JP4394588B2 - ローラ式輸液ポンプ - Google Patents

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Description

本発明は、液体化学薬品、液体食品、スラリー、細菌液、研磨剤液、ガソリン、オイル、血液、体液等の液体をチューブを通して供給するローラ式輸液ポンプに関し、特に、高精度な正逆輸液あるいは輸液の停止保持を可能とし、かつ、メンテナンスの容易なローラ式輸液ポンプに関する。
従来より、モータを一定の速度で作動させることで流量を任意設定可能な輸液ポンプとして、ローラ式輸液ポンプ(チューブポンプ)、ロータリーポンプ、ベリスタポンプ、ダイアフラムポンプ、マグネットポンプ、カスケードポンプ、バイデルポンプなどの各種ポンプが汎用されている。
なかでも、ローラ式輸液ポンプは構造が比較的簡単であって小型化できること、輸送の対象となる液体を外部環境と接触させることなく輸液チューブ内を輸液できるため衛生上の観点から好ましいことなどの理由から、特に、医療分野や食品分野において多用されている。
ここで、ローラ式輸液ポンプの一般的な構造を簡単に説明すると、回動自在なロータの両端部に軸着された回転ローラと、前記回転ローラの外側にあるステータとの間に圧潰可能で且つ復旧可能な弾性を有する輸液チューブの中間部を位置させ、輸液時には、前記ロータを輸液方向へ回転させることにより回転ローラとステータとで輸液チューブを圧迫しつつ回転ローラを回転移動させ、輸液チューブ内において回転ローラ間に挟んだ一定量の薬液等の液体を微少流量づつ間歇吐出させることで輸液する構造とされている。
特開平5−42204号公報
このような構造を有するローラ式輸液ポンプは、輸液チューブの圧潰量制御や回転ロータの回転制御を正確に行なうことができなければ、輸液対象の液体を正確に定量ずつ供給することができないことは云うまでもない。
また、前述のように、医療分野や食品分野において多用されるローラ式輸液ポンプにおいては、特に、回転ロータ、回転ローラ、ステータを含むハウジング等の各部材は、万が一の輸液チューブからの液漏れ等に対しても耐薬品性、防汚性の優れたものであることが望ましい。
そこで、本発明は、輸液対象の液体の定量供給を確実に行うことができ、さらには構成部材は耐薬品性、防汚性、洗浄性に優れ、簡単に分解・組立可能であって、メンテナンスも簡便なローラ式輸液ポンプを提供することを目的とするものである。
前述した目的を達成するため、本発明のローラ式輸液ポンプは、復元弾性力を有し、圧潰可能とされた輸液チューブと、ポンプハウジングに配設されたステータと、前記ポンプハウジングの表面に形成されたロータ収容部に配設されたロータと、前記ロータ収容部の底壁に形成された軸受開口部内に嵌挿され、前記ロータの回転軸の少なくとも一部とされたシャフトを有し、正逆回転可能とされたステッピングモータと、前記回転軸から等距離の円周上に等間隔に、回転自在で、かつ、前記ロータの回転に応じて各々が前記ステータとの間で輸液チューブを圧潰可能に配設された複数のローラと、前記ステッピングモータを駆動制御するマイクロステップドライバとを備え、前記ロータはシャフトを有し、前記ステッピングモータのシャフトおよび前記ロータのシャフトは、前記ロータの軸方向におけるスライド動作により前記ロータのシャフトが前記軸受開口部内に嵌挿され、互いに結合されることにより一体として前記ロータの回転軸を構成するように形成されていることを特徴とする。
このような構成を備えたローラ式輸液ポンプは、前記マイクロステップドライバによりステッピングモータの駆動を制御して前記ロータを前記ステッピングモータのシャフトと一体に正逆回転させるとともに、前記複数のローラのうち少なくとも一つのローラと前記ステータとの間に前記輸液チューブの中間部を挟持し、前記輸液チューブを公転する前記少なくとも一つのローラと前記ステータとで前記輸液チューブを圧潰することで、所定量の液体を正逆輸液あるいは輸液の停止保持をすることができる。
その際、本発明のローラ式輸液ポンプは、前記ステッピングモータをマイクロステップドライバ(コントローラ)によりマイクロステップ駆動させることで、輸液対象の液体の流量調節を厳密に行うことが可能となる。
また、正逆回転可能とされたステッピングモータのシャフトを前記ロータの回転軸の少なくとも一部とし、前記ステッピングモータの駆動力をロータに調節伝達する構成としたことにより、ギアやベルトなどの駆動力の伝達機構を介する場合に比してロータの回転の細かな振動を抑えることが可能となるので、前記ロータに回転自在に配設されたローラも、振動を抑えた状態で前記ステータとの間に輸液チューブに圧接させることができる。このようにローラの振動を抑えることにより、輸液チューブの圧潰量を常に一定として厳密に設定することができるので、輸液対象の液体の流量調節を厳密に行うことが可能となる。
またさらに、ローラの振動を抑えることにより、輸液チューブのローラが圧接する部位の磨耗や劣化を減少させることができるので、輸液チューブの圧潰量を常に一定とすることも叶い、また、消耗品としての輸液チューブの耐久性を延ばすこともできる。
また、前記ロータをそのシャフトの軸方向におけるスライド動作によって前記ポンプハウジングの所定位置に着脱させるとともに、前記ステッピングモータのシャフトおよび前記ロータのシャフトを一体として前記回転軸として作用させすることができる。このように、簡単な構成で回転軸を構成し、ポンプハウジングに対する着脱を容易にすることで、清浄や部品交換等のメンテナンスも簡便になる。
また、本発明の請求項3に記載のローラ式輸液ポンプは、請求項1または請求項2に記載のローラ式輸液ポンプにおいて、前記ロータの表面におけるその回転中心に当接されるボール状押圧部材を該軸方向に揺動可能に支承しつつ先端部に配設させた押さえ軸部材が形成された蓋体を備えることを特徴とする。
このような構成を備えたローラ式輸液ポンプによれば、前記蓋部材を前記押さえ軸部材の先端部に該軸方向に揺動可能に支承されたボール状押圧部材を前記ロータの表面における回転中心に当接させるようにして前記ポンプハウジングに対して配設することで、前記ロータの表面に当接する前記押さえ軸部材によって回転する前記ロータがその遠心力により浮き上がることを抑止することが可能となる。
さらに、本発明の請求項4に記載のローラ式輸液ポンプは、請求項3に記載のローラ式輸液ポンプにおいて、前記蓋体には、前記ステータと少なくとも1つのローラとの間に挟持される輸液チューブの、前記ロータの回転軸の軸方向における移動を規制する移動規制部が形成されていることを特徴とする。
このような構成を備えたローラ式輸液ポンプによれば、前記蓋体を、前記移動規制部を前記ステータと少なくとも1つのローラとの間に挟持される輸液チューブに当接あるいは近接させつつ前記ポンプハウジングに対して配設することで、前記移動規制部によって輸液中の前記輸液ポンプがその正しい配設位置から外れてしまうことを抑止することが可能となる。
またさらに、請求項5に記載のローラ式輸液ポンプは、請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載のローラ式輸液ポンプにおいて、前記ポンプハウジングに、前記ステータと少なくとも1つのローラとの間に挟持される輸液チューブの前記ロータの回転軸の軸方向における移動を規制することを可能とする移動規制部が形成されていることを特徴とする。
このような構成を備えたローラ式輸液ポンプによれば、前記移動規制部を前記ステータと少なくとも1つのローラとの間に挟持される輸液チューブに当接あるいは近接させることを可能に前記ポンプハウジングに対して配設することで、前記移動規制部によって輸液中の前記輸液ポンプがその正しい配設位置から外れてしまうことを抑止することが可能となる。
そして、請求項6に記載のローラ式輸液ポンプは、請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載のローラ式輸液ポンプにおいて、少なくとも前記ステータ、ロータおよびローラは金属材により形成されており、前記ポンプハウジング、ステータ、ロータ、ローラの露出面は耐薬品性、防汚性、洗浄性に優れた金属皮膜により表面処理されていることを特徴とする。
このような構成を備えたローラ式輸液ポンプによれば、金属材により前記各部材を形成することによって寸法出しをより精密に行うことができるので、輸液対象の液体の流量調節を厳密に行うことができ、また、万が一の輸液チューブからの液漏れ等に対しても、表面コーティングした金属皮膜の有する耐薬品性、防汚性等により、液漏れ等した輸液対象の液体の特質(例えば、強酸であるような場合)によって構成部材を破壊劣化させることなく、また、漏れた液体の拭き取り作業や日常のメンテナンスも容易となる。
このように、本発明のローラ式輸液ポンプによれば、輸液対象の液体の定量供給を確実に行うことができ、さらには輸液対象の液体の特質を原因とする、該ローラ式ポンプの構成部材の破壊劣化を防止することができ、日常のメンテナンスも容易となるといった優れた効果を奏する。
まず、本発明のローラ式輸液ポンプの一実施形態について説明する。
図1は、本発明のローラ式輸液ポンプの一実施形態において蓋体を省略した状態の平面図であり、図2は、ローラ式輸液ポンプの各部材の螺着状態を模式的に図示した正面図、図3は、図1のA−A線におけるローラ式輸液ポンプと蓋体の要部断面図である。
本実施形態のローラ式輸液ポンプは、外形状を略立方体とされたポンプハウジング1を有しており、前記ポンプハウジング1はポンプハウジング本体1aと、ポンプハウジング側壁部1bとから構成されている。前記ポンプハウジング本体1aの表面には、平面形状略U字形とされた凹部2が該ポンプハウジング本体1aの一側面にも開口部を有するようにして形成されている。そして、ポンプハウジング本体1aの凹部2を構成する内周壁は、輸液チューブ4の案内部3となり、前記案内部3の一部はステータ5として機能するように構成されている。そのステータ5については後述する。
そして、前記U字形状の凹部2内における略中央部には、さらに段差を形成するようにして円形状の凹部とされたロータ収容部6が形成されており、前記ロータ収容部6内には、その上面を前記凹部2内のベース面と略面一に位置されている円盤状のロータ7が配設されている。前記ロータ7はその裏面中央に先端部の径方向断面形状を略D字状とするシャフト(以下、ロータシャフトという)8が一体形成されており、前記ロータシャフト8は、前記ロータ収容部6の底壁に形成された軸受開口部9からポンプハウジング本体1a内へ嵌挿されたステッピングモータ10のシャフト(以下、モータシャフトという)11の径方向断面略D字状とされた先端部と係合することにより一体となって、該ロータ7の回転軸12を構成するようになされている。
また、前記ロータ7の表面で、その回転中心から点対称になるように前記回転中心(ロータシャフト8の軸中心)からの同一距離上である円周上の位置には、回転自在で、かつ、前記ロータ7の回転に応じて各々が前記ステータ5との間で輸液チューブ4を圧潰可能に軸着された2つのローラ13が配設されている。前記ローラ13は、前記モータシャフト11を回転させるとロータ7が回転することで、前記回転軸12を中心として公転運動することとなる。
このローラ13の公転運動の軌跡は前記回転軸12を中心とした円を描く。そこで、本実施形態においては、ポンプハウジング本体1aの凹部2を構成する内周壁は前記ロータを囲むようにして形成されて前記案内部3とされ、その一部をステータ5として機能させるべく、前記回転軸12を中心とする略円弧状に形成されている。また、その他の案内部3、すなわち略円弧状の前記ステータ5の前記周方向各端部は、ポンプケーシング側壁部1bに開口する流入口15、流出口16へそれぞれ連接されている。なお、前記ポンプケーシング側壁部1bは、該ポンプハウジング本体1aの一側面に形成された前記凹部2の開口部を塞ぐようにして配設される壁部材であって、その両側下端部に前記輸液チューブを挿通させる流入口15、流出口16がそれぞれ形成されている。
また、前記輸液チューブ4は、例えば、シリコーン系樹脂、耐薬品性のフッ素系樹脂、オレフィン系樹脂等の材料により、復元弾性力を有し、圧潰可能に形成されており、その一端側を流入側、他端部側を流出側とされて用いられる。
そして、前記輸液チューブ4は、前記案内部3に沿って前記ポンプハウジング1内に配設される。すなわち、前記輸液チューブ4は流入側の先端部、および流出側の先端部を前記ポンプハウジング本体1aの凹部2外へ延在させつつ、前記流入側が前記ポンプケーシング側壁部1bに形成された流入口15に配設され、前記流出側が流出口16に配設され、前記流入側と流出側との中間部が前記ポンプハウジング本体1aの案内部3に沿わせて前記凹部2内に配設されることとなる。このとき、少なくとも一方のローラ13で輸液チューブ4に適度のテンションを加え、輸液チューブ4内の輸液対象の液体が流れる流路を封止可能となるように、前記ローラ13の軌跡外周と輸液チューブ4の管径を調整し、所定量の液体を送給可能とする。具体的には、前記輸液チューブ4を案内する経路の中間位置付近におけるポンプハウジング本体1aの凹部2を構成する内周壁とローラと13の間隙を、ポンプ使用時において、前記輸液チューブ4を略完全にその径方向から圧潰可能な寸法に構成する。このように構成されることにより、ローラ13が前記回転軸12を中心とする公転運動を行なう際に、輸液チューブ4内の輸液対象が前記流入側から流出側へ向かって間歇送り可能とされる。
さらに、前記ポンプハウジング本体1aのベース面裏には、適宜の回転数、及びトルクなどによって正逆回転可能とされたステッピングモータ10が配設されている。前記ステッピングモータ10は、その駆動をマイクロステップで制御するマイクロステップドライバ21と電気的に接続されている。
ここで、前記ステッピングモータ10は、その先端部を径方向断面略D字状とする回転自在なモータシャフト11を有し、前記モータシャフト11は、その先端部の径方向断面略D字状の部分の平面を、前記ロータシャフト8の先端部の径方向断面略D字状の部分の平面と面対向させて係合させた状態で、前記凹部2の底壁に形成された軸受開口部9に嵌挿されることで一体となって、該ロータ7の回転軸12を構成し、前記ロータ7をダイレクトドライブで回転させるように構成されている。
このような配置関係で構成されるステッピングモータ10とロータ7は、ねじ止め等の係止手段によって一体化する必要がなく、前記ロータ7は、そのロータシャフト8をポンプハウジング本体1aの凹部2の開口上部側から前記軸受開口部9内へ差し込むスライド動作により、前記ステッピングモータ10と回転動作においては一体に形成される。また、前記ロータシャフト8を前記軸受開口部9内から引き抜く動作(スライド動作)により、ロータと前記ステッピングモータとを容易に分離させることができる。つまり、前記ロータ7は前記ステッピングモータ10に対し、容易に着脱可能に配設されている。なお、本実施形態においては、前記モータシャフト11の先端部および前記ロータシャフト8の先端部は、ともに断面形状D字状とし、その平面部分を向かい合わせるように配設することで略円形状の回転軸を形成するように構成したが、前記ロータ7の前記回転軸12の軸方向へのスライド動作によって前記モータシャフト11と係合し、回転軸12を構成可能であれば、前記ロータシャフト8およびモータシャフト11の係合する部分のそれぞれの形状は前述の形状に限らない。例えば、モータシャフト11の先端部における軸中心部に径方向断面星形の凹部を形成するとともに、前記ロータシャフト8の先端部に前記凹部に係合する断面星形の凸部を形成してもよい。
また、前記ロータ7はモータシャフト11をその回転軸12の少なくとも一部とし、前記モータシャフト11と一体となって回転する構成であればよい。例えば、図4に示すように、前記モータシャフト11の軸中心にねじ穴23を形成するとともに、前記ロータ13の回転中心に前記ねじ穴23に重ねて配置されるねじ孔24を形成し、前記モータシャフト11のねじ穴23と、前記ロータ13のねじ孔24とを重ねて配置しつつ、1本のねじ25で前記モータシャフト11とロータ13とを螺着させて、前記ステッピングモータ10の駆動力を前記モータシャフト11を介して前記ロータ7にダイレクトに伝達させる構成とすることもできる。
さらに、前記ロータ7の形状も円盤状に限らない。例えば、本実施形態のように2つのローラを配設するような場合には、1枚羽根のような板状であってもよい。
前記ステッピングモータ10およびマイクロステップドライバ21は公知の構成のものを利用することとし、ここでの説明は省略する。なお、前記モータシャフト11とこのモータシャフト11を嵌挿させる前記ポンプハウジング本体1aの軸受開口部9との間にOリング26を介在させ、モータの配設側への液体の侵入を防止するように構成するものとする。
また、本実施形態のローラ式輸液ポンプは、ポンプハウジング本体1aの前記凹部2を覆うようにして前記ポンプハウジング1に配設される蓋体28を有している。
前記蓋体28は、図5に示すように、ポンプハウジング本体1aの前記凹部2の形成面の外形状と略同一の外形とされた板状部材とされている。本実施形態においては、その四隅には、蓋体28を所定位置に配置した際に、前記ポンプハウジング本体1aに形成されたねじ穴29と重なるように形成されたねじ孔30が形成されており、前記ねじ穴29とねじ孔30を連接させて1本のねじ31で螺着させることにより、前記ポンプハウジング1の蓋体28として機能するように形成されている。
そして、本実施形態においては、前記蓋体28の内面には、前記ロータ7の表面におけるその回転中心に当接させるボール状押圧部材33を先端部に配設させた押さえ軸部材35が形成されている。前記ボール状押圧部材33は、ばね部材34によって軸方向に揺動可能に支承されており、前記蓋体28は、前記押さえ軸部材35のボール状押圧部材33を前記ロータ7の表面における回転中心に当接させた状態で前記ポンプハウジング本体1aに螺着されることで、前記押さえ軸部材35のボール状押圧部材33が前記ばね部材34によりローラ13の回転による振動を吸収しながら前記ロータ7に当接し、前記ロータ7がその遠心力により浮き上がることを抑止するように構成されている。
また、前記蓋体28には、前記ステータ5と少なくとも1つのローラ13との間に挟持される輸液チューブ4に当接あるいは近接し、前記ロータ7の回転軸12の軸方向における移動を規制する突起状の移動規制部37が形成されている。
本実施形態において、前記移動規制部37は、図5に示すように、前記U字状の案内部3における中間位置に配設される輸液チューブ4に対し、前記凹部2の開口上部側から、前記輸液チューブ4を圧潰してその流路を閉ざした状態においては前記輸液チューブ4の上端部に当接し、前記輸液チューブ4に対する圧接を解除してその流路を開放した状態においては前記輸液チューブ4の上端部との間に僅かな間隙を介在させて近接する円弧状の突起部38が形成されている。なお、前記移動規制部37は、本実施形態のような円弧状に連なった突起状のものである必要はなく、例えば、前記ポンプハウジング本体1a内に位置する輸液チューブ4に対し、前記凹部2の開口上部側から当接あるいは近接する単一点状の突起であってもよい。
ここで、本実施形態のローラ式輸液ポンプを構成する主要な各部材の材質について説明すると、本実施形態においては、前記ステータ5を含むポンプハウジング1、ロータ7、ローラ13、モータシャフト11はそれぞれ金属材により形成されており、少なくともそれらの前記ポンプハウジング1の前記凹部2内に臨む各部は、テフロン(登録商標)などのフッ素樹脂やアルマイトなどの金属皮膜により表面処理されている。より具体的には、前記金属材としてはその寸法精度出し、耐磨耗性、表面処理の容易さなどから、アルミニウム材や、鉄材などを例示することができる。
次に、本実施形態のローラ式輸液ポンプにおけるセッティング例を説明する。
先ず、前記ポンプハウジング本体1aに形成された凹部2の内周壁である前記案内部2に沿わせるようにして、輸液チューブ4の中間部を配置させる。その際、前記輸液チューブ4の流入側、流出側は、前記凹部2外へ延在させるようにする。続いて、前記凹部2内の底壁に開口する軸受開口部9へ前記ロータシャフト8を挿入し、該軸受開口部9に臨むモータシャフト11と係合させて一つの回転軸12を構成させるとともに、前記ロータ収容部6に前記ロータ7を、その上面が前記凹部2内のベース面と略面一となるように配設する。その際、前記ロータ7に軸着された少なくとも1つのローラ13により前記輸液チューブ4を前記ステータ5との間で圧潰させつつ、前記ロータ7を凹部2に配設する。そして、前記輸液チューブ4の流入側、流出側を前記ポンプハウジング側壁部1bに形成された流入口15、流出口16に位置させるようにして前記ポンプハウジング側壁部1bを前記ポンプハウジング本体1aの所定の位置に螺着させて固定し、該ローラ式輸液ポンプのセットを完了する(図1参照)。
続いて、本実施形態のローラ式輸液ポンプの動作及び作用を説明する。
先ず、ステッピングモータ10をマイクロステップドライブ21によりマイクロステップで回転動作させると、モータシャフト11の回転と一体に前記ロータが7輸液方向へ回転する。この状態で流入側から輸液対象の液体を連続的に流入させると、前記2つのローラ13のうちの少なくとも一方のローラ13と前記ステータ5との間に前記輸液チューブ4の中間部を挟持することとなる。そして、一方のローラ13が輸液チューブ4を圧潰して液体の流通を塞き止め、ロータ7が更に回転することによって、2つのローラ13間に介在する輸液チューブ4の中間部内に所定量の液体をため込むことになる。そして、ロータ7がまたさらに回転することによって、流出側においては、一方のローラ13が輸液チューブ4から次第に離間することで、前記2つのローラ13間に介在する輸液チューブ4内の流路を徐々に開放するとともに輸液チューブ4の復元力によって流入側から液体を吸引し、次に回転してくるローラ13により、2つのローラ13間に介在する輸液チューブ4の中間部内に挟まれた所定量の液体を流出側へ押し出して輸液する。この動作を繰り返すことで、所定量の輸液を行なう。
そして、このように動作し、作用する本実施形態のローラ式輸液ポンプにおいては、前記ステッピングモータ10をマイクロステップドライバ21によりマイクロステップ駆動させることで、輸液対象の液体の流量調節を厳密に行うことができ、更に、低回転時に発生するステッピングモータ10の振動を大幅に低減することが可能となる。すなわち、ステッピングモータ10を用い、その通常のステップを大幅に増やすことで、高精度に位置(ロータの回転量)を制御することができる。例えば、1回転に10000パルスの印加を要していたのを、100000パルスで1回転するように制御することでロータの回転量を厳密に制御することができるので、輸液対象の液体の流量調節も厳密に行うことが可能となる。また、マイクロステップで駆動させることにより、回転をスムーズに行なうことが可能となり、振動を大幅に低減させることが可能となる。通常のステップモータの場合、動力負荷、電流、回転速度の諸条件が複雑に絡んで、ある回転状態で大きな振動を発生させるという問題点があるが、マイクロステップドライバを用いてマイクロステップで駆動させることにより、この問題点を解決することが可能となる。
また、前記ロータ7をステッピングモータ10のモータシャフト11に対し直接配設する構成とし、更にマイクロステップドライバの分割ステップ駆動によりロータ7の回転の細かな振動を抑えることが可能となり、前記ロータ7に回転自在に配設されたローラ13も、振動を抑えた状態で前記ステータ5との間に輸液チューブ4に圧接させることができ、輸液チューブ4の圧潰量を常に一定として厳密に設定することができるので、輸液対象の液体の流量調節を厳密に行うことが可能となる。なお、前記圧潰量としては、0.2〜0.25が好ましい。
またさらに、ローラ13の振動を抑えることにより、輸液チューブ4のローラ13が圧接する部位の磨耗を減少させることができるので、輸液チューブ4の圧潰量を常に一定とすることも叶い、また、消耗品としての輸液チューブ4の耐久を延ばすこともできる。
そして、前記ロータ7をロータシャフト8の軸方向におけるスライド動作によって前記ポンプハウジング本体1aの所定位置に着脱可能な簡単な構成とされているので、各部材の清浄や部品交換等のメンテナンスも簡便になる。
また、前記押さえ軸部材35が形成された蓋体28を備えることで、前記ロータ7の表面に当接する前記押さえ軸部材35によって、回転する前記ロータ7がその遠心力により浮き上がることを抑止することができ、また、移動規制部材37が前記蓋体28あるいは前記ポンプハウジング本体1aに形成されることで、前記輸液チューブ4が前記ローラ13の摺接により浮き上がって遊ぶことを抑止して、輸液を確実に行うことが可能となる。
また、本実施形態のローラ式輸液ポンプは金属材により寸法出しをより精密にした状態で前記各部材が形成されることで、輸液対象の液体の流量調節を厳密に行うことができる。また、万が一の輸液チューブからの液漏れ等に対しても、表面コーティングした金属皮膜の有する耐薬品性、防汚性により、液漏れ等した輸液対象の液体の特質(例えば、強酸であるような場合)によって構成部材を破壊劣化させることなく、また、漏れた液体の拭き取り作業や日常のメンテナンスも容易となる。
なお、本発明は、前述した実施の形態に限定されるものではなく、必要に応じて種々の変更が可能である。
例えば、本実施形態においては、一方向への輸液対象の輸液状態を説明したが、前記ステッピングモータのシャフトの回転方向を正逆切り替えることにより、所定量の液体を正逆方向に輸液可能となる。また、ロータに配設されるローラの数は本実施形態の2つに限らない。例えば、3つのローラを配設してもよいし、4つのローラを配設してもよい。例えば、3つのローラを配設する場合には、各ローラは前記回転軸を中心として120°づつの等角度で前記ロータに配設され、4つのローラを配設する場合には、各ローラは前記回転軸を中心として90°づつの等角度で前記ロータに配設されることになる。
本発明のローラ式輸液ポンプの一実施形態において蓋体を省略した状態の平面図 図1のローラ式輸液ポンプの各部材の螺着状態を模式的に図示した正面図 図1のA−A線におけるローラ式輸液ポンプと蓋体の要部断面図 本発明のローラ式輸液ポンプの一実施形態におけるローラシャフトとロータを一体化する構成の他の例を示す要部断面説明図 本発明のローラ式輸液ポンプの一実施形態における蓋体の内側面の要部平面図
符号の説明
1 ポンプハウジング
1a 本体
1b 側壁部
2 凹部
3 案内部
4 輸液チューブ
5 ステータ
6 ロータ収容部
7 ロータ
8 ロータシャフト
9 軸受開口部
10ステッピングモータ
11 モータシャフト
12 回転軸
13 ローラ
15 流入口
16 流出口
21 マイクロステップドライバ
23 ねじ穴
24 ねじ孔
26 Oリング
28 蓋体
29 ねじ穴
30 ねじ孔
31 ねじ
33 ボール状押圧部材
34 ばね部材
35 押さえ軸部材
37 移動規制部材
38 突起部

Claims (5)

  1. 復元弾性力を有し、圧潰可能とされた輸液チューブと、
    ポンプハウジングに配設されたステータと、
    前記ポンプハウジングの表面に形成されたロータ収容部に配設されたロータと、
    前記ロータ収容部の底壁に形成された軸受開口部内に嵌挿され、前記ロータの回転軸の少なくとも一部とされたシャフトを有し、正逆回転可能とされたステッピングモータと、
    前記回転軸から等距離の円周上に等間隔に、回転自在で、かつ、前記ロータの回転に応じて各々が前記ステータとの間で輸液チューブを圧潰可能に配設された複数のローラと、
    前記ステッピングモータを駆動制御するマイクロステップドライバと
    を備え、
    前記ロータはシャフトを有し、
    前記ステッピングモータのシャフトおよび前記ロータのシャフトは、前記ロータの軸方向におけるスライド動作により前記ロータのシャフトが前記軸受開口部内に嵌挿され、互いに結合されることにより一体として前記ロータの回転軸を構成するように形成されていることを特徴とするローラ式輸液ポンプ。
  2. 前記ロータの表面におけるその回転中心に当接されるボール状押圧部材を該軸方向に揺動可能に支承しつつ先端部に配設させた押さえ軸部材が形成された蓋体を備えることを特徴とする請求項1に記載のローラ式輸液ポンプ。
  3. 前記蓋体には、前記ステータと少なくとも1つのローラとの間に挟持される輸液チューブの、前記ロータの回転軸の軸方向における移動を規制する移動規制部が形成されていることを特徴とする請求項に記載のローラ式輸液ポンプ。
  4. 前記ポンプハウジングに、前記ステータと少なくとも1つのローラとの間に挟持される輸液チューブの前記ロータの回転軸の軸方向における移動を規制することを可能とする移動規制部が形成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項のいずれか1項に記載のローラ式輸液ポンプ。
  5. 少なくとも前記ステータ、ロータおよびローラは金属材により形成されており、前記ポンプハウジング、ステータ、ロータ、ローラの露出面は耐薬品性、防汚性、洗浄性に優れた金属皮膜により表面処理されていることを特徴とする請求項1乃至請求項のいずれか1項に記載のローラ式輸液ポンプ。
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