JP4397804B2 - ノッキング検出装置 - Google Patents

ノッキング検出装置 Download PDF

Info

Publication number
JP4397804B2
JP4397804B2 JP2004377218A JP2004377218A JP4397804B2 JP 4397804 B2 JP4397804 B2 JP 4397804B2 JP 2004377218 A JP2004377218 A JP 2004377218A JP 2004377218 A JP2004377218 A JP 2004377218A JP 4397804 B2 JP4397804 B2 JP 4397804B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
signal
knocking
cylinder pressure
peak
value
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2004377218A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2006183533A (ja
Inventor
桂 大久保
裕司 安井
正浩 佐藤
広一郎 篠崎
幸祐 東谷
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Honda Motor Co Ltd
Original Assignee
Honda Motor Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Honda Motor Co Ltd filed Critical Honda Motor Co Ltd
Priority to JP2004377218A priority Critical patent/JP4397804B2/ja
Priority to US11/268,729 priority patent/US7299680B2/en
Priority to TW094139962A priority patent/TW200632297A/zh
Priority to DE602005006955T priority patent/DE602005006955D1/de
Priority to EP05025166A priority patent/EP1674847B1/en
Priority to CN200510130529.6A priority patent/CN100520031C/zh
Publication of JP2006183533A publication Critical patent/JP2006183533A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4397804B2 publication Critical patent/JP4397804B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01LMEASURING FORCE, STRESS, TORQUE, WORK, MECHANICAL POWER, MECHANICAL EFFICIENCY, OR FLUID PRESSURE
    • G01L23/00Devices or apparatus for measuring or indicating or recording rapid changes, such as oscillations, in the pressure of steam, gas, or liquid; Indicators for determining work or energy of steam, internal-combustion, or other fluid-pressure engines from the condition of the working fluid
    • G01L23/22Devices or apparatus for measuring or indicating or recording rapid changes, such as oscillations, in the pressure of steam, gas, or liquid; Indicators for determining work or energy of steam, internal-combustion, or other fluid-pressure engines from the condition of the working fluid for detecting or indicating knocks in internal-combustion engines; Units comprising pressure-sensitive members combined with ignitors for firing internal-combustion engines
    • G01L23/221Devices or apparatus for measuring or indicating or recording rapid changes, such as oscillations, in the pressure of steam, gas, or liquid; Indicators for determining work or energy of steam, internal-combustion, or other fluid-pressure engines from the condition of the working fluid for detecting or indicating knocks in internal-combustion engines; Units comprising pressure-sensitive members combined with ignitors for firing internal-combustion engines for detecting or indicating knocks in internal combustion engines
    • G01L23/225Devices or apparatus for measuring or indicating or recording rapid changes, such as oscillations, in the pressure of steam, gas, or liquid; Indicators for determining work or energy of steam, internal-combustion, or other fluid-pressure engines from the condition of the working fluid for detecting or indicating knocks in internal-combustion engines; Units comprising pressure-sensitive members combined with ignitors for firing internal-combustion engines for detecting or indicating knocks in internal combustion engines circuit arrangements therefor

Description

この発明は、内燃機関のノッキングを検出する装置に関する。
従来、内燃機関(以下、エンジンと呼ぶ)に振動センサを設け、該振動センサの出力から、ノッキングの発生を検出することが行われている。
下記の特許文献1の手法によると、振動センサは、エンジンのシリンダに設けられる。振動センサの出力にウェーブレット変換を適用し、振動周波数特性を算出する。振動周波数特性を所定値と比較することにより、ノッキングなどの燃焼不良を検出する。
特開2002−221074号公報
図20を参照すると、(a)には、エンジンのシリンダに配置された振動センサの出力の一例が示されている。領域101および102において、ノッキングの発生により振動センサの出力が変動している。領域103および104では、吸排気バルブが閉じた時のノイズ(以下、着座ノイズと呼ぶ)により、振動センサの出力が変動している。このように、振動センサの出力には着座ノイズが含まれるおそれがあり、このような着座ノイズを、ノッキングの発生として誤って認識するおそれがある。
(b)には、(a)に示される振動センサの出力に、上記の特許文献のような手法によってウェーブレット変換を適用することによって得られる信号の波形が示されている。ここでは、ウェーブレット変換により、振動センサの出力から、ノッキングに対応する周波数成分(4.5〜9kHz)が抽出されている。着座ノイズのようなインパルス的な信号は、広い周波数帯域に影響をもたらす。そのため、領域105および106に示されるように、着座ノイズによる影響が、ウェーブレット変換により得られた信号にも現れている。したがって、ノッキングに対応する周波数成分を抽出しても、着座ノイズのようなインパルス的なノイズをノッキングと誤って認識するおそれがある。
このような誤認識を回避するために、振動センサの出力について、ノッキングを検出する区間を設定する手法が考えられる。しかしながら、検出区間を広く設定すると、様々なノイズの影響が該検出区間に現れるおそれがあり、また、検出区間を狭く設定すると、ノッキングが発生するタイミングが何らかの原因でずれた場合に、該検出区間からノッキングを検出することができないおそれがある。たとえば、エンジン内部にスラッジが蓄積した場合等において、ノッキングが発生するタイミングがずれるおそれがある。また、圧縮比を変更した場合には、エンジンのシリンダ内の圧力がピークに達するタイミングが変化し、よってノッキングが発生するタイミングがずれるおそれがある。
したがって、ノッキングが発生しうる区間を最適に決定して、ノッキングをより正確に検出することのできる装置が必要とされている。
この発明の一つの側面によると、ノッキング検出装置は、エンジンの筒内圧に応じた信号を出力する筒内圧センサと、筒内圧センサの出力信号から、エンジンのノッキングに対応する周波数帯域を持つ第1の信号および筒内圧のピークを検出するための周波数帯域を持つ第2の信号を抽出する信号抽出装置と、第2の信号に基づいて、ノッキングを検出するためのノッキング検出区間を設定するノッキング検出区間設定装置と、ノッキング検出区間において第1の信号を調べ、ノッキングが発生したかどうかを判断するノッキング判定装置と、を備える。
この発明によれば、ノッキング検出区間が、燃焼に応じて最適に設定されるので、ノッキングを、筒内圧センサの出力に含まれる他のノイズに影響されることなく検出することができる。
この発明の一実施形態では、ノッキング検出区間において、第1の信号のピーク値が所定値を超えたならば、ノッキングが発生したと判断する。こうして、ノッキングを検出する区間が限定されるので、第1の信号のピーク値を所定値と比較する演算の負荷を軽減することができる。代替的に、第1の信号のピーク値に代えて、第1の信号を統計処理した値を用いてもよい。
この発明の一実施形態によると、筒内圧センサの出力信号は、エンジンの筒内圧の微分値を表す信号である。筒内圧センサの出力を積分した値には、ドリフトが生じるおそれがある。該ドリフトに起因して、該積分値がオーバーシュートするおそれがある。オーバーシュートが生じると、ノッキングの検出精度が低下する。筒内圧センサの出力信号からノッキング検出区間を算出することにより、このようなドリフトに起因した、ノッキングの検出精度の低下を防ぐことができる。
この発明の一実施形態によると、第2の信号は、筒内圧がピークに達した時に発生するインパルス信号が現れる周波数帯域の信号である。ノッキング検出区間設定装置は、さらに、第2の信号と所定値とを比較することにより、筒内圧のピークの発生を表すインパルス信号を検出する筒内圧ピーク検出装置と、該インパルス信号が検出された時から所定時間にわたって、ノッキング検出区間を設定する設定装置と、を備える。
この発明によれば、インパルス信号を用いることにより、筒内圧のピークを検出することができる。筒内圧のピークに対してノッキング検出区間を設定することにより、燃焼に応じた最適なノッキング検出区間を設定することができる。ノッキングが発生するタイミングにずれが生じても、最適なノッキング検出区間が設定されるので、より正確にノッキングを検出することができる。
この発明の他の実施形態では、第2の信号は、筒内圧の周波数成分を含む周波数帯域を持つ信号である。ノッキング検出区間設定装置は、さらに、第2の信号に基づいて、筒内圧の2次微分信号を算出する微分器と、該2次微分信号と所定値とを比較することにより、筒内圧のピークの発生を検出する筒内圧ピーク検出装置と、筒内圧のピークの発生を検出した時から、所定期間にわたってノッキング検出区間を設定する設定装置と、を備える。
この発明によれば、筒内圧のピークを、筒内圧の2次微分値から検出することができる。筒内圧のピークに対してノッキング検出区間を設定することにより、燃焼に応じた最適なノッキング検出区間を設定することができる。ノッキングが発生するタイミングにずれが生じても、最適なノッキング検出区間が設定されるので、より正確にノッキングを検出することができる。
この発明の一実施形態では、ノッキング検出区間設定装置は、さらに、筒内圧ピーク検出装置の上流に信号通過許可装置を備える。信号通過許可装置は、エンジンについて検出されたクランク角信号が所定範囲内にあるかどうかを判断し、該クランク角信号が該所定範囲内にあるときは、第2の信号の筒内圧ピーク検出装置への通過を許可し、該クランク角信号が該所定範囲内にないときは、該第2の信号の該筒内圧ピーク検出装置への通過を禁止する。
この発明によれば、クランク角信号に基づいて、筒内圧のピークを検出する処理の対象となる第2の信号の範囲を限定するので、第2の信号に含まれる何らかのノイズに反応してノック検出区間が誤って設定されることを回避することができる。微分器が設けられる実施形態では、信号通過許可装置は、微分器と筒内圧ピーク検出装置との間に設けられる。信号通過許可装置は、クランク角信号が該所定範囲内にあるときは、2次微分信号の筒内圧ピーク検出装置への通過を許可し、該クランク角信号が該所定範囲内にないときは、該2次微分信号の該筒内圧ピーク検出装置への通過を禁止する。
次に図面を参照してこの発明の実施の形態を説明する。図1は、この発明の実施形態に従う、エンジンおよびその制御装置の全体的な構成図である。
電子制御ユニット(以下、「ECU」)という)1は、中央演算処理装置(CPU)1bを備えるコンピュータである。ECU1は、メモリ1cを備えており、該メモリ1cは、車両の様々な制御を実現するためのコンピュータ・プログラムおよび該プログラムの実施に必要なマップを格納する読み取り専用メモリ(ROM)と、CPU1bの演算のための作業領域を提供し、プログラムおよびデータを一時的に格納するランダムアクセスメモリ(RAM)を備えている。さらに、ECU1は、車両の各部から送られてくるデータを受け取入れる入力インターフェース1a、および車両の各部に制御信号を送る出力インターフェース1dを備えている。
エンジン2は、この実施例では4サイクルのエンジンである。エンジン2は、吸気弁3を介して吸気管4に連結され、排気弁5を介して排気管6に連結されている。ECU1からの制御信号に従って燃料を噴射する燃料噴射弁7が、吸気管4に設けられている。
エンジン2は、吸気管4から吸入される空気と、燃料噴射弁7から噴射される燃料との混合気を、燃焼室8に吸入する。燃料室8には、ECU1からの点火時期信号に従って火花を飛ばす点火プラグ9が設けられている。点火プラグ9によって発せられた火花により、混合気は燃焼する。燃焼により混合気の体積は増大し、これによりピストン10を下方に押し下げる。ピストン10の往復運動は、クランク軸11の回転運動に変換される。
筒内圧センサ15は、例えば圧電素子からなるセンサであり、点火プラグ9のエンジンシリンダに接する部分に埋没されている。筒内圧センサ15は、燃焼室8内の圧力(筒内圧)の変化を示す信号dPを出力し、それをECU1に送る。
エンジン2には、クランク角センサ17が設けられている。クランク角センサ17は、クランクシャフト11の回転に伴い、パルス信号であるCRK信号およびTDC信号をECU1に出力する。
CRK信号は、所定のクランク角で出力されるパルス信号である。ECU1は、該CRK信号に応じ、エンジン2の回転数NEを算出する。TDC信号は、ピストン10のTDC位置に関連したクランク角度で出力されるパルス信号である。
エンジン2の吸気管4には、スロットル弁18が設けられている。スロットル弁18の開度は、ECU1からの制御信号により制御される。スロットル弁18に連結されたスロットル弁開度センサ(θTH)19は、スロットル弁18の開度に応じた電気信号を、ECU1に供給する。
吸気管圧力(Pb)センサ20は、スロットル弁18の下流側に設けられている。Pbセンサ20によって検出された吸気管圧力PbはECU1に送られる。
スロットル弁18の上流には、エアフローメータ(AFM)16が設けられている。エアフローメータ16は、スロットル弁18を通過する空気量を検出し、それをECU1に送る。
ECU1に向けて送られた信号は入力インターフェース1aに渡され、アナログ−デジタル変換される。CPU1bは、変換されたデジタル信号を、メモリ1cに格納されているプログラムに従って処理し、車両のアクチュエータに送るための制御信号を作り出すことができる。出力インターフェース1dは、これらの制御信号を、燃料噴射弁7、点火プラグ9、スロットル弁18、およびその他の機械要素のアクチュエータに送る。また、CPU1bは、該変換されたデジタル信号を用いて、メモリ1cに格納されているプログラムに従い、エンジンのノッキングを検出することができる。
図2は、筒内圧センサ15の取り付けの一例を示す図である。シリンダヘッド21のねじ孔22に点火プラグ9がねじ込まれている。シリンダヘッド21の点火プラグの取り付け座面23と、点火プラグ座金部24との間に、筒内圧センサのセンサ素子部25が、ワッシャ26と共に挟み込まれている。センサ素子部25は、圧電素子からなる。
センサ素子部25は、点火プラグ9の座金として締め付けられるので、該センサ素子部25には、所定の締め付け荷重が与えられる。燃焼室8内の圧力が変化すると、該センサ素子部25に印加される荷重が変化する。筒内圧センサ15は、該所定の締め付け荷重に対する荷重の変化を、筒内圧の変化として検出する。
図3を参照すると、(a)には、以下のような条件で行われたシミュレーションにおいて得られた筒内圧センサの出力、すなわち筒内圧の変化を示す信号dP(以下、筒内圧変化信号と呼ぶ)が示されている。
<シミュレーションの条件>
・筒内圧センサの出力をサンプリングする周波数Fs:36kHz
・ナイキスト周波数Fn:18kHz
・エンジン回転数NE:1500rpm
・エンジンの負荷:低
式(1)に示すように、筒内圧変化信号dPを積分することにより、筒内圧を示す信号P(以下、筒内圧信号と呼ぶ)を算出することができる。
数式1
Figure 0004397804
図の(b)には、(a)の筒内圧変化信号dPを式(1)に従って積分することにより得られた筒内圧信号Pが示されている。このシミュレーションでは、時間t1の辺りでノッキングが発生している。ノッキングが発生すると、筒内圧変化信号dPおよび筒内圧信号Pに、ノッキングを表す信号(以下、ノッキング信号と呼ぶ)が含まれることが知られている。領域31および32には、このようなノッキング信号が含まれた波形が示されている。
筒内圧は、エンジン回転数に依存した周波数成分を持つ。具体的には、筒内圧の周波数帯域は、ゼロから、エンジン回転数のk次の周波数(kは、2以上)にまで及ぶ。エンジン回転数が高くなるほど、エンジンの1サイクルの時間が短くなるので、筒内圧の周波数帯域は高くなる。
発明者は、エンジン回転数が1500rpmである上記のシミュレーションでは、筒内圧が、ゼロから約150Hzの周波数帯域に及ぶことを確かめた。また、発明者は、他の様々なエンジン回転数についても同様のシミュレーションを行い、筒内圧が、起こりうるエンジン回転数について、約1kHz未満の周波数帯域を持つことを確かめた。
一方、ノッキングは、エンジンのボアおよびストロークなどに依存した特定の周波数成分を持ち、筒内圧のピークの前後に発生する。上記のシミュレーションで用いたエンジンでは、ノッキングは、およそ8kHzの周波数を持つことが確かめられた。他のエンジンについての計算結果においても、ノッキングが、6kHz以上の周波数帯域を持つことがわかっている。
このように、筒内圧の周波数帯域は、ノッキングの周波数帯域よりもかなり低い。したがって、筒内圧変化信号を周波数分解することにより、筒内圧変化信号からノッキング信号を抽出することができる。
式(2)および(3)に示すように、正弦波(sinθ)および余弦波(cosθ)の周波数成分は、積分操作により変化しないので、筒内圧変化信号dPは、筒内圧信号Pと同じ周波数成分を持つ。
数式2
Figure 0004397804
したがって、周波数分解する対象は筒内圧信号Pでもよい。しかしながら、積分操作によって、筒内圧信号Pにはドリフトが含まれるおそれがあり、このようなドリフトに起因して、算出される筒内圧信号Pにオーバーシュートが生じるおそれがある。したがって、好ましくは、筒内圧変化信号dPを周波数分解する。
図4は、本発明の一実施形態に従う、ノッキング検出装置のブロック図である。各ブロックの機能は、典型的には、ECU1(図1)のメモリ1cに格納されているプログラムを実行することによって実現される。代替的に、これらの機能を、ハードウェアにより実現してもよい。
サンプリング装置41は、筒内圧センサ15(図1)の出力を、所定の周波数でサンプリングし、筒内圧変化信号dPのサンプルを得る。
ウェーブレット変換器42は、離散ウェーブレット変換を用いて周波数分解を実行する。具体的には、ウェーブレット変化器42は、サンプリング装置41から筒内圧変化信号dPのサンプルを受け取る。ウェーブレット変換器42は、該筒内圧変化信号dPのサンプルに離散ウェーブレット変換を適用し、ノッキングに対応する周波数帯域を持つ第1の信号Pw1と、筒内圧のピークを検出するための周波数帯域を持つ第2の信号Pw2を抽出する。
周波数分解の手法として、FFT(高速フーリエ変換)が考えられるが、FFTでは、周波数分解を逐次的に行うことはできない。また、窓フーリエ変換など、時間を細かく区切ったFFTによって周波数分解する手法がある。しかしながら、このような手法は、時間分解能を細かくすると周波数分解能が粗くなるという特性を有するので、逐次的な周波数分解に適していない。
したがって、この実施形態に示されるように、離散ウェーブレット変換を用いるのが好ましい。離散ウェーブレット変換によれば、逐次的な周波数分解を効率よく行うことができる。代替的に、逐次的に周波数分解を行う他の適切な手法を用いてもよい。
ノックゲート算出装置43は、第2の信号Pw2に基づいて、燃焼サイクルごとに筒内圧のピークを検出する。ノックゲート算出装置43は、さらに、該検出された筒内圧のピークに基づいて、ノッキングを検出する区間(以下、ノッキング検出区間と呼ぶ)を設定する。図に示されるゲート信号F_GATEは、ノッキング検出区間を表す信号である。ノックゲート算出装置43については、いくつかの実施例があり、詳細は後述される。
ノックレベル算出装置44は、ノッキング検出区間において第1の信号Pw1を調べ、第1の信号Pw1のピーク値Kmaxを求める。ノッキング判定装置45は、該第1の信号Pw1のピーク値Kmaxと所定値とを比較することにより、ノッキングが発生しているかどうかを判定する。
代替的に、第1の信号Pw1のピーク値Kmaxの代わりに、該第1の信号Pw1を統計処理した値、たとえば平均値および積算値を用いてもよい。この場合、ノッキング判定装置45は、該統計処理した値と所定値とを比較することにより、ノッキングが発生しているかどうかを判定する。統計処理値を用いることにより、ノイズに起因した誤判定を低減することができる。
このように、ノックゲート算出装置43により、筒内圧のピークに基づいてノッキング検出区間を燃焼サイクルごとに決定するので、ノッキング検出区間が、該燃焼サイクルにおける燃焼に応じた最適な区間に設定される。したがって、ノッキングが発生するタイミングにずれが生じても、ノッキングをより正確に検出することができる。
通常、着座ノイズは、吸排気バルブが閉じるタイミングで発生する。一方、ノッキングは、筒内圧のピークの前後に発生する。着座ノイズとノッキングとが発生するタイミングは異なるので、ノッキング検出区間を燃焼に応じて最適に設定すれば、該ノッキング検出区間に着座ノイズが含まるおそれはない。したがって、着座ノイズを、ノッキングと誤って判定することを回避することができる。
図5は、ウェーブレット変換器42の詳細なブロック図を示す。ウェーブレット変換器42の段数(次数ともいう)は5であり、それぞれの段に、高周波サブバンドフィルタおよび低周波サブバンドフィルタが設けられる。
ウェーブレット変換器の段数が、筒内圧センサの出力をサンプリングする周波数Fsに従って設定される点に注意されたい。筒内圧変化信号dPのサンプリング周波数Fsが、それぞれの段の高周波サブバンドフィルタおよび低周波サブバンドフィルタで分割されるからである。前述したように、第1の信号Pw1はノッキングに対応する周波数帯域を持ち、第2の信号Pw2は、筒内圧のピークを検出するための周波数帯域を持つ。したがって、これらの周波数帯域が切り出されるのに必要な段数が設定されるようウェーブレット変換器が構成される点に注意されたい。図には、サンプリング周波数Fsが36kHzの場合を例として示している。
また、ウェーブレット変換器42の段数は、後述するノックゲート算出装置43がどの実施例に従って実現されるかに依存する。これは、筒内圧のピークを検出するための周波数帯域が、ノックゲート算出装置43がどの実施例に従って実現されるかに従って異なるからである。図5は、第1および第2の実施例に従うノックゲート算出装置43を用いる場合のウェーブレット変換器42を示している。
ウェーブレット変換器42は、サンプリング装置41によって得られた筒内圧変化信号のサンプルdP(n)を受け取る。nはサンプリング時刻を示し、筒内圧変化信号のサンプルは、Fsの周波数で得られる。
第1の高周波サブバンドフィルタは、式(4)に従って、出力信号PH1を生成する。式中の下向きの矢印は、ダウンサンプリングを表している。出力信号PH1は、(Fs/2)の周波数で生成される。
数式3
Figure 0004397804
第1の高周波サブバンドフィルタにより実行される式(4)をブロック図で表すと、図6の(a)のように表されることができる。筒内圧変化信号の今回値dP(n)と、遅延子51により遅延された信号、すなわち、筒内圧変化信号の前回値dP(n−1)との差分を、差分器52により算出する。差分器52の出力は、増幅器53によって(1/2)が乗算される。増幅器53からの出力は、ダウンサンプリング回路54によってダウンサンプリングされる。代替的に、増幅器53によって乗算される値は、他の値を用いてもよい。
この例ではサンプリング周波数Fsが36kHzであるので、ダウンサンプリングにより、第1の高周波サブバンドフィルタの出力信号PH1の周波数Fs1は18kHzであり、ナイキスト周波数Fn1は9kHzとなる。0〜18kHzの周波数帯域のうち、第1の高周波サブバンドフィルタは、高側の周波数帯域の信号、すなわち9〜18kHzの信号を出力する。
第2〜第5の高周波サブバンドフィルタも、第1の高周波サブバンドフィルタと同様の構成および機能を有する。すなわち、それぞれの高周波サブバンドフィルタは、入力信号の周波数の半分の周波数を持つ信号を出力する。出力信号は、入力信号の周波数帯域を半分にした時の高側の周波数帯域を持つ。
第1の低周波サブバンドフィルタは、式(5)に従って出力信号PL1を生成する。式中の下向きの矢印は、ダウンサンプリングを表している。出力信号PL1は、(Fs/2)の周波数で生成される。
数式4
Figure 0004397804
第1の低周波サブバンドフィルタにより実行される式(5)をブロック図で表すと、図6の(b)のように表されることができる。筒内圧変化信号の今回値dP(n)と、遅延子56により遅延された信号、すなわち筒内圧変化信号の前回値dP(n−1)との和を、加算器57により算出する。加算器57の出力は、増幅器58によって(1/2)が乗算される。増幅器58からの出力は、ダウンサンプリング回路59によってダウンサンプリングされる。代替的に、増幅器58によって乗算される値は、他の値を用いてもよい。
この例ではサンプリング周波数Fsが36kHzであるので、ダウンサンプリングにより、第1の低周波サブバンドフィルタの出力信号PL1の周波数Fs1は18kHzであり、ナイキスト周波数Fn1は9kHzとなる。0〜18kHzの周波数帯域のうち、第1の低周波サブバンドフィルタは、低側の周波数帯域の信号、すなわち0〜9kHzの信号を出力する。
第2〜第5の低周波サブバンドフィルタも、第1の低周波サブバンドフィルタと同様の構成および機能を有する。すなわち、それぞれの低周波サブバンドフィルタは、入力信号の周波数の半分の周波数を持つ信号を出力する。出力信号は、入力信号の周波数帯域を半分にした時の低側の周波数帯域を持つ。
前述したように、ノッキング信号は、エンジンに依存して所定の周波数帯域に現れる。上記のシミュレーションでは、ノッキング信号の周波数はおよそ8kHzであった。8kHzの周波数は、第2の高周波サブバンドフィルタの出力信号の周波数帯域(4.5〜9kHz)に含まれる。したがって、第2の高周波サブバンドフィルタの出力信号PH2から、ノッキング信号を抽出することができる。第2の高周波サブバンドフィルタの出力信号PH2が、第1の信号Pw1として用いられる。
また、前述したように、筒内圧は、エンジン回転数に依存する周波数成分を持つ。エンジン回転数が1500rpmである上記のシミュレーションでは、筒内圧の周波数帯域は、0〜約150Hzであり、これは、第5の低周波サブバンドフィルタの出力信号PL5の周波数帯域(0〜600Hz)に含まれる。したがって、第5の低周波サブバンドフィルタの出力信号PL5の周波数帯域を、ノッキング信号を含まない筒内圧信号の周波数帯域として扱う。
代替的に、エンジン回転数が1500rpmの場合、筒内圧の周波数帯域は、0〜約150Hzであるので、第6の低周波サブバンドフィルタを設けて、該第6の低周波サブバンドフィルタの出力信号を、筒内圧信号を抽出するのに用いてもよい。しかしながら、高周波ノイズを考慮すると、0〜600Hz程度の広さの周波数帯域を用いた方が好ましい。また、第6の低周波サブバンドフィルタを設けると、ウェーブレット変換の段数が増えるので、計算負荷が増大する。また、エンジン回転数が高くなるにつれ筒内圧の周波数帯域も高くなるが、0〜600Hzの周波数帯域は、エンジン回転数が高くなっても(たとえば、6000rpmぐらい)、筒内圧信号を抽出するのに用いることができる。したがって、この実施形態では、第5の低周波サブバンドフィルタの出力信号PL5の周波数帯域(0〜約600Hz)を、筒内圧の周波数帯域として扱う。
第2の信号Pw2は、筒内圧のピークを検出するための信号である。後述する第1および第2の実施例に従うノックゲート算出装置43では、筒内圧がピークに達した時に発生するインパルス信号を用いて、筒内圧のピークを検出する。該インパルス信号は、第5の高周波サブバンドフィルタの出力信号PH5から抽出されることができる(理由は、後述される)。したがって、第5の高周波サブバンドフィルタの出力信号PH5が、第2の信号Pw2として用いられる。
図7は、後述する第3および第4の実施例に従うノックゲート算出装置43を用いる場合のウェーブレット変換器42のブロック図を示す。図7に示すウェーブレット変換器42は、図5に示すウェーブレット変換器42と、段数のみが異なり、高周波サブバンドフィルタおよび低周波サブバンドフィルタの構成および機能は同じである。第2の高周波サブバンドフィルタの出力信号PH2を、第1の信号Pw1として用いる点も同じである。この実施例では、筒内圧変化信号dPのサンプリング周波数Fsが36kHzであるので、4段を使用するが、前述したように、該サンプリング周波数に従って段数が変わる点に注意されたい。
第3および第4の実施例に従うノックゲート算出装置43は、筒内圧の2次微分信号に基づいて、筒内圧のピークを算出する。筒内圧の2次微分信号は、第4の低周波サブバンドフィルタの出力信号PL4から算出されることができる(理由は、後述される)。したがって、第4の低周波サブバンドフィルタの出力信号PL4を、第2の信号Pw2として用いる。
次に、図8を参照して、ノックレベル算出装置44およびノックレベル判定装置45の動作について、より詳細に説明する。
ノックゲート算出装置43から出力されるゲート信号F_GATEは、ノッキング検出区間を示す信号である。時間t1〜t2においてゲート信号F_GATEがハイレベルに維持されており、この区間が、ノッキング検出区間である。
ノックレベル算出装置44は、式(6)に示すように、ノッキング検出区間において第1の信号Pw1が得られるたびに、該第1の信号Pw1の絶対値Pw1_absを算出する。式中のABSは、絶対値を求める関数を表している。さらに、ノックレベル算出装置44は、式(7)に示すように、ノッキング検出区間における、第1の信号の絶対値Pw1_absのピーク値Kmaxを求める。図には、こうして算出された絶対値Pw1_absおよびピーク値Kmaxが示されている。
数式5
Figure 0004397804
ノッキング判定装置45は、ピーク値Kmaxを、所定値SHknockと比較する。ピーク値Kmaxが所定値SHknock以上ならば、筒内圧センサの出力にノッキング信号が含まれていることを示す。ノッキング判定装置45は、式(8)に示すように、ピーク値Kmaxが所定値SHknock以上ならば、ノッキングが発生したと判定する。ピーク値Kmaxが所定値SHknockより小さければ、ノッキングは発生していないと判定する。
数式6
Figure 0004397804
図に示される例では、時間t1〜t2において、所定値SHknock以上の値を持つピーク値Kmaxが検出されており、よってノッキング判定装置45は、ノッキングが発生したと判定する。
前述したように、ピーク値Kmaxの代わりに、第1の信号の絶対値を統計処理した値、たとえば平均値および積分値を用いてもよい。該平均値Kabeを算出するための式(9)および該積分値Kintを算出するための式(10)を以下に示す。nは、1燃焼サイクル中のノッキング検出区間において第1の信号がサンプリングされる回数を示す。この場合、該平均値Kabeまたは積分値Kintが、所定値SHknockより小さければ、ノッキングは発生していないと判定する。
数式7
Figure 0004397804
次に、ノックゲート算出装置43について、いくつかの実施例を参照しつつ説明する。
ノックゲート算出装置の第1実施例
図9を参照すると、(a)には、第1実施例に従うノックゲート算出装置43のブロック図が示されている。筒内圧ピーク検出装置61は、ウェーブレット変換器42の第5の高周波サブバンドフィルタの出力信号を、第2の信号Pw2として受け取る。第2の信号Pw2の周波数帯域は、図5に示されるように、0.6〜1.2kHzである。第2の信号Pw2から、筒内圧のピークを検出する。
このような周波数帯域を持つ信号Pw2から筒内圧のピークを検出する理由を述べる。筒内圧のピークは、その変化が急峻であるため、広範囲の周波数成分を含む。ノッキングおよび筒内圧信号による影響を取り除くため、ノッキングの周波数帯域および筒内圧信号の周波数帯域とは異なる周波数帯域を選択して、筒内圧ピークを検出することが望ましい。
この実施例で具体的に述べると、ノッキングの周波数は約8kHzであるが、ノッキングの2次以上の周波数成分も筒内圧変化信号に含まれているおそれがある。したがって、8kHz以上の周波数帯域は選択しないのが好ましい。ノッキングの周波数帯域より低く、かつ筒内圧の周波数帯域(0〜600Hz)とは異なる周波数帯域を選択する。こうして、この実施例では、第5の高周波サブバンドフィルタの出力信号PH5の周波数帯域600Hz〜1.2kHzを選択し、該出力信号PH5を、第2の信号Pw2として用いる。
代替的に、第4の高周波サブバンドフィルタの出力信号PH4および第4の低周波サブバンドフィルタの出力信号PL4は、ノッキングの周波数帯域より低く、かつ筒内圧の周波数帯域とは異なる周波数帯域を持つので、これらの信号を第2の信号Pw2として用いることもできる。
筒内圧ピーク検出装置61は、式(11)に示すように、第2の信号Pw2が得られるたびに、該第2の信号Pw2と所定値SHpmaxを比較する。該所定値SHpmax以上の値を持つ第2の信号Pw2が得られたならば、筒内圧のピークが検出されたと判断し、ピークフラグF_Pmaxに値1をセットする。該所定値SHpmax以上の値を持つ第2の信号Pw2が現れなければ、ピークフラグF_Pmaxはゼロにセットされたままである。
数式8
Figure 0004397804
ノッキング検出区間設定装置62は、ピークフラグF_Pmaxに値1が設定されることに応じて、ゲート信号F_GATEを値1にセットし、所定期間Cgateの計測を開始する。該所定期間Cgateの間、ゲート信号F_GATEは値1に維持される。ゲート信号F_GATEが値1に維持される区間が、ノッキング検出区間である。
図9の(b)を参照して、第1の実施例に従うノックゲート算出装置の動作の一例を具体的に説明する。筒内圧信号Pは、筒内圧のピークがどの時点で発生しているかを示すために図に示されており、ノックゲート算出装置43は実際には筒内圧信号Pを用いない点に注意されたい。
時間t1における筒内圧のピークに対応して、第2の信号Pw2にインパルス信号が現れているのがわかる。時間t1において、所定値SHpmax以上の値を持つ第2の信号Pw2が得られたので、ピークフラグF_Pmaxが値1に設定される。ピークフラグF_Pmaxが値1に設定されたので、Cgateの間(時間t1〜t2)にわたって、ゲート信号F_GATEの値が1に設定される。
こうして、筒内圧のピークに基づいてノッキング検出区間が設定されるので、着座ノイズが該ノッキング検出区間に含まれることを回避することができると共に、燃焼に応じたノッキング検出区間を各燃焼サイクルで設定することができる。ノッキングの発生するタイミングにずれが生じても、ノッキング検出区間が適切に設定されるので、ノッキングをより正確に検出することができる。
ノックゲート算出装置の第2実施例
前述したように、インパルス信号は、様々な周波数成分を持つ。着座ノイズも不連続に発生し、よってこのようなインパルス信号を発生させるおそれがある。第2の信号Pw2に着座ノイズが混入していると、該着座ノイズのインパルス信号に反応して、ノッキング検出区間が誤って設定されるおそれがある。これは、ノッキングを検出する精度を低下させる。第2の実施例に従うノックゲート算出装置43は、このように誤ってノッキング検出区間が設定されることを回避する。
図10を参照すると、(a)には、第2の実施例に従うノックゲート算出装置43のブロック図が示されている。第1の実施例と異なる点は、信号通過許可装置71が、筒内圧ピーク検出装置72の上流に設けられていることである。信号通過許可装置71は、クランク角センサ17(図1)から出力されるクランク角CRKを受け取る。信号通過許可装置71は、クランク角CRKが、所定範囲(Dpw2s〜Dpw2e)内にあるかどうかを判断する。式(12)に示すように、クランク角CRKが該所定範囲内にあるならば、第2の信号Pw2の筒内圧ピーク検出装置72への通過を許可する。すなわち、第2の信号Pw2の値が、Pw2_tpにセットされる。クランク角CRKが該所定範囲内になければ、第2の信号Pw2の筒内圧ピーク検出装置72への通過を禁止する。すなわち、Pw2_tpにはゼロがセットされる。
数式9
Figure 0004397804
上記の所定範囲は、筒内圧のピークが発生するクランク角度を含むよう設定される。典型的には、筒内圧のピークは、ピストンが上死点(TDC)に達する時に得られるので、上死点を基準に設定される(たとえば、TDC前5度〜TDC後10度)。
筒内圧ピーク検出装置72は、信号Pw2_tpに基づいて、第1の実施例と同様の方法で筒内圧のピークを検出する。すなわち、式(13)に示されるように、所定値SHpmax以上の値を持つ信号Pw2_tpが現れたならば、筒内圧のピークが検出されたと判断し、ピークフラグF_Pmaxを値1にセットする。該所定値SHpmax以上の値を持つ信号Pw2_tpが現れなければ、ピークフラグF_Pmaxはゼロにセットされたままである。
数式10
Figure 0004397804
ノッキング検出区間設定装置73は、第1の実施例のノッキング検出区間設定装置62と同じである。すなわち、ピークフラグF_Pmaxに値1が設定されることに応じて、ゲート信号F_GATEを値1にセットし、所定期間Cgateの計測を開始する。該所定期間Cgateの間、ゲート信号F_GATEは値1に維持される。ゲート信号F_GATEが値1に維持される区間が、ノッキング検出区間である。
図10の(b)を参照して、第2の実施例に従うノックゲート算出装置の動作の一例を具体的に説明する。信号Pw2_tpには、信号通過許可装置71によって許可された期間における第2の信号Pw2が現れている。時間t1において、所定値SHpmax以上の値を持つ信号Pw2_tpが得られたので、ピークフラグF_Pmaxが値1に設定される。ピークフラグF_Pmaxが値1に設定されたので、Cgateの間(時間t1〜t2)にわたって、ゲート信号F_GATEの値が1に設定される。
ノックゲート算出装置の第3実施例
図11を参照すると、(a)には信号の一例が示されており、(b)には、(a)の信号を1次微分した信号が示されており、(c)には、(b)の信号をさらに微分した信号、すなわち(a)の信号を2次微分した信号が示されている。このように、信号を2次微分することにより、該信号のエッジ(信号の値の変化が激しい部分)が強調された2次微分信号を得ることができる。この実施例では、2次微分により信号のエッジを強調する手法を用いて、筒内圧のピークを求める。
図12を参照すると、(a)には、第3の実施例に従うノックゲート算出装置43のブロック図が示されている。微分器81は、ウェーブレット変換器42の第4の低周波サブバンドフィルタの出力信号PL4を、第2の信号Pw2として受け取る。該第2の信号Pw2の周波数帯域は、図7に示されるように、0〜1.2kHzである。
前述したように、筒内圧の周波数帯域は0〜600Hzである。第3の実施例によれば、この帯域を含み、かつノッキングの周波数帯域(この例では、8kHz以上)とは異なる周波数帯域の信号を、第2の信号Pw2として用いることができる。この実施例では、0〜1.2kHzの周波数帯域を選択するが、代替的に、0〜600Hzの周波数帯域を用いてもよい。しかしながら、0〜1.2kHzの周波数帯域を用いることにより、図7に示すようにウェーブレット変換器42の段数を減らすことができる。
第3の実施例によれば、第2の信号を抽出するのに、筒内圧の周波数成分を含む周波数帯域を選択すればいいので、インパルス信号のみを抽出可能な周波数帯域を選択する第1および第2の実施例よりも、周波数帯域の選択という観点において自由度が増す。
微分器81は、式(14)に示すように、第2の信号Pw2を微分し、信号Pw2’を算出する。この実施例では、第2の信号Pw2が、筒内圧信号Pの1次微分信号である筒内圧変化信号dPに基づいて生成されているので、信号Pw2’は、筒内圧信号Pの2次微分信号である。
数式11
Figure 0004397804
筒内圧ピーク検出装置82は、2次微分信号Pw2’と所定値SHpmaxとを比較する。式(15)に示されるように、該所定値SHpmax以上の値を持つ2次微分信号Pw2’が現れたならば、筒内圧のピークが検出されたと判断し、ピークフラグF_Pmaxに値1をセットする。該所定値SHpmax以上の値を持つ2次微分信号Pw2’が現れなければ、ピークフラグF_Pmaxはゼロにセットされたままである。
数式12
Figure 0004397804
ノッキング検出区間設定装置83は、第1の実施例のノッキング検出区間設定装置62と同じである。すなわち、ピークフラグF_Pmaxに値1が設定されることに応じて、ゲート信号F_GATEを値1にセットし、所定期間Cgateの計測を開始する。該所定期間Cgateの間、ゲート信号F_GATEは値1に維持される。ゲート信号F_GATEが値1に維持される区間が、ノッキング検出区間である。
図12の(b)を参照して、第3の実施例に従うノックゲート算出装置の動作の一例を具体的に説明する。筒内圧信号Pは、筒内圧のピークがどの時点で発生しているかを示すために図に示されており、ノックゲート算出装置43は実際には筒内圧信号Pを用いない点に注意されたい。
時間t1における筒内圧のピークに対応して、2次微分信号Pw2’が急峻に変化しているのがわかる。時間t1において、所定値SHpmax以上の値を持つ2次微分信号Pw2’が得られたので、ピークフラグF_Pmaxが値1に設定される。ピークフラグF_Pmaxが値1に設定されたので、Cgateの間(時間t1〜t2)にわたって、ゲート信号F_GATEの値が1に設定される。
こうして、筒内圧のピークに基づいてノッキング検出区間が設定されるので、着座ノイズが該ノッキング検出区間に含まれることを回避することができると共に、燃焼に応じたノッキング検出区間を各燃焼サイクルで設定することができる。ノッキングの発生するタイミングにずれが生じても、ノッキング検出区間が適切に設定されるので、ノッキングをより正確に検出することができる。
周波数分解の対象が、筒内圧変化信号dPではなく、筒内圧信号Pでもよいことは上に述べた。筒内圧信号Pをウェーブレット変換器42で周波数分解する場合には、微分器81は、第4の低周波サブバンドフィルタにより生成された信号を2次微分して、2次微分信号Pw2’を算出する。
ノックゲート算出装置の第4実施例
図13を参照すると、(a)には、第4の実施例に従うノックゲート算出装置43のブロック図が示されている。第3の実施例と異なる点は、信号通過許可装置92を、微分器91と筒内圧ピーク検出装置93の間に設けた点である。信号通過許可装置92は、第2の実施例を参照して説明した信号通過許可装置71と同様に動作する。
微分器91は、第3の実施例の微分器81と同じであり、ウェーブレット変換器42の第4の低周波サブバンドフィルタからの出力信号PL4を、第2の信号Pw2として受け取り、2次微分信号Pw2’を生成する。
信号通過許可装置92は、クランク角センサ17(図1)から出力されるクランク角CRKを受け取る。信号通過許可装置92は、クランク角CRKが、所定範囲(Dpw2s〜Dpw2e)内にあるかどうかを判断する。所定範囲は、第2の実施例における信号通過許可装置71のものと同様に設定されることができる。
式(16)に示すように、クランク角CRKが該所定範囲内にあるならば、2次微分信号Pw2’の筒内圧ピーク検出装置93への通過を許可する。すなわち、2次微分信号Pw2’の値が、Pw2’_tpにセットされる。クランク角CRKが該所定範囲内になければ、2次微分信号Pw2’の筒内圧ピーク検出装置92への通過を禁止する。すなわち、Pw2’_tpにはゼロがセットされる。
数式13
Figure 0004397804
筒内圧ピーク検出装置93およびノッキング検出区間設定装置94は、第3の実施例のものと同様に動作する。具体的には、筒内圧ピーク検出装置93は、式(17)に示すように、信号Pw2’_tpが得られるたびに、該信号Pw2’_tpと所定値SHpmaxを比較する。該所定値SHpmax以上の値を持つ信号Pw2’_tpが得られたならば、筒内圧のピークが検出されたと判断し、ピークフラグF_Pmaxに値1をセットする。該所定値SHpmax以上の値を持つ信号Pw2’_tpが得られなければ、ピークフラグF_Pmaxはゼロにセットされたままである。
数式14
Figure 0004397804
ノッキング検出区間設定装置94は、ピークフラグF_Pmaxに値1が設定されることに応じて、ゲート信号F_GATEを値1にセットし、所定期間Cgateの計測を開始する。該所定期間Cgateの間(t1〜t2)、ゲート信号F_GATEは値1に維持される。ゲート信号F_GATEが値1に維持される区間が、ノッキング検出区間である。
図13の(b)を参照して、第4の実施例に従うノックゲート算出装置の動作の一例を具体的に説明する。信号Pw2’_tpには、信号通過許可装置92によって許可された期間における2次微分信号Pw2’が現れている。時間t1において、所定値SHpmax以上の値を持つ信号Pw2’_tpが得られたので、ピークフラグF_Pmaxが値1に設定される。ピークフラグF_Pmaxが値1に設定されたので、Cgateの間(時間t1〜t2)にわたって、ゲート信号F_GATEの値が1に設定される。
次に、図14〜図19を参照して、ノッキングを検出するプロセスのフローチャートを示す。該プロセスは、典型的には、図4に示される機能ブロックにより実施されることができる。ノッキング検出区間の設定は、上記の第2の実施例に従うノックゲート算出装置43により実施されるプロセスに基づいている。したがって、ウェーブレット変換プロセスは、図5に示されるウェーブレット変換器42により実施されるプロセスに基づいている。しかしながら、当業者ならば、第1、第3および第4の実施例に従うノックゲート算出装置43に対応するように、該プロセスを修正することができることは、明らかであろう。
図14および図15は、ウェーブレット変換のプロセスを示すフローチャートである。筒内圧センサの出力がサンプリングされるたびに、該プロセスは実施される。
ステップS1〜S5は、第1の低周波サブバンドフィルタの処理を示す。ステップS1において、筒内圧センサの出力信号の今回値dP(n)を受け取るためのシフト処理が行われる。ステップS1の処理により、筒内圧センサの出力信号の今回値dP(n)はP(n)に記憶され、前回値はP(n−1)に記憶される。
ステップS2において、式(5)に従って、第1の低周波サブバンドフィルタの出力PL1(n)を算出する。ステップS3〜5において、ダウンサンプリングされる。カウンタCountが設定され、Countの値がゼロならば、Counteの値をインクリメントして(S5)、該プロセスを終了する。Countの値が1ならば、Countの値をリセットして(S4)、該フィルタの出力PL1(n)をウェーブレットの第2段に渡す。
ステップS6〜S8は、第2の低周波サブバンドフィルタによるプロセスを示す。ステップS6において、第1段から受け取った値の今回値PL1(n)と前回値PL1(n−1)を用い、式(5)と同様の方法で、第2の低周波サブバンドフィルタの出力信号PL2(n)を生成する。ステップS7において、第1段から受け取った値PL1のシフト処理が行われる。ステップS8のダウンサンプリングの処理では、実際には、ステップS3〜S5と同じ処理が行われるが、簡略化のため省略している。
ステップS9およびS10は、第2の高周波サブバンドフィルタによるプロセスを示す。第1段から受け取った今回値PL1(n)と前回値PL1(n−1)を用い、式(4)と同様の方法で、第2の高周波サブバンドフィルタの出力信号、すなわち第1の信号Pw1(n)を生成する。ステップS10では、ダウンサンプリング(S3〜S5と同じ)が行われる。
ステップS11〜S13は、第3の低周波サブバンドフィルタによるプロセスを示す。これは、第2の低周波サブバンドフィルタによるプロセスS6〜S8と同様に実施され、よって説明を省略する。
図15に進み、ステップS14〜S16は、第4の低周波サブバンドフィルタによるプロセスを示す。これは、第2の低周波サブバンドフィルタによるプロセスS6〜S8と同様に実施され、よって説明を省略する。ステップS17〜S19は、第5の低周波サブバンドフィルタによるプロセスを示す。これも、第2の低周波サブバンドフィルタによるプロセスS6〜S8と同様に実施される。ここで、第2の信号Pw2が生成される。
図16は、筒内圧のピークを検出するプロセスを示す。このプロセスは、ウェーブレット変換プロセスのステップS17において、第2の信号Pw2が算出されるたびに実施される。たとえば、サンプリング周波数Fsが36kHzの場合、第2の信号Pw2が、1.2kHzの周波数で生成されるので、該プロセスも、1.2kHzの周波数で実行される。前述したように、ウェーブレット変換の各段における出力信号の周波数はサンプリング周波数Fsに従って変化するので、1.2kHzは単なる一例である点に注意されたい。
ステップS31およびS32において、クランク角センサから検出された現在のクランク角CRKが、Dpw2sおよびDpw2eで規定される所定範囲内にあるかどうかを調べる。クランク角CRKが該所定範囲内になければ、信号Pw2_tpにゼロを設定する(S33)。クランク角CRKが該所定範囲内にあれば、信号Pw2_tpに、ステップS17で算出されたPw2を設定する(S34)。
ステップS35において、信号Pw2_tpと所定値SHpmaxを比較する。信号Pw2_tpが所定値SHpmax以上ならば、筒内圧のピークが検出されたことを示すので、ピークフラグF_Pmaxに値1をセットする(S36)。信号Pw2_tpが所定値SHpmaxより小さければ、筒内圧のピークが検出されていないことを示すので、ピークフラグF_Pmaxにゼロをセットする(S37)。
図17は、ノッキング検出区間を設定するプロセスを示す。このプロセスは、筒内圧センサの出力をサンプリングするタイミングで実施される。例えば、サンプリング周波数Fsが36kHzである場合、該プロセスも、36kHzの周波数で実施される。
ステップS41において、ノッキング検出区間の継続時間を計測するタイマの値Tを調べ、TがゼロならばステップS42に進み、TがゼロでなければステップS44に進む。
ステップS42において、ピークフラグF_Pmaxの値を調べる。ピークフラグF_Pmaxの値が1ならば、筒内圧のピークが検出されたことを示すので、タイマの値Tに所定値Cgateを設定する(S43)。
ステップS44およびS45は、タイマの値Tを更新するプロセスである。ステップS44でタイマの値Tが1だけデクリメントされる。ステップS45で、タイマの値Tがゼロに達していなければ、ゲート信号F_GATEの値を1に維持する(S46)。これにより、ノッキング検出区間が継続する。
ステップS45において、タイマの値Tがゼロ以下ならば、所定時間Cgateが経過したことを示す。ステップS47においてタイマTの値をゼロにリセットし、ステップS48において、ゲート信号F_GATEの値をゼロにセットする。こうして、ノッキング検出区間を終了する。
図18は、ノックレベルを算出するプロセスを示す。このプロセスは、ウェーブレット変換プロセスのステップS9において、第1の信号Pw1が算出されるたびに実施される。たとえば、サンプリング周波数Fsが36kHzの場合、第1の信号Pw1は9kHzの周波数で生成されるので、該プロセスも、9kHzの周波数で実行される。前述したように、ウェーブレット変換の各段における出力信号の周波数はサンプリング周波数Fsに従って変化するので、9kHzは単なる一例である点に注意されたい。
ステップS51において、ゲート信号F_GATEの値を調べる。ゲート信号F_GATEの値がゼロならば、ノッキング検出区間外を示すので、このプロセスを終了する。ゲート信号F_GATEの値が1ならば、ノッキング検出区間であることを示す。
ステップS52において、第1の信号Pw1に絶対値関数を適用し、第1の信号の絶対値Pw1_absを算出する。
ステップS53およびS54は、第1の信号の絶対値Pw1_absのピーク値Kmaxを求めるプロセス示す。Kmaxの初期値にはゼロが設定されている。ステップS53において、絶対値Pw1_absが現在のピーク値Kmaxより大きければ、該ピーク値Kmaxを、該絶対値Pw1_absで更新する(S54)。ステップS53において、絶対値Pw1_absが現在のピーク値Kmax以下ならば、該ピーク値Kmaxを更新することなく、該プロセスを終了する。
図19は、ノッキングを判定するプロセスを示す。該プロセスは、1燃焼サイクルにつき1回実行される。
ステップS61において、ステップS54で算出されたピーク値Kmaxと所定値SHknockとを比較する。ピーク値Kmaxが所定値SHknock以上ならば、ノッキングが発生していると判断し、ノックフラグF_Knockに値1をセットする(S62)。ピーク値Kmaxが所定値SHknockより小さければ、ノッキングが発生していないと判断し、ノックフラグF_Knockにゼロをセットする(S63)。ステップS64において、ピーク値Kmaxを、次の燃焼サイクルについての処理のためにゼロにリセットする。
本発明は、汎用の(例えば、船外機等の)内燃機関に適用可能である。
この発明の一実施例に従う、エンジンおよびその制御装置を概略的に示す図。 この発明の一実施例に従う、筒内圧センサの取り付けを示す図。 この発明の一実施例に従う、筒内圧変化信号および筒内圧信号を示す図。 この発明の一実施例に従う、ノッキング検出装置のブロック図。 この発明の一実施例に従う、ウェーブレット変換器のブロック図。 この発明の一実施例に従う、(a)高周波サブバンドフィルタ、および(b)低周波サブバンドフィルタの構成を示す図。 この発明の他の実施例に従う、ウェーブレット変換器のブロック図。 この発明の一実施例に従う、ノッキングを判定する手法を説明するための図。 この発明の第1の実施例に従う、ノッキング検出区間設定装置のブロック図およびノッキング検出区間を設定する手法を説明するための図。 この発明の第2の実施例に従う、ノッキング検出区間設定装置のブロック図およびノッキング検出区間を設定する手法を説明するための図。 信号の2次微分値を示す図。 この発明の第3の実施例に従う、ノッキング検出区間設定装置のブロック図およびノッキング検出区間を設定する手法を説明するための図。 この発明の第4の実施例に従う、ノッキング検出区間設定装置のブロック図およびノッキング検出区間を設定する手法を説明するための図。 この発明の一実施例に従う、ウェーブレット変換プロセスのフローチャート。 この発明の一実施例に従う、ウェーブレット変換プロセスのフローチャート。 この発明の一実施例に従う、筒内圧のピークを検出するプロセスのフローチャート。 この発明の一実施例に従う、ノッキング検出区間を設定するプロセスのフローチャート。 この発明の一実施例に従う、ノックレベルを算出するプロセスのフローチャート。 この発明の一実施例に従う、ノッキングを判定するプロセスのフローチャート。 従来技術に従う、(a)振動センサの出力信号および(b)該出力信号にウェーブレット変換を適用することにより得られる信号を示す図。
符号の説明
1 ECU
2 エンジン
8 燃焼室
15 筒内圧センサ
17 クランク角センサ

Claims (5)

  1. エンジンの筒内圧に応じた信号を出力する筒内圧センサと、
    前記筒内圧センサの出力信号から、前記エンジンのノッキングに対応する周波数帯域を持つ第1の信号および前記筒内圧のピークを検出するための周波数帯域を持つ第2の信号を抽出する信号抽出装置と、
    前記第2の信号に基づいて、前記ノッキングを検出するためのノッキング検出区間を設定するノッキング検出区間設定装置と、
    前記ノッキング検出区間において前記第1の信号を調べ、ノッキングが発生したかどうかを判断するノッキング判定装置と、を備え、
    前記第2の信号は、前記ノッキングに対応する周波数帯域および前記エンジンの筒内圧の周波数帯域とは異なる周波数帯域であって、前記筒内圧がピークに達した時に発生するインパルス信号が現れる周波数帯域の信号であり、
    前記ノッキング検出区間設定装置は、さらに、
    前記第2の信号を所定値と比較し、該第2の信号の大きさが前記所定値以上になった時点を、前記筒内圧がピークに達した時に発生する前記インパルス信号の発生時点として検出する筒内圧ピーク検出装置と、
    前記検出されたインパルス信号の発生時点から所定時間にわたって、前記ノッキング検出区間を設定する設定装置と、を備える、
    ノッキング検出装置。
  2. 前記ノッキング判定装置は、前記ノッキング検出区間において、前記第1の信号のピーク値が所定値を超えたならば、ノッキングが発生したと判断する、
    請求項1に記載のノッキング検出装置。
  3. 前記ノッキング判定装置は、前記ノッキング検出区間において、前記第1の信号を統計処理した値が所定値を超えたならば、ノッキングが発生したと判断する、
    請求項1に記載のノッキング検出装置。
  4. 前記筒内圧センサの出力信号は、前記エンジンの筒内圧の微分値を表す信号である、
    請求項1からのいずれかに記載のノッキング検出装置。
  5. 前記ノッキング検出区間設定装置は、さらに、前記筒内圧ピーク検出装置の上流に信号通過許可装置を備えており、
    該信号通過許可装置は、前記エンジンについて検出されたクランク角信号が所定範囲内にあるかどうかを判断し、該クランク角信号が該所定範囲内にあるときは、前記第2の信号の前記筒内圧ピーク検出装置への通過を許可し、該クランク角信号が該所定範囲内にないときは、該第2の信号の該筒内圧ピーク検出装置への通過を禁止する、
    請求項1から4のいずれかに記載のノッキング算出装置。
JP2004377218A 2004-12-27 2004-12-27 ノッキング検出装置 Expired - Fee Related JP4397804B2 (ja)

Priority Applications (6)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004377218A JP4397804B2 (ja) 2004-12-27 2004-12-27 ノッキング検出装置
US11/268,729 US7299680B2 (en) 2004-12-27 2005-11-08 Knocking detection
TW094139962A TW200632297A (en) 2004-12-27 2005-11-14 Knocking detection
DE602005006955T DE602005006955D1 (de) 2004-12-27 2005-11-17 Klopferkennung
EP05025166A EP1674847B1 (en) 2004-12-27 2005-11-17 Knocking detection
CN200510130529.6A CN100520031C (zh) 2004-12-27 2005-12-14 爆震的检测

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004377218A JP4397804B2 (ja) 2004-12-27 2004-12-27 ノッキング検出装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2006183533A JP2006183533A (ja) 2006-07-13
JP4397804B2 true JP4397804B2 (ja) 2010-01-13

Family

ID=35998515

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004377218A Expired - Fee Related JP4397804B2 (ja) 2004-12-27 2004-12-27 ノッキング検出装置

Country Status (6)

Country Link
US (1) US7299680B2 (ja)
EP (1) EP1674847B1 (ja)
JP (1) JP4397804B2 (ja)
CN (1) CN100520031C (ja)
DE (1) DE602005006955D1 (ja)
TW (1) TW200632297A (ja)

Families Citing this family (29)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE102006040656A1 (de) * 2006-08-30 2008-03-20 Robert Bosch Gmbh Verfahren zur Ermittlung der Geräuschemission einer Brennkraftmaschine
US8297123B2 (en) 2009-07-30 2012-10-30 General Electric Company Detection of anomalous movement in a reciprocating device
KR101189493B1 (ko) * 2010-09-30 2012-10-11 한양대학교 산학협력단 엔진의 연소 위상 검출 방법
CN102155322A (zh) * 2011-03-10 2011-08-17 重庆长安汽车股份有限公司 一种发动机爆震判定方法
JP2013024098A (ja) 2011-07-20 2013-02-04 Yamaha Motor Co Ltd 内燃機関およびそれを備えた鞍乗型車両
JP5871364B2 (ja) * 2011-09-14 2016-03-01 ダイヤモンド電機株式会社 内燃機関の燃焼制御装置
US8443784B2 (en) * 2011-10-06 2013-05-21 GM Global Technology Operations LLC Internal combustion engine and method for control
JP5843652B2 (ja) * 2012-02-20 2016-01-13 三菱電機株式会社 内燃機関のノック制御装置
DE102012203487B4 (de) * 2012-03-06 2014-07-10 Robert Bosch Gmbh Verfahren und Vorrichtung zur Erkennung von Vorentflammungen in einem Ottomotor
JP5942805B2 (ja) * 2012-11-16 2016-06-29 トヨタ自動車株式会社 火花点火式内燃機関
ITBO20130224A1 (it) * 2013-05-14 2014-11-15 Magneti Marelli Spa Metodo per il riconoscimento dei fenomeni di detonazione in un motore a combustione interna
JP2015083793A (ja) * 2013-10-25 2015-04-30 ヤマハ発動機株式会社 内燃機関の制御装置、鞍乗型車両のパワーユニット、および、鞍乗型車両
DE102013221993A1 (de) * 2013-10-29 2015-04-30 Robert Bosch Gmbh Verfahren und Vorrichtung zur Erkennung eines Klopfens einer Brennkraftmaschine, vorzugsweise eines Benzinmotors
WO2015075235A1 (en) * 2013-11-25 2015-05-28 Sem Ab Engine management using knock data
JP2015113805A (ja) 2013-12-13 2015-06-22 トヨタ自動車株式会社 内燃機関
US10519879B2 (en) * 2014-02-17 2019-12-31 Nissan Motor Co., Ltd. Determining in-cylinder pressure by analyzing current of a spark plug
JP6059194B2 (ja) 2014-11-04 2017-01-11 トヨタ自動車株式会社 内燃機関のノック判定装置
US10001077B2 (en) * 2015-02-19 2018-06-19 General Electric Company Method and system to determine location of peak firing pressure
US20160265453A1 (en) * 2015-03-13 2016-09-15 General Electric Company Joint time-frequency and wavelet analysis of knock sensor signal
EP3283748B1 (en) 2015-04-14 2023-07-26 Woodward, Inc. Combustion pressure feedback based engine control with variable resolution sampling windows
US9869257B2 (en) * 2015-08-19 2018-01-16 General Electric Company System and method for predicting peak pressure values using knock sensor
FR3047072B1 (fr) * 2016-01-21 2018-01-26 Continental Automotive France Procede et dispositif de traitement d'un signal fourni par un capteur de mesure de la pression regnant dans un cylindre
JP6541586B2 (ja) * 2016-01-22 2019-07-10 三菱重工業株式会社 ノッキング検出方法、点火時期制御方法および内燃機関の制御システム
JP6587981B2 (ja) * 2016-06-06 2019-10-09 三菱重工エンジン&ターボチャージャ株式会社 ノッキング検出方法及びノッキング検出装置
CN106768613A (zh) * 2016-12-08 2017-05-31 广西玉柴机器股份有限公司 发动机爆震的测量装置
DE102018219004B4 (de) * 2017-11-29 2021-11-04 Prüfrex engineering e motion gmbh & co. kg Zündvorrichtung
US10934965B2 (en) 2019-04-05 2021-03-02 Woodward, Inc. Auto-ignition control in a combustion engine
WO2021024313A1 (ja) * 2019-08-02 2021-02-11 三菱重工エンジン&ターボチャージャ株式会社 内燃機関及び発電システム
JP2023124427A (ja) * 2022-02-25 2023-09-06 三菱重工エンジン&ターボチャージャ株式会社 エンジンのノッキング判定装置および方法

Family Cites Families (13)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS607219B2 (ja) * 1976-06-30 1985-02-22 株式会社豊田中央研究所 エンジン・ノツキング・メ−タ
JPS5862374A (ja) * 1981-10-08 1983-04-13 Ngk Spark Plug Co Ltd 内燃機関の制御装置
US4750103A (en) * 1984-06-29 1988-06-07 Nissan Motor Company, Limited System and method for detecting and controlling knocking in an internal combustion engine
US4709678A (en) * 1985-05-31 1987-12-01 Honda Giken Kogyo Kabushiki Kaisha Uncertainty detector in feed-back control system based on combustion peak position data for internal combustion engine and ignition timing control having particular detector
DE3721424C2 (de) * 1986-07-01 1994-03-10 Honda Motor Co Ltd Vorrichtung zum Regeln des Zündzeitpunktes bei einer Brennkraftmaschine
KR930008805B1 (ko) * 1988-09-27 1993-09-15 미쓰비시전기주식회사 내연기관의 점화시기 제어장치
DE69017063T2 (de) * 1989-04-14 1995-09-21 Hitachi Ltd Motorüberwacher, ausgerüstet mit Klopfdetektor.
DE4211645A1 (de) * 1992-04-07 1993-10-14 Bosch Gmbh Robert Verfahren und Vorrichtung zur Erkennung des Klopfens einer Brennkraftmaschine
US5483936A (en) * 1994-07-05 1996-01-16 Kerstein; Scott M. Spark knock detection system for an internal combustion engine
JP3753583B2 (ja) * 2000-02-15 2006-03-08 株式会社デンソー 内燃機関用ノック制御装置
US6546328B1 (en) 2001-01-03 2003-04-08 Eaton Corporation Knock and misfire detection system
DE10201073A1 (de) * 2002-01-14 2003-07-31 Siemens Ag Verfahren zur Verarbeitung eines Sensorsignals eines Klopf-Sensors für eine Brennkraftmaschine
US6805099B2 (en) * 2002-10-31 2004-10-19 Delphi Technologies, Inc. Wavelet-based artificial neural net combustion sensing

Also Published As

Publication number Publication date
US20060086177A1 (en) 2006-04-27
TW200632297A (en) 2006-09-16
CN1796753A (zh) 2006-07-05
EP1674847A3 (en) 2007-05-16
DE602005006955D1 (de) 2008-07-03
EP1674847A2 (en) 2006-06-28
EP1674847B1 (en) 2008-05-21
CN100520031C (zh) 2009-07-29
US7299680B2 (en) 2007-11-27
JP2006183533A (ja) 2006-07-13

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4397804B2 (ja) ノッキング検出装置
US7212912B2 (en) Internal cylinder pressure detection
US7647155B2 (en) Apparatus and method for calculating work load engine
US7757545B2 (en) Device and method for determining trouble of cylinder pressure sensor
JP4220516B2 (ja) 内燃機関の可変動弁機構の故障検知装置
US7299687B2 (en) Rough road detection system
EP1586880A2 (en) Knock detecting apparatus and method for internal combustion engine
EP2893176B1 (en) Apparatus for detecting abnormal combustion in a combustion engine
US7254475B1 (en) Detection systems and methods
US20070012090A1 (en) Knocking determination device for internal combustion engine
JP4327582B2 (ja) ノッキング検知装置
US20090132144A1 (en) Apparatus and Method for Calculating Work Load of Engine
JP2008157087A (ja) ノッキング検出装置
US8103432B2 (en) Internal-combustion-engine control apparatus
KR101032595B1 (ko) 내연기관의 노킹을 판정하기 위한 장치 및 방법
JP4320029B2 (ja) エンジンの仕事量を算出する装置
Corti et al. Rapid control prototyping system for combustion control
JP2006348764A (ja) 内燃機関のノッキング判定装置
US11473519B2 (en) Internal combustion engine control apparatus
JP2022149376A (ja) データ処理方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20061128

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20080925

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20080930

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20081127

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090224

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20090413

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090630

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20090820

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20091020

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20091021

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121030

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Ref document number: 4397804

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131030

Year of fee payment: 4

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees