JP4395293B2 - 走査光学系 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、複数の発光点から発光した複数の光束を、夫々、第1光学系によって偏向器の反射面の近傍において副走査方向に収束させるとともに、この偏向器によって主走査方向へ動的に偏向し、第2光学系によって走査対象面上に点状に収束させる走査光学系に関する。
【0002】
【従来の技術】
この種の走査光学系によると、偏向器の一反射面での走査によって同時に複数本の走査線を走査対象面上に描画することができるので、各光束を夫々変調することによって、高速な印字が可能になる。
【0003】
このような走査光学系の光源としては、特開昭57−54914号公報第10図に示される様に、複数の発光点を有する単一の素子を用いることも可能であるし、特開昭60−126620号公報に示される様に、夫々一個の発光点を有する複数の素子を用いることも可能である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
但し、これらの何れの光源を用いる走査光学系によっても、走査対象面上での光束同士の間隔が、正確に(一反射面での走査の間における走査対象面の移動量/光束本数となるように)調整されていなければ、上記特開昭57−54914号公報の第4図に示されるように、走査対象面上での走査線同士のピッチが不均一となってしまい(即ち、同時に描画された走査線同士の間隔と、別走査によって描画された走査線同士の間隔とがズレてしまい)、印刷される画像の品質を劣化させる。従って、何らかの手段によって、走査対象面上での光束同士の間隔を調整する必要がある。
【0005】
例えば、上記特開昭60−126620号公報記載の走査光学系のように、複数の素子を用いる場合には、各素子の位置を夫々調整して相対位置を変化させることによって、走査対象面上での光束同士の間隔を調整することができる。しかしながら、素子そのものを移動するとなると、その移動量が光学系全体の横倍率によって拡大されて、走査対象面上での光束の移動量(走査線の方向に直行する副走査方向への移動量)として現れてしまう。そのため、各素子の調整は、シビアにならざるを得ないので、非熟練者が簡単にできるものではない。
【0006】
一方、特開昭57−54914号公報第10図記載の走査光学系のように、複数の発光点を有する単一の素子を用いる場合には、発光点同士の間隔は設計値に安定するものの、他の光学部品との関係で発生する光学系全体の製造上の倍率誤差に因って光束同士の間隔が設計値からズレてしまった場合には、発光点同士の間隔を調整することで光束同士の間隔を変更することはできない。そこで、特開昭57−54914号公報第10図記載の走査光学系では、同第5図に示すような3群構成を有するアフォーカル・アナモフィック・ズームレンズ系43を、コリメータレンズ42とシリンドリカルレンズ44との間に配置して、光学系全体の倍率を補正することによって、走査対象面上でのレーザー光束同士の間隔を調整している。しかしながら、このようなアフォーカル・アナモフィック・ズームレンズ系43は、本来の走査光学系の機能からは不要な構成であるので、徒にコストを上昇させてしまうものである。
【0007】
そこで、本発明は、走査光学系全体の倍率を変化させるために追加されるレンズ枚数を最小限,即ち、1枚のみに止め、この一枚のレンズを移動させることで、走査対象面上での光束同士の間隔を調整することができる走査光学系の提供を、課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を達成するために案出された本発明による走査光学系は、光源から発した複数の光束を走査対象面上で主走査方向に走査する走査光学系であって、夫々光束を発する複数の発光点を有する光源と、この光源の各発光点から発した光束を、前記主走査方向においては平行光とするとともに、前記主走査方向に直交する副走査方向においては収束させる第1光学系と、この第1光学系によって前記各光束が前記副走査方向において収束される位置近傍において、これら各光束を同時に前記主走査方向へ動的に偏向する偏向器と、この偏向器によって同時に偏向された前記各光束を前記主走査方向及び前記主走査方向において前記走査対象面近傍に収束させる第2光学系とを備え、前記第1光学系は、副走査方向において前記各光束を一旦収束させる第1レンズ群と、この第1レンズ群によって形成された像を副走査方向においてリレーする1枚のレンズである第2レンズ群とからなり、前記第1光学系の前記第2レンズ群の副走査方向における倍率がmCL2が条件
−1.2<mCL2<−0.8
を満足することを、特徴とする。
【0009】
このように構成されると、走査光学系としての本来の機能実現のために必要な第1光学系の第1レンズ群とポリゴンミラーとの間に、副走査方向においてリレーレンズとして機能する第2レンズ群を追加するという簡単な構造により、その第2レンズ群を光軸方向へ移動させることで、第1光学系全体の副走査方向における倍率(即ち、第1光学系によってポリゴンミラー近傍に形成された線像の発光点に対する倍率),従って、走査光学系全体の副走査方向における倍率を変化させて、走査対象面上における各光束の間隔(即ち、走査線同士の間隔)を調整することが可能となる。
【0010】
しかも、このようにして第2レンズ群を移動させても、第2レンズ群の設計副走査倍率,及び、第2光学系全体の副走査倍率が適切に設定されていれば、第2光学系による焦点位置(スポット形成位置)は、走査対象面からあまりずれないので、走査対象面に形成される画像の画質を劣化させることがない。例えば、第1光学系の第2レンズ群の副走査方向における倍率がmCL2が条件
-1.2<mCL2<-0.8
を満足し、第2光学系全体の副走査方向における倍率がmzが条件
-1.1<mz<-0.3
を満足していれば、画像の品質を十分高質に維持することができる。
【0011】
第1光学系は、各光束を、その第1レンズ群と第2レンズ群との間において一旦副走査方向に収束させ、その第2レンズ群から、主走査方向において平行光とし且つ副走査方向において収束光として射出して、偏向器による偏向点の近傍に線像を形成すれば良い。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、この発明にかかる走査光学系の実施の形態を説明する。
【0013】
図1は、本発明の一実施形態による走査光学系の構成を示す光学構成図である。この図1に示すように、この走査光学系1は、複数の発光点から夫々レーザー光束を発するレーザー光源10,このレーザー光源10から夫々発した各レーザー光束を主走査方向において平行光であって副走査方向において収束光とすることによって複数の線像を形成する第1光学系11,その各側面がレーザー光束を反射する反射面として形成された正多角柱形状を有するともにその中心軸を中心に回転する偏向器であるポリゴンミラー15,回転するポリゴンミラー15の各反射面にて反射されることによって動的に偏向された各レーザー光束を夫々スポットとして収束させる第2光学系20,及び、その外周面が走査対象面Sとして機能する感光ドラムから、構成されている。なお、以下の説明の理解を容易にするために、ポリゴンミラー15の中心軸15aに直交する面と平行な方向を「主走査方向」と定義し、中心軸15aと平行な方向を「副走査方向」と定義する。
【0014】
レーザー光源10は、副走査方向(図1の上下方向)に並ぶように形成された各発光点から夫々レーザー光束を発散光として射出する単一素子からなるモノリシックマルチビームレーザーダイオードである。
【0015】
第1光学系11は、レーザー光源10から夫々発した各レーザー光束を夫々平行光にするコリメータレンズ12,このコリメータレンズ12から平行光として入射した各レーザー光束を副走査方向にのみ一旦収束させることによって複数の線像を一旦形成する第1シリンドリカルレンズ13及びこの第1シリンドリカルレンズ13によって形成された複数の線像を副走査方向においてのみリレーする第2シリンドリカルレンズ14から、構成されている。第1光学系11を構成するコリメータレンズ12及び第1シリンドリカルレンズ13が、第1レンズ群に相当し、第2シリンドリカルレンズ14が、第2レンズ群に相当する。
【0016】
ポリゴンミラー15は、第1光学系11の第2シリンドリカルレンズ14から射出された各レーザー光束が常時何れかの反射面に対して主走査方向において斜めに入射するとともに、当該第2シリンドリカルレンズ14によってリレーされた各線像がその反射面の近傍に形成されるように、配置されている。このポリゴンミラー15は、その中心軸15aを中心として回転するので、ある反射面に入射した各レーザー光束は、ポリゴンミラー15の回転に伴ってその反射面に対する主走査方向の入射角が変化することによって、主走査方向へ動的に偏向される。
【0017】
ポリゴンミラー15によって動的に偏向された各レーザー光束は、主走査方向においては平行光束のまま、副走査方向においては収束点から発散しつつ、第2光学系20に入射する。この第2光学系20は、入射した各レーザー光束を、主走査方向においては走査対象面S上における光軸からy=k・θ(k:走査係数,θ:光軸を基準としたレーザー光束の傾斜角)離れた位置に収束させ、副走査方向においては光軸に対して反転させて走査対象面S上に収束させる結像光学系である。従って、各レーザー光束によって走査対象面S上に形成されたスポットは、この走査対象面S上を、主走査方向に等速度に走査する。また、副走査方向において、ポリゴンミラー15の各反射面と走査対象面Sとが第2光学系20によってほぼ共役関係となっているために、各レーザー光束は、ポリゴンミラー15のどの反射面によって反射されても、各反射面の僅かな傾き(いわゆる「面倒れ」)の有無に拘わらず、走査対象面Sにおける同一線上を走査する。
【0018】
第2光学系20は、より詳細には、第1レンズ群21とこの第1レンズ群21よりも走査対象面S側に配置される第2レンズ群22とから、構成される。このうち、第1レンズ群21は、主に主走査方向にレーザー光束を収束させるパワーを有する(主走査方向の結像作用を担う)レンズであり、第2レンズ群22は、主に副走査方向にレーザー光束を収束させるパワーを有する(副走査方向の結像作用を担う)レンズである。第2光学系20の光軸は、主走査方向においては、各反射面の中央にて反射されたレーザー光束のビーム軸と重なり、副走査方向においては、ポリゴンミラー15の中心軸15aの中央に直交している。
【0019】
なお、第2光学系20を構成する各レンズ21,22のレンズ面は、回転非対称非球面である場合もあるが、そのような形状を持つレンズ面には本来の意味での光軸を、定義することができない。そのため、以下、「光軸」との文言は、各レンズ面の面形状を式によって表現する時に設定される原点を通る軸(光学面基準軸)との意味で、用いられるものとする。
【0020】
ところで、副走査方向において、各光学部材の形状や組み付けに誤差が生じると、走査光学系全体としての倍率が変化してしまう。例えば、第1光学系11に焦点距離誤差が生じると、ポリゴンミラー15以前の光学系の倍率が変化するので、走査光学系全体としての倍率が変化してしまう。同様に、走査光学系20を構成する各レンズ21,22の位置が設計位置から光軸方向にずれると、第2光学系20の倍率が変化するので、走査光学系全体としての倍率が変化してしまう。そのようにして走査光学系全体としての倍率が設計値から変化する結果、走査対象面S上における各レーザー光束のスポット間の距離が、設計値からずれてしまうのである。また、レーザー光源10の発光点間隔誤差もスポット間の距離に影響を与える。
【0021】
このような走査光学系全体としての倍率変化を補正して、走査対象面S上における各レーザー光束のスポット間の距離を設計値に戻すために、本実施形態では、副走査方向における設計倍率(以下、「設計副走査倍率」という)mCL2が約−1倍(-1.2<mCL2<-0.8)である第2シリンドリカルレンズ14を、第1光学系11に追加し、第1シリンドリカルレンズ13によって形成された各レーザー光束の線像を当該設計副走査倍率mCL2にてポリゴンミラー15の反射面近傍にリレーする光学構成としたので、この第2シリンドリカルレンズ14をその光軸方向に移動調整することによって、主走査方向におけるスポット結像位置に影響を与えることなく、副走査方向において、焦点位置ズレを最小限に抑えつつ、走査光学系全体の副走査倍率mCL2を設計副走査倍率mCL2から変化させている。
【0022】
以下、第2シリンドリカルレンズ14の設計副走査倍率mCL2を−1倍にすることによって、焦点位置ズレを最小限に抑えつつ倍率を変化させられる事を、図2を参照して説明する。
【0023】
この図2は、第1シリンドリカルレンズ13によって形成される線像(線像1)の位置に対して第2シリンドリカルレンズ14を設計位置(線像1に対する設計副走査倍率mCL2が−1倍となる位置)から前後に移動した場合における当該第2シリンドリカルレンズ14の倍率の変化と、当該第2シリンドリカルレンズ14が線像1をリレーすることによって再結像された線像2の位置変化と、第2光学系20が線像2をリレーすることによって再結像されるスポット位置(有限焦点位置)変化とを、グラフ化したものである。この図2から明らかなように、第2シリンドリカルレンズ14の設計副走査倍率mCL2=−1倍の場合であれば、この第2シリンドリカルレンズ14を設計位置から前後に移動させることによってその倍率を変化させたとしても、線像2の形成位置は、第2シリンドリカルレンズ14の設計位置において極小値をとる二次曲線状に変化する。従って、第2シリンドリカルレンズ14の設計位置近辺における線像2の位置変化率及び位置変化量が小さい。
【0024】
このように、第2シリンドリカルレンズ14の設計副走査倍率mCL2を−1倍とすれば、当該第2シリンドリカルレンズ14を光軸方向に移動することによって、線像2の位置変化率及び位置変化量を最小限に抑えつつ、その副走査倍率mCL2を設計副走査倍率mCL2=−1から変化させることができる。しかも、第2光学系20の全体としての副走査倍率(副走査方向における縦倍率)mzの絶対値が1未満である縮小光学系であれば、線像2の形成位置が多少変化しても、最終的に形成されるスポット位置の変化量も縮小される。従って、第2シリンドリカルレンズ14の設計副走査倍率mCL2が−1倍から多少変動しても、最終的に形成されるスポットの焦点位置ズレを最小限に抑えつつ走査光学系全体としての副走査倍率を変化させることができる。本発明者が様々にシュミレーションをした結果、第2シリンドリカルレンズ14の設計副走査倍率mCL2が-1.2倍から-0.8倍までの範囲内であって、第2光学系20全体の副走査倍率mzが-1.1倍から-0.3倍であれば、第2シリンドリカルレンズ14の移動に伴うスポット位置の変化量を、許容値内に抑えるられることが判った。
【0025】
以下、設計副走査倍率mCL2が-1.2倍から-0.8倍までの範囲内に設定された第2シリンドリカルレンズ14,及び副走査倍率mzが-1.1倍から-0.3倍である第2光学系20を備える走査光学系1の実施例を、2例示す。
【0026】
【実施例1】
図3は、実施例1の走査光学系1の主走査方向における光学構成図である。
【0027】
実施例1では、走査係数kは180であり、第2光学系20全体としての焦点距離は180.0mmであり、走査対象面S上での走査幅(レーザー光束が走査される主走査方向幅)は216mmである。
【0028】
実施例1における第1光学系11から走査対象面Sに至る光路上の各面の具体的数値構成を、表1に示す。なお、この表1に示された数値構成は、第1光学系11及び第2光学系20の夫々の光軸に対する近軸値である。
【0029】
【表1】
表1において、「面番号」の数字は、第2光学系20の面番号を示し、1乃至4が、第1レンズ群21を構成する2枚のレンズの各レンズ面に対応し、5及び6が、第2レンズ群22を構成する1枚のレンズの各レンズ面に対応する。また、表3において、「Ry」は、主走査方向における曲率半径(単位 [mm])であり、「Rz」は、副走査方向における曲率半径(単位 [mm],回転対称面の場合には省略)である。また、表1において、「面間隔」は、光軸上における次の面までの距離(単位 [mm])であり、「屈折率」は、次の面までの間の媒質の設計波長に対する屈折率(空気については省略)である。
【0030】
表1に示された第1シリンドリカルレンズ13の前面は、シリンドリカル面であり、その後面は、平面である。
【0031】
第2シリンドリカルレンズ14の前面は、シリンドリカル面であり、その後面は、平面である。
【0032】
第2光学系20の第1レンズ群21を構成する面番号1及び2のレンズ面は、夫々、回転対称非球面である。従って、その断面形状は、光軸からの半径(h)の点における光軸での接平面からのサグ量X(h)として、下記式(1)により表される。
【0033】
X(h)=1/Ry・h2/[1+√[1-(κ+1)2h2/Ry2]]+A4h4+A6h6+A8h8 …(1)
式(1)において、Ryは表1に挙げられた「曲率半径」、κは円錐係数、A4,A6,A8は、夫々、4次,6次,8次の非球面係数である。実施例1において面番号1及び2の各レンズ面の具体的形状を特定するために式(1)に適用される各係数を、表2に示す。
【0034】
【表2】
第2光学系20の第1レンズ群21を構成する面番号3及び4のレンズ面は、夫々、球面である。
【0035】
第2光学系20の第2レンズ群22を構成する面番号5のレンズ面は、アナモフィック非球面(即ち、主走査断面は光軸からの主走査方向の関数,副走査断面は曲率が光軸からの主走査方向の距離の関数として、独立に定義される非球面)である。従って、その主走査断面における形状は、光軸からの高さ(y)の点における光軸での接平面からのサグ量X(y)として、下記式(2)により表され、主走査方向の各高さ(y)での副走査方向における形状は、円弧の曲率1/[Rz(y)]として、下記式(3)により表される。
【0036】
これら式(2),(3)において、Ryは表1に挙げられた主走査方向における近軸曲率半径であり、Rzは副走査方向における近軸曲率半径であり、κは円錐係数、AM1,AM2,AM3,AM4,AM5,AM6,AM7,AM8…は夫々主走査方向に関する1次,2次,3次,4次,5次,6次,7次,8次…の非球面係数であり、AS1,AS2,AS3,AS4,AS5,AS6,AS7,AS8…は夫々副走査方向に関する1次,2次,3次,4次,5次,6次,7次,8次…の非球面係数である。実施例1において面番号3のレンズ面の具体的形状を特定するためにこれら各式(2),(3)に適用される各係数を、表3に示す。
【0037】
【表3】
また、面番号6のレンズ面は、球面である。
【0038】
実施例1において、第2シリンドリカルレンズ14の副走査倍率(設計副走査倍率)mCL2を計算すると、-1.00倍となり、-1.2倍から-0.8倍までの範囲内に含まれる。また、第2光学系20全体の副走査倍率mzを計算すると、-0.46倍となり、-1.1倍から-0.3倍までの範囲内に含まれる。
【0039】
実施例1において、第2シリンドリカルレンズ(第2レンズ群)14を設計位置(設計副走査倍率mCL2=-1.00倍となる位置)から光軸に沿って前後に1.0mmづつ移動させた場合における当該第2シリンドリカルレンズ(第2レンズ群)14の副走査倍率mCL2,線像2の焦点位置変化量,及び走査対象面Sからの焦点ズレ量を、表4に列挙した。
【0040】
【表4】
この表4に示すように、実施例1によると、第2シリンドリカルレンズ14の副走査倍率mCL2を設計副走査倍率mCL2=-1.00倍から上下約8%変化させても、走査対象面Sに対する焦点位置ズレ量は最大0.07mmに止まるので、焦点位置ズレに起因する解像度悪化を生じることなく、走査光学系全体の副走査倍率を調整することによって、走査対象面S上における走査線間隔を一定に揃えることが可能となる。
【0041】
なお、実施例1の第2光学系20の諸収差図を、図4に示す。図4(a)は、fθ誤差図(縦軸はy=kθによって定まる走査対象面Sでの光軸からの高さy,横軸は走査対象面S上での実際のスポット位置とyとのズレ量)であり、図4(b)は、像面湾曲図(縦軸は走査対象面Sでの光軸からの高さy,横軸は光軸方向における焦点位置ズレであって、Sは副走査方向,Mは主走査方向のものである)である。
【0042】
【実施例2】
図5は、実施例2の走査光学系1の主走査方向における光学構成図である。
【0043】
実施例2では、走査係数kは200であり、第2光学系20全体としての焦点距離は200.0mmであり、走査対象面S上での走査幅(レーザー光束が走査される主走査方向幅)は300mmである。
【0044】
実施例2における第1光学系11から走査対象面Sに至る光路上の各面の具体的数値構成を、表5に示す。
【0045】
【表5】
表5における各欄の意味は、上述した表1のものと同じである。
【0046】
表5に示された第1シリンドリカルレンズ13の前面は、シリンドリカル面であり、その後面は、平面である。
【0047】
第2シリンドリカルレンズ14の前面及び後面は、共にシリンドリカル面である。
【0048】
第2光学系20の第1レンズ群21を構成する面番号1及び2のレンズ面は、夫々、回転対称非球面である。実施例2において面番号1及び2の各レンズ面の具体的形状を特定するために式(1)に適用される各係数を、表6に示す。
【0049】
【表6】
第2光学系20の第2レンズ群22を構成する面番号3のレンズ面は、アナモフィック非球面である。実施例2において面番号3のレンズ面の具体的形状を特定するためにこれら各式(2),(3)に適用される各係数を、表7に示す。
【0050】
【表7】
また、面番号4のレンズ面は、球面である。
【0051】
実施例2において、第2シリンドリカルレンズ14の副走査倍率(設計副走査倍率)mCL2を計算すると、-1.00倍となり、-1.2倍から-0.8倍までの範囲内に含まれる。また、第2光学系20全体の副走査倍率mzを計算すると、-1.05倍となり、-1.1倍から-0.3倍までの範囲内に含まれる。
【0052】
実施例2において、第2シリンドリカルレンズ(第2レンズ群)14を設計位置(設計副走査倍率mCL2=-1.00倍となる位置)から光軸に沿って前後に1.0mmづつ移動させた場合における当該第2シリンドリカルレンズ(第2レンズ群)14の副走査倍率mCL2,線像2の焦点位置変化量,及び走査対象面Sからの焦点ズレ量を、表8に列挙した。
【0053】
【表8】
この表8に示すように、実施例2によると、第2シリンドリカルレンズ14の副走査倍率mCL2を設計副走査倍率mCL2=-1.00倍から上下約8%変化させても、走査対象面Sに対する焦点位置ズレ量は最大0.64mmに止まるので、焦点位置ズレに起因する解像度悪化を生じることなく、走査光学系全体の副走査倍率を調整することによって、走査対象面S上における走査線間隔を一定に揃えることが可能となる。
【0054】
なお、実施例2の第2光学系20の諸収差図を、図6に示す。図6(a)は、fθ誤差図(縦軸はy=kθによって定まる走査対象面Sでの光軸からの高さy,横軸は走査対象面S上での実際のスポット位置とyとのズレ量)であり、図6(b)は、像面湾曲図(縦軸は走査対象面Sでの光軸からの高さy,横軸は光軸方向における焦点位置ズレであって、Sは副走査方向,Mは主走査方向のものである)である。
【0055】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、走査光学系全体の倍率を変化させるために追加されるレンズ枚数が最小限,即ち、1枚であるにも拘わらず、この一枚のレンズを移動させることで、走査対象面上での光束同士の間隔を調整することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態である走査光学系の副走査方向における光学構成を示す光学構成図
【図2】 第2シリンドリカルレンズを移動した場合における当該第2シリンドリカルレンズの倍率,線像2の位置,スポット位置の変化を示すグラフ
【図3】 実施例1の光学構成を示す主走査方向における光学構成図
【図4】 実施例1の諸収差図
【図5】 実施例2の光学構成を示す主走査方向における光学構成図
【図6】 実施例2の諸収差図
【符号の説明】
1 走査光学系
10 レーザー光源
11 第1光学系
12 コリメータレンズ
13 第1シリンドリカルレンズ
14 第2シリンドリカルレンズ
15 ポリゴンミラー
20 第2光学系
21 第1レンズ群
22 第2レンズ群
S 走査対象面
Claims (8)
- 光源から発した複数の光束を走査対象面上で主走査方向に走査する走査光学系であって、
夫々光束を発する複数の発光点を有する光源と、
この光源の各発光点から発した光束を、前記主走査方向においては平行光とするとともに、前記主走査方向に直交する副走査方向においては収束させる第1光学系と、
この第1光学系によって前記各光束が前記副走査方向において収束される位置近傍において、これら各光束を同時に前記主走査方向へ動的に偏向する偏向器と、
この偏向器によって同時に偏向された前記各光束を前記主走査方向及び前記主走査方向において前記走査対象面近傍に収束させる第2光学系と
を備え、
前記第1光学系は、副走査方向において前記各光束を一旦収束させる第1レンズ群と、この第1レンズ群によって形成された像を副走査方向においてリレーする1枚のレンズである第2レンズ群とからなり、
前記第1光学系の前記第2レンズ群の副走査方向における倍率がmCL2が条件
−1.2<mCL2<−0.8
を満足する
ことを特徴とする走査光学系。 - 前記第1光学系の前記第1レンズ群は、前記光源の各発光点から発した光束を、前記主走査方向においては平行光とするとともに、前記主走査方向に直交する副走査方向においては収束させることによって線像を形成し、前記第2レンズ群は、副走査方向においてのみ前記線像をリレーする
ことを特徴とする請求項1記載の走査光学系。 - 前記第2光学系は、
偏向器の走査対象面側に配置され、主として前記主走査方向の結像作用を担う第1レンズ群と、
この第1レンズ群と前記走査対象面との間に配置され、主として前記副走査方向の結像作用を担う第2レンズ群と
からなる
ことを特徴とする請求項1又は2の何れかに記載の走査光学系。 - 前記第2光学系全体の副走査方向における倍率がmzが条件
−1.1<mz<−0.3
を満足する
ことを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の走査光学系。 - 前記第1光学系の第2レンズ群は、副走査方向にのみパワーを有する1枚のシリンドリカルレンズからなる
ことを特徴とする請求項2記載の走査光学系。 - 前記光源は、前記複数の発光点が一体化して形成された素子からなる
ことを特徴とする請求項2記載の走査光学系。 - 前記光源の前記複数の発光点の配列方向が前記副走査方向に一致している
ことを特徴とする請求項6記載の走査光学系。 - 前記光源は、前記各発光点から夫々前記光束を発散光として発し、
前記第1光学系の第1レンズ群は、前記各発光点から発した各光束を夫々平行光にするコリメータレンズ,及び、このコリメータレンズによって夫々平行光とされた複数の光束を前記副走査方向にのみ収束させるシリンドリカルレンズからなる
ことを特徴とする請求項6記載の走査光学系。
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