JP4395305B2 - 電動工具 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、被着物に振動力を作用させ、当該振動力を介して被着物の取付け作業を行なう電動工具に関する。
【0002】
【従来の技術】
特開平8−258563号公報では、自動車のボディサイド構造として、ボディサイドパネルに設けられた窓用開口部の周縁において、車両ボディを構成する各パネルの重合箇所を、車両前後方向に渡って覆い隠すためのウェルトを設ける技術が開示されている。このウェルトは、車両の前後方向に延在する長尺体として構成されるとともに、その断面は、車両ボディパネルの重合箇所を覆蓋可能にU字状に形成されている。そして車両組付け作業者は、当該ウェルトのU字状断面の凹部を上記車両ボディパネルの重合箇所に押圧状に取り付け作業していく。なお、当該ウェルトはゴムないし軟質樹脂といった材質で形成されるモールディング材の一種である。
【0003】
上記従来の技術では、車両組付け作業者は、長寸法のモールディング材(ウェルト)をしっかりと保持しつつパネル重合箇所に押圧状に取付け作業する必要があり、その作業性を一層向上するための合理的な技術を構築する要請が高い。
【0004】
【特許文献1】
特開平8−258563号公報(段落【0002】、図5)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、被着物を押圧状に取付け作業するための電動工具の合理的な構成技術を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を達成するため、各請求項記載の発明が構成される。
請求項1に記載の発明によれば、本体部の先端領域に取付けられた先端工具に対し、当該本体部の長軸方向回りの回転力を付与することなく、本体部の長軸方向への振動力を付与し、これによって被着物を押圧状に取付け作業する電動工具が構成される。本発明は、「振動」を介して被着物を押圧状に取付け作業する点を特徴とするものであり、典型的には、被着物を取付け領域に押し付けることで止着する作業態様がこれに該当する。「振動力」は、被着物に対して単発的あるいは連続的に作用させる態様をいずれも包含し、さらに振動力を連続的に作用させる場合、各振動力の大きさ、振動の周期については、被着作業の態様に合わせて適宜設定可能である。また被着作業に応じて振動力が可変となる態様を採用することも可能である。
【0007】
この電動工具は、本体部に収容された駆動モータと、駆動モータの回転出力を受けて回転するスピンドルと、スピンドルと係合し当該スピンドルの回転力を本体部の長軸方向への振動に変換する駆動モータ出力変換部とを有する。これにより、先端工具に効率よく振動力を作用させ、被着物の取付け作業を合理的に遂行することが可能となる。
【0008】
請求項1に記載の発明によれば、駆動モータ出力変換部につき、第1および第2のカム部材を有するように構成する。このうち第1のカム部材は、スピンドルに取り付けられて当該スピンドルとともに回転するよう構成される。一方、第2のカム部材は、スピンドルの軸方向への移動が可能とされ、かつ周方向への回転が規制された状態で第1のカム部材と噛み合い係合し、これによって当該第1のカム部材の回転運動を前記スピンドルの軸方向への振動動作に変換して先端工具に伝達するよう構成される。カム部材同士の噛み合い係合によって振動動作を得るには、少なくとも一方のカム部材がテーパ状の係合面を有し、当該テーパ状係合面における両カム部材の相対的な摺動動作を利用するのが好ましい。
【0009】
本発明における第1のカム部材は、スピンドルの軸方向につき、第2のカム部材から離反する側への移動が許容される。第1のカム部材が第2のカム部材から離反する側へ移動することが許容される場合、スピンドルが回転することで第1のカム部材が回転し、当該第1のカム部材の回転運動を第2のカム部材の振動動作に変換する際に、第2のカム部材が、スピンドルの長軸方向に関し、第1のカム部材から離反する側へ移動動作することが可能とされる。
【0010】
換言すれば、駆動モータの回転出力を全て先端工具の振動力に変換するのではなく、第1のカム部材の後退動作に適宜振り分ける構成とされる。従って、例えば先端工具を被着物に強く押し付けながら当該被着物の取付け作業を行なうような場合、第2のカム部材を介して先端工具に振動力を付与しつつ、第1のカム部材が当該第2のカム部材から離反する方向へ移動させ、これによって、先端工具に作用する振動力が過大となることを抑制し、被着物を取付け作業する際の使用性を向上することが可能とされる。さらに先端工具に作用する振動力の抑制により、電動工具を保持する作業者に対する反動を低減することも併せて可能となり、作業時のホールド性を向上することが可能とされる。
【0011】
また、本発明では、第1のカム部材が第2のカム部材から離反する側へと移動動作する構成につき、第1のカム部材を第2のカム部材側に第1カム付勢スプリングにより常時に付勢するとともに、先端工具によって被着物を押し付ける力が大きくなった場合に、第1のカム部材が、当該付勢力に抗しつつ、第2のカム部材から離反するように移動動作するのを許容する構成とされる。
【0012】
このように構成すれば、先端工具による被着物への押し付け力が作用しない場合、あるいはそれ程強くない場合には、第1のカム部材の後退動作を規制し、駆動モータの回転出力を先端工具の振動力に全部変換し、これによって先端工具の強い振動力を確保する。一方、先端工具による被着物への押し付け力が強くなった場合には、第1のカム部材の後退動作を許容し、駆動モータの回転出力の一部を当該後退動作に逃がすことで先端工具の振動力を適宜軽減する。これにより、被着物ないし被着物の取付け箇所が先端工具の強い振動力によって破損ないし変形するのを極力防止し、作業性の向上に資するようにすることが可能とされる。
【0013】
さらに、本発明は、第1のカム部材を第2のカム部材側に付勢する第1カム付勢スプリングの付勢力を変化可能に構成している。
このような構成によれば、先端工具による被着物への押し付け力がどの程度の大きさになった場合に、第1のカム部材の後退動作を許容するかを適宜変化させることができるので、電動工具の作業状況にきめ細かく対処することが可能となり、当該電動工具の利便性の向上に資することとなる。
【0014】
(請求項2に記載の発明)
請求項2に記載の発明によれば、上記被着物は長尺状に形成される。そして先端工具は、当該被着物の長軸方向と交差する方向に振動力を作用させることで被着物の取付け作業を行なうよう構成される。長尺状の被着物としては、例えば車両のウインドウの周囲に取付けられるモールディング材、すなわち、車両の窓用開口部の周縁において、車両ボディを構成する各パネルの重合箇所を被覆するためのウェルトがこれに典型的に該当する。この場合、先端工具の振動力をモールディング材の径方向(長軸方向と交差する方向)に付与し、モールディング材を車両取付け箇所に押し込み状に取付ける。さらにモールディング材の径方向への振動力を付与させつつ、先端工具をモールディング材の長軸方向に移動させることで、モールディング材全体を取付け箇所に長尺状に取り付けるといった利用形態が可能である。
【0015】
請求項2に記載の発明については、以下のように態様1、態様2を構成することができる。
(態様1)
「請求項2に記載の電動工具であって、
前記被着物の長軸方向と交差する方向に振動力を作用させつつ、前記先端工具を当該被着物の長軸方向に相対移動させることで、前記被着物の取付け作業を行なうことを特徴とする電動工具。」
このように構成すれば、長尺状の被着物の合理的な取付け作業が容易に可能とされることになる。
【0016】
(態様2)
「請求項2または態様1に記載の電動工具であって、
前記被着物は、車両の窓用開口部の周縁領域に取付けられる長尺状のモールディング材によって構成されることを特徴とする電動工具。」
このように構成すれば、比較的長寸法であって安定的な取付け作業が行いにくい車両の窓用開口部周縁領域における長尺状モールディング材の取付けを容易に行なうことができる。
【0017】
(請求項3に記載の発明)
請求項3に記載の発明によれば、請求項2に記載の電動工具における先端工具は、被着物の外周形状に対応して凹状または凸状の係合部を有するように構成される。このように構成すれば、被着物の外周に係合した先端工具が、被着物をしっかりと把持しつつ効果的に振動力を被着物に作用させることができ、被着物から先端工具が不用意に離脱することを防止しつつ合理的な被着物の取付け作業を遂行することが可能とされる。なお先端工具は、凹状の係合部のみを有する態様、凸状の係合部のみを有する態様、凹状および凸状の係合部を適宜組み合わせて有する態様のいずれも好適に包含する。また凹状ないし凸状係合部は、平面および曲面のいずれによって構成してもよい。
【0018】
さらに請求項3に記載の発明については、下記の態様3を構成することが可能である。
(態様3)
「請求項3に記載の発明であって、
前記先端工具は、前記係合部が前記長尺状の被着物の外周形状に係合した状態を維持しつつ、前記被着物の長軸方向へ移動することが許容されていることを特徴とする電動工具。」
【0019】
この態様により、被着物へ振動力を作用させつつ、先端工具を当該被着物の長尺方向に自在に移動させることが可能となり、長尺状の被着物の長軸方向に渡って取付け作業を容易化することが可能となる。
【0020】
【発明の実施の形態】
(第1の実施の形態)
以下、本発明の実施の形態である振動工具101につき、図1から図8までを参照しつつ詳細に説明する。振動工具101は、本発明における「電動工具」に対応するものであり、その全体構造が図1に示される。振動工具101は、モータハウジング105、ハンドグリップ107、ギアハウジング109を主体とする本体部103によって外郭が構成されるとともに、当該本体部103の一部をなすハンドグリップ107の下端側に対しては、フック113を介してバッテリ111が着脱自在に装着されている。バッテリ111は後述する駆動モータ121の駆動電流を供給する。
【0021】
モータハウジング105内には、出力軸123を有する駆動モータ121が収容されている。ギアハウジング109内には、遊星ギアを主体とする変速機構部125およびスピンドル127が配置されており、駆動モータ121の回転出力は、出力軸123、変速機構部125を経て、適宜減速されつつスピンドル127を回転駆動する。スピンドル127の先端側(図1中、スピンドル127の右端側)には駆動モータ出力変換部131が配置されている。
【0022】
駆動モータ出力変換部131は、駆動側カム部材133および被動側カム部材137を主体として構成される。駆動側カム部材133は、本発明における「第1のカム部材」に対応する要素であり、スピンドル127の先端領域に配置される。また被動側カム部材137は、本発明における「第2のカム部材」に対応する要素であり、駆動側カム部材133と噛み合い係合可能に対向状に配置される。駆動モータ出力変換部131の詳細な構成については後述する。
【0023】
被動側カム部材137の先端側には、当該被動側カム部材と一体状とされた先端工具駆動軸141が配置される。また先端工具駆動軸141の先端側(図中右端側)には先端工具157が取り付けられている。先端工具157は、図中上下方向に延在する長尺状のモールディング材Wに対し、当該モールディング材Wの長軸方向(図中上下方向)と交差するように係合し、これによってモールディング材Wの取付け作業を遂行する。本実施の形態におけるモールディング材Wについては、一例として、車両の窓部周縁領域において、車両ボディを構成する各パネルの重合箇所を長尺状に覆い隠すためのウェルト材を用いている。そして本実施の形態に係る振動工具101は、モールディング材Wの長軸方向と交差する方向W1に対し、先端工具157に振動力を作用させ、これによって当該モールディング材Wを押圧状に取付け作業する。なお、モールディング材Wの取付け箇所については、便宜上図示を省略する。
【0024】
振動工具101の主要部のうち、駆動モータ出力変換部131構成が図2に示される。これによると、スピンドル127の先端領域には凹部127aが適宜形成され、当該凹部127aには駆動力伝達ボール129が遊嵌状に配置される。そして上記駆動側カム部材133が、当該駆動力伝達ボール129を挟みつつスピンドル127の外周面に遊嵌される。駆動側カム部材133は、その内周面がスピンドル127の外周面と摺接するように配置されることで、スピンドル127の軸方向への相対的な摺動が許容されるとともに、その径方向への移動が規制される。また駆動側カム部材133は、駆動力伝達ボール129が係合することにより、スピンドル127が回転する際に当該スピンドル127とともに回転するように構成される。
【0025】
さらに駆動側カム部材133は、スピンドル127の長軸方向については、固定端部136との間に設定された駆動側カム部材付勢スプリング135により、常時には被動側カム部材137方向へ付勢されている。このとき、駆動側カム部材133の内周側に形成された溝端部133aに駆動力伝達ボール129が当接することにより、駆動側カム部材133の軸方向先端側への移動が規制される。すなわち、駆動力伝達ボール129は、スピンドル127の軸方向先端側(図2において右側)につき、駆動側カム部材133の位置規制部材としての役割も奏している。
【0026】
一方、被動側カム部材137は、一体状に形成された先端工具駆動軸141とともに本体部103に支持された状態にて、上記駆動側カム部材133に対向状に配置される。被動側カム部材137は、被動側カム部材付勢スプリング139により駆動側カム部材133側へ向かうように付勢される。駆動側カム部材133および被動側カム部材137の互いに対向する箇所には、それぞれ歯部134,148が形成されている。図2では、駆動側カム部材133と被動側カム部材137が互いに当接し、各歯部134,148がそれぞれ噛み合い係合した状態が示されている。歯部134,148は、図4に示すように、互いに摺接可能なテーパ面134a,138aをそれぞれ有する。各テーパ面134a,138aは、図1に示すモールディング材Wの長軸方向と交差する方向W1に対して傾斜状に配される。なお歯部134,148の詳細な動作態様については、さらに図5および図6を参照しつつ後述する。
【0027】
先端工具駆動軸141は、上記のように被動側カム部材137と一体状に構成されるとともに、その中央領域における外周面には平面部143が形成されている。当該平面部143は、いわゆる二面幅として、本体部103に面状に当接するよう構成されている。これにより、先端工具駆動軸141およびこれと一体化された被動側カム部材137は、本体部103の長軸方向(スピンドル127の長軸方向であって、図中左右方向)回りの回動が規制された状態で、当該長軸方向への移動が許容されることとなる。
【0028】
先端工具駆動軸141の先端領域(図中、右端領域)においては、先端工具取付け部145を介して先端工具157が取り付けられている。先端工具157の平面構成が図3に示される。先端工具157には、モールディング材Wの平面外周に面接触可能な係合凹部159が形成されている。
【0029】
本実施の形態に係る振動工具101は上記のように構成される。次に振動工具101の作用について説明する。作業者は、図1に示すハンドグリップ107の上端近傍に設けられたトリガスイッチ108を適宜に投入操作し、駆動モータ121を駆動する。駆動モータ121の回転出力は、出力軸123および変速機構部125を経てスピンドル127に伝達され、スピンドル127はその長軸方向まわりに回転駆動される。これにより駆動側カム部材133は、駆動力伝達ボール129を介してスピンドル127と一体状に回転駆動されることとなる。
【0030】
本実施の形態では、駆動側カム部材133がスピンドル127の長軸方向回りに回転駆動される場合、当該駆動側カム部材133と対向状に係合した被動側カム部材137は、一体状とされた先端工具駆同軸141の平面部143が本体部103に面接触して回転規制されるため(図2参照)、駆動側カム部材137とともに回転することができないように構成されている。このため、図4に示すように、駆動側カム部材133の歯部134におけるテーパ面134aに対し、被動側カム部材137の歯部138におけるテーパ面138aが相対的に摺動動作する。図5は、テーパ面134aに対してテーパ面138aが乗り上げ状に摺動している状態を示す。図6は、駆動側カム部材133側のテーパ面134aに対し、被動側カム部材137側のテーパ面138aが最大限離間するに至るまで摺動した状態を示す。
【0031】
かくして、スピンドル127の回転によって駆動側カム部材133が一体に回転駆動される場合、回転動作が規制された被動側カム部材137および先端工具駆動軸141は、各カム部材133,137における歯部134,148同士の相対的な乗り上げ動作の繰り返しによって周期的な振動力を受けることとなる。
【0032】
この結果、図7に示すように、被動側カム部材137、先端工具駆動軸141および先端工具駆動軸141に取り付けられた先端工具157は、モールディング材Wの長軸方向W0と交差する方向W1に振動力を作用させる。これによりモールディング材Wを所定の取付け箇所に押圧状に取り付け作業する。なおモールディング材Wを、その長さ方向に渡って効率よく取り付け作業するには、モールディング材Wへの押し付け力を作用させた状態で、振動工具101をモールディング材Wの長尺方向W0に向かって移動させていく。すると、先端工具157の振動力がモールディング材Wの長さ方向に連続状に作用し、これによって当該モールディング材Wの取付け作業が容易かつ確実に遂行されることとなる。なお、図3に示すように、先端工具157の係合凹部159がモールディング材Wの外周に面上(ないし線状)に接触係合するため、先端工具157によるモールディング材Wの把持および押圧を確実に行なうことが可能とされている。また係合凹部159は、先端工具157の上下方向に開口した溝状に形成されているため、振動工具101をモールディング材Wの長尺方向W0に移動させる際に、先端工具157がモールディング材Wに干渉することが回避されている。
【0033】
本発明の実施の形態によれば、長尺状のモールディング材を、その長軸方向に渡って所定の取付け箇所に合理的に取付け作業することが可能な振動工具が構成されることとなった。
【0034】
なお、実際の作業時においては、作業者が振動工具101に押圧荷重を作用させ、先端工具157を取付け作業箇所に強く押し付けて取付け作業する場合があり得る。このような場合、あまり押し付け力を強くして、モールディング材や取付け作業箇所を損傷しないように工夫を講じる要請が生じるが、本実施の形態では以下の対策が講じられている。図8に示すように、符号F1で示される押圧荷重を振動工具101に作用させることで、符号F2で示される押込み力が先端工具157に作用したとする。当該押込み力F2が駆動側カム部材付勢スプリング135の付勢力を越えて大きくなった場合、駆動側カム部材133が、駆動側カム部材付勢スプリング135の付勢力に抗しつつスピンドル127の外周面を後退動作可能に構成される。
【0035】
この状態において、スピンドル127の回転力が駆動力伝達ボール129を介して駆動側カム部材133に伝達された場合、駆動側カム部材133の回転に伴って、当該スピンドル127の回転力は、被動側カム部材137の振動動作と、駆動側カム部材133の後退動作とに適宜振り分けられることとなる。これにより先端工具157に作用する振動力を緩和し、過大な押圧力がモールディング材に作用するのを回避することが可能となる。さらに、先端工具157に作用する振動力が低減されることにより、モールディング材側から振動工具101に作用する押し込み反力が緩和されることになるため、振動工具101の保持性を向上することが可能となる。換言すれば、本実施の形態では、駆動側カム部材133の後退動作により、実質的に、振動工具101の駆動時の反動緩和機構を構築することが可能とされる。
【0036】
なお、上記第1の実施の形態において、図2に示す固定端部136の配置位置につき、スピンドル127の長軸方向に適宜移動させることで、駆動側カム部材付勢スプリング135の圧縮量を変化させ、これによってその付勢力を可変としてもよい。このように構成すれば、先端工具157による被着物への押し付け力がどの程度の大きさになった場合に、第1のカム部材の後退動作を許容するかを適宜変化させ、作業状況にきめ細かく対処することが可能となる。
【0037】
(第2の実施の形態)
次に、本発明の第2の実施の形態につき、図9および図10を参照しつつ説明する。
第2の実施の形態は、上記した第1の実施の形態における駆動モータ出力変換部の変更形態に関する。従って、第1の実施の形態と実質的に同等の構成要素については、便宜上その詳細な説明および図示を省略することとする。
【0038】
図9に示すように、第2の実施の形態に係る振動工具201では、駆動側カム部材233の後退動作を規制するための後退規制部材235が設けられる。具体的には、後退規制部材235は、ギアハウジング209内に固定状に配置されるとともに、駆動側カム部材233の後端部(図9中、左端部)に常時に当接することにより、当該駆動側カム部材233がスピンドル227の長軸方向後方(図9において左方向)に後退動作するのを規制する。
【0039】
なお第2の実施の形態に係る振動工具201では、上記した第1の実施の形態に係る振動工具101におけるスピンドル127,駆動力伝達ボール129および駆動側カム部材133の構成につき、駆動側カム部材付勢スプリング135を取外すとともに後退規制部材235を付設するのみで、第2の実施の形態に係る振動工具201が得られるため、機構の変更が容易に行える。また、上記第2の実施形態につき、スピンドル227と駆動側カム部材233とを一体形成した構成にすれば、駆動力伝達ボール229および後退規制部材235を配置する必要がなくなるため、さらに合理的な構成が得られることとなる。
【0040】
さて、本実施の形態では、駆動側カム部材233がスピンドル227の長軸方向後方に後退動作するのが規制されることにより、スピンドル227の回転力が駆動力伝達ボール229を介して駆動側カム部材233に伝達される場合には、図10に示すように、スピンドル227の回転力は、相互に噛み合い係合した歯部234,238を介して全て被動側カム部材237の振動動作に変換されることになる。これにより、先端工具257に伝達される振動力を大きく確保して、モールディング材に対する強い押圧力を確保し、これによってモールディング材の取付け作業時の利便性を向上することが可能となる。また、駆動側カム部材233の後退動作を規制することで、先端工具257をモールディング材に押し付ける際の押し付け力の大小に関係なく、先端工具257の振動力を定常化することが可能とされ、作業性を一層向上することが可能とされる。
【0041】
【発明の効果】
本発明によれば、被着物を押圧状に取付け作業するための電動工具の合理的な構成技術が提供されることとなった。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施の形態に係る振動工具の全体構成を示す正面一部断面図である。
【図2】 第1の実施の形態に係る振動工具につき、その要部の構造を示す部分的断面図である。図2では、駆動側カム部材と被動側カム部材とが噛み合い係合した状態が示される。
【図3】 第1の実施の形態に係る振動工具で用いられる先端工具の構成を平面図にて示す。
【図4】 駆動側カム部材と被動側カム部材とが互いに噛み合い係合した状態を模式的に示す。
【図5】 駆動側カム部材が回転するにつれて、被動側カム部材が係合状態を維持しつつ乗り上げ動作を行なう状態を示す。
【図6】 被動側カム部材が、駆動側カム部材に対し、係合状態を維持しつつ乗り上げ動作し、駆動側カム部材から最大限離間した状態を模式的に示す。
【図7】 第1の実施の形態に係る振動工具につき、その要部の構造を示す部分的断面図である。図7は、駆動側カム部材に対して被動側カム部材が乗り上ることで軸方向に移動し、これによって先端工具が長軸方向前方に押し出された状態を示す。
【図8】 第1の実施の形態において先端工具に強い押し付け力が作用した状態を示す部分的断面図である。図8では、作業者が振動工具を強く押圧することにより、先端工具が本体部側に移動した状態が示される。
【図9】 本発明の第2の実施形態に係る振動工具につき、その要部の構造を示す部分的断面図である。
【図10】 第2の実施形態に係る振動工具において、駆動側カム部材に対し、被動側カム部材が噛み合い係合状態を維持しつつ乗り上げ動作し、これによって先端工具が長軸方向前方に振動状に押し出された状態を示す。
【符号の説明】
101 振動工具(電動工具)
103 本体部
105 モータハウジング
107 ハンドグリップ
108 トリガスイッチ
109 ギアハウジング
111 バッテリ
113 フック
121 駆動モータ
123 出力軸
125 変速機構部
127 スピンドル
127a 溝部
129 駆動力伝達ボール
131 駆動モータ出力変換部
133 駆動側カム部材(第1のカム部材)
135 駆動側カム部材付勢スプリング
137 被動側カム部材(第2のカム部材)
139 被動側カム部材付勢スプリング
141 先端工具駆動軸
143 平面部
145 先端工具取付け部
157 先端工具
159 モールディング材係合凹部

Claims (3)

  1. 本体部の先端領域に取付けられた先端工具に対し、前記本体部の長軸方向回りの回転力を付与することなく、当該本体部の長軸方向への振動力を付与し、これによって被着物を押圧状に取付け作業する電動工具であって、
    前記本体部に収容された駆動モータと、
    前記駆動モータの回転出力を受けて回転するスピンドルと、
    前記スピンドルと噛み合い係合し、当該スピンドルの回転力を前記本体部の長軸方向への振動に変換する駆動モータ出力変換部とを有し、
    前記駆動モータ出力変換部は、
    前記スピンドルに取付けられ当該スピンドルとともに回転する第1のカム部材と、
    前記スピンドルの軸方向への移動が可能とされ、かつ周方向への回転が規制された状態で前記第1のカム部材と噛み合い係合し、これによって当該第1のカム部材の回転運動を前記スピンドルの軸方向への振動動作に変換して前記先端工具に伝達する第2のカム部材とを有するとともに、
    前記第1のカム部材は、前記スピンドルの軸方向につき、前記第2のカム部材から離反する側への移動が許容されるとともに、当該第2のカム部材に近接する方向に第1カム付勢スプリングによって常時に付勢され、更に前記第1カム付勢スプリングの付勢力が変化可能に構成されていることを特徴とする電動工具。
  2. 請求項1に記載の電動工具であって、
    前記被着物は長尺状に形成され、
    前記先端工具は、当該被着物の長軸方向と交差する方向に振動力を作用させることで被着物の取付け作業を行なうことを特徴とする電動工具。
  3. 請求項2に記載の電動工具であって、
    前記先端工具は、前記被着物の外周形状に対応して凹状または凸状の係合部を有することを特徴とする電動工具。
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