JP4390637B2 - ドアハンドル装置 - Google Patents

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Description

本発明は、ドアの開閉に用いられるグリップハンドルタイプのドアハンドル装置に関する。
従来からグリップハンドルタイプのドアハンドル装置は、車両の外側からドアを開閉操作するのに多く使用されている。この種の従来のドアハンドル装置として、特許文献1に開示されたものがある。
このドアハンドル装置100は、図5に示すように、ドアパネル101の内面に固定されたベース部材102と、ドアパネル101の外面側に配置され、ベース部材102の支持ピン102aに一端側が回転自在に支持されたグリップ部材103と、このグリップ部材103の他端側に近接配置され、ドアパネル101の外面側に配置されたエスカッション104と、このエスカッション104に外周側が被われ、ドアパネル101の内面側に配置されたキーシリンダ本体105とを備えている。
グリップ部材103の他端側には係止アーム部103aが設けられ、係止アーム部103aはドアパネル101の孔101aより内面側に挿入されている。ドアパネル101の内面側に挿入された係止アーム部103aにはドアロック機構(不図示)のロック部(不図示)が係脱自在に配置されている。
ドアロック機構(不図示)は、ロック部のロック位置ではドアを車体にロックし、ロック部のロック解除位置ではドアを車体からロック解除する。このドアロック機構は、無線通信用キー手段とキーシリンダ本体105によってロック位置とロック解除位置との間で変移される。
キーシリンダ本体105は、メカニカルキー(不図示)の操作によって施錠・解錠できるよう構成されている。キーシリンダ本体105のキーレバー105aはドアロック機構(不図示)に連結され、キーシリンダ本体7の施錠によってドアロック機構のロック部10がロック位置に、キーシリンダ本体7の解錠によってドアロック機構のロック部10がロック解除位置に変移される。
上記構成において、ロック部がロック位置に位置する状態にあって、操作者がグリップ部材103を握持し、グリップ部材103を外側に回転してもロック部が係合しているためにグリップ部材103が回転されず、ドアを開くことができない。
一方、ロック部がロック位置に位置する状態にあって、無線通信によるキー認証確認がなされたり、メカニカルキーでキーシリンダ本体105が操作されると、ロック部がロック解除位置に変移される。そして、操作者がグリップ部材103を握持し、グリップ部材103を外側に回転すると、この回転力でグリップ部材103が外側に回転してドアを開くことができる。
特開2002−295059号公報
ところで、上記したようにグリップハンドルタイプのドアハンドル装置100にあっては、グリップ部材103の係止アーム部103aがドアパネル101の孔101aより内面側に配置される構造であり、図6に詳しく示すように、グリップ部材103の係止アーム部103aが挿入される孔101a内には係止アーム部103aとの組み付け誤差等を考慮して隙間ができる。そのため、ドアパネル101の孔101aで、且つ、グリップ部材103の係止アーム部103aが挿入される箇所より金属ロッド(例えばドライバー)を強制的にドアパネル101内に挿入し、挿入した金属ロッドでキーシリンダ本体105のキーレバー105aを操作することによりドアロック機構(不図示)を不正解除できる可能性が考えられる。
そこで、本発明は、ドアパネルの孔等から金属ロッドを挿入して錠本体のキーレバーを不正操作することによるドア不正解錠を防止できるドアハンドル装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成する請求項1の発明は、ドアパネルの外面側に配置され、一端側のベースアーム部が前記ドアパネルに回転自在に支持され、且つ、他端側の係止アーム部がドアパネルの孔より内面側に挿入されたグリップ部材と、このグリップ部材の他端側に近接配置され、前記ドアパネルの内面側に配置された錠本体と、前記ドアパネルの外面側に配置され、前記錠本体の外周に配置されたエスカッションとを備え、錠本体の解錠・施錠操作によってドアロックが解錠・施錠され、ドアロックが解除された状態で前記グリップ部材を回転操作することによってドアが開くドアハンドル装置であって、前記ドアパネルの内面側には、前記錠本体及び前記エスカッションを固定するベース部材が固定され、前記係止アームが挿入される前記ドアパネルの孔と、前記錠本体のキーレバーとの間に位置する前記ベース部材の部位に固定部と、この固定部にプロテクター部材を設け、前記錠本体をベース部材に装着することで、前記プロテクター部材の脱落を防止することを特徴とする。
請求項2の発明は、請求項1記載のドアハンドル装置であって、前記プロテクター部材は、前記キーレバーの少なくとも2面を囲む形状を有することを特徴とする。
請求項3の発明は、請求項1又は請求項2記載のドアハンドル装置であって、前記固定部は、前記プロテクター部材を前記ドアパネルの外面側から前記孔を介して装着できることを特徴とする。
請求項1の発明によれば、グリップ部材の係止アーム部が挿入されるドアパネルの孔より強制的に金属ロッドをドアパネルの内面側に挿入し、金属ロッドの先端を錠本体のキーレバーに向けて更に挿入すると、金属ロッドの先端がプロテクター部材に突き当たり、これ以上の挿入が阻止される。従って、ドアパネルの孔等から金属ロッドを挿入して錠本体のキーレバーを不正操作することによるドア不正解錠を防止できる。
また、ドアパネルの内面側に配置されたベース部材には、グリップ部材の係止アーム部と錠本体とを配置するための開口部が形成されるため、容易に所望の位置に固定部を設置できる。
さらに、錠本体をベース部材に装着することで、プロテクター部材の脱落を防止することができるので、プロテクター部材を固定するための専用部品を用意することなくプロテクター部材を組付けることができる。
請求項2の発明によれば、請求項1の発明の効果に加え、金属ロッドによるキーレバー方向への侵入をより確実に阻止できる。
請求項3の発明によれば、請求項1,2の発明の効果に加え、グリップ部材、錠本体及びエスカッションが組み付けされたドアハンドル装置に対し、グリップ部材を取り外すことにより容易に後付けでプロテクター部材を設置できる。従って、盗難防止仕様でないドアハンドル装置を盗難防止仕様のドアハンドル装置に容易に変更できる。プロテクター部材をスライドによって装着できるため、プロテクター部材の装着作業が容易である。

以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。
図1〜図3は本発明の一実施形態を示し、図1はグリップハンドルタイプのドアハンドル装置1の断面図、図2はドアハンドル装置1の分解斜視図、図3は図1のA−A線断面図である。
図1及び図2に示すように、ドアハンドル装置1は、ドアパネル2の内面に固定されたベース部材3と、ドアパネル2の外面側に配置されたグリップ部材4と、このグリップ部材4の他端側の近傍に配置され、ベース部材3にネジ5等によって固定されたエスカッション6と、ドアパネル2の内面側に配置され、エスカッション6に固定された錠本体であるキーシリンダ本体7とを備えている。
グリップ部材4の一端側にはベースアーム部4aが突設され、このベースアーム部4aがドアパネル2の孔2aより内面側に挿入されている。ドアパネル2の内面側に挿入されたベースアーム部4aはベース部材3の第1開口部11に配置され、第1開口部11の両壁に固定された支持ピン3aに回転自在に支持されている。つまり、グリップ部材4の一端側は、ベース部材3を介してドアパネル2に回転自在に支持されている。
グリップ部材4の他端側には係止アーム部4bが突設され、この係止アーム部4bはドアパネル2の孔2bより内面側に挿入されている。ドアパネル2の内面側に挿入された係止アーム部4bはベース部材3の第2開口部12に配置され、この第2開口部12内でドアロック機構のロック部10に係脱自在に配置されている。ドアロック機構(不図示)は、ロック部10のロック位置ではドアを車体にロックし、ロック部10のロック解除位置ではドアを車体からロック解除する。このドアロック機構は、携帯キーとキーシリンダ本体7によってロック位置とロック解除位置との間で変移される。
キーシリンダ本体7は、頭部を除いた大部分がドアパネル2内で、且つ、ベース部材3の第2開口部12内に配置されているが、キーシリンダ本体7の頭部はドアパネル2の孔2bより外面側に突出され、キー挿入孔(不図示)がドアパネル2の外面側に露出されている。そして、ドアパネル2の外面側から携帯キー(不図示)をキー挿入孔(不図示)を挿入して施錠・解錠できるよう構成されている。キーシリンダ本体7のドアパネル2内の箇所には、施錠・解錠操作によって変移されるキーレバー7aが固定され、このキーレバー7aを介してドアロック機構(不図示)が連結されている。そして、キーシリンダ本体7の施錠操作によってドアロック機構のロック部10がロック位置に、キーシリンダ本体7の解錠操作によってドアロック機構のロック部10がロック解除位置に変移される。
エスカッション6は、ドアパネル2の外面側に突出したキーシリンダ本体7の外周を被うように配置されている。
ベース部材3は、上記したようにグリップ部材4のベースアーム部4aが配置された第1開口部11と、グリップ部材4の係止アーム部4b及びキーシリンダ本体7が配置された第2開口部12とを有する。第2開口部12の両壁部には、図2及び図3に示すように、プロテクター部材13の固定部である一対のスライド溝14が設けられている。この一対のスライド溝14は、プロテクター部材13をドアパネル2の外面側から孔2bを介してスライドして装着できるようになっている。プロテクター部材13は、高剛性な素材よりプレート形状に形成され、ドアパネル2の孔2bとキーシリンダ本体7のキーレバー7aとの間の位置でベース部材3に固定されている。
又、ベース部材3には補助プロテクター部材15の一端側がネジ16で固定されている。この補助プロテクター部材15は、プロテクター部材13の先端面に当接し、且つ、プロテクター部材13より更にキーシリンダ本体7側に延設されている。延設された補助プロテクター部材15の先端側には折曲部15aが設けられ、この折曲部15aがキーシリンダ本体7に近接配置されている。プロテクター部材13と補助プロテクター部材15とによって、キーシリンダ本体7のキーレバー7aの外周の少なくとも2面を囲んでいる。
次に、ハンドル本体の組付手順について説明する。本実施形態のドアハンドル装置1をドアパネル2に組付ける手順として、まずベース部材3をドアパネル裏面側の所定位置に支持する。
そして、グリップ部材4の一端側に設けられたベースアーム部4aをドアパネル2に設けられた孔2aに差込んでから、他端側に設けられた係止アーム部4bをドアパネル2に設けられた孔2bに挿入し、グリップ部材4を係止アーム部4bからベースアーム部4aの方向にスライドさせ、ベースアーム部4aをベース部材3の支持ピン3aに係合する。さらに、係止アーム部4bをベルクランク20に連係し、グリップ部材4を回動域のベース部材側回動端であるドアパネル2の表面に付勢保持する。
次に、第2開口部12の両壁部に設けられたスライド溝14にプロテクター部材13をドアパネル2の外面側から孔2bを介してスライドして装着する。そして、エスカッション6をドアパネル2の外面側からベース部材3の第2開口部12に挿入し、スライド溝14のドアパネル2の外面側を塞ぐ。さらに、エスカッション6をドライバーなどの工具を用いて、ネジ5をベース部材側からベース部材3に設けられた締結孔18を通じて、エスカッション6のネジ孔19にネジ止めし、ベース部材3とエスカッション6を締結する。
上記構成において、ドアロック機構(不図示)のロック部10がロック位置に位置する状態にあって、操作者がグリップ部材4を握持し、グリップ部材4を外側に回転してもロック部10が係合しているためにグリップ部材4が回転されず、ドアを開くことができない。
又、ドアロック機構(不図示)のロック部10がロック位置に位置する状態にあって、無線通信によるキー認証確認がなされたり、携帯キー(不図示)でキーシリンダ本体7が操作されると、ロック部10がロック解除位置に変移される。そして、操作者がグリップ部材4を握持し、グリップ部材4を外側に回転すると、この回転力でグリップ部材4が外側に回転してドアを開くことができる。
ところで、グリップ部材4の係止アーム部4bが挿入されたドアパネル2の孔2bより金属ロッド(不図示)を強制的にドアパネル2の内面側に挿入し、金属ロッドの先端をキーシリンダ本体7のキーレバー7aに向けて更に挿入すると、金属ロッドの先端がプロテクター部材13に突き当たり、これ以上の挿入が阻止される。従って、ドアパネル2の孔2bから金属ロッドを挿入してキーシリンダ本体7のキーレバー7aを不正操作することによるドア不正解錠を防止できる。
この実施形態では、ベース部材3にプロテクター部材13の固定部である一対のスライド溝14を設けた。ドアパネル2の内面側に配置されたベース部材3には、グリップ部材4の係止アーム部4bとキーシリンダ本体7とを配置するための第2開口部12が形成されるため、容易に所望の位置に一対のスライド溝14を設置できる。また、プロテクター部材13は、キーシリンダ本体7の装着により脱落が防止されるため、プロテクター部材13専用の固定部材を必要としない。プロテクター部材13をベース部材3に固定したが、プロテクター部材13をベース部材3以外のエスカッション6等に固定しても良い。但し、ベース部材3に固定する方が構造上容易であり、且つ、小型化できる。
そして、この実施形態では、グリップ部材4が装着された後にプロテクター部材13がドアパネル2の外面側から孔2bを介して装着することにより、グリップ部材4を組付ける際にプロテクター部材13にグリップ部材4が当たるなどの組付け作業の妨げにならないようになっている。また、プロテクター部材13は、キーシリンダ本体7と別体に構成されるため、キーシリンダ本体7にプロテクター部材13を固着する場合に比較してキーシリンダ本体7を小型化できるため、キーシリンダ本体7を組付ける際にベース部材3にキーシリンダ本体7が当たるなどの組付け作業の妨げにならないようになっている。したがって、この実施形態では、プロテクター部材13を追加しても組付け作業性を悪化させることなく、組付け時の部材同士の当たりを防止するためだけにベース部材3を大型化することを防止しつつ、ドア不正解錠を防止できる。
さらに、グリップ部材4と、プロテクター部材13を組付けた後にキーシリンダー本体7を組付けることで、ベース部材3の長手方向に沿ったグリップ部材4のスライド・脱落を防止しつつ、プロテクター部材13の脱落を防止している。
この実施形態では、固定部は、プロテクター部材13をドアパネル2の外面側から孔2bを介してスライドして装着できるスライド溝14であるので、グリップ部材4、キーシリンダ本体7及びエスカッション6が組み付けされたドアハンドル装置1に対し、グリップ部材4を取り外すことにより容易に後付けでプロテクター部材13を設置できる。従って、盗難防止仕様でないドアハンドル装置を盗難防止仕様のドアハンドル装置に容易に変更できる。又、プロテクター部材13をスライドによって装着できるため、プロテクター部材13の装着作業が容易である。
この実施形態では、プロテクター部材13及び補助プロテクター部材15は、キーレバー7aの外周の少なくとも2面を囲むので、金属ロッドによるキーレバー7a方向への侵入をより確実に阻止できる。
図4は前記実施形態のプロテクター部材の変形例を示す斜視図である。図4に示すように、この変形例のプロテクター部材17は、プロテクター本体17aと、このプロテクター本体17aの先端より直交方向に折曲する底面プロテクター部17bと、この底面プロテクター部17bの先端より直交方向に折曲する先端プロテクター部17cとから構成されている。上記実施形態と同様に、ベース部材の一対のスライド溝にプロテクター本体17aの両端部分を挿入することによって装着される。つまり、プロテクター部材17単体でキーレバーの外周の少なくとも2面を囲むものであり、金属ロッドによるキーレバー方向への侵入をより確実に阻止できる。この変形例のプロテクター部材17を使用すれば、上記実施形態のような補助プロテクター部材を削除できる。
尚、上記実施形態では、錠本体はシリンダ式のキーシリンダ本体7であったが、シリンダ式以外の錠であっても良いことはもちろんである。
尚、上記実施形態及びその変形例では、ドアパネル2の孔2bとキーシリンダ本体7のキーレバー7aとの間に1枚のプロテクター部材13,17のみを介在したが、2枚以上のプロテクター部材13,17を介在しても良い。
前記実施形態は、本発明のドアハンドル装置1を車両用に適用したが、車両用以外の用途にも適用できる。
本発明の一実施形態を示し、グリップハンドルタイプのドアハンドル装置の断面図である。 本発明の一実施形態を示し、ドアハンドル装置の分解斜視図である。 本発明の一実施形態を示し、図1のA−A線断面図である。 前記実施形態のプロテクター部材の変形例を示す斜視図である。 従来例を示し、ドアハンドル装置の断面図である。 従来例を示し、ドアハンドル装置の要部拡大断面図である。
符号の説明
1 ドアハンドル装置
2 ドアパネル
2b 孔
3 ベース部材
4 グリップ部材
4a べースアーム部
4b 係止アーム部
6 エスカッション
7 キーシリンダ本体(錠本体)
7a キーレバー
12 第2開口部(開口部)
13 プロテクター部材
14 スライド溝(固定部)
17 プロテクター部材

Claims (3)

  1. ドアパネルの外面側に配置され、一端側のベースアーム部が前記ドアパネルに回転自在に支持され、且つ、他端側の係止アーム部がドアパネルの孔より内面側に挿入されたグリップ部材と、このグリップ部材の他端側に近接配置され、前記ドアパネルの内面側に配置された錠本体と、前記ドアパネルの外面側に配置され、前記錠本体の外周に配置されたエスカッションとを備え、錠本体の解錠・施錠操作によってドアロックが解錠・施錠され、ドアロックが解除された状態で前記グリップ部材を回転操作することによってドアが開くドアハンドル装置であって、
    前記ドアパネルの内面側には、前記錠本体及び前記エスカッションを固定するベース部材が固定され、
    前記係止アームが挿入される前記ドアパネルの孔と、前記錠本体のキーレバーとの間に位置する前記ベース部材の部位に固定部と、
    この固定部にプロテクター部材を設け
    前記錠本体をベース部材に装着することで、前記プロテクター部材の脱落を防止することを特徴とするドアハンドル装置。
  2. 請求項1記載のドアハンドル装置であって、
    前記プロテクター部材は、前記キーレバーの少なくとも2面を囲む形状を有することを特徴とするドアハンドル装置。
  3. 請求項1又は請求項2記載のドアハンドル装置であって、
    前記固定部は、前記プロテクター部材を前記ドアパネルの外面側から前記孔を介して装着できることを特徴とするドアハンドル装置。
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