JP4396757B2 - ノイズ補正回路、撮像装置及びノイズ補正方法 - Google Patents
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Description
これらの固体撮像装置の場合には、時間によらず同じ画素位置に存在する固定パターンノイズが存在する。固定パターンノイズの1つとして、例えば、縦方向(垂直方向)に筋状のノイズが発生することが知られている。即ち、CMOSイメージセンサにおいて、垂直方向の列ごとに同じ回路を使用する構成の場合に、それぞれの列の回路の特性の不均一により、縦方向に筋状のノイズが発生することが知られている。
このため、イメージセンサに十分な光が入力されず、デジタル変換後の出力信号レベルが小さい場合に、デジタルによる増幅を行うと、映像信号成分とともに量子化精度以下の補正されない縦筋も増幅されて、量子化誤差が強調されると、誤差は縦一列のノイズとなって、画質が大きく劣化するという問題があった。
その処理としては、イメージセンサが出力する映像信号の所定の範囲の信号レベルの平均値を求め、その算出した平均値を使用して、イメージセンサが出力する映像信号の所定の方向のノイズ成分を求め、その求められたノイズ成分に基いて、イメージセンサが出力した映像信号からノイズを除去する。そして、ノイズ成分を除去した映像信号に、この映像信号の量子化精度以下の乱数を加える処理を行うようにしたものである。
図1は、本実施の形態の例が適用される撮像装置100の全体構成を示した図である。撮像装置100は、イメージセンサを各色ごとに備えた3板式のカラー撮像装置である。この撮像100は、イメージセンサ101R,101G,101Bを備える。イメージセンサ101R,101G,101Bは、それぞれ赤、緑、青用の各画像を撮像するイメージセンサである。本実施の形態においては、イメージセンサとして、CMOSイメージセンサを使用する。CMOSイメージセンサの具体的構成例については後述する。
各イメージセンサ101R,101G,101Bが撮像して出力する映像信号(撮像信号)は、ビデオアンプ102R,102G,102Bで適正なレベルに増幅した後、アナログ/デジタル変換器103R,103G,103Bで各色のデジタルデータR,G,Bに変換する。変換されたデータは、ビデオ処理部109で映像信号処理を行う。
イメージセンサ101R,101G,101Bから出力された映像信号は、アナログ/デジタル変換器103R,103G,103Bでデジタルデータ化された後、ビデオ処理部109内の各回路で上述した映像処理が行われる。なお、アナログ/デジタル変換器103R,103G,103Bについては、次に説明するように、本例の場合には、各垂直ラインごとに設けてある。
図2に示すように、画素11を構成する受光素子が、撮像面にマトリクス状に配置してあり、水平アドレス選択部12により各画素11に接続されたスイッチ14のオン・オフを制御し、さらに垂直アドレス選択部13でスイッチ15のオン・オフを制御して、1水平ラインずつ順に各画素11の信号を読み出す。スイッチ14,15で各垂直ラインごとに選択された信号は、アンプ16で増幅された後、各ライン個別のアナログ/デジタル変換器17でデジタルデータに変換される。本例の場合には、例えば1画素のデータを8ビットのデジタルデータとする。そして、その変換されたデジタルデータが、各垂直ラインで一斉にシフトレジスタ18に転送されて、シフトレジスタ18から1水平ラインずつ順に出力される。
減算器32で黒レベルの積分値を減算した信号は、加算器33に供給し、その加算器33の出力を1水平ライン期間だけラインメモリ34で遅延させた信号と加算する。加算器33で加算させてラインメモリ34で遅延させた信号は、乗算器35に供給し、1/n倍の乗算処理(nはイメージセンサの画素数)を行い、1画素ごとのノイズ量とする。
このようにして、任意の範囲の黒レベルの積分値を減算した値を、1水平ライン期間だけラインメモリ34で遅延させた信号を順に加算することで、各垂直ラインごとのノイズ量が検出される。即ち、イメージセンサ上の黒レベル積分器31で積分された範囲の信号レベルの、垂直ラインごとのノイズ量を求める処理が行われることになる。
このように構成したことで、減算器23で、いわゆる縦筋ノイズの補正が行われることになる。ここまでは、従来から知られている縦筋の補正処理と基本的に同じである。
加算器24での加算処理のより詳細を説明すると、減算器23が出力する補正済みの映像信号は、平均で得たノイズ信号を減算した信号であり、平均化の処理のために、元の映像信号のビット数以下(即ち量子化精度以下)のビット数が下位に付加された信号となっている。乱数発生器25では、その下位ビットのビット数までの桁数の乱数を発生させ、発生した乱数を、加算器24で下位ビットに加算させる。
そして、加算器24で下位ビットに乱数を加算した映像信号のその下位ビットを切り捨てる処理を行い、規定されたビット数(即ち量子化精度のビット数)の映像信号として、出力端子26から後段の回路に供給する。
このように構成した上で、各フリップフロップ45,46,47の出力を、3ビットの出力OUT[0],[1],[2]とする。
即ち、各セレクタに供給されるLOADパルスが1の時に、セレクタ42,43,44によりSEEDの値が選択され、フリップフロップ45,46,47に選択された値が入力される。LOADパルスが0の時は、セレクタ42,43,44は、SEEDでない方の入力が選択される。SEEDに2進数の“111”が入力し、これがロードされたとすると、EXORゲート41のフィードバックにより、次のクロックでは、出力OUTが“110”、その次は“100”、・・・のように出力が変化し、1クロック毎に変化する3ビットの擬似乱数を発生するという動作を行う。なお、LOADパルスは、例えば撮像装置の制御部(図示せず)により制御し、SEEDには映像信号の任意のビットを入力する。
まず図6のフローチャートを参照して、縦筋のノイズ成分を検出する処理例について説明する。
このノイズ成分の検出処理が開始されると(ステップS1)、最初に各色のイメージセンサを遮光し、この遮光した状態で撮像を行う(ステップS2)。この状態で撮像された映像信号が、黒レベルの撮像信号であり、黒レベル信号が検出される(ステップS3)。そして、撮像して得た映像信号より、黒レベル信号を減算し(ステップS4)、その黒レベルを減算した信号を、垂直方向に加算し(ステップS5)、最下位のラインであるか否か判断する(ステップS6)。最下位のラインでない場合には、映像信号を1水平ライン期間遅延させ(ステップS7)、ステップS6での加算を繰り返し、ステップS7で最下位のラインであると判断されると、そのときの加算値に基づいて縦筋成分のノイズ量が算出される(ステップS8)。その算出された各垂直ラインのノイズ量が、メモリ22に記憶(保存)させて(ステップS9)、検出処理を終了する(ステップS10)。
映像信号が入力端子21から入力されると(ステップS11)、その入力信号から縦筋成分の信号が、減算器23で減算される(ステップS12)。例えば、ステップS11で得られる映像信号は、1画素が1色あたり8ビットであるとする。そして、ステップS12での減算で、下位に2ビット付加された10ビットのデータとなったとする。
図8(a)に示すように、本実施の形態の例の場合には、1画素が8ビットの信号であり、縦筋成分の減算で、その8ビットの信号の下位に、2ビット付加された状態となっている。この下位の2ビットは、アナログ/デジタル変換器での量子化精度以下の信号である。
この10ビットの信号に対して、2ビットの乱数を加算し、10ビットとの加算値を得る。そして、その加算された10ビットの信号の下位2ビットを削除し、上位8ビットを補正結果として出力させる。このように処理されることで、出力される8ビットの値の内の最下位ビットの値が、乱数値に応じて変化する場合と、変化しない場合とがある。
一方、従来の丸め処理の場合には、いずれも例の場合にも、同じ垂直ライン上で値が同じ値である。即ち、下位2ビットが「11」の特性d21は、その垂直ラインの最下位ビットの値が1のままであり、下位2ビットが「10」の特性d22も、その垂直ラインの最下位ビットの値が1のままである。さらに、下位2ビットが「01」の特性d23は、その垂直ラインの最下位ビットの値が0のままであり、下位2ビットが「00」の特性d24も、その垂直ラインの最下位ビットの値が0のままである。
さらに、前述のように、一つの垂直ラインを平均的に見ると縦筋成分減算後の10ビット中の下位2ビットの情報が保存されており、縦筋の見え方は4通りに変化する。
従って、補正後に増幅などがあっても、補正後に残ったノイズ成分の影響で、縦筋が目立つようなことがない。具体的には、乱数加算を行った映像信号による表示画像では、ゲインが高い映像の場合であっても、縦筋が縦に連続しなくなり、縦筋の見え方が薄くなり、結果的に表示画像中の縦筋が目立たなくなる効果がある。
これに対して、従来の丸め処理では、縦筋補正は垂直1列に同じ補正データが適用されるため、この丸めによる誤差は垂直1列の間一定に保たれ、誤差分が縦筋として見える不具合が生じる。
以上説明したように、本実施の形態の処理を行うことにより、人間の目の積分特性を利用して縦筋補正の量子化誤差を低減し、低照度時にデジタルによる増幅を行った場合などの画質を大幅に改善することができる。
本実施の形態においては、第1の実施の形態で説明した、縦筋のノイズ補正時に乱数を加えて縦筋の量子化精度以下の誤差が目立たないようにした処理を、横方向のノイズ成分である、ストリーキングの補正に適用したものである。
撮像装置の全体構成としては、既に説明した図1の撮像装置100が適用可能である。撮像装置100が備えるイメージセンサ101R,101G,101Bとしては、CMODイメージセンサ、CCDイメージセンサなど各種方式のものが適用可能である。その撮像装置100の補正回路104での補正処理の1つとして、水平方向の誤差の補正である、ストリーキングの補正を行う。ストリーキング補正は、ゲイン調整を行う前の映像信号に対してストリーキング量を検出して、補正するのが好ましい。
図10は、本実施の形態でのストリーキング補正を行う構成例を示した図である。
図10において、赤補正信号生成回路211R、緑補正信号生成回路211G、青補正信号生成回路211Bのそれぞれは、各色の映像信号から、ストリーキング量を検出する回路である。
補正信号生成部221は、入力される映像信号Rinに基いて、各ラインのストリーキング補正信号Sstを生成する。この補正信号生成部221は、イメージセンサの水平遮光部(HOPB)及び垂直遮光部(VOPB)の出力信号を用いて、各ラインのストリーキング補正信号Sst″を生成する。
図11(a)は、イメージセンサ101Rの構造とストリーキングの発生状態の例を示している。イメージセンサ101Rは、例えば、水平方向に2200画素、垂直方向に1125画素(1125ライン)を備えた構成である。そして、水平方向に例えば36画素分の水平遮光部(HOPB)201を備え、垂直方向に例えば10〜20画素分の垂直遮光部(VOPB)202を備える。その他の部分が、有効撮像領域としての受光部203である。
図12は、補正信号生成部221の構成例を示している。補正信号生成部221は、遮光部波形検出部230と、黒レベル検出部240と、減算部250と、コアリング部260とを有している。
この遮光部波形検出部230は、図12に示すように、平均値算出部231と、デジタルフィルタ(IIRフィルタ)232と、ε(イプシロン)フィルタ233と、メディアンフィルタ234とが、この順に接続されている。
IIRフィルタ232は、平均値算出部231で求められる各ラインの画素平均値を、時間方向に平均化する。IIRフィルタ232は、現フレームの入力信号とそれ以前のフレームの出力信号を、フィードバックループによって用いるフィルタである。このIIRフィルタ232により、時間的なランダムノイズが軽減される。なお、IIRフィルタの代わりに、FIRフィルタを使用してもよい。
IIRフィルタ242は、平均値算出部241で求められる画素平均値を、時間方向に平均化する。IIRフィルタは、現フレームの入力信号とそれ以前のフレームの出力信号をフィードバックループによって用いるフィルタである。このIIRフィルタ242により時間的なランダムノイズが軽減される。
コアリング処理部263は、減算器262で得られる各ラインの高周波成分Linに対して、コアリング処理を行う。即ち、コアリング処理部263は、入力信号Linの絶対値と、予め設定されているコアリングレベルとの大小を比較して、コアリングレベルより入力信号の絶対値の方が大きい場合には、入力信号Linをそのまま出力信号Loutとする。一方、入力信号Linの絶対値よりコアリングレベルの方が大きい場合には、出力信号Loutを0とする。つまり、コアリング処理部263におけるコアリング処理は、エッジなどの比較的信号成分の大きな成分は残し、それ以外の小さい信号レベルの成分は除く処理である。
から減算する。
まず、水平遮光部の波形を検出し(ステップS21)、時間軸方向にフィルタリングし(ステップS22)、空間軸方向にフィルタリングする(ステップS23)。また、垂直遮光部の画素を積分し(ステップS24)、時間軸方向にフィルタリングする(ステップS25)。
さらに、補正信号を減算した映像信号に、乱数値を加算する(ステップS30)。
Claims (9)
- イメージセンサが出力する映像信号に含まれるノイズを検出して補正を行うノイズ補正回路において、
前記イメージセンサが出力する映像信号の所定の範囲の信号レベルの平均値を求め、その算出した平均値を使用して、所定の方向のノイズ成分を求めるノイズ判定部と、
前記ノイズ判定部で判定したノイズ成分に基いて、前記イメージセンサが出力した映像信号からノイズを除去するノイズ除去部と、
前記ノイズ除去部でノイズ成分を除去した映像信号に、この映像信号の量子化精度以下の乱数を加える乱数加算部とを備えることを特徴とする
ノイズ補正回路。 - 請求項1記載のノイズ補正回路において、
前記ノイズ判定部として、
前記映像信号から前記平均値を減算する減算部と、
前記平均値を減算した映像信号を所定の方向に積分することにより垂直方向の縞模様の固定パターンノイズ成分を算出する垂直固定パターンノイズ算出部とを備えたことを特徴とする
ノイズ補正回路。 - 請求の範囲第2項記載のノイズ補正回路において、
前記乱数加算部として、
前記平均値算出部での平均値算出処理で、その映像信号の量子化精度以下の値として生成された下位ビットに対して、前記乱数を加算し、その加算後の前記下位ビットを切り捨てる処理を行うことを特徴とする
ノイズ補正回路。 - 請求の範囲第3項記載のノイズ補正回路において、
前記イメージセンサが出力する映像信号の色成分ごとに前記乱数加算部を設け、
各色成分でそれぞれ別の乱数を加算することを特徴とする
ノイズ補正回路。 - 請求項1記載のノイズ補正回路において、
前記ノイズ判定部として、
前記イメージセンサの水平遮光部の出力信号を用いて、該水平遮光部における各ラインの信号レベルを求める遮光部波形検出部と、
前記イメージセンサの垂直遮光部の出力信号を用いて黒レベルを検出する黒レベル検出部と、
前記遮光部波形検出部で求められた水平遮光部における各ラインの信号レベルから前記黒レベル検出部で検出された黒レベルを減算して、各ラインのストリーキング補正信号を求める減算部とを備え、
前記ノイズ除去部として、
前記イメージセンサが出力する映像信号の信号レベルに対する補正ゲインを発生し、前記ノイズ判定部で生成されたストリーキング補正信号を発生した補正ゲインに乗算する補正ゲイン発生部と、
上記イメージセンサが出力する映像信号から、上記補正ゲイン発生部で補正ゲインが乗算されたストリーキング補正信号を減算する減算部を備えたことを特徴とする
ノイズ補正回路。 - イメージセンサ部を備えた撮像装置において、
前記イメージセンサが出力する映像信号の所定の範囲の信号レベルの平均値を求め、その算出した平均値を使用して、前記イメージセンサ部が出力する映像信号の所定の方向のノイズ成分を求めるノイズ判定部と、
前記ノイズ判定部で判定したノイズ成分に基いて、前記イメージセンサ部が出力した映像信号からノイズを除去するノイズ除去部と、
前記ノイズ除去部でノイズ成分を除去した映像信号に、この映像信号の量子化精度以下の乱数を加える乱数加算部とを備えることを特徴とする
撮像装置。 - 請求項6記載の撮像装置において、
前記ノイズ判定部として、
前記イメージセンサ部の任意の範囲の信号レベルの平均値を求める平均値算出部と、
前記映像信号から前記平均値を減算する減算部と、
前記平均値を減算した映像信号を所定の方向に積分することにより垂直方向の縞模様の固定パターンノイズ成分を算出する垂直固定パターンノイズ算出部とを備えたことを特徴とする
撮像装置。 - 請求項6記載の撮像装置において、
前記ノイズ判定部として、
前記イメージセンサの水平遮光部の出力信号を用いて、該水平遮光部における各ラインの信号レベルを求める遮光部波形検出部と、
前記イメージセンサ部の垂直遮光部の出力信号を用いて黒レベルを検出する黒レベル検出部と、
前記遮光部波形検出部で求められた水平遮光部における各ラインの信号レベルから前記黒レベル検出部で検出された黒レベルを減算して、各ラインのストリーキング補正信号を求める減算部とを備え、
前記ノイズ除去部として、
前記イメージセンサ部が出力する映像信号の信号レベルに対する補正ゲインを発生し、前記ノイズ判定部で生成されたストリーキング補正信号を発生した補正ゲインに乗算する補正ゲイン発生部と、
上記イメージセンサ部が出力する映像信号から、上記補正ゲイン発生部で補正ゲインが乗算されたストリーキング補正信号を減算する減算部を備えたことを特徴とする
撮像装置。 - イメージセンサが出力する映像信号に含まれるノイズを検出して補正を行うノイズ補正方法において、
前記イメージセンサが出力する映像信号の所定の範囲の信号レベルの平均値を求め、その算出した平均値を使用して、前記イメージセンサが出力する映像信号の所定の方向のノイズ成分を求め、
求められたノイズ成分に基いて、前記イメージセンサが出力した映像信号からノイズを除去し、
前記ノイズ成分を除去した映像信号に、この映像信号の量子化精度以下の乱数を加えることを特徴とする
ノイズ補正方法。
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