JP2016037952A - ポンプ装置、ポンプ装置の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は、性能の低下を防止しつつ、組み立て作業の効率を向上することができるポンプ装置を提供する。
【解決手段】カスケードポンプ装置10は、ポンプ部30と、駆動部80と、連結構造と、ダブルナット100と、皿ばね110と、シムとを備える。ポンプ部30は、ポンプ室31と、ポンプ室31内に収容される羽根車20とを備える。駆動部80は、回転軸部60と、回転軸部60を回転する電動モータ70とを備える。連結構造とダブルナット100と皿ばね110とは、羽根車20を回転軸部60に、羽根車20が回転軸部60と一体に回転可能に、かつ、回転軸部60の軸方向に沿う羽根車20の移動を規制可能に固定する。シム130は、回転軸部60の軸方向に羽根車20の一方側と、ポンプ室31の内面において回転軸部60の軸方向に一方側と対向する部分との間に挟持される。シムは、所定の流体によって溶ける性質を有する。
【選択図】図1
【解決手段】カスケードポンプ装置10は、ポンプ部30と、駆動部80と、連結構造と、ダブルナット100と、皿ばね110と、シムとを備える。ポンプ部30は、ポンプ室31と、ポンプ室31内に収容される羽根車20とを備える。駆動部80は、回転軸部60と、回転軸部60を回転する電動モータ70とを備える。連結構造とダブルナット100と皿ばね110とは、羽根車20を回転軸部60に、羽根車20が回転軸部60と一体に回転可能に、かつ、回転軸部60の軸方向に沿う羽根車20の移動を規制可能に固定する。シム130は、回転軸部60の軸方向に羽根車20の一方側と、ポンプ室31の内面において回転軸部60の軸方向に一方側と対向する部分との間に挟持される。シムは、所定の流体によって溶ける性質を有する。
【選択図】図1
Description
本発明は、羽根車およびこの羽根車を収容するポンプ室を有する例えばカスケードポンプ装置等のポンプ装置に関する。他の本発明は、ポンプ装置の製造方法に関する。
ポンプ部と、ポンプ部を駆動する電動モータを有するカスケードポンプ装置が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。ポンプ部は、電動モータによって回転される羽根車と、羽根車を収容するケーシングとを有している。
羽根車が電動モータの出力軸部に直接固定される場合は、電動モータの出力軸部が羽根車の回転軸部となる。または、電動モータの出力軸部の回転が他の軸部材を介して羽根車に伝達される場合は、この軸部材が羽根車の回転軸部となる。
ケーシング内で羽根車が回転することによって、ケーシング内の流体にエネルギが与えられ、流体の圧力が高くなる。圧力が高くなった流体は、ケーシングに形成される吐出口より吐出される。カスケードポンプ装置は、羽根車の軸方向に沿ってポンプ室の内面と羽根車との間に規定される隙間を小さくすることにより、性能が向上する。
電動モータが、出力軸部をその軸方向に移動可能に形成される特殊な電動モータである場合では、電動モータの出力軸部を軸方向に移動することによって、羽根車の軸方向に沿う、ポンプ室の内面と羽根車との間に規定される隙間が調整される。
また、軸方向に移動可能ではない出力軸部を有する電動モータを用いる場合では、羽根車の軸方向に沿う、ケーシングの内面と羽根車との間に規定される隙間は、例えば、シムを用いて行われる。
具体的には、ポンプ室の内面と羽根車との間に着脱可能なシムを挟むことによって、ポンプ室の内面と羽根車との間に小さな隙間を確保し、この状態で羽根車を回転軸部に固定する。そして、羽根車を回転軸部に固定した後、シムを取り除く。シムが取り除かれた後は、ポンプ室の内面と羽根車との間に、シムの厚み分の隙間が設けられる。
または、羽根車軸方向に沿う、ポンプ室の内面と羽根車との間に規定される隙間の調整は、ポンプ装置の組み立てを行う作業者の感覚に頼って行われている。
上述した、ポンプ室の内面と羽根車との間の隙間の軸方向に沿う幅の調整方法では、以下の問題があった。すなわち、羽根車と回転軸部との間にシムを挟む調整方法では、シムの取り外しが困難となる場合があり、その場合は、カスケードポンプ装置の組み立ての作業性が悪化する。
また、作業者の感覚に頼る場合では、その調整が正確でない場合もありえる。調整が正確でない場合は、ポンプ装置の性能が低下する。
本発明は、性能の低下を防止しつつ、組み立て作業の効率を向上することができるポンプ装置を提供することを目的とする。
本発明のポンプ装置は、ポンプ部と、駆動部と、固定構造と、隙間形成部材とを備える。前記ポンプ部は、ポンプ室と、前記ポンプ室内に収容される羽根車とを備える。前記駆動部は、回転軸部と、前記回転軸部を回転する回転駆動部とを備える。前記固定構造部は、前記羽根車を前記回転軸部に、前記羽根車が前記回転軸部と一体に回転可能に、かつ、前記回転軸部の軸方向に沿う前記羽根車の移動を規制可能に固定する。前記隙間形成部材は、前記軸方向に前記羽根車の一方側と、前記ポンプ室の内面において前記軸方向に前記一方側と対向する部分との間に挟持される隙間形成部材であって、所定の流体によって溶ける性質を有する。
本発明のポンプ装置製造方法は、ポンプ室内において、回転軸部の軸方向に羽根車の一方側と、前記ポンプ室の内面において前記軸方向に前記一方側と対向する部分との間に、所定の流体によって溶ける性質を有する隙間形成部材を挟持し、前記羽根車を前記回転軸部に、前記羽根車が前記回転軸部と一体に回転可能に、かつ、前記軸方向に沿う前記羽根車の移動を規制可能に固定し、前記ポンプ室内に前記所定の流体を流入する。
本発明によれば、性能の低下を防止しつつ、組み立て作業の効率を向上することができるポンプ装置を提供できる。
本発明の第1の実施形態に係るポンプ装置を、図1〜5を用いて説明する。図1は、ポンプ装置の一例であるカスケードポンプ装置10を示す断面図である。本実施形態では、カスケードポンプ装置10は、流体の一例として、水を送り出す機能を有している。
図1に示すように、カスケードポンプ装置10は、羽根車20を有するポンプ部30及び軸封部40が設けられるケーシング50と、羽根車20に連結される回転軸部60及び回転軸部60を駆動可能に形成される電動モータ(回転駆動部)70を有する駆動部80とを有している。
また、カスケードポンプ装置10は、駆動部80の回転軸部60をポンプ部30の羽根車20に連結可能に形成される連結構造(連結構造、固定構造)90と、回転軸部60に沿う羽根車20の移動を規制するダブルナット(移動規制部、固定こうお図)100と、羽根車20をダブルナット100側に付勢可能に形成される皿ばね(付勢部)110とを有している。なお、ここで言う移動を規制するとは、羽根車20がダブルナット100を越えて移動することを防止することである。
ケーシング50は、ケーシング50の外郭を規定するケーシング本体51と、ケーシング本体51内に固定される環状に形成されるケーシングライナ52とを有している。ケーシング本体51は、回転軸部60を収容可能に形成される。ケーシング本体51は、回転軸部60の軸方向に沿って着脱可能に互いに固定される第1の部材53と第2の部材54とを有している。
第1の部材53は、その中央部に、回転軸部60の軸方向に沿って一端側に開口する椀状部55が設けられている。第2の部材54は、椀状部55に対向する部分に、椀状部55から離間する方向に凹む凹部56が形成されている。第2の部材54には、凹部56に連通する挿通孔57が形成されている。挿通孔57は第2の部材54を貫通している。挿通孔57は、回転軸部60を挿通可能に形成されている。
第1の部材53が第2の部材54に組み付けられると、椀状部55の内側と凹部56とによって、空間部Sが形成される。空間部Sの一部は、ケーシングライナ52を固定可能に形成され、残りの部分は、軸封部40を形成している。
ケーシングライナ52は、空間部S内に収容されて固定される。ケーシングライナ52は、内側に、羽根車20を収容するポンプ室31を形成可能に形成されている。具体的には、ケーシングライナ52は、回転軸部60を挿通可能な挿通孔52aが形成される、円盤形状の第1の側壁部52bと、回転軸部60を挿通可能な挿通孔52cが形成される、円盤形状の第2の側壁部52dと、第1の側壁部52bの外周縁と第2の側壁部52dの外周縁とを連結する周壁部52eとを有している。第1の側壁部52bの内面120は、回転軸部60の軸線C2に垂直な平面である。第2の側壁部52dの内面121は、回転軸部60の軸線C2に垂直な平面である。
図2は、カスケードポンプ装置10の要部を示す断面図である。図2に示すように、ポンプ部30は、液体に、この液体を全揚程の高さまで揚げるために必要なエネルギを与えることを可能に形成されている。
具体的に、ポンプ部30は、ケーシングライナ52内に形成されるポンプ室31と、ポンプ室31内に収容される羽根車20とを有している。羽根車20は、回転軸部60に固定可能に形成される基部21と、基部21に一体に形成される羽根部22とを有している。
基部21は、円筒形状であり、内側に回転軸部60が挿入可能な挿通孔25が形成されている。羽根部22は、基部21の外周面において軸方向に沿う一部に設けられており、ポンプ室31内に収容可能にされている。基部21は、基部21において基部21の軸方向に羽根部22よりも突出する第1の突出部分23と、軸方向に羽根部22よりも突出する第2の突出部分24とを有している。
羽根部22において基部21側の端部には、バランスホール26が形成されている。バランスホール26は、一例として複数形成されている。バランスホール26は、羽根車20の中心となる軸線C1回りに等間隔離間して配置されている。バランスホール26の平面形状は、円である。バランスホール26は、羽根部22を、軸線C1に沿って貫通している。軸線C1から各バランスホール26の中心までの距離は、互いに等しい。バランスホール26は、ケーシングライナ52の内面120,121に対向している。
羽根車20は、所謂、両羽根式である。このため、羽根部22は、バランスホール26が設けられる基部21側の端部22aに対して径方向外側の位置Pから、径方向外側に進むにつれて、厚みが薄くなる形状である。
なお、図2中では、羽根車20は、切断された状態が示されており、それゆえ、複数のうちの1つのバランスホール26のみ示されている。
第1の突出部分23は、ケーシングライナ52の第1の側壁部52bの挿通孔52a内に回転可能に収容される。具体的には、第1の突出部分23の外径は、第1の側壁部52bの挿通孔52aの内径と同じである。または、第1の突出部分23の外径は、第1の側壁部52bの挿通孔52aの内径よりも若干小さい。
第2の突出部分24は、ケーシングライナ52の第2の側壁部52dの挿通孔52c内に回転可能に収容される。具体的には、第2の突出部分24の外径は、第2の側壁部52dの挿通孔52cの内径と同じである。または、第2の突出部分24の外径は、第2の側壁部52dの挿通孔52cの内径よりも若干小さい。
羽根部22は、軸方向に見た形状が、半径が一定となる円であり、基部21から径方向に突出している。
図1に示すように、駆動部80は、羽根車20の基部21内に挿通可能に形成される回転軸部60と、回転軸部60をその軸線C2回りに回転可能に形成される電動モータ70とを有している。
回転軸部60は、ケーシング50内に回転可能に収容される。回転軸部60には、一端から他端に向かって、順番に、第1の軸部61と、第2の軸部62と、第3の軸部63と、第4の軸部64とが設けられている。
第1の軸部61は、回転軸部60の一端部であり、その周面にダブルナット100が螺合可能な雌ねじ部65が形成されている。第1の軸部61は、ケーシング50の第1の部材53の椀状部55内に収容されている。
第2の軸部62は、第1の軸部61に隣接している。第2の軸部62の外径は、軸方向に一定であり、第1の軸部61の外径よりも大きい。第2の軸部62は、ポンプ室31内に収容されている。
第2の軸部62は、羽根車20の基部21の挿通孔25内に、回転軸部60の軸線C2を羽根車20の軸線C1に重ねた状態、言い換えると、回転軸部60と羽根車20とを同軸とする状態で、挿入可能に形成されている。
なお、第2の軸部62は、挿通孔25内に、羽根車20が第2の軸部62に対して軸方向に移動可能となるように嵌合する。
第3の軸部63は、第2の軸部62に隣接している。第3の軸部63は、空間部S内に収容される。第3の軸部63の外径は、軸方向に一定であり、第2の軸部62の外径よりも大きい。第4の軸部64は、第3の軸部63に隣接している。第4の軸部64の外径は、軸方向に一定であり、第3の軸部63の外径よりも大きい。
連結構造90は、羽根車20を回転軸部60に対して、軸方向に移動可能に、かつ、軸線C2回りに一体に回転可能に連結する。具体的には、連結構造90は、図2に示すように、羽根車20の挿通孔25の内面に形成される第1のキー溝91と、回転軸部60の第2の軸部62の周面に設けられる第2のキー溝92と、キー93とを有している。第1のキー溝91は、一例として、1つ形成されているが、他の例としては、複数形成されてもよい。
第1のキー溝91は、挿通孔25の内面に開口している。第1のキー溝91が複数形成される場合は、第1のキー溝91は、羽根車20の軸線C1回りに等間隔離間して配置されている。第1のキー溝91は、軸方向に沿って挿通孔25の一端から他端まで延びている。
第2のキー溝92は、第2の軸部62の外周面に、第1のキー溝91に対応して形成されている。本実施形態では、第2のキー溝92は、1つ形成されている。第2のキー溝92は、第2の軸部62の一端から他端まで、回転軸部60の軸方向に延びている。第2のキー溝92は、第2の軸部2の外周面に開口している。
キー93は、第1のキー溝91と第2のキー溝92とに嵌まる形状である。具体的には、キー93は、第1のキー溝91に沿って延びる形状である。キー93の位置部は、第1のキー溝91内に嵌まる。キー93の残りの部分は、第2のキー溝92内に嵌まる。
ここで言う、キー93が第1のキー溝91に嵌まるとは、キー93が第1のキー溝91内に収容されたときに、回転軸部60の軸線C2回りに、キー93と第1のキー溝91の内面との間に隙間が設けられないことである。または、キー93が第1のキー溝91内に収容されたときに、回転軸部60の軸線C2回りに、キー93と第1のキー溝91の内面との間に小さな隙間が設けられることを示す。この小さな隙間は、第1のキー溝91に対してキー93を軸方向に移動可能とする程度の小さなものである。
同様に、キー93が第2のキー溝92に嵌まるとは、キー93が第2のキー溝92内に収容されたときに、回転軸部60の軸線C2回りに、キー93と第2のキー溝92の内面との間に隙間が設けられないことである。または、キー93が第2のキー溝92内に収容されたときに、回転軸部60の軸線C2回りに、キー93と第2のキー溝92の内面との間に小さな隙間が設けられることを示す。この小さな隙間は、第2のキー溝92に対してキー93を軸方向に移動可能とする程度の小さなものである。
キー93が第1のキー溝91と第2のキー溝92内に嵌まることによって、羽根車20と回転軸部60とは、キー93を介して、回転軸部60の軸方向に係合される。言い換えると、キー93によって、羽根車20は、回転軸部60と一体に回転可能となる。さらに言い換えると、連結構造90を介して、回転軸部60の回転が羽根車20に回転が伝達される。
なお、羽根車20が、キー93を介して回転軸部60に、回転軸部60の軸線C2回りに連結されるが、第1のキー溝91と第2のキー溝92とキー93とが、回転軸部60の軸方向に延びる形状であることによって、羽根車20は、回転軸部60に対して、回転軸部60の軸方向に沿って移動可能である。
軸封部40は、ケーシング50の第2の部材54の凹部56と、メカニカルシール41とを有している。メカニカルシール41は、空間部S内に固定可能に形成される固定環42と、回転軸部60の第3の軸部63に設けられる回転環43とを有している。
固定環42は、第3の軸部63の周面との間に隙間を有した状態で第3の軸部63を挿入可能な挿通孔44を有している。第3の軸部63は、挿通孔44内に挿入される。固定環42の端面は、摺動面である。
回転環43は、固定環42の摺動面に摺動可能に形成される摺動面を有するシールリング45と、二次シール46と、シールリング45を軸方向に沿って固定環42に向かって付勢するコイルばね47と、第3の軸部63に固定されてコイルばね47の一端を支持するばね受け部48とを有している。
シールリング45は、第3の軸部63に対して一体に回転可能に、かつ、第3の軸部63に対して軸方向に移動可能に、第3の軸部63に固定されている。また、シールリング45の摺動面は、固定環42の摺動面に軸方向に接触する。コイルスプリング47によって二次シールを介してシールリング45が固定環42に押圧されることによって、シールリング45の摺動面が固定環42の摺動面に押圧される。
皿ばね110は、ばね受け部48と羽根車20との間に収容されている。皿ばね110は、羽根車20を、ケーシングライナ52の第1の側壁部52bの内面120に向かって付勢可能に形成されている。具体的には、皿ばね110の外周部111は、ばね受け部48に接触している。皿ばね110の内周縁部112は、羽根車20の第2の突出部分24に接触している。
ダブルナット100は、第1のナット101と、第2のナット102とを有している。第1のナット101は、羽根車20の第1の突出部分23に接触することによって、第2の軸部62上の羽根車20の移動を規制可能に形成されている。第2のナット102は、第1のナット101に接触するまで締められることによって、第1の軸部61上の第1のナット101の位置を固定可能に形成されている。
羽根車20は、第2の軸部62上に、回転軸部60の軸線C2に沿ってポンプ室31の内面と羽根車20との間に所定の隙間を有する位置に固定されている。具体的には、図2に示すように、羽根車20は、ケーシングライナ52の第1の側壁部52bの内面120との間に隙間G1を有し、ケーシングライナ52の第2の側壁部52dの内面121との間に隙間G2を有する位置に固定されている。
隙間G1の幅、言い換えると、ケーシングライナ52の第1の側壁部52bの内面120と羽根車20の羽根部22との間の長さL1と、隙間G2の幅、言い換えると、ケーシングライナ52の第2の側壁部52dの内面121と羽根車20の羽根部22との間の長さL2とは、カスケードポンプ装置10に求められる性能に応じて、予め決定されている。
次に、カスケードポンプ装置10の製造方法の一部である、羽根車20の取り付け方法について説明する。カスケードポンプ装置10を製造する際には、隙間形成部材の一例であるシム130が用いられる。図3には、シム130が示されている。製造方法について説明する前に、まず、シム130について説明する。図3に示すように、シム130は、厚みL2を有する。シム130は、本実施形態では、一例として、円盤形状である。
シム130は、その中心に、羽根車20の基部21を挿通可能な挿通孔131が形成されている。シム130は、水溶性の物質から形成されており、水に溶ける性質を有している。
シム130の中心と挿通孔131の軸線とは、互いに重なる。シム130は、基部21の第2の突出部分24が嵌まる大きさである。より具体的には、シム130の挿通孔131の内径は、第2の突出部分24の外径と同じである。または、シム130の挿通孔131の内径は、第2の突出部分24の外径に対して、若干大きい。
上記のように、シム130の挿通孔131内に基部21の第2の突出部分24が嵌まるため、シム130の半径をD2とし、第2の突出部分24の半径をD1とすると、D2>D1となる。
本実施形態では、シム130の外径は、羽根車20の位置P(羽根部22の厚みが薄くなる位置)までの径と同じである。言い換えると、シム130の半径D2は、羽根車20において軸線C1から位置Pまでの距離と同じである。
カスケードポンプ装置10の製造方法の説明に戻る。まず、一例として、羽根車20にシム130を組み付ける。図4は、シム130が羽根車20に組み付けられた状態を示す断面図である。図4に示すように、羽根車20の基部21の第2の突出部分24が、シム130の挿通孔131内に嵌まることによって、シム130が羽根車20に組みつけられる。
次に、図5に示すように、羽根車20とシム130との一体物を、ポンプ室31に組み付ける。具体的には、羽根車20を、回転軸部60の第2の軸部62に組み付ける。このとき、シム130が、第2の側壁部52dの内面121と羽根車20との間で挟持されるように、羽根車20を組み付ける。
具体的には、羽根車20は、キー93を介して第2の軸部62に連結されており、回転軸部60の軸線C2に沿って移動可能である。このため、ダブルナット100の第1のナット101を最大に締め込むことによって、羽根車20を第2の側壁部52d側に移動する。第1のナット101が最大に締め込まれた状態では、羽根車20が回転軸部60の軸線C2に沿って第2の側壁部52d側に最大に移動した状態であり、言い換えると、羽根車20と第2の側壁部52dの内面121との間にシム130が挟持される状態である。
第1のナット101が最大に締め込まれると、次に、第2のナット102を締める。第2のナット102を締めることによって、第1のナット101は、最大に締め込まれた位置に固定される。言い換えると、羽根車20と第2の側壁部52dの内面121との間にシム130が挟持された状態が固定される。さらに言い換えると、羽根車20は、第2の側壁部52dの内面121に対して、回転軸部60の軸線C1に沿って第1の側壁部52b側に長さL2離れた位置に固定される。
羽根車20が第2の側壁部52dの内面121に対して長さL2離れることによって、第1の側壁部52bの内面120と羽根車20との間の距離は、L1となる。つまり、羽根車20と第1の側壁部52bの内面120との間に隙間G1が形成される。
第2のナット102が締め込まれて、カスケードポンプ装置10の全体の組み立てが完了すると、次に、通水試験を行う。通水試験を行うことによって、ポンプ室31内に水が流入する。シム130は、水溶性である。このため、ポンプ室31内に水が流入すると、シム130が溶けてなくなる。
しかしながら、羽根車20は、皿ばね110によって第1の側壁部52b側に付勢されるとともに、基部21の第1の突出部分23が第1のナット101に当接することによって、回転軸部60の第2の軸部62上の位置が固定されている。
このため、シム130が溶けてなくなることによって、羽根車20と第2の側壁部52dの内面121との間に、隙間G2が形成される。シム130が溶けてなくなることによって、カスケードポンプ装置10は完成する。
このように構成されるカスケードポンプ装置10では、シム130を用いることによって、羽根車20を回転軸部60に取り付ける際に第1のナット101を最大に締め込むだけで、羽根車20と第2の側壁部52dの内面121との間に隙間G2を形成することができる。このため、カスケードポンプ装置10の品質低下を防止しつつ、組み立て作業の効率を向上することができる。
さらに、主軸を軸方向に移動可能な特殊な電動モータを駆動部として用いることがない。
羽根車20を回転軸部60に固定する構造を、連結構造90と、ダブルナット100とで構成している。このため、羽根車20を、回転軸部60に簡単な構造で固定することができる。
また、シム130が、カスケードポンプ装置10の通水試験で用いられる水によって溶ける材料で形成されることによって、シム130を溶かす作業と、通水試験とを同時に行うことができるので、カスケードポンプ装置10の製造効率を向上することができる。
また、シム130に、羽根車20の基部21が挿入可能な挿通孔131が形成されることによって、シム130を羽根車20に一体に組み付けた後に、羽根車20とシム130とを回転軸部60に組み付けることができるので、カスケードポンプ装置10を製造する際の作業効率を向上することができる。
また、シム130の挿通孔131内を回転軸部60が通ることによって、ポンプ室31内においてシム130が回転軸部60から外れることを防止できる。
次に、本発明の第2の実施形態に係るカスケードポンプ装置10Aを、図6を用いて説明する。なお、第1の実施形態と同様の構成は、第1の実施形態と同一の符号を付して説明を省略する。本実施形態では、羽根車20を回転軸部60に固定する固定構造が第1の実施形態に対して異なる。他の構造は、第1の実施形態と同じである。上記異なる点について、具体的に説明する。
図6は、本実施形態のカスケードポンプ装置10を示す断面図である。図6に示すように、本実施形態では、羽根車20を回転軸部60に固定する固定構造として、連結構造90に代えて螺合構造140を有している。
螺合構造140は、回転軸部60の第2の軸部62の周面に形成される雄ねじ部141と、羽根車20の挿通孔25の内周面に形成される雌ねじ部142とを有している。雌ねじ部142は、雄ねじ部141に螺合可能に形成されている。
本実施形態では、羽根車20の雌ねじ部142を、回転軸部60の第2の軸部62の雄ねじ部141に螺合させることによって、羽根車20を回転軸部60の第2の軸部62に固定する。螺合することによって固定されるため、羽根車20は、回転軸部60と一体に回転可能に固定される。さらに、螺合することによって、羽根車20が回転軸部60に対して軸線C1に沿って移動することがないように固定される。
羽根車20を回転軸部60に螺合構造140によって固定した後、ダブルナット100によって、羽根車20をさらに固定している。
本実施形態では、第1の実施形態において図5を用いて説明したように、羽根車20とシム130との一体物をポンプ室31内に組み付ける際に、羽根車20を最大に締め込む。羽根車20を締め込むことによって、羽根車20が第2の側壁部52d側に移動する。さらに、羽根車20を最大に締め込むことによって、羽根車20と第2の側壁部52dの内面121との間にシム130が挟持されるようになる。
羽根車20と第2の側壁部52dの内面121との間にシム130が挟持されることによって、シム130が第1の実施形態で説明したように溶けることによって、羽根車20と第2の側壁部52dの内面121との間に、回転軸部60の軸方向に長さL2を有する隙間G2が形成される。
羽根車20が最大に締め込まれた状態でダブルナット100を締め込むことによって、回転軸部60に対する羽根車20の固定がより強固になる。
羽根車20と第2の側壁部52dの内面121との間にシム130が挟持されてカスケードポンプ装置10の組み立てが完了すると、第1の実施形態と同様に、通水試験が行われる。シム130は、通水試験時に流動する水によって溶ける。
本実施形態では、第1の実施形態と同様の効果が得られる。また、羽根車20を回転軸部60に固定する構造を、螺合構造140とすることによって、羽根車20を回転軸部60に、簡単に固定することができる。
なお、本実施形態では、ダブルナット100を用いているが、他の例としては、1つのボルトのみであってもよい。ここで用いる、ダブルナット100または1つのナットは、螺合構造140による、回転軸部60に対する羽根車20の固定を、さらに強固にするために用いられるものである。羽根車20と回転軸部60とを一体に回転可能とする固定構造として螺合構造140のみで十分である場合は、ダブルナット100は、用いなくてもよい。
なお、第1,2の実施形態では、通水試験時に用いられる流体は、水である。このため、シム130は、通水試験時に溶けてなくなるように、水溶性の材料で形成されている。他の例としては、カスケードポンプ装置10の流体の通りを確認する試験を行う際に用いる流体が水以外の液体である場合には、シム130は、この試験に用いられる液体によって溶ける材料で形成されてもよい。この場合、この試験に用いられる液体が、所定の流体の一例となる。
所定の流体は、水や上記の試験に用いられ液体のように液体であってもよい。または、ポンプ装置が気体を吐出するように構成される場合では、所定の流体は、所定の気体であってもよい。
また、カスケードポンプ装置10が通常運転時に例えば水以外の流体を吐出する場合では、シム130は、カスケードポンプ装置10が通常運転時に吐出する流体によって溶ける材料で形成されてもよい。この場合では、シム130は、通水試験時ではなく、カスケードポンプ装置10の通常運転時に溶けるようになる。
または、シムを溶かす流体は、試験(通水試験等)に用いられる流体や通常運転時に用いられる流体でなくてもよい。所定の流体として、シムを溶かすのみに用いられる流体が用いられてもよい。この場合、通水試験などの試験の前に、シムを溶かすべく、ポンプ室内にシムを溶かす作用を有する流体を流入する作業が必要となる。
また、本発明は、第1,2の実施形態では、カスケードポンプ装置10に用いられたが、他のポンプ装置に用いられてもよい。
この発明は、上述した実施の形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上述した実施の形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより種々の発明を形成できる。例えば、上述した実施の形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除しても良い。さらに、異なる実施形態の構成を組み合わせてもよい。
10…カスケードポンプ装置(ポンプ装置)、10A…カスケードポンプ装置(ポンプ装置)、20…羽根車、30…ポンプ部、31…ポンプ室、60…回転軸部、70…電動モータ(回転駆動部)、80…駆動部、90…連結機構(固定構造、連結機構)、100…ダブルナット(固定構造、移動規制部)、110…皿ばね(固定構造、付勢部)、130…シム(隙間形成部材)。
Claims (6)
- ポンプ室と、前記ポンプ室内に収容される羽根車とを具備するポンプ部と、
回転軸部と、前記回転軸部を回転する回転駆動部とを具備する駆動部と、
前記羽根車を前記回転軸部に、前記羽根車が前記回転軸部と一体に回転可能に、かつ、前記回転軸部の軸方向に沿う前記羽根車の移動を規制可能に固定する、固定構造と、
前記軸方向に前記羽根車の一方側と、前記ポンプ室の内面において前記軸方向に前記一方側と対向する部分との間に挟持される隙間形成部材であって、所定の流体によって溶ける性質を有する隙間形成部材と
を具備することを特徴とするポンプ装置。 - 前記所定の流体は、水であることを特徴とする請求項1に記載のポンプ装置。
- 前記所定の流体は、前記ポンプ部が通常運転時に吐出する流体である
ことを特徴とする請求項1に記載のポンプ装置。 - 前記固定構造は、
前記羽根車を前記回転軸部に連結する連結構造であって、前記羽根車が前記回転軸部に対して前記回転軸部の軸方向に移動可能に、かつ、前記羽根車と前記回転軸部とを一体に回転可能に連結する連結構造と、
前記回転軸部において前記羽根車の他方側に設けられて前記回転軸部に対する固定位置を前記軸方向に移動可能であるとともに、前記羽根車に当接することによって前記羽根車の移動を規制する移動規制部と、
前記羽根車を挟んで前記移動規制部に対して反対側に設けられて、前記羽根車を前記軸方向に沿って前記移動規制部側に付勢する付勢部と
を具備することを特徴とする請求項1〜3のうちのいずれか1項に記載のポンプ装置。 - 前記固定構造は、
前記回転軸部の周面に設けられた雄ねじ部と、
前記羽根車に設けられて前記雄ねじ部が螺合する雌ねじ部と
を具備することを特徴とする請求項1〜3のうちのいずれか1項に記載のポンプ装置。 - ポンプ室内において、回転軸部の軸方向に羽根車の一方側と、前記ポンプ室の内面において前記軸方向に前記一方側と対向する部分との間に、所定の流体によって溶ける性質を有する隙間形成部材を挟持し、
前記羽根車を前記回転軸部に、前記羽根車が前記回転軸部と一体に回転可能に、かつ、前記軸方向に沿う前記羽根車の移動を規制可能に固定し、
前記ポンプ室内に前記所定の流体を流入する
ことを特徴とするポンプ装置の製造方法。
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WO2021241146A1 (ja) * | 2020-05-26 | 2021-12-02 | 三相電機株式会社 | モータポンプ |
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2014
- 2014-08-11 JP JP2014163874A patent/JP2016037952A/ja active Pending
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