JP2023012296A - 光走査装置及びそれを備える画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

Figure 2023012296000001
【課題】 諸収差の良好な補正と高い光利用効率の確保を両立することができる光走査装置及びそれを備える画像形成装置を提供すること。
【解決手段】 光走査装置100は、複数の発光点を有する光源1と、光源1からの複数の光束を偏向して被走査面7を主走査方向に走査する偏向器10と、光源1からの複数の光束を偏向器10の偏向面10aに導光する第1の光学系20と、偏向器10からの複数の光束を被走査面7に導光する第2の光学系30とを備え、主走査断面において、偏向面10aにおける複数の光束の夫々の幅は偏向面10aの幅よりも小さく、副走査断面における第1の光学系20の光源側のF値は、主走査断面における第1の光学系20の光源側のF値よりも小さい。
【選択図】 図1

Description

本発明は光走査装置に関し、例えば、レーザビームプリンタ(LBP)やデジタル複写機、マルチファンクションプリンタ(多機能プリンタ)等の画像形成装置に好適なものである。
画像形成装置に用いられる光走査装置として、偏向面の幅よりも小さい幅の光束を偏向面に入射させる入射光学系を有するアンダーフィルド型の光走査装置(UFS:Under Filled Scanner)が知られている。アンダーフィルド型の光走査装置には、光学系の設計の自由度が高くかつ製造誤差による光学性能の変化が小さいという利点がある。また、複数の光束(マルチビーム)により共通の被走査面を走査することで、画像形成の高速化や高解像度化を図ったマルチビーム光走査装置が知られている。特許文献1には、アンダーフィルド型の光走査装置においてマルチビーム光源を使用した構成が記載されている。
特開2009-14953号公報
ここで、光走査装置の入射光学系においては、諸収差の良好な補正と高い光利用効率の確保を両立することが求められている。しかしながら、特許文献1にはそれらを両立するための入射光学系の構成について記載されていない。
本発明は、諸収差の良好な補正と高い光利用効率の確保を両立することができる光走査装置及びそれを備える画像形成装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するための、本発明の一側面としての光走査装置は、複数の発光点を有する光源と、該光源からの複数の光束を偏向して被走査面を主走査方向に走査する偏向器と、前記光源からの前記複数の光束を前記偏向器の偏向面に導光する第1の光学系と、前記偏向器からの前記複数の光束を前記被走査面に導光する第2の光学系とを備え、主走査断面において、前記偏向面における前記複数の光束の夫々の幅は前記偏向面の幅よりも小さく、副走査断面における前記第1の光学系の光源側のF値は、主走査断面における前記第1の光学系の光源側のF値よりも小さいことを特徴とする。
本発明によれば、諸収差の良好な補正と高い光利用効率の確保を両立することができる光走査装置及びそれを備える画像形成装置を提供することが可能になる。
本発明の実施例1に係る光走査装置の主走査断面図 実施例1に係る光走査装置の光源周辺の拡大図 実施例1に係る光走査装置の副走査断面図 実施例1に係る光源から出射する光束の強度分布を示す模式図 実施例1に係る光源から出射する光束のFFPを示す図 本発明の実施例2に係る光走査装置の主走査断面図 実施例2に係る光源から出射する光束のFFPを示す図 本発明の実施例3に係る光走査装置の主走査断面図(光路展開図) 実施例3に係る光走査装置の副走査断面図 本発明の実施形態に係る画像形成装置の模式図
以下、本発明の好ましい実施形態について図面を参照しながら説明する。なお、各図面は、便宜的に実際とは異なる縮尺で描かれている場合がある。また、各図面において、同一の部材については同一の参照番号を付し、重複する説明を省略する。
以下の説明において、主走査方向とは、偏向器の回転軸(又は揺動軸)と光学系の光軸とに垂直な方向であり、副走査方向とは、偏向器の回転軸に平行な方向である。また、主走査断面とは、光学系の光軸を含み主走査方向に平行な断面(副走査方向に垂直な断面)であり、副走査断面とは、副走査方向に平行な断面(主走査方向に垂直な断面)である。すなわち、主走査方向及び副走査断面は、光学系毎に異なる場合がある。
[実施例1]
図1は本発明の実施例1に係る光走査装置100の主走査断面(XY断面)を示す要部概略図であり、図2は光走査装置100における光源1の周辺の拡大図である。また、図3は光走査装置100の光軸を含む副走査断面(ZX断面)を示す要部概略図である。図1及び図3では、便宜的に代表する1本の光束の主光線とマージナル光線のみを示している。なお、ここでの主光線とは、後述する絞りの開口の中心を通る光線のことである。また、図1では、光束が被走査面7の有効領域における軸上像高を走査する様子と両側の最軸外像高を走査する様子とを同時に示している。
光走査装置100は、光源1と、光源1からの複数の光束を偏向する偏向器10と、光源1からの複数の光束を偏向器10の偏向面10aに導光する第1の光学系20と、偏向器10からの複数の光束を被走査面7に導光する第2の光学系30とを備えている。第2の光学系30と被走査面7との間には、装置の内部に塵埃などの異物が侵入することを防ぐための透光部材(防塵ガラス)8が配置されている。
光走査装置100は、偏向面10aの幅よりも小さい幅の光束を偏向面10aに入射させるアンダーフィルド型の光走査装置であり、かつ複数の光束により共通の被走査面7を同時に走査するマルチビーム光走査装置である。光走査装置100によれば、画像形成装置に搭載された場合に、被走査面7としての感光面上に複数の走査線を同時に形成することができるため、画像形成の高速化と高解像度化が可能になる。
本実施例に係る光源1は、第1の発光点1a及び第2の発光点1bを有する半導体レーザ(マルチビームレーザ)である。図2に示すように、第1の発光点1a及び第2の発光点1bは主走査方向(y方向)において互いに90μm離間して配置されている。各発光点は互いに独立して変調可能に構成されており、不図示のレーザードライバによって夫々の発光強度や発光タイミングが制御される。光源1は、該光源1の製造時や光走査装置100の組み立て時に生じる発光点同士の間隔の誤差を補正するために、第1の光学系20の光軸に平行な軸を中心として回転可能であることが望ましい。なお、光源1における発光点の数は二つに限られるものではなく、三つ以上であってもよい。光源1として垂直共振器型面発光レーザ(VCSEL)を採用してもよい。
本実施例に係る第1の光学系(入射光学系)20は、光源側(入射側)から順に配置された第1の絞り2、第1の光学素子3、第2の光学素子4、及び第2の絞り5を有している。第1の絞り2は、副走査方向における光束幅を制限するための部材(副走査絞り)であり、開口又はスリットが設けられた遮光部材で構成されている。第1の絞り2を第1の光学素子3よりも光源側に配置することで、第1の光学素子3よりも被走査面側(出射側)に配置する場合と比較して第1の絞り2を第1の光学素子3に近づけることができる。これにより、副走査断面における第2の光学系30の射出瞳の位置を後述する第2の結像素子6bに近づけることができ、被走査面7における光束同士の間隔や光学性能のばらつきを低減することが可能になる。
第1の光学素子3は、光束の収束度を変換するためのレンズ(コリメータレンズ)である。本実施例に係る第1の光学素子3は、光源1から出射した発散光束を主走査断面及び副走査断面において平行光束に変換する集光レンズである。ただし、ここでの平行光束とは、厳密な平行光束だけでなく、弱収束光束や弱発散光束などの略平行光束を含むものである。必要に応じて、第1の光学素子3を、光源1から出射した発散光束をより発散度の強い発散光束に変換するレンズとしたり、収束光束に変換するレンズとしたりしてもよい。
本実施例に係る第2の光学素子4は、副走査断面においてのみ屈折力(パワー)を有するレンズ(シリンドリカルレンズ)である。第2の光学素子4は、第1の光学素子3からの光束を副走査断面においてのみ集光することで、偏向器5の偏向面10aの上又はその近傍に主走査方向に長い線像を形成している。ただし、必要に応じて、第2の光学素子4を主走査断面においてもパワーを有するレンズとしてもよい。その場合、第2の光学素子4を、主走査断面と副走査断面とでパワーが異なるレンズ(アナモフィックレンズ)とすることが望ましい。
本実施例においては、第2の光学素子4を第1の光学素子3よりも被走査面側に配置することで、第1の光学素子3よりも光源側に配置する場合と比較して第1の光学素子3を光源1に近づけることができる。これにより、光走査装置100の製造時において、第1の光学素子3と光源1との相対位置を調整して固定することが容易になる。よって、主走査断面及び副走査断面における光束の収束度(平行度)の誤差を低減することができる。ただし、装置全体の更なる小型化及び低コスト化のために、第1の光学素子3及び第2の光学素子4を一体化して一つの光学素子としてもよい。
また、本実施例に係る第2の光学素子4の被走査面側の光学面(出射面)は、ブレーズ型の回折格子を含む回折面である。第2の光学素子4に回折面を設けることで、温度変化などの環境変動に起因する光源1の発振波長の変化や各光学素子の屈折率の変化などによる焦線の位置ずれを低減させることができる。
ここで、第1の光学系20に対応するローカル座標系としてxyz座標系を定める。xyz座標系において、x軸は第1の光学系20の光軸(各光学面の頂点における法線方向の軸)に平行な軸、z軸は偏向器10の回転軸に平行な軸、y軸はx軸及びz軸に直交する軸である。このとき、第2の光学素子4における回折格子は以下の光路差関数φ(y,z)で表される。ただし、xyz座標系の原点を光学面の頂点とし、回折次数をm,基準波長をλ、主走査断面に関する位相係数をE~E10、副走査断面に関する位相係数をF~F10としている。
Figure 2023012296000002
表1に、本実施例に係る第2の光学素子4の回折面に関する各数値を示す。「E±*」は「×10±*」を示している。
Figure 2023012296000003
第2の絞り5は、主走査方向における光束幅を制限するための部材(主走査絞り)であり、第1の絞り2と同様に開口又はスリットが設けられた遮光部材で構成されている。本実施例においては、第2の絞り5を第1の光学素子3よりも被走査面側に配置することで、第1の光学素子3よりも光源側に配置する場合と比較して第2の絞り5を偏向器10に近づけることができる。これにより、各発光点からの光束の被走査面7における主走査方向での集光位置のずれ(主走査ジッタ)を低減することができる。
なお、必要に応じて、第1の絞り2に主走査方向における光束幅を制限する機能を持たせたり、第2の絞り5に副走査方向における光束幅を制限する機能を持たせたりしてもよい。このとき、第1の絞り2及び第2の絞り5を一体化して一つの絞りとしてもよい。その場合、例えば矩形の開口が設けられた矩形絞りや楕円形状の開口が設けられた楕円絞り等を採用することができる。ただし、上述したように、主走査絞り及び副走査絞りの夫々を適切な位置に配置するためには、本実施例のように第1の絞り2及び第2の絞り5を別体とすることが望ましい。また、各絞りを複数の遮光部材で構成してもよい。例えば、二つの遮光部材を副走査方向に並べて第1の絞り2を構成したり、二つの遮光部材を主走査方向に並べて第2の絞り5を構成したりすることができる。
偏向器10は、不図示の駆動部(モータ等)により図中の矢印Aの方向に一定速度(等角速度)で回転させられ、偏向面10aにて第1の光学系20からの光束を偏向している。これにより、偏向器10は被走査面7における有効領域を主走査方向(矢印Bの方向)に走査することができる。本実施例に係る偏向器10は四つの偏向面10aを有する回転多面鏡(ポリゴンミラー)であるが、偏向面10aの数はこれに限られるものではなく、三つあるいは五つ以上であってもよい。また、偏向器10として、一つ又は二つの偏向面が揺動軸まわりに揺動する揺動ミラー(ガルバノミラー)を採用してもよい。
第2の光学系(結像光学系)30は、偏向器10にて偏向された光束を被走査面7に導光しつつ集光する機能とfθ特性とを有しており、被走査面7の上又はその近傍に光源1の各発光点の像(スポット像)を形成している。このスポット像は、第2の光学系30のfθ特性によって被走査面7の上を等速で移動する。また、第2の光学系30は、偏向面10a又はその近傍と被走査面7又はその近傍とを副走査断面において共役関係にすることで、副走査断面において偏向面10aが傾いた際の被走査面7での走査位置ずれの低減(面倒れ補正)を行っている。
本実施例に係る第2の光学系30は、光源側から順に配置された第1の結像素子(結像レンズ)6a及び第2の結像素子6bを有している。各結像素子は、樹脂材料で構成されたプラスティックレンズである。各結像素子を樹脂材料で構成することで、各結像素子を軽量化できるとともに、各結像素子の加工難易度を下げて設計自由度を向上させることが可能になる。ただし、各結像素子の材料は樹脂材料に限られず、必要に応じて各結像素子をガラス材料で構成することで耐環境性を向上させてもよい。
本実施例に係る各結像素子は、(トーリックレンズ)である。第1の結像素子6aは、主走査断面では光軸上において正のパワーを有しており、副走査断面内では光軸上においてパワーを有していない。また、各結像素子は、主走査断面において非円弧形状である非球面を含んでいる。なお、各結像素子は、温度変化によるピント変動を補償するための回折面を含んでいてもよい。本実施例では第2の光学系30を2枚の結像素子で構成しているが、必要に応じて1枚もしくは3枚以上の結像素子で構成してもよい。
本実施例に係る第1の結像素子6a及び第2の結像素子6bの各光学面(レンズ面)の主走査断面における形状(母線形状)は、以下の式で表される。ここでは、各光学面と光軸との交点を原点とし、光軸方向の軸をX軸、主走査断面においてX軸と直交する軸をY軸、X軸及びY軸に直交する軸をZ軸としている。また、ここでの光学面とは、各結像素子において結像に寄与する有効光束が通過する有効領域のことを指す。
Figure 2023012296000004
Rは光軸上における主走査断面での曲率半径(母線曲率半径)であり、K,B,B,B,B10は主走査断面での非球面係数である。本実施例においては、光軸の両側(Y方向におけるプラス側とマイナス側)で非球面係数B~B10の値を互いに等しくすることで、母線形状を光軸に対して主走査方向に対称な形状としている。ただし、光軸の両側で各非球面係数の値を互いに異ならせることで、母線形状を光軸に対して主走査方向に非対称な形状としてもよい。
また、主走査方向の各位置(各像高)における副走査断面での各光学面の形状(子線形状)は、以下の式で表される。
Figure 2023012296000005
Figure 2023012296000006
r´は位置Yにおける副走査断面での曲率半径(子線曲率半径)、rは光軸上(Y=0)における子線曲率半径、D,D,D,D,D10は子線変化係数である。また、Mjkは副走査断面での非球面係数である。例えば、Mj1はZの1次項であり、副走査断面での光学面の傾き(子線チルト)を示す。本実施例では、第2の結像素子6bの光学面の子線曲率半径を主走査方向において連続的に変化させている。なお、各光学面の子線形状は光軸に対して対称となっているが、必要に応じて非対称にしてもよい。また、本実施例では0、2、4、6、8、10次の係数を用いて、主走査方向において子線チルト量を変化させている。
表2に、本実施例に係る結像素子の各光学面の形状データを示す。なお、表2おける各係数について、添え字lは各光学面の面頂点(光軸)に対して光源1と同じ側(Lower側、-Y側)を示し、添字uは各光学面の面頂点に対して光源1とは反対側(Upper側、+Y側)を示している。添え字u及びlが付いていない係数は、Upper側とLower側とで共通の係数である。
Figure 2023012296000007
表3に、光走査装置100に関する各数値を示す。表3における光学素子4の出射面の曲率半径は、回折格子が設けられるベース面の曲率半径を示しており、回折面であることを示すために「*」を付している。表3における「基準光線の角度」は、第1の光学系20の光軸上に配置された仮想発光点から出射して軸上像高に到達する軸上光束の主光線(基準光線)と、第2の光学系30の光軸との成す角度を示している。なお、本実施例に係る各発光点は第1の光学系20の光軸からずれて配置されているため、各発光点からの軸上光束の主光線と第2の光学系30の光軸との成す角度は「基準光線の角度」とは異なる値となる。また、表3における距離データは各部材同士の光軸上における距離を示している。
Figure 2023012296000008
図4は、本実施例の光源1における一つの発光点から出射する光束の強度分布を示す模式図である。図4では、発光点の位置における光束の分布を示すニアフィールドパターン(NFP:Near Field Pattern)を501としている。一般的な半導体レーザのNFPの大きさは数μmである。また、発光点から数cm離れた位置における光束の分布を示すファーフィールドパターン(FFP:Far Field Pattern)での垂直方向拡がり角(θ⊥)を502、水平方向拡がり角(θ//)を503としている。図4に示すように、光源1においては水平方向拡がり角よりも垂直方向拡がり角502の方が大きい。そして、本実施例に係る光源1は、垂直方向拡がり角の方向が副走査方向に対応し、水平方向拡がり角の方向が主走査方向に対応するように配置されている。
図5は、光源1からの光束の副走査断面及び主走査断面におけるFFPを示す図である。図5において、横軸は光束の放射角度[deg.]を示し、縦軸は規格化された光束の強度を示している。また、副走査断面におけるFFP(FFPs)を破線の曲線で示し、主走査断面におけるFFP(FFPm)を実線の曲線で示している。ここで、垂直方向拡がり角及び水平方向拡がり角は、各々FFPs及びFFPmのピーク強度の1/2(強度0.5)における放射角度の幅に相当する。よって、本実施例では、垂直方向拡がり角502はθ⊥=30°(±15°)、水平方向拡がり角503はθ//=12°(±6°)である。
図5から明らかなように、同じ放射角度の範囲内における光束の強度の積分値は、主走査断面よりも副走査断面の方において大きくなる。すなわち、仮に主走査断面と副走査断面とで第1の光学系20の光源側のF値を等しくした場合、第1の光学系20が取り込める光束の光量は主走査断面よりも副走査断面の方において多くなる。よって、第1の光学系20がより多くの光を取り込むためには、主走査断面における光源側のF値を小さくするよりも副走査断面における光源側のF値を小さくする方が効率的であるということがわかる。
上述したように、光走査装置100は主走査方向において被走査面7を走査する構成であるため、被走査面7における光束の径(スポット径)は主走査方向では画像形成装置の印字性能に影響しない。すなわち、光量が同じであるならば主走査方向のスポット径よりも副走査方向のスポット径を大きくする方が好ましい。そこで本実施例では、副走査断面における第2の光学系30の被走査面側のF値を、主走査断面における第2の光学系30の被走査面側のF値よりも大きくしている。具体的には、副走査断面では第2の光学系30の被走査面側のF値を69とすることでスポット径を85μmとし、主走査断面では第2の光学系30の被走査面側のF値を57とすることでスポット径を75μmとしている。
ここで、第1の光学系20及び第2の光学系30を合わせた全系の横倍率は、第1の光学系20の光源側のF値に対する第2の光学系30の被走査面側のF値の比率である。よって、副走査方向でのスポット径が主走査方向でのスポット径よりも大きい構成において、主走査断面での第1の光学系20の光源側のF値を小さくすると、全系の横倍率が主走査断面よりも副走査断面の方で大きくなりすぎてしまう。この場合、第1の光学素子3や各発光点の位置ずれにより生じる非点収差(アス)が増大し、被走査面7における主走査断面と副走査断面でのピントの変化量に大きな差が生じてしまうため好ましくない。
以上より、第1の光学系20の光利用効率を向上させるためには、主走査断面よりも副走査断面における光源側のF値を小さくすべきであるということを発明者が見出した。そこで本実施例では、副走査断面における第1の光学系20の光源側のF値を、主走査断面における第1の光学系20の光源側のF値よりも小さくしている。言い換えると、副走査断面における第1の光学系20の光源側のF値をFnos、主走査断面における第1の光学系20の光源側のF値をFnomとするとき、本実施例に係る第1の光学系20は以下の条件式(1)を満たしている。
1.0<Fnom/Fnos (1)
条件式(1)を満たすことで、上述したような非点収差の発生を抑制しつつ、第1の光学系20の光利用効率を向上させることができる。本実施例では、主走査断面においては第1の光学素子3の焦点距離を37.0mm、第2の絞り5の開口径を3.31mmとすることで、第1の光学系20の光源側のF値をFnom=11.1としている。また、副走査断面においては第1の絞り2の開口径を2.93mmとすることで、第1の光学系20の光源側のF値をFnos=10.2としている。すなわち、本実施例ではFnom/Fnos=1.09である。
図5において、Fnos=10.2に相当する放射角度を破線の直線で示し、Fnom=11.1に相当する放射角度を破線の直線で示す。図5から明らかなように、Fnomに相当する放射角度の範囲よりもFnosに相当する放射角度の範囲の方が広くなっている。すなわち、拡がり角がより大きい副走査断面における第1の光学系20の光束の取り込み角が大きくなっており、効率的に光利用効率を向上できていることがわかる。
また、以下の条件式(1a)を満たすことが好ましい。条件式(1a)の上限を上回ると、主走査断面において第2の絞り5の開口の端部を通過する光束の光量が低下しすぎてしまうおそれがある。さらに、条件式(1b)を満たすことがより好ましい。
1.0<Fnom/Fnos<2.5 (1a)
1.0<Fnom/Fnos<2.0 (1b)
また、全系の主走査断面における横倍率をβm、全系の副走査断面における横倍率をβsとするとき、以下の条件式(2)を満たすことが望ましい。
0.5<|βs/βm|<2.0 (2)
条件式(2)を満たすことで、主走査断面及び副走査断面における横倍率の差を小さくし、第1の光学素子3や各発光点の位置ずれが生じた際に第1の光学素子3の非点収差が印字性能に与える影響を低減することができる。条件式(2)を満たさない場合、主走査断面に対して副走査断面における横倍率が大きくなりすぎてしまい、上述した非点収差が印字性能に与える影響の増大を抑制することが難しくなるため好ましくない。本実施例では、|βs|=6.76、|βm|=5.13、|βs/βm|=1.32である。
また、以下の条件式(2a)を満たすことが好ましく、条件式(2b)を満たすことがより好ましい。特に、1.0<|βs/βm|すなわち|βm|<|βs|を満たすことにより、条件式(1)を満たすように第1の光学系20の光源側のF値を設定することが容易になる。
0.8<|βs/βm|<1.8 (2a)
1.0<|βs/βm|<1.6 (2b)
光源1が複数の発光点を有する場合、そのうち少なくとも一つは第1の光学系20の光軸からずれて配置されることになる。そのため、光軸からずれて配置された発光点からの光束は、第1の光学素子3の軸外球面収差(ハロ)の影響で、光軸上に配置された仮想発光点からの光束とは異なる発散角に変換される。図2に示したように、本実施例においては第1の発光点1a及び第2の発光点1bを光軸に対して対称に配置しているため、各発光点からの光束の発散角には差が生じていない。しかし、製造誤差などにより少なくとも一方の発光点が設計位置(理想位置)からずれた場合、各発光点からの光束の発散角に差が生じてしまい、被走査面7における各光束の集光位置(ピント位置)がずれてしまう。
そこで、第1の光学素子3の主走査断面における焦点距離をfcol、第1の光学素子3から第2の絞り5までの光軸上における距離をLとするとき、以下の条件式(3)を満たすことが望ましい。
1.0<L/fcol<3.0 (3)
条件式(3)を満たすことにより、第1の光学素子3の軸外球面収差が各光束の集光位置に与える影響を低減することができる。条件式(3)の上限を上回ると、第1の光学素子3から第2の絞り5までの距離が長くなりすぎてしまい、第1の光学系20の光利用効率を高くすることが難しくなるため好ましくない。条件式(3)の下限を下回ると、第1の光学素子3の焦点距離が長くなりすぎてしまい、各光束の集光位置のずれを抑制することが難しくなるため好ましくない。本実施例では、L=74.2mm、fcol=37.0mm、L/fcol=2.0である。さらに、以下の条件式(3a)、(3b)を順に満たすことがより好ましい。
1.2<L/fcol<2.8 (3a)
1.5<L/fcol<2.5 (3b)
また、以下の条件式(4)を満たすように第1の光学素子3を構成することが望ましい。
20mm≦fcol≦80mm (4)
条件式(4)の上限を上回ると、第1の光学素子3の焦点距離が長くなりすぎてしまい、光源1から偏向面10aに至る光路長が長くなりすぎて装置全体が大型化してしまう可能性があるため好ましくない。条件式(4)の下限を下回ると、第1の光学素子3の焦点距離が短くなりすぎてしまい、諸収差の補正が難しくなる可能性があるため好ましくない。さらに、以下の条件式(4a)、(4b)を順に満たすことがより好ましい。
25mm≦fcol≦60mm (4a)
28mm≦fcol≦47mm (4b)
また、第2の光学素子4の副走査断面における焦点距離をfcylとするとき、以下の条件式(5)を満たすように第2の光学素子4を構成することが望ましい。
60mm≦fcyl≦150mm (5)
条件式(5)の上限を上回ると、第2の光学素子4の焦点距離が長くなりすぎて第2の光学素子4の各光学面の製造難易度(要求される面精度)が高くなる可能性があるため好ましくない。条件式(5)の下限を下回ると、第2の絞り20を第2の光学素子4と偏向面10aとの間に配置することが難しくなる可能性があるため好ましくない。さらに、以下の条件式(5a)、(5b)を順に満たすことがより好ましい。
80mm≦fcyl≦140mm (5a)
100mm≦fcyl≦133mm (5b)
本実施例のようにコリメータレンズとしての第1の光学素子3とシリンドリカルレンズとしての第2の光学素子4を別体としている構成においては、各光学素子の焦点距離の関係を適切に設定することが必要になる。一般的に、A3サイズ(297×420mm)の用紙に対応する画像形成装置においては、結像光学系の光軸に対して主走査方向における両側(±Y側)のサイズがそれぞれ80mm~180mm程度である。よって、光走査装置100がA3サイズの用紙に対応する場合、以下の条件式(6)を満たすことが望ましい。
80mm≦fcol+fcyl≦180mm (6)
条件式(6)の上限を上回ると、光走査装置100を画像形成装置に適用した場合に、光源1から偏向面10aに至る光路長が長くなりすぎて装置全体が大型化してしまう可能性があるため好ましくない。条件式(6)の下限を下回ると、第1の光学系20の各部材を互いに干渉することなく配置することが難しくなる可能性があるため好ましくない。なお、本実施例においては第1の光学素子3の焦点距離が主走査断面と副走査断面とで互いに等しいため、条件式(6)においてはfcolをパラメータとしている。一方、第1の光学素子3の焦点距離が主走査断面と副走査断面とで互い異なる場合は、条件式(6)におけるfcolを第1の光学素子3の副走査断面における焦点距離に置き換えればよい。
また、第2の絞り5の主走査断面における開口径をWとするとき、以下の条件式(7)を満たすことが望ましい。
0.5mm<W<9.8mm (7)
条件式(7)の上限を上回ると、条件式(1)を満たすように第1の光学系20の光源側のF値を設定することが難しくなるおそれがあるため好ましくない。条件式(7)の下限を下回ると、第2の絞り5の開口を形成することが難しくなるおそれがあるため好ましくない。さらに、以下の条件式(7a)、(7b)を順に満たすことがより好ましい。
1.0mm<W<6.7mm (7a)
1.5mm<W<5.0mm (7b)
[実施例2]
以下、本発明の実施例2に係る光走査装置200について詳細に説明する。
図6は、光走査装置200の主走査断面を示す要部概略図である。光走査装置200において実施例1に係る光走査装置100と異なる点は、光源1及び第1の光学系20の構成である。それ以外の構成については実施例1と同様であるため説明を省略する。
本実施例に係る第1の光学素子3´は、コリメータレンズ及びシリンドリカルレンズの両方の機能を有するレンズである。具体的には、第1の光学素子3´は主走査断面と副走査断面とでパワーが異なるアナモフィックコリメータレンズである。第1の光学素子3´は、第1の絞り2の開口を通過した発散光束を主走査断面では平行光束に変換し、副走査断面では収束光束に変換している。このように、第1の光学素子3´によれば、主走査断面及び副走査断面の両方において第1の絞り2からの光束の収束度を変換しつつ、主走査方向に長い線像を形成することができる。これにより、本実施例に係る第1の光学系20においては実施例1のように第2の光学素子を設ける必要がなくなり、装置全体の簡素化を実現することができる。
また、第1の光学素子3´の光源側の光学面(入射面)は、実施例1に係る第2の光学素子4の出射面と同様にブレーズ型の回折格子を含む回折面となっている。表4に、本実施例に係る第1の光学素子3´の回折面に関する各数値を示す。
Figure 2023012296000009
表5に、光走査装置200に関する各数値を示す。なお、第1の光学系20以外に関する数値については表3に示したものと同じであるため省略している。
Figure 2023012296000010
本実施例では、主走査断面においては第1の光学素子3の焦点距離を30.0mm、第2の絞り5の開口径を3.28mmとすることで、第1の光学系20の光源側のF値をFnom=9.1としている。また、副走査断面においては第1の絞り2の開口径を3.82mmとすることで、第1の光学系20の光源側のF値をFnos=7.4としている。すなわち、本実施例ではFnom/Fnos=1.23であり、条件式(1)を満たしている。
図7は、実施例1と同様に光源1からの光束の副走査断面及び主走査断面におけるFFPを示す図である。本実施例においても実施例1と同様に、垂直方向拡がり角502はθ⊥=30°(±15°)、水平方向拡がり角503はθ//=12°(±6°)である。図7では、Fnos=7.4に相当する放射角度を破線の直線で示し、Fnom=9.1に相当する放射角度を破線の直線で示している。図7より、本実施例においても、拡がり角がより大きい副走査断面における第1の光学系20の光束の取り込み角が大きくなっており、効率的に光利用効率を向上できていることがわかる。
本実施例においても実施例1と同様に、副走査断面では第2の光学系30の被走査面側のF値を69とすることでスポット径を85μmとし、主走査断面では第2の光学系30の被走査面側のF値を57とすることでスポット径を75μmとしている。なお、上述したように、第2の光学系の被走査面側のF値は主走査断面よりも副走査断面の方が大きくなるように設定することが望ましいが、必要に応じて主走査断面と副走査断面とで等しくしてもよい。
[実施例3]
以下、本発明の実施例3に係る光走査装置300について詳細に説明する。
図8は光走査装置300の主走査断面を示す要部概略図であり、図9は光走査装置300の光軸を含む副走査断面を示す要部概略図である。ただし、図8においては、後述する反射光学素子によって折り曲げられた光路を展開して示している。光走査装置300において実施例2に係る光走査装置200と異なる点は、四つの被走査面7y,7m,7c,7kを共通の偏向器10によって同時に走査可能な点である。
光源1y,1m,1c,1kの夫々は、実施例1,2に係る光源1と同様に二つの発光点を有する半導体レーザである。光源1y,1m及び光源1c,1kの夫々は副走査方向に配列されており、偏向器10の側から見たときに各光源が矩形を成すように配置されている。第1の絞り2y,2m,2c,2kの夫々は、実施例2に係る第1の絞り2と同様の副走査絞りである。第1の光学素子3´y,3´m,3´c,3´kの夫々は、実施例2に係る第1の光学素子3´と同様のアナモフィックレンズである。第2の絞り5y,5m,5c,5kの夫々は、実施例2に係る第2の絞り5と同様の主走査絞りである。
光源1y、第1の絞り2y、第1の光学素子3´y、第2の絞り5yにより第1の光学系20yが構成されている。光源1m、第1の絞り2m、第1の光学素子3´m、第2の絞り5mにより第1の光学系20mが構成されている。光源1c、第1の絞り2c、第1の光学素子3´c、第2の絞り5cにより第1の光学系20cが構成されている。光源1k、第1の絞り2k、第1の光学素子3´k、第2の絞り5kにより第1の光学系20kが構成されている。なお、隣接する第1の光学系同士で光学素子や絞りなどの部材を一体化してもよい。例えば、第2の絞り5y,5mを一体化することで、一つの開口が設けられた単一の絞りとしてもよい。
光源1y,1mから出射した各光束は、第1の絞り2y,2m、第1の光学素子3´y,3´m、及び第2の絞り5y,5mの夫々を介して偏向器10の偏向面10aに入射する。光源1c,1kから出射した各光束は、第1の絞り2c,2kの開口、第1の光学素子3´c,3´k、第2の絞り5c,5kの夫々を介して偏向器10の偏向面10aに入射する。このとき、同時刻において光源1y,1mからの各光束が入射する偏向面10aと光源1c,1kからの各光束が入射する偏向面10aとは互いに異なる。
第1の光学系20y,20mの夫々は、副走査断面において偏向面10aに対して光束を斜入射させるために、夫々の光軸が主走査断面に対して傾斜するように配置されている。これにより、各光束の光路を分離して対応する被走査面7y,7mに導光することができる。本実施例では、各光路における光学性能を等しくするために、第1の光学系20y,20mの夫々の光軸の主走査断面に対する傾斜角の絶対値が互いに等しくかつ符号が互いに異なるように構成している。ただし、各光軸の傾斜角の絶対値及び符号の少なくとも一方が互い異なっていればよく、必要に応じて絶対値を互いに異ならせたり符号を互いに等しくしたりしてもよい。第1の光学系20c,20kについても同様である。
第1の結像素子6a,6cの夫々は、実施例2に係る第1の結像素子6aと同様のアナモフィックレンズである。第2の結像素子6b,6dの夫々は、実施例2に係る第2の結像素子6bと同様のアナモフィックレンズが副走査方向に二つ配列されて一体化された構成の多段レンズである。第2の結像素子6b,6dの夫々の入射面及び出射面は、副走査方向に配列された二つのトーリック面(アナモフィック面)からなる多段トーリック面となっている。第1の結像素子6a及び第2の結像素子6bにより第2の光学系30ckが構成され、第1の結像素子6c及び第2の結像素子6dにより第2の光学系30ymが構成されている。光源1y,1mに対して第2の光学系30ymは共通であり、光源1c,1kに対して第2の光学系30ckは共通である。ただし、必要に応じて光路ごとに個別の光学系(第1及び第2の結像素子)を配置してもよい。
偏向器10の-X側(左側)において、第2の結像素子6dと被走査面7yとの間には反射素子(ミラー)9yが配置され、第2の結像素子6dと被走査面7mとの間には反射素子9ma,9mb,9mcが配置されている。光源1yから出射して偏向面10aにより偏向された光束は、第1の結像素子6c、第2の結像素子6d、反射素子9y、防塵ガラス8yを順に介して被走査面7yに到達する。光源1mから出射して偏向面10aにより偏向された各光束は、第1の結像素子6c、第2の結像素子6d、反射素子9ma,9mb,9mc、防塵ガラス8mを順に介して被走査面7mに到達する。
偏向器10の+X側(右側)において、第2の結像素子6bと被走査面7cとの間には反射素子9ca,9cb,9ccが配置され、第2の結像素子6bと被走査面7kとの間には反射素子9kが配置されている。光源1cから出射して偏向面10aにより偏向された各光束は、第1の結像素子6a、第2の結像素子6b、反射素子9ca,9cb,9cc、防塵ガラス8cを順に介して被走査面7cに到達する。光源1kから出射して偏向面10aにより偏向された各光束は、第1の結像素子6a、第2の結像素子6b、反射素子9k、防塵ガラス8kを順に介して被走査面7kに到達する。
ここで、偏向器10の両側の夫々において、空間的(物理的)に偏向器10から遠い側に配置された被走査面7y,7kに至る光路を「外側光路」とし、空間的に偏向器10に近い側に配置された被走査面7m,7c光路を「内側光路」とする。このとき、外側光路には反射素子が1枚のみ配置され、内側光路には反射素子が3枚配置されている。このように、外側光路と内側光路とで反射素子の枚数を異ならせることで、全ての光路において光路長を合わせつつ、各光学素子と光路との干渉の回避や製造の容易化を実現することができる。ただし、反射素子の枚数はこれに限られるものではなく、各被走査面の間隔や各結像素子の配置等によって適宜決定すればよい。
表6に、実施例1乃至3における各数値をまとめて示す。
Figure 2023012296000011
[画像形成装置]
図10は、本発明の実施形態に係る画像形成装置600の要部概略図(ZX断面図)である。画像形成装置600は、光走査ユニット500により並行して四つの感光ドラム(感光体)の感光面(被走査面)に画像情報を記録する、タンデムタイプのカラー画像形成装置である。
画像形成装置600は、プリンタコントローラ(制御部)530と、光走査ユニット500と、像担持体としての感光ドラム210,220,230,240と、現像器310,320,330,340と、搬送ベルト510と、定着器540とを備えている。光走査ユニット500としては、上述した実施例1又は2に係る光走査装置を四つ備える構成、あるいは上述した実施例3に係る光走査装置を一つ備える構成を採用することができる。このとき、光走査ユニット500は、副走査方向が感光ドラム210~240の夫々の回転方向であるZ方向に一致するように配置される。
図10に示すように、パーソナルコンピュータ等の外部機器520からは、R(レッド)、G(グリーン)、B(ブルー)の各色信号が出力される。各色信号は、プリンタコントローラ530によってY(イエロー)、M(マゼンタ)、C(シアン)、K(ブラック)の各画像信号(画像データ、ドットデータ)に変換され、光走査ユニット500に入力される。なお、プリンタコントローラ530は、前述した信号の変換だけでなく、後述するモータなどの画像形成装置600における各部の制御を行う。
光走査ユニット500は、各画像データに応じて変調された光束410,420,430,440の夫々によって、感光ドラム210~240の各感光面を主走査方向(Y方向)に走査する。感光ドラム210~240の夫々は、不図示のモータによって時計回りに回転させられ、この回転に伴って各感光面が光束410~440に対して副走査方向(Z方向)に移動する。光束410~440の夫々により、不図示の帯電ローラにより帯電させられた各感光面が露光されることで、各感光面上に静電潜像が形成される。
その後、感光ドラム210~240の各感光面上に形成された各色に対応する静電潜像は、現像器310~340の夫々によって各色のトナー像として現像される。そして、各色のトナー像は、不図示の転写器によって、搬送ベルト510により搬送されてきた被転写材に多重転写された後、定着器540によって定着させられる。以上の工程により、1枚のフルカラー画像が形成される。
なお、光走査ユニット500としては、例えば一つの偏向器により二つの被走査面を同時に走査することができる光走査装置を二つ配列した構成を採用してもよい。また、例えばCCDセンサやCMOSセンサ等のラインセンサを備えたカラー画像読取装置を、外部機器520として画像形成装置600に接続することにより、カラーデジタル複写機を構成してもよい。
以上、本発明の好ましい実施形態及び実施例について説明したが、本発明はこれらの実施形態及び実施例に限定されず、その要旨の範囲内で種々の組合せ、変形及び変更が可能である。
1 光源
7 被走査面
10 偏向器
10a 偏向面
20 第1の光学系
30 第2の光学系
100 光走査装置

Claims (19)

  1. 複数の発光点を有する光源と、
    該光源からの複数の光束を偏向して被走査面を主走査方向に走査する偏向器と、
    前記光源からの前記複数の光束を前記偏向器の偏向面に導光する第1の光学系と、
    前記偏向器からの前記複数の光束を前記被走査面に導光する第2の光学系とを備え、
    主走査断面において、前記偏向面における前記複数の光束の夫々の幅は前記偏向面の幅よりも小さく、
    副走査断面における前記第1の光学系の光源側のF値は、主走査断面における前記第1の光学系の光源側のF値よりも小さいことを特徴とする光走査装置。
  2. 前記第1及び第2の光学系を合わせた全系の主走査断面における横倍率をβm、該全系の副走査断面における横倍率をβsとするとき、
    0.5<|βs/βm|<2.0
    なる条件式を満たすことを特徴とする請求項1に記載の光走査装置。
  3. 副走査断面における前記第2の光学系の被走査面側のF値は、主走査断面における前記第2の光学系の被走査面側のF値よりも大きいことを特徴とする請求項1又は2に記載の光走査装置。
  4. 前記第1の光学系は、光束の収束度を変換するための第1の光学素子を有することを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項に記載の光走査装置。
  5. 前記第1の光学素子の主走査断面における焦点距離をfcolとするとき、
    20mm≦fcol≦80mm
    なる条件式を満たすことを特徴とする請求項4に記載の光走査装置。
  6. 前記第1の光学系は、副走査方向における光束幅を制限する第1の絞りを有することを特徴とする請求項4又は5に記載の光走査装置。
  7. 前記第1の絞りは、前記第1の光学素子よりも光源側に配置されていることを特徴とする請求項6に記載の光走査装置。
  8. 前記第1の光学系は、主走査方向における光束幅を制限する第2の絞りを有することを特徴とする請求項4乃至7の何れか一項に記載の光走査装置。
  9. 前記第1の光学素子から前記第2の絞りまでの光軸上における距離をL、前記第1の光学素子の主走査断面における焦点距離をfcolとするとき、
    1.0<L/fcol<3.0
    なる条件式を満たすことを特徴とする請求項8に記載の光走査装置。
  10. 前記第2の絞りの主走査断面における開口径をWとするとき、
    0.5mm<W<9.8mm
    なる条件式を満たすことを特徴とする請求項8又は9に記載の光走査装置。
  11. 前記第2の絞りは、前記第1の光学素子よりも被走査面側に配置されていることを特徴とする請求項8乃至10の何れか一項に記載の光走査装置。
  12. 前記第1の光学系は、主走査方向に長い線像を形成する第2の光学素子を有することを特徴とする請求項4乃至11の何れか一項に記載の光走査装置。
  13. 前記第2の光学素子は、前記第1の光学素子よりも被走査面側に配置されていることを特徴とする請求項12に記載の光走査装置。
  14. 前記第2の光学素子の副走査断面における焦点距離をfcylとするとき、
    60mm≦fcyl≦150mm
    なる条件式を満たすことを特徴とする請求項12又は13に記載の光走査装置。
  15. 前記第1の光学素子の副走査断面における焦点距離をfcol、前記第2の光学素子の副走査断面における焦点距離をfcylとするとき、
    80mm≦fcol+fcyl≦180mm
    なる条件式を満たすことを特徴とする請求項12乃至14の何れか一項に記載の光走査装置。
  16. 副走査断面における前記第1の光学系の光源側のF値をFnos、主走査断面における前記第1の光学系の光源側のF値をFnomとするとき、
    1.0<Fnom/Fnos<2.5
    なる条件式を満たすことを特徴とする請求項1乃至15の何れか一項に記載の光走査装置。
  17. 前記複数の発光点は、主走査方向において互いに離間して配置されていることを特徴とする請求項1乃至16の何れか一項に記載の光走査装置。
  18. 請求項1乃至17の何れか一項に記載の光走査装置と、該光走査装置により前記被走査面に形成される静電潜像をトナー像として現像する現像器と、現像された前記トナー像を被転写材に転写する転写器と、転写された前記トナー像を前記被転写材に定着させる定着器とを備えることを特徴とする画像形成装置。
  19. 請求項1乃至17の何れか一項に記載の光走査装置と、外部機器から出力された信号を画像信号に変換して前記光走査装置に入力する制御部とを備えることを特徴とする画像形成装置。
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