JP4392075B2 - 非接触icカード、その製造方法および製造装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、高い強度を有し、耐久性に優れる等の利点を有する非接触ICカードの製造方法および製造装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
次世代のカードとして注目されている非接触ICカードは、CPUとメモリ機能を内蔵したカードであり、かかる非接触ICカードは、薄い樹脂シートの間にICチップとアンテナコイルを入れ、これらを接着するラミネート方法によって製造される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような従来の非接触ICカードの製造方法では、表裏のシートをサンドイッチ状に貼り合わせているため、工数も多く、面倒な接着工程等があるため、自動化も難しい。
【0004】
このような製造方法の欠点を解消する方法として、複数枚の非接触形ICカードを形成し得る大きさの表裏の各シートの一方にアンテナコイル、ICチップを固定し、両シートを可動型と固定型とからなる金型にインサートして真空吸着して固定し、両シート間の隙間に溶融樹脂を射出し、金型を圧縮して成形して成形品を金型から取り出した後、該成形品から複数の非接触形ICカードを打ち抜いて形成するようにした製造方法も考えられている。
しかし、このような従来のインサート射出成形を用いた製造方法では、アンテナコイルとICチップとが挟み込まれた不織布を両シート間にインサートする方法の場合は、不織布を固定できず、実際には採用できない。
【0005】
本発明は、上記のような課題を解決するためなされたものであり、高い強度を有し、耐久性に優れる等の利点を有する非接触ICカードを、簡単な工程で、容易に製造することができる製造方法および製造装置を提供することを目的とする。
【0027】
【課題を解決するための手段】
このため、請求項1に係る発明の非接触ICカードの製造方法は、非晶質樹脂材若しくは結晶質樹脂材の結晶前非晶質材からなる所定厚さの基材と、ICチップ及び該ICチップに接続されて所定の媒体を介して情報及び電力を送受信するアンテナコイルを備え、前記基材に固定取付される非接触ICモジュールと、を含んで構成される非接触ICカードの製造方法であって、
治具表面に立設した複数のピン周りにアンテナコイルの巻線を形成する工程と、
治具側面にICチップを位置決めして配置すると共に、前記巻線の巻き始め線部と巻き終わり線部とをICチップに対して位置決めして配置する工程と、
巻線の巻き始め線部と巻き終わり線部とをICチップに溶接して固着する工程と、
巻線の巻き始め線部と巻き終わり線部とが接続されたICチップを、起こして治具の表面側でリング状の巻線の内側位置に折り曲げる工程と、
基材に、ICチップを埋め込むための取付孔を開加工する工程と、
基材表面に治具のアンテナコイルとICチップが位置する側の表面を当て、熱プレスにより、前記治具に熱を加えつつ圧力を加え、基材に結晶質にならない温度を加えつつ、ICチップを基材の取付孔に圧入すると共に、アンテナコイルを基材表面に熱圧着させる工程と、
を含むことを特徴とする。
【0028】
請求項2に係る発明は、基材の表面および裏面の少なくとも一方の面と当該面に露呈する非接触ICモジュールとに固着し、かつ、非接触ICモジュールを覆う所定機能を有するラベルを、前記基材の表面と裏面の少なくとも一方の面に貼着する工程を含むことを特徴とする。
【0029】
請求項3に係る発明は、基材の取付孔に圧入されたICチップを接着剤にて補強接着する工程を含むことを特徴とする。
【0030】
請求項4に係る発明は、大きな基材の複数箇所の取付孔に治具を用いてそれぞれICチップを圧入すると共に、該基材表面にアンテナコイルを熱圧着させた際には、大きな基材からカードサイズ分を打ち抜く工程を含むことを特徴とする。
【0031】
請求項5に係る発明の非接触ICカードの製造装置は、非晶質樹脂材若しくは結晶質樹脂材の結晶前非晶質材からなる所定厚さの基材と、ICチップ及び該ICチップに接続されて所定の媒体を介して情報及び電力を送受信するアンテナコイルを備え、前記基材に固定取付される非接触ICモジュールと、を含んで構成される非接触ICカードの製造装置であって、
基材表面にアンテナコイルとICチップとを位置決め配置した治具をセットする手段と、
セットされた治具に熱を加えつつ圧力を加えてアンテナコイルを基材表面に熱圧着すると共に、ICチップを基材の取付孔に圧入する熱プレス手段と、
を含むことを特徴とする。
【0032】
請求項6に係る発明は、基材の表面および裏面の少なくとも一方の面と当該面に露呈する非接触ICモジュールとに固着し、かつ、非接触ICモジュールを覆う所定機能を有するラベルを、前記基材の表面と裏面の少なくとも一方の面に貼着する手段を含むことを特徴とする。
【0041】
かかる発明の作用について説明する。
請求項1〜4に係る発明の非接触ICカードの製造方法において、非晶質樹脂材若しくは結晶質樹脂材の結晶前非晶質材からなる基材表面に治具をセットし、その後、治具に熱を加えつつ圧力を加えて治具にセットされたアンテナコイルとICチップとを基材表面に装着するようにしたから、高い強度を有し、耐久性に優れる等の利点を有する非接触ICカードを簡単な工程で容易に製造することができる。
【0042】
請求項5及び6に係る発明の非接触ICカードの製造装置において、基材表面にアンテナコイルとICチップとを位置決め配置した治具をセットする手段およびセットされた治具に熱を加えつつ圧力を加えてアンテナコイルを基材表面に熱圧着すると共にICチップを基材の取付孔に圧入する熱プレス手段等の手段により、高い強度を有し、耐久性に優れる等の利点を有する非接触ICカードを容易に製造することができる。
【0043】
【発明の実施の形態】
以下、添付された図面を参照して本発明を詳述する。図1は、本発明に係る非接触ICカードの製造方法および製造装置の一実施形態によって製造された非接触ICカードの一例を示している。この非接触ICカード1は、PVC、ABS、PC等の非晶質樹脂材若しくは結晶質樹脂材の結晶前非晶質材(例えば、非晶質PET、非晶質PEN、PETG等)からなる所定厚さの方形状の基材2と、ICチップ3及び該ICチップ3に接続されて所定の媒体を介して情報及び電力を送受信するアンテナコイル4を備え、前記基材2に固定取付される非接触ICモジュール5と、基材2の表面および裏面の少なくとも一方の面(この例では両面)に、該面と当該面に露呈する非接触ICモジュール5とに固着し、かつ、非接触ICモジュール5を覆うように貼着される方形状のラベル6,7と、を含んで構成される。
【0044】
前記基材2とICチップ3とは、略同じ厚さに形成されている。
なお、基材2とICチップ3の厚さは、非接触ICカード1の使用目的に応じて選定され、例えば商品に付されてその価格等の情報を識別するバーコードに代わって利用可能なタグ等として使用するものでは、薄く形成され、キャッシュカード等して使用するものでは、厚く形成される。
【0045】
また、前記ラベル6,7は、基材2よりも小さく形成され、基材2の縁から1mm以上の間隔を有するように形成される。
なお、本実施形態において、ラベル6,7は、基材2の表面および裏面の両方に貼着され、表面側のラベル6は方形状に形成され、裏面側のラベル7は、表面側のラベル6より小さい短冊状に形成される。
【0046】
ICチップ3は、基材2に設けられた取付孔2Aに埋め込まれて固定され、接着剤にて補強接着されている。
また、アンテナコイル4は、基材2表面に圧着固定されている。
一方、ラベル6,7は、基材と、粘着剤或いは接着剤から構成されている。
なお、粘着剤と接着剤の両方を混在して使用しても良い。
【0047】
ラベル6,7の基材材料としては、樹脂製シート、紙、金属製シート、不織布のうちいずれかが採用される。前記粘着剤或いは接着剤は、べた塗りされる。ここで、上記の非接触ICカード1は、次のようにセキュリティ機能を有している。
【0048】
即ち、非接触ICカード1は、例えば表面側のラベル6(以下、ラベルと称するときはこれを指す)を剥がしたときに非動作状態となる構成とする。
この構成の具体例としては、
(1)アンテナコイル4の一部に、基材2表面との非圧着部を設け、ラベル6を剥がした際に、該ラベル6に固着された非圧着部が破断される構成。
(2)ICチップ3を、破断すると動作しなくなるライン部(例えば、後述するICチップ3とアンテナコイル4との溶接部等)がラベル6に固着されるように設け、ラベル6を剥がした際に、該ラベル6に固着されたライン部が破断される構成。
【0049】
また、非接触ICカード1は、ラベル6を剥がしたか否かを判定可能な構成とする。
この構成の具体例としては、
(1)ラベル6の貼着面に、ラベル6を剥がした際に基材2表面に印刷痕として残留するような印刷を施す。
(2)ラベル6の貼着面の一部に、ラベル6を剥がした際に基材2表面に痕として残留するような接着剤を施す。
(3)ラベル6は、基材2の表面に付与された情報が書き込まれる情報機能部を有し、基材2の表面に付与された情報とラベル6の情報機能部に書き込まれた情報とを比較してラベル6を剥がしたか否かを判定するようにする。
【0050】
さらに、ラベル6自体がセキュリティ機能を有する構成としても良い。
この具体例としては、
(1)ラベル6は、リライト機能からなる情報機能部を有するようにする(リライト機能ラベル)。
(2)ラベル6は、2次元および3次元バーコードからなる情報機能部を有するようにする。
(3)ラベル6は、写真用印画処理部からなる身分認証機能部を有するようにする。
(4)ラベル6は、サインからなる身分認証機能部を有するようにする。
(5)ラベル6は、液晶や蛍光物質を含んだ特殊インク等の所定の物質で印刷された印刷部からなる偽造防止機能部を有するようにする。
【0051】
(1)のリライト機能ラベルは、非接触ICカードの再利用のためのもので、感熱方式、磁気方式、レーザ方式、その他の方式のものがある。
【0052】
前記感熱方式では、透明/白濁型の場合、「高分子化合物」、「有機分子+高分子化合物」、「高分子液晶」等がある。
この透明/白濁型は,材料への加熱後の冷却速度により、相変化を制御して透明または白濁を生じさせる。
また、発色/消色型の場合、「ロイコ染料」等がある。
この発色/消色型は、加熱により発色させ、急冷すると発色を維持し、除冷すると、消色する。
【0053】
磁気方式では、磁気性カプセルを用いたものでは、「可逆性磁気記録型」、「可逆性熱磁気記録型」等がある。
これは、フレーク状磁性金属粉をマイクロカプセル化し、これを磁力により水平または垂直に配列させる。水平に配列すると、光を反射して明状態に、垂直に配列すると、吸収して暗状態になる。
また、磁性粒子付着を用いるものもある。
これは、磁化した磁性材料に磁性粒子を付着させて表示するもので、磁性粒子を動かすことで、表示されている文字が消えるタイプである。
【0054】
レーザ方式では、結晶/非晶型等がある。
その他の方式では、「サーモクロミック」、「フォトクロミック」、「エレクトロクロミック」、「LCD」等がある。
前記「サーモクロミック」は、温度により明るくなったり、暗くなったりするものであり、例えば、その反応温度を利用して温度計等に利用されている。
前記「フォトクロミック」は、紫外線を照射すると目に見えるようになり、白色光では判読できないもので、遊園地等で再入場させる場合のスタンプ等に利用されている。
前記「エレクトロクロミック」は、材料の酸化還元状態の色の違いを利用するものである。
前記「LCD」は、薄型の電気表示器でICカードに組み込み、内容の確認表示に使用する。
【0055】
また、ラベル6若しくは基材2を、指紋によるセキュリティ機能を有する構成としても良い。
この具体例としては、
(1)基材2に、指紋情報を付与する。
(2)ラベル6を、その一部を透明に形成して、該透明部から目視可能なその貼着面に印刷された指紋部からなる偽造防止機能部を有するようにする。
(3)ラベル6を、その粘着剤および接着剤の少なくとも一方に混入された所定の物質から構成された指紋部からなる偽造防止機能部を有するようにする。
【0056】
この場合、指紋照合装置にカードを挿入して、カードの偽造をチェックする。
なお、この照合の仕方としては大きく分けて2種類あり、指紋の中で特徴が多い部分を選び出して、その部分をチェックするか、指紋の紋様の途切れや枝分かれといった、より細かい特徴部分を複数抽出して記憶し、その特徴部分を逐一照合していく。
【0057】
なお、かかる非接触ICカード1は、非晶質樹脂材若しくは結晶質樹脂材の結晶前非晶質材からなる所定厚さの基材2に、ICチップ3とアンテナコイル4とからなる非接触ICモジュール5を固定取付した構成であるから、強度的に優れたカードとなり、長期の使用によって、割れや剥がれ、摩耗等が発生する虞が少ないと共に、ICチップ3は取付孔2Aに埋め込まれているため、割れ等も発生し難く、耐久性に優れ、長寿命であるという特徴がある。
【0058】
また、ラベル6を、基材2の表面および裏面の少なくとも一方の面に貼着して、該一方の面と当該面に露呈する非接触ICモジュール5とに固着させているため、非接触ICモジュール5を保護することができ、より耐久性に優れ、長寿命である。
【0059】
さらに、かかる非接触ICカード1は、例えば表面側のラベル6を剥がしたときに非動作状態となる構成、ラベル6を剥がしたか否かを判定可能な構成、ラベル6自体がセキュリティ機能を有する構成、ラベル6若しくは基材2を、指紋によるセキュリティ機能を有する構成としたから、通常携帯時において、カード所有者が正規の者であるか否かの判別や、カードを紛失等した場合において、同様のカード所有者が正規の者であるか否かの判別や、偽造防止等が確実であり、高いセキュリティ性を有している。
【0060】
また、ラベル6,7を、基材2よりも小さく形成してあるため、基材2とラベル6,7の境界部がカード周縁部にはなく、カード周縁部からラベル6,7が剥がれるようなことがない。さらに、ラベル6,7の基材材料を、樹脂製シート、紙、金属製シート、不織布のうちいずれかで形成してあるため、ラベル6,7を安価に製造でき、その耐久性も高い。
【0061】
この場合、ラベル6,7を、基材と、粘着剤および接着剤の少なくとも一方と、から構成してあるため、ラベル6,7を簡単にこの基材に貼着することができ、粘着剤および接着剤の少なくとも一方を、べた塗りで容易に基材に塗り付けることができる。
【0062】
次に、かかる非接触ICカード1の製造方法の一実施形態について説明する。
先ず、この非接触ICカード1の製造に当たって用意する材料は、アンテナコイル4を製造する線材、ICチップ3、基材3、ラベル6,7である。
なお、前記線材は、中心部のCu線(例えば直径40μm)と外周囲のポリウレタン層と融着層(例えば厚さ1〜20μm)とから構成する。
【0063】
前記ICチップ3(例えば厚さ675μm)は、次のように形成される。
例えばAlパッド部にNiメッキバンプを形成する。Niメッキバンプは、その外周部に0.05μmの厚さのAuメッキ層を設けて、1辺が約100μmの四角形で、10〜15μmの厚さに形成される。
前記基材2は、ポリエステルシート、或いは、Mpetシート(ポリエチレンテレフタレートに無機フィラーを添加したコンポジットシート:ユニチカ製)に対して上下面にGpetシート(イーストマン ケミカル ジャパン製)を重合した複合材を用いる。
【0064】
この非接触ICカード1の製造方法は、次の工程からなる。
(1)複数のピン8Aが立設された治具8表面の該ピン8A周りに沿ってアンテナコイル4の巻線4A(例えば4〜5ターン)を形成する(図2参照)。
【0065】
(2)治具8の側面にICチップ3のNiメッキバンプ3Aを位置決めして配置すると共に、上記巻線4Aの巻き始め線部と巻き終わり線部とをNiメッキバンプ3Aに対して位置決めして配置する(図2参照)。
【0066】
(3)巻線4Aの巻き始め線部と巻き終わり線部とをNiメッキバンプ3Aに抵抗溶接(モリブデン箔9に電極を接続して通電する)にて固着する(図3参照)。
【0067】
(4)巻線4Aの巻き始め線部と巻き終わり線部とが接続されたICチップ3を、起こして治具8の表面側でリング状の巻線4Aの内側位置に折り曲げる。
【0068】
(5)基材2にICチップ3を埋め込むための取付孔2A及び治具8表面のピン8Aの逃げ孔2Bを開加工する。
【0069】
(6)基材2表面に治具8のアンテナコイル4の巻線4AとICチップ3のNiメッキバンプ3Aが位置する側の表面を当て、熱プレスにより、治具8に熱を加えつつ圧力を加え、基材2にこれが結晶質にならない温度(例えば80°C)を加えつつ、ICチップ3を基材2の取付孔2Aに圧入すると共に、アンテナコイル4の巻線4Aを基材2表面に熱圧着させる(図4参照)。
【0070】
(7)基材2の取付孔2Aに圧入されたICチップ3を接着剤にて補強接着する。
【0071】
(8)ラベル6,7を基材2の表面と裏面にそれぞれ貼着する。
なお、大きな基材からカードを複数枚取りする場合には、大きな基材の複数箇所に上記の治具を用いてそれぞれICチップを基材の取付孔に圧入すると共に、アンテナコイルの巻線を基材表面に熱圧着させ、
(9)大きな基材からカードサイズ分を打ち抜く。
【0072】
かかる構成の非接触ICカード1の製造方法によれば、非晶質樹脂材若しくは結晶質樹脂材の結晶前非晶質材からなる基材2表面に治具8をセットし、その後、治具8に熱を加えると共に圧力を加えて治具8にセットされたアンテナコイル4とICチップ3とを基材2表面に装着するようにしたから、上述したような利点、即ち、高い強度を有し、耐久性に優れる等の利点を有する非接触ICカードを、簡単な工程で、容易に製造することができる。
【0073】
図5は、上記の非接触ICカード1を製造する装置の一実施形態の概略構造を示しており、この製造装置は、基材2表面にアンテナコイル4とICチップ3とを位置決め配置した治具8をセットする手段と、セットされた治具に熱を加えつつ圧力を加えてアンテナコイル4を熱圧着すると共にICチップ3を取付孔2Aに圧入する熱プレス手段と、ラベル6,7を基材2の表面と裏面に貼着する手段と、を含んで構成される。
【0074】
即ち、基材2を載置支持する支持台10が設けられ、この支持台10の上方に、セット手段と熱プレス手段と貼着手段とが配設される。
前記支持台10は第1のアクチュエータ11により往復動スライドされる。
前記セット手段は、先端部に治具8を保持する保持ヘッド12Aと、該保持ヘッド12Aを上下にスライド動作させる第2のアクチュエータ12Bと、を含んで構成される。
【0075】
前記熱プレス手段は、プレス具13Aと該プレス具13Aを上下にスライド動作させる第3のアクチュエータ13Bと、を含んで構成される。
前記貼着手段は、先端部にラベル6を保持する保持ヘッド14Aと、該保持ヘッド14Aを上下にスライド動作させる第4のアクチュエータ14Bと、を含んで構成される。
【0076】
かかる構成の装置において、基材2は支持台10上にセットされ、この基材2表面に保持ヘッド12Aにより保持された治具8が第2のアクチュエータ12Bの下方スライドによりセットされる。
その後、支持台10が前方にスライドされ、次に、基材2表面上の治具8が第3のアクチュエータ13Bの下方スライドにより下方に向けて押動されたプレス具13Aによって押圧されて基材2にアンテナコイル4が熱圧着されると共に、ICチップ3が取付孔2Aに埋め込まれる。
【0077】
その後、支持台10がさらに前方にスライドされ、基材2表面に保持ヘッド14Aにより保持されたラベル6が第4のアクチュエータ14Bの下方スライドにより貼着される。
【0078】
かかる動作が繰り返し実行され、基材2が順次支持台10上にセットされて、治具8のセットと、アンテナコイル4の熱圧着とICチップ3の埋め込みと、ラベル6の貼着とが行われて、非接触ICカード1が製造される。
【0079】
また、かかる非接触ICカード1の製造装置によれば、基材2表面にアンテナコイル4とICチップ3とを位置決め配置した治具8をセットする手段およびセットされた治具8に熱を加えつつ圧力を加えてアンテナコイル4を熱圧着すると共にICチップ3を取付孔2Aに圧入する熱プレス手段等の手段により、上述したような利点、即ち、高い強度を有し、耐久性に優れる等の利点を有する非接触ICカードを容易に製造することができる。
【0088】
【発明の効果】
請求項1〜4に係る発明の非接触ICカードの製造方法によれば、非晶質樹脂材若しくは結晶質樹脂材の結晶前非晶質材からなる基材表面に治具をセットし、その後、治具に熱を加えると共に圧力を加えて治具にセットされたアンテナコイルとICチップとを基材表面に装着するようにしたから、高い強度を有し、耐久性に優れる等の利点を有する非接触ICカードを簡単な工程で容易に製造することができる。
【0089】
請求項5及び6に係る発明の非接触ICカードの製造装置によれば、基材表面にアンテナコイルとICチップとを位置決め配置した治具をセットする手段およびセットされた治具に熱を加えつつ圧力を加えてアンテナコイルを基材表面に熱圧着すると共にICチップを基材の取付孔に圧入する熱プレス手段等の手段により構成されるので、高い強度を有し、耐久性に優れる等の利点を有する非接触ICカードを容易に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る非接触ICカードの製造方法および製造装置によって製造された非接触ICカードの一例を示す図で、(A)は表面側を示し、(B)は裏面側を示す
【図2】 同上の非接触ICカードの製造に用いる治具を示す図で、(A)は正面図、(B)は側面図
【図3】 アンテナコイルとICチップとの溶接方法を示す概略図
【図4】 治具を熱プレスにより押圧してICチップを基材の取付孔に圧入すると共に、アンテナコイルを基材表面に熱圧着させる方法を示す概略図
【図5】 同上の非接触ICカードの製造方法を実施する装置の一例を示す概略図
Claims (6)
- 非晶質樹脂材若しくは結晶質樹脂材の結晶前非晶質材からなる所定厚さの基材と、ICチップ及び該ICチップに接続されて所定の媒体を介して情報及び電力を送受信するアンテナコイルを備え、前記基材に固定取付される非接触ICモジュールと、を含んで構成される非接触ICカードの製造方法であって、
治具表面に立設した複数のピン周りにアンテナコイルの巻線を形成する工程と、
治具側面にICチップを位置決めして配置すると共に、前記巻線の巻き始め線部と巻き終わり線部とをICチップに対して位置決めして配置する工程と、
巻線の巻き始め線部と巻き終わり線部とをICチップに溶接して固着する工程と、
巻線の巻き始め線部と巻き終わり線部とが接続されたICチップを、起こして治具の表面側でリング状の巻線の内側位置に折り曲げる工程と、
基材に、ICチップを埋め込むための取付孔を開加工する工程と、
基材表面に治具のアンテナコイルとICチップが位置する側の表面を当て、熱プレスにより、前記治具に熱を加えつつ圧力を加え、基材に結晶質にならない温度を加えつつ、ICチップを基材の取付孔に圧入すると共に、アンテナコイルを基材表面に熱圧着させる工程と、
を含むことを特徴とする非接触ICカードの製造方法。 - 基材の表面および裏面の少なくとも一方の面と当該面に露呈する非接触ICモジュールとに固着し、かつ、非接触ICモジュールを覆う所定機能を有するラベルを、前記基材の表面と裏面の少なくとも一方の面に貼着する工程を含むことを特徴とする請求項1記載の非接触ICカードの製造方法。
- 基材の取付孔に圧入されたICチップを接着剤にて補強接着する工程を含むことを特徴とする請求項1または2記載の非接触ICカードの製造方法。
- 大きな基材の複数箇所の取付孔に治具を用いてそれぞれICチップを圧入すると共に、該基材表面にアンテナコイルを熱圧着させた際には、大きな基材からカードサイズ分を打ち抜く工程を含むことを特徴とする請求項1〜3のうちいずれか1つに記載の非接触ICカードの製造方法。
- 非晶質樹脂材若しくは結晶質樹脂材の結晶前非晶質材からなる所定厚さの基材と、ICチップ及び該ICチップに接続されて所定の媒体を介して情報及び電力を送受信するアンテナコイルを備え、前記基材に固定取付される非接触ICモジュールと、を含んで構成される非接触ICカードの製造装置であって、
基材表面にアンテナコイルとICチップとを位置決め配置した治具をセットする手段と、
セットされた治具に熱を加えつつ圧力を加えてアンテナコイルを基材表面に熱圧着すると共に、ICチップを基材の取付孔に圧入する熱プレス手段と、
を含むことを特徴とする非接触ICカードの製造装置。 - 基材の表面および裏面の少なくとも一方の面と当該面に露呈する非接触ICモジュールとに固着し、かつ、非接触ICモジュールを覆う所定機能を有するラベルを、前記基材の表面と裏面の少なくとも一方の面に貼着する手段を含むことを特徴とする請求項5記載の非接触ICカードの製造装置。
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