JP4395510B2 - 再生装置及び方法 - Google Patents

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Description

本発明は、例えば光ディスク等の記録媒体に複数ビームを照射して得る複数の再生信号に基づき、読み取り対象である再生信号から隣接トラックからのクロストーク成分を除去する再生装置及び方法の技術分野に関する。
この種の再生装置では、記録媒体の高密度化に伴い、再生信号からクロストークを除去する技術がより重要となっている。例えばDPP(Differential Push Pull)法に基づく3ビームクロストークキャンセラでは、光ディスク等の記録媒体に対し、読み取り対象であるメイントラックの他に、その両側で隣接する2つのトラックにビーム光が照射され、夫々のトラックに対応する再生信号出力が得られる。そして、隣接トラックの再生信号を差し引く等の処理により、隣接トラックからのクロストーク成分がメイントラックの再生信号から除去される。
こうした処理では、3つの再生信号の位相が揃っていることが重要である。これに対し、これら3つのビームは、光ディスクのトラックピッチが狭いために、トラック再生方向に所定間隔で相対的に離間されており、再生信号には、ビームの間隔に依拠した位相ずれが生じる。そこで、通常はFIFOメモリ等で再生信号に遅延をかけ、3つの再生信号間の位相差を補正している。
但し、温度変化等によりビーム光の波長が変動すると、それに応じて信号の遅延させるべき量も変動するため、遅延量は定常的に最適化される必要がある。例えば、特許文献1には、メイントラックの再生信号と隣接トラックの再生信号との相関が最大となることを指標に遅延調整を行う技術が記載されている。また、特許文献2には、メイントラックの再生ジッタが最小になるようにして遅延調整を行う技術が記載されている。
特開平7−176052号公報 特開2000−173061号公報
しかしながら、上記の各技術は、原理的に隣接トラック間のクロストーク成分の時間的なずれを利用して遅延調整を行うため、クロストークが小さいと適正な遅延調整が困難になるという技術的問題がある。即ち、クロストークが小さいとメイントラックの再生信号と隣接トラックの再生信号との相関も小さくなるので、特許文献1のように単に両者の相関をとるだけでは、両信号間の位相ずれにクロストークの検出感度を合わせた情報を得ることになり、これを基にした遅延調整は精度が低くなる。また、特許文献2に記載された技術によれば、隣接トラックからのクロストークが小さい場合には、クロストークキャンセリングの前後でジッタの変化が少ないために、十分な遅延調整が困難となる。
更に、上記の各技術では、隣接トラックの再生信号を利用してクロストーク検出を行うことから、遅延調整についても最低3トラック分の信号検出が前提となる。そのため、隣接トラックがそもそも未記録である場合などでは、クロストークが存在しないので、その間は適正に遅延調整することができないという問題がある。
本発明は、例えば上記問題点に鑑みなされたものであり、再生信号間の位相差補正における遅延量を適正に設定することが可能な再生装置及び方法を提供することを課題とする。
(再生装置)
本発明の再生装置は上記課題を解決するために、記録媒体上で読み取り対象とする一のトラックにメインビームを照射すると共に、前記メインビームの照射位置からずれた位置にサブビームを照射するビーム照射手段と、前記照射されたメインビームに基づく前記記録媒体からの光を検出すると共に主再生信号を出力する主信号検出手段と、前記一のトラックの接線方向に沿った分割線によって分割された、前記一のトラックに近い側の第1受光部分を含む複数の受光部分を有し、前記第1受光部分により検出された前記サブビームに基づく前記記録媒体からの光に応じた第1の副再生信号を含む複数の副再生信号を出力する副信号検出手段と、前記出力された主再生信号と前記出力された複数の副再生信号の少なくとも一つとのうち一方を他方に対して相対的に遅延させる遅延手段と、前記第1の副再生信号に基づき、前記遅延手段における遅延量を設定する遅延量設定手段と、前記遅延手段の出力に基づき、前記一のトラックに隣接する他のトラックに起因するクロストークを前記出力された主再生信号から除去するクロストークキャンセラとを備える。
本発明の再生装置によれば、その動作時には、メインビームに基づいて記録媒体上の一のトラック(以下、適宜“メイントラック”と呼ぶ)から読み取られた主再生信号に対し、サブビームに基づく副再生信号を利用してクロストークキャンセリングを行う。ここでサブビームは、メインビームの照射位置からずれた位置に照射されるが、本発明に係る「ずれた位置」とは、トラックに沿った方向及びトラックに交わる方向の両方について変位した位置を意味する。
そして、主信号検出手段において、メインビームに基づく記録媒体からの光が検出されると共に主再生信号が出力される。一方、副信号検出手段において、1つのサブビームにつき、第1の副再生信号とそれ以外の副再生信号(但し、第1の副再生信号を含んでいてもよい)とを得る。これら複数の副再生信号は、副信号検出手段における、メイントラックの接線方向に沿った分割線によって分割された複数の受光部分の各々から出力される。
即ち、本発明に係る「主再生信号」とは、主信号検出手段によって検出された光に応じて出力される信号を意味する。また、本発明に係る「副再生信号」とは、副信号検出手段によって検出された光に応じて出力される信号を意味する。受光部分が複数存在するので、副再生信号も複数出力される。特に、複数の副再生信号は、第1の副再生信号を含む。
また、副信号検出手段に関して、本発明に係る「一のトラック(メイントラック)の接線方向に沿った分割線」とは、本発明に係る分割線は、一のトラックの接線方向と光学的に対応する方向に沿っていれば足りるという趣旨である。例えば、副信号検出手段がミラーやプリズムを介して受光する場合には、光路が曲がるのに応じて、当該接線方向も曲がることになる。尚、一のトラックの接線方向は、例えば記録媒体がディスクであるなど、トラックが同心円状の場合には、その接線の方向を意味し、トラックが直線状の場合には、トラックの延在する方向を意味する。
第1の副再生信号は、メイントラックに近い側の第1受光部分からの選択出力であり、メイントラックから読み取られる信号成分を含む。それ以外の副再生信号は、メイントラックから更にその交差方向にずれた領域から読み取られる成分を主として含む。この成分は、メイントラック自体ではなく、その近傍から読み取られるために、主再生信号に混入するクロストークの指標とみなすことができる。
更に、クロストークキャンセリングに適用する前に、各検出手段から出力された主再生信号と副再生信号との位相差をなくしておくため、遅延手段にて、これらの一方を他方に対して遅延させる。その際に遅延される又は主再生信号の遅延の基準とされる副再生信号は、副信号検出手段から出力される副再生信号のうちの少なくとも一つであればよい。
ここで、遅延手段における遅延量は、遅延量設定手段における、第1の副再生信号を用いた信号処理によって設定される。即ち、本発明に係る「遅延量設定手段」は、主信号検出手段から出力された主再生信号と副信号検出手段から出力された複数の副再生信号の少なくとも一つとを同期させるために、遅延量を設定する。
上述のように、第1の副再生信号では、メイントラックから読み取った信号成分(即ち、主再生信号と同一波形の信号)の比率が他の副再生信号に比べて高い。よって、第1の副再生信号は、異なるタイミングで検出された主再生信号そのものとみなすことができ、主再生信号に対する副再生信号の遅延量が、主再生信号自身の位相ずれとして求められる。当然のことながら、同一信号(即ち主再生信号)間の相関は強いため、位相ずれ即ち遅延量は、ノイズに埋もれることなく比較的明瞭に捉えることができる。
このように副再生信号内の主再生信号成分を指標とすることにより、遅延量を高精度に、かつ安定して検出することが可能である。また、遅延量の設定に関しては、再生信号は最低メイントラックのみから検出されれば済む。更に、主再生信号におけるクロストークの大きさに関わらず、一定精度で遅延量を求めることが可能である。
本発明の再生装置の一態様では、前記遅延量設定手段は、前記遅延手段により相対的に遅延された前記主再生信号と前記第1の副再生信号との間の遅延誤差を検出し、該遅延誤差に応じて前記遅延量を設定する。
この態様によれば、遅延手段の遅延量に概ね設定された基準値があり、遅延量設定手段は、この基準値に対する遅延誤差により遅延量を調整する。主再生信号と第1の副再生信号とは、仮に基準値だけ位相がずれていれば、遅延手段を使って相対的に遅延させた後では同相となるが、基準値に対する位相ずれがあれば、それは遅延後に遅延誤差として検出される。このように遅延された後の信号に基づいて得られる、実際の遅延誤差により遅延量を調整すれば、一層正確な遅延量を設定することが可能である。
この遅延誤差に応じて遅延量を設定する態様では、前記出力された複数の副再生信号を、前記遅延量設定手段用と前記クロストークキャンセラ用とで切り換え、前記遅延手段に選択的に出力する信号選択手段を更に備える。
この態様によれば、副再生信号が、遅延手段に対して用途別に選択され、入力される。副信号検出手段が出力する副再生信号は、遅延量設定手段で用いられる第1の副再生信号と、クロストークキャンセラで用いられる、その他の副再生信号とに分けられる。ここでは、これらの別に応じて副再生信号が遅延手段に選択出力されるので、同一の遅延手段を用いる場合でも第1の副再生信号を他の再生信号と分けて単独で遅延することができ、上記遅延誤差を求める構成を具現化して、遅延補正とクロストークキャンセリングとを夫々正常に行うことが可能である。
本発明の再生装置の他の態様では、遅延調整時、前記クロストークキャンセラは、前記クロストークを前記出力された主再生信号から除去しない状態に制御される。
この態様によれば、クロストークキャンセラは、遅延量設定手段の動作時には実質的にクロストークキャンセリングをしないように制御される。即ち、クロストークキャンセラと遅延量設定手段とが同じ経路から信号を入力されるように配線されたとしても、両者の動作タイミングが相異なるために、互いの入力信号が誤って相手に入力されることが防止される。よって、遅延補正とクロストークキャンセリングとを夫々正常に行うことが可能である。
本発明の再生装置の他の態様では、前記複数の受光部分は、前記一のトラックから遠い側の第2受光部分を含み、前記クロストークキャンセラは、前記副再生信号のうち前記第2受光部分により検出された前記サブビームに基づく前記記録媒体からの光に応じた第2の副再生信号を用いて前記クロストークを除去する。
この態様によれば、第2の副再生信号に基づくクロストークキャンセリングを行う。第2の副再生信号は、サブビーム照射領域のなかでもメイントラックからより離れた領域における再生信号であることから、隣接トラックから読み取られる信号成分(即ち、クロストーク成分)の比率が、メイントラックから読み取られる信号成分(即ち、主再生信号と同一波形の信号)の比率よりも高い。そのため、この場合のクロストークキャンセリングでは、主再生信号からは主にクロストーク成分が除去され、同一波形成分は殆ど差し引かれないため、最終的な主再生信号出力のS/N比を良好に保つことができる。
このように、遅延調整には第1の副再生信号、クロストークキャンセリングには第2の副再生信号というように、各処理の目的に合わせて副再生信号を読み取り位置に応じて使い分けると、これらの各処理を精度良く行うことが可能である。
本発明の再生装置の他の態様では、前記サブビームは、前記一のトラックと前記他のトラックとの間隙を中心に照射される。
この態様によれば、サブビームはメイントラックとそれに隣接するトラックとの中間を中心に照射され、1つのサブビームによる照射領域から、メイントラックと隣接トラックとの両方から再生信号を読み取ることができる。このとき、第1の副再生信号はメイントラックからの再生信号が主成分となり、第2の副再生信号は隣接トラックからの再生信号が主成分となる。そのため、第1の副再生信号は主再生信号そのものを、第2の副再生信号は隣接トラックからのクロストーク成分を夫々表すものとみなすことができる。従って、第1の副再生信号に基づく遅延誤差検出、及び第2の副再生信号に基づくクロストークキャンセリングを精度良く行うことが可能である。
本発明の再生装置の他の態様では、前記遅延量設定手段は、前記主再生信号と前記第1の副再生信号との振幅差に基づいて前記遅延量を設定する。
この態様によれば、主再生信号と第1の副再生信号の振幅差が、遅延誤差が大きくなるほど増加することを利用し、遅延誤差を求める。主再生信号と副再生信号とが完全に同期した理想状態では、振幅差はゼロ、ないし、それ以外の状態に比べて非常に小さくなるので、振幅差がゼロ又は最小となるときの両信号の位相差を遅延量又は遅延誤差として検出すればよい。この処理は比較的単純な演算により実現でき、装置に対する負荷が小さくて済む。
この遅延誤差を主再生信号と第1の副再生信号の振幅差に基づいて検出する態様では、前記遅延量設定手段は、前記振幅差と前記第1の副再生信号との相関に基づく係数により前記第1の副再生信号の振幅値を加減する調整を行うようにしてもよい。
この場合には、遅延量が最適であれば、主再生信号と第1の副再生信号との振幅差がゼロ若しくは最小となるように、第1の副再生信号の振幅が調整される。よって、主再生信号の信号レベルと第1の副再生信号の信号レベルとがずれていても、遅延量又は遅延誤差の高精度な検出が可能である。
本発明の再生装置の他の態様では、前記遅延量設定手段は、前記主再生信号と前記第1の副再生信号との相関に基づいて前記遅延量を設定する。
この態様によれば、主再生信号と第1の副再生信号との相関から遅延量又は遅延誤差を求める。前述したように、第1の副再生信号は主再生信号と同一波形の成分を含むので、このときの相関は、主信号成分の自己相関を見ていることになる。主再生信号と副再生信号とが完全に同期しているときに相関は最大となるので、このときの位相差を遅延量又は遅延誤差として検出すればよい。また、相関値のS/N比は大きく、これを基にすれば、遅延量又は遅延誤差を高精度に求めることができる。
本発明の再生装置の他の態様では、前記遅延量設定手段は、前記主再生信号と前記第1の副再生信号との間の振幅差と、前記第1の副再生信号との相関に基づいて前記遅延量を設定する。
この態様によれば、主再生信号と第1の副再生信号の両者の振幅差を求め、この振幅差と第1の副再生信号との相関を求める。当該振幅差は、両者に共通に含まれる波形成分が主再生信号から差し引かれた信号であり、その第1の副再生信号との相関は、両者の位相が揃っていれば(即ち、遅延量が最適であれば)無相関となり、その平均値や積分値は、ゼロ又は最小となる。従って、このときの位相差を遅延量又は遅延誤差として検出すればよい。
本発明の再生装置の他の態様では、前記遅延量設定手段の少なくとも一部が前記クロストークキャンセラと共用される。
この態様によれば、遅延量設定手段の少なくとも一部をクロストークキャンセラと共用化されることによって回路規模が縮小され、低コスト化、省スペース化が実現できる。但し、この場合、少なくとも共用部分では遅延補正とクロストークキャンセリングとを別々のタイミングで行うようにし、正常な動作を担保する必要がある。
本発明の再生装置の他の態様では、前記ビーム照射手段は、前記サブビームとして前記一のトラックに沿った方向に前記メインビームと相前後する2つのビームを照射し、前記副信号検出手段は、前記2つのビームの夫々に対応して前記副再生信号を2系統に出力する。
この態様によれば、1つの主再生信号に対して副再生信号が2系統に出力されるので、これらの副再生信号を用いることによりクロストークキャンセリングをより精度良く行うことができる。
この2系統の副再生信号を得る態様では、前記2つのビームの一方に対応する前記副再生信号の前記遅延量は、前記2つのビームの他方に対応する前記副再生信号の前記遅延量及び前記2つのビームの夫々と前記メインビームとの相互間距離に基づいて設定されるようにしてもよい。
この態様によれば、2つの副再生信号の各々と主再生信号との間の遅延量は、これらの各遅延量と、遅延量に対応するビーム間の距離とが比例関係にあることを利用して、一方が他方とビーム相互間距離とに基づいて設定される。遅延量の一方は、例えば、遅延量とビーム相互間距離との比例関係を表す単純な式から求められ、実際に再生信号同士の位相差に基づいて設定されるのは片方の遅延量だけであるから、遅延量設定手段は殆ど1系統で済み、装置構成の簡素化が可能であるうえ、信号処理にかける時間も半減できる。
(光ディスク再生方法)
本発明の再生方法は上記課題を解決するために、記録媒体上で読み取り対象とする一のトラックにメインビームを照射すると共に、前記メインビームの照射位置からずれた位置にサブビームを照射するビーム照射工程と、前記照射されたメインビームに基づく前記記録媒体からの光を検出すると共に主再生信号を出力する主信号検出工程と、前記一のトラックの接線方向に沿った分割線によって分割され、前記一のトラックに近い側の第1受光部分を含む複数の受光部分を有する副信号検出手段を用い、該複数の受光部分の各々により前記サブビームに基づく前記記録媒体からの光を検出すると共に、前記第1受光部分により検出された光に応じた第1の副再生信号を含む複数の副再生信号を出力する副信号検出工程と、前記出力された主再生信号と前記出力された複数の副再生信号の少なくとも一つとのうち一方を他方に対して相対的に遅延させる遅延工程と、前記第1の副再生信号に基づき、前記遅延の際の遅延量を設定する遅延量設定工程と、前記遅延工程の後に、前記複数の副再生信号の少なくとも一つに基づいて、前記一のトラックに隣接する他のトラックに起因するクロストークを前記出力された主再生信号から除去するクロストークキャンセル工程とを含む。
本発明の再生方法は、上述した本発明の再生装置と同様の作用及び効果を奏する。
以上説明したように、本発明の再生装置によれば、ビーム照射手段、主信号検出手段、副信号検出手段、遅延手段及び遅延量設定手段を備えるので、再生信号間の位相差補正における遅延量を適正に設定することが可能である。
また、本発明の再生方法によれば、メイントラックからその交差方向にずれた領域にサブビームを照射する工程、サブビームに基づいて第1の副再生信号を含む副再生信号を出力する工程、主再生信号を出力する工程、この主再生信号と副再生信号の少なくとも一つとを相対的に遅延させる工程、その遅延量を第1の副再生信号を用いて設定する工程を含むので、再生信号間の位相差補正における遅延量を適正に設定することが可能である。
本発明の第1実施例に係る再生装置の構成を示すブロック図である。 第1実施例の再生装置における遅延調整手段の一例を示すブロック図である。 第1実施例の再生装置における遅延調整手段の一例を示すブロック図である。 第1実施例に係る遅延調整手段における遅延誤差検出回路の構成を示すブロック図である。 第1実施例における遅延処理後の再生信号の波形例、及び、その再生信号入力に対する遅延誤差検出回路の出力信号を示す波形図である。 第1実施例における遅延処理後の再生信号の波形例、及び、その再生信号入力に対する遅延誤差検出回路の出力信号を示す波形図である。 図4(A)に示した遅延誤差検出回路における、再生信号間の位相ずれに対する出力信号の変化を示す波形図である。 比較例として、入力される再生信号が異なる場合の、図4(A)に示した遅延誤差検出回路における再生信号間の位相ずれに対する出力信号の変化を示す波形図である。 図4(B)に示した遅延誤差検出回路における、再生信号間の位相ずれに対する出力信号の変化を示す波形図である。 比較例として、入力される再生信号が異なる場合の、図4(B)に示した遅延誤差検出回路における再生信号間の位相ずれに対する出力信号の変化を示す波形図である。 第2実施例に係る再生装置の構成を表すブロック図である。 第2実施例の再生装置における遅延調整手段の構成例を示すブロック図である。 第3実施例に係る再生装置の構成を表すブロック図である。 第4実施例に係る再生装置の構成を表すブロック図である。 実施例に対する第1変形例を説明するための平面図である。 第1変形例に係る再生装置の構成を表すブロック図である。 実施例に対する第2変形例を説明するための平面図である。
符号の説明
1…ビーム照射手段、2a、2b、2c…検出器、31、32、35…セレクタ、4a、4b、4c、41〜45…A/D変換器、5a、5b、51〜54…遅延手段、6、16、26、106…遅延調整手段、60、60a、60b…遅延誤差検出回路、70…遅延制御手段、7…クロストークキャンセラ(CTC)、8…2値化手段、Bm…メインビーム、B1、B2…サブビーム、Tm…メイントラック、Tr1、Tr2…隣接トラック、Sm、S1f、S1n、S2f、S2n…(アナログの)再生信号、Dm、D1f、D1n、D2f、D2n、Dmc…(ディジタル化された)再生信号、Pm…情報再生信号、e1、e2…エラー信号、Δτ1、Δτ2…遅延誤差。
以下、本発明を実施するための最良の形態について実施例毎に順に図面に基づいて説明する。
以下、図面を参照して、本発明の実施例について説明する。
<第1実施例>
本発明に係る第1実施例について、図1から図10を参照して説明する。
(再生装置の全体構成)
先ず、第1再生装置の全体構成について図1を参照して説明する。ここに、図1は、本実施例における再生装置の主要構成を示す。
図1において、本実施例の再生装置は、ビーム照射手段1と、検出器2a、2b及び2cと、A/D変換器4a、4b及び4cと、遅延手段5a及び5bと、遅延調整手段6と、クロストークキャンセラ(Cross Talk Canceller:以下、CTCと略称する)7と、2値化手段8とを備える。この再生装置は、基本的に、3ビームクロストークキャンセラを適用して再生信号上のクロストーク除去を行うものである。即ち、ビーム照射手段1が光ディスク10上で読み取り対象とするメイントラックTmにメインビームBmを照射すると共に、メイントラックTmに沿った方向に所定間隔でメインビームBmと相対的に離間されたサブビームB1及びB2を照射し、メインビームBmによる再生信号におけるクロストークを、サブビームB1及びB2による再生信号を用いて除去するように構成されている。
ビーム照射手段1は、例えば3つの半導体レーザ装置等の3つのビーム発生源からメインビームBm、サブビームB1及びB2を生成出力するように構成されてもよいし、一つの半導体レーザ装置から発生された光を、回折格子を用いて3方向に回折させたり、ビームスプリッタ、ハーフミラー、ダイクロイックミラー等を用いて分岐させたりすることで、これら3つのビームを得る構成とされてもよい。
また、ここで、サブビームB1及びB2の各々は、メイントラックTmから光ディスク10の外周側と内周側とにずれた(即ち、メイントラックTmと交差する方向にずれた)領域、特にメイントラックTmとこれに隣接する隣接トラックTr1及びTr2との各間隙を中心とする領域に照射される。
検出器2a、2b及び2cは夫々、サブビームB1、メインビームBm及びサブビームB2に基づく光ディスク10から光、例えば、反射光、回折光或いは透過光を検出し、検出された光に応じた再生信号を出力するように構成されている。受光素子Cからなる検出器2bからは、再生信号Smが出力される。検出器2aは、光ディスク10のトラックの接線方向に光学的に対応した方向に沿った分割線によって2分された受光素子A及びBからなり、メイントラックTmから離れた側の受光素子A及びメイントラックTmに近い側の受光素子Bの夫々から再生信号S1f及び再生信号S1nが出力される。検出器2cは、同様に2分された受光素子D及びEからなり、受光素子D及び受光素子Eの夫々から再生信号S2n及び再生信号S2fが出力される。
A/D変換器4a、4b及び4cの夫々は、検出器2a、2b及び2cに対応して設けられ、再生信号S1f及びS1n、再生信号Sm、再生信号S2f及びS2nにディジタル変換を施し、再生信号D1f及びD1n、再生信号Dm、再生信号D2f及びD2nを出力する機能を有している。尚、A/D変換器4aには、再生信号S1f、S1nの一方がセレクタ31で選択されて入力され、A/D変換器4cには、再生信号S2f、S2nの一方がセレクタ32で選択されて入力される。
遅延手段5a及び5bは夫々、A/D変換器4a、4bの後段に設けられ、A/D変換器4cの出力(即ち検出器2cからの再生信号D2f又はD2n)に対し、夫々、A/D変換器4aからの出力(即ち検出器2aからの再生信号D1f又はD1n)とA/D変換器4bからの出力(即ち検出器2bからの再生信号Dm)とを遅延させ、相互間の位相を揃えるように機能する。これは、再生信号Dmと再生信号D1f及びD1nとの位相差、再生信号Dmと再生信号D2f及びD2nとの位相差を夫々なくす処理と等価である。遅延手段5a及び5bの各遅延量τ1、τ2としては、例えばサブビームB2とサブビームB1、及びサブビームB2とメインビームBmの走査上の時間差に依拠した基準値が予め設定されている。尚、遅延手段5a及び5bは、例えばFIFOメモリからなり、遅延量可変に構成されている。
遅延調整手段6は、遅延手段5a及び5bにおける遅延誤差Δτ1、Δτ2を検出して遅延手段5a及び5bに帰還することにより、各遅延量τ1、τ2を調整するように機能する。その具体的構成については後述する。ここで、遅延調整手段6の動作タイミングは、セレクタ31及び32の夫々が再生信号D1n及びD2nを出力するタイミングと同期制御されており、遅延調整手段6には、遅延調整用に再生信号Dm、D1n及びD2nが入力される。
CTC7は、読み取り対象である再生信号Dmから、隣接トラックTr1及びTr2からのクロストーク成分を除去するように機能し、通常と同様の構成とされてもよい。即ち、遅延手段5a及び5bの後段に設けられ、遅延調整後に、再生信号Dmから再生信号D1n又はD2nに係数を乗じた信号を減算した信号を再生信号Dmcとして出力する。また、ここでCTC7の動作タイミングは、セレクタ31及び32の夫々が再生信号D1f及びD2fを出力するタイミングと同期制御されており、CTC7には、クロストーク除去用に再生信号Dm、D1f及びD2fが入力される。
即ち、ここでは、遅延調整手段6による遅延量調整時には、CTC7は再生信号Dmに対しクロストーク除去をしない状態に制御されている。遅延量調整時、CTC7にも再生信号Dm、D1n及びD2nが入力される。後述するように、再生信号Dm、D1n及びD2nは殆ど同じ信号とみなされるので、その際のCTC7は誤動作(つまり、再生信号Dmcの振幅が小さくなるように動作)してしまう。しかしながら、CTC7の動作を、例えば、この間のタップ係数を0とする、入力信号値を0に置き換えるなどにより、オフにするように制御すれば、常に信号再生を安定に行うことができる。
このように、遅延調整手段6とCTC7とは動作タイミングが重複しないので、同一経路から同じ信号が入力される構成であるにも関わらず、誤って相手が取得すべき信号を用いて動作したり、その動作結果を出力したりすることが防止されている。尚、そのようなタイミング制御は、図示しない制御手段により行われる。
2値化手段8は、例えばDA変換器、比較器等で構成され、CTC7が出力する再生信号Dmcをアナログ化した後に2値化してパルス状の情報再生信号Pmを出力する。尚、この情報再生信号Pmは、後段の、例えばデジタルビデオデコーダ等に送出される。
尚、ここでは、検出器2bが本発明の「主信号検出手段」の、検出器2a及び2cが本発明の「副信号検出手段」の具体例である。また、受光素子B及び受光素子Dは、本発明の「第1受光部分」に対応し、受光素子A及び受光素子Eは、本発明の「第2受光部分」に対応している。また、再生信号Sm及びDmは、本発明の「主再生信号」の具体例であり、再生信号D1n及びD2nは本発明に係る「第1の副再生信号」に、再生信号D1f及びD2fは本発明に係る「第2の副再生信号」に夫々対応した具体例である。遅延調整手段6は、本発明の「遅延量設定手段」の具体例である。セレクタ31及び32は、本発明の「信号選択手段」の具体例である。
(遅延調整手段の構成)
次に、第1実施例に係る遅延調整手段及び遅延誤差検出手段の詳細構成について図2から図4を参照して説明する。ここに、図2及び図3は、遅延調整手段の構成例を示し、図4(A)〜(D)は、遅延誤差検出回路の具体例を示す。
図2の例では、遅延調整手段6は、再生信号Dmと再生信号D1nとの間の遅延誤差に応じた変化量を遅延エラー信号e1として出力する遅延誤差検出回路60a、再生信号Dmと再生信号D2nとの間の遅延誤差に応じた変化量を遅延エラー信号e2として出力する遅延誤差検出回路60bの2系統の演算回路と、これら遅延誤差検出回路60a及び60bが出力する遅延エラー信号e1、e2から遅延誤差Δτ1、τ2を算出し、夫々遅延手段5a、5bに送出する、例えばCPUからなる遅延制御手段70とを備える。
図3の例における遅延調整手段6は、セレクタ35により再生信号D1n又はD2nを遅延誤差検出回路60に選択入力する構成であり、演算回路が一本化されている。
遅延誤差検出回路60a、60b及び遅延誤差検出回路60は、いずれも2つの入力信号間の位相差に応じた量を遅延エラー信号として出力する回路である。そこで、これらの具体構成について、遅延誤差検出回路60の場合を例にとって説明する。
図4(A)における遅延誤差検出回路60は、減算器61及び振幅検出手段62を備えており、減算器61により再生信号Dmから再生信号D1n又はD2nを減算し、振幅検出手段62によりこの減算結果の平均振幅値を求め、これを遅延エラー信号e1又はe2とする。減算結果は、上記2つの入力再生信号間の位相が合っていれば(図5参照)、ゼロ又は最小値をとり、位相がずれていれば(図6参照)、比較的大きな値をとる。そこで、入力再生信号間の位相をずらしながら、例えば所定幅の時間窓で切り取った入力再生信号同士を減算し、その差の平均振幅値を求めて遅延エラー信号e1又はe2とすれば、位相差に対応する遅延誤差の指標とすることができる。
図4(B)における遅延誤差検出回路60は、積算器63及び積分器としてのLPF(Low Pass Filter)64を備えており、再生信号Dmと再生信号D1n又はD2nとの間の相関を求め、これを遅延エラー信号e1又はe2とする。この場合の相関は、2つの入力再生信号間の位相が合っていれば最大値をとり、位相がずれていれば比較的小さな値をとる。そこで、入力再生信号間の位相をずらしながら、例えば所定幅の時間窓で切り取った入力再生信号同士の相関を求めて遅延エラー信号e1又はe2とすれば、位相差に対応する遅延誤差の指標とすることができる。
図4(C)における遅延誤差検出回路60は、乗算器65、減算器66、相関演算手段67、積分器68及び振幅検出手段69を備えている。この場合には、再生信号Dmから再生信号D1n又はD2nに係数Kを乗じた信号を減算した信号Dm1の平均振幅を遅延エラー信号e1又はe2とする。係数Kは乗算器65のタップ係数であり、例えば信号Dm1と再生信号D1n又はD2nとの相関を積分することで生成される。その際に用いられる相関演算手段67は、例えば図4(B)に示した構成であってもよいし、その他の方法に基づき相関値を求める構成であってもよい。例えば、図4(A)の例では、再生信号Dmと再生信号D1n又はD2nとの信号レベルがほぼ合っていれば問題ないが、両者の信号レベルが等しくなければ、その差分値は信号レベルの違いを情報として含むために、遅延エラー信号e1又はe2から位相ずれに関する情報を安定して検出できないことがある。これに対し、この構成例によれば、再生信号Dmと再生信号D1n又はD2nとの信号レベルが異なる場合であっても、両再生信号間の位相が合っていれば(遅延量τ1又はτ2が最適に調整された状態のときには)信号Dm1の平均振幅がゼロないし最小となるように、乗算器65により再生信号D1n又はD2nの振幅が調整される。その結果、高精度の位相差情報を含むエラー信号e1又はe2を得ることができる。
図4(D)における遅延誤差検出回路60は、図4(C)の構成例で、信号Dm1と再生信号D1n又はD2nとの間の相関を求め、これを積分して得た信号を遅延エラー信号e1、e2とする。この場合、遅延エラー信号e1又はe2は、2つの入力再生信号間の位相が合っていれば最大値をとり、位相がずれていれば比較的小さな値をとるので、位相差に対応する遅延誤差の指標とすることができる。
(再生装置の動作)
次に、本実施例に係る再生装置の動作について、図1から図10を参照して説明する。
(動作例:1)
まず、遅延誤差検出回路60に図4(A)に示した構成を適用した場合について、詳細に説明する。図5及び図6は、遅延調整が最適な場合と不適当な場合の夫々における、遅延後の各再生信号Dm、D1n及びD2nの波形と、図4(A)に示した構成を適用した場合の遅延誤差検出回路60における演算結果(差分値、平均振幅値)とを表している。図7(A)、(B)は、再生信号Dmと再生信号D1n、再生信号Dmと再生信号D2nの位相ずれΔτに対するエラー信号e1、e2の各変化を夫々表している。図8(A)、(B)は、比較例として、再生信号D1n、D2nに代えて遅延調整に再生信号D1f、D2fを適用した場合の位相ずれΔτに対するエラー信号e1、e2の各変化を夫々表している。
ビーム照射手段1により、光ディスク10上のメイントラックTmがメインビームBmで走査されると共に、メイントラックTmからずれた領域(図1参照)がトラック再生方向YにメインビームBmと相前後するサブビームB1及びB2で走査されると、検出器2a、2b及び2cにより、サブビームB1、メインビームBm及びサブビームB2に基づく光ディスク10からの反射光或いは透過光が連続的に検出される。検出器2bの受光素子Cからは、読み取り対象である再生信号Smが出力される。
検出器2aの受光素子A及び受光素子Bからは、再生信号S1f及び再生信号S1nが夫々出力される。ここで、再生信号S1nは、メイントラックTmに近い側の受光素子Bからの選択出力であり、メイントラックTmから読み取った信号成分を主体としており、隣接トラックTr1から読み取る信号成分は僅かであるか、実践上殆ど含まれていない。換言すると、再生信号S1nは、位相の異なる再生信号Smとみなすことができる。一方、再生信号S1fは、メイントラックTmから離れた側の受光素子Aからの選択出力であり、隣接トラックTr1から読み取られる成分を主として含んでいる。この信号成分は、再生信号Smに混入するクロストークの指標とみなすことができる。尚、再生信号S1fにおいては、メイントラックTmから読み取る信号成分は僅かであるか、実践上殆ど含まれていない。
検出器2cの受光素子D及び受光素子Eからは、再生信号S2n及び再生信号S2fが夫々出力される。これらについても、その検出位置に応じ、再生信号S2nの方がメイントラックTmから読み取った信号成分を多く含み、再生信号S2fの方が隣接トラックTr1から読み取られる成分を多く含む。
尚、各ビームは温度変化等により波長が変動することがあるが、その際、上記再生信号の相互間の位相差も変動するため、こうした実際の再生信号間の位相差に基づいて遅延手段5a、5bにおける遅延量τ1、τ2を調整する必要がある。
再生信号Smは、A/D変換器4bにより再生信号Dmに変換された後、遅延手段5bを通過して遅延調整手段6及びCTC7に入力される。また、再生信号S1n、S1fは、セレクタ31に選択された方が、A/D変換器4a及び遅延手段5aからなる回路部分に入力される。ここでは、再生信号S1fが選択的に入力されると、再生信号D1fに変換された後、遅延手段5aを通過し、CTC7に入力される。再生信号S1nが選択的に入力されると、再生信号D1nに変換された後、遅延手段5aを通過し、遅延調整手段6に入力される。
また、再生信号S2n、S2fについても同様であり、再生信号S2fは、A/D変換器4cにより再生信号D2fに変換された後、CTC7に入力される。再生信号S2nは、再生信号D2nに変換された後、遅延調整手段6に入力される。こうして、本実施例では、遅延調整手段6における処理には再生信号D1n及び再生信号D2nが用いられ、CTC7における処理には再生信号D1f及び再生信号D2fが用いられる。
遅延調整手段6では、まず、図4(A)に示した遅延誤差検出回路60(或いは遅延誤差検出回路60a及び60b)においてエラー信号e1、e2を求める。この場合の遅延誤差検出回路60は、再生信号Dmから再生信号D1n(又は再生信号D2n)を減算した信号の絶対値の平均を信号振幅として演算し、再生信号Dmと再生信号D1n(又は再生信号D2n)との位相ずれΔτを変化させながら求めた信号振幅が、エラー信号e1(又はエラー信号e2)として出力される。尚、信号振幅は、その他にも例えば、再生信号Dmから再生信号D1n(又は再生信号D2n)を減算した信号のP−P(Peak to Peak)値と規定してもよい。
図5のように遅延量が最適に調整されている状態では、再生信号Dmと再生信号D1n(又は再生信号D2n)とは殆ど同相となり、その振幅差が極めて小さいために、エラー信号e1(又はエラー信号e2)はほぼゼロとなる。一方、図6のように遅延量がずれている状態では、再生信号Dmと再生信号D1n(又は再生信号D2n)との振幅差、更にエラー信号e1(又はエラー信号e2)は小さくならない。
これは、再生信号Dmとの位相比較に際し、サブビームB1及びB2に基づいて得られる再生信号のなかでもメイントラックTmから読み取られる信号成分をより多く含む再生信号D1n及び再生信号D2nを特に選んで用いていることによる。つまり、本実施例においては、基本的に、遅延誤差を同一信号(即ち再生信号Dm)の位相差に基づいて検出することを趣旨としている。そのため、遅延誤差を再生信号Dmにおけるクロストークの大きさに関わらず、一定精度で求めることが可能である。これは、クロストークが生じていない状態であっても精度の高い遅延調整が可能であることを意味する。そのため、通常は発生しないか非常に小さいが、デフォーカス、デトラック等の何らかの原因により予測されないクロストークが発生するような場合に対応することができる。
図7(A)、(B)に夫々示したように、こうして出力されるエラー信号e1、e2は位相ずれΔτに応じて鋭敏に変化する。遅延制御手段70は、まず入力されたエラー信号e1及びe2が夫々最小となるときの位相ずれΔτ(Δτmin1、Δτmin2)を求める。これらは、再生信号Dmと再生信号D1nとの間、及び、再生信号Dmと再生信号D2nとの間の遅延誤差に他ならない。そこで、遅延制御手段70は、これら位相ずれΔτmin1、Δτmin2を基にして遅延量τ1及びτ2に対する遅延誤差Δτ1及びΔτ2を求め、夫々遅延手段5a、5bに出力する。
仮に、再生信号D1n及び再生信号D2nに代え、再生信号D1f及び再生信号D2fを再生信号Dmとの位相比較に用いると、上記処理により得られるエラー信号e1、e2は、図8(A)、(B)に夫々示したようになる。即ち、両者の信号成分が異なるために信号振幅は位相ずれΔτとは無関係に変動し、小さくはならない。再生信号Dmにおけるクロストーク成分と、隣接トラックTr1,Tr2近傍からの再生信号D1f及びD2fとは似通った波形と考えられ、両信号間の位相ずれに基づいてエラー信号e1、e2を求めることも考えられる。但し、その場合には、クロストーク成分が小さいときの信号振幅は図8のようになり、エラー信号e1、e2を安定して検出することができないおそれがある。
また、サブビームによる照射領域全体から読み取った再生信号を用いると、図8のような信号振幅がノイズとしてエラー信号e1、e2に重畳されるが、ここでは、サブビームB1及びB2による再生信号から、再生信号Dmに最も似通った再生信号D1n及び再生信号D2nを取り出して用いているので、エラー信号e1、e2からは図示のような成分が省かれ、安定して遅延誤差Δτ1及びΔτ2が得られる。
このように本実施例では、再生信号Dm以外の信号成分の遅延誤差検出に対する影響が非常に低く抑えられていることから、エラー信号e1、e2、延いては遅延誤差Δτ1及びΔτ2を高精度かつ安定して検出することができる。但し、遅延量の調整は、まず遅延手段5b、そして遅延手段5aの順に行われる。順番を逆にすると、遅延手段5bの遅延量τ2の変更に伴って遅延手段5aにおける遅延量τ1の設定がずれるため、再度補正するか、予め適正な調整値を算出しておかなければならない。
CTC7では、再生信号D1fにおける隣接トラックTr1からの信号成分、及び再生信号D2fにおける隣接トラックTr2からの信号成分を利用して、クロストークを再生信号Dmから除去するような演算を施す。尚、CTC7における再生信号Dm、D1f及びD2fの各位相は、遅延調整手段6による遅延量調整のおかげで、高精度に揃えられている。
前述のように、再生信号D1f及びD2fは、サブビームB1及びB2に基づいて得られる再生信号のなかでも隣接トラックTr1及びTr2から読み取られる信号成分をより多く含み、メイントラックTmから読み取られる信号成分を殆ど含まない。そのため、この場合のクロストークキャンセリングでは、再生信号Dmからは主にクロストーク成分が除去される。つまり、本実施例では、基本的に、クロストークそのものと被処理信号との相異なる部分を比較除去することでクロストークキャンセリングを行うことを趣旨としている。よって、再生信号Dmからクロストークを選択的、かつ、より多く除去することができ、本来的な再生信号Dmcを安定して出力することができる。
また、再生信号D1f及びD2fは再生信号Dmとの相関が低いことから、再生信号Dmからは自身と同一の波形成分が殆ど差し引かれることがなく、再生信号DmcのS/N比を良好に保つことができる。また、これにより再生信号D1n及びD2n(即ち、隣接トラックTr1、Tr2からの再生信号成分よりもメイントラックTmからの再生信号成分を多く含む)は、クロストークキャンセリングには寧ろ不適当であることがわかる。
(動作例:2)
次に、遅延誤差検出回路60に図4(B)に示した構成を適用した場合について、説明する。尚、動作例1と同様の動作については説明を適宜に省略する。
ここで図9(A)、(B)は、再生信号Dmと再生信号D1n、再生信号Dmと再生信号D2nの位相ずれΔτに対するエラー信号e1、e2の各変化を夫々表している。また、図10(A)、(B)は、比較例として、再生信号D1n、D2nに代えて遅延調整に再生信号D1f、D2fを適用した場合の位相ずれΔτに対するエラー信号e1、e2の各変化を夫々表している。
遅延調整手段6では、図4(B)に示した遅延誤差検出回路60(或いは遅延誤差検出回路60a及び60b)においてエラー信号e1、e2を求める。この場合の遅延誤差検出回路60は、再生信号Dmと再生信号D1n(又は再生信号D2n)との位相ずれΔτの関数として求めた両者間の相関が、エラー信号e1(又はエラー信号e2)として出力される。
このとき得られるエラー信号e1(又はエラー信号e2)は、再生信号D1n(又は再生信号D2n)が主にメイントラックTmから読み取られる信号成分、即ち再生信号Dmと同等の成分からなることから、再生信号Dmの自己相関が検出されたものとみてよい。従って、図9(A)、(B)に示したように、エラー信号e1(又はエラー信号e2)が最大となるときの位相ずれΔτが、再生信号Dmと再生信号D1n(又は再生信号D2n)との間の遅延誤差、即ち、最適な調整値となる。
遅延制御手段70は、入力されたエラー信号e1及びe2が夫々最大となるときの位相ずれΔτ(Δτmax1、Δτmax2)を求め、これらを基にして遅延量τ1及びτ2に対する遅延誤差Δτ1及びΔτ2を求め、夫々遅延手段5a、5bに出力する。ここでは、再生信号D1n、D2nが再生信号dmに似通っているため、エラー信号e1、e2のS/N比は大きく、遅延誤差Δτ1及びΔτ2は、高精度かつ安定して得られる。
仮に、再生信号D1n及び再生信号D2nに代え、再生信号D1f及び再生信号D2fを再生信号Dmとの位相比較に用いると、上記処理により得られるエラー信号e1、e2は、図10(A)、(B)に夫々示したようになる。即ち、両者は信号成分が異なり、無相関であるために、相関値は位相ずれΔτとは無関係に変動し、大きくはならない。
よって、この動作例においても遅延手段5a、5bにおける遅延調整をクロストークとは関係なく行うことができ、しかも最適な遅延量に高精度に安定して調整することが可能である。
以上説明したように本実施例では、サブビームB1及びB2に基づく再生信号のうち、(1)メイントラックTmからの信号成分を再生信号D1n及びD2nとして切り取り、遅延量の調整に用いるようにしたので、遅延誤差を、ノイズに埋もれさせることなく比較的明瞭に捉えることができ、遅延量τ1、τ2を高精度かつ安定的に設定可能である。また、このように遅延量τ1、τ2は、クロストーク成分とは独立に調整されることから、再生信号Dmにクロストークがみられない又は少ない場合でも、遅延量τ1、τ2を適正に調整することができる。従って、通常は発生しないか非常に小さく、不定期ないし不測時に発生するクロストークに対しても、適切なキャンセリング動作が実行可能である。
同時に、(2)隣接トラックTr1、Tr2からの信号成分を再生信号D1f及びD2fとして切り取り、クロストークキャンセリングに用いるようにしたので、クロストーク成分がより高精度に抽出され、より記録情報に忠実な再生信号Dmcが得られる。
本実施例では、このように各処理の目的に応じて再生信号を使い分けるようにしたことで、遅延調整及びクロストークキャンセリングを夫々、精度良く行うことが可能である。
<第2実施例>
次に、第2実施例について、図11及び図12を参照して説明する。図11は、本実施例における再生装置の主要構成を表すブロック図であり、図12は、遅延調整手段の構成例を表すブロック図である。尚、本実施例以降の実施例においては、第1実施例と同様の構成要素については同一の符号を付し、その説明を適宜に省略するものとする。
本実施例の再生装置は、第1実施例の再生装置に対し、図4(C)に示した構成の遅延誤差検出回路60を適用し、更にその上で遅延調整手段6とCTC7との共通部分を共用化したものである。
図11において、遅延調整手段16は、前段としてのCTC7と、後段の振幅検出手段69及び遅延制御手段70とを含む。図12は、こうした遅延調整手段16の構成をより詳細に示している。即ち、ここでは遅延誤差検出回路60の一部とCTC7とが共用化されている。遅延誤差検出回路60は、CTC7内部では2系統に分かれている。
ここでも、遅延量調整には再生信号D1n及びD2nが、クロストークキャンセリングには再生信号D1f及びD2fが夫々選択的に用いられている。即ち、第1実施例と同様の動作制御により、遅延調整手段16に再生信号D1n及びD2nが入力されるときには、CTC7の出力は振幅検出手段69に送出され、再生信号D1f及びD2fが入力されるときには、CTC7の本来的出力である再生信号Dmcは2値化手段8に送出される。よって、各処理動作は適正に実行される。従って、図11に示した構成では、遅延調整中もCTC7を動作させなければならないので、遅延調整中に信号再生はできなくなるが、回路の共有化により回路規模を縮小することができる。
遅延調整手段16における遅延量調整では、まず、遅延誤差検出回路60のうちCTC7において、再生信号D1nに係数K1を乗じた信号を再生信号Dmから減算して得た信号Dm11、及び、再生信号D2nに係数K2を乗じた信号を再生信号Dmから減算して得た信号Dm12が出力される。係数K1は乗算器65aのタップ係数であり、相関演算手段67aにて信号Dm11と再生信号D1nの相関として生成される。係数K2は乗算器65bのタップ係数であり、相関演算手段67bにて信号Dm12と再生信号D2nとの相関として生成される。
CTC7から出力された信号Dm11(Dm12)は、振幅検出手段69に入力される。振幅検出手段69では、信号Dm11(Dm12)の平均振幅が求められ、遅延エラー信号e1、e2として遅延制御手段70に出力される。尚、ここで得られる遅延エラー信号e1、e2は夫々、図7(A)、(B)のように変化するので、エラー信号e1及びe2が夫々最小となるときの位相ずれΔτ(Δτmin1、Δτmin2)から遅延誤差Δτ1及びΔτ2を求めるとよい。
このように再生信号D1n及びD2nの振幅レベルを調整することによって、再生信号Dmと再生信号D1n又はD2nとの信号レベルが異なる場合であっても平均振幅、つまりエラー信号e1及びe2のS/N比を大きくすることができる。よって、遅延制御手段70では、高精度に遅延誤差Δτ1、Δτ2が得られる。
また、本実施例では、遅延調整手段16とCTC7とを一部共用化したので、回路規模を縮小することができる。
<第3実施例>
次に、第3実施例について、図13を参照して説明する。図13は、本実施例における再生装置の主要構成を表すブロック図である。
本実施例の再生装置は、第1実施例の再生装置に対し、図4(D)に示した構成の遅延誤差検出回路60a及び60bを適用し、更にその上で遅延調整手段6とCTC7との共通部分を共用化したものである。図13において、遅延調整手段26は、前段としてのCTC7と、後段の遅延制御手段70とを含む。即ち、ここでは、2系統の遅延誤差検出回路60a及び60bとCTC7とが共用化されている。また、ここでも上記実施例と同様の動作制御に基づいて、遅延量調整には再生信号D1n及びD2nを、クロストークキャンセリングには再生信号D1f及びD2fを夫々選択して用いるように構成されており、各処理動作が適正に実行される。従って、図13に示した構成においても、遅延調整中にCTC7を動作させなければならないので遅延調整中に信号再生はできなくなるが、回路の共有化により回路規模を縮小することができる。
遅延調整手段26における遅延量調整では、まずCTC7において、再生信号D1nに係数K1を乗じた信号を再生信号Dmから減算して信号Dm11が生成されると共に、再生信号D2nに係数K2を乗じた信号を再生信号Dmから減算して信号Dm12が生成される。係数K1は乗算器65aのタップ係数であり、相関演算手段67aにて信号Dm11と再生信号D1nの相関として生成される。係数K2は乗算器65bのタップ係数であり、相関演算手段67bにて信号Dm12と再生信号D2nとの相関として生成される。ここでは、これら係数K1、K2が夫々遅延エラー信号e1、e2として遅延制御手段70に出力される。尚、この場合の遅延エラー信号e1、e2は夫々、図9(A)、(B)のように変化するので、エラー信号e1及びe2が夫々最大となるときの位相ずれΔτ(Δτmax1、Δτmax2)から遅延誤差Δτ1及びΔτ2を求めるとよい。
このような遅延調整手段26を適用する場合においても、上記各実施例と同様に高精度に遅延誤差Δτ1、Δτ2が得られる。また、本実施例では、遅延調整手段26とCTC7とを一部共用化したので、回路規模を縮小することができる。
<第4実施例>
次に、第4実施例について、図14を参照して説明する。図14は、本実施例における再生装置の主要構成を表すブロック図である。本実施例における再生装置は、A/D変換器41〜45と遅延手段51〜54とを備え、第1実施例における遅延調整手段6を遅延調整手段106に代えた構成となっている。遅延手段51及び53の遅延量は共にτ1であり、遅延手段52及び54の遅延量は共にτ2である。そして、遅延調整手段106には、再生信号Dmのうち遅延手段54を通過した信号と、再生信号D1nのうち遅延手段53を通過した信号と、再生信号D2nとが入力される。
つまり、第1実施例における構成(図1参照)において、再生信号S1n及びS1fに共用されていたA/D変換器4a、遅延手段5aが、A/D変換器41と遅延手段51の経路とA/D変換器42と遅延手段53の経路との2系統に分けられたことになる(再生信号S2n及びS2fについても同様)。こうした構成により、ここではセレクタ31、32が除かれ、検出器2a〜2cからの5つの再生信号出力がA/D変換器41〜45に夫々入力される。
また、遅延調整手段106の内部構成は、例えば遅延調整手段6と同様とすることができる。更に、第2及び第3実施例における遅延調整手段16及び26のように、遅延調整手段106の少なくとも一部をCTC7と共用化してもよい。
以上、再生装置及び再生方法について具体的に説明したが、本発明の再生装置及び再生方法は更なる変形実施が可能である。そこで、以下では上記実施例に係る変形例について説明する。
<第1変形例:遅延量の設定方法>
上記の各実施例においては、遅延手段の遅延量は、遅延調整手段から入力される遅延誤差Δτ1、Δτ2により補正されていたが、本発明においては、遅延量τ1、τ2の適正値を遅延手段に入力し、この値によって遅延量τ1、τ2そのものが設定し直されるように構成することもできる。その場合は、遅延量τ1、τ2そのものを検出するため、遅延量設定手段に対する入力信号は、遅延前の再生信号Dm、D1n及びD2nとなる。
<第2変形例:遅延誤差又は調整量の求め方>
上記実施例及び第1変形例では、遅延誤差Δτ1、Δτ2(又は遅延量τ1、τ2)を、夫々再生信号D1n、D2nに基づいて別途求めるようにしたが、遅延誤差Δτ1又はΔτ2(遅延量τ1又はτ2)の一方の値を他方の値に基づいて求めてもよい。
光ディスク10に照射する各ビーム間の距離は、走査時間間隔、つまり位相差と比例関係にある。図15に示したようにサブビームB2からサブビームB1までの距離L1と、サブビームB2からメインビームBmまでの距離L2とすると、遅延手段5aの遅延量τ1は、式1により、遅延手段5bの遅延量τ2の関数として求めることができる。
τ1=τ2×L1/L2 …(1)
また、遅延手段5aの遅延誤差Δτ1は、式1から得られる次式2により求めることができる。
Δτ1=Δτ2×L1/L2 …(2)
ここで遅延量τ1、τ2、遅延誤差Δτ1、Δτ2は変数であり、遅延量τ1、τ2は現時点での遅延手段5a、5bにおける設定値である。
図16は、こうした変形を第1実施例に適用した場合の構成例を表している。ここで、遅延調整手段6aは、第1実施例と同様にして遅延誤差Δτ2を求めると共に、式2から遅延誤差Δτ1を求めるように構成されている。そのため、遅延調整手段6aには、再生信号S2n、Smのみを入力すればよく、検出器2aからの出力としては再生信号S1nが不要とされ、再生信号S1fのみが後段で使用される(そのため、セレクタ31が削除されている)。この変形例では、先に得た遅延量τ2を最適値とする遅延誤差Δτ2に基づき、遅延量τ1を最適に設定する遅延誤差Δτ1が得られる。従って、遅延調整手段6aは殆ど1系統分の構成で済み、簡素化可能であるうえ、遅延量設定に関する処理時間も半減できる。
尚、同様の変形は、例えば第4実施例に対しても適用可能である。その場合の遅延調整手段は、遅延誤差Δτ2を求めると共に、上記式2から遅延誤差Δτ1を求めるように構成すればよい。
<第3変形例:サブビームの照射領域>
尚、上記実施例では、サブビームB1、B2の夫々がメイントラックと隣接トラックの両方からの信号成分をできるだけ良好に読み取れるように、サブビームB1、B2の各照射領域をメイントラックTmと隣接トラックTr1、Tr2との間を中心とする領域としたが、本発明に係るサブビームはこれに限定されず、例えば照射位置や照射範囲等についての変形実施が可能である。
図17に、通常の3ビーム方式におけるサブビーム(サブビームB31、B32)を示したが、このようにサブビームが隣接トラック上に照射されてもよい。そのような場合であっても、本発明に係る分割された副信号検出手段を用いれば、少なくとも、メイントラック側の受光部分から得られる「第1の副再生信号」は、その他の受光部分から得られる副再生信号に比べて、メイントラックからの信号成分が相対的に多くなる。従って、遅延調整に対して第1の副再生信号を適用すれば、クロストークが小さい場合でも遅延調整ができるという効果が得られる。
尚、このようにサブビームの照射領域が許容されることからも想到されることではあるが、クロストークキャンセリングに用いるサブビームからの再生信号は、必ずしも再生信号S1f、S2fでなくともよい。例えば検出器2a、2c全体から得られた再生信号を用いることができる。
また、上記実施例では、検出器2a、2cは夫々2分割されているものとしたが、サブビームに対応する検出器は、例えば信号処理に応じて使い分けるなどの目的で、メイントラックTmと交差する方向、又はそれ以外の方向において更に多くの部分に分割されてもよい。そうした場合、検出器のうちメイントラックTm側の部分から得られる再生信号を遅延量設定ないし遅延調整に用いるようにすればよい。
本発明は、上述した実施例に限られるものではなく、請求の範囲及び明細書全体から読み取れる発明の要旨或いは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴う再生装置及び再生方法もまた本発明の技術思想に含まれる。
ここで、本発明に係る「記録媒体」とは、ビーム照射に応じてトラックから記録再生が可能な媒体であり、例えば、CD(Compact Disk)、各種タイプのDVD、MD(Mini Disk)、MO(Magneto Optical disk)等の周回するトラックを有するディスク状記録媒体や、直線状トラックを有する記録媒体を指す。また、本発明にいう「トラック」とは、前記記録媒体において情報が記録及び再生されるための、線状に連続する部分を指しており、例えば溝(グルーブ)状又は丘(ランド)状に形成されていてもよいし、グルーブやランドのないピット列とされてもよい。
本発明に係る再生装置及び方法は、例えば、光ディスク等の記録媒体に複数ビームを照射して得る複数の再生信号に基づき、読み取り対象である再生信号から隣接トラックからのクロストーク成分を除去する再生装置及び方法に利用可能である。

Claims (14)

  1. 記録媒体上で読み取り対象とする一のトラックにメインビームを照射すると共に、前記メインビームの照射位置からずれた位置にサブビームを照射するビーム照射手段と、
    前記照射されたメインビームに基づく前記記録媒体からの光を検出すると共に主再生信号を出力する主信号検出手段と、
    前記一のトラックの接線方向に沿った分割線によって分割された、前記一のトラックに近い側の第1受光部分を含む複数の受光部分を有し、前記第1受光部分により検出された前記サブビームに基づく前記記録媒体からの光に応じた第1の副再生信号を含む複数の副再生信号を出力する副信号検出手段と、
    前記出力された主再生信号と前記出力された複数の副再生信号の少なくとも一つとのうち一方を他方に対して相対的に遅延させる遅延手段と、
    前記第1の副再生信号に基づき、前記遅延手段における遅延量を設定する遅延量設定手段と、
    前記遅延手段の出力に基づき、前記一のトラックに隣接する他のトラックに起因するクロストークを前記出力された主再生信号から除去するクロストークキャンセラとを備えたことを特徴とする再生装置。
  2. 前記遅延量設定手段は、前記遅延手段により相対的に遅延された前記主再生信号と前記第1の副再生信号との間の遅延誤差を検出し、該遅延誤差に応じて前記遅延量を設定することを特徴とする請求項1に記載の再生装置。
  3. 前記出力された複数の副再生信号を、前記遅延量設定手段用と前記クロストークキャンセラ用とで切り換え、前記遅延手段に選択的に出力する信号選択手段を更に備えたことを特徴とする請求項2に記載の再生装置。
  4. 遅延調整時、前記クロストークキャンセラは、前記クロストークを前記出力された主再生信号から除去しない状態に制御されることを特徴とする請求項1に記載の再生装置。
  5. 前記複数の受光部分は前記一のトラックから遠い側の第2受光部分を含み、前記クロストークキャンセラは、前記副再生信号のうち前記第2受光部分により検出された前記サブビームに基づく前記記録媒体からの光に応じた第2の副再生信号を用いて前記クロストークを除去することを特徴とする請求項1に記載の再生装置。
  6. 前記サブビームは、前記一のトラックと前記他のトラックとの間隙を中心に照射されることを特徴とする請求項1に記載の再生装置。
  7. 前記遅延量設定手段は、前記主再生信号と前記第1の副再生信号との振幅差に基づいて前記遅延量を設定することを特徴とする請求項1に記載の再生装置。
  8. 前記遅延量設定手段は、前記振幅差と前記第1の副再生信号との相関に基づく係数により前記第1の副再生信号の振幅値を加減する調整を行うことを特徴とする請求項7に記載の再生装置。
  9. 前記遅延量設定手段は、前記主再生信号と前記第1の副再生信号との相関に基づいて前記遅延量を設定することを特徴とする請求項1に記載の再生装置。
  10. 前記遅延量設定手段は、前記主再生信号と前記第1の副再生信号との間の振幅差と、前記第1の副再生信号との相関に基づいて前記遅延量を設定することを特徴とする請求項1に記載の再生装置。
  11. 前記遅延量設定手段の少なくとも一部が前記クロストークキャンセラと共用されることを特徴とする請求項1に記載の再生装置。
  12. 前記ビーム照射手段は、前記サブビームとして前記一のトラックに沿った方向に前記メインビームと相前後する2つのビームを照射し、
    前記副信号検出手段は、前記2つのビームの夫々に対応して前記副再生信号を2系統に出力することを特徴とする請求項1に記載の再生装置。
  13. 前記2つのビームの一方に対応する前記副再生信号の前記遅延量は、前記2つのビームの他方に対応する前記副再生信号の前記遅延量及び前記2つのビームの夫々と前記メインビームとの相互間距離に基づいて設定されることを特徴とする請求項12に記載の再生装置。
  14. 記録媒体上で読み取り対象とする一のトラックにメインビームを照射すると共に、前記メインビームの照射位置からずれた位置にサブビームを照射するビーム照射工程と、
    前記照射されたメインビームに基づく前記記録媒体からの光を検出すると共に主再生信号を出力する主信号検出工程と、
    前記一のトラックの接線方向に沿った分割線によって分割され、前記一のトラックに近い側の第1受光部分を含む複数の受光部分を有する副信号検出手段を用い、該複数の受光部分の各々により前記サブビームに基づく前記記録媒体からの光を検出すると共に、前記第1受光部分により検出された光に応じた第1の副再生信号を含む複数の副再生信号を出力する副信号検出工程と、
    前記出力された主再生信号と前記出力された複数の副再生信号の少なくとも一つとのうち一方を他方に対して相対的に遅延させる遅延工程と、
    前記第1の副再生信号に基づき、前記遅延の際の遅延量を設定する遅延量設定工程と、
    前記遅延工程の後に、前記複数の副再生信号の少なくとも一つに基づいて、前記一のトラックに隣接する他のトラックに起因するクロストークを前記出力された主再生信号から除去するクロストークキャンセル工程とを含むことを特徴とする再生方法。
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