JP4394936B2 - 可視光線反射板 - Google Patents

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本発明は、可視光線反射板に関し、また、照明器具、AV機器、モバイル機器、プラズマディスプレイ、液晶テレビ、等の電気電子機器で、可視光線を発する機能とこれより発せられた可視光線を反射させる板を有している機器に関する。
照明器具、AV機器、電子機器、モバイル機器、液晶テレビ、プラズマディスプレイ等には、可視光線を発することで、周囲を明るくする、光信号を伝える、もしくは光画像を映し出す等の機能を有している。これらの機器では、反射板を設けて、この反射板に光を反射させることで光の輝度を向上させる、光の方向を変える等を行っているものもある。そのため、反射板に光が反射したときに光量低下を避けるために、反射板表面には高い可視光線反射率が要求される。従来、反射板表面の反射率を高める手段として、金属を研磨して鏡面にする、反射率の高い白色系の塗料を塗装するなどが行われていた。また、非特許文献1には、予め白色塗料を塗布した照明器具反射板用プレコート鋼板等も公開されている。
また、特許文献1、特許文献2、特許文献3、特許文献4、特許文献5、特許文献6、特許文献7、特許文献8、非特許文献2等には、樹脂フィルムの中に微細な気泡を混入させることで、可視光線の拡散反射率を向上させた反射シートの技術が公開されている。また、これら反射シートは、非特許文献2にも記載されているように、アルミ板、黄銅板、ステンレス板等の裸の金属、もしくはPETフィルム等の基板に貼り付けて使用することが、一般的である。
特開2002-90515号公報 特開2002-98808号公報 特開2002-98811号公報 特開2002-120330号公報 特開2001-71441号公報 特開2001-121665号公報 特開2001-226501号公報 特開2001-228313号公報 新日本製鐵(株)カタログ「ビューコート」 三井化学(株)カタログ「ホワイトリフレクター」
しかし、上記電気製品を現行以上に明るくしたい、少ない消費電力でも現行と同等の明るさを持たせたい、等の要望が高まっている。反射板を成形加工して使用しなければならない電気製品についても、同様に現行以上に明るくしたい、少ない消費電力でも現行と同等の明るさを持たせたい、等の要望が高まっている。
そこで、本発明は、可視光線の拡散反射率を更に高めた可視光線反射板を提供することを目的とする。
本発明は、開発者らが鋭意検討し、完成させた可視光線の拡散反射率をより高めた可視光線反射板であり、その要旨とするところは、以下の通りである。
(1) 金属板に酸化チタンを含む樹脂塗膜を積層してなる、表面の555nmでの可視光線の拡散反射率が70%以上である白色プレコート金属板上に、表面の555nmでの可視光線の拡散反射率が70%以上である白色ラミネートフィルムもしくは表面の555nmでの可視光線の拡散反射率が70%以上である白色樹脂板を積層し、且つ、前記白色プレコート金属板の白色塗装を施していない面に、樹脂又は樹脂塗膜が積層されてなることを特徴とする可視光線反射板。
(2) 前記(1)に記載の可視光線反射板を組み込んでなる電気電子機器。
本発明により、照明器具や光信号を発する機器の光の明るさをより明るくする技術を提供することが可能となった。本発明により、これら機器の性能が向上するのみならず、従来よりも少ないエネルギー消費量で、従来と同等の性能を確保することも可能となり、省エネ化した機器を提供することも可能となった。従って、本発明は産業上の極めて価値の高い発明であるといえる。
本発明の反射板は、白色プレコート金属板上に白色ラミネートフィルムもしくは白色樹脂板を積層してなることを特徴とする。図1に、本発明の反射板の構成図を示す。
本発明の白色プレコート金属板上に積層する白色ラミネートフィルムもしくは白色樹脂板は、一般に公知のラミネートフィルムや樹脂板、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエステル、ポリプロピレン、塩化ビニル、フッ素、アクリル、ポリエチレン等の各種樹脂でできたラミネートフィルムもしくは樹脂板を用いることができる。これらラミネートフィルムや樹脂板は、一般に公知の白色顔料、例えば、酸化チタン、硫酸バリウム、炭酸カルシウム等で着色したり、微細な気泡を多数混入させたりする等の一般に公知の手法で、白色にすることができる。市販の白色ラミネートフィルムや白色樹脂板を使用しても良い。これらの白色ラミネートフィルムや白色樹脂板の表面は、555nmでの可視光線拡散反射率が70%以上である。拡散反射率が70%未満であると、反射板の反射性が低下する恐れがある。塗膜の拡散反射率は、樹脂中の顔料種、顔料や気泡の濃度、厚さ等を変化させることで調整することができる。
本発明の白色プレコート金属板上に、白色ラミネートフィルムや白色樹脂板を積層する方法は、一般に公知の方法を用いることができる。白色ラミネートフィルムや白色樹脂板は、単に塗膜上に乗せて重ね合わせても良いが、金属板上からずれ落ちたりしないように、貼り付けても良い。一般に公知の方法としては、接着剤や粘着剤を白色金属板表面もしくは白色ラミネートフィルムや白色樹脂板に塗布して貼り付ける方法、ラミネートフィルムや樹脂板を熱融着もしくは熱圧着する方法、クリップ止めやビス止め等の方法、金属板を折り返す等した機械的接合方法等が挙げられる。また、貼り付けるための装置としては、手貼り、ロール圧着、プレス圧着等の一般に公知の装置で貼り付けることができる。白色ラミネートフィルムや白色樹脂板は、白色プレコート金属板を加工した後に、重ね合わせたり貼り付けたりしても良いし、また、加工前に予め白色プレコート金属板に貼り付けた後に、加工を施しても良い。
本発明の反射板に用いる白色プレコート金属板は、一般に公知の金属板上に白色塗装を施したプレコート金属板等と呼ばれる、予め塗装を施した後に成形加工を行えるタイプのものであり、作業効率が向上する。
本発明の白色プレコート金属板に用いる金属板は、一般に公知の金属板を用いることができる。めっきを施した金属板でも良い。例えば、鋼板、アルミ板、チタン板、銅板等が挙げられる。これらの材料の表面には、めっきが施されていてもよい。めっきの種類としては、亜鉛めっき、アルミめっき、銅めっき、ニッケルめっき等が挙げられる。合金めっきであっても良い。鋼板の場合は、冷延鋼板、熱延鋼板、溶融亜鉛めっき鋼板、電気亜鉛めっき鋼板、溶融合金化亜鉛めっき鋼板、アルミめっき鋼板、アルミ-亜鉛合金化めっき鋼板、ステンレス鋼板、等の一般に公知の鋼板及びめっき鋼板を適用できる。プレコート金属板の金属母材が鋼板もしくはめっきした鋼板であると、プレコート金属板の成形加工性が向上するため、より好適である。
これらの金属板には、塗装前処理を施す前に、湯洗、アルカリ脱脂、酸洗等の通常の処理を行うことができ、更には、防錆や塗装密着性付与を目的としたリン酸亜鉛処理、クロメート処理、クロメートフリー化成処理等の一般に公知の化成処理を施すことができる。クロメートフリー処理としては、特開昭53-9238号公報、特開平9-241576号公報、特開平9-828291号公報、特開平10-251509号公報、特開平10-337530号公報、特開2000-17466号公報、特開2000-248385号公報、特開2000-273659号公報、特開2000-282252号公報、特開2000-265282号公報、特開2000-167482号公報、特開2001-89868号公報、特開2001-316845号公報、特開2002-60959号公報、特開2002-266081号公報、特開2002-38280号公報、特開2003-253464号公報等に記載された公知の技術や、日本パーカライジング社製のクロメートフリー処理「CT-E300N」等の市販のものを使用しても良い。
本発明の白色プレコート金属板に施される白色塗装膜は、一般に公知の白色塗装膜、例えば、ポリエステル樹脂系塗料、メラミン樹脂系塗料、アクリル樹脂系塗料、ウレタン系塗料、エポキシ系塗料、フッ素系塗料、塩化ビニル系塗料等を白色に着色したものを使用することができる。市販のものを使用しても良い。これら一般に公知の塗料の中でも、特にプレコート金属板用の加工性に優れた塗料であると、より好適である。プレコート金属板用の塗料としては、ポリエステル系塗料やフッ素系塗料に、硬化剤としてメラミンやイソシアネートを用いたタイプのものが、加工性に優れるためより好適である。これらプレコート金属板用の塗料に用いるポリエステル樹脂やフッ素樹脂の分子量は、数平均分子量で2000〜50000が好適である。数平均分子量が2000未満であると、加工時に塗膜に亀裂や剥離が発生し易く、塗膜の加工性に劣る恐れがあり、50000超では、有機溶剤等に溶解することが困難であり、金属板上に塗布するための塗料にすることが困難となる恐れがある。より好ましくは10000〜30000である。また、これらプレコート金属板用の塗料に用いる樹脂のガラス転位点は、100℃未満が好適である。ガラス転位点が100℃超のものは、塗膜の加工性に劣る恐れがある。より好ましくは0〜50℃である。ガラス転位点が低すぎると、塗膜が軟らかすぎるため、キズやプレッシャーマーク等と呼ばれる塗装欠陥が発生する恐れがある。
本発明の白色塗装膜は、酸化チタンで着色する。酸化チタンは屈折率が非常に高いため、塗膜の可視光線の拡散反射率が向上して、可視光反射性が高くなる。酸化チタンの添加量は、必要に応じて任意に選定することができるが、塗膜の固形分に対して30〜60質量%がより好適である。30質量%未満や60質量%超であると、塗膜の可視光線の拡散反射率が低下する恐れがある。より好ましくは45質量%〜55質量%である。白色塗膜の膜厚も、必要に応じて任意に選定することができるが、乾燥膜厚にして5〜50μmが好適である。5μm未満であると、塗膜の可視光線の拡散反射率が低下する恐れがあり、50μm超では、効果が飽和してしまい不経済である。より好ましくは10〜40μmである。
これらの塗膜は、金属板上に塗装して焼き付け乾燥した後の表面の555nmでの可視光線拡散反射率が70%以上である。拡散反射率が70%未満であると、反射板の反射性が低下する恐れがある。塗膜の拡散反射率は、前述したように塗膜中の顔料種、顔料濃度、塗膜厚を変化させることで調整することができる。また、必要に応じて、白色塗膜の下に防錆や塗装密着性付与を目的としたプライマー塗膜を塗装しても良い。
本発明に用いる白色塗装膜は、一般に公知の塗布方法、例えば、はけ塗り、スプレー塗装、ロールコーター塗装、カーテンフローコーター塗装、ダイコーター塗装、ローラーカーテンコーター塗装、粉体塗装、電着塗装等で塗装することができる。また、塗膜の乾燥焼付方法も、一般に公知の方法、例えば、熱風オーブン焼付、直火型オーブン焼付、誘導加熱炉焼付、遠赤外線炉焼付、UV照射、電子線照射等を使用することができる。これら塗装焼付方法の中でも、塗装装置としてロールコーター塗装、カーテンフローコーター塗装、ダイコーター塗装、ローラーカーテンコーター塗装等を用い、焼付炉として熱風オーブン、直火型オーブン、誘導加熱炉、遠赤外線炉等を用いたコールコーティングラインもしくはシートコーティングライン等で塗装焼付すると、作業効率がより向上するため、より好適である。
本発明の白色プレコート金属板は、塗装後加工が可能な塗装金属板であって、塗装した後に求める形状に加工すると、作業効率が向上し、より好適である。金属板の加工方法は、一般に公知の金属加工方法、例えば、プレス機を用いた折り曲げ加工、絞り加工、張り出し加工、せん断加工、打ち抜き加工、ロールフォーミング加工等を使用することができる。
本発明の白色プレコート金属板は、白色塗装を施していない面に、樹脂又は樹脂塗膜が被覆されており、反射される可視光線がより明るくなる。この理由の詳細は不明であるが、樹脂塗膜表面は、金属表面と比べて赤外線放射率もしくは赤外線吸収率が高いため、照明器具や光信号を発する機器から発生される熱(赤外線)が樹脂塗膜に吸収さて、可視光の発光体内においてこれを補おうとする作用が働き、可視光の光量も増加して明るくなるものと考える。更に、機器内から発せられた熱が熱吸収性皮膜に吸収されて機器内の温度が低下するため、機器内に設けられた制御基板等の電子回路が効率良く作動して、発光に費やされる電流損失が少なくなることによる光量増加も、明るさ向上の原因の一つと考える。
これら白色塗装を施していない面に被覆する樹脂塗膜は、一般に公知の樹脂、例えば、ポリエステル樹脂、メラミン樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、フッ素樹脂、塩化ビニル樹脂等を使用することができる。市販のものを使用しても良い。これら一般に公知の樹脂や樹脂塗膜の中でも、特にプレコート金属板用の加工性に優れた樹脂塗膜であると、より好適である。プレコート金属板用の塗膜としては、ポリエステル樹脂やフッ素系樹脂に、硬化剤としてメラミンやイソシアネートを用いたタイプのものが加工性に優れるため、より好適である。
これらプレコート金属板用の塗膜に用いるポリエステル樹脂やフッ素樹脂の分子量は、数平均分子量で2000〜50000が好適である。数平均分子量が2000未満であると、加工時に塗膜に亀裂や剥離が発生し易く、塗膜の加工性に劣る恐れがあり、50000超では、有機溶剤等に溶解することが困難であり、金属板上に塗布するための塗料にすることが困難となる恐れがある。より好ましくは10000〜30000である。また、これらプレコート金属板用の塗料に用いる樹脂のガラス転位点は、100℃未満が好適である。ガラス転位点が100℃超のものは、塗膜の加工性に劣る恐れがある。より好ましくは0〜50℃である。ガラス転位点が低すぎると、塗膜が軟らかすぎるため、キズやプレッシャーマーク等と呼ばれる塗装欠陥が発生する恐れがある。また、膜厚は、特に規定するものではなく、必要に応じて調整することができるが、1〜50μmが好適である。1μm未満では、熱吸収性が劣る恐れがあり、50μm超では効果が飽和してしまい不経済である。
白色塗装を施していない面に被覆する樹脂塗膜中には、赤外線放射吸収性の高い顔料等の物質を添加しても良い。赤外線放射吸収性の高い物質としては、カーボンブラック、炭、グラファイト、アニリンブラック、ポリメチレン染料、トリスアゾ染料アミン塩、シアニン染料又はその金属錯体、アントラキノン系、フタロシアニン系、酸化鉄、フェロシリコン等の一般に公知のものが挙げられる。白色塗装を施していない面に被覆する樹脂塗膜の塗装方法は、白色塗装の塗装方法と同じ方法で塗装し、焼付け乾燥することができる。
また、本発明の反射板を組み込んだ電気電子機器は、照明や光信号の明かりがより明るくなり、かつ、機器内に設けられた制御基板等の電子回路が効率良くかつ安定して作動することができる。なお、この電気電子機器として、照明器具、AV機器、モバイル機器、プラズマディスプレイ、液晶テレビ等を例示することができる。
以下、実験に用いた塗料について、詳細を説明する。
塗料-1
市販の有機溶剤可溶型/非晶性ポリエステル樹脂(以下、ポリエステル樹脂と称す)である東洋紡績社製「バイロンTM GK140」(数平均分子量:13000、Tg:20℃)を有機溶剤(ソルベッソ150とシクロヘキサノンとを質量比で1:1に混合したもの)に溶解した。
次に、有機溶剤に溶解したポリエステル樹脂に、ポリエステル樹脂の固形分100質量部に対して、市販のヘキサ-メトキシ-メチル化メラミンである三井サイテック社製の「サイメルTM 303」を15質量部添加し、更に、市販の酸性触媒である三井サイテック社製の「キャタリスト6003B」を0.5質量部添加し、攪拌することで、メラミン硬化型ポリエステル系のクリヤー塗料を得た。
さらに、作製したクリヤー塗料に、石原産業社製酸化チタン「タイペークCR95」を50質量%添加して、攪拌することで、塗料-1を得た。
塗料-2
塗料-1と同様の方法でクリヤー塗料を作製し、これに石原産業社製酸化チタン「タイペークCR95」を35質量%添加して、攪拌することで、塗料-2を得た。
塗料-3
塗料-1と同様の方法でクリヤー塗料を作製し、これに石原産業社製酸化チタン「タイペークCR95」を65質量%添加して、攪拌することで、塗料-3を得た。
塗料-4
日本ファインコーティング社製のプレコート鋼板用白色塗料である「FL100HQ」を用いた。
塗料-5
日本ファインコーティング社製のプレコート鋼板用塗料である「FL100HQ」のグレー色を用いた。
塗料-6
日本ファインコーティング社製のポリエステル系プライマー用塗料であるFLC641のクリヤー塗料に、樹脂固形分100質量部に対して、GRACE社製クロメートフリー防錆顔料「シールデクスC303」を10質量部、石原産業社製酸化チタン「タイペークTMCR95」を40質量部添加し、攪拌することで、プライマー塗料を得た。
以下、実験に用いた反射板の作製方法について、詳細を説明する。
厚み0.6mmの金属板を、市販のアルカリ脱脂剤である日本パーカライジング社製の「FC4336」を2質量%濃度に希釈した60℃の水溶液中にて、アルカリ脱脂し、水洗後、乾燥した。次いで、脱脂した金属板上に、ロールコーターにて化成処理液を塗布し、到達板温が60℃となるような条件で熱風乾燥させた。
なお、本実験では、以下の金属板を用いた。
EG:市販の電気亜鉛めっき鋼板(亜鉛付着量:片面20g/m2、材質:SECE(JIS G 3313))
Al:アルミ板:市販のアルミ板(材質:1100(JIS H 4000))
次に、市販のクロメートフリー化成処理である日本パーカライジング社製の「CT-E300」を金属板の両面にロールコーターにて処理し、到達板温60℃の条件で乾燥した。なお、付着量は、全皮膜固形分量として150mg/m2とした。
さらに、化成処理を施した金属板上の片面に、プライマー塗料である塗料-6を乾燥膜厚にして10μm、他方の面(以降、裏面と称す)に塗料-5を乾燥膜厚にして5μm、それぞれ塗装した。ロールコーターにて塗装し、熱風を併用した誘導加熱炉にて、乾燥硬化させた。乾燥硬化条件は、到達板温(PMT)で210℃とした。さらに、プライマー塗料を塗装した面上に、塗料-1〜4をロールコーターにて塗装し、熱風を併用した誘導加熱炉にて、乾燥硬化させた。乾燥硬化条件は、到達板温(PMT)で230℃とした。
次に、酸化チタンを30質量%添加したポリエステルテレフタレートのラミネートフィルム(以降、高白色PETと称す)と、酸化チタンを15質量%添加したポリエステルテレフタレートのラミネートフィルムを(以降、低白色PETと称す)を、作製したプレコート金属板に熱圧着により貼り付けた。なお、貼り付けたラミネートフィルムの厚さは、何れも50μmのものを用いた。
また、比較材として、プレコート金属板にラミネートフィルムを貼り付けなかったもの、及び、塗装を施していないアルミ板に直接高白色PETフィルムを貼り付けたものも作製した。
作製した反射板の詳細を表1に示す。
Figure 0004394936
以下、作製した反射板の評価試験について詳細を説明する。
1) プレコート金属板白色面とラミネートフィルムの可視光線拡散反射率測定
島津製作所社製の分光光度計「UV265」に、積分球反射付属装置を取り付けたものを用いて、作製したプレコート金属板の白色面と、貼り付ける前のラミネートフィルム単体の555nmでの可視光線の拡散反射率を、それぞれ測定した。測定結果を表1に示す。
2) 照明器具の照度測定
図2に、実験装置の概要を記載する。木製の箱の中に、市販の蛍光灯照明器具を取り付け、蛍光灯から30cm離れた箇所に市販の照度計のセンサーを設置し、照度を測定した。なお、本実験では、16形ランプ出力16Wの蛍光灯を用いた。
また、蛍光灯照明器具については、付属している反射板(以下、既存の反射板と称す)を取り外して、作製した各種反射板を用いて、既存の反射板と同じ形状の反射板を作製し、既存の反射板を取り付けたときと、これら作製した反射板を取り付けた時の照度を測定して、次のように評価した。
照度変化率が110%以上の場合:○、
照度変化率が103%以上110%未満の場合:△
照度変化率が103%未満の場合:×
なお、照度変化率は、以下のように定義した。
照度変化率(%) = ([作製した可視光線反射板での照度]/[既存の反射板での照度])×100
3) 反射板の折り曲げ試験
作製した反射板のラミネートフィルム貼り付け面が外側となるように、90°曲げを20℃雰囲気中で行い、加工部のラミネートフィルムの損傷状態及び剥離状態を目視で観察し、下記の基準で加工性を評価した。なお、本試験での曲げ部の曲率半径は、試験片の内側で0mm(一般に0mmR曲げと呼ばれる)となるように、加工した。
外観に損傷が全く無い場合:○
フィルムや塗膜が部分的に損傷もしく剥離している場合:△
フィルムや塗膜が激しく損傷もしくは剥離している場合:×
4) 表面処理金属板の耐食性試験
作製した反射板のラミネート塗膜面に、素地金属まで達するカット傷を入れて、JIS K 5400.9.1記載の方法で塩水噴霧試験を実施した。塩水は、試験片のクロスカットを入れた面に噴霧した。試験時間は72時間とした。そして、表面側のカット部からの塗膜膨れ幅を測定し、カット部膨れ幅が片側3mm以下の場合を○、カット部膨れ幅が片側3mm超の場合を×、とする基準で耐食性の評価をした。
Figure 0004394936
以下、評価結果の詳細について述べる。
照度変化率、加工性、耐食性の各評価試験結果を表2に示す。
本発明の反射板(本発明例1〜6、9)を用いた照明器具は、従来の白色塗装金属板(比較例、No.10)や、白色ラミネートフィルムを貼り付けた金属板(比較例、No.11)を反射板とした照明器具より、照明の照度が高くなり、好適である。また、白色プレコート金属板の白色塗装面と反対の面(裏面)に樹脂塗膜を被覆したものは、これを被覆していないものより、照明の照度が高くなり、より好適である(本発明例No.1と参考例No.7との比較、もしくは、本発明例No.6と参考例No.8との比較)。
さらに、白色塗装の下にプライマー塗膜を設けたものは、これを設けていないものと比べて、反射板の耐食性に優れるため、より好適である(本発明例No.1とNo.6との比較)。また、本発明の反射板は、白色塗装を塗装後に、もしくは、白色ラミネートフィルムまでを貼り付けた後に、加工を施しても、加工部で塗膜やラミネートフィルムが損傷したり、剥離したりすることが無い。
従って、本発明は、市販のプレコート金属板を用いて、これを加工後に白色ラミネートフィルムを重ね合わせたり、貼り付けたりしてから、もしくは、プレコート金属板に白色ラミネートフィルムを貼り付けた後に加工を施してから、反射板を作製し、電気電子機器に組み込むことができるため、電気電子機器製造メーカーにおいて、金属板上への塗装工程を省略することができ、また、電気電子機器の組立作業効率を落とさずに製品の性能を高めることができるため、より好適である。
本発明の可視光線反射板の模式図 照度測定のための装置概略図

Claims (2)

  1. 金属板に酸化チタンを含む樹脂塗膜を積層してなる、表面の555nmでの可視光線の拡散反射率が70%以上である白色プレコート金属板上に、表面の555nmでの可視光線の拡散反射率が70%以上である白色ラミネートフィルムもしくは表面の555nmでの可視光線の拡散反射率が70%以上である白色樹脂板を積層し、且つ、前記白色プレコート金属板の白色塗装を施していない面に、樹脂又は樹脂塗膜が積層されてなることを特徴とする可視光線反射板。
  2. 請求項1に記載の可視光線反射板を組み込んでなる電気電子機器。
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