JP4391875B2 - 埋設管の検査方法 - Google Patents
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- Investigating Or Analyzing Materials By The Use Of Ultrasonic Waves (AREA)
Description
置の主要部である振動センサー並びにその検査装置を使用して埋設管を検査する方法に関
するものである。
や漏水等の事故が増加しつつある。このため適切な劣化診断とその診断結果に基づく適切
な修繕・更新が要請されている。
この下水管路や農水管路の劣化診断においては、一般に、修繕・改築工事の順番及び工
事方法を決定するために、調査流域を構成する要素区域間の劣化進行度の順位付けや定量
的な劣化レベルの進行度の把握が必要である。
従来では、目視やTVカメラを用いて外観調査を行い、必要に応じコア抜きにより得た
試料の物性を調査しているが、直視し得る劣化しか捉えることができず、管外周や肉厚内
の劣化が見逃されてしまい、劣化の程度を適切に定量的に把握することが困難である。ま
たは、定量的なデータを収集するには、コアを大量に抜く必要があり、健全管体の強度低
下が余儀なくされ、作業コストの過大化も避けられない。
しかしながら、超音波法では、入力波としての超音波が高周波であり、エネルギーも小
さいので、入力波をコンクリート中に伝播させ難く、コンクリート製品の検査には適さな
い。
打音法では、マイクロフォン等の非接触式の音響機器で信号を受信しているために、周
囲の雑音の影響を受け易い、打撃点の裏面側の反射の影響を受け易い、定量的な解析・診
断に個人差が生じ易い等の不都合があり、診断精度に問題がある。
衝撃弾性波法は、被検査体に打撃等の機械的衝撃で弾性波を入力し、被検査体に接触さ
せた振動子が受振した波形の周波数スペクトルを求め、その周波数スペクトルの解析・判
定により劣化診断を行う方法であり、本出願人においては、衝撃弾性波法を利用した埋設
管の診断システムを既に提案している。(例えば、特許文献1、非特許文献1、非特許文
献2等)
置を示している。
図7において、20’は台車、21a’は台車20’に取付けた第1アーム、A’は第
1アーム21a’の先端に装着した振動センサー、21b’は台車20’に取付けた第2
アーム、B’は第2アーム21b’の先端に装着したハンマー、4’は制御ユニット、5
’は操作・データ記録及び解析を行うコンピュータであり、第1アームの操作によって振
動センサーを被検査管体の内面に接触させ、次いで第2アームを操作し、更にハンマーを
操作して管体内面を打撃し、この打撃により発生した弾性波を振動センサーに受振させ、
その受振波形の周波数スペクトルを高速フーリエ変換プログラムで求め、この周波数スペ
クトルの解析判定に基づき埋設管の劣化診断を行っている。
管端での反射、クラック等の欠陥箇所での反射・透過を経て入力点に到来し、その到来波
xには、管体の曲げ剛性EI、減衰係数c、経過時間t、入力点と受振点との距離L等が関
与し、
に複雑な分布パターンとなり、固有振動周波数で最大ピークとなり、管体にひび割れが存
在すると、管体の曲げ剛性の低下のために固有振動周波数(最大ピーク周波数)が低周波
域側にシフトし、同周波数スペクトルの(低周波域成分)/(高周波域成分)の比が増加
し、最大ピーク値が減少し、特に、管体のひび割れが管軸方向であるときは、分割された
質量の異なるコンクリート部分が衝撃によってそれぞれ別個に振動するものの、連成振動
における相互作用により減衰時間に影響が現れるために所定強度以上のピーク本数が少な
くなり、劣化の程度、ひび割れのパターンに応じた情報を得ることができて定量的な劣化
診断を行うことが可能になる。
キが避けられず、振動センサーの受振波でこのガタツキ箇所に衝突音が発生し、この衝突
音やハンマー打撃により発生する弾性波がアームを経て振動センサーに伝播され、この伝
播波がノイズとなって測定誤差となる問題がある。
このため、アームに防振機構を組み込んでいるが、検査装置の構造の複雑化、高価格化
が避けられない。
動センサーへのノイズの侵入を簡易な構成で防止して検査装置全体の簡易な構成を保持し
つつ高精度のデータを得ることにある。
のち、打撃具支持手段を操作して被検査管体内面を打撃し、前記振動センサー本体が受振した波形の周波数スペクトルを求め、この周波数スペクトルの解析・判定により埋設管の劣化診断を行い、前記の打撃・受振の間、打撃具支持手段の作動で発生する弾性波が検査装置を伝って接触子に伝播するのを前記弾性支持具で軽減乃至は防止することを特徴とする。
の圧力センサーをセンサーのケース内に設けており、振動センサー支持手段に圧力センサ
ーを設ける必要がないから、センサー支持手段の構造を簡易化できる。また、振動センサ
ー支持手段側からのノイズを、弾性支持治具のバネ常数の調整、またはゴムや発泡材やゲ
ル材等の除振部材の弾性支持治具への付加により軽減もしくは遮断でき、正確な受振波デ
ータを得ることができると共に振動センサー支持手段に除振機構を設ける必要がないので
、センサー支持手段の構造を簡易化できる。
本発明に係る検査装置では、ハンマー打撃により発生する弾性波の一部の振動センサー
支持手段及びハンマー支持手段を経ての振動センサー接触子への伝播を振動センサー内の
弾性支持治具により軽減乃至は防止でき、また、振動センサー支持手段及びハンマー支持
手段のギア機構の遊びでの衝突音発生源となり得る受振弾性波の一部の両支持手段への伝
播を振動センサー内の弾性支持治具により軽減乃至は防止できるので、正確な受振波デー
タを得ることができると共に振動センサー支持手段及びハンマー支持手段に除振機構を設
ける必要がないので、これら支持手段の構造を簡易化できる。
本発明に係る埋設管の検査方法では、ノイズの無い受振波から正確な周波数スペクトル
を求めることができ、埋設管の劣化診断を正確に行うことができる。
図1の(イ)は本発明に係る振動センサーの実施例を一部を断面で示す側面図、図1の
(ロ)は図1の(イ)におけるロ−ロ断面図、図1の(ハ)は図1の(イ)におけるハ−
ハ断面図、図1の(ニ)は同上実施例の上面図である。
図1において、11はケースであり、111センサー本体収容室と圧力伝達治具収納室
112とを備えている。12はケース11の圧力伝達治具収納室112内に上下に摺動可
能に収容された圧力伝達治具であり、圧縮に対して剛直な六面壁立体から構成されている
。13はケース下端に螺子等で固着された下蓋であり、ロードセル等の圧力センサー14
が固定され、この圧力センサー14の接触子141が圧力伝達治具12の下面に接触され
ている。10は振動センサー本体であり、螺子式接触子101が着脱可能とされ、長さの
異なる接触子101の交換により接触子101の突出長さが所定長さに設定されている。
15は弾性支持治具であり、筒形であって圧力伝達治具12の上面に載置され、この筒
形弾性支持治具15内に振動センサー本体10が差し込まれ、振動センサー本体10の上
側鍔部102(ナットの螺合により設けることができる)が支持治具15の上端で支承さ
れ、振動センサー本体下端部103が圧力伝達治具上面の孔121に挿通されている。1
04は振動センサー本体10の電気ケーブル、142は圧力センサー14の電気ケーブル
であり、圧力伝達治具12のケーブル挿通孔122を経てケース11より引出されている
。
の伝播を緩和乃至は遮断するために、図2の(イ)に示すバネ常数を調節したバネ製円筒
治具、図2の(ロ)に示すゴム製筒や発泡樹脂筒等の緩衝材製円筒治具、図2の(ハ)に
示す金属筒片150の上端または下端あるいは上下端に緩衝材製筒片151、152を固
着したもの等を使用することが好ましい。
ンサー10の鍔102の外郭よりも小さな孔161が設けられ、この孔161から振動セ
ンサー本体10の接触子101が頭出され、センサー本体10が接触子101の接触点の
上下変位に追従して上下に移動可能とされている。
何れの方式であってもよく、センサー素子には抵抗線ひずみゲージ、ピエゾ効果を利用し
た半導体ゲージ、圧電磁器等の圧電型加速度ピックアップ等を使用できる。
本発明に係る振動センサーは、下水管路や農水管路内で使用されるときに下水等に触れ
易い部位、特に上蓋16、振動センサーの接触子101、ケース11、下蓋13には耐食
金属製、例えばアルミ合金製、SUS製とすることが好ましい。
図3の(イ)において、20は台車であり、マンホールと管路との間の直交空間を経て
の管路内への搬入を容易に行い得るように図3の(ロ)に示すように中折れ可能としてあ
る。21aは振動センサー支持手段として台車に取付けられた第1アーム、21bはハン
マー支持手段としての第2アームであり、それぞれ下端がギア機構を介してサーボモータ
軸に連結され、サーボモータの駆動により傾動可能とされている。Aは本発明に係る振動
センサーであり、第1アーム21aの先端に固定されている。Bは打撃具としてのインパ
ルスハンマーであり、バネ式、油圧式のインパクター22を備え、第2アーム21bの先
端に固定されている。
上記アームは上下にラック機構やシリンダー機構により可動とする方式とすることもで
きる。
また、ハンマー打撃点と振動センサー接触点間の距離(入力点と出力点との間の距離)
を調整するためにアームを水平方向にも可動制御可能とすることもできる。
上記アームに代え、振動センサーを支持して管内面の所定の位置に接触子を接触させ得
、ハンマーを支持して管内面の所定の位置を打撃できるものであれば、適宜の支持手段を
使用できる。
打撃具としては、インパルスハンマー以外にハンマー、鋼球等が使用できるが、打撃は
常に同じ力で加えることが望ましいので、例えばシュミットハンマーやバネ、ピストン等
を用いてハンマー、鋼球等を打ち出すもの、または一定の高さから鋼球等を落下させるも
のを使用することが望ましい。インパルスハンマーを使用した際は、入力情報の数値デー
タを計測しておき、解析時に反映させるようにしておくことが望ましい。
図4において、まず第1アーム21aを傾動させて振動センサーAの接触子101を管
路内面に接触させ、振動センサーAの圧力センサー〔図1の(イ)の符号14〕の圧力信
号で第1アーム21aを制御して接触子101の接触圧を所定の圧力に設定する。次いで
、第2アーム21bを所定の高さまで傾動させ、その所定の高さでハンマーBのインパク
ター22を動作させ管内面を打撃して入力弾性波を発生させ、振動センサーAの接触子1
01にその弾性波を受振させる。
本発明に係る振動センサーにおいては、図1の(イ)に示すように振動センサー本体1
0とケース11との間に振動吸収機能に優れた弾性支持治具15、例えばバネ常数を調節
したバネ製円筒治具、ゴム製筒や発泡樹脂筒等の緩衝材製円筒治具、金属筒片の上端また
は下端あるいは上下端に緩衝材製筒片を固着した複合治具等を介在させてあるから、図4
において、ハンマーBの打撃振動がアーム21b,21aを経て振動センサー本体に伝播
するのをよく防止でき、管体を伝播してくる弾性波のみを振動センサー本体に受振させ得
てノイズを含まない正確な入力を受振できる。この場合、図1の(イ)に示すように、振
動センサー本体10の電気ケーブル104を圧力伝達治具12に設けた孔122を経てケ
ース11外に引出してあり、弾性支持治具15に電気ケーブル引出し孔を設ける必要がな
いから、支持治具15の振動吸収機能を良好に保障でき、正確な入力の受振を確保できる
。
力点に至るまでの距離が長くなり、その間での減衰が大きくなって欠陥情報が弱くなるか
ら、出力点と入力点との距離は管体長さの1/4以上とすることが好ましい。
に設定することができる。この場合、ハンマー→第2アーム→台車→管体→台車→第1ア
ームの経路を経てのハンマー打撃音の振動センサー本体への伝播が弾性支持治具で遮断さ
れ、この場合も、管体を伝播してくる弾性波のみを振動センサー本体に受振させ得てノイ
ズを含まない正確な入力を受振できる。
を呈し(以下、この最大ピーク値を呈する周波数を最大ピーク周波数ともいう)、被検査
管体にクラック等の欠陥があると、管の曲げ剛性の低下のために最大ピーク周波数が低周
波域側にシフトされる。同じ理由で、(低周波成分)/(高周波成分)の比も大きくされ
る。また、被検査管体にクラック等の欠陥があると、振動が伝播し難くなって最大ピーク
の強度値が小さくされる。また、管体に周方向クラックがあると、分割された質量の異な
るコンクリート部分が衝撃によってそれぞれ別個に振動するものの、連成振動における相
互作用により減衰時間に影響が現れるために所定強度以上のピーク本数が少なくされる。
することは、前記した振動の基本式〔数1〕において減衰係数cや実質的な曲げ剛性EIの
変化(土圧が高くなると、管の拘束度が増し、実質的に剛性EIが高くなる)を想定すれば明
らかである。
しかしながら、本発明者等の鋭意実験結果によれば、前記したピーク周波数、(低周波
成分)/(高周波成分)の比、ピーク本数は実質的に変化せず、受振弾性波の波高値の減
少にとどまる(これは、管内水位の上昇に比例して管内の水中に出力弾性波の一部が放出
され、管上土圧の上昇に比例して覆土中に出力弾性波の一部が放出されるものと推定され
る)。
実験結果によれば、JISA 5303 B型1種に基づく呼び径250mmのコンク
リートヒュームの出力弾性波の波高値に対する水位x%での補正係数aは、
で与えられ、覆土厚さymでの補正係数bは、
で与えられる。
とに、弾性波を入力し、その入力に対する受振弾性波を記録し、この受振弾性波を高速フ
ーリエ変換プログラムで処理して周波数スペクトルを得、この周波数スペクトルを解析し
て劣化判定するが、診断基準の統一のために入力及び入力点と出力点の位置や距離が極力
同じにされる。
前記の数式1から明らかなように、出力は入力f(t)のレベル(波高値)により変化さ
れる。従って入力のレベル差の影響を排除するために、(出力波の周波数スペクトル)/
(入力波の周波数スペクトル)で与えられる伝達関数を解析することが有効である。
インパルスハンマーによる入力弾性波の時間長さはほぼ120μsである。受振弾性波
の測定時間は通常800×10μsとされる。周波数スペクトルの周波数は0.5〜10
kHz(0.5kHz以下の低周波域は雑音排除のためにカット)とされる。
フローに従って進めることができる。この場合、一本の管体の衝撃弾性波試験を行えば、
次の管体内に検査装置を移行させるが、陥没が過酷な場合は衝撃弾性波試験を行うまでも
なく重劣化と判定する。
図4において、3はTVカメラを示し、陥没の程度はTVカメラの監視により行い、管
路内面を監視しつつ検査装置を移行させる。4は制御ユニット、5は操作信号を入力した
り、データ記録、高速フーリエ変換を行うパソコンやTVカメラモニタを示している。
埋設管の劣化診断を行うには、まず、埋設管路の各管体に対し、本発明に係る検査装置
を使用して衝撃弾性波試験を行い、振動センサーが受振する入力弾性波をパソコンに保存
し、高速フーリエ変換ソフトによりその入力弾性波をフーリエ変換して周波数スペクトル
の伝達関数を求める。埋設深さy(m)を測定し、また管内水位x(%)を測定しておき
、前記の式2及び式3により補正係数を算出し、埋設深さに対する補正及び管内水位によ
る補正を行い、補正された周波数スペクトルの伝達関数を求める。
この補正した周波数スペクトルの伝達関数を解析し、最大ピークのスペクトル強度値4
0%以上のピーク本数を求め、ピーク本数が2本以下であれば〔図6の(ロ)参照〕、軸
方向クラック在りと診断し、ピーク本数が3本以上であれば〔図6の(ハ)、図6の(ニ
)参照〕、最大ピークの強度値を解析し、予め求めておいた健全管体の周波数スペクトル
伝達関数〔図6の(イ)参照〕と比較して最大ピークの強度値が顕著に減少しているもの
〔図6の(ハ)参照〕では周方向クラック在りと診断し、最大ピークの強度値の減少程度
が小さなもの〔図6の(ニ)参照〕では管厚み減少と診断することができる。
3B型1種の呼び径250mm、管長さ2mのコンクリート製ヒューム管について、入力
点と受振点との距離を1950mmとし、ハンマーにインパルスハンマーを使用し、振動
センサー本体にキーエンス社製GH−313Aを使用し、弾性支持具にゴムを使用し、受
信アンプにキーエンス社製GA−245を、データロガーにキーエンス社製NR−200
0をそれぞれ使用し、高速フーリエ変換プログラムに株式会社アブティック製を使用して
求めたものである。
B ハンマー
10 振動センサー本体
101 接触子
11 ケース
14 圧力センサー
15 弾性支持具
20 台車
21a 振動センサー支持手段
21b ハンマー支持手段
Claims (1)
- 振動センサー本体がケース内に弾性支持具により支承され、振動センサー本体の接触子がケース外に頭出され、該接触子の接触圧力が前記弾性支持具を経て伝達されて接触圧力制御信号を発生する圧力センサーがケース内に設けられている振動センサーを使用して埋設管を検査する方法であり、振動センサーをケースにおいて支持した支持手段と、打撃具を支持した支持手段とが架台上に搭載され、振動センサー内の圧力センサーからの制御信号によって接触子の接触圧力を所定圧力に設定するための制御機構及び打撃具操作機構が設けられた検査装置を埋設管の被検査管体内に導入し、振動センサー支持手段を操作して接触子を被検査管体内面に所定の圧力で接触させ、而るのち、打撃具支持手段を操作して被検査管体内面を打撃し、前記振動センサー本体が受振した波形の周波数スペクトルを求め、この周波数スペクトルの解析・判定により埋設管の劣化診断を行い、前記の打撃・受振の間、打撃具支持手段の作動で発生する弾性波が検査装置を伝って接触子に伝播するのを前記弾性支持具で軽減乃至は防止することを特徴とする埋設管の検査方法。
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