JP4391141B2 - 分離モジュール並びにその製造方法及び使用方法 - Google Patents

分離モジュール並びにその製造方法及び使用方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、キャピラリー状のセラミックフィルタエレメントの束を有している分離モジュール並びにその製造方法及びその使用に関する。
【0002】
【従来の技術】
セラミックフィルタエレメントは非対称構造を有し、その際、薄膜層が、1つ又はそれ以上の中間層で多孔質セラミック支持層に施与されている。多孔質セラミック支持層は外形及び機械的安定度を決定する。常用の実施態様は次のとおりである:

管は押出しにより製造される。最も広く使用される寸法は次のとおりである:
1−チャネル管 外径(ED)/内径(ID)=10mm/7mm、
7−チャネル管 ED/チャネル直径(CD)=25mm/7mm、
19−チャネル管 ED/CD=25mm/3.5mm又はそれ以上。
【0003】
工業的に使用されるフィルタエレメントの長さは、1.00mまで、多少の場合に1.20mまでである。
【0004】
ハニカム
薄い壁厚を有する極めて多数のチャネル(丸い又は多角形の)からなっている押し出された物体は、ハニカムと呼ばれる。そのような物体中には、大きな膜面積が、極めて小さな空間中に収容されることができる。しかしながら、チャネルの壁厚は、透過液を外へ除去するには薄すぎる。故に、個々のチャネルは、相互的方法で閉塞され、かつ透過液除去に使用される(EP 0 306 350、EP 0 433 582、EP 0 923 983並びにWO 00/50156)。
【0005】
プレート
プレートは、プレス、注型又は押出しにより製造される。プレートの厚さは数mmである。プレートは、溝をつけて製造されることができる。供給液、濃縮液及び透過液のチャネルは、プレートのスタッキングにより形成される。
【0006】
円板
円板は、フィルムキャスティングにより製造される。フィルムの厚さは0.5mm〜3mmの範囲内である。フィルムポケットは、円板のラミネーションにより、製造されることができる(DE 4 330 163)。
【0007】
キャピラリー
10mm〜約1mmの外径を有するキャピラリーは、押出しにより製造されることができる。比ID/ED=7/10をおおよそ維持することにより、単チャネル管のそれに匹敵しうる高い内圧耐性が、焼成後のキャピラリーの場合に得られる。キャピラリーは堅く、かつ個々に取り扱うことができる。
【0008】
特別な方法は、熱可塑性有機結合剤が使用され、かつ成形が高められた温度で行われる溶融押出である(DE 694 00 874)。
【0009】
中空糸
中空糸という用語は、1mm未満の外径の場合に使用される。これは、軟質プラスチック材料のつぶれを回避するために、押出しの間に、ガスをキャピラリーに流す必要がある(WO 99/22852)。極めて小さな直径は、紡糸により製造されることができる(JP 05/221752、JP 02/091221)。このためには、ポリマーはセラミック粉末で充填され、かつこれは中空糸として紡糸されるか、又はポリマーは溶剤中に溶解され、かつセラミック粉末は懸濁され、かつ沈殿浴中で紡糸される。焼成後に、中空糸は一定の弾性を保持する。これらは、もはや個々のエレメントとして加工されることができない。
【0010】
セラミックフィルタエレメントは、ハウジング中で平行に配置される。結果は、供給液及び排出液(濃縮液)のための結合部及びろ液(透過液)のための結合部及び場合によりフラッシング液(スイープ;sweep)のためのさらなる結合部を有しているモジュールである。多重チャネル管の場合に、膜は、チャネルの内面に施与され、かつろ過は内から外へ達成される。単チャネル管の場合に、キャピラリー及び中空糸は、膜が内側又は外側に施与されている例がある。キャピラリーもしくは中空糸の直径が小さすぎる場合には、内部コーティングはもはや不可能である。
【0011】
モジュール形、特に膜エレメントを固定する方法、流れ条件及び大きさは、支持層の種類及び特別な分離法に依存する。
【0012】
管モジュール中で、管は、個々に組み込まれ、かつシーリングリング又は特別なシーリングキャップ(EP 0 270 051、DE 198 46 041、EP 0 270 051)により、末端部でハウジングにシールされる。管の末端部で金属コネクタが接着結合されるか又ははんだ付けされる方法も記載されている(DE 4 131 407)。キャピラリー及び中空糸の場合に、これは、容認できない複雑な組立をまねくか、又は中空糸の場合のたわみ性のために、少しも可能ではない。相対的に多数のキャピラリー又は中空糸が加工されて束が得られる方法が、ここでは必要とされる。
【0013】
ハニカムを使用しながら、ホール又はスロットが側部に組み込まれているモジュールが記載されており、そのホール又はスロットは、透過液チャネルを開き、かつ透過液の側部排出を可能にする(US 5,855,781、EP 1 060 784)。
【0014】
フィルタポケットは、好ましくは中心ホールを備え、かつ透過液捕集管に通される。これにより、組み合わされてモジュールを形成するスタックが得られる(DE 4 330 163)。
【0015】
これらのモジュールとは異なり、本発明には、セラミックキャピラリーを使用してモジュールが記載されている。次の技術的な解決法はこの分野において公知である:
EP 0 938 921においては、ガラス状炭素膜からなっているキャピラリーの束が、型中に配置され、かつ固体で充填されている樹脂で注型され、その際、樹脂が超音波処理にかけられる。
【0016】
EP 0 841 086には、機械的安定度の達成のために、0.06mm〜3mmの直径を有するフィラメント(ロッド)を中空糸の数に対して0.5倍〜5倍の比で有している中空糸を有するモジュールが記載され、その際、中空糸及びロッドは末端部で多孔板により保持される。US 01/0035374においては、中空糸束は、フィラメントを束の周囲にスパイラルで巻くことによって安定化される。匹敵しうる機械的安定化は、本発明によるセラミックキャピラリーの場合に、必要不可欠ではない。
【0017】
EP 0 941 759には、交換体の製造方法が記載されており、その際には、交換体管の束は、型中に配置され、かつ引き続いてセラミックスリップで充填され、乾燥され、かつ引き続いて焼結されてプレートが得られる。別の段階において、端部プレートは同じようにして形成される。供給及び排出のための捕集管は、第一のプレート及び端部プレート中へ、管に平行に組み込まれる。そのような配置が膜モジュールに使用されることができ、その際、キャピラリーが使用されず、かつ管の間の応用に特別な距離が確立されないことが挙げられる。
【0018】
DE 4 133 250には、膜管束の製造方法の特許の保護が請求されており、その際には、膜管の間の均一距離が、末端部を広げて正多角形を形成し、かつ接着結合もしくは溶接による物質を不透過にして結合させることにより確立される。それとは異なって、本発明におけるキャピラリーは、末端部で広げられていない。
【0019】
EP 0 092 839においては、無孔性端部プレートが使用され、そのプレートを貫いてホールが孔あけされており、その中で多孔質管が特別な接合部を用いて固定されている。固定は、ほうろう、ガラス、セラミック、炭素、セメント又は金属により達成される。WO 01/87469においては、完全セラミックモジュールは、セラミック支持層を多孔端板と円筒形外部ケーシングとからなるハウジングに接合することにより組み立てられている。これら全ての場合に、多孔板は、管もしくはキャピラリーの機械的固定に利用される。管は固定距離を有するが、しかしこれは、分離法と、特に透過液量と関係していない。
【0020】
JP 61/004509においては、多孔質ガラス膜管の末端部をシールするために適合された膨張係数を有する、ガラス粉末及びセラミック粉末の混合物の水性スリップが使用される。JP 57166244には、小さな管をシーリング材料、例えばガラスでシーリングすることが記載され、その結果、気密な端板が形成する。双方の場合に、キャピラリーの末端部のシーリング及び機械的固定が達成される。しかしながら、応用に関連した、定義された距離が確立されない。
【0021】
US 4,296,052、US 4,224,386及びUS 4,219,613には、中空糸バッテリー用の多孔板の製造が記載され、前記多孔板は上部のヘリウム密な領域及びその下にある多孔質領域からなり、かつそこを多数の無機の中空糸が通る。中空糸壁は、隔壁として利用され、そこを通って物質輸送は行われず、かつそれゆえ、さらに中空糸間の定義された距離も不必要である。
【0022】
【特許文献1】
EP 0 306 350
【特許文献2】
EP 0 433 582
【特許文献3】
EP 0 923 983
【特許文献4】
WO 00/50156
【特許文献5】
DE 4 330 163
【特許文献6】
DE 694 00 874
【特許文献7】
WO 99/22852
【特許文献8】
JP 05/221752
【特許文献9】
JP 02/091221
【特許文献10】
EP 0 270 051
【特許文献11】
DE 198 46 041
【特許文献12】
DE 4 131 407
【特許文献13】
US 5,855,781
【特許文献14】
EP 1 060 784
【特許文献15】
EP 0 938 921
【特許文献16】
EP 0 841 086
【特許文献17】
US 01/0035374
【特許文献18】
EP 0 941 759
【特許文献19】
DE 4 133 250
【特許文献20】
EP 0 092 839
【特許文献21】
WO 01/87469
【特許文献22】
JP 61/004509
【特許文献23】
JP 57166244
【特許文献24】
US 4,296,052
【特許文献25】
US 4,224,386
【特許文献26】
US 4,219,613
【0023】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、特別な応用のパラメーターに基づく最適な空間利用を有する分離モジュールの場合に、先行技術の記載された欠点を排除することである。
【0024】
【課題を解決するための手段】
この課題は、特許請求の範囲に記載された本発明により解決される。
【0025】
本発明は、実施態様に基づいてより詳細に説明される。
【0026】
本発明は、セラミックキャピラリーの少なくとも1つの束を有している分離モジュールを記載するものであり、その際には、距離はキャピラリー管の間で接合により確立され、このことは、本発明に本質的である。距離の選択は、妨害なしに流出すべきである透過液体積に依存する。透過液体積は次には、本発明による生成物についての次の例1及び2に関連して説明されているように、膜の種類及びそれと結びついた使用方法により決定される。
【0027】
【実施例】
例1
長さ1m、外径1mm及び内径0.7mmを有するキャピラリーを使用する場合には、キャピラリー100本の束は0.2mの膜面積を有する。ナノろ過膜の流量は、20barで約400 l/(m・h)である。毎時80 lが記載された束から発生する。束の外部ケーシングは、透過液の流出のために長さ1mを有するスロット約40個を含んでいた。透過液の全量が束の内部から発生したと仮定した場合に、スロット当たり2 l/hが発生する。0.01mmのスロット幅は、問題なく支配されることができる0.05m/sの透過液流速となった。
【0028】
例2
同じキャピラリー束が、透過気化(pervaporation)において考慮される場合には、25kg HO/mまでの流量を膜の場合に予期しなければならない。100℃及び1barで、水蒸気は1.694m/kgの密度を有する。0.2mの面積を有する前記のキャピラリー束は、8.47m/hの透過液体積となり、これは、透過液側で約20mbarの低下した圧力の結果として335m/hに増大した。スロット当たり蒸気8.38m/hが除去される。例1と同じスロット幅で、蒸気は232.5m/sで流れた。常用の流速及び管は、20mbarで25m/s〜50m/sである。これは0.1mmのスロット幅に相当した。透過液側の圧力損失をできるだけ小さく保持するために、2m/s〜5m/sのより低い流速が予期されるべきであり、このことは、1mmのスリット幅に相当した。
【0029】
次に、本発明による製造方法の3つの変法は、まず最初に原則として、かつついで例3〜5に基づいて、詳細に説明される:
キャピラリーは、押出しにより製造され、かつ0.3mm〜10mm、好ましくは1mm〜2.5mmの外径及び0.3mm〜8mm、好ましくは0.7mm〜1.5mmの内径を有する。
【0030】
キャピラリー束の製造は、第一の変法において、ポリマー含有、セラミック含有及び/又はガラス含有の注型材料で末端部をシールすることにより達成される。このためには、キャピラリーは、キャピラリーを底部で固定するために定義されたホール距離を有するホールを有しているビーカー状の型中に末端部で配置される。ビーカーは注型材料で充填される。注型材料は、キャピラリーを完全に囲み、かつ空気中及び室温で、ビーカーが除去できるようなほどに乾燥する。ポリマー注型材料の場合に、硬化は、例えば、エポキシ樹脂の場合には、室温で硬化剤を添加しながらか、又は一成分樹脂の場合にはいくらか高められた温度で達成されることができる。セラミック含有及び/又はガラス含有の注型材料を使用しながら、硬化は150℃〜1600℃の温度で熱的に行われる。手順は、キャピラリー束の両末端部で同時にか又は連続して実施される。同時に実施される場合には、空気中での短い乾燥後に寸法安定である注型材料が使用される。束の末端部の切り離し又は研磨により、シーリングの際に部分的に閉じたチャネルが、再び開く。
【0031】
この変法において、本発明による定義された距離は、型の底板中のホールパターン及び成形品の全収縮により確立され、かつ0.05mm〜10mmの範囲内で変動することができ、かつ膜の予期された流量値に相応して選択されることができる。
【0032】
第二の変法において、距離は、多孔板を使用しながら定義された方法で確立される。多孔板は、異なる材料、例えばプラスチック、金属又はセラミックからなっていてよい。多孔板のホールは、キャピラリーの直径よりも直径が僅かに大きい。キャピラリーは、多孔板のホール中へ挿入される。
【0033】
プラスチック、金属又は焼結されたセラミックからなる多孔板の場合に、接合は、ポリマー含有、セラミック含有又はガラス含有のスリップ、ペースト又は接着剤を使用しながら達成される。このためには、多孔板は、接合材料中へ完全にか又は部分的に浸漬されるか、又は接合材料は、ホール壁とキャピラリーの外側との間のキャビティ中へ導入される。まず最初に、乾燥は室温で空気中で実施される。ポリマー注型材料の場合に、硬化は、例えば、エポキシ樹脂の場合に室温で硬化剤を添加しながらか、又は一成分樹脂の場合にいくらか高められた温度で達成される。セラミック含有及び/又はガラス含有の注型材料を使用しながら、硬化は150℃〜1600℃の温度で熱的に行われる。手順は、キャピラリー束の両末端部で同時にか又は連続して実施される。同時に実施される場合には、空気中の短い乾燥後に寸法安定であるペースト状接合材料が使用される。
【0034】
キャピラリー束の製造のためには、未焼結のセラミック多孔板も使用されることができる。このためには、セラミックキャピラリーは多孔板中へ挿入される。引き続いて、多孔板の焼結温度での熱処理が達成され、その際、前記多孔板は、その収縮の結果、キャピラリー上で収縮するので、機械的に安定でかつ緊密な結合が形成する。
【0035】
未焼結のセラミックキャピラリーを未焼結のセラミック多孔板中へ挿入し、かつ引き続いて双方とも一緒に焼成する(同時焼成)ことも可能である。
【0036】
接合がキャピラリーのチャネルの閉塞をまねく場合には、これらは、束の末端部の切り離し又は研磨により再び開かれる。定義された距離は、この場合に、多孔板中のホールパターンにより確立され、かつ0.1mm〜10mmの範囲内で変動されることができ、かつ膜の予期された流量値に相応して選択されることができる。
【0037】
第三の変法において、定義された距離は、セラミックキャピラリー間で、キャピラリーを硬化性材料のストリップ状フィルムで巻くことにより確立される。
【0038】
ポリマーフィルムの場合に、硬化は、いくらか高められた温度で達成される。セラミック含有及び/又はガラス含有のフィルムを使用しながら、硬化は、150℃〜1600℃で熱的に達成される。手順は、キャピラリー束の両末端部で同時に実施される。キャピラリー束の末端部に加えて、ストリップは、束の長さに亘り一定の間隔で同時に巻かれてよく、そのストリップは、硬化後に、固定された緊密なスペーサーとして作用する。巻きのアルゴリズムの変化により、じゃま板に類似して強制流れとなる円形のスペーサー中で狭いセカント状の切り抜きを確立することができる。
【0039】
巻きは、未焼結のセラミックキャピラリー及び未焼結のセラミックフィルムを用いても達成されることができる。この場合に、固定されかつ緊密な結合は1700℃までの温度での同時焼成により達成される。
【0040】
定義された距離は、この場合に、接合フィルムの厚さ及び巻きアルゴリズムにより決定され、かつ0.1mm〜1mmの範囲内で変動されることができ、かつ膜の予期された流量値に相応して選択されることができる。
【0041】
これらの接合プロセスは、典型的には、10mm〜250mm、好ましくは20mm〜50mmの直径を有するキャピラリー束をもたらす。束中のキャピラリーの距離は≦3mmである。モジュール中には、こうして製造されたこれらの複数のキャピラリー束が好ましくは平行に配置される。ハウジングは、ステンレス鋼からなっていてよく、かつ供給空間及び透過空間のシーリングは、エラストマーO−リングにより達成されることができる。
【0042】
化学的及び熱的な耐性への最も高い要求に適合するために、ハウジングはセラミックから製造される。ハウジング部材の成形は、ついで、注型を用いるか及び/又はレザーハード状態(leather-hard state)でのセラミックブランクの機械的加工により達成される。供給空間及び透過空間の同時の分離を伴うハウジング及びキャピラリー束の結合は、焼結されたハウジング部材の場合に、セラミック含有又はガラス含有のスリップ、ペースト又は接着剤で接合し、引き続いて500℃〜1400℃の温度で熱処理することにより達成される。
【0043】
液体ろ過、ガス分離又は透過気化における分離モジュールの応用のためには、多孔質セラミックキャピラリー上に膜層が必要不可欠である。膜層は、原則的に、キャピラリーの内面並びにその外面の双方に存在していてよい。膜層は、スリップコーティング、ゾル−ゲル技術又は溶液からの結晶化の多様な方法により製造される。全ての場合に、>300℃の温度での膜層の熱処理(焼成)が続く。プラスチック含有の注型材料、プラスチックからなる多孔板又は接合フィルムを使用しながら、そのように高い温度でのキャピラリー束の熱処理は不可能である。この場合に、膜は、接合する前にキャピラリー束に施与される。しかしながら、完全セラミックキャピラリー束もしくはモジュールである場合には、コーティングは、キャピラリー束もしくはモジュールの完成後に少なくとも部分的に達成される。
【0044】
例3
注型材料でのキャピラリー束の接合(図3)
外径3.6mm及び内径2.0mmを有し、アルミナ99.8%を有している焼結された多孔質キャピラリー9を、長さ350mmに切断する。注型材料のためには、高アルミナ含有磁器スリップが製造され、その主成分は粘土52%、石英11%、長石13%、アルミナ26%、水31%(固体に基づく)、水ガラス0.5%(固体に基づく)及び炭酸ナトリウム0.2%(固体に基づく)である。注型に使用された型8は成形用プラスターからなる。直径3.6mm及び深さ8mmを有するホール19個が型の底部に存在する(図3a)。型の内径は27mmである。キャピラリー9は、型の底部でホール中へ挿入され(図3b)、かつドラムミル中でバッチ仕様書に相応して製造されたスリップ10は、手動でかつ連続的に型中に導入される(図3c)。未焼成の端板11の成形品の取り出しは、レザーハード状態で12〜15%の残留含水量で可能である(図3d)。2%の残留含水量までの白乾燥(white drying)が続く。キャピラリー束の第二の側の接合は同じようにして達成される。引き続いて、乾燥させたキャピラリー束ブランク上の端面で突き出たキャピラリーを、ダイヤモンドカッティングホイールを用いて切り離し、かつ端面を清浄にする(図3e)。引き続く焼成サイクルは次の段階からなる:1)加熱段階、2)酸化的清浄化段階、3)還元的硬焼成段階、4)酸化的冷却段階。束の焼結は、1470℃の焼結温度及び45minの保持時間で横方向で達成される。焼結された端板12を有する束のその後の加工は不必要である(図3f)。
【0045】
例4
多孔板を有するキャピラリー束(図4〜6)
外径2.9mm及び内径2.0mmを有し、アルミナ99.8%を有している焼結された多孔質キャピラリーを、長さ320mmに切断する。キャピラリー束の末端部での多孔板(図4)は緻密なアルミナからなる。これらは、32mmの外径を有し、かつホール55個は、セグメント中に均一に配置され、かつ直径2.9mmを有する。双方の材料は、(7.6〜7.8)・10- - の線形熱膨張係数を有する。多孔板の製造には、0.8μmの平均粒度を有し、MgOがドープされたアルミナ粉末を、難可塑性の(stiff-plastic)形で押し出す。アルミナの可塑化のために、後者を、水溶性セルロース5%、非イオン界面活性剤3%、ろう2%及び水10%と一緒に二軸スクリュー混練機中で導入する。約2hの混練時間後、難可塑性材料を、真空−スクリュー押出機中で、750mmの長さを有する多孔押出物として押し出す。多孔押出物用の金型は、その内径が35.5mmであるスリーブ及びその直径が3.2mmであるピン55個からなる。成形品の乾燥は、状態調節した戸棚中で達成され、その際、28℃及び湿度100%で開始する。この時点で、成形品の含水量はまだ10%である。72時間後、乾燥は完了する。ブランクの含水量は2%である。乾燥させたブランクを、10mmの長さに切断し、かつキャピラリー55本を、キャピラリーの末端部がその都度多孔板の端面と共にフラッシングされる多孔板2枚中へ挿入する(図5)。この位置で末端部は有機接着剤を用いて固定される。80℃で2時間乾燥後に、キャピラリー束ブランクは、1580℃で酸化的雰囲気下に横方向で焼結させる。焼結過程の間に、全有機材料は燃え尽き、かつ多孔板はキャピラリー上で収縮する。強い結合が形成する。最終的には、多孔板の端面を、ガラスを用いて気密にシールする。図6は、キャピラリー間の流れを制御するためのスペーサーを有する実施態様を示す。
【0046】
例5
フィルムストリップで巻かれたキャピラリー束(図7及び8)
外径1.4mm及び内径1.0mmを有し、アルミナ99.8を有している焼結された多孔質キャピラリー9を、長さ350mmに切断する。これらの切断した部分を、図7に表されているように、平行に軟質セラミックフィルムストリップ13中へプレスする。これらのセラミックフィルムストリップ13は2mmの厚さを有する。引き続いて、キャピラリー9及びストリップ13の組合せを、図8に表されているように、束中へ巻く。フィルムストリップ13の食い違った取り付けの結果として、じゃま板6により分離され、かつ正確に定義された大きさを有する室がキャピラリー9間に形成するので、蛇行した流れは、引き続きモジュールを通り行われる。例3に類似に実施される末端部のシーリングは、別の加工段階として続き、その際、型の底部を不要にすることを可能にする、それというのも、束のキャピラリーは、ストリップにより正しい距離に保持されるからである。
【図面の簡単な説明】
【図1】a)内部コーティング及びb)外部コーティングに関する支持層(T)、中間層(ZS)及び膜(M)を有している管形のフィルタエレメントの基本的な非対称構造を示す略示図。
【図2】供給液(1)、濃縮液(2)、透過液(3)及びスイープ(4)のための結合部並びにフィルタエレメント(5)、強制流れを生じさせるためのじゃま板(6)及びハウジング(7)を有している分離モジュールの略示図。
【図3】注型材料を用いて接合する原理(請求項14):a)セッコウ型(8)、b)キャピラリー(9)を有するセッコウ型(8)、c)キャピラリー(9)及び導入された注型用スリップ(10)を有するセッコウ型(8)、d)未焼結の端板(11)を有するキャピラリー束、e)未焼結の端板(11)を有するトリミングされたキャピラリー束、f)焼結された端板(12)を有するキャピラリー束を示す略示図。
【図4】多孔円板(請求項15〜17)を示す略示図。
【図5】請求項15から17までのいずれか1項に従って製造された分離モジュールを示す略示図。
【図6】請求項8記載のスペーサーを有している請求項15から17までのいずれか1項に従って製造された分離モジュールを示す略示図。
【図7】フィルムストリップ中へプレスされたキャピラリー(請求項19)を示す略示図:a)平面図、b)側面図。
【図8】巻いた後のキャピラリー束の断面の略示図(請求項8、18及び19)。
【符号の説明】
1 供給液、 2 濃縮液、 3 透過液、 4 スイープ(フラッシング液)、 5 フィルタエレメント、 6 じゃま板、 7 ハウジング、 8 セッコウ型、 9 キャピラリー、 10 注型用スリップ、 11 未焼結の端板、 12 焼結された端板、 13 フィルムストリップ

Claims (21)

  1. 分離モジュールにおいて、セラミックキャピラリー(9)の少なくとも1つの束を有しており、前記セラミックキャピラリー(9)中で、分離モジュール中の物質輸送及び流れを制御するために、一定の距離が、フィルムストリップ(13)により定義されるキャピラリー(9)間で確立されており、前記フィルムストリップ(13)中又は周囲で、キャピラリーがプレスされかつ束中へ巻き付けられており、かつそれにより前記フィルムストリップ(13)が束内のじゃま板(6)も形成することを特徴とする、分離モジュール。
  2. セラミックキャピラリー(9)の少なくとも1つの束及び束を囲んでいるハウジングを少なくとも有しており、前記キャピラリーが、その(両)末端部で多孔板により結合されており、かつ前記ハウジングが、第一の物質流のためのキャピラリーの内部に接続された入口管及び/又は出口管を有しており、かつ第二の物質流のためのキャピラリー間の隙間に接続されている入口管及び/又は出口管を有している、請求項1記載の分離モジュール。
  3. キャピラリー束が、0.3mm〜10mmの範囲内の外径を有するキャピラリー(9)を有している、請求項1又は2記載の分離モジュール。
  4. 束中のキャピラリー(9)間の距離及び形成されたキャピラリー束の距離が≦3mmである、請求項1から3までのいずれか1項記載の分離モジュール。
  5. キャピラリー束が10mm〜250mmの直径を有している、請求項1から4までのいずれか1項記載の分離モジュール。
  6. キャピラリー(9)が、内側に分離活性を有する薄膜(M)を有している、請求項1から5までのいずれか1項記載の分離モジュール。
  7. キャピラリー(9)が、外側に分離活性を有する薄膜(M)を有している、請求項1から5までのいずれか1項記載の分離モジュール。
  8. 複数のキャピラリー束が、ハウジング中で平行に配置されている、請求項1から7までのいずれか1項記載の分離モジュール。
  9. ハウジングがステンレス鋼からなり、かつ供給空間及び透過空間のシーリングが、エラストマーO−リング、グラファイトシール又はシーリング材により達成されている、請求項8記載の分離モジュール。
  10. ハウジングがセラミックからなり、かつ供給空間及び透過空間のシーリングが、接合部でセラミック含有又はガラス含有のスリップ、ペースト又は接着剤により達成されている、請求項8記載の分離モジュール。
  11. 個々のキャピラリーが、触媒でコーティングされているか、それ自体触媒であるか、又は触媒が、モジュール中の他の位置に存在している、膜反応器として使用するための請求項1から10までのいずれか1項記載の分離モジュール。
  12. 請求項1から11までのいずれか1項記載の分離モジュールの製造方法において、
    予め成形されたキャピラリー(9)を互いに平行にかつポリマー含有、セラミック含有及び/又はガラス含有のフィルムのフィルムストリップ(13)中へ互いに離してプレスしかつ巻き付け、かつさらに、前記キャピラリーを、少なくとも2つの端面の平面で、物質を不透過にして接続する
    ことを特徴とする、分離モジュールの製造方法。
  13. 焼結されたセラミックキャピラリー(9)を、型(8)の底部でホール中に配置し、この型(8)を、ポリマー含有、セラミック含有及び/又はガラス含有の注型材料(10)で充填し、かつ成形品の取り出し後に、キャピラリー(9)の突き出た末端部を切り離す、請求項12記載の方法。
  14. 焼結されたセラミックキャピラリーを、多孔円板中へ挿入し、かつ2つの間の接合部を、ポリマー含有、セラミック含有又はガラス含有のスリップ、ペースト又は接着剤を使用してシールする、請求項12記載の方法。
  15. 焼結されたセラミックキャピラリーを、未焼結のセラミック多孔円板中へ挿入し、かつ多孔円板の収縮により堅固に結合させる、請求項12記載の方法。
  16. 未焼結のセラミックキャピラリーを、未焼結のセラミック多孔円板中へ挿入し、かつ同時焼成により堅固に結合させる、請求項12記載の方法。
  17. 予め成形されたキャピラリー(9)が焼結されたセラミックキャピラリー(9)であり、かつポリマー含有、セラミック含有及び/又はガラス含有のフィルムの少なくとも1つのフィルムストリップ(13)で巻き、かつフィルムが硬化する間の収縮により堅固に結合させる、請求項12記載の方法。
  18. 予め成形されたキャピラリー(9)が未焼結のセラミックキャピラリー(9)であり、かつセラミック含有及び/又はガラス含有のフィルムの少なくとも1つのフィルムストリップ(13)で巻き、かつ同時焼成により堅固に結合させる、請求項12記載の方法。
  19. 請求項5又は6記載の分離モジュールを製造するための請求項12から18までのいずれか1項記載の方法において、
    セラミック成分のみからなる分離モジュール中のキャピラリー束の場合に、分離活性を有する膜(M)でのコーティングを、前記分離モジュール中のキャピラリー束の完成後に一段階で達成できることを特徴とする、分離モジュールの製造方法。
  20. 分離モジュール中のキャピラリー束の製造のための非セラミック成分を使用して、前記束のキャピラリーを、前記分離モジュール中に取り付ける前に、分離活性を有する膜(M)でコーティングする、請求項5又は6記載の分離モジュールを製造するための請求項12から18までのいずれか1項記載の方法。
  21. 膜方法において使用し、その際には、真空を透過液側(3)に適用する、請求項1から11までのいずれか1項記載の分離モジュールの使用方法。
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