JP4398510B2 - 木材切断装置 - Google Patents

木材切断装置 Download PDF

Info

Publication number
JP4398510B2
JP4398510B2 JP2009113213A JP2009113213A JP4398510B2 JP 4398510 B2 JP4398510 B2 JP 4398510B2 JP 2009113213 A JP2009113213 A JP 2009113213A JP 2009113213 A JP2009113213 A JP 2009113213A JP 4398510 B2 JP4398510 B2 JP 4398510B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
wood
cutting
carry
take
workpiece
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2009113213A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2009166506A (ja
Inventor
鉱一 高橋
博央 岡本
教夫 森田
Original Assignee
宮川工機株式会社
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 宮川工機株式会社 filed Critical 宮川工機株式会社
Priority to JP2009113213A priority Critical patent/JP4398510B2/ja
Publication of JP2009166506A publication Critical patent/JP2009166506A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4398510B2 publication Critical patent/JP4398510B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Dovetailed Work, And Nailing Machines And Stapling Machines For Wood (AREA)

Description

本発明は、プレカット加工機の木材切断装置に関する技術である。
プレカット部材の切断装置は、取り込みコンベアと丸鋸部,クランプ部,移送コンベア部,切断位置決め装置部等からなるクロスカットソー及び取り出しコンベアで構成され、特許文献1(特開平11−277504号公報)に示される様に、仕口、穴、溝などの加工をするユニットと複合化されたものもある。以下に従来の切断装置における切断動作の概要を説明する。
(1)加工材を、取り込みコンベア上流のチェーンスラッシャーに倒立状態(住宅構造部材として使用するときの上面を下にして)で載置する。これは、クロスカットソーの下流の仕口、継ぎ手、穴、溝などの加工のときに上面を基準面として加工機のローラー面(テーブル面)に載置した方が、加工精度や加工寸法が出し易いためである。
(2)加工材を前後方向に移送して取り込みコンベアに取り込む。
(3)加工材を長手方向にクロスカットソーに向かってコンベアで送り、先端の端切り位置を光電センサや切断位置決め装置によって決めてクランプし、切断する。
(4)端切りされた加工材を更にコンベアで長手方向に送り、切断位置決め装置で全長切断位置を決めてクランプし、切断する。
(5)全長切断された加工材は、取り出しコンベアによって長手方向に移送され、仕口、継ぎ手、穴、溝などの次の加工工程に流れる。
特開平11−277504号公報
前記従来技術には、以下の様な問題点や課題がある。
(1)チェーンスラッシャ上に加工材を倒立状態で載置することは、加工材の曲がり、反り、節の有無や位置などから判断する住宅部材としての使い勝手の向きと加工のための向きとが逆になるので、その判断が煩雑になり間違いやすい。また、加工材に書く仮の部材番号も反対の面に書かなければならない。
(2)チェーンスラッシャ上に加工材を載置したり、その上で加工材の向きをチェックしたり変更したりする作業は、チェーンスラッシャの加工材載置面が低い方が楽である。従来の技術では、チェーンスラッシャの加工材載置面は、クロスカットソーや仕口、穴溝などの加工機のコンベアローラ面とほぼ一致しているのでかなり高く作業性が悪い。
(3)クロスカットソーの設備全体の長さは、(切断前の加工材最大長さ≒取り込みコンベア長さ)+(クロスカットソーの長さ)+(切断後加工材の最大長さ≒取り出しコンベア長さ)となり、長い据え付けスペースを必要とする。また、全長切断後の残材排出エリアや残材運び出し通路が他の加工機の配置に影響する。
(4)端切り後に全長分の長さだけ加工材が移動しないと全長切断ができない。また、コンベア上の残材が排出されないと次の加工材を取り込みコンベアに取り込むことができない。全長が長い場合の移動時間や残材の排出時間がクロスカットソーの加工能力に大きく影響する。
(5)クロスカットソーの下流の、仕口、継ぎ手、穴、溝などの加工工程の加工能力のアップが図られている。また、クロスカットソーを1台としてその下流の仕口、継ぎ手、穴、溝などの加工ラインを複数にして連結し流す場合も出ている。これらの要因から、より加工能力の高い(加工時間が早い)クロスカットソーが求められている。
そこで、本発明は、加工時間を短縮することができると共に、切断装置の設備長さを短くすることのでる木材切断方法の実施に適する木材切断装置の提供を第1の目的とする。
また、本発明は、加工時間を短縮することができ、かつ、切断装置の設備長さを短くすることができると共に、さらに、作業性の向上をも達成することのできる木材切断方法の実施に適する木材切断装置の提供を第2の目的とする。
上記第1の目的において実施しようとする木材切断方法は、左右方向に所定距離をあけて設置される左側の切断部材及び右側の切断部材と、前記左右の切断部材の間に設置され、該左右の切断部材間を左右動可能で木材クランパを有するキャリーと、を備えた切断機を用いて、木材を、その両端を切断することによって木造住宅用の構造材としての所定の長さに加工するための木材の切断方法であって、
(1−1)木材を、前記切断機の前方から木材の長手方向に対して直交する方向に横移動させて前記キャリーにクランプさせ、
(1−2)該木材をクランプした前記キャリーを、前記左右の切断部材の間で木材の長手方向へ移動させて端切りのための木材の一端の位置決めを行い、
(1−3)端切りのために位置決めされた木材を前記左右の切断部材の一方の切断部材を用いて端切りを実行し、
(1−4)続いて、前記キャリーを前記左右の切断部材の間で木材の長手方向へ移動させて全長切断のための木材の他端の位置決めを行い、
(1−5)全長切断のために位置決めされた木材を前記左右の切断部材の他方の切断部材を用いて全長切断を実行し、
(1−6)全長切断の完了した木材を、前記キャリーからアンクランプすると共に、当該木材の長手方向に対して直交する方向に横移動させて前記切断機の後方に取り出す様にしたこと
を特徴とする木材切断方法である。
(1−1)〜(1−6)の構成を備えた上述の木材切断方法によれば、木材は、基本的に前後方向に送られることによって切断機に取り込まれ、同じく前後方向に送られることによって切断機から取り出される。なお、ここで、前後方向とは、木材の長手方向に直交する方向である。また、左右方向とは木材の長手方向をいう。
また、上述の切断方法によれば、「左右方向に所定距離をあけて設置される左側の切断部材及び右側の切断部材と、前記左右の切断部材の間に設置され、該左右の切断部材間を左右動可能で木材クランパを有するキャリーと、を備えた切断機」を用いるという構成を採用したので、木材の左側の切断を左側の切断部材で行い、木材の右側の切断を右側の切断部材で行うことができる。従って、例えば、左右の切断部材の間隔を3間(4.8m)とし、6m長さの木材を全長5.5mに切断する場合、当該6m材の中心を切断機の中心に合わせて投入すると、端切りのために木材を長手方向に数10cm移動させて木材の端部が端切り位置を若干越えた位置へセットして端切りを行った後、先ほどとは反対方向へ70cm移動させて反対側を切断すれば全長5.5mの構造材とすることができる。従って、従来の切断装置では、端切りの後で木材を長手方向へ5.5m移動させて全長切断をしていたのに比べると、木材の移動距離が極めて短く、加工時間を短縮することができる。
この結果、上述の木材切断方法によれば、切断機の左右ではなく前後方向に搬送装置を設置することができ、切断装置の設備長さを短くすることができる。また、前後方向への送材で木材の送り、取り込み、取り出しを実行するので、木材が長いものであろうと短いものであろうと同じ送り時間で切断機へ送り込み、同じ送り時間で切断機から取り出すことができ、最低移動距離は前後に起因するだけなので、送り込みから取り出しまでの時間短縮が図れる。しかも、切断機での切断の際にも、左右に所定間隔をあけて2以上の切断部材を配置したので、端切り及び全長切断の際の木材移動時間も短くなる。よって、木材の加工時間を短縮することができる。
また、第2の目的において実施しようとする木材切断方法は、左右方向に所定距離をあけて設置される左側の切断部材及び右側の切断部材と、前記左右の切断部材の間に設置され、該左右の切断部材間を左右動可能で木材クランパを有するキャリーと、を備えた切断機を用いて、木材を、その両端を切断することによって木造住宅用の構造材としての所定の長さに加工するための木材の切断方法であって、
(2−1)木材を、前記切断機の前方から木材の長手方向に対して直交する方向に横移動させる様に持ち上げつつ横転させて前記キャリーにクランプさせ、
(2−2)該木材をクランプした前記キャリーを、前記左右の切断部材の間で木材の長手方向へ移動させて端切りのための木材の一端の位置決めを行い、
(2−3)端切りのために位置決めされた木材を前記左右の切断部材の一方の切断部材を用いて端切りを実行し、
(2−4)続いて、前記キャリーを前記左右の切断部材の間で木材の長手方向へ移動させて全長切断のための木材の他端の位置決めを行い、
(2−5)全長切断のために位置決めされた木材を前記左右の切断部材の他方の切断部材を用いて全長切断を実行し、
(2−6)全長切断の完了した木材を、前記キャリーからアンクランプすると共に、当該木材の長手方向に対して直交する方向に横移動させる様に持ち上げつつ横転させて前記切断機の後方に取り出す様にしたこと
を特徴とする。
この(2−1)〜(2−6)の構成を備えた上述の木材切断方法でも、木材は、基本的に前後方向に送られることによって切断機に取り込まれ、同じく前後方向に送られることによって切断機から取り出される。また、切断機における端切り及び全長切断のための木材の移動距離も短い。よって、木材の移動に要する時間を短縮でき、その結果として加工時間の短縮を達成することができる。また、設備構成を左右に長いものとせずに済む。
また、この切断方法では、切断機への木材送り込みにおいて、(2−1)「木材を、前記切断機の前方から木材の長手方向に対して直交する方向に横移動させる様に持ち上げつつ横転させて前記キャリーにクランプさせ、」という構成を採用したので、作業者が投入のために木材を準備する位置を低くすることができる。よって、木材を高く持ち上げてセットしなくてもよいので、作業者の負担を軽減し、作業性を向上させることができる。
ここで、上記第1の目的において実施しようとする木材切断方法は、以下の木材送材方法により実現される。この木材送材方法は、
木材を、その両端を切断することによって木造住宅用の構造材としての所定の長さに加工する際の木材の送材方法であって、
(3−1)木材を前後方向に移動させて切断機へ送り込み、
(3−2)その後、該木材を長手方向へ移動させて端切り及び全長切断のための位置決めを行い、
(3−3)全長切断の完了した木材を、再び前後方向へ移動させて前記切断機から取り出す様にしたこと
を特徴とする。
この(3−1)〜(3−3)の構成を備えた木材送材方法によれば、上述の各切断方法で説明したの同じ様に、木材は、基本的に前後方向に送られることによって切断機に取り込まれ、同じく前後方向に送られることによって切断機から取り出される。よって、木材を切断機に送り込み、切断機から取り出すための木材の移動距離を短くし、送材のための機器も切断機の前後方向に設置すればよいので、切断装置の設備長さを短くすることができる。
また、上記第2の目的において実施しようとする木材切断方法は、以下の木材送材方法により実現される。この木材送材方法は、
木材を、その両端を切断することによって木造住宅用の構造材としての所定の長さに加工する際の木材の送材方法であって、
(4−1)木材を前後方向に移動させつつ持ち上げると共に横転させて切断機へ送り込み、
(4−2)その後、該木材を長手方向へ移動させて端切り及び全長切断のための位置決めを行い、
(4−3)全長切断の完了した木材を、再び前後方向へ移動させつつ旋回させて前記切断機から取り出す様にしたこと
を特徴とする。
この(4−1)〜(4−3)の構成を備えた木材送材方法によれば、上述の(3−1)〜(3−3)の構成を備えた送材方法と同様の作用・効果を発揮すると共に、さらに、切断機への取り込みに際して持ち上げ方式を採用したことで、作業者による木材準備位置を低くすることで、作業性向上にも寄与することができる。
そして、本発明の第1の目的を達成するためになされた木材切断装置は、
木材を、その両端を切断することによって木造住宅用の構造材としての所定の長さに加工するための装置であって、以下の構成を備えたことを特徴とする。
(5−1)左右方向に所定距離をあけて設置される左側の切断部材及び右側の切断部材と、前記左右の切断部材の間に設置され、該左右の切断部材間を左右動可能で木材クランパを有するキャリーとを備えた切断機。
(5−2)前記切断機の後方位置に設置され、木材を加工設備の下流側に取り出す木材取り出し部。
(5−3)前記切断機の前方位置に設置され、木材の長手方向を設備の左右方向として載置することができると共に、該木材を前後方向に移送することのできる木材送り込み装置。
(5−4)前記木材送り込み装置の後方かつ前記切断機の前方となる位置に設置され、前記木材送り込み装置から後方へ移送されてきた木材を前記キャリーへと取り込む木材取り込み装置。
(5−5)前記キャリーに保持されている木材を、左右方向に伸びたままの状態で木材取り出し部に受け渡す木材取り出し装置。
(6−1)前記キャリーが木材を保持固定して左右動する際に、該キャリーの位置を検出するキャリー位置検出装置を備えていること。
(6−2)前記キャリー位置検出装置の検出結果に基づいて、前記切断機による端切り及び全長切断を実施する際の前記キャリーの停止位置を位置決め制御する切断位置制御装置を備えていること。
(5−1)〜(5−5)の構成から明らかな通り、本発明の木材切断装置では、「木材送り込み装置」、「木材取り込み装置」、「切断機」、「木材取り出し装置」、「木材取り出し部」を前後方向に配置するので、切断装置の長さを短くすることができる。これにより、工場レイアウトにおいて、長さに関する制約をなくすることができる。
また、この木材切断装置によれば、切断機に投入する際の木材の移動方向は、前後方向であり、切断機から取り出す際の木材の移動方向も前後方向である。従って、前後方向に配置される機器は、いずれも左右に伸びた状態で木材を載置・保持等すればよいので、前後方向の長さ自体をそれほど大きくする必要がない。よって、切断装置の占有面積を小さくすることができる。
さらに、この木材切断装置によれば、切断機投入時の木材の移動方向が基本的に前後方向であり、切断機において、左右方向に所定間隔をあけて設置した2以上の切断部材間をキャリーによって長手方向に木材を移動させて端切り位置及び全長切断位置を位置決めする構成なので、本発明の木材切断方法について述べたのと同様に、端切り後全長切断位置を決めるための木材の移動距離が短い。よって、木材投入から切断、取り出しまでの加工時間を短縮することができる。この結果、第1の目的を達成する木材切断方法を実現することができる。
なお、(5−6)キャリーの位置を検出するキャリー位置検出装置(例えば、エンコーダ等)を取り付けておき、キャリーの移動位置から、端切り後の全長切断位置を決める様にしておくとよい。端切り位置については、例えば、端切り用の切断部材の外側にストッパを設けるなどして位置決めする方法を採用することもできる。
また、本発明の木材切断装置においては、(6−1)及び(6−2)を備えることで、投入された木材に対して、端切り位置及び全長切断位置を、残材をできるだけ長く残す様に決定することができる。従って、長い残材は、当該残材によって切り取ることのできる構造材に再利用することができる。また、投入する木材を全長に対して大きな余裕を持ったものとしなくてもよい。よって、材料の無駄をなくすことができる。
なお、キャリー位置検出装置に加えて、端切り用の切断部材の外側に木材の通過を検知するセンサを設置するとよい。このセンサで木材の通過状況を検知しつつ、キャリー位置検出センサでキャリーの移動状況を検出することで、端切り位置を正確に決定できるからである。もちろん、端切り位置は固定式のストッパ等を備えておいて決定することもできる。しかし、この場合、当該切断装置の切断部材の間隔によって切断可能な構造材の最大全長が決まってしまう。これに対し、ストッパではなく通過を検出するセンサを設けることで、切断部材の間隔よりも長い構造材に切断しなければならないときは、端切り後に、端切り用の切断部材の切断位置の外側に向かって木材を移動させて全長切断を実行することができるので、切断機の左右方向の長さを大きくしなくても切断可能な最大長さを大きくすることができる。また、全長切断用の切断部材の外側にも同様のセンサを設置するとよい。全長切断の位置決めはキャリーの移動距離によって決定可能であるが、投入された木材が十分な長さを有していることを念のため確認するのに便利だからである。これにより、誤って予定された全長よりも短い木材を下流の加工機等へ取り出すといったトラブルを防止することができる。また、木材位置検出装置としては、上述した様なキャリー位置検出装置(5−6)をも設けるとよい。
ここで、この本発明の木材切断装置においては、さらに以下の構成をも備えるとよい。
(7−1)前記切断機は、前記切断部材の内、端切りのための切断部材の外側に、端切り時に発生する端材を排出する端材排出装置を備えていること。
(7−2)前記切断機は、前記切断部材の内、全長切断のための切断部材の外側に、全長切断時に発生する残材を排出する残材排出装置を備えていること。
(7−3)前記キャリー、端材排出装置及び残材排出装置は、それぞれ後方に下り傾斜したテーブル面を有し、各テーブル面は、ほぼ一つの平面を形成する様に、傾斜角及び高さが合わされていること。
(7−1)〜(7−3)の構成をも備えた木材切断装置によれば、端切りによって発生する端材は、端切りを行った切断部材の外側に設置された端材排出装置のテーブル面の傾斜によって後方へ滑り落ちて自動的に排出される。また、全長切断の結果発生する残材も、全長切断を行った切断部材の外側に設置された残材排出装置のテーブル面の傾斜によって後方へ滑り落ちて自動的に排出される。従って、全長切断完了後の残材排出に要する時間を短くすることができ、次に加工すべき木材の投入待ち時間を短縮することができる。また、キャリー、端材排出装置及び残材排出装置のテーブル面は、ほぼ一つの平面を形成する様に、傾斜角及び高さが合わされているので、木材の長手方向の移動がスムーズに行われると共に、木材が長い場合にはキャリー、端材排出装置及び残材排出装置の各テーブル面で支持されるので、木材が安定する。
また、この(7−1)〜(7−3)をも備えた本発明の木材切断装置においては、前記残材排出装置(7−2)が、さらに以下の構成を備えたものとするとよい。
(8−1)前記テーブル面に出没可能に備えられ、前記キャリーによって左右動される木材を支持し得る支持部材を備えていること。
(8−1)の構成をも備えたので、残材排出前は支持部材を突出させておくことにより、全長切断時に残材となる部分を支持部材で支えた状態で切断を行うことができる。従って、上述の様な自動排出機構を採用したにも拘わらず、全長切断が完了するまでは残材部分も支えられた状態を維持することができる。よって、全長切断によって形成される切断面をきれいな仕上がり状態とすることができる。そして、全長切断完了後に支持部材を没入させることで、上述した様な傾斜を利用した残材の自動排出を実行できる。なお、端材は通常、極短いので、この様な支持部材がなくても切断面の仕上がりに影響を与えることはない。
ここで、(8−2)前記支持部材は、複数のローラによって構成しておくとよい。複数のローラによって構成することで、各種長さの木材について、全長切断時に残材部分を支持することができると共に、長い木材をキャリーで長手方向に移動させるときの摩擦抵抗を小さくでき、スムーズな移動を実現することができる。また、前述した木材位置検出装置(6−1)としては、端材排出装置(7−1)や残材排出装置(7−2)のテーブル面に開口を設け、当該開口上を木材が通過したか否かを検出することのできる光学式センサ等を用いるとよい。
また、本発明の木材切断装置においては、さらに以下の構成をも備えるとよい。
(9−1)前記キャリーに投入される木材の長さを検知する木材長さ検知装置を備えていること。
(9−2)前記キャリーを複数台備えていること。
(9−3)前記木材長さ検知装置による木材長さの検知結果に基づいて、前記複数台のキャリーの木材受け取り時の待機位置を位置決め制御するキャリー待機位置制御装置を備えていること。
(9−1)〜(9−3)の構成をも備えることで、切断機に投入される木材が短いものであっても長いものであっても、キャリーによって的確にこれを受け止めることができる。即ち、木材検知装置によって長い木材と検知されたときは、キャリーの間隔を広めにして待機させることで、木材をバランスを崩すことなく受け止めることができる。逆に、木材の長さが短いと検知されたときは、キャリーの間隔を狭めて待機させることで、短い木材を受け止め損ねるということがない。
なお、木材長さ検知装置は、センサを用いて検出した信号に基づいて木材長さを検知する装置として構成してもよいが、CAD/CAMデータから投入される木材の長さを検知する様にしても構わない。ここで、センサによる長さ検知を実行することは、木材投入の際に作業者が木材送り込み装置にセットする際に木材の長さ中心が機器の中心からずれていても、的確に待機位置を制御することができるからである。なお、より望ましくは、CAD/CAMデータに基づく長さ検知に加えて、センサによる長さ検知も併せて実行する様にするとよい。CAD/CAMデータによる検知も併用することで、木材投入順序が間違っていないことを確認することができるからである。
また、本発明の木材切断装置においては、さらに以下の構成をも備えるとよい。
(10−1)前記木材取り込み装置は、前記木材送り込み装置から送り込まれた木材を掬い上げつつ上方へ移動させ、当該装置の頂上部を越えて移動させる際に、木材を横転させつつ後方へ滑り落として前記キャリーに取り込む装置として構成されていること。
(10−2)前記木材取り出し装置は、前記キャリーに保持されている木材を、旋回動作によって掬い上げつつ旋回させて前記木材取り出し部の上方まで移動させた後、下降動作によって該木材取り出し部上に受け渡す動作を行う装置として構成されていること。
(10−3)前記木材取り込み装置による横転及び木材取り出し装置による旋回により、前記木材が、前記木材送り込み装置に載置したときの上面が下面となって前記木材取り出し部へと載置される様に構成されていること。
この(10−1)〜(10−3)の構成をも備える装置を用いれば、上述した第2の目的も達成可能となる。即ち、木材取り込み装置は木材を掬い上げて上方へ移動させる構成となっているので、その前に設置される木材送り込み装置の木材載置面は低く設定することができる。よって、作業者が木材を準備する際に、木材を高い位置まで持ち上げなくてよく、作業性が向上する。また、作業性がよいので、木材の中心を切断機の中心に合わせて準備することも容易である。
この(10−1)〜(10−3)の構成をも備えた木材切断装置によれば、木材は、投入時と上下反転した状態で木材取り出し部に載置される。従って、最初に木材を準備するときは、建築時の構造材の上面を上にして木材送り込み装置に載置することができる。従って、作業者にとって感覚的に理解し易い。つまり、作業者は、木材の曲がり、反り、節の有無や位置などから判断される住宅部材としての使い勝手の向きに従って木材をセットすればよいので、感覚的に理解し易いのである。また、木材に書く仮の部材番号もこの建築時の使い勝手に合わせて建築時の上面側に書くことができるので、作業者にとって違和感なく作業を実行することができる。
ここで、本発明の木材切断装置においては、前記木材取り込み装置(5−4)を、以下の様に構成するとよい。
(11−1)所定距離をあけて設置される複数のフレームを備えていること。
(11−2)前記各フレームに沿って回転する無限軌道部材を備えていること。
(11−3)前記各無限軌道部材に、左右方向1列に並ぶ位置に取り付けられているドグを備えていること。
(11−4)前記無限軌道部材は、前記ドグを、前記木材送り込み装置の木材載置面よりも下方位置を通過可能な軌道を有すること。
(11−5)前記各フレームの高さ方向の途中の位置に設置され、少なくとも、木材が、外側のフレームよりもさらに外側にはみ出しているか否かを検出することのできる木材検出センサを備えていること。
(11−6)前記各フレームの頂上部付近に設けられ、前記無限軌道部材の頂上部の軌道半径とほぼ同一半径の円弧部と、前記キャリーのテーブル面とほぼ同一角度の傾斜角で前記円弧部に連続する傾斜部とを有する滑り台装置を備えていること。
木材取り込み装置(5−4)を(11−1)〜(11−6)の構成を備えるものとすることにより、木材取り込み装置で木材をキャリーに取り込む際の持ち上げ動作の最中に木材のセットされた状況を検出でき、キャリーの待機位置を正しく決定することができる。また、木材を自動的に横転させ、重量を利用してキャリーに受け渡すことができる。
また、本発明の木材切断装置においては、前記木材取り込み部(5−2)を複数の送り部材を間隔をおいて備えた装置(例えば、ローラコンベア)として構成し、前記木材取り出し装置(5−5)を、以下の様に構成するとよい。
(12−1)所定距離をあけて設置され、前記木材取り出し部を構成する前記複数の送り部材の間に直立した直立位置と前記キャリー側へ倒れた傾斜位置との間で旋回することのできる複数の旋回アームを備えていること。
(12−2)前記旋回アームの先端に伸縮可能に設けられ、先端に取り付けた受け台を前記旋回アームが前記傾斜位置に倒れた状態のときに前記キャリーに保持された木材の下方を通って伸長させることのできる伸縮アームを備えていること。
(12−3)前記切断機の切断終了時には前記旋回アームを前記キャリー側へ旋回させた状態としておき、該切断機による切断が終了し、かつ、前記キャリーが取り出し位置に位置決めされた後に前記伸縮アームを伸長させ、その後、前記旋回アームを前記木材取り出し部側へと旋回させて直立させた後、前記伸縮アームを縮めて木材の取り出しを実行すると取り出し制御装置を備えていること。
(12−4)前記取り出し制御装置による前記伸縮アームの伸長動作の前に、前記キャリーを、該伸縮アームと干渉しない位置へと移動させる非干渉位置移動制御装置を備えていること。
この様に旋回アームによって旋回させながら木材を木材取り出し部に受け渡すことにより、上述した様に最初に作業者がセットした状態と上下反転した状態で木材取り出し部上に木材を載置することができる。従って、全長切断後の木材は、加工上の基準面である建築時の上面を下にした倒立状態で下流の加工機へと搬送されるので、以後の加工における基準は、従来のプレカット加工設備における基準と全く同じである。また、キャリーは木材の長さによってバランス安定する位置で木材を保持するので、全長切断完了時の位置は一定ではない。そこで、非干渉位置移動制御装置が木材取り出し装置の伸縮アームの伸縮動作の際に伸縮アームと干渉しない位置へと移動させる。また、旋回アームを複数設けることで、長さが種々の木材を確実に掬い上げて木材取り出し部へと受け渡すことができる。
本願各発明によれば、切断作業における加工時間を短縮することができると共に、切断装置の設備長さを短くすることができる。
また、さらなる構成を加えた発明によれば、加工時間を短縮することができ、かつ、切断装置の設備長さを短くすることができると共に、さらに、作業性の向上をも達成することができる。
実施形態の木材切断装置の平面図である。 実施形態の木材切断装置の正面図である。 実施形態の木材切断装置の右側面図である。 実施形態の木材切断装置の左側面図である。 実施形態におけるチェーンスラッシャを示し、(A)は平面図、(B)は正面図、(C)は側面図である。 実施形態における取り込みコンベアを示し、(A)は平面図、(B)は正面図、(C)は側面図である。 実施形態におけるキャリーを示し、(A)は内部の機構を示した側面図、(B)は側面図である。 実施形態におけるキャリーを示し、(A)は平面図、(B)は底面図、(C)は正面図、(D)は背面図である。 実施形態における左丸鋸軸部を示し、(A)は右側面図、(B)は丸鋸モータ部分についての正面側から見た断面図、(C)は正面図、(D)は左側面図、(E)は丸鋸モータ部分の左側面図、(F)は平面図である。 実施形態における右丸鋸軸部を示し、(A)は左側面図、(B)は丸鋸モータ部分についての正面側から見た断面図、(C)は正面図、(D)は右側面図、(E)は丸鋸モータ部分の右側面図、(F)は平面図である。 実施形態における取り出し装置を示し、(A)は平面図、(B)は正面図、(C)は側面図である。 実施形態における取り出し装置の旋回アームの側面図である。 実施形態における制御系統のブロック図である。 実施形態における木材取り込み動作を示す説明図である。 実施形態における木材取り込み動作を示す説明図である。 実施形態におけるキャリーの待機位置の例を示す説明図である。 実施形態における短い木材の切断動作の説明図である。 実施形態における短い木材の切断動作の説明図である。 実施形態における丸鋸軸間よりも長い木材の切断動作の説明図である。 実施形態における丸鋸軸間よりも長い木材の切断動作の説明図である。 実施形態における木材取り出し動作の説明図である。
以下、本発明の実施形態について、図1〜図21を参照しつつ説明する。図1に示す様に、この木材切断装置1は、チェーンスラッシャ100と、取り込みコンベア200と、キャリーガイド部300と、左右のキャリー400L、400Rと、左丸鋸軸部500と、右丸鋸軸部600と、端材受け部700と、残材受け部800と、取り出し部900とを備えている。
チェーンスラッシャ100は、図1〜図5に示す様に、切断装置1の正面中央に設置される。チェーンスラッシャ100は、図5に示す様に、フレーム101と、チェーン102と、チェーンホイール103と、ギヤモータ104とから構成されている。
このチェーンスラッシャ100は、切断装置1に投入する加工材を載置し、後方の取り込みコンベア200へと送り込むための装置であり、チェーン102の上面にて水平な載置面を構成する。チェーン102の上に載置された加工材Wは、ギヤモータ104の回転動作によってチェーン102がフレーム101の上を前後方向に走行することで、取り込みコンベア200へと送り込まれる。
取り込みコンベア200は、図1〜図4及び図6に示す様に、チェーンスラッシャ100の直後に設置され、フレームレール201と、下チェーンホイール202と、上チェーンホイール203と、チェーン204と、ドグ205と、ギヤモータ206と、加工材長さ検出センサ207と、受け渡し台208とから構成されている。
図6に示す様に、フレームレール201は、幅方向に4列設置されている。4列の内の中央の2列のフレームレール201の間隔は、本実施形態の木材切断装置1によって切断することが予定される最小長さの加工材を取り込むことができる様な間隔とされている。また、外側の2列のフレームレール201の間隔は、本実施形態の木材切断装置1によって切断することが予定される最大長さの加工材を安定した状態で取り込むことができる様な間隔とされている。
上下のチェーンホイール202,203は、各フレームレール201の上下に取り付けられている。なお、上チェーンホイール203は、4個が1本の上ホイール軸211によって一連に取り付けられている。一方、下ホイール202は、左側の2個の下ホイール202と、右側の2個の下ホイール202とがそれぞれ各一対となる様に、2本の下ホイール軸212,212の両端に取り付けられている。
ドグ205は、全部で12個あり、4本のチェーンホイール204のそれぞれに各3個が取り付けられている。このドグ205は、チェーンスラッシャ100から送り込まれる加工材Wを掬い上げて後方の左右キャリー400L,400Rへ受け渡す役割を果たしている。このため、12個のドグ205は、4個ずつが側面から見たときに一列になってそれぞれ加工材を載置するための面を形成する様に、チェーン204に取り付けられている。また、各チェーン204毎の各3個のドグ205の取付位置は、チェーン204の展開長さをほぼ三分する様な位置関係となっている。
ギヤモータ206は、上ホイール軸211を回転駆動する役割を果たす様に取り付けられている。このギヤモータ206を駆動することにより、上ホイール軸211が回転し、これに伴ってチェーン204が回転し、ドグ205による加工材W1の掬い上げ動作が実行される。
加工材長さ検出センサ207は、図6(B)に示す様に、フレームレール201の高さの約2/3程度の高さの位置に、一列に並ぶ様に7個設置されている。長さ検出センサ207の幅方向の設置位置は、左端のフレームレール201の左側に2個、右端のフレームレール201の右側に2個、中央の2個のフレームレール201の間に3個となっている。この加工材長さ検出センサ207の検出信号は、後述する様に、左右のキャリー400L,400Rの位置制御を実行する際に利用される。
受け渡し台208は、図6(C)に示す様に、上チェーンホイール203の外形とほぼ一致した円弧状の部分208aと、その円弧状の部分208aから接線方向に伸びる直線部分208bとを有する。受け渡し台208は、ドグ205によってフレームレール201の上端部まで持ち上げられた加工材W1を後方へと滑り落とす滑り台として機能する。なお、その直線部分208bは、後述する左右のキャリー400L,400Rのテーブル402の傾斜角度と一致している。
取り込みコンベア200においては、図6に示す様に、ドグ205はチェーンスラッシャ100のチェーン102より下の位置で待機する。そして、チェーンスラッシャ100から加工材Wが送り込まれてきて、チェーンスラッシャのチェーン102と取り込みコンベアのチェーン204との間に支えられた状態になった後、ギヤモータ206を回転させてチェーン204を走行させることにより、ドグ205を上昇させ、チェーン102,204間に支えられている加工材Wをドグ205で掬い上げる。
ドグ205によって掬い上げられた加工材Wは、チェーン204の回転に伴って上昇し、上チェーンホイール203の頂点域で受け渡し台208の上を滑り落ち、左右のキャリー400L,400Rに対して滑り込む様にして受け取られる。この上昇の途中で、加工材長さ検出センサ207によって加工材Wの長さを確認する。なお、取り込みコンベア200は、この上昇動作の途中で加工材の高さ及び幅も検出することができる。加工材の高さは、上昇動作中に、加工材長さ検出センサ207の位置で加工材を昇降させてその上端と下端を検出する間の昇降距離によって検出することができる。加工材の幅は、図6では省略したが、中央の加工材長さ検出センサ207の近傍に、エアシリンダによって駆動される爪を備えた幅検出センサが設置してあり、長さ及び高さの検出動作の後に、加工材を加工材長さ検出センサ207の設置位置近傍に停止させ、エアシリンダを駆動して爪を加工材の外側の面に当接させることによって幅を検出することができる様になっている。これら加工材の高さ及び幅は、切断に関する動作とは直接的には関連しないが、加工材の投入順序がCADデータと整合しているかを確認する等の演算処理に利用される。
キャリーガイド部300は、図1,図7(A)に示す様に、フレーム301と、左右動ガイドレール302と、ラックギヤ303とから構成されている。
フレーム301は、図1に示す様に、左丸鋸軸部500から右丸鋸軸部600まで伸びる直線状のもので、左右のキャリー400L,400Rを幅方向に移動させるための固定ベースとして機能する。
左右動ガイドレール302,302は、図7(A)に示す様に、この固定ベースとして機能するフレーム301の上面に設置されている。
ラックギヤ303は、フレーム301の背面上部に固定されている。
左右のキャリー400L,400Rは、図1,図7,図8に示す様に、本体401と、テーブル402と、リニアベアリング403と、サーボモータ404と、ピニオンギヤ405と、定規406と、クランプ用空圧シリンダ407と、クランプ体回転用空圧シリンダ408と、クランプ体409とから構成されている。
本体401は、ベース401aと、ベース401aの左右に立設された側壁401bとを備えている。
テーブル402は、帯状の板材によって構成され、本体401の側壁401b,401bの上端に固定されている。このテーブル402は、キャリー400L,400Rにおける加工材の載置面をなし、後方に向かって下がる傾斜面を形成している。
リニアベアリング403は、図7(A),(B)に示す様に、本体401の下部に、キャリーガイド部300の左右ガイドレール302にガイドされる様に取り付けられている。
サーボモータ404は、図7(A)に示す様に、本体401の下部後方に、ブラケット404aを介し、モータ軸を前方に向けた状態で固定されている。
ピニオンギヤ405は、図7(A)に示す様に、サーボモータ404のモータ軸に取り付けられ、キャリーガイド部300のラックギヤ303と噛み合っている。
定規406は、図7(A),(B)に示す様に、テーブル402の後端に、テーブル面と直角をなす様に取り付けられている。この定規406は、テーブル402上を滑り落ちてきた加工材の位置決め部材の役割を果たしている。
クランプ用空圧シリンダ407は、図8(C),(D)に示す様に、ベース401aと側壁401bとによって形成される空間内に設置されている。
クランプ体回転用空圧シリンダ408は、図7(A)に示す様に、クランプ用空圧シリンダ407によって前後動可能に取り付けられている。
クランプ体409は、図8(C)に示す様に、クランプ体回転用空圧シリンダ408によって回転される様に取り付けられている。
左右のキャリー400L,400Rは、それぞれのサーボモータ404を駆動することにより、それぞれ、キャリーガイド部300のフレーム301の上面に取り付けられた左右動ガイドレール302に沿って、左丸鋸軸部500と右丸鋸軸部600の間を左右動する。
クランプ体409は、クランプ体回転用空圧シリンダ408を駆動することにより、テーブル402の上面に対する没入位置と突出位置の間で出没する。そして、クランプ用空圧シリンダ407により、テーブル面に沿って前後動し、クランプ/アンクランプ動作を実行する。左右のキャリー400L,400Rは、相互シンクロ左右動作又は単独左右動作を行うことができる様に構成されている。
左右のキャリー400L,400Rは、加工材を載置していない空の状態で左右動することができると共に、加工材Wをクランプした状態及び単に載置した状態でも左右動することができる。この左右動によって、左右のキャリー400L,400Rは、各工程前の自身の待機位置、加工材Wの受け取り位置、加工材Wの端切り位置、加工材Wの全長切断位置、加工材Wの取り出し位置などの各種位置決めのための動作を実行する。
左丸鋸軸部500は、図9に示す様に、本体501と、前後動ガイドレール502と、チェーンホイール503と、チェーン504と、ギヤモータ505と、ベース506と、リニアベアリング507と、丸鋸モータ508と、丸鋸509とから構成されている。
本体501は、キャリーガイド部300のフレーム301の左端部に設置されている。本体501の上面は、キャリー400のテーブル面と同一角度の傾斜面を形成している。
前後動ガイドレ−ル502,502は、本体501の上面の左右端部に取り付けられている。
本体501の左側面には、図9(D)に示す様に、3個のチェーンホイール503が取り付けられ、チェーン504が掛け渡されている。このチェーン504は、ギヤモータ505によって駆動される。また、チェーン504には、ベース506が連結されている。このベース506には、丸鋸509を取り付ける丸鋸モータ508が載置されている。
ベース506の下面には、図9(B)に示す様に、リニアベアリング507が、本体501上面の前後動ガイドレール502にガイドされる様に取り付けられている。
この左丸鋸軸部500による切断動作は、丸鋸モータ508を回転駆動することによって丸鋸509を回転させた状態にし、ギヤモータ505を駆動してチェーン504を回転させることでベース506を前後動させることによってなされる。この動作により、左丸鋸軸部500は、加工材Wの左端部の端切りを行う。
右丸鋸軸部600は、図10に示す様に、本体601と、前後動ガイドレール602と、チェーンホイール603と、チェーン604と、ギヤモータ605と、ベース606と、リニアベアリング607と、丸鋸モータ608と、丸鋸609とから構成され、左丸鋸軸部500と対象の構造となっている。
この右丸鋸軸部600は、加工材Wの全長切断を実行する。なお、機構的には、左丸鋸軸部500と同じである。
端材受け部700は、図1,図2及び図4に示す様に、端材受け台701と、端切り位置検出センサ702とから構成されている。
端材受け台701は、図4に示す様に、左丸鋸軸部500等と同じ角度で、後方に下がる様に傾斜している。端切り位置検出センサ702は、図1に示す様に、左丸鋸軸部500の丸鋸509の通過位置(切断位置)よりやや左に取り付けてある。
端切り位置検出センサ702は、加工材Wの先端を検出するために設けられている。この検出信号に基づいて、左右のキャリー400L,400Rは加工材Wの端切り位置を決める。
端材受け部700自体は、加工材Wの端切り部分を端材受け台701で受け、その傾斜面によって後方へすべり落として排出する役割を持っている。
残材受け部800は、図1〜図3に示す様に、残材受け台801と、ローラ802と、木材検知センサ803とから構成されている。
残材受け台801は、図1に示す様に、右丸鋸軸部600の丸鋸609の通過位置(切断位置)よりやや右に取り付けてある。
ローラ802は、全部で3個が、一直線に並ぶ様に設置されている。このローラ802は、エアシリンダによって出没動作される。
木材検知センサ803は、加工材Wを検出し、キャリー400L,400Rが移動して全長切断位置を位置決め完了した時に、加工材長さが不足していないことを確認する。ローラ802は、切断完了前は、エアシリンダによって突出位置に移動され、加工材Wの右端部を受ける。そして、切断完了後は、エアシリンダによって没入位置へ移動され、加工材Wの残材部分を、残材受け台801の傾斜に沿って後方にすべり落として排出する。
取り出し部900は、図11に示す様に、本体901と、フレーム902と、旋回軸903と、旋回アーム904と、ギヤモータ905と、伸縮アーム906と、エアシリンダ907と、取り出しコンベアローラ908とから構成されている。なお、取り出し部900の内、旋回アーム904及び伸縮アーム906が本発明の木材取り出し装置に相当し、取り出しコンベアローラが本発明の木材取り出し部に相当する。
本体901は、キャリーガイド部300の後方に所定距離離れて立設され、取り出しコンベアローラ908のベースとして機能する。
本体901の下部には前方に伸びる様に、3本のフレーム902が固定されている。
この3本のフレーム902を貫通する様に、旋回軸903が設置されている。この旋回軸903には、各フレーム902の位置において、それぞれ旋回アーム904が固定されている。
旋回アーム904は、ギヤモータ905による旋回軸903の回転動作によって旋回動作を実行する。旋回アーム904は、図11(C)に示す傾斜した状態から、本体901側へ旋回した垂直状態の位置までを動作範囲とする。傾斜した状態は、左右のキャリー400L,400Rのテーブル面とほぼ一致している。
伸縮アーム906は、図12に示す様に、旋回アーム904内に取り付けられたレール904a及び伸縮アーム906に取り付けられたリニアベアリング906aにガイドされて伸縮動作可能にされている。この伸縮アーム906の伸縮動作は、エアシリンダ907によって制御される。伸縮アーム906の先端には、加工材Wを掬い上げることができる様に、断面L字型の受け906bが取り付けられている。
取り出しコンベアローラ908は、図11(A),(B)に示す様に、旋回アーム904と干渉しない位置に所定間隔をあけて多数設置されている。取り出しローラコンベア908の上面は同一高さとされ、水平な搬送面を構成する。
取り出し部900は、旋回アーム904が傾斜し、伸縮アーム906が縮んだ状態で待機している。加工材Wに対する全長切断が完了した後、エアシリンダ907を駆動して伸縮アーム906を伸長させ、受け906bを加工材Wの下部へ入り込ませる。次に、ギヤモータ905を駆動して、旋回アーム904を傾斜位置から垂直位置まで後方に旋回させる。この旋回アーム904の旋回動作の間に、受け906bが加工材Wを掬い上げる。そして、旋回アーム904が傾斜状態から垂直状態まで旋回し終えると、受け906bに掬い上げられた加工材Wは、取り出しコンベアローラ908の上方に移動された状態となる。こうして旋回動作が完了したら、エアシリンダ907を縮み方向に駆動し、伸縮アーム906は縮んだ状態にする。この縮み動作の間に、加工材Wは、取り出しローラコンベア908に受け渡される。こうして、加工材Wの取り出しが完了したら、ギヤモータ905を逆方向に回転させて、旋回アーム904を待機位置に復帰させる。
以上の動作により、加工材Wは、左右のキャリー400L,400Rから上下反転しながら取り出され、取り出しローラコンベア908上に倒立状態(建築時の上面を下に向けた状態)で載置される。
次に、本実施形態の木材切断装置1の制御系統について説明する。木材切断装置1は、図13に示す様に、前述したチェーンスラッシャ100のギヤモータ104と、取り込みコンベア200のギヤモータ206と、左右のキャリー400L,400Rのサーボモータ404L,404R、クランプ用空圧シリンダ407L,407R及びクランプ体回転用空圧シリンダ408L,408Rと、左丸鋸軸部500のギヤモータ505及び丸鋸モータ508と、右丸鋸軸部600のギヤモータ605及び丸鋸モータ608と、残材受け部800のエアシリンダ802aと、取り出し部900のギヤモータ905、エアシリンダ907及び取り出しコンベアローラ908とを制御するメイン制御装置1000を備えている。
このメイン制御装置1000には、CAD/CAMデータ入力装置1001からCAD/CAMデータが入力されると共に、取り込みコンベア200の途中に設置されている加工材長さ検出センサ207、端材受け部700に設置された端切り位置検出センサ702、及び残材受け部800に設置された木材検知センサ803からの検出信号が入力されている。さらに、メイン制御装置1000には、左右のキャリー400L,400Rのサーボモータ404L,404Rに備えられているエンコーダ1004L,1004Rからの信号も入力される様に構成されている。また、機械図面には図示しなかったが、取り込みコンベア200の途中に設置された前後検出センサ1002からの検出信号も入力されている。
メイン制御装置1000には、その構造的な設計条件に基づき、左丸鋸軸500の切断線(端切り位置)を基準として、以下のデータが予め記憶されている。
(a)左キャリー400Lの基準位置
(b)右キャリー400Rの基準位置
(c)右丸鋸軸600の切断線の位置
(d)各旋回アーム904に備えられている伸縮アーム906の位置
(e)端切り位置検出センサ702の位置
また、メイン制御装置1000は、上記(a)(b)のデータと、左右キャリー400L,400Rのエンコーダ1004L,1004Rからの信号とにより、左右キャリー400L,400Rの現在位置を演算によって把握している。
また、位置制御に当たっては、上述のデータやエンコーダ信号の他に、
(f)CAD/CAMデータとしてインプットされた加工材の素材長さと切断長さ
(g)加工材長さ検出センサ207からの検出信号
(h)端切り位置検出センサ702からの検出信号
が使用される。
これらのデータや検出信号を用いて、メイン制御装置1000は、左右キャリー400L,400Rの位置制御を以下の条件に合致する様に実施する。
A.受け取り位置決定条件
(A1)受け取り位置は、加工材Wが長手方向でバランスを崩さない範囲にし、端切り位置決め及び全長切断位置決めのための移動ストロークを事前に確保する待機位置決めをする。
(A2)この条件を満たす様に、これから取り込まれる加工材Wについて加工材長さ検出センサ207による検出結果から判明する加工材長さに基づいて受け取り時の待機位置を決定する。
B.端切り位置決定条件
(B1)端切り位置は、左丸鋸軸500の切断線から左側にはみ出した加工材Wの左端との距離が、ユーザーが予め設定した端切り基準長さとなる様に決定する。この端切り基準長さは、ユーザーの入力によって所望の数値に調整することができる。
(B2)端切りの際の位置決めに当たっては、加工材Wを長手方向に移動させたときに、端切り位置検出センサ702の信号をONからOFFに変化させたとき、加工材Wの先端が左丸鋸軸の切断線から上記(e)だけ出ているという状態を利用する。
(B3)従って、この状態を検出した後のキャリー400の移動距離によって、設定された端切り基準長さに合致する位置に加工材Wの左端を位置決めする。
(B4)なお、上記(e)自体を端切り基準長さとする場合は、端切り位置検出センサ702の信号がONからOFFに変化した位置で停止させる。
C.全長切断位置決定条件
(C1)丸鋸軸間の距離よりも短い長さへの全長切断では、(丸鋸軸間距離)−(左キャリー400Lの右方向移動距離)=(全長)となる様に、左キャリー400Lを木材をクランプした状態で右方向に移動させる。なお、木材検知センサ803で加工材Wが右丸鋸軸部600による切断線を越える位置に存在していることの確認も併せて実行する。
(C2)丸鋸軸間の距離よりも長い長さへの全長切断では、(丸鋸軸間距離)+(右キャリー400Rの左方向移動距離)=(全長)となる様に、右キャリー400Rを木材をクランプした状態で左方向に移動させる。なお、木材検知センサ803で加工材Wが右丸鋸軸部600による切断線を越える位置に存在していることの確認も併せて実行する。
D.加工材取り出し時の位置制御条件
(D1)加工材取り出し時の位置決めは、取り出し部900の伸縮アーム906が出の状態になったときに干渉しない位置で、かつ伸縮アーム906で加工材を掬い上げたときに、加工材が長手方向でバランスを崩さない範囲の位置にする。
(D2)この位置決めには、(a)左キャリー400Lの基準位置、(b)右キャリー400Rの基準位置、(d)各旋回アーム904に備えられている伸縮アーム906の位置と、キャリーからのエンコーダ信号とを利用する。
以上の様な制御条件以外に、さらに、以下の制御条件も考慮して、各種移動制御を実行する。
E.左右の丸鋸軸500,600への衝突を避ける位置決めをする。
F.左右のキャリー400L,400R同士の衝突を避ける位置決めと速度制御をする。
G.切断時は左右の丸鋸軸500,600にできるだけ近い位置でクランプする位置決めをする。
I.掴み替え(左右交互のクランプ動作)回数をできるだけ少なくする。
次に、上述の様な制御条件に基づく、実施形態の木材切断装置1による木材加工動作について説明する。
1.加工材取り込み工程
(1)加工材Wを、正立状態(横架材において建築時の上面が上となる状態)、かつ、その長手方向の中央がチェーンスラッシャ100のほぼ中央となる様に、左右に伸びた状態でチェーンスラッシャ100上に載置する(図14(A)参照)。ここで、ほぼ中央となる様に木材を載置するのは、加工材取り込み工程において木材がバランスを崩したりしない様にするためである。
(2)チェーンスラッシャ100を駆動して加工材Wを後方に移送する。
(3)チェーンスラッシャ100は、加工材Wを取り込みコンベア200の下端部に当接する位置まで移送して停止する(図14(B)参照)。
(4)取り込みコンベア200を駆動する。
(5)取り込みコンベアのチェーン204に取り付けたドグ205が加工材Wを下方から掬い上げ、そのままフレームレール201に沿って上昇させる(図14(C)参照)。
(6)取り込みコンベア200による上昇の途中、加工材Wが加工材長さ検出センサ207の設置高さに至ると、加工材長さ検出センサ207の検出信号が変化し、加工材Wの長さが検知される。この場合、寸法として長さを検知するのではなく、取り込みコンベア200の全幅よりも長いか否か、取り込みコンベア200の中央に位置しているのか左右にずれているのかといった観点で加工材長さを検知する。
(7)取り込みコンベア200は、加工材長さ検出センサ207の信号が変化した後、再び初期状態の検出信号に復帰するまで上昇動作を続け、初期状態の検出信号に復帰した時点で停止する。この検出信号の変化から復帰までの間のチェーン204の昇降移動の距離が計測され、加工材Wの高さが計測される。
(8)取り込みコンベア200の停止状態において、図示を省略した前後検出センサが作動し、加工材Wの前面側に当接するための計測具を突出させる。
(9)取り込みコンベア200を下降動作させて加工材Wを前記計測具を没入方向に移動させたときに前面側に当接できる位置に移動する。
(10)前後検出センサの計測具を没入方向に移動させて加工材Wの前面側に当接させ、当接するまでの計測具の移動距離から材幅(前後距離)を計測する。
(11)材幅の計測が完了しても、先の加工材Wがキャリー400から取り出されていない場合は、取り込みコンベア200は停止したままで待機する。
(12)先の加工材Wがキャリー400から取り出されている場合は、取り込みコンベア200は加工材Wの送り動作(上昇動作)を再開する。
(13)この送り動作再開までの間に、左右のキャリー400L,400Rは、長さ検出結果に基づいて決定した加工材受け取り位置に移動して待機している。
(14)加工材Wは、この上昇動作によって取り込みコンベア200の頂上部に至り、横転しながら滑り台208の上を滑り落ちて、受け取り位置に待機した左右のキャリー400L,400Rのテーブル404上に滑り込んで受け止められる(図15(A),(B)参照)。
(15)こうして加工材Wの受け渡しが完了したら、チェーンスラッシャ100及び取り込みコンベア200は次の加工材Wの取り込み動作を開始する。
2.加工材受け取り後の左右キャリーの動作及び切断動作
2−1.左右の丸鋸軸間隔より加工材長さ及び切断全長が短い場合の動作例
(1)加工材長さ検出センサ207による加工材Wの長さ確認によって、左右のキャリー400L,400Rは、各々左右動し、加工材Wの長さ確認結果に応じた受け取り位置に待機する(図16(A),(B)参照)。
(2)取り込みコンベア200の頂上を越えて横転しながら滑り落ちてきた加工材Wは、左右のキャリー400L,400Rのテーブル404と定規408とに支えられた状態に受け止められる(図15(B)参照)。
(3)右キャリー400Rは、加工材Wをクランプした後(図15(C),図17(A)参照)、左に移動する。この動作と同時に左キャリー400Lはテーブル404と定規408上に加工材Wを載置した状態(クランプしていない)のままで左エンド(左丸鋸軸500直近)まで移動し停止する(図17(A)参照)。
(4)右キャリー400Rは、端切り位置検出センサ702がOFFからONに変化したときに一旦停止し、その後右移動を開始し、端切り位置検出センサ702がONからOFFに変化したら停止する。これにより、加工材Wは、左丸鋸軸500による切断線を若干越えた位置を左端とする状態に停止し、端切りのための位置決めが完了する(図17(B)参照)。
(5)左キャリー400Lは、加工材Wをクランプする。左キャリー400Lによるクランプが完了すると、右キャリー400Rは加工材Wをアンクランプする(図17(C)参照)。
(6)左丸鋸軸500を駆動した状態で前後動させることにより、加工材Wの端切りを実行する。
(7)こうして端切りが完了したら、左右のキャリー400L,400Rは、同時に右方向に移動し始める。このとき、加工材Wは、左キャリー400Lにクランプされているので、左キャリー400Lの移動に伴って移動する。右キャリー400Rは、そのテーブル404と定規408で加工材Wの右側を支えた状態になっている。
(8)左キャリー400Lは、右移動開始後の移動距離をエンコーダ信号として出力している。
(9)このエンコーダ信号に基づいて、加工材Wの全長切断位置が右丸鋸軸600の切断線上に位置したことを演算によって判定し、左キャリー400Lを停止させる。右キャリー400Rは、右エンド(右丸鋸600直近)まで移動して停止する。このとき、右キャリ−400Rは、加工材Wが落下しない様に載置状態のままで、左キャリー400Lの右移動とシンクロした移動動作をする。これによって、加工材Wの全長切断のための位置決めが完了する(図18(A)参照)。
(10)右キャリー400Rは、加工材Wをクランプする。左キャリー400Lは、右キャリー400Rによるクランプが完了した後、加工材Wをアンクランプする(図18(B)参照)。
(11)右丸鋸軸600を駆動した状態で前後動させることにより、加工材Wの全長切断を実行する。
(12)全長切断が完了したら、左右のキャリー400L、400Rを同時に左側に移動開始し、全長切断の完了した加工材Wを取り出し位置に移動させて停止する。この取り出し位置への移動においては、旋回アーム904が伸縮アーム906を伸ばしたときに干渉せず、かつ、キャリー上に載置した加工材Wがバランスを崩さない位置が選ばれる(図18(C)参照)。
(13)この後、取り出し工程が実行される。
2−2.左右の丸鋸軸間隔より加工材長さ及び切断全長が長い場合の動作例
(1)加工材長さ検出センサ207による加工材Wの長さ確認によって、左右のキャリー400L,400Rは、各々左右動し、加工材Wの長さ確認結果に応じた受け取り位置に待機する(図16(B)参照)。
(2)取り込みコンベア200の頂上を越えて横転しながら滑り落ちてきた加工材Wは、左右のキャリー400L,400Rのテーブル404と定規408とに支えられた状態に受け止められる(図15(B)参照)。
(3)右キャリー400Rは、加工材Wをクランプした後(図15(C),図19(A)参照)、右に移動する。この動作と同時に左キャリー400Lはテーブル404と定規408上に加工材Wを載置した状態(クランプしていない)のままで左エンド(左丸鋸軸500直近)まで移動し停止する。
(4)右キャリー400Rは、端切り位置検出センサ702がONからOFFに変化したら停止する。これにより、加工材Wは、左丸鋸軸500による切断線を若干越えた位置を左端とする状態に停止し、端切りのための位置決めが完了する(図19(B)参照)。
(5)左キャリー400Lは、加工材Wをクランプする。左キャリー400Lによるクランプが完了すると、右キャリー400Rは加工材Wをアンクランプする(図19(C)参照)。
(6)左丸鋸軸500を駆動した状態で前後動させることにより、加工材Wの端切りを実行する。
(7)左の丸鋸軸500による加工材Wの端切り実行中に、右キャリー400Rは右エンド(右丸鋸軸600直近)まで移動し停止する(図20(A)参照)。
(8)右キャリー400Rは加工材Wをクランプし、この後、左キャリー400Lは加工材Wをアンクランプする。
(9)右キャリー400Rは加工材Wをクランプした状態で左に移動する(図20(B)参照)。このとき、右キャリー400Rの移動距離がエンコーダ信号として出力される。
(10)このエンコーダ信号に基づいて、加工材Wの全長切断位置が右丸鋸軸600の切断線上に位置したことを演算によって判定し、右キャリー400Rを停止させる。なお、この動作は、(10)で右キャリー400Rが停止した位置によっては実行しない。この動作を実行するか否かは、右キャリー400Rから右側へ伸びる加工材のオーバーハング部分の長さが十分に長いか否かにより決定する。
(11)今度は、左キャリー400Lが加工材Wをクランプし、右キャリー400Rは加工材Wをアンクランプする。そして、右キャリー400Rは、右エンド(右丸鋸600直近)まで移動して停止し、再び加工材Wをクランプする。この後、左キャリー400Lは加工材Wをアンクランプする(図20(C)参照)。このとき、木材検知センサ803によって全長切断位置に加工材Wが位置していることの確認も併せて実行する。
(12)右丸鋸軸600を駆動した状態で前後動させることにより、加工材Wの全長切断を実行する。
(13)全長切断が完了したら、右キャリー400Rは加工材Wをクランプしたままで左方向に移動して全長切断の完了した加工材Wを取り出し位置に移動させて停止する。
(14)この後、取り出し工程が実行される。
3.端材、残材の処理
(1)端切り切断後の端材は、端材受け台701上を傾斜面で滑り落として排出する。
(2)全長切断後の残材は、残材受け台801上を傾斜面で滑り落として排出する。
4.取り出し工程
(1)旋回アーム904は、傾斜位置にセットされている。
(2)伸縮アーム906が出る(図21(A)参照)。
(3)左右のキャリー400L,400Rは加工材Wをアンクランプ状態とする。
(4)旋回アーム904を後方直立状態に向けて旋回動作させる。この動作に伴って伸縮アーム906が加工材Wを掬い上げながら垂直状態まで旋回する(図21(B)参照)。
(5)伸縮アーム906が入り状態に動作する。
(6)加工材Wは取り出しコンベアローラ908上に倒立状態(横架材において建築時の上面を下に向けた状態)で載置される。
(7)旋回アーム904は傾斜状態の待機位置に戻る。
(8)加工材Wは、取り出しコンベアローラ908によって下流の加工機械Aに送られる。
以上説明した様に、本実施形態の木材切断装置1によれば、加工材を前後方向に移動させて切断機へ取り込み、前後方向に移動させて取り出す様にしたので、切断装置の設備長さを短くすることができると共に、加工時間を短縮することができる。
また、取り込みコンベア200をエレベータ式(持ち上げ方式)にしたので、チェーンスラッシャ100を低くすることができ、作業者の加工材投入作業の負担を軽減することができる。しかも、チェーンスラッシャ100には、倒立状態ではなく正立状態で載置すればよいので、作業者の感覚的な違和感もなく、作業がやり易い。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に限られることなく、その要旨を逸脱しない範囲内において、さらに種々の態様にて実施することができる。
実施形態では、チェーンスラッシャ100の中央に木材の中央を一致させて置くことでバランスを崩さない様にしたが、チェーンスラッシャ100、取り込みコンベア200のチェーン本数を増加して、間隔を短くしておき、加工材の左端が端切り位置の近傍となる様な載置方法をとって、端切りのための位置合わせ時間を短縮する様にしてもよい。同じく、全長切断後の加工材取り出しに当たっては、全長切断が完了した状態で長手方向に移動させることなく、そのまま取り出す様にしてもよい。また、実施形態では、左側を端切りとしたが、右側を端切りとし左側を全長切断とする様に左右の丸鋸軸部の役割を入れ換えてもよい。
1・・・木材切断装置
100・・・チェーンスラッシャ
101・・・フレーム、102・・・チェーン、103・・・チェーンホイール、104・・・ギヤモータ
200・・・取り込みコンベア
201・・・フレームレール、202・・・下チェーンホイール、203・・・上チェーンホイール、204・・・チェーン、205・・・ドグ、206・・・ギヤモータ、207・・・加工材長さ検出センサ、208・・・受け渡し台、208a・・・円弧状の部分、208b・・・直線部分、211・・・上ホイール軸、212・・・下ホイール軸
300・・・キャリーガイド部
301・・・フレーム、302・・・左右動ガイドレール、303・・・ラックギヤ
400L・・・左キャリー
400R・・・右キャリー
401・・・本体、401a・・・ベース、401b・・・側壁、402・・・テーブル、403・・・リニアベアリング、404・・・サーボモータ、404a・・・ブラケット、405・・・ピニオンギヤ、406・・・定規、407・・・クランプ用空圧シリンダ、408・・・クランプ体回転用空圧シリンダ、409・・・クランプ体
500・・・左丸鋸軸部
501・・・本体、502・・・前後動ガイドレール、503・・・チェーンホイール、504・・・チェーン、505・・・ギヤモータ、506・・・ベース、507・・・リニアベアリング、508・・・丸鋸モータ、509・・・丸鋸
600・・・右丸鋸軸部
601・・・本体、602・・・前後動ガイドレール、603・・・チェーンホイール、604・・・チェーン、605・・・ギヤモータ、606・・・ベース、607・・・リニアベアリング、608・・・丸鋸モータ、609・・・丸鋸
700・・・端材受け部
701・・・端材受け台、702・・・端切り位置検出センサ
800・・・残材受け部
801・・・残材受け台、802・・・ローラ、802a・・・エアシリンダ、803・・・木材検知センサ
900・・・取り出し部
901・・・本体、902・・・フレーム、903・・・旋回軸、904・・・旋回アーム、904a・・・レール、905・・・ギヤモータ、906・・・伸縮アーム、、906a・・・リニアベアリング、906b・・・受け、907・・・エアシリンダ、908・・・取り出しコンベアローラ
1000・・・メイン制御装置
1001・・・CAD/CAMデータ入力装置
1002・・・前後検出センサ

Claims (7)

  1. 木材を、その両端を切断することによって木造住宅用の構造材としての所定の長さに加工するための装置であって、以下の構成を備えたことを特徴とする木材切断装置。
    (5−1)左右方向に所定距離をあけて設置される左側の切断部材及び右側の切断部材と、前記左右の切断部材の間に設置され、該左右の切断部材間を左右動可能で木材クランパを有するキャリーとを備えた切断機。
    (5−2)前記切断機の後方位置に設置され、木材を加工設備の下流側に取り出す木材取り出し部。
    (5−3)前記切断機の前方位置に設置され、木材の長手方向を設備の左右方向として載置することができると共に、該木材を前後方向に移送することのできる木材送り込み装置。
    (5−4)前記木材送り込み装置の後方かつ前記切断機の前方となる位置に設置され、前記木材送り込み装置から後方へ移送されてきた木材を前記キャリーへと取り込む木材取り込み装置。
    (5−5)前記キャリーに保持されている木材を、左右方向に伸びたままの状態で木材取り出し部に受け渡す木材取り出し装置。
    (6−1)前記キャリーが木材を保持固定して左右動する際に、該キャリーの位置を検出するキャリー位置検出装置を備えていること。
    (6−2)前記キャリー位置検出装置の検出結果に基づいて、前記切断機による端切り及び全長切断を実施する際の前記キャリーの停止位置を位置決め制御する切断位置制御装置を備えていること。
  2. 請求項1記載の木材切断装置において、さらに以下の構成を備えたことを特徴とする木材切断装置。
    (7−1)前記切断機は、前記切断部材の内、端切りのための切断部材の外側に、端切り時に発生する端材を排出する端材排出装置を備えていること。
    (7−2)前記切断機は、前記切断部材の内、全長切断のための切断部材の外側に、全長切断時に発生する残材を排出する残材排出装置を備えていること。
    (7−3)前記キャリー、端材排出装置及び残材排出装置は、それぞれ後方に下り傾斜したテーブル面を有し、各テーブル面は、ほぼ一つの平面を形成する様に、傾斜角及び高さが合わされていること。
  3. 請求項2記載の木材切断装置において、さらに以下の構成を備えたことを特徴とする木材切断装置。
    (8−1)前記テーブル面に出没可能に備えられ、前記キャリーによって左右動される木材を支持し得る支持部材を備えていること。
  4. 請求項1〜3のいずれか記載の木材切断装置において、さらに以下の構成を備えたことを特徴とする木材切断装置。
    (9−1)前記キャリーに投入される木材の長さを検知する木材長さ検知装置を備えていること。
    (9−2)前記キャリーを複数台備えていること。
    (9−3)前記木材長さ検知装置による木材長さの検知結果に基づいて、前記複数台のキャリーの木材受け取り時の待機位置を位置決め制御するキャリー待機位置制御装置を備えていること。
  5. 請求項1〜4のいずれか記載の木材切断装置において、さらに以下の構成を備えたことを特徴とする木材切断装置。
    (10−1)前記木材取り込み装置は、前記木材送り込み装置から送り込まれた木材を掬い上げつつ上方へ移動させ、当該装置の頂上部を越えて移動させる際に、木材を横転させつつ後方へ滑り落として前記キャリーに取り込む装置として構成されていること。
    (10−2)前記木材取り出し装置は、前記キャリーに保持されている木材を、旋回動作によって掬い上げつつ旋回させて前記木材取り出し部の上方まで移動させた後、下降動作によって該木材取り出し部上に受け渡す動作を行う装置として構成されていること。
    (10−3)前記木材取り込み装置による横転及び木材取り出し装置による旋回により、前記木材が、前記木材送り込み装置に載置したときの上面が下面となって前記木材取り出し部へと載置される様に構成されていること。
  6. 請求項1〜5のいずれか記載の木材切断装置において、前記木材取り出し装置(5−4)を、以下の様に構成したことを特徴とする木材切断装置。
    (11−1)所定距離をあけて設置される複数のフレームを備えていること。
    (11−2)前記各フレームに沿って回転する無限軌道部材を備えていること。
    (11−3)前記各無限軌道部材に、左右方向1列に並ぶ位置に取り付けられているドグを備えていること。
    (11−4)前記無限軌道部材は、前記ドグを、前記木材送り込み装置の木材載置面よりも下方位置を通過可能な軌道を有すること。
    (11−5)前記各フレームの高さ方向の途中の位置に設置され、少なくとも、木材が、外側のフレームよりもさらに外側にはみ出しているか否かを検出することのできる木材検出センサを備えていること。
    (11−6)前記各フレームの頂上部付近に設けられ、前記無限軌道部材の頂上部の軌道半径とほぼ同一半径の円弧部と、前記キャリーのテーブル面とほぼ同一角度の傾斜角で前記円弧部に連続する傾斜部とを有する滑り台装置を備えていること。
  7. 請求項1〜6のいずれか記載の木材切断装置において、前記木材取り出し装置(5−5)を、以下の様に構成したことを特徴とする木材切断装置。
    (12−1)所定距離をあけて設置され、前記木材取り出し部を構成する前記複数の送り部材の間に直立した直立位置と前記キャリー側へ倒れた傾斜位置との間で旋回することのできる複数の旋回アームを備えていること。
    (12−2)前記旋回アームの先端に伸縮可能に設けられ、先端に取り付けた受け台を前記旋回アームが前記傾斜位置に倒れた状態のときに前記キャリーに保持された木材の下方を通って伸長させることのできる伸縮アームを備えていること。
    (12−3)前記切断機の切断終了時には前記旋回アームを前記キャリー側へ旋回させた状態としておき、該切断機による切断が終了し、かつ、前記キャリーが取り出し位置に位置決めされた後に前記伸縮アームを伸長させ、その後、前記旋回アームを前記木材取り出し部側へと旋回させて直立させた後、前記伸縮アームを縮めて木材の取り出しを実行すると取り出し制御装置を備えていること。
    (12−4)前記取り出し制御装置による前記伸縮アームの伸長動作の前に、前記キャリーを、該伸縮アームと干渉しない位置へと移動させる非干渉位置移動制御装置を備えていること。
JP2009113213A 2009-05-08 2009-05-08 木材切断装置 Active JP4398510B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009113213A JP4398510B2 (ja) 2009-05-08 2009-05-08 木材切断装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009113213A JP4398510B2 (ja) 2009-05-08 2009-05-08 木材切断装置

Related Parent Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005170245A Division JP2006341525A (ja) 2005-06-10 2005-06-10 木材切断方法及び切断時の送材方法と、木材切断装置及び木材送材装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2009166506A JP2009166506A (ja) 2009-07-30
JP4398510B2 true JP4398510B2 (ja) 2010-01-13

Family

ID=40968221

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009113213A Active JP4398510B2 (ja) 2009-05-08 2009-05-08 木材切断装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4398510B2 (ja)

Also Published As

Publication number Publication date
JP2009166506A (ja) 2009-07-30

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5085981B2 (ja) 角材横移送装置
US7240415B2 (en) Machine for processing material in the form of slabs, in particular natural stone material, ceramic material and conglomerate
CN103921358B (zh) 一种全自动单晶硅棒切方磨削复合加工一体设备
CN101480804B (zh) 具有金属板加工装置和运输装置的加工金属板的机械设备
CN109368279A (zh) 板材多片锯自动上下料设备
US8307972B2 (en) Feed and removal system for machine tools
US6868847B2 (en) Method and apparatus for producing wall panels
US20220193802A1 (en) Panel cutting machine for cutting work pieces
MXPA98000433A (en) Process for cutting and / or welding metal sheet and installation to implement tal proc
JP4398510B2 (ja) 木材切断装置
CN112428340A (zh) 全自动滤板加工生产线
JP2006341525A (ja) 木材切断方法及び切断時の送材方法と、木材切断装置及び木材送材装置
KR100974864B1 (ko) 플라즈마 컷팅 장치로 컷팅 대상을 자동으로 공급하는 자동 공급장치
EP1475204B1 (en) Machine for processing wood panels or similar
JP2018062003A (ja) 板材製品の製造方法及びその製造方法を用いた板材加工機
JPH08229778A (ja) トランスファマシンおよびその搬送装置
JP4355816B2 (ja) 工作機械における工作物搬出入装置
JPH01257552A (ja) 加工設備
CN115352192B (zh) 一种截齿打标装置
JP3111843B2 (ja) トランスファマシン
CN212542938U (zh) 一种电源连接器的嵌接机构
KR100994782B1 (ko) 플라즈마 컷팅 자동화 설비
JPH0753035A (ja) ワークの搬送位置決め方法及び装置
JP5832960B2 (ja) アイドル装置
KR20110003287A (ko) 플라즈마 컷팅 자동화 설비

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20090508

A871 Explanation of circumstances concerning accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A871

Effective date: 20090508

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20090511

A975 Report on accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971005

Effective date: 20090603

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090609

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20090722

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20091020

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20091022

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121030

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4398510

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121030

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20151030

Year of fee payment: 6

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250