン、ヘプタレンな
どを挙げることができる。これらの縮合二環系の環構成
原子のうち隣り合った2個の炭素原子(ただし、該縮合
二環系の二つの環に共有されている炭素原子を除く)
は、本発明の化合物のジアゼピン環を構成する隣り合っ
た2個の炭素原子として用いられる。
【0009】これらのうち、芳香族基を構成する縮合二
環系がナフタレンである化合物は本発明の好ましい態様
である。この好ましい態様においては、A で示される該
芳香族基として、ナフタレン-1,2- ジイル基又はナフタ
レン-2,3- ジイル基のいずれを用いてもよい。また、ナ
フタレン-1,2- ジイル基を用いる場合、R2が置換するジ
アゼピン環中の窒素原子は、ナフタレン環の1-位または
2-位のいずれに結合していてもよい。A で示される該芳
香族基がナフタレン-1,2- ジイル基である化合物は、本
発明の特に好ましい態様である。
【0010】さらに、これらの縮合二環芳香族基は、環
構成原子として1個または2個以上の窒素原子を含んで
いてもよい。このような芳香族基を構成するヘテロ縮合
二環系としては、例えば、イソインドール、3H- インド
ール、インドール、1H- インダゾール、キノリン、フタ
ラジン、ナフチリジン、キノキサリン、キナゾリン、シ
ンノリンなどを挙げることができる。芳香族基として
は、例えば、キノリン-5,6- ジイル基、キノリン-7,8-
ジイル基などを挙げることができる。
【0011】本発明の化合物には、酸付加塩または塩基
付加塩が含まれる。酸付加塩としては、塩酸塩若しくは
臭化水素酸塩などの鉱酸塩、又はp-トルエンスルホン酸
塩、メタンスルホン酸塩、シュウ酸塩、若しくは酒石酸
塩などの有機酸塩を挙げることができる。塩基付加塩は
R1が水素原子を示す場合に形成され、ナトリウム塩、カ
リウム塩、マグネシウム塩、若しくはカルシウム塩など
の金属塩、アンモニウム塩、又はトリエチルアミン塩若
しくはエタノールアミン塩などの有機アミン塩などを用
いることができる。
【0012】本発明の化合物は、置換基の種類に応じ
て、1個または2個以上の不斉炭素を有する場合がある
が、このような不斉炭素に基づく任意の光学異性体、光
学異性体の任意の混合物、ラセミ体、2個以上の不斉炭
素に基づくジアステレオ異性体、ジアステレオ異性体の
任意の混合物などは、いずれも本発明の範囲に包含され
る。また、遊離化合物又は塩の形態の化合物の任意の水
和物又は溶媒和物も本発明の範囲に包含される。
【0013】上記一般式(I) で示される本発明の化合物
のうち、好ましい化合物として、4-(13H-10,11,12,13-
テトラヒドロ-10,10,13,13,15-ペンタメチルジナフト
[2,3-b][1,2-e][1,4] ジアゼピン-7- イル)安息香酸
(LE540);4-(7H-9,10,11,12- テトラヒドロ-7,9,9,12,1
2- ペンタメチルジナフト[2,3-b][1,2-e][1,4] ジアゼ
ピン-15-イル)安息香酸 (LE550);及びそれらのメチル
エステルである化合物などを例示することができる。
【0014】本発明の好ましい化合物である上記 LE540
及び LE550について、代表的な製造方法を以下のスキー
ムに示すが、本発明の化合物及びその製造方法は、これ
らのスキームに示されたものに限定されることはない。
なお、本明細書の実施例には、下記スキームに従う本発
明の化合物の製造方法が詳細に説明されているので、こ
れらの方法に示された出発原料や試薬、並びに反応条件
などを適宜修飾ないし改変することにより、本発明の範
囲に包含される化合物がいずれも製造可能であることは
容易に理解されよう。
【0015】
【化3】
【0016】
【化4】
【0017】本発明の化合物は、レチノイン酸などのレ
チノイドのアンタゴニストとして作用する性質を有して
おり、本発明の化合物をレチノイドと共存させた場合に
は、レチノイドの生理活性(代表的なものとして細胞分
化作用、細胞増殖促進作用、及び生命維持作用など)が
顕著に抑制される。従って、本発明の化合物は、生体中
のビタミンAの過剰による内因的なビタミンA過剰症、
あるいは、ビタミンA欠乏症、上皮組織の角化症、乾
癬、アレルギー疾患、リウマチなどの免疫性疾患、骨疾
患、白血病、又は癌の予防・治療のために投与されるレ
チノイン酸やレチノイン酸様の生物活性を有する化合物
(例えば、4-[(5,6,7,8-tetrahydro-5,5,8,8-tetrameth
yl-2-naphthalenyl)carbamoyl]benzoic acid: Am80な
ど)により惹起される外因的なビタミンA過剰症の治療
及び/又は予防に有用である。
【0018】本発明の化合物からなる医薬は、それ自体
を投与してもよいが、好ましくは、当業者に周知の方法
によって経口用あるいは非経口用の医薬組成物として提
供されるべきである。経口投与に適する医薬用組成物と
しては、例えば、錠剤、カプセル剤、散剤、細粒剤、顆
粒剤、液剤、及びシロップ剤等を挙げることができ、非
経口投与に適する医薬組成物としては、例えば、注射
剤、坐剤、吸入剤、点眼剤、点鼻剤、軟膏剤、クリーム
剤、及び貼付剤等を挙げることができる。
【0019】上記の医薬組成物は、薬理学的、製剤学的
に許容しうる添加物を加えて製造することができる。薬
理学的、製剤学的に許容しうる添加物の例としては、例
えば、賦形剤、崩壊剤ないし崩壊補助剤、結合剤、滑沢
剤、コーティング剤、色素、希釈剤、基剤、溶解剤ない
し溶解補助剤、等張化剤、pH調節剤、安定化剤、噴射
剤、及び粘着剤等を挙げることができる。
【0020】本発明の医薬の投与量は特に限定されず、
予防または治療の目的、治療対象となるレチノイド過剰
症の症状や患者の年齢などの諸条件に応じて、適宜の投
与量が容易に選択できる。例えば、経口投与の場合には
成人一日あたり 0.01 〜1,000 mg程度の範囲で用いるこ
とができる。以下、本発明を実施例によりさらに具体的
に説明するが、本発明の範囲は下記の実施例に限定され
ることはない。
【0021】
【実施例】
例1:4-(13H-10,11,12,13- テトラヒドロ-10,10,13,1
3,15-ペンタメチルジナフト[2,3-b][1,2-e][1,4] ジア
ゼピン-7- イル)安息香酸 (LE540)の製造 o-ニトロアニリン 266.5 mg (1.07 mmol) に1-ブロモナ
フタレン 4 ml 、K2CO3 148 mg (1.07 mmol, 1.0 eq)、
及び CuI 9.3 mg を加えて 150℃で17時間30分間攪拌し
た。反応液をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (酢
酸エチル:n-ヘキサン=1:50)で精製して(5,6,7,8- テト
ラヒドロ-5,5,8,8- テトラメチル-3- ニトロ-2- ナフチ
ル)-1-ナフチルアミン(化合物1)を得た (318.5 mg,
80%)。1 H-NMR CDCl3 9.59(s, 1H), 8.20(s, 1H), 8.04(m, 1
H), 7.93(m, 1H), 7.78(m, 1H), 7.48-7.58(m, 4H), 6.
93(s, 1H), 1.64(m, 4H), 1.31(s, 6H), 1.01(s,6H)
【0022】NaH (60% in oil) 33 mg (0.872 mmol, 2
eq) をヘキサンで洗浄して乾燥し、DMF 1 mlに懸濁し
た。この懸濁液に化合物1 163 mg (0.436 mmol)を 3 m
l のDMF に溶解して滴下し、反応液を室温で1時間20分
攪拌した。この反応液にヨウ化メチル 0.11 ml (1.74 m
mol, 4eq) を加えて室温で1時間20分攪拌した後、反応
液に氷水を加えてジクロロメタンで抽出した。有機相を
水及び飽和食塩水で洗浄し、乾燥後に溶媒を減圧留去し
て 3- ニトロ-N- メチル-N- α- ナフチル-5,6,7,8- テ
トラヒドロ−5,5,8,8-テトラメチルナフタレン-2- アミ
ン(化合物2)を得た (160.8 mg, 95%)。1 H-NMR CDCl3 8.12(m, 1H), 7.84(m, 1H), 7.66(d, 1
H), 7.64(s, 1H), 7.48(m, 2H), 7.35(t, 1H), 7.10(d,
1H), 6.95(s, 1H), 3.34(s, 3H), 1.68(s, 4H),1.27
(s, 6H), 1.18(s, 6H)
【0023】化合物2 154.4 mg (0.398 mmol)を水 2 m
l 及びエタノール 4 ml に懸濁し、濃塩酸 1.0 ml を加
えた。この混合物に鉄粉 240 mg を加えて加熱還流し、
15分後にエタノール 4 ml を追加してさらに1時間加熱
還流した。反応液に氷を加えて 4N 水酸化ナトリウムで
中和し、酢酸エチルで抽出した。有機相を水及び飽和食
塩水で洗浄し、乾燥後に溶媒を減圧濃縮して粗生成物 1
54.9 mg を得た。この粗生成物をシリカゲルカラムクロ
マトグラフィー (酢酸エチル:n-ヘキサン=1:30)で精製
して N- メチル-N-1- ナフチル-5,6,7,8- テトラヒドロ
-5,5,8,8- テトラメチルナフタレン-2,3- ジアミン(化
合物3)を得た (102.0 mg, 72%)。1 H-NMR CDCl3 8.04(m, 1H), 7.82(m, 1H), 7.57(d, 1
H, 7.3Hz), 7.42(m, 2H),7.37(t, 1H, 7.3Hz), 7.07(d,
1H, 7.3Hz), 6.88(s, 1H), 6.75(s, 1H), 3.26(s, 3
H), 1.62(s, 4H), 1.24(s, 6H), 1.11(s, 6H)
【0024】化合物3 95.5 mg (0.267 mmol) を乾燥ベ
ンゼン 5 ml に溶解し、ピリジン 0.1 ml (1.25 mmol)
を加えた。この溶液にテレフタル酸モノメチルエステル
クロライド 69 mg (0.35 mmol)を加えて室温で3時間攪
拌した。反応液に氷水及び希塩酸を加え、酢酸エチルで
抽出した。有機相を乾燥後に溶媒を留去し、得られた残
渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (酢酸エチ
ル:n-ヘキサン=1:20)で精製して、メチル 4-[(5,6,7,8
- テトラヒドロ-5,5,8,8- テトラメチル-3-(N-メチル-N
-1- ナフチルアミノ)-2-ナフタレニル) カルバモイル]
ベンゾエート(化合物4)を得た (131.3 mg, 95%)。1 H-NMR CDCl3 8.36(s, 1H), 8.22(m, 1H), 8.07(s, 1
H), 7.85(m, 1H), 7.67(d, 2H, 8.8Hz), 7.58(d, 1H,
8.1Hz), 7.52(m, 2H), 7.33(t, 1H, 7.7Hz), 7.25(s, 1
H), 7.02(m, 3H), 3.91(s, 3H), 3.33(s, 3H), 1.73(s,
4H), 1.34(s, 6H),1.31(s, 6H)
【0025】化合物4 117.9 mg (0.226 mmol)にポリリ
ン酸 4.1 gを加え 140℃で25分間攪拌した。反応液に水
を加えてジクロロメタンで抽出し、有機相を乾燥後、溶
媒を減圧留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムク
ロマトグラフィー (酢酸エチル:n-ヘキサン=1:20)で精
製して、メチル 4-(13H-10,11,12,13-テトラヒドロ-10,
10,13,13,15-ペンタメチルジナフト[2,3-b][1,2-e][1,
4] ジアゼピン-7- イル)ベンゾエート(化合物5)を
得た (43.1 mg, 38%) 。1 H-NMR CDCl3 8.86(d, 1H, 8.1Hz), 8.13(d, 2H, 8.4H
z), 7.91(d, 2H, 8.4Hz), 7.85(d, 1H, 7.7Hz), 7.58-
7.71(m, 3H), 7.41(s, 1H), 7.29(s, 1H), 7.15(d, 1H,
8.4Hz), 3.96(s, 3H), 3.08(s, 3H), 1.62-1.74(m, 4
H), 1.38(s, 3H), 1.36(s, 3H), 1.21(s, 3H), 1.20(s,
3H)
【0026】化合物5 56.3 mg (0.112 mmol) をエタノ
ール 4 ml 及び 2N 水酸化ナトリウムに懸濁し、30分間
加熱還流した。反応液を 2N 塩酸で酸性にした後、ジク
ロロメタンで抽出した。有機相を水及び飽和食塩水で洗
浄し、乾燥後に溶媒を減圧留去して 4-(13H-10,11,12,1
3-テトラヒドロ-10,10,13,13,15-ペンタメチルジナフト
[2,3-b][1,2-e][1,4] ジアゼピン-7- イル)安息香酸(L
E540, 化合物6)を得た (48.0 mg, 88%) 。水及びエタ
ノールの混合物から再結晶して黄色針状晶(融点 300℃
以上)を得た。1 H-NMR CDCl3 8.87(d, 1H, 8.4Hz), 8.20(d, 2H, 8.4H
z), 7.95(d, 2H, 8.8Hz), 7.85(d, 1H, 7.7Hz), 7.58-
7.72(m, 3H), 7.42(s, 1H), 7.30(s, 1H), 7.17(d, 1H,
8.4Hz), 3.08(s, 3H), 1.68(s, 4H), 1.38(s, 3H), 1.
36(s, 3H), 1.22(s, 3H), 1.21(s, 3H) Anal. Calcd. for C33H32N2O2 ・1/3 H2O C: 80.13%,
H: 6.66%, N: 5.66%; Found C: 80.24%, H: 6.64%, N:
5.84%
【0027】例2:4-(7H-9,10,11,12- テトラヒドロ-
7,9,9,12,12- ペンタメチルジナフト[2,3-b][1,2-e][1,
4] ジアゼピン-15-イル)安息香酸 (LE550)の製造 o-ニトロアニリン 183.5 mg (0.74 mmol) に2-ヨードナ
フタレン 832 mg(3.27mmol, 4.4 eq)、K2CO3 102 mg
(0.74 mmol, 1.0 eq)、及びCuI 28.8 mg を加え、さら
にo-キシレン 10 mlを加えて 170℃で21時間加熱攪拌し
た。o-キシレンを減圧留去し、得られた残渣をシリカゲ
ルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:n-ヘキサン
=1:40)で精製して、(5,6,7,8- テトラヒドロ-5,5,8,8-
テトラメチル-3- ニトロ-2- ナフチル)-2-ナフチルアミ
ン(化合物7)を得た (228.8 mg,83%)。1 H-NMR CDCl3 9.37(s, 1H), 8.17(s, 1H), 7.87(d, 1
H, 8.8Hz), 7.84(d, 1H,7.7Hz), 7.75(d, 1H, 8.1Hz),
7.69(d, 1H, 1.8Hz), 7.42-7.52(m, 2H), 7.39(dd, 1H,
8.8Hz, 2.2Hz), 7.38(s, 1H), 1.68(s, 4H), 1.32(s,
6H), 1.18(s, 6H)
【0028】NaH (60% in oil) 72.8 mg (1.82 mmol, 3
eq)をヘキサンで洗浄して乾燥し、DMF 1 mlに懸濁し
た。この懸濁液に化合物7 218 mg (0.583 mmol)を 3 m
l のDMF に溶解して滴下した。反応液を室温で25分間攪
拌した後、ヨウ化メチル 0.18ml (2.92 mmol, 5 eq)を
加えて室温で4時間攪拌した。反応液に氷水を加えてジ
クロロメタンで抽出した。有機相を水および飽和食塩水
で洗浄し、乾燥後に溶媒を減圧留去して 3- ニトロ-N-
メチル-N-2- ナフチル-5,6,7,8- テトラヒドロ-5,5,8,8
- テトラメチルナフタレン-2- アミン(化合物8)を得
た (196.3 mg, 87%)。1 H-NMR CDCl3 7.89(s, 1H), 7.67(dd, 2H, 8.1Hz, 2.9
Hz), 7.58(d, 1H, 9.2Hz), 7.38(t, 1H, 7.0Hz), 7.31
(s, 1H), 7.26(m, 1H), 7.04(d, 1H, 2.6Hz), 6.82(dd,
1H, 8.8Hz, 2.6Hz), 3.38(s, 3H), 1.74(s, 4H), 1.35
(s, 6H), 1.26(s,6H)
【0029】化合物8 196.3 mg (0.506 mmol)を水 2 m
l 及びエタノール 6 ml に懸濁し、濃塩酸 1.0 ml を加
えた。この懸濁液に鉄粉 300 mg を加えて加熱還流し、
さらにエタノール 4 ml を追加して1時間30分加熱還流
した後、鉄粉 170 mg を追加して原料が消失するまで反
応を継続した。反応液に氷を加えて 4N 水酸化ナトリウ
ムで中和し、酢酸エチルで抽出した。有機相を水及び飽
和食塩水で洗浄し、乾燥後に溶媒を減圧留去して N- メ
チル-N-2- ナフチル-5,6,7,8- テトラヒドロ-5,5,8,8-
テトラメチルナフタレン-2,3- ジアミン(化合物9)を
得た (165.4 mg, 91%)。1 H-NMR CDCl3 7.67(d, 2H, 9.2Hz), 7.58(d, 1H, 9.2H
z), 7.37(t, 1H, 8.4Hz), 7.21(t, 1H, 7.7Hz), 7.01
(d, 1H, 2.2Hz), 6.96(s, 1H), 6.86(dd, 1H, 8.8Hz,
2.6Hz), 6.76(s, 1H), 3.65(brs, 2H), 3.30(s, 3H),
1.66(m, 4H), 1.29(s,6H), 1.16(s, 6H)
【0030】化合物9 162.9 mg (0.455 mmol)を乾燥ベ
ンゼンに溶解し、ピリジン 0.1 ml(1.25 mmol) を加え
た。この溶液にテレフタル酸モノメチルエステルクロラ
イド110 mg (0.55 mmol, 1.2 eq) を加えて室温で30分
間攪拌した。反応液に氷水及び希塩酸を加え、酢酸エチ
ルで抽出した。有機相を乾燥後に溶媒を減圧留去し、得
られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢
酸エチル:n-ヘキサン=1:20 →1:10) で精製して、メチ
ル 4-[[5,6,7,8- テトラヒドロ-5,5,8,8- テトラメチル
-3-(N-メチル-N- ナフチルアミノ)-2-ナフタレニル] カ
ルバモイル] ベンゾエート(化合物10)を得た (190.2
mg, 80%)。1 H-NMR CDCl3 8.58(s, 1H), 8.49(s, 1H), 7.92(d, 2
H, 8.8Hz), 7.71(d, 2H,9.2Hz), 7.65(d, 1H, 9.2Hz),
7.56(d, 2H, 8.8Hz), 7.43(t, 1H, 8.4Hz), 7.30(t, 1
H, 8.1Hz), 7.14(d, 1H, 2.6Hz), 7.11(s, 1H), 6.89(d
d, 1H, 8.8Hz, 2.6Hz), 3.89(s, 3H), 3.35(s, 3H), 1.
72(m, 4H), 1.40(s, 6H), 1.21(s, 6H)
【0031】化合物10 157.5 mg (0.303 mmol)にポリリ
ン酸 2.45 g を加え、142 ℃で1時間加熱攪拌した。反
応液に水を加えて酢酸エチルで抽出し、有機相を乾燥後
に溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマ
トグラフィー(酢酸エチル:n-ヘキサン=1:30)で精製し
て、メチル 4-(7H-9,10,11,12-テトラヒドロ-7,9,9,12,
12- ペンタメチルジナフト[2,3-b][1,2-e][1,4] ジアゼ
ピン-15-イル)ベンゾエート(化合物11)を得た (119.
7 mg, 79%)。1 H-NMR CDCl3 7.95(d, 2H, 8.8Hz), 7.89(d, 1H, 9.2H
z), 7.72(d, 1H, 8.1Hz), 7.67(d, 2H, 8.4Hz), 7.38
(d, 1H, 9.2Hz), 7.25(m, 2H), 7.18(d, 1H, 8.1Hz),
7.10(m, 1H), 6.86(s, 1H), 3.90(s, 3H), 3.36(s, 3
H), 1.64(s, 4H), 1.33(s, 3H), 1.26(s, 3H), 1.21(s,
6H)
【0032】化合物11 65.7 mg (0.131 mmol) をエタノ
ール 4 ml 及び 2N 水酸化ナトリウム 3 ml に懸濁して
2時間加熱還流し、エタノール 4 ml を追加してさらに
2時間加熱還流を継続した。反応液を 2N 塩酸で酸性に
した後にジクロロメタンで抽出した。有機相を水及び飽
和食塩水で洗浄し、乾燥後に溶媒を減圧留去し、4-(7H-
9,10,11,12- テトラヒドロ-7,9,9,12,12- ペンタメチル
ジナフト[2,3-b][1,2-e][1,4] ジアゼピン-15-イル)安
息香酸(LE550, 化合物12)を得た(60.2 mg, 94%)。酢酸
エチルとヘキサンの混合物から再結晶し、さらに水及び
エタノールの混合物から再結晶して赤色柱状晶(融点 3
00℃以上)を得た。1 H-NMR CDCl3 8.00(d, 2H, 8.8Hz), 7.89(d, 1H, 9.5H
z), 7.72(m, 3H), 7.38(d, 1H, 8.8Hz), 7.24(m, 2H),
7.18(d, 1H, 8Hz), 7.12(m, 1H), 6.86(s, 1H),3.36(s,
3H), 1.64(s, 4H), 1.33(s, 3H), 1.27(s, 3H), 1.21
(s, 3H) Anal. Calcd. for C33H32N2O2 ・1/3 H2O C: 80.13%,
H: 6.66%, N: 5.66%; Found C: 80.00%, H: 6.64%, N:
5.68%
【0033】例3:本発明の化合物のレチノイド・アン
タゴニスト作用 Eyrollesら (Eyrolles et al., Journal of Medicinal
Chemistry, 37, 1508-1517, 1994) の方法に従って、レ
チノイド〔Am80:4-[(5,6,7,8-テトラヒドロ-5,5,8,8-
テトラメチル-2- ナフタレニル)カルバモイル] 安息香
酸〕の細胞分化誘導作用に対する例1の化合物 (LE540)
のアンタゴニスト作用を検討した。
【0034】前骨髄球性白血病細胞株HL-60 に対するAm
80の細胞分化誘導能を、特開昭61-76440号公報に記載さ
れた方法に従って、例1の化合物の存在下及び非存在下
で測定した。顆粒球系細胞への分化の程度は、核の形態
観察及びニトロブルーテトラゾリウム(NBT) の還元能を
測定することにより判定した。対照として、上記Eyroll
esらの文献に記載されたレチノイドアンタゴニスト:4-
(5H-7,8,9,10- テトラヒドロ-5,7,7,10,10- ペンタメチ
ルベンゾ[e] ナフト[2,3-b][1,4]ジアゼピン-13-イル)
安息香酸 (LE135)を用いた。結果を表1に示す〔表中、
レチノイド Am80 の濃度は濃度(M) の対数値で示してあ
り、細胞分化の程度は全細胞数に対する分化細胞の割合
(%) で示した。また、ブランクはAm80のみ(被検化合物
の非存在下)での結果を示す。〕。
【0035】
【表1】
【0036】本発明の化合物(LE540) は、10-8M におけ
るAm80の細胞分化作用を10-6M の濃度でほぼ完全に抑制
し、10-9M におけるAm80の細胞分化作用を10-7M の濃度
で数分の1以下に減弱した。一方、対照として用いた L
E135は、10-8M におけるAm80の細胞分化作用を10-6M の
濃度ではほとんど抑制せず、10-9M におけるAm80の細胞
分化作用を10-7M の濃度でほぼ半分に抑制していた。こ
れらの結果から、本発明の化合物(LE540) は、対照とし
て用いたLE135 に比べて、約10分の1程度の濃度で同等
のアンタゴニスト作用を発揮することがわかる。
【0037】
【発明の効果】本発明の化合物は、レチノイン酸などの
レチノイドに対して拮抗的に作用する性質を有してお
り、ビタミンA過剰症などの予防や治療に用いる医薬の
有効成分として有用である。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記の式: 【化1】 (式中、R1は水素原子又はC1-6アルキル基を示し;R2
    C1-6アルキル基を示し;A は環構成原子として窒素原子
    を含むことがある 8〜12員縮合二環芳香族基を示す)で
    示される化合物。
  2. 【請求項2】 4-(13H-10,11,12,13- テトラヒドロ-10,
    10,13,13,15-ペンタメチルジナフト[2,3-b][1,2-e][1,
    4] ジアゼピン-7- イル)安息香酸 (LE540)又は4-(7H-
    9,10,11,12- テトラヒドロ-7,9,9,12,12- ペンタメチル
    ジナフト[2,3-b][1,2-e][1,4] ジアゼピン-15-イル)安
    息香酸 (LE550)である請求項1に記載の化合物。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2に記載の化合物からなる
    医薬。
  4. 【請求項4】 ビタミンA過剰症の治療及び/又は予防
    に用いる請求項3に記載の医薬。
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