JP4394716B2 - Nmr計測用プローブ - Google Patents

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Description

本発明は、核磁気共鳴装置(以下、NMR装置と表記する)用プローブに係り、特に、均一磁場中に置かれた試料に対して所定の共鳴周波数で高周波信号を送信、および/もしくは自由誘導減衰信号(FID信号)を受信するために用いるプローブアンテナの回路構成および実装構造に特徴を有するNMR計測用プローブに関する。
核磁気共鳴(NMR)分光計測は、物質の原子レベルの情報を得ることができ、化合物の構造を知るために優れた計測手法である。計測の基本原理は、均一な静磁場中に置かれた試料に高周波磁場を照射し、励起された原子核スピンからの応答信号を受信、解析する。NMR装置は、化合物の構造を原子レベルで解析でき、かつ固体試料から溶液試料まで測定できるため、現在、低分子化合物の構造解析をはじめタンパク質の構造や機能解析にも用いられている。
NMR装置を用いた分析においては、複数の核種からの信号を同時に計測する場合がある。そのような計測に用いられるプローブには、同時に複数の核種に対応した周波数の信号を送受信できる機能が必要となる。例えば、タンパク質計測用のNMRプローブには一般的に、H、D、C、Nの4核種を同時計測できるアンテナおよびアンテナ回路が搭載される。このような多核計測用プローブでは、一般に一つのアンテナを複数の周波数で共振(多重共振)させて使用する。すなわち、アンテナの共振特性を各核種の共鳴周波数に同調し、かつ、それぞれの共振周波数でのインピーダンスを特定の値(一般的には50Ω)に整合する。多核計測を可能とする2重共振回路の構成の例は、特許文献1(特開2003―302452号)や、特許文献2(特開2005―140651号)に示されている。
NMR計測感度はアンテナ回路のQ値に依存する。Q値はアンテナ回路内における抵抗損失の大小に依存するファクタであり、抵抗損失が小さいほどQ値が高く、より高い検出感度が得られる。特許文献1や特許文献2に示されている従来のアンテナ回路は、図1に示す回路を基本として構成されている。この回路構成の場合には、整合用コンデンサ44、46のキャパシタンスが大きく、回路内の抵抗損失が増大する問題がある。一般的なプローブアンテナの材料と形状を想定すると、そのキャパシタンス値は数十〜百pFとなる。アンテナ回路に通常用いるチップコンデンサの場合、部品の特性としてキャパシタンスが大きくなると誘電損失に起因した抵抗43、47が増大する。よって、このようなキャパシタンスの大きい部品を使用すると、アンテナ回路全体の抵抗損失の増大にともなうQ値の低下により、検出効率が低下する。
この問題はアンテナコイルの抵抗を低減させる場合により顕著に現れる。アンテナ回路のQ値向上のためには、アンテナコイルを冷却して抵抗を低減するか、もしくは、超電導体など低抵抗な材料の適用が有効である。しかし、アンテナコイルの抵抗が低減すると、インピーダンスを整合するために、整合用コンデンサ44の値をさらに大きくする必要がある。そのため、アンテナコイルが本来高いQ値(低い抵抗損失)を持っている場合でも、コンデンサの損失を低減できないため回路全体のQ値を充分に向上できない課題があった。
この課題を解決できるために発明されたアンテナ回路構成を図2Aに示す(特許文献3:特願2006―304000号)。この回路では、アンテナコイル50のほぼ中点から信号線を引出し、アンテナコイル50の両端に容量値可変のトリマコンデンサ40、41が接続される。抵抗52はアンテナコイルの寄生抵抗、抵抗42、43はトリマコンデンサの誘電損失に起因した抵抗損失を表す。図2Aの等価回路図をより理解しやすいように書き直したのが図2Bである。アンテナコイル50の中点から信号線を引出しているため、信号線の接続点からみるとアンテナコイル50のインダクタンスが2つのインダクタ50−1、50−2に分割される構成となる。ここでは簡単のため、インダクタンス50−1、50−2間の相互インダクタンスは無視して説明する。抵抗52−1、52−2は、それぞれインダクタ50−1、50−2の寄生抵抗である。よって、このアンテナ回路は信号線の接続点からみて、インダクタ50−1、トリマコンデンサ40、抵抗52−1、42からなる直列共振回路90と、インダクタ50−2、トリマコンデンサ41、抵抗52−2、43からなる直列共振回路91とが並列に接続された共振回路となる。
図2Cに本アンテナ回路における共振特性を示す。図2Cからわかるように、この回路は、直列共振回路90の共振周波数Fと、直列共振回路91の共振周波数Fがあり、FとFの間の周波数に直列共振回路90および直列共振回路91によって構成される並列共振回路の共振周波数Fが現れる共振特性を示す。さらに、共振周波数Fの並列共振ピークはFとFの値によってそのインピーダンスを変化させることができる。FとFの周波数間隔が広がる程、並列共振ピークのインピーダンスは増大し、逆にFとFの周波数間隔が狭まる程、並列共振ピークのインピーダンスは低下する。したがって、トリマコンデンサ40、41の容量値を調整して直列共振周波数F、Fを制御するだけで、並列共振周波数Fを所望の周波数に同調し、かつインピーダンスを特定の値、例えば50Ωに整合した共振特性を得ることができる。そのため、アンテナコイルの抵抗が極めて低い場合でも、同調整合用のトリマコンデンサ40、41の値を大幅に増大させることなく共振特性を同調整合できる。すなわち、コンデンサの損失42、43を抑制できるため、アンテナコイルが本来有する高いQ値を低下させないプローブアンテナを実現できる。
図2Aに示したアンテナ回路を基本構成とする2重共振回路を図3に示す。アンテナコイル50のほぼ中点から信号線60を引出し、アンテナコイル50の端部にトリマコンデンサ40、41が接続される。さらに、アンテナコイル50の端部にはインダクタ92−1とキャパシタ93−1からなるトラップ回路56−1と、トリマコンデンサ94が直列に接続される。トラップ回路56−1とトリマコンデンサ94と同じ構成は、もう一方のアンテナコイル端部にも形成される。
この2重共振回路の2つの共振周波数をF、Fとする(ただしF>F)。トリマコンデンサ40、41は、共振周波数Fの共振ピークを同調整合するために用いる。一方、トリマコンデンサ94、95は共振周波数Fの共振ピークを同調整合するために用いる。トラップ回路56−1は、共振周波数Fの高周波信号を遮断するための要素回路であり、周波数Fにおいてインダクタ92−1とキャパシタ93−1が並列共振し、極めて高いインピーダンスを示す。トラップ回路56−2も同様の動作を示す。
周波数Fにおいては、トラップ回路56−1、56−2があるために、破線で囲った要素回路97−1、97−2は無視でき、実質的にアンテナコイル50、トリマコンデンサ40、41だけで構成した回路となる。そのため、トリマコンデンサ94、95の容量値を変化させた場合でも、共振周波数Fにおける共振特性は影響を受けない。
一方、周波数Fにおいては、トラップ56−1、56−2はインダクタとしてふるまう。そのインダクタンス成分と、アンテナコイル50、トリマコンデンサ40、41、94、95で回路が構成される。よって、本アンテナ回路では、はじめにトリマコンデンサ40、41の容量値を調整して周波数Fの共振特性を50Ω整合し、その後トリマコンデンサ94、95の容量値を調整して周波数Fの共振特性を50Ω整合する。以上の手順により共振周波数F、Fの2つの共振特性を同調整合できる。
特開2003―302452号公報 特開2005―140651号公報 特願2006―304000号
NMR計測における信号検出感度は計測の原理上、核種の共鳴周波数に依存する。低い共鳴周波数を有する核種の計測感度は、高い共鳴周波数の核種に比べて潜在的に低い。2重共振回路を構成する場合、単独共振の回路にさらに回路素子が付加される。付加された素子の抵抗損失はアンテナ回路全体の損失を増大(Q値を低下)させるため、低い共鳴周波数を有する核種の計測感度は、より低下する。
図3に示す回路構成の場合、図2Aに示す基本回路に加え、2重共振回路の構成に必要なインダクタ素子92−1、92−2が付加されるため、上述した理由で検出効率が低下する課題があった。
本発明の目的は、多核計測用NMRプローブに用いる多重共振アンテナ回路について、アンテナコイルが本来有する高いQ値を低下させることなく複数の周波数で共振特性の同調整合を実現し、かつ、低い共鳴周波数を有する核種に対しても高い送受信効率を有する回路構成および実装方法を提供することである。
目的のアンテナ回路を実現するために、本発明では、以下の構成を用いる。
2つの核種からの信号検出を行う2重共振アンテナ回路において、アンテナコイルにおけるターン部の両端からのびる第1の引出し線と第4の引出し線の先端に第1のコンデンサ(C1)と第4のコンデンサ(C4)を接続し、アンテナコイル両端部から内側にある所定の箇所から第2の引出し線と第3の引出し線がのび、その先端に第2のコンデンサ(C2)と第3のコンデンサ(C3)を接続する。C1、C2、C3、C4の他方の電極はグラウンドに設地する。さらに、第1の引出し線と第2の引出し線の間とを第5のコンデンサ(C5)を介して接続し、同様に、第3の引出し線と第4の引出し線の間とを第6のコンデンサ(C6)を介して接続する。さらに、アンテナコイル上において第2の引出し線と第3の引出し線の接続点の間に第5の引出し線が接続され、第5の引出し線の先端は高周波信号を送受信するための信号線の芯線に接続される。信号線はプローブの後方で二つに分岐され、一方は周波数Fの帯域を通過させるフィルタを介して周波数F送受信系に接続され、一方は周波数Fの帯域を通過させるフィルタを介して周波数F送受信系に接続される。C1、C2、C3、C4には容量値可変のトリマコンデンサを用いるが、容量値の調整が不要の場合、C1、C4のいずれか、およびC2とC3のいずれかは容量値固定のコンデンサを適用できる。また、C5とC6も容量値可変のトリマコンデンサを用いるが、容量値の調整が不要の場合は容量値固定のコンデンサを適用できることは言うまでもない。
以降、アンテナコイルにおいて、第1の引出し線と第2の引出し線の間にある領域をアンテナコイル要素1(L1)とする。また、第2の引出し線と第3の引出し線の間にある領域をアンテナコイル要素2(L2)とする。また、第3の引出し線と第4の引出し線の間にある領域をアンテナコイル要素3(L3)とする。
二つの共振周波数F、Fのうち、高い方の共振周波数をF、低い方の周波数をFとする。周波数Fでは、L1とC5からなる要素回路、およびL3とC6からなる要素回路は高インピーダンスとなるため、実質的に見えなくなる。その結果、共鳴周波数Fを有する核種の信号は、L1、L3の間に挟まれたアンテナコイル要素2(L2)と、第2および第3の引出し線と、C2およびC3とで構成されるアンテナ回路で検出する。
周波数Fでは、L1、L3はインダクタとして機能するため、共鳴周波数Fを有する核種の信号は、アンテナコイル全体と、それに付随する全ての引出し線およびコンデンサで構成されるアンテナ回路で検出する。
本発明のアンテナ回路では、2重共振を実現するために必要なインダクタ素子を、アンテナコイル要素1(L1)、アンテナコイル要素3(L3)として用いている。すなわち、図3に示した従来の回路のように、電気回路の構成素子でしかなかったトラップ回路のインダクタを周波数Fでの信号検出に寄与させることにより、周波数Fにおける信号検出効率を向上させることが大きな特徴である。同様の観点で低い周波数の核種の信号検出効率を向上させる構成は特許文献2にも示されているが、回路の構成において本発明とは大きく異なる。
また、本アンテナの構成を基本として、より多数の周波数で共振させる回路(3重共振回路、4重共振回路など)を実現することも可能である。その場合、アンテナコイル要素1(L1)と、第1の引出し線と、第1のコンデンサ(C1)と、第5のコンデンサ(C5)からなる要素回路と同じ構成の要素回路を、アンテナコイルの両側に追加していけばよい。
本発明により、多重共振回路構成のためのインダクタ素子をアンテナコイルとしても兼用できるため、低い共鳴周波数の核種に対して高周波信号の送受信効率を向上できる。さらに、極低温に冷却した常伝導金属や超電導体など、抵抗損失が極めて小さいアンテナコイルを用いたプローブにおいても、アンテナコイルが本来有する高いQ値を低下させない多重共振アンテナ回路を実現することが可能となる。
以下に、本発明の実施例を、図面を用いて詳細に説明する。
本発明による2重共振アンテナ回路の等価回路図を図4Aに示す。アンテナコイル50のほぼ中点から信号線が引き出され、アンテナコイルの両端部および、その内側から4本の引出し線がのびる。アンテナコイル50を3つの領域に分けて説明する。A点からB点の間の領域をアンテナコイル要素1(L1)とする。B点からC点の間の領域をアンテナコイル要素2(L2)とする。C点からD点の間の領域をアンテナコイル要素3(L3)とする。図4Aの等価回路をより理解しやすいように書き直したのが図4Bの等価回路である。この図からわかるように、電気回路としては図3に示した従来の2重共振アンテナ回路と等価となる。以下、本回路の動作を図4Bに基づいて詳細に説明する。
本アンテナ回路は二つの周波数F、Fで共振する。高い方の共振周波数をF、低い方の共振周波数をFとする。まず、周波数Fでの動作を説明する。図5Aは、周波数Fにおける回路の状態を模式的に示した図である。要素回路56−1は、図4Bに示したL1とC5からなる回路であり、要素回路56−2は、L3とC6からなる回路である。周波数Fにおいて、C5はL1と並列共振するようにキャパシタンス値が設定されている。同様に、C6はL3と周波数Fで並列共振するようにキャパシタンス値が設定されている。したがって、周波数Fにおいて、要素回路51−1、51−2のインピーダンスは極めて高くなる。その結果、L2からみてB点、C点から先の回路は高インピーダンスのため見えなくなり、この回路はL2とC2とC3のみで構成される回路と等価となる。つまり、周波数F近傍の共振特性はC1、C4の値に干渉されないため、二つのトリマコンデンサC2、C3のみの調整で共振特性を同調整合できる。
次に、低い方の共振周波数Fにおける動作について説明する。図5Bは、周波数Fにおける回路の状態を示した図である。周波数Fにおいては、図5Aに示したL1とC5からなるトラップ回路56−1は、図5Bに示すようにインダクタL1'として働く。同じく、L3とC6からなるトラップ回路56−2は、インダクタL3'として働く。L1’とC1の直列回路、およびL3’とC4の直列回路は、合成されて全体としてはキャパシタとして働く。すなわち、アンテナコイル要素2(L2)の端部に4つのキャパシタが接続される構成となる。C2やC3と並列にキャパシタが接続される形になるため、L2とC2とC3からなる回路の共振周波数Fよりも、より低い周波数Fで共振することとなる。周波数F近傍の共振特性は、C1、C4だけでなく、C2、C3のキャパシタンス値にも影響をうける。一方、上述したように、周波数F近傍の共振特性は、C1、C4の影響は受けない。したがって、本2重共振回路において、F、Fで共振特性を同調整合するための手順としては、まず、周波数Fでの共振特性をC2、C3を調整して同調整合する。続いて、C2とC3の値は固定したまま、C1とC4の値を調整して周波数Fでの共振特性を同調整合する。以上の方法により、二つの核種の共鳴周波数F、Fにおいて、アンテナ回路のインピーダンスを所定の値(一般的には50Ω)に整合することが可能となる。
図4A、4Bに示すように信号線60後方にある分岐点の先にはフィルタ1、フィルタ2が設置されている。フィルタ1は周波数Fのバンドパスフィルタであり、フィルタ2は周波数Fのバンドパスフィルタである。アンテナで受信した周波数F、Fの高周波信号は信号線60を伝達し後方の分岐点で分配されるが、これらフィルタにより一方の分岐先には周波数Fの信号のみ、もう一方の分岐先には周波数Fの信号のみが伝達される。この構成により、フィルタ後段にある信号検出器に異なる周波数の漏れ信号が混入するのを防ぐ。
なお、図5Bに示すように、周波数Fにおいて要素回路51−1、51−2はインダクタとして機能する。また、図4Aに示すように、本発明では、要素回路内のL1、L3の一部をアンテナコイルとして試料の周囲に配置しているため、共鳴周波数Fの核種に対して高周波信号の送受信に寄与させることができる。その結果、従来は2重共振回路を構成するための要素素子でしかなかったインダクタL1、L3でも信号を検出できるため、共鳴周波数Fの核種に対する信号検出感度を向上できる。
以下に、本発明の実施例を示す。
<実施例1>
図6Aは、本発明の対象であるNMR装置の主要構成部の概略と配置を示す斜視図である。2つに分割された超電導マグネット10−1、10−2により、一点鎖線で示す中心線に沿って均一磁場(静磁場)を発生させる。これを矢印Bで示す。試料管30は内部に試料31を収納して、静磁場に対して垂直な方向(図中x軸方向)から挿入される。試料31からの信号を検出するソレノイド型のプローブアンテナ25を実装したプローブ20は、静磁場と同じ方向から挿入されている。プローブ20は、プローブアンテナ25と、それらを収納するプローブ筐体23により構成される。また、計測器35は信号線60を介してプローブアンテナ25に高周波信号を送信し、試料31からの高周波信号を受信・解析し、測定結果を表示器36に表示する。また、図示していないが、プローブアンテナ25の外側には、試料空間において傾斜磁場を生成するための傾斜磁場コイルが配置される。
図6Bは、本発明の対象であるNMR装置の主要構成部をより詳細に示した模式図である。超電導マグネット10は、液体ヘリウムが充填されたクライオスタット80内に設置され、その外側に静磁場の補正を行うための超電導シムコイル81が設置される。マグネットのクライオスタット内には十字型のボア83が設けられ、内側に常温シムコイル82が設けられる。また、ボア83の垂直方向からは試料管回転機構84が設置され、その内側に試料菅30を保持したスピナー85が挿入される。試料管回転機構84は、スピナー85にガスを噴きつけ試料管30を回転させる。また、ボアの下側からは温調ガスを流して試料の温度を調整するための試料温調機構86が設置される。
図7は、実施例1のソレノイド型プローブアンテナの構成を模式的に示した図である。本実施例では、8ターンのソレノイド型アンテナコイルを用いた。アンテナコイルの材質としては、Cu線を用いた。アンテナコイル50のほぼ中点からのびる第5の引出し線75に信号線60が接続される。アンテナコイル50のターン部両端からのびる第1の引出し線71と、第4の引出し線74の先に容量値可変のトリマコンデンサC1、C4が接続される。さらに、アンテナコイル50のターン部にあるB点、C点からのびる第2の引出し線72と、第3の引出し線の先端に容量値可変のトリマコンデンサC2、C3が接続される。各トリマコンデンサ(C1、C2、C3、C4)の他方の電極はグラウンドに接地する。第1の引出し線と第2の引出し線の間はコンデンサC5を介して接続され、第3の引出し線と第4の引出し線の間にコンデンサC6を介して接続される。
信号線60後方にある分岐点の先にはフィルタ1、フィルタ2が設置されている。フィルタ1は周波数Fのバンドパスフィルタであり、フィルタ2は周波数Fのバンドパスフィルタである。アンテナで受信した周波数F、Fの高周波信号は信号線60を伝達し後方の分岐点で分配されるが、これらフィルタにより一方の分岐先には周波数Fの信号のみ、もう一方の分岐先には周波数Fの信号のみが伝達される。この構成により、フィルタ後段にある信号検出器に異なる周波数の漏れ信号が混入するのを防ぐ。
以上の回路構成を、H核とD核の計測用アンテナ回路として適用し、共振特性を評価した結果を図8に示す。図8は、信号線60からアンテナ側を見た入力インピーダンスの反射特性(S11)である。各共鳴周波数(H核:F=300MHz、D核:F=46MHz)において、S11反射のディップが確認され二つの周波数で50Ω整合がとれていることがわかる。よって、1つのアンテナコイルを用いた2重共振回路の正常動作が確認された。
本実施例では、アンテナコイル50のA点とB点の間の領域(アンテナコイル要素L1)のうち、およそ半分のインダクタンスに対応する分を試料の周囲に配置し、残りの領域Lt−1を第1の引出し線71上に残した。同じように、アンテナコイル50のC点とD点の間の領域(アンテナコイル要素L3)のうち、およそ半分のインダクタンスに対応する分を試料の周囲に配置し、残りの領域Lt−2を第4の引出し線74上に残した。この構成でNMR信号を計測した結果、D核の信号検出感度を約1.5倍に向上できた。
<実施例2>
実施例2は、実施例1と同じく、ソレノイド型プローブアンテナを備えた多核計測用プローブを提案するものである。実施例2のプローブアンテナの構成を図9に示す。本実施例では、9ターンのソレノイド型アンテナコイルを用いた。アンテナコイルの材質としては、Cu線を用いた。アンテナコイル50のB点、C点に挟まれたアンテナコイル要素L2を2ターンと3ターンに分割する位置に第5の引出し線75を接続し、その先端を信号線60の芯線に接続する。その他の、引出し線の構成、トリマコンデンサの配置などは、実施例1と同様である。
以上の回路構成を、H核とD核の計測用アンテナ回路として適用し、共振特性を評価した結果、各計測核種の共鳴周波数(H核:F=300MHz、D核:F=46MHz)においてインピーダンスの50Ω整合を確認できた。
本実施例では、アンテナコイル50のA点とB点の間の領域(アンテナコイル要素L1)のうち、およそ半分のインダクタンスに対応する分を試料の周囲に配置し、残りの領域Lt−1を第1の引出し線71上に残した。同じように、アンテナコイル50のC点とD点の間の領域(アンテナコイル要素L3)のうち、およそ半分のインダクタンスに対応する分を試料の周囲に配置し、残りの領域Lt−2を第4の引出し線74上に残した。この構成でNMR信号を計測した結果、D核の信号検出感度を約1.5倍に向上できた。
<実施例3>
実施例3は、サドル型のプローブアンテナコイルを適用した構成を提案するものである。サドル型プローブアンテナコイルは、円筒型マグネットを用いて垂直方向の静磁場(B)を発生させるNMR装置に適用できる。図10Aに、垂直方向の静磁場を発生させるNMR装置の構成を示す。円筒型の超電導マグネット10により、一点鎖線で示した中心線に沿って均一磁場を発生させる。プローブ20および内部に試料31を収納した試料管30は、静磁場と同じ方向(図中z軸方向)から挿入される。プローブ20は、プローブアンテナ25と、プローブ先端ステージ26と、それらを収容するプローブ筐体23により構成される。また、計測器35は信号線60を介してプローブアンテナ25に高周波信号を送信し、試料31からの高周波信号を受信・解析し、測定結果を表示器36に表示する。また、図示していないが、プローブアンテナ25の外側には、試料空間において傾斜磁場を生成するための傾斜磁場コイルが配置される。
図10Bは、本発明の対象であるNMR装置の主要構成部をより詳細に示した模式図である。超電導マグネット10は、液体ヘリウムが充填されたクライオスタット80内に設置され、その外側に静磁場の補正を行うための超電導シムコイル81が設置される。マグネットのクライオスタットの中央にはボア83が設けられ、内側に常温シムコイル82が設けられる。また、ボア83内にはガスによって試料菅を回転させ、かつ温調ガスで試料温度を制御するための、試料管回転・試料温調機構87が設置される。試料管回転・試料温調機構87の内側にスピナー85に保持されて試料菅30が挿入される。
図11は、実施例3のサドル型アンテナを実装する形態を模式的に示した斜視図である。アンテナコイルは2ターン×2のサドルコイル形状である。アンテナコイルの材質としては、Cu線を用いた。実施例1、実施例2で示したソレノイド型アンテナコイルと同様に、試料菅30を取り囲むターン部から5本の引出し線がのび、その先端が、トリマコンデンサC1、C2、C3、C4および、信号線60の芯線に接続される。本実施例は、アンテナの形状が異なるのみで、等価回路とその動作は、実施例1、実施例2で示したアンテナ回路と同様である。二つの共振周波数のうち、高い方の周波数Fにおいては、B点とC点の間のアンテナコイル要素L2と、C2、C3からなる回路として働く。また、低い方の周波数Fにおいては、A点とB点の間のアンテナコイル要素L1と、C点とD点の間のアンテナコイル要素L3も試料からの信号を検出するアンテナコイルとして働く。
以上の回路構成を、H核とD核の計測用アンテナ回路として適用し、共振特性を評価した結果、各計測核種の共鳴周波数(H核:F=300MHz、D核:F=46MHz)においてインピーダンスの50Ω整合を確認できた。
本実施例では、アンテナコイル50のA点とB点の間の領域(アンテナコイル要素L1)のうち、およそ半分のインダクタンスに対応する分を試料の周囲に配置し、残りの領域Lt−1を第1の引出し線71上に残した。同じように、アンテナコイル50のC点とD点の間の領域(アンテナコイル要素L3)のうち、およそ半分のインダクタンスに対応する分を試料の周囲に配置し、残りの領域Lt−2を第4の引出し線74上に残した。この構成でNMR信号を計測した結果、D核の信号検出感度を約1.5倍に向上できた。
<実施例4>
実施例4は、アンテナコイル50に用いる材料の磁化を制御することにより、試料近傍の磁場均一度を向上し、より高い計測感度が得られるプローブを提案するものである。図12に、実施例4で用いるアンテナコイル用の金属線の断面構造を模式的に示す。この線は、常磁性金属54と反磁性金属55の二種類の金属からなる複合金属線である。常磁性金属54と反磁性金属55を複合することにより両者の磁化を相殺し、線材全体の磁化を小さくできる。本実施例では、常磁性金属54としてAlを、反磁性金属55としてCuを用いた。常磁性金属(Al)54と反磁性金属(Cu)55の磁化を相殺するため、両者金属の低温での磁化率を考慮し、常磁性金属(Al)54の直径は0.38mm、複合金属線全体の直径は1mmとした。
本実施例のアンテナコイル用線材は、実施例1、2、3に具体的構成を示したソレノイド型プローブアンテナを備えたNMR装置、サドル型プローブアンテナを備えたNMR装置に適用可能である。アンテナコイル50の線材構造が異なるのみで、アンテナ回路の構成と実装方法は実施例1、2、3に示したものと同様である。実施例4のプローブでは、アンテナコイル全体の磁化を低減できるため、試料近傍の磁場均一度を向上できる。その結果、単一の金属(Cu)を用いた実施例1、2、3のプローブに比べて、より計測感度を向上できる。
実施例4では、アンテナコイル線材の常磁性金属54の材料として、Al以外の金属(Ta、Pt、Ti、Nb、Rhなど)を用いた場合にも、同様の構成が可能であることは明らかである。また、アンテナコイル線材の反磁性金属55の材料として、Cu以外の金属(Ag、Auなど)を用いた場合にも、同様の構成が可能であることは明らかである。また、実施例4では常磁性金属54と反磁性金属55がそれぞれ1層ずつ複合された2層構造の線材を示したが、常磁性金属54と反磁性金属55をより多層に複合した線材(4層構造、5層構造など)も構成可能であることは言うまでもない。
<実施例5>
実施例5は、アンテナコイル50を低温に冷却し、アンテナのQ値を高めることにより、より高い計測感度が得られるプローブを提案するものである。図13は、実施例5におけるNMR装置の主要構成部の概略と配置を示す斜視図である。基本的な構成は図6に示した実施例1、2のNMR装置と同様であるが、プローブアンテナ25を冷却するために、Heガスを冷却する冷凍機29があり、プローブ20の内部には冷熱源となる冷凍機先端部の熱交換器22と、冷凍機29で冷却されたHeガスを循環させ熱交換器を冷却する冷却ガスライン37が設置される。熱交換器22によりプローブ先端ステージ26が冷却され、そこからの伝熱でプローブアンテナ25が冷却される。
図14は、本実施例のプローブアンテナ25の実装形態を模式的に示した斜視図である。2つの支持板27−1、27−2の間に円筒ボビン61が固定され、その周りにアンテナコイル50が配置される。支持板27−1、27−2と円筒ボビン61はサファイア(Al)で作製する。アンテナコイルの材質としては、Cu線を用いた。プローブ先端ステージ26は、図示していないが冷熱源となる冷凍機先端部の熱交換器と熱的に接続され、極低温に冷却される。さらに、プローブ先端ステージ26と支持板27−1、27−2と円筒ボビン61も互いに熱的に接続されている。よって、アンテナコイル50は円筒ボビン61、支持板27−1、27−2を介した伝熱で極低温に冷却される。支持板27−1、27−2、および円筒ボビン61を除き、基本的な構成は実施例1と同様である。
実施例1と同様に、図14の構成をH核とD核の計測用アンテナとして適用し、共振特性を評価した結果、各計測核種の共鳴周波数(H核:F=300MHz、D核:F=46MHz)においてインピーダンスの50Ω整合を確認できた。また、アンテナコイル50の冷却により、周波数F、FにおけるQ値を、室温動作のプローブに比べ約4倍に向上できた。
本実施例では、アンテナコイル50のA点とB点の間の領域(アンテナコイル要素L1)のうち、およそ半分のインダクタンスに対応する分を試料の周囲に配置し、残りの領域Lt−1を第1の引出し線71上に残した。同じように、アンテナコイル50のC点とD点の間の領域(アンテナコイル要素L3)のうち、およそ半分のインダクタンスに対応する分を試料の周囲に配置し、残りの領域Lt−2を第4の引出し線74上に残した。この構成でNMR信号を計測した結果、D核の信号検出感度を、従来のアンテナ回路を搭載した室温動作のプローブに比べ約3倍に向上できた。
実施例5では、アンテナコイル線材の材料としてCuを用いたが、Cu以外の反磁性金属(Ag、Auなど)もしくは常磁性金属(Al、Ta、Pt、Ti、Nb、Rhなど)を用いた場合にも、同様の構成が可能であることは明らかである。また、支持板27−1、27−2や円筒ボビン61にはサファイアを用いたが、代わりに窒化アルミ(AlN)を用いた場合でも、同様の結果が得られることは明らかである。
<実施例6>
実施例6は、アンテナコイルの材料に超電導体を適用し、さらに高い検出感度を得るためのプローブを提案するものである。図15に、実施例6で用いるアンテナコイル用線材の断面構造を模式的に示す。線材は母材となる金属線65と超電導層98からなる二層構造を有する。金属線65の材料はCuであり、それをソレノイド型のアンテナコイルに成型した後、表面に厚さ1μmの超電導二硼化マグネシウム(MgB)薄膜を蒸着法により形成した。
図15に示す線材を用いて構成するプローブアンテナの実装形態、およびアンテナの回路構成は、実施例5と同様である。超電導体を被覆した線材で構成されるアンテナコイル50は、伝熱により低温に冷却される。本実施例のプローブアンテナは、信号検出時に高周波電流が集中して流れるアンテナコイル線材の表面に低抵抗の超電導薄膜を配置するため、低温に冷却された常伝導体のアンテナコイルと比べより抵抗損失を低減できる。その結果、従来の常伝導金属を用いたアンテナと比べ、Q値を2〜4倍に向上できた。この構成のプローブアンテナをNMR装置に用いることにより、計測感度の大幅な向上が実現できる。
実施例6では、アンテナコイル線材の超電導層98にMgB薄膜を用いた。同様の構成において、超電導材料に、Nb合金(NbSnなど)もしくは、YBCOなどの酸化物高温超電導体を用いた場合でも同様の結果が得られることは明らかである。また、アンテナコイル線材の金属線65の材料として、Cu以外の反磁性金属(Ag、Auなど)もしくは常磁性金属(Al、Ta、Pt、Ti、Nb、Rhなど)を用いた場合にも、同様の構成が可能であることは明らかである。また、実施例6では、支持板27−1、27−2や円筒ボビン61にはサファイアを用いたが、代わりに窒化アルミ(AlN)を用いた場合でも、同様の結果が得られることは明らかである。
<実施例7>
実施例7は、実施例1と同じく、ソレノイド型プローブアンテナを備えた多核計測用プローブを提案するものである。図16に、実施例7のプローブアンテナを実装する形態を模式的に示す。基本的な構成は実施例1と同様であるが、周波数Fの信号検出に関与するインダクタの配置についてのみ実施例1とは異なる。本実施例では、実施例1とは異なり、アンテナコイル50のA点とB点の間の領域(アンテナコイル要素L1)のうち、ほぼ全てのインダクタンスに対応する分を試料の周囲に配置した。同じように、アンテナコイル50のC点とD点の間の領域(アンテナコイル要素L3)のうち、ほぼ全てのインダクタンスに対応する分を試料の周囲に配置した。この構成でNMR信号を計測した結果、D核の信号検出感度を約1.8倍に向上できた。
<実施例8>
実施例8は、1つのアンテナコイルを用いて異なる3つの共振周波数の高周波信号を送信、受信できる多重共鳴プローブアンテナを提案するものである。実施例8は、H、D、C核に対応する多重共鳴プローブアンテナとして使用できる回路構成である。アンテナの実装形態を模式的に図17に示す。基本的な構成は実施例1と同様であるが、実施例8のアンテナ回路ではアンテナコイル50のターン数をさらに増やし、さらに多数の引出し線とトリマコンデンサを配置することにより、3つの共振周波数において50Ω整合した共振ピークを得ることができる。
フィルタ1、フィルタ2、フィルタ3はそれぞれ、300MHz、46MHz、75MHzのバンドパスフィルタであり、これらフィルタにより実施例1と同様、後段の信号検出器に異なる周波数の漏れ信号が混入するのを防ぐ。信号線60からアンテナ側を見た入力インピーダンスの周波数依存性を評価した結果、300MHz、46MHz、75MHzにおいて、インピーダンスを50Ωに整合した共振ピークが得られた。
本実施例では、アンテナコイル50のA点とB点の間の領域(アンテナコイル要素L1)のうち、およそ半分のインダクタンスに対応する分を試料の周囲に配置し、残りの領域Lt−1を第1の引出し線71上に残した。同じように、アンテナコイル50のC点とD点の間の領域(アンテナコイル要素L3)のうち、およそ半分のインダクタンスに対応する分を試料の周囲に配置し、残りの領域Lt−2を第4の引出し線74上に残した。同じように、アンテナコイル50のE点とF点の間の領域(アンテナコイル要素L4)のうち、およそ半分のインダクタンスに対応する分を試料の周囲に配置し、残りの領域Lt−3を第6の引出し線76上に残した。同じように、アンテナコイル50のG点とH点の間の領域(アンテナコイル要素L5)のうち、およそ半分のインダクタンスに対応する分を試料の周囲に配置し、残りの領域Lt−4を第7の引出し線77上に残した。本実施例の構成を適用したプローブでNMR信号を計測した結果、D核、C核の信号検出感度を約1.5倍に向上できた。
<実施例9>
実施例9は、比誘電率の大きい試料の計測に適した2重共振アンテナ回路を提案するものである。実施例1(図7)で示したように、本発明では、A点からB点の領域にあるアンテナコイル要素L1とC5が第1の核種の共鳴周波数Fで並列共振するようにパラメータが設定される。また、C点からD点の領域にあるアンテナコイル要素L3とC6についても同様である。しかし、比誘電率が高い試料31がアンテナコイル50内に挿入されると、アンテナコイル50に寄生容量が付加される。その結果、L1とL3の実効的なインダクタンスが変わるため、L1とC5からなるトラップ回路56−1の並列共振周波数およびL3とC6からなるトラップ回路56−2の並列共振周波数がFから外れる。実施例9では、試料挿入によりFから外れた並列共振周波数をFに再調整するための構成を有する。
図18に、実施例9のアンテナ回路の実装の形態を模式的に示した図である。基本的な回路構成は実施例1と同じであるが、実施例9では、第5のコンデンサC5に調整用のトリマコンデンサCa−1を並列に接続する。同様に、第6のコンデンサC6に調整用のトリマコンデンサCa−2を並列に接続する。Ca−1とCa−2は、プローブ先端ステージ26上に設置される絶縁体の台座62−1、62−2の上に設置される。そのため、アースであるプローブ先端ステージ26とは電気的に浮いた状態となる。その状態でCa−1の両端部の電極をそれぞれ、C5の両端部の電極に接続する。同様に、Ca−2の両端部の電極をそれぞれ、C6の両端部の電極に接続する。図示はしていないが、プローブの後方から先端ステージ26に延びるトリマコンデンサ調整用のシャフトによって、Ca−1とCa−2のキャパシタンスを変化させる。
試料31をアンテナコイル50に挿入した後、C1とCa−1を動かしながら周波数F近傍の共振ピークを観察するとCa−1の値によって、共振ピークがC1の値に依存して変化するかどうかを確認できる。F近傍の共振ピークがC1の値に影響されない状態が、L1とC5の並列共振周波数がちょうどFとなったときであるため、Ca−1のキャパシタンス値の調整をその状態で固定する。続いて、Ca−2についても同様に、C4とCa−2を動かしながらF近傍の共振ピークを観察し、共振ピークがC4に影響されない状態となるよう、Ca−2の調整を行う。以上の事前調整により、周波数F1の共振ピークがC1とC4に干渉されない状態にでき、C2とC3の調整によるFの共振ピークの50Ω整合と、C1とC4の調整によるFの共振ピークの50Ω整合を実現できる。
以上の回路構成を、H核とD核の計測用アンテナ回路として適用し、共振特性を評価した結果、各計測核種の共鳴周波数(H核:F=300MHz、D核:F=46MHz)においてインピーダンスの50Ω整合を確認できた。
本実施例では、アンテナコイル50のA点とB点の間の領域(アンテナコイル要素L1)のうち、およそ半分のインダクタンスに対応する分を試料の周囲に配置し、残りの領域Lt−1を第1の引出し線71上に残した。同じように、アンテナコイル50のC点とD点の間の領域(アンテナコイル要素L3)のうち、およそ半分のインダクタンスに対応する分を試料の周囲に配置し、残りの領域Lt−2を第4の引出し線74上に残した。この構成でNMR信号を計測した結果、D核の信号検出感度を約1.5倍に向上できた。
従来のプローブアンテナにおける等価回路の例を示す図である。 従来のプローブアンテナの等価回路の例を示す図である。 図2Aをより理解しやすいように書き直した等価回路図である。 図2Aの回路インピーダンスの周波数依存性を示した図である。 従来のプローブアンテナにおける2重共振回路の等価回路の例を示す図である。 本発明の2重共振アンテナ回路の等価回路を示す図である。 図4Aをより理解しやすいように書き直した等価回路図である。 本発明の2重共振アンテナ回路について、共振周波数Fにおける回路の状態を模式的に示す図である。 本発明の2重共振アンテナ回路について、共振周波数Fにおける回路の状態を模式的に示す図である。 水平方向に均一磁場を発生させるNMR装置の主要構成部の概略と配置を示す斜視図である。 図6Aに示すNMR装置の主要構成部をより詳細に示した模式図である。 実施例1の2重共振アンテナ回路の実装の形態を模式的に示す図である。 実施例1の2重共振アンテナ回路のS11反射特性を示す図である。 実施例2の2重共振アンテナ回路の実装の形態を模式的に示す図である。 垂直方向に均一磁場を発生させるNMR装置の主要構成部の概略と配置を示す斜視図である。 図10Aに示すNMR装置の主要構成部をより詳細に示した模式図である。 実施例3の2重共振アンテナ回路の実装の形態を模式的に示す図である。 実施例4のアンテナコイル用線材の断面構造を模式的に示す図である。 実施例5の、低温に冷却するプローブを備えたNMR装置の主要構成部の概略と配置を示す斜視図である。 実施例5の2重共振アンテナ回路の実装の形態を模式的に示す図である。 実施例6のアンテナコイル用線材の断面構造を模式的に示す図である。 実施例7の2重共振アンテナ回路の実装の形態を模式的に示す図である。 実施例8の3重共振アンテナ回路の実装の形態を模式的に示す図である。 実施例9の2重共振アンテナ回路の実装の形態を模式的に示す図である。
符号の説明
10,10−1,10−2…超電導マグネット、11…均一磁場、20…プローブ、22…熱交換器、23…プローブ筐体、25…プローブアンテナ、26…プローブ先端ステージ、27−1,27−2…支持板、29…冷凍機、30…試料管、31…試料、35…計測器、36…表示器、37…冷却ガスライン、40,41…トリマコンデンサ、42,43,47…コンデンサの寄生抵抗、44,45,46…コンデンサ、50…アンテナコイル、51…アンテナコイルの寄生抵抗、52−1,52−2…アンテナコイルの抵抗、54…常磁性金属、55…反磁性金属、56−1,56−2…トラップ回路、60…信号線、61…円筒ボビン、62−1,62−2…絶縁体台座、65…金属線、71…第1の引出し線、72…第2の引出し線、73…第3の引出し線、74…第4の引出し線、75…第5の引出し線、76…第6の引出し線、77…第7の引出し線、80…クライオスタット、81…超電導シムコイル、82…室温シムコイル、83…ボア、84…試料管回転機構、85…スピナー、86…試料温調機構、87…試料管回転・試料温調機構、90,91…直列共振回路、92−1,92−2…トラップのインダクタ、93−1,93−2…トラップのキャパシタ、94,95…トリマコンデンサ、97−1,97−2…要素回路、98…超電導層、L1…アンテナコイル要素1、L2…アンテナコイル要素2、L3…アンテナコイル要素3、Lt−1,Lt−2,Lt−3,Lt−4…トラップのインダクタ、C1…第1のコンデンサ(F同調整合用)、C2…第2のコンデンサ(F同調整合用)、C3…第3のコンデンサ(F同調整合用)、C4…第4のコンデンサ(F同調整合用)、C5…第5のコンデンサ、C6…第6のコンデンサ、C7…第7のコンデンサ(F同調整合用)、C8…第8のコンデンサ(F同調整合用)、C9…第9のコンデンサ、C10…第10のコンデンサ、Ca−1,Ca−2…調整用トリマコンデンサ。

Claims (7)

  1. 均一磁場中に置かれた試料に向けて所定の共鳴周波数で高周波信号を送信するとともに、送信された前記高周波信号に応答して前記試料から放出される自由誘導減衰(FID)信号を受信する核磁気共鳴(NMR)計測用アンテナコイルと、
    前記計測用アンテナコイルへ前記高周波信号および前記自由誘導減衰信号を伝送する信号線と、
    前記計測用アンテナコイルを保持するステージと、
    前記ステージを保持するプローブ筐体とを備え、
    前記計測用アンテナコイルは、前記試料が収納された試料管を取り囲むように、一端部から他端部に架けて配設された導電線よりなるターン部と、前記ターン部の両端部より引き出された引出し線部とを有し、
    前記ターン部の一端部より引き出された第1の引出し線の先端に第1のコンデンサ(C1)が接続され、
    前記ターン部の両端部の間に設けられたターン部より引き出された第2の引出し線の先端に第2のコンデンサ(C2)が接続され、
    前記ターン部の両端部の間に設けられ、前記第2の引出し線の引出し位置と異なるターン部より引き出された第3の引出し線の先端に第3のコンデンサ(C3)が接続され、
    前記ターン部の他端部より引き出された第4の引出し線の先端に第4のコンデンサ(C4)が接続され、
    前記第1、第2、第3、および第4のコンデンサの他端は、いずれもグラウンドに接地され、
    前記第1の引出し線と第2の引出し線は、第5のコンデンサ(C5)を介して互いに接続され、
    前記第3の引出し線と第4の引出し線は、第6のコンデンサ(C6)を介して互いに接続され、
    前記第2の引出し線の前記ターン部上の引出し部と前記第3の引出し線の前記ターン部上の引出し部との間に接続された第5の引出し線が、前記信号線に接続されていることを特徴とするNMR計測用プローブ。
  2. 前記第5の引出し線が引き出される前記ターン部上の接続点は、前記第2の引出し線が引き出される前記ターン部上の接続点から、前記第3の引出し線が引き出される前記ターン部上の接続点までの前記ターン部上の長さの30%から70%の範囲内に設けられることを特徴とする請求項1記載のNMR計測用プローブ。
  3. 前記ターン部の形状は、ソレノイド型、もしくはサドル型であることを特徴とする請求項1記載のNMR計測用プローブ。
  4. 前記ターン部の一端と前記第5のコンデンサの間、前記ターン部の他端と前記第6のコンデンサの間のいずれか一方、もしくは両方にインダクタが挿入されていることを特徴とする請求項1記載のNMR計測用プローブ。
  5. 前記第5のコンデンサ(C5)および第6のコンデンサ(C6)に並列して設けられた可変コンデンサを有することを特徴とする請求項1記載のNMR計測用プローブ。
  6. 前記アンテナコイルの材質は、常磁性を有する金属材料と、反磁性を有する金属材料が、組み合わされて構成されていることを特徴とする請求項1記載のNMR計測用プローブ。
  7. 前記アンテナコイルの材質は、金属材料の表面に、Nb系超電導体、銅酸化物系超電導体、又は二硼化マグネシウム(MgB)のいずれかで形成された導電体であることを特徴とする請求項1記載のNMR計測用プローブ。
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